JPH0716710Y2 - 高所作業車の作業台装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （１）産業上の利用分野 本考案は、格納時の作業台の位置を低くすることができ
るとともに、ブームを長くすることのできる高所作業車
の作業台装置に関するものである。

（２）従来の技術 高所作業車の作業台装置は、例えば実開昭61−185800号
公報に記載されているように、作業台の巾方向の中心線
から偏倚した線上の作業台の上下方向の中心位置にポス
トを取付け、このポストの下方をブームの先端に枢着す
るとともに、ポストの下端とブームとに両端を取付けた
平衡取シリンダによりポストを常に鉛直状態に保持する
ものが従来より公知である。

（３）考案が解決しようとする問題点 従来の高所作業車の作業台装置は、作業台の巾方向の中
心線から偏倚した線上の作業台の上下方向の中心位置に
ポストを取付けるとともに、ポスト下端とブームとに両
端を取付けた平衡取シリンダによりポストを常に鉛直状
態に保持するものであるため、作業姿勢における高所作
業車の作業半径および揚程を大きく高くしようとする
と、格納時の作業台の位置が高くなり、高所作業車の重
心位置が高くなるとともに、格納時のブームの起伏角度
をあまり下げることができないので、ブームを長くする
ことができず、また、平衡取シリンダには常に伸長力が
作用するため、平衡取シリンダのロッドの強度を高めな
くてはならず、平衡取シリンダが大型化してしまうとい
う問題があった。

（４）問題点を解決するための手段 本考案は、上記の問題点を解決するために、車体の前方
上に搭載されたターンテーブルに、格納時に車体の後方
に向けて位置するとともに先端を下方に傾斜させる伸縮
ブームの基端が起伏自在に枢支され、この伸縮ブームの
先端側方に伸縮ブームと略平行に作業台が格納される高
所作業車の作業台装置において、ポストをブーム先端に
揺動自在に枢着し、ブームの起伏作動に連動して伸縮し
常にポストを鉛直状態に保持する平衡取シリンダの一端
を前記ポストのブーム枢着部より上方に枢着するととも
に、他端をブームに枢着し、格納状態において作業台の
前後方向の中心線から後方に偏倚した側の作業台の上下
方向の中心位置より下方に前記ポストを取付けたもので
ある。

（５）作用 上記の構成により、作業時にはブームを作動させて作業
台を任意の位置に移動させて作業を行い、格納時にはブ
ームを作動させて格納位置に移動し、作業台を格納位置
に位置させる。

（６）実施例 以下、図面により本考案の実施例について説明する。

第３図に示すように、高所作業車は、アウトリガ（２）
により支持された車体（１）の前方上にターンテーブル
（３）が旋回自在に搭載され、このターンテーブル
（３）には格納時に車体（１）の後方に向けて位置する
とともに先端が下方に傾斜する伸縮ブーム（４）の基端
が枢支され、伸縮ブーム（４）は内蔵された伸縮装置
（図示せず）により伸縮するとともに、ターンテーブル
（３）と伸縮ブーム（４）とに両端を枢着した起伏シリ
ンダ（５）の伸縮により起伏し、伸縮ブーム（４）の先
端には作業台（６）が平衡保持されている。

作業台（６）は、第１図及び第２図に示すように、伸縮
ブーム（４）の先端に伸縮ブーム（４）の軸線と平行な
方向に揺動自在にポスト（７）を枢着（８）し、このポ
スト（７）の伸縮ブーム（４）の枢着部（８）より上方
にポスト（７）を鉛直状態に保持する平衡取シリンダ
（９）の一端が枢着され、この平衡取シリンダ（９）の
他端が伸縮ブーム（４）に枢着され、平衡取シリンダ
（９）は伸縮ブーム（４）の起伏作動に連動して伸縮
し、ポスト（７）を常に鉛直状態に保持する。ポスト
（７）は、格納状態において作業台（６）の前後方向の
中心線（Ｃ）から車体（１）の後方側へ（Ａ）だけ偏倚
した線（Ｌ）上で、かつ作業台（６）の上下方向の中心
位置（Ｋ）よりも下方に（Ｂ）だけ偏倚した位置（Ｈ）
にブラケット（10）を介して取付けられ、作業台（６）
は伸縮ブーム（４）の側方に伸縮ブーム（４）に沿って
略平行に格納される。

上記の構成により、高所作業車を使用して作業を行うと
きは、作業台（６）に作業者が搭乗し、伸縮ブーム
（４）の起伏・伸縮、ターンテーブル（３）の旋回を行
い、作業台（６）を任意の位置へ移動させて作業を行
う。また、作業終了後、格納するときは、伸縮ブーム
（４）を全縮小状態にするとともに、伸縮ブーム（４）
の起伏を下げて伸縮ブーム（４）をブームレスト（11）
上に載置し、第３図に示すように、作業台（６）を格納
位置に位置させる。

なお、上記実施例においては、左右方向に対して前後方
向が長い作業台の場合を示したが、本考案は作業台の左
右方向の長さが前後方向の長さと同じ場合、あるいは作
業台の左右方向の長さが前後方向の長さよりも長い場合
においても有効である。

（７）考案の効果 以上のように、本考案は、格納状態において作業台の前
後方向の中心線から後方に偏倚した線上の作業台の上下
方向の中心位置より下方にブーム先端に枢着したポスト
を取付けたので、格納姿勢においてブームの先端位置が
下がりブームを長くすることができるとともに、作業姿
勢における高所作業車の作業半径および揚程を犠牲にせ
ずに、作業台の格納位置を低くすることができ、また、
ポストを常に鉛直状態に保持する平衡取シリンダの両端
をポストのブーム枢着部より上方とブームとに枢着した
ので、平衡取シリンダには常に圧縮力が作用するように
なり、平衡取シリンダが大型化することのない高所作業
車の作業台装置が提供され、本考案は高所作業車の機動
性向上に有効である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は本考案による作
業台装置の側面図、第２図は第１図の平面図、第３図は
高所作業車の格納状態を示す側面図である。 ４…伸縮ブーム、６…作業台、７…ポスト、９…平衡取
シリンダ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】車体の前方上に搭載されたターンテーブル
   に、格納時に車体の後方に向けて位置するとともに先端
   を下方に傾斜させる伸縮ブームの基端が起伏自在に枢支
   され、この伸縮ブームの先端側方に伸縮ブームと略平行
   に作業台が格納される高所作業車の作業台装置におい
   て、ポストをブーム先端に揺動自在に枢着し、ブームの
   起伏作動に連動して伸縮し常にポストを鉛直状態に保持
   する平衡取シリンダの一端を前記ポストのブーム枢着部
   より上方に枢着するとともに、他端をブームに枢着し、
   格納状態において作業台の前後方向の中心線から後方に
   偏倚した側の作業台の上下方向の中心位置より下方に前
   記ポストを取付けたことを特徴とする高所作業車の作業
   台装置。