JPH07167067A - スクロール型圧縮機 - Google Patents

スクロール型圧縮機

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JPH07167067A JP6227967A JP22796794A JPH07167067A JP H07167067 A JPH07167067 A JP H07167067A JP 6227967 A JP6227967 A JP 6227967A JP 22796794 A JP22796794 A JP 22796794A JP H07167067 A JPH07167067 A JP H07167067A
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稲垣  光夫
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博史 小川
Shigeru Hisanaga
滋 久永
Takahiro Oki
恭弘 沖
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 スクロール型圧縮機における自転防止機構の
構成を簡単なものにすると共に、小型化、軽量化、低コ
スト化する。 【構成】 渦巻状の歯部14を有し、回転軸1によって
駆動されて、渦巻状の歯部17を有する固定スクロール
3に対して公転して流体の圧縮作用をする可動スクロー
ル2の自転を防止するために、可動スクロール2の端板
12と、それに対向しているケーシング4の内側の端面
に、それぞれ複数個のピン部材9および10を軸方向に
突出させて設けて相互に接触させる。この場合、可動ス
クロールの自転トルクが大きくなる時期にそれを支持す
る位置へ来るピン部材の配置の密度を高くすることがで
きる。ピン部材9および10の直径については、それら
の直径の和の1/2が回転軸に対する可動スクロール2
の偏心量、即ち公転半径と等しいか、或いはそれよりも
微少量だけ小さくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば自動車用の空調
装置における冷媒圧縮機として使用するのに好適なスク
ロール型圧縮機に係り、特に、スクロール型圧縮機にお
ける可動スクロールの自転防止機構に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、従来のスクロール型圧縮機に
おいては、可動スクロールの公転を許すとともにその自
転を阻止するための自転防止機構として、可動スクロー
ルの端板の端面に形成された複数個の円形の穴(窪み)
と、その端面に対向してケーシングの内側の端面に形成
された複数個の円形の穴(窪み)との間に、それぞれ球
体を支持させた機構を使用しているものが多い。この自
転防止機構は構造が複雑で部品点数が多いだけでなく、
円形の穴を形成する部材の端面を大きくとる必要があ
り、その部材の重量も大きくなるために、従来のスクロ
ール型圧縮機の小型化、軽量化、低コスト化を妨げる一
因となっていた。
【0003】対向している複数個の円形の穴と、それら
の間に支持される複数個の球体からなる一般的な自転防
止機構の代わりに、対向しているそれらの端面の間に比
較的小さなクランク軸状のものを設けたスクロール型圧
縮機が、ドイツ特許公開第3729319号明細書に記
載されている。また、可動スクロールの端板の周辺部に
ニードル軸受によって回転自在に軸支されている軸方向
のピンが、それに対向してケーシングの内側の端面に形
成されているリング状の溝に係合する構成からなる自転
防止機構を備えたスクロール型流体機械が特開昭57−
203801号公報に記載されている。さらに、可動ス
クロールの端板の端面と、それに対向しているケーシン
グの内側の端面に、それぞれ複数対のピンが軸方向の互
いに対向する方向に延びるように突出して設けられてお
り、それら各対のピンに対してそれぞれ1個宛の共通の
リングが係合しているスクロール型圧縮機の自転防止機
構が特開昭62−199983号公報に記載されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これらの従来技術にお
ける自転防止機構も、対向している複数個の円形の穴と
複数個の球体からなる一般的な自転防止機構と同様に、
自転防止機構の体格がかなり大きくなるという問題を有
している。そこで本発明は、これらの従来のスクロール
型圧縮機、或いはスクロール型流体機械における自転防
止機構を小型化、軽量化、低コスト化することを発明の
目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の課題を
解決するための手段として、供給口と排出口を有するケ
ーシングと、前記ケーシングに回転自在に支持された回
転軸と、端板上に形成された渦巻状の歯部を有し、前記
ケーシング内に設けられた固定スクロールと、端板上に
形成された渦巻状の歯部を有し、前記固定スクロールと
中心をずらして噛み合うように組み込まれた可動スクロ
ールとを備えており、前記可動スクロールの公転運動に
よって、前記固定スクロールの渦巻状の歯部と前記可動
スクロールの渦巻状の歯部との間に形成されるポンプ室
が容積を減少しながら両スクロールの中心方向へ移動
し、前記ポンプ室内の流体の圧縮が行われるスクロール
型圧縮機であって、前記可動スクロールの端板の端面に
おいて前記渦巻状の歯部とは反対側の方向に前記回転軸
と平行に突出しており、前記可動スクロールの公転運動
に伴って公転する複数個の可動ピン部材と、前記可動ス
クロールの端板の前記端面と対向する前記ケーシングの
内側端面において前記可動ピン部材と接触係合し得るよ
うに前記回転軸と平行に突出している複数個の固定ピン
部材とを備えており、前記複数個の可動ピン部材と前記
複数個の固定ピン部材がそれぞれ対になって接触係合す
ることによって前記可動スクロールの自転を阻止する自
転防止機構を構成するように、各対の前記可動ピン部材
の直径と前記固定ピン部材の直径の和の2分の1が、前
記可動スクロールの公転半径と略一致していることを特
徴とするスクロール型圧縮機を提供する。
【0006】
【作用】従来のスクロール型圧縮機と同様に、回転軸に
よって駆動されることにより可動スクロールが回転軸の
回りに公転すると、同時に可動スクロールには自転トル
クが作用してそれ自体の中心の回りに回転しようとす
る。本発明のスクロール型圧縮機においては、可動スク
ロールの端板の端面から軸方向に突出して可動の複数個
のピン部材が設けられていると共に、それらの可動ピン
部材と係合するようにケーシングの内側端面から軸方向
に突出して固定の複数個のピン部材が設けられているの
で、可動ピン部材は固定ピン部材に抵触して可動スクロ
ールの自転が阻止される。従って、可動スクロールは公
転のみを行い、その渦巻状の歯部と固定スクロールの渦
巻状の歯部との噛み合いによって形成される三日月状の
ポンプ室は、外周部から次第に中心部へ移動しながら容
積を連続的に縮小させる。それによって従来のスクロー
ル型圧縮機と同様に冷媒などの圧縮すべき流体を圧縮す
ることができる。
【0007】このように、本発明におけるスクロール型
圧縮機においては、自転防止機構として、可動スクロー
ルの端板の端面と、その端面と対向しているケーシング
の内側端面の双方に、軸方向に突出するピン部材をそれ
ぞれ設けて、それらのピン部材同士を直接に接触させて
いるだけであるから、それらのピン部材を結合させるた
めの溝、穴、リング、軸受等の他の手段を設ける必要が
ないので、自転防止機構の構造が従来のものに比べて簡
単になり、自転防止機構が大きな容積を占めることがな
いので、スクロール型圧縮機全体が小型化、軽量化し、
構成が簡単になった分だけ製造コストも低減する。
【0008】
【実施例】図1は本発明によるスクロール型圧縮機を自
動車用の空調装置における冷媒圧縮機に適用した場合の
第1の実施例を示す。1は鋼製の回転軸で、偏心軸部と
してのクランク部11を有し、アルミニウム合金製のフ
ロントケーシング4内に組み込まれたラジアルベアリン
グ21によって回転自在に支承される。なお、クランク
部11には偏心部分に作用する遠心力を相殺するための
バランスウエイト11aが一体的に取り付けられてい
る。2は硬質アルマイト処理を施されたアルミニウム合
金製の可動スクロールで、その円盤状の端板12の内側
の端面にはインボリュート曲線を呈する渦巻状の歯部1
4が軸方向に一体的に設けられているとともに、その外
側の端面には回転軸1のクランク部11に対してニード
ルベアリング22を介して回転自在に係合するボス部1
3が一体的に形成されている。
【0009】3は、やはりアルマイト処理を施されたア
ルミニウム合金製の固定スクロールで、その円盤状の端
板16にはインボリュート曲線を呈して可動スクロール
2の渦巻状の歯部14と噛み合う渦巻状の歯部17が軸
方向に一体的に設けられている。これらの渦巻状の歯部
14および17が噛み合うことによって、それらの間に
1個以上の三日月形のポンプ室が形成される。また、こ
れらの渦巻状の歯部14および17の端板側から見た先
端縁には溝が形成されており、その溝の中にはチップシ
ール15および18が挿入されている。5は固定スクロ
ール3を支持するアルミニウム合金製のリアケーシング
であって、圧縮すべき冷媒を受け入れる供給口5aと、
圧縮された冷媒を送り出す排出口5bとを備えている。
【0010】可動スクロール2の端板12の外側の端面
におけるボス部13の中心Cr を中心とする円Rr (図
2参照)上には、複数個の軸方向の円形孔19が円周方
向に均等に配分して設けられており、その端面と向き合
うフロントケーシング4の内側の端面における回転軸1
の中心Ck 中心とする円Rk (その半径は先の円Rr
半径と同じ)上には、同様に複数個の軸方向の円形孔2
0が円周方向に均等に配分して設けられる。以下、これ
らの円Rr および円Rk をピッチ円と呼ぶことにする。
そして、円形孔19および20のそれぞれに、可動スク
ロール2の端板12の外側の端面およびフロントケーシ
ング4の内側の端面から同一の高さだけ突出するよう
に、円柱形状のピン部材9および10を圧入等の方法に
よって固定する。ピン部材9および10の材質として
は、可動スクロール2やフロントケーシング4の材質と
は異なる、たとえば鋼のような異種の素材を使用するこ
ともできる。
【0011】このように、本発明の第1実施例としての
スクロール型圧縮機における自転防止機構は、図2に示
された同径の複数個のピン部材9および10によって構
成される。図2は図1のII−II断面図であって、フロン
トケーシング4および可動スクロール2の両端面にそれ
ぞれ取り付けられたピン部材9および10の配置状態を
示している。円形孔19および20の配置により、ピン
部材9および10は、それぞれ可動スクロール2のボス
部13の中心(クランク部11の中心)Cr を中心とす
るピッチ円Rr 、およびフロントケーシング4内の回転
軸1の中心Ckを中心とする同じ半径のピッチ円Rk
各円周上にそれぞれ均等に配置されており、互いに向か
い合うもの同士が全て同一の相対的位置をとって接触し
ている。ただし、複数個のピン部材9および10が円R
r および円Rk の各円周上において均等配置されている
ことは、本発明としての必須の要件ではない。第1実施
例では、ピン部材9および10の直径dが、いずれも回
転軸1のクランク部11の旋回半径r、すなわち可動ス
クロール2の公転半径と一致するように構成されてい
る。
【0012】また、6は固定スクロール3の端板16の
中央部に開口している吐出口8に設けられた薄い鋼板製
の逆止弁であり、7は逆止弁6のストッパである。な
お、ピン部材9および10の相互の接触、および、ピン
部材と可動スクロール2の端板12の端面やフロントケ
ーシング4の端面との接触には摺動摩擦を伴うので、接
触による摩耗を避けるための適当な手段を講じること、
たとえば、それらの部分に潤滑油が供給されるようにす
ること等の配慮が必要である。
【0013】次に、第1実施例のスクロール型圧縮機に
おける自転防止機構の作動について説明する。第1実施
例のスクロール型圧縮機においては、従来のそれと同様
に、回転軸1が回転すると回転軸1の先端に形成された
クランク部11がニードルベアリング22を介して可動
スクロール2のボス部13を旋回駆動する。これに伴っ
て可動スクロール2の端面に配設された複数個のピン部
材9は、図3〜図5に示されているように、フロントケ
ーシング4の端面に配設された固定のピン部材10の回
りを公転運動する。このとき第1実施例では、ピン部材
9および10の直径dが回転軸1の中心とクランク部1
1またはボス部13の中心との間の距離(クランク部1
1あるいは可動スクロール2のボス部13の偏心量)、
換言すれば回転軸1のクランク部11の旋回半径r、あ
るいは可動スクロール2の公転半径と一致するように構
成されていることから、互いに対向するピン部材9およ
び10同士は常時ほとんど接触状態を保っている。
【0014】可動スクロール2に取り付けられて固定の
ピン部材10の回りを公転するピン部材9が、図4に示
したようにピン部材10の上部位置にあって、可動スク
ロール2が時計回り方向に自転トルクMを受けることに
よりボス部13の中心Cr を中心として右回りに自転し
ようとするとき、可動スクロール2に取り付けられたピ
ン部材9のうちでも図4において右側にあるピン部材9
a,9b,9cが、フロントケーシング4に取り付けら
れた固定のピン部材10のうちの右側の部分にあるピン
部材10a,10b,10cに押しつけられることによ
って、可動スクロール2の自転が阻止される。そのとき
ピン部材9a,9b,9cとピン部材10a,10b,
10cとの接点に発生する反力によって、ピン部材9
a,9b,9cの中心にはそれぞれ垂直方向の力F’,
F,F”が作用する。この場合に、ピン部材9bに作用
する力Fはそのまま有効な自転阻止力となるが、ピン部
材9aおよび9cに作用する力F’およびF”は方向が
自転方向(円周上にピン部材9a,9b,9cが配列し
ている点Cr を中心とするピッチ円Rr の接線方向)に
対して傾斜しているので、力F’およびF”の自転方向
の分力であるf’およびf”が有効な自転阻止力として
作用することになる。
【0015】このとき左側の部分にあるピン部材9e,
9f,9gと、中心Cr および中心Ck を結ぶ縦方向の
直線Y上にあるピン部材9dおよび9hは、それらと対
をなすピン部材10e,10f,10gおよびピン部材
10dおよび10hにそれぞれ接触していても実質的に
自転を阻止するような力が働かない。この場合に自転を
阻止する作用は上向きの力F,F’およびF”のような
上向きの力によって生じるので、そのような上向きの力
が発生しない部位のピン部材9d〜9hには自転阻止の
作用がない。従って、この場合に可動スクロール2の自
転を阻止するためには、3本のピン部材9a,9b,9
cのように縦の直線Yよりも右側の位置にある複数個の
可動ピン部材9と、それらの公転の中心に設けられたピ
ン部材10a,10b,10cのような複数個の固定ピ
ン部材10が必要である。
【0016】図4の場合はこのようにして可動スクロー
ル2の時計回り方向への自転が規制され、公転のみが許
される。それとは反対に、可動スクロール2が左回り、
即ち反時計回り方向に自転トルクMを受けて自転しよう
とする場合には、同様な理由から図5に示すように、可
動スクロール2に取り付けられた複数個のピン部材9の
うちでも直線Yの左側にあるピン部材9e,9f,9g
が、フロントケーシング4に取り付けられた複数個のピ
ン部材10のうちでやはり左側の部分にあるピン部材1
0e,10f,10gに当接して、自転方向とは反対の
方向にそれぞれ力Fおよびf’,f”を発生し、可動ス
クロール2の反時計回り方向への自転を阻止する。
【0017】従って、ピン部材9および10による自転
防止機構を組み込んだスクロール型圧縮機においては、
可動スクロール2がボス部13を中心として自転するこ
とがなく、複数個の可動のピン部材9が、それぞれ対を
なす固定のピン部材10の回りを公転することによっ
て、可動スクロール2が固定スクロール3に対して一定
の半径を保ちながら公転運動を行うので、一対の渦巻状
の歯部14および17の接触位置が外周部から中央部に
向かって円滑に移動し、三日月形のポンプ室の周囲が確
実にシールされた状態で、ポンプ室の容積が連続的に縮
小して行くので、スクロール型圧縮機は連続的に良好な
圧縮作用をなすことができる。この場合、圧縮反力によ
って可動スクロール2に作用する軸方向の推力はピン部
材9および10の先端と相手方の端面との摺動接触によ
ってケーシング4側へ伝達され、それによって可動スク
ロール2が軸方向に支持されるので、可動スクロール2
が軸方向に移動することも防止される。
【0018】また、第1実施例のスクロール型圧縮機に
おける自転防止機構は、同径のピン部材9および10を
組み合わせただけのものであって、他に全く部品を必要
としないので、部品点数が少なく、きわめて簡単な構成
となっている。さらに、ピン部材9および10を可動ス
クロール2の円盤状の端板12の最外周付近に設けるこ
とができることから、スクロール型圧縮機の外径を小さ
くすることができるという優れた利点も有している。
【0019】本発明の第2の実施例のスクロール型圧縮
機の要部を図6に示す。前述の第1実施例では図3に拡
大して示しているように、可動スクロール2およびフロ
ントケーシング4に配設されて自転防止機構を構成する
双方のピン部材9および10の直径dを等しくとり、回
転軸1のクランク部11の旋回半径r、即ち可動スクロ
ール2の公転半径と一致するように、同一のサイズのも
のとして構成したが、第2実施例によるスクロール型圧
縮機の自転防止機構においては、図6に示すように、可
動スクロール2およびフロントケーシング4に配設する
ピン部材9’および10’の直径を、それぞれd1 およ
びd2 というように異なる大きさとし、それらの直径の
和d1 +d2 の1/2、すなわち、それぞれの半径の和
が、回転軸1のクランク部11の旋回半径rあるいは可
動スクロール2の公転半径と一致するように、 r=(d1 +d2 )/2 として構成している。
【0020】この第2実施例においても、可動スクロー
ル2の公転に対して可動スクロール2の端板12に配設
されたピン部材9は、フロントケーシング4に配設され
た固定のピン部材10と接触を保ちながら、ピン部材1
0の回りを回転軸1のクランク部11の旋回半径rと同
一の公転半径で公転するため、第1実施例の場合と同様
に、可動スクロール2がボス部13を中心として自転し
ようとした場合には、ピン部材9’および10’がその
自転を規制する方向において当接し、可動スクロール2
の自転を防止することができる。
【0021】次に、本発明の第3実施例について説明す
る。第1実施例においては、ピン部材9および10を、
それぞれ可動スクロール2の端板12とフロントケーシ
ング4の端面に形成された円形孔19および20に圧入
等の方法によって固定しているために、ピン部材9およ
び10は相互に相手に対して線接触をして、その接触線
上では面圧が高くなった状態で摺動することになるの
で、ピン部材の摩耗を防止するために潤滑等の手段を講
じることが必要になる。第3実施例のスクロール型圧縮
機においては、その自転防止機構の対をなすピン部材が
転がり接触をするようにして摩耗を低減させ、自転防止
機構およびそれを搭載しているスクロール型圧縮機の信
頼性を一層向上させた点に特徴がある。
【0022】第3実施例の構造や作動状態は外見的には
図1〜図6に示した第1実施例や第2実施例のそれと同
様である。異なる点は、対をなすピン部材9および10
が、それを受け入れるために可動スクロール2の端板1
2とフロントケーシング4の端面に形成された円形孔1
9および20内に圧入等の方法で固定されておらず、僅
かな隙間を残して緩やかに挿入されていることによっ
て、円形孔19および20の中で自由に回転可能となっ
ている点にある。その他の構造は図1に示した第1実施
例の場合と概ね同様であるから重複する説明は省略す
る。第3実施例によって、ピン部材9とピン部材10と
の間の接触線では転がり接触となるために摩擦力が小さ
くなる。また、ピン部材9および10と円形孔19およ
び20との間で摺動摩擦が生じても面圧が低いので問題
はなく、更に、この構造においては、ピン部材9および
10間の隙間調整、或いはピン部材が損傷した場合の修
理等の目的で、ピン部材の交換をきわめて容易に行い得
るという利点がある。
【0023】第3実施例の変形例として、図7に示すよ
うに、円形孔19および20の中に例えばホワイトメタ
ルのような軸受材料からなるリング23および24を固
定すると共に、それらのリングに形成された円形孔1
9’および20’にピン部材9および10を回転可能に
挿入して摺動摩擦を更に軽減するとか、ピン部材9およ
び10は第1実施例と同様に圧入等によって固定すると
共に、それらのピン部材に対して、例えば硬質の金属材
料からなるリングを回転可能に緩やかに嵌合し、それら
のリング同士が転がり接触をするようにして、ピン部材
9および10の直接の接触による摩耗を更に軽減するこ
ともできる。なお、このような第3実施例の各手段を、
ピン部材9または10のいずれか一方の側にのみ選択的
に適用することができることは言うまでもない。
【0024】図8〜図10に本発明の第4実施例を示
す。前述の第1実施例等においては、可動スクロール2
に作用する圧縮反力の一つである軸方向荷重(推力)
を、自転防止機構のピン部材9および10の先端と、そ
れらに対向するフロントケーシング4の端面および可動
スクロール2の端板12の端面との接触によって伝達、
支持しているので、それらの接触部分における面圧の大
きさはピン部材9および10の本数とそれらの直径によ
って決まる。従って、面圧を低くするにはピン部材の本
数を増やすとか、ピン部材を太くする必要があるので、
それがスクロール型圧縮機の小型化や低コスト化を阻む
要因となり得る。
【0025】第4実施例のスクロール型圧縮機はこの問
題を解消するものである。構造の大半は図1によって説
明した第1実施例と同様であるが、まず、第4実施例の
特徴として図8および図9に示すように、固定ピン部材
10と同心で同数の概ね円形の窪み25がフロントケー
シング4の端面に形成される。可動ピン部材9は円形の
窪み25の中の空間によってピン部材10の回りを公転
しながら移動することができる。そして、図8および図
10に示すように、可動スクロール2の端板12の端面
には均等配置で軸方向に突出する複数個の突起部26が
形成され、フロントケーシング4の内側端面と摺動接触
することによって軸方向の荷重を支持している。なお、
突起部26の表面および/またはケーシング4の内側端
面に摩耗を防止するための表面処理を施してもよい。
【0026】第4実施例によれば、軸方向の荷重が端板
12に形成された突起部26と、その対向面の摺動接触
によって支持されるため、ピン部材9および10によっ
て自転防止機構が同時に軸方向の荷重をも支持する必要
がなくなり、ピン部材9および10の数と直径を最小に
することが可能になる。その結果、部品点数の減少、コ
ストの低下、ピン部材9および10の端部における焼き
つき防止による信頼性の向上等の好ましい効果が得られ
る。なお、図10からも明らかなように、突起部26は
隣り合うピン部材9の間のデッドスペースを利用して形
成されるので、十分に大きな面積を有する突起部26を
数多く形成しても、それによってスクロール型圧縮機を
大型化する恐れはない。
【0027】図11および図12は第4実施例を更に発
展させた第5実施例を示すもので、第4実施例では可動
スクロール2の端板12に形成された突起部26を、表
面処理を施すにしてもフロントケーシング4の端面に直
接に接触させているが、第5実施例では、突起部26の
材料、即ち可動スクロール2の材料であるアルミニウム
合金に対して摺動性の良い材料、例えば磨き鋼板からな
る耐摩耗性のプレート27をフロントケーシング4の内
側の端面に取り付けている。図12に示すように、プレ
ート27は第4実施例における円形の窪み25に相当す
る空間を形成するために、窪み25’を有する形状に打
ち抜いて製作される。
【0028】図13〜図16に本発明の第6実施例を示
す。本発明の自転防止機構に使用されるピン部材9およ
び10はいずれも片持ち梁(Cantileber)と同様な支持
状態になっているので、荷重が加わることによってピン
部材9または10の断面に作用する曲げモーメントは、
先端では零であるが根元に近づくにつれて増大する。従
って、前述の第1実施例等のようにピン部材9および1
0が先端から根元まで直径が同一の円柱形状のものであ
る場合には、根元に作用する大きな曲げモーメントに耐
え得るように十分な大きさの断面積を与えて、根元の断
面における曲げ応力を所定値以下に低減させると、先端
寄りの断面では曲げ応力が小さくなるために材料の無駄
が生じ、軽量化という目的を十分に達し得ないことにな
る。
【0029】第6実施例はこの点に着目したもので、図
16に拡大して示したように、各ピン部材の形状を同じ
傾斜角度αを有する円錐形とした点に特徴があり、根元
寄りから先端寄りに向かって直径が漸次減少する形状の
ピン部材9”および10”を相互に係合接触するよう
に、例えば圧入のような方法によって、可動スクロール
2の端板12に形成された軸方向の円形孔19と、フロ
ントケーシング4の端面に形成された軸方向の円形孔2
0にそれぞれ固定している。その他の構造は前述の各実
施例と概ね同様であるから、同じ参照符号を付すことに
よって重複する説明は省略する。
【0030】第6実施例の自転防止機構はこのように構
成されているので、可動スクロール2がケーシング4,
5内に組み付けられた状態では、ピン部材9”はそれぞ
れ対応するピン部材10”に対して図16に示すように
軸方向の長さLの範囲で線接触し、それによって第1実
施例の場合と同様に自転を阻止する力Fおよびf’,
f”(図4および図5参照)が発生して、可動スクロー
ル2の自転を阻止すると共に、第6実施例特有の作用と
して、同じ円錐形のピン部材9”および10”の傾斜面
によって軸方向の荷重(推力)が伝達・支持される。こ
の場合、接触範囲L内の任意の断面では、図15に示し
たように、ピン部材9”の半径R1 とピン部材10”の
半径R2 との和が可動スクロール2の公転半径rと等し
くなる。
【0031】前述のように、ピン部材は片持ち梁である
ために根元に近い部分程大きな曲げモーメントを受ける
が、第6実施例においてピン部材9”および10”を円
錐形としたことによって、ピン部材の根元の断面積を大
きくすることが容易になり、大きな曲げモーメントを受
けても、それによって発生する根元の断面における曲げ
応力を十分小さくすることが可能になる。例えば、ピン
部材の長さが5mmで可動スクロール2の公転半径rも
5mm、円錐部分の傾斜角度αが45°であれば、ピン
部材9”または10”の根元に作用する最大の曲げ応力
は、ピン部材が円柱形である場合の約9分の1となる。
また、第6実施例においては、ピン部材9”および1
0”が円錐形であるために、可動スクロール2をケーシ
ング4,5内に組み付ける作業が容易になるという付加
的な効果もある。
【0032】第6実施例では、可動スクロール2に作用
する軸方向の荷重をピン部材9”および10”の円錐面
の接触によって支持しているが、それに限らず、例え
ば、前述の第1実施例(図1)において示したように、
各ピン部材の端面を可動スクロール2の端板12および
フロントケーシング4の端面に直接に接触させて荷重を
受けたり、第4実施例(図8〜図10)や第5実施例
(図11および図12)に示したように、別途に可動ス
クロール2の軸方向の移動を阻止する手段を設けてもよ
い。このように各実施例の特徴部分の組合せもまた、そ
れらが特許請求の範囲の記載の範囲内である限り本発明
に属する。
【0033】次に、図17および図18によって本発明
の第7実施例を説明する。前述の第6実施例のようにピ
ン部材9”および10”が共に円錐形のものであれば比
較的問題は起こり難いが、第1実施例のピン部材9およ
び10のように円柱形状のピン部材を用いる場合には、
加工精度の問題として、ピン部材9および10の形状や
寸法の誤差とか、それらを受け入れる可動スクロール2
の端板12の円形孔19やフロントケーシング4の端面
の円形孔20の位置についての誤差が或る程度以上に大
きくなると、可動スクロール2を、ケーシング4,5や
固定スクロール3に対して軸方向に相対的に移動させて
組み付ける際に、ピン部材9とピン部材10の先端面が
干渉して組み付けが困難になる場合がある。また、仮に
組み付けることができた場合でも、運転状態において特
定のピン部材の対に集中的に過大な荷重が加わって、極
端な場合には一部のピン部材9または10が折損するこ
とも考えられる。
【0034】第7実施例はこのような危惧を避けるため
に必要に応じて実施されるもので、スクロール型圧縮機
としての全体構成は図1に示す第1実施例の場合と同様
なものであるが、例えば図17に示すように自転防止機
構のピン部材9および10の対が6組設けられている場
合に、それらのピン部材9および10の全ての対の間
に、図18にcとして示したようなクリアランスを予め
与えてある。言うまでもなく実際の加工ではクリアラン
スcそのものにも誤差が入るから、cの値はあくまでも
目標値である。また、図17や図18においては説明の
ためにクリアランスが誇張して大きく描かれているが、
実際のcの値は微小なものである。
【0035】ピン部材9および10の直径がそれぞれd
1 ,d2 であって、公転半径がrである場合に、ピン部
材9および10の間にクリアランスcを与えるとすれ
ば、図18から明らかなように、 c=r−(d1 +d2 )/2 という関係があり、このようなクリアランスcが予め与
えられていると、ピン部材9および10のように円柱形
状のピン部材であっても組み付けが容易に行われるし、
組み付け時にピン部材に無理な応力が発生することがな
い。また、運転状態においては、ピン部材9が可動スク
ロール2と共に微小な角度だけ自転してピン部材10に
接触し、その接触位置で自転を阻止されることになる。
要するに、第7実施例は、第1実施例等と同様なスクロ
ール型圧縮機の自転防止機構において、公転半径rと、
ピン部材9およびピン部材10との間に、 r>(d1 +d2 )/2 という関係を与えたものであると定義することができ
る。
【0036】図19〜図21に本発明の第8実施例を示
す。前述の各実施例におけるスクロール型圧縮機ではク
ランク部11が回転軸1と一体のものであって、回転軸
1の軸心に対するクランク部11の偏心量(旋回半
径)、従って、可動スクロール2の公転半径は一定とし
ている。そのような固定のクランク部11を用いる場合
には、クランク部11の一定の偏心量によって一定とさ
れた公転半径が適正な値でないと色々な問題を生じる可
能性がある。つまり偏心量(公転半径)が過大である場
合には、可動スクロール2の渦巻状の歯部14と固定ス
クロール3の渦巻状の歯部17との間に異常な干渉が生
じ、前者が後者に強く押し付けられることによって、両
者の接触部分の摩耗が増大したり歯部が破損する恐れが
生じる。反対に偏心量が小さすぎると、渦巻状の歯部1
4および17の間に全く接触が起こらなくなるために、
冷媒等の流体を圧縮する三日月形のポンプ室の両端の接
触部分のシール性が低下し、圧縮された流体が低圧側へ
漏洩して、スクロール型圧縮機の性能が低下するという
可能性が生じる。
【0037】そこで、第8実施例においては、偏心量固
定のクランク部11の代わりに、いわゆる従動クランク
機構28を採用して、偏心量を可変としている点に特徴
がある。スクロール型圧縮機に従動クランク機構を使用
すること自体は、特開平2−176179号公報による
開示によって既に知られているが、第8実施例では自転
防止機構にピン部材9および10を使用している本発明
の基本的な特徴に加えて、偏心量および可動スクロール
2の公転半径rが可変となる従動クランク機構28を用
いた点に特徴がある。
【0038】第8実施例のスクロール型圧縮機の要部を
図によって詳細に説明する。要部以外の構造は図1に示
す第1実施例等と概ね同様である。図19に示すよう
に、従動クランク機構28は摺動可能に係合する二つの
部分からなっている。その一つは回転軸1と一体的に形
成された駆動キー29であって、概ね直方体形のもので
ある。他の一つは可動スクロール2のボス部13をニー
ドルベアリング22を介して回転自由に支持する円柱形
のブッシュ30であって、ブッシュ30には駆動キー2
9を摺動可能に受入れる多少長めの溝30aが設けられ
ている。なお、図19に示す30bは、回転軸1に対し
て偏心している可動スクロール2が公転運動をする際に
発生する遠心力の少なくとも一部を相殺するために、ブ
ッシュ30と一体的に形成されたバランスウエイトであ
る。
【0039】図20に示すように、回転軸1の回転方
向、従って、可動スクロール2に作用する自転トルクM
の方向が左回りであるときは、回転軸1の中心Ck とブ
ッシュ30の中心Cb (中心Cb は可動スクロール2
と、そのボス部13の中心Cr とも一致している。)と
を結ぶ直線Yに対して、駆動キー29および溝30a
は、自転トルクMとは反対の右回り方向に所定の角度θ
の傾斜が与えられている。
【0040】回転軸1が回転して駆動キー29が溝30
aを介してブッシュ30を駆動し、それによって可動ス
クロール2が公転して固定スクロール3との間の三日月
形のポンプ室において流体を圧縮すると、ブッシュ30
の中心Cb には圧縮反力FPが作用し、その分力である
P cosθがブッシュ30から駆動キー29へ伝達さ
れる。また、圧縮反力FP の溝30aの方向における分
力であるFP sinθによって、ブッシュ30が駆動キ
ー29を足掛かりにして押し上げられ、ブッシュ30お
よび可動スクロール2の中心Cb (中心Cr )は、回転
軸1の中心Ckに対して溝30aの方向に微小な距離の
相対的移動を行うので、縦の直線Yの方向において中心
k に対する中心Cb の距離である可動スクロール2の
偏心量εが増大する。
【0041】その結果、図1に図示したような可動スク
ロール2の渦巻状の歯部14が、固定スクロール3の渦
巻状の歯部17に押し付けられて、歯部14および17
の間に形成された三日月形のポンプ室の両端の接触部分
のシール性が高くなる。このときに圧縮反力FP によっ
て渦巻状の歯部14および17の間に作用する押し付け
力FD は、図20に示したように、溝30aの方向の成
分FD cosθと、それに対して垂直な方向の成分FD
sinθとを有するが、前者のFD cosθは圧縮反力
P の溝30aの方向の分力であるFP sinθと等し
いから、 FD cosθ=FP sinθ と置くと、押し付け力FD は、 FD =FP sinθ/cosθ=FP tanθ となる。
【0042】このように、本発明の第8実施例において
は、可動スクロール2およびブッシュ30の偏心量εを
変化させ得る従動クランク機構28を用いることによっ
て、可動スクロール2および固定スクロール3の渦巻状
の歯部14および17の間に作用する押し付け力F
D を、圧縮反力FP の大きさに応じて増減変化させるこ
とができるので、流体を圧縮するポンプ室のシール性を
過不足なく高めてスクロール型圧縮機の性能を向上させ
ることができる。
【0043】なお、前述のように偏心量が一定であるク
ランク部11を備えるスクロール型圧縮機においては、
可動スクロール2の公転半径(即ち偏心量)をrとし、
ピン部材9および10の直径をd1 およびd2 とした場
合に、 r=(d1 +d2 )/2 となるが、従動クランク機構28を用いる第8実施例に
おいては、偏心量εが可変であるために、偏心量ε或い
は公転半径rの目標値をε0 とした場合に、 ε0 >(d1 +d2 )/2 としておけば、スクロール型圧縮機が起動されるまでの
状態においては、可動スクロール2および固定スクロー
ル3の渦巻状の歯部14および17の間に所定値以上の
クリアランスが存在するので、可動スクロール2等の組
み付け作業が容易になる。また、運転中に歯部14およ
び17の間に異常な干渉が生じて摩耗が増大したり、破
損を招いたりすることも避けることができる。
【0044】第8実施例のスクロール型圧縮機における
自転防止機構のピン部材9および10の作動状態を図2
1に示す。この場合は自転トルクMの方向が左回りであ
り、可動スクロール2の公転方向も同じであるから、先
に図4および図5に関して説明したのと同様な理由によ
って、図21の左側部分にあるピン部材の対の間にのみ
荷重F1 ,F2 ,F3 が発生する。それによって、ブッ
シュ30の中心Cb には反力ΔFD ' が作用するが、そ
の大きさは、 ΔFD ' =F1 +F2 +F3 である。この反力ΔFD ' はスクロール2の渦巻状の歯
部14を固定スクロール3の渦巻状の歯部17に向かっ
て押し付ける方向に作用するため、この場合の押し付け
力FD は反力ΔFD ' の分だけ増加することになる。こ
の作用によって、自転トルクMが増大する高負荷時に押
し付け力FD を増加させて、流体を圧縮するポンプ室の
シール性を高めることができる。
【0045】次に本発明の第9実施例について説明す
る。以上の実施例においては可動スクロール2の端板1
2に取り付けられた複数個のピン部材9は、例えば図2
に示すように、可動スクロール2やボス部13と同じ中
心Cr を有するピッチ円Rr の円周上に配列しており、
また、フロントケーシング4の端面に固定された複数個
のピン部材10は、回転軸1と同じ中心Ck を有するピ
ッチ円Rk の円周上に配列している。これに対して第9
実施例においては、ピン部材9および10のピッチ円R
r およびピッチ円Rk を、それぞれ中心Cr および中心
k に対して偏心させることによって、各ピン部材に作
用する荷重を軽減した点に特徴がある。
【0046】図1に示すようなスクロール型圧縮機にお
ける可動スクロール2に作用する自転トルクの大きさ
は、回転軸1の回転角度に応じて図24に示すように変
化し、約180°の間隔で最大値と最小値が交互に現れ
ると共に、最大値は約360°の間隔で繰り返して現れ
る。山の高さは圧縮比(吐出圧Pd /吸入圧Ps )によ
って決まるが、図24では二通りの圧縮比の各場合につ
いて自転トルクの変化を示している。
【0047】また、スクロール型圧縮機の作動状態にお
ける代表的な4つの時期について、固定スクロール3の
渦巻状の歯部17に対する可動スクロール2の渦巻状の
歯部14の相対的位置を図25〜図28に例示している
が、図24の線図において回転角度0°というのは、図
25に示すように三日月形のポンプ室31の両端が閉じ
て圧縮すべき流体の吸入が完了した状態であって、可動
スクロール2の自転トルクはその付近で最小になる。従
って、自転トルクが最大となるのは図25の位置から1
80°進んだ図27に示す状態であり、図24では回転
角度180°付近の位置に当たる。
【0048】なお、以上の説明から明らかなように、図
26は可動スクロール2に作用する自転トルクが増加し
つつある途中の、回転軸1の回転角度が90°付近であ
る状態を示しており、図28はその自転トルクが減少し
つつある途中の回転軸1の回転角度270°付近の状態
を示している。
【0049】可動スクロール2に作用する自転トルクが
最大となる回転軸1の回転角度180°の状態(図2
7)におけるピン部材9および10の位置関係が図22
に示されている。複数個のピン部材9は、図示しない可
動スクロールの端板において点C9 を中心とするピッチ
円R9 の円周上に等間隔で配列しており、複数個のピン
部材10は、図示しないフロントケーシングの端面にお
いて点C10を中心とするピッチ円R10の円周上に等間隔
で配列している。前述の第1実施例等では、ピッチ円R
9 の中心C9 は可動スクロール2やボス部13の中心C
r と一致していると共に、ピッチ円R10の中心C10は回
転軸1の中心Ck と一致していたが、第9実施例はピッ
チ円R9 およびピッチ円R10を、それぞれ中心Cr およ
び中心Ckに対してδだけオフセットして配置した点に
特徴がある。
【0050】矢印で示されているように、自転トルクは
可動スクロール2に対して中心Crの回りに公転方向と
同じ方向に作用するが、最大の自転トルクが作用してい
る状態が図22に示されているものとすると、この場合
も前述のように、中心Cr および中心Ck を結ぶ直線Y
よりも右側にある複数個のピン部材9が対応するピン部
材10に当接して自転トルクを支持し、可動スクロール
2の自転を阻止することになる。従って、この状態にお
いて直線Yの右側にあるピン部材9および10を中心C
r および中心Ck (直線Y)から可及的遠くに配置すれ
ばモーメントの腕が長くなるために、同じ大きさの自転
トルクが可動スクロール2に作用しても各ピン部材9お
よび10が負担する荷重は小さくなる。そのために、ピ
ン部材9のピッチ円R9 の中心C9 、およびピン部材1
0のピッチ円R10の中心C10を、それぞれ中心Cr およ
び中心Ck からの距離が大きくなるように、直線Yに関
して垂直な方向に(図22では右側へ)δだけ偏心させ
ている。その結果、各ピン部材までのモーメントの腕の
長さが大きくなるだけでなく、直線Yの右側にあるピン
部材9および10の対の数も増加して、各ピン部材の負
担が軽減される。
【0051】図23は図22に対して180°の位相差
のある状態を示しており、図24から判るように可動ス
クロール2の自転トルクは最小となっている。この状態
では直線Yよりも左側のピン部材9および10の各対に
よって、可動スクロール2に作用する矢印方向の自転ト
ルクによる荷重を支持することになる。このときには中
心Cr およびCk から直線Yの左側にあるピン部材9お
よび10までの距離、即ちモーメントの腕の長さも最小
になっているが、可動スクロール2に作用する自転トル
クも最小になっているので、ピン部材9および10にが
負担すべき荷重は小さく、何ら問題はない。
【0052】このように、第9実施例は、可動スクロー
ル2に作用する自転トルクが最大となるときに、それを
支持する特定のピン部材9および10までの、中心Cr
およびCk からの距離、即ちモーメントの腕の長さ(別
の見方をすれば、直線Yからそれら特定のピン部材9お
よび10までの距離、即ち各ピン部材から直線Yに下ろ
した垂線の長さ)が最大となるように、モーメントの腕
の長さを自転トルクの大きさに応じて変化させたもので
ある。
【0053】基本的には第9実施例と同様な考え方か
ら、可動スクロール2に作用する自転トルクが増大する
時期に、それを支持する位置に来るピン部材9および1
0の対の数を重点的に増加させることによって、ピン部
材に作用する荷重を軽減することもできる。その一つが
第10実施例であって、やはり自転防止機構の要部のみ
が図29に示されている。前述の説明から明らかなよう
に、可動スクロール2に対して自転トルクが矢印Mのよ
うに作用するとき、複数個のピン部材9のうちでピン部
材10に抵触することによって自転を阻止されるのは直
線Yよりも右側にあるものだけであるが、図29に示す
状態が自転トルクMが最大になる状態であるとして、ピ
ッチ円Rr の円周上にはピン部材9が偏って配置されて
おり、直線Yの右側にあるピン部材9の数(4個)が、
直線Yの左側にあるピン部材9の数(2個)よりも多く
なるように設定されている。言うまでもなく、ピン部材
10の数もピン部材9の数に対応して偏っている。
【0054】第10実施例の自転防止機構によれば、可
動スクロール2の自転トルクMが増大するときには、そ
れを支持するピン部材9および10の数が増加するの
で、荷重が分散して支持されることによって、それぞれ
のピン部材に作用する荷重が小さくなる。従って、ピン
部材9および10の径を小さくしたり、総数を減らした
りすることが可能になり、スクロール型圧縮機の小型
化、軽量化、低コスト化という本発明の目的に沿うもの
となる。
【0055】図30は第11実施例を示すもので、この
自転防止機構は前述の第10実施例に第9実施例の特徴
を取り入れたものに相当する。即ち、最大の自転トルク
が作用する可動スクロール2の位置に対応して、直線Y
の右側に重点的に多く配置されるピン部材9および10
の対が、更に右側へオフセットされてモーメントの腕の
長さも長くなり、各ピン部材9および10に作用する最
大の自転トルクによる荷重をより一層軽減している。そ
のために、可動のピン部材9のピッチ円R9 の中心C9
がボス部13の中心Cr から直線Yに関して垂直に右へ
偏心していると共に、固定のピン部材10のピッチ円R
10の中心C10も回転軸の中心Ck に対して右へ偏心して
いる。
【0056】これら第9実施例から第11実施例までの
考え方を普遍化すると、ピン部材9および10をそれぞ
れ正確な円としてのピッチ円Rr ,Rk ,R9 ,R10
の円周上に配置することは必ずしも必要なことではな
く、可動スクロール2が公転する時にピン部材9がピン
部材10の周囲をそれに接して公転するという条件を満
たす限り、ピン部材9および10を任意の形状の曲線上
に設けて、可動スクロール2に作用する自転トルクが増
大する時期に、それを支持する位置に来るピン部材の対
の数が増加するように、ピン部材9および10を重点的
に配置すればよいことになる。ピン部材9および10を
そのように配置しても本発明の目的を達することができ
る。
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、自転防止機構、ひいて
はその自転防止機構を設けているスクロール型圧縮機自
体を、従来のものよりも小型化、軽量化、低コスト化す
ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例としてのスクロール型圧縮
機を示す縦断正面図である。
【図2】図1におけるII−II断面図である。
【図3】第1実施例における自転防止機構の作動を説明
するための部分図である。
【図4】第1実施例における自転防止機構の右回りの場
合の作動を説明するための全体図である。
【図5】第1実施例における自転防止機構の左回りの場
合の作動を説明するための全体図である。
【図6】第2実施例の要部のみを示す部分図である。
【図7】第3実施例の変形としてのスクロール型圧縮機
を示す縦断正面図である。
【図8】第4実施例としてのスクロール型圧縮機を示す
縦断正面図である。
【図9】図8におけるIX−IX断面図である。
【図10】図8における可動スクロールの端板の面を示
す側面図である。
【図11】第5実施例としてのスクロール型圧縮機を示
す縦断正面図である。
【図12】図11における要部を示す側面図である。
【図13】第6実施例としてのスクロール型圧縮機を示
す縦断正面図である。
【図14】図13におけるXIV −XIV 断面図である。
【図15】図14の要部を拡大して示す図である。
【図16】図13の要部を拡大して示す図である。
【図17】第7実施例を説明するための模式図である。
【図18】第7実施例の要部を拡大して示す模式図であ
る。
【図19】第8実施例における従動クランク機構の分解
斜視図である。
【図20】従動クランク機構の作用を説明する模式図で
ある。
【図21】第8実施例における自転防止機構の作動を説
明するための部分図である。
【図22】第9実施例における自転防止機構の一つの作
動状態を示す断面図である。
【図23】図22の自転防止機構の他の作動状態を示す
断面図である。
【図24】スクロール型圧縮機における可動スクロール
に作用する自転トルクの変化を示す線図である。
【図25】スクロール型圧縮機において自転トルクが最
小となる状態における一対のスクロールの相対的位置を
示す断面図である。
【図26】自転トルクが増大しつつある状態の中間にお
ける一対のスクロールの相対的位置を示す断面図であ
る。
【図27】自転トルクが最大となる状態における一対の
スクロールの相対的位置を示す断面図である。
【図28】自転トルクが減少しつつある状態の中間にお
ける一対のスクロールの相対的位置を示す断面図であ
る。
【図29】第10実施例における自転防止機構の一つの
作動状態を示す断面図である。
【図30】第11実施例における自転防止機構の一つの
作動状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1…回転軸 2…可動スクロール 3…固定スクロール 4…フロントケーシング 9,9’,9”…可動のピン部材(可動スクロール側) 10,10’,10”…固定のピン部材(ケーシング
側) 11…クランク部 12…可動スクロールの端板 13…ボス部 14…渦巻状の歯部(可動) 17…渦巻状の歯部(固定) 23,24…リング 25…円形の窪み 26…突起部 27…プレート 28…従動クランク機構 29…駆動キー 30…ブッシュ 30a…溝 31…三日月形のポンプ室 Cb …ブッシュの中心 Ck …回転軸の中心 Cr …可動スクロール、クランク部またはボス部の中心 FD …押し付け力 FP …圧縮反力 M…自転トルク Rk …回転軸の中心と同じ中心を有するピッチ円 Rr …可動スクロールまたはボス部の中心と同じ中心を
有するピッチ円 Y…中心Cr および中心Ck を結ぶ直線 c…ピン部材9および10間のクリアランス α…ピン部材9”および10”の傾斜角度 θ…駆動キーおよび溝の傾斜角度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小川 博史 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内 (72)発明者 久永 滋 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内 (72)発明者 沖 恭弘 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 供給口と排出口を有するケーシングと、 前記ケーシングに回転自在に支持された回転軸と、 端板上に形成された渦巻状の歯部を有し、前記ケーシン
    グ内に設けられた固定スクロールと、 端板上に形成された渦巻状の歯部を有し、前記固定スク
    ロールと中心をずらして噛み合うように組み込まれた可
    動スクロールとを備えており、 前記可動スクロールの公転運動によって、前記固定スク
    ロールの渦巻状の歯部と前記可動スクロールの渦巻状の
    歯部との間に形成されるポンプ室が容積を減少しながら
    両スクロールの中心方向へ移動し、前記ポンプ室内の流
    体の圧縮が行われるスクロール型圧縮機であって、 前記可動スクロールの端板の端面において前記渦巻状の
    歯部とは反対側の方向に前記回転軸と平行に突出してお
    り、前記可動スクロールの公転運動に伴って公転する複
    数個の可動ピン部材と、 前記可動スクロールの端板の前記端面と対向する前記ケ
    ーシングの内側端面において前記可動ピン部材と接触係
    合し得るように前記回転軸と平行に突出している複数個
    の固定ピン部材とを備えており、 前記複数個の可動ピン部材と前記複数個の固定ピン部材
    がそれぞれ対になって接触係合することによって前記可
    動スクロールの自転を阻止する自転防止機構を構成する
    ように、各対の前記可動ピン部材の直径と前記固定ピン
    部材の直径の和の2分の1が、前記可動スクロールの公
    転半径と略一致していることを特徴とするスクロール型
    圧縮機。
  2. 【請求項2】 前記複数個の可動ピン部材と前記複数個
    の固定ピン部材の少なくとも一方が回転自在に前記端面
    に取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の
    スクロール型圧縮機。
  3. 【請求項3】 前記可動スクロールの端板と、それに対
    向する前記ケーシングの内側端面とのいずれか一方が、
    摺動接触するための複数個の突起部を有することを特徴
    とする請求項1または2記載のスクロール型圧縮機。
  4. 【請求項4】 前記ケーシングの内側端面には、前記可
    動スクロールの端板に配設された前記複数個の可動ピン
    部材と対向する位置に円形の窪みが形成されていること
    を特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の
    スクロール型圧縮機。
  5. 【請求項5】 前記複数個の可動ピン部材と前記複数個
    の固定ピン部材をそれぞれ円柱形状としたことを特徴と
    する請求項1ないし4のいずれか1つに記載のスクロー
    ル型圧縮機。
  6. 【請求項6】 前記複数個の可動ピン部材と前記複数個
    の固定ピン部材をそれぞれ根元に向かって太くなる円錐
    形状としたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれ
    か1つに記載のスクロール型圧縮機。
  7. 【請求項7】 前記可動ピン部材の直径と前記固定ピン
    部材の直径との和の2分の1が、前記可動スクロールの
    公転半径よりも微少量だけ小さいことを特徴とする請求
    項1ないし請求項6のいずれか1つに記載のスクロール
    型圧縮機。
  8. 【請求項8】 前記スクロール型圧縮機は、前記回転軸
    の端部に偏心して取り付けられて前記可動スクロールに
    公転運動を与えるブッシュを備えており、 前記可動スクロールの端板には、前記ブッシュの回転を
    許容しながら公転駆動力を受けるための前記ブッシュと
    の係合部が形成されており、 前記ブッシュには回転伝達面を形成する溝が設けられて
    いると共に、 前記回転軸の端部には、前記ブッシュの回転伝達面に沿
    って移動可能な回転伝達面を備えていて前記ブッシュの
    溝の中に摺動可能に嵌合する駆動キーが設けられてお
    り、 前記ブッシュの中心が前記回転軸1の中心から公転半径
    だけ偏心すると共に、前記駆動キーおよび前記溝の回転
    伝達面が、前記ブッシュの中心と前記回転軸の中心を通
    る直線に対して前記回転軸の回転方向とは反対の方向に
    傾斜して設けられていることを特徴とする請求項1ない
    し請求項7のいずれか1つに記載のスクロール型圧縮
    機。
  9. 【請求項9】 前記複数個の可動ピン部材が前記可動ス
    クロールの中心と同じ中心を有するピッチ円の円周上に
    配置されていると共に、前記複数個の固定ピン部材が前
    記回転軸の中心と同じ中心を有するピッチ円の円周上に
    配置されていることを特徴とする請求項1ないし請求項
    8のいずれか1つに記載のスクロール型圧縮機。
  10. 【請求項10】 前記複数個の可動ピン部材および前記
    複数個の固定ピン部材が、それぞれのピッチ円の円周上
    に等間隔に配置されていることを特徴とする請求項9記
    載のスクロール型圧縮機。
  11. 【請求項11】 係合する前記複数個の可動ピン部材お
    よび前記複数個の固定ピン部材の対の数に関して、前記
    可動スクロールに作用する自転トルクが最大となるとき
    に、その自転トルクを支持する前記対の数が、そのとき
    に自転トルクを支持しない前記対の数よりも多くなるよ
    うにしたことを特徴とする請求項10のいずれか1つに
    記載のスクロール型圧縮機。
  12. 【請求項12】 前記可動スクロールに作用する自転ト
    ルクが最大となる状態において、前記複数個の可動ピン
    部材のうちで自転トルクを支持する位置に来る可動ピン
    部材と前記可動スクロールの中心との距離、および前記
    複数個の固定ピン部材のうちで前記状態において自転ト
    ルクを支持する位置にある前記固定ピン部材と前記回転
    軸の中心との距離が、いずれも最大となるような位置に
    前記可動ピン部材および前記固定ピン部材を配置したこ
    とを特徴とする請求項1ないし請求項11のいずれか1
    つに記載のスクロール型圧縮機。
  13. 【請求項13】 前記複数個の可動ピン部材がピッチ円
    の円周上に配置されていると共に前記複数個の固定ピン
    部材もまた別のピッチ円の円周上に配置されており、前
    記可動スクロールに作用する自転トルクが最大となる状
    態において、前記複数個の可動ピン部材のうちで自転ト
    ルクを支持する位置に来る可動ピン部材と前記可動スク
    ロールの中心との距離、および前記複数個の固定ピン部
    材のうちで前記状態において自転トルクを支持する位置
    にある前記固定ピン部材と前記回転軸の中心との距離が
    いずれも最大となるように、前記可動ピン部材のピッチ
    円の中心が前記可動スクロールの中心からオフセットさ
    れていると共に、前記複数個の固定ピン部材のピッチ円
    の中心が前記回転軸の中心からオフセットされているこ
    とを特徴とする請求項1ないし請求項12のいずれか1
    つに記載のスクロール型圧縮機。
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