JP4088392B2 - スクロール型流体機械 - Google Patents

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    • F04C18/00Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids
    • F04C18/02Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of arcuate-engagement type, i.e. with circular translatory movement of co-operating members, each member having the same number of teeth or tooth-equivalents
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧縮機または膨張機として使用されるスクロール型流体機械に係わり、特に、旋回スクロールの自転防止機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の自転防止機構としては、例えば特開昭58−30401号,特開昭59−68585号公報に開示されているように、旋回スクロール1の端板1aに旋回ピン1bを突設するとともに、ハウジング2にもハウジングピン2aを突設し、これらのピン1b,2aを突起拘束部材3で連結した構成のものが知られている(図10,11参照)。
【0003】
突起拘束部材3には、距離eを隔てて2つの穴4が形成され、旋回ピン1bおよびハウジングピン2aが各々の穴4に挿入されて自転防止機構が構成される。
この自転防止機構では、距離eと同じ偏心量ρを有するクランク5を旋回スクロール1側の軸受6に組み合わせることにより、図11に示すような4節リンクLが構成されるため、旋回スクロール1は、その公転運動が妨げられることなく自転のみが防止される。
【0004】
また、この自転防止機構は、従来のオルダムリンクやボールカップリングを用いた自転防止機構に比して、部品点数が減少し、構造を極めて簡易なものにすることができるため、当該機構の小型化および軽量化が可能になるといった長所を有している。
さらに、自転防止機構を構成する突起拘束部材5等の加工も容易であり、コスト的にも有利である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この自転防止機構では、旋回ピン1bとハウジングピン2aとの相対距離が一定(=e)に保たれる機構であるから、旋回スクロール1の旋回半径も常に一定に保持される。
このため、旋回スクロール1と固定スクロール(図示略)との噛み合いに誤差があると、その誤差により生じた隙間から流体が漏洩し、体積効率の低下やバラツキを生ずることがあった。
【0006】
他方、特公平6−68276号公報には、図12,13にその要部を示すように、突起拘束部材7がリング状とされ、その内空部7aに旋回ピン1bおよびハウジングピン2aを挿入するようにした自転防止機構が開示されている。
この構成では、内空部7aにおいて、旋回ピン1bとハウジングピン2aとの相対距離変動が許容されるため、旋回スクロール1の旋回半径が可変となり、両スクロール間の噛み合い誤差を吸収することができる。
【0007】
しかしながら、この自転防止機構は、旋回スクロール1の公転旋回運動に伴って突起拘束部材7が転動する構成であるため、旋回ピン1bおよびハウジングピン2aと、突起拘束部材7の内周面とが転がり接触となり、これらピン1b,2aおよび突起拘束部材7の疲労寿命が短いという欠点を有している。
【0008】
また、設計上の都合から、旋回ピン1bとハウジングピン2aとでピン径を変えたい場合、転がり接触では、各ピン1b,2aと突起拘束部材7との間で相対的な転がり速度に差が生じるため、一方のピン1b(2a)と突起拘束部材7との間に相対滑りが発生し、偏摩耗を招くことがある。
よって、設計変更に対する対応が困難であるという欠点もあった。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、旋回スクロールの旋回半径を可変にし、流体漏れを効果的に防止することにある。
また、本発明の他の目的は、自転防止機構の長寿命化および設計変更への対応の容易化にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。
すなわち、請求項1記載のスクロール型流体機械は、端板の一端面に渦巻状ラップが立設された固定スクロールおよび旋回スクロールを相互に偏心させ、かつ位相をずらせて噛み合わせてハウジング内に配設し、該ハウジングに固定された前記固定スクロールに対して前記旋回スクロールを公転旋回運動させるスクロール型流体機械であって、前記旋回スクロール端板の他端面から突出する旋回側突起と、前記ハウジングから前記他端面側に突出する固定側突起と、これら旋回側突起および固定側突起が各々遊嵌され、内周面が前記旋回側突起または前記固定側突起との摺動接触部とされる穴を有し、前記旋回側突起および前記固定側突起を前記摺動接触部にて摺動させながら半径方向の変位を許容しつつ最大変位を規制するとともに、前記穴内における前記旋回側突起および前記固定側突起間の相対距離変動が許容される突起拘束部材と、を備えてなる自転防止機構が設けられることを特徴としている。
【0011】
このような構成では、両スクロール間の噛み合い誤差を吸収することができることはもとより、旋回側突起および固定側突起が突起拘束部材の摺動接触部に摺動接触(滑り接触)しながら半径方向の最大変位が拘束されるため、これらの接触状態が転がり接触となる場合と比較して、突起拘束部材および両突起の疲労寿命が長くなる。
【0012】
さらに、両突起と突起拘束部材とを摺動接触させることにより、滑り軸受と同様に、潤滑油膜によって負荷を支えることが可能となる他、設計上の都合で両突起の外径を同一に設定し得ない場合であっても、転がり接触の場合のように局部的な相対滑りを生じないから、偏摩耗のおそれもない。
【0014】
起拘束部材に形成された穴に旋回側突起および固定側突起が各々遊びをもって嵌合し、穴内における両突起間の相対距離変動が許容されるから、旋回スクロールの旋回半径が可変となることはもとより、旋回スクロールの公転旋回運動中は、これら突起と突起拘束部材の内周面とが摺動接触となるから、上記同様、潤滑油膜による負荷の支持,疲労寿命の延命化,及び偏摩耗の防止が可能となる。
【0015】
請求項記載のスクロール型流体機械は、端板の一端面に渦巻状ラップが立設された固定スクロールおよび旋回スクロールを相互に偏心させ、かつ位相をずらせて噛み合わせてハウジング内に配設し、該ハウジングに固定された前記固定スクロールに対して前記旋回スクロールを公転旋回運動させるスクロール型流体機械であって、前記旋回スクロール端板の他端面から突出する旋回側突起と、前記ハウジングから前記他端面側に突出する固定側突起と、前記旋回側突起および前記固定側突起が相互に間隔をおいて遊嵌され内周面が前記旋回側突起および前記固定側突起との摺動接触部とされる一つの長穴を有し、前記旋回側突起および前記固定側突起を前記摺動接触部にて摺動させながら半径方向の変位を許容しつつ最大変位を規制する突起拘束部材と、を備えてなる自転防止機構が設けられていることを特徴している。
この長穴は、例えば、旋回側突起及び固定側突起を囲う夫々の穴を、互いに交叉しない接線で連結して得られる。
【0016】
このような構成において、旋回側突起は、固定側突起の回りを予め与えられた旋回半径に対して所定の範囲で変動する旋回半径で円運動する。この時、突起拘束部材の内周面は、両突起の外表面と摺動接触して半径方向の運動を拘束する。
そして、この拘束作用は、突起拘束部材の内周面のうち、長穴に遊嵌された各突起の中心よりも外方のみが有効に作用する。
よって、本請求項に係る突起拘束部材の内周面も上記請求項2に係る突起拘束部材の内周面と同等の拘束作用を奏する。
【0017】
請求項記載のスクロール型流体機械は、請求項または請求項に記載のスクロール型流体機械において、前記突起拘束部材は、相互に間隔をおいて遊嵌される前記旋回側突起および固定側突起の離間方向に沿って細長く形成されていることを特徴としている。
【0018】
このような構成では、突起拘束部材をより小寸法にし得て、その軽量化を図ることが可能となる。
【0019】
請求項記載のスクロール型流体機械は、請求項1から請求項のいずれかに記載のスクロール型流体機械において、前記突起拘束部材は、前記摺動接触部以外の部分に未加工部を有することを特徴としている。
【0020】
このような構成では、旋回スクロールの自転防止,及び旋回半径の可変化を実現するのに必要な摺動接触部以外の加工、例えば、突起拘束部材の外周部加工を廃止することにより、より一層の低コスト化を図ることが可能となる。
【0021】
請求項記載のスクロール型流体機械は、請求項1から請求項のいずれかに記載のスクロール型流体機械において、一対の旋回側突起および固定側突起を一の突起拘束部材により拘束する組み合わせが複数組設けられていることを特徴としている。
【0022】
このような構成では、両スクロールの歯面接触点が移動するにつれて、自転防止のための4節リンクが順次変わるため、旋回スクロールの公転旋回運動が滑らかになる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、第一の実施形態に係るスクロール型圧縮機の全体構成を示す縦断面図であり、同図中、符号11はハウジングを示している。
このハウジング11は、カップ状本体11aと、該カップ状本体11aの開口端側に配されるフロントエンドプレート11bおよび筒状部材11cとから構成されている。
【0024】
筒状部材11cには、一端にクランク12aを備えた回転軸12が貫通し、この回転軸12は、ベアリング13a,13bを介して筒状部材11cに回転自在に支持されている。
ハウジング11の内部には、固定スクロール14および旋回スクロール15が配設されている。
【0025】
固定スクロール14は、端板14aと、その一端面に立設された渦巻状ラップ14bとを備えた構成とされ、端板14aは、ボルト16によってカップ状本体11aに締結されている。
端板14aの外周面にはOリング17が埋設され、このOリング17がカップ状本体11aの内周面に密接することにより、端板14aの図1示左側には吸入室18が形成され、また、端板14aの右側には吐出キャビティ19が形成されている。
【0026】
旋回スクロール15は、固定スクロール14と同様に、端板15aと、その一端面に立設された渦巻状ラップ15bとを備えた構成とされている。
また、渦巻状ラップ15bは、固定スクロール14の渦巻状ラップ14bと実質的に同一の形状を有している。
そして、これら旋回スクロール15と固定スクロール14とは、相互に公転旋回半径だけ偏心し、かつ180゜だけ位相をずらせて噛み合わされている。
【0027】
また、渦巻状ラップ14b,15bの内周側先端面には、それぞれチップシール21a,21bが埋設されている。
これらチップシール21a,21bは、端板14a,15aの一端面に密接すると同時に、渦巻状ラップ14b,15bの側面に複数箇所で密接している。
これにより、渦巻状ラップ14b,15b間には、それらの中心に対して略点対称をなす複数の密閉空間22が形成されている。
【0028】
旋回スクロール端板15aの他端面中央部には、円筒状のボス23が突設され、ボス23の内部には、クランク12aの偏心部12bが旋回スクロール軸受24およびドライブブッシュ25を介して回動自在に収容されている。
また、旋回スクロール端板15aの他端面外縁部と、フロントエンドプレート11bとの間には、旋回スクロール15の自転防止機構が設けられている。
【0029】
以下、この自転防止機構について、図1から図4を参照しながら説明する。
旋回スクロール端板15aの他端面側には、周方向に等しい間隔を隔てて複数(本実施形態では4個)の旋回ピン(旋回側突起)31が突設されている。
また、フロントエンドプレート11bの旋回スクロール15側に面した一端面にも、周方向に等しい間隔を隔てて旋回ピン31と同数のハウジングピン(固定側突起)32が突設されている。
【0030】
符号33は、端板15aの他端面と、フロントエンドプレート11bの一端面との間に設けられた円板状の突起拘束部材である。
これら突起拘束部材33には、旋回ピン31およびハウジングピン32が各々遊びを以て嵌合される一対の穴34が穿設されている。
【0031】
すなわち、これらの穴34は、旋回ピン31およびハウジングピン32よりも十分に大径に形成されている。
また、これら穴34の中心間距離eは、クランク12の偏心量と等しくなるように設定され、この偏心量が旋回スクロール15の旋回半径とされる。
本実施形態では、穴34として貫通孔を図示したが、突起拘束部材33の両端面に開口しない止まり穴状であってもよい。
【0032】
しかして、回転軸12を回転させれば、旋回スクロール15は、自転防止機構によってその自転を阻止されながら、クランク12a,ボス23,旋回スクロール軸受24等からなる旋回駆動機構を介して、回転軸12を中心にクランク12aの偏心量を半径とする円軌道上を公転旋回運動する。
これにより、渦巻状ラップ14b,15b間の線接触部は、次第に渦巻きの中心方向に移動し、その結果、密閉空間22は、容積を減少しながら渦巻の中心方向へと移動する。
【0033】
このため、吸入口(図示略)を通って吸入室18に流入した流体は、渦巻状ラップ14b,15b間の外終端開口部から密閉空間22内に取り込まれた後、圧縮されながら中心部35に至る。
そして、このようにして圧縮された流体は、吐出弁36を押し開いて吐出キャビティ19内へと導かれ、吐出口(図示略)を経て外部へと流出する。
【0034】
以上の流体圧縮動作において、固定スクロール14と旋回スクロール15との噛み合いに歯面誤差があると、密閉空間22から流体が漏洩し、体積効率の低下やバラツキを生じる。
しかしながら、上記構成の自転防止機構によれば、旋回ピン31およびハウジングピン32と、突起拘束部材33に形成された穴34との間に遊びが設けられているため、これらピン31,32間の相対距離の変動が許容される。
【0035】
このため、旋回スクロール15の旋回半径が可変となり、両スクロール14,15の噛み合いに誤差が生じていても、かかる誤差を吸収して密閉空間22のシール性を高めることができる。
従って、本実施形態の自転防止機構によれば、流体漏れによる体積効率の低下およびバラツキを効果的に防止することのできる高効率なスクロール型圧縮機を構成することができる。
【0036】
ちなみに、これらピン31,32間の相対距離が変動した際の旋回スクロール15の自転防止は、単に4節リンクの節点の一部が、両ピン31,32と穴34との接触点から両スクロール14,15の歯面接触点に移行しただけであるから、確実になされることはもとよりである。
【0037】
また、本実施形態では、一対の旋回ピン31およびハウジングピン32を一の突起拘束部材33により拘束する組み合わせを4組設けているため、両スクロール14,15の歯面接触点が移動するにつれて、自転防止のための4節リンクも順次変わり、旋回スクロール15の公転旋回運動が滑らかな自転防止機構が構成されている。
【0038】
さらに、旋回スクロール15の公転旋回運動中は、旋回ピン31およびハウジングピン32の半径方向の変位が、穴34を有する突起拘束部材33の内周面(摺動接触部)と滑り接触(摺動接触)しながら拘束されるため、滑り軸受と同様に、潤滑油膜によって負荷を支えることが可能になる。
これにより、旋回ピン31,ハウジングピン32,および突起拘束部材33の長寿命化を図ることができる。
【0039】
また、設計上の都合から、旋回ピン31とハウジングピン32とでピン径を変えざるを得ない場合であっても、潤滑油膜によって偏摩耗の発生を防止し得るため、設計の自由度も高まる。
【0040】
次に、本発の第二実施形態について、図5を用いて説明する。
本実施形態のスクロール型圧縮機は、突起拘束部材に旋回ピンおよびハウジングピンが相互に間隔をおいて遊嵌される一つの長穴が形成されていること特徴しており、その他の構成要素は、第一実施形態と同様である。
以下、本実施形態に係る突起拘束部材の構成および作用を説明する。
【0041】
図5において、符合36は突起拘束部材、37は長穴である。
長穴37は、図4(第一実施形態)の穴34と同一構成とされた一対の穴38,38、つまり、旋回ピン31およびハウジングピン32が各々遊嵌される穴38,38を、互いに交叉しない2つの接線39a,39bで結び、これら穴38,38の中心よりも外方の外側半円部38a,38bと、前記2本の接線38a,38bとで囲まれた形状となっている。
【0042】
このような構成によれば、旋回ピン31は、ハウジングピン32の回りを予め与えられた旋回半径に対して所定の範囲で変動する旋回半径で円運動する。
このとき、長穴37を有する突起拘束部材36の内周面(摺動接触部)は、これら旋回ピン31およびハウジングピン32の外表面と摺動接触して半径方向の運動を拘束する。
【0043】
そして、この拘束作用は、突起拘束部材36の内周面のうち、各ピン31,32の中心よりも半径外方向の外側半円部38a,38bのみが有効に作用する。
よって、突起拘束部材36の内周面も第一実施形態に係る突起拘束部材33の内周面と同等の拘束作用を奏するから、本実施形態のスクロール型圧縮機においても、上述の高効率化,長寿命化,及び設計自由度の向上を図ることができる。
【0044】
次に、本発明の第三実施形態について、図6から図8を用いて説明する。
本実施形態のスクロール型圧縮機は、突起拘束部材に特徴を有しており、その他の構成要素は第一実施形態と同様であるため、以下、突起拘束部材について説明する。
【0045】
図6は本実施形態に係る突起拘束部材、図7,8はその変形例を示す平面図であり、これらの突起拘束部材41,42,43は、いずれも穴41a,42a,43aの離間方向に沿って細長く形成したことを特徴としている。
すなわち、図6に示す突起拘束部材41は、穴41aの離間方向に直交する方向の幅W1が穴41aと穴41aとの間で均一とされている。
【0046】
また、図7に示す突起拘束部材42は、穴42aと穴42aの間の幅W2が両端部よりも更に一段狭くなるように形成され、図8に示す突起拘束部材43は、「8」の字状をなすように形成されている。
従って、いずれの突起拘束部材41,42,43についても、第一,及び第二実施形態の突起拘束部材33よりも小寸法にし得て、その軽量化を図ることができる。
【0047】
次に、本発明の第四実施形態について、図9を用いて説明する。
本実施形態のスクロール型圧縮機は、突起拘束部材に特徴を有しており、その他の構成要素は第一実施形態と同様であるため、以下、突起拘束部材について説明する。
図9は、本実施形態に係る突起拘束部材51を示す平面図であり、この突起拘束部材51は、第一実施形態と同様、円板状をなすものであるが、その外周部51aは未加工とされている。
【0048】
その理由は、旋回スクロール15の自転防止および旋回半径の可変化を実現するにあたり、突起拘束部材51の外周部51aは、必ずしも高精度に加工しておく必要はないからである。
従って、本実施形態によれば、突起拘束部材51の外周部加工を廃止することにより、その低コスト化を図ることができる。
【0049】
なお、上記の実施形態はいずれもスクロール型圧縮機に関するものであるが、本発明はスクロール型膨張機にも適用可能であることはもとよりである。
【0050】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば次のような効果が得られる。
(a)請求項1記載のスクロール型流体機械は、旋回側突起および固定側突起を突起拘束部材の摺動接触部に摺接させながら半径方向の変位を許容しつつ最大変位を規制する自転防止機構を備えるから、両スクロールの噛み合いに歯面誤差があっても流体漏れを効果的に防止して高効率化を図ることができることはもとより、自転防止機構を構成する部品の長寿命化および設計自由度の向上をも図ることができる。
【0051】
起拘束部材に形成された穴に旋回側突起および固定側突起が各々遊嵌し、旋回スクロールの公転旋回運動中は、これら突起と突起拘束部材の内周面とが摺動接触しながら旋回スクロールの旋回半径が可変となるように自転防止機構を構成したから、上記と同様に高効率化,長寿命化,及び設計自由度の向上を図ることができる。
【0052】
)請求項記載のスクロール型流体機械は、突起拘束部材に形成された一つの長穴に旋回側突起および固定側突起が共に遊嵌し、旋回スクロールの公転旋回運動中は、突起拘束部材の内周面うち、長穴に遊嵌された旋回側突起および固定側突起の各中心よりも外方のみが有効に拘束作用として機能する自転防止機構を備えるから、上記請求項2に係る突起拘束部材と同等の拘束作用が得られ、上記と同様に高効率化,長寿命化,及び設計自由度の向上を図ることができる。
【0053】
)請求項記載のスクロール型流体機械によれば、突起拘束部材をより小寸法に構成し得て、軽量化を図ることができる。
)請求項記載のスクロール型流体機械によれば、突起拘束部材の外周部加工を廃止することにより、低コスト化を図ることができる。
【0054】
)請求項記載のスクロール型流体機械によれば、両スクロールの歯面接触点が移動すると、自転防止のための4節リンクも順次変わるため、旋回スクロールの公転旋回運動を滑らかにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一実施形態を示すスクロール型圧縮機の縦断面図である。
【図2】 図1の要部拡大図である。
【図3】 図1のA−A断面矢視図である。
【図4】 図3の要部拡大図である。
【図5】 本発明の第二実施形態を示す突起拘束部材の平面図である。
【図6】 本発明の第三実施形態を示す突起拘束部材の平面図である。
【図7】 図5に示す突起拘束部材の変形例である。
【図8】 図5に示す突起拘束部材の他の変形例である。
【図9】 本発明の第三4実施形態を示す突起拘束部材の平面図である。
【図10】 旋回スクロールの自転防止機構の一従来例を示す斜視図である。
【図11】 図10に示す自転防止機構の作用を示す動作図である。
【図12】 自転防止機構の他の従来例を示す要部縦断面図である。
【図13】 図12のB−B断面図である。
【符号の説明】
11 ハウジング
14 固定スクロール
15 旋回スクロール
14a,15a 端板
14b,15b 渦巻状ラップ
31 旋回ピン(旋回側突起)
32 ハウジングピン(固定側突起)
33、36、41、42、43、51 突起拘束部材
34、41a、42a、43a 穴
37 長穴

Claims (5)

  1. 端板の一端面に渦巻状ラップが立設された固定スクロールおよび旋回スクロールを相互に偏心させ、かつ位相をずらせて噛み合わせてハウジング内に配設し、該ハウジングに固定された前記固定スクロールに対して前記旋回スクロールを公転旋回運動させるスクロール型流体機械であって、
    前記旋回スクロール端板の他端面から突出する旋回側突起と、
    前記ハウジングから前記他端面側に突出する固定側突起と、
    これら旋回側突起および固定側突起が各々遊嵌され、内周面が前記旋回側突起または前記固定側突起との摺動接触部とされる穴を有し、前記旋回側突起および前記固定側突起を前記摺動接触部にて摺動させながら半径方向の変位を許容しつつ最大変位を規制するとともに、前記穴内における前記旋回側突起および前記固定側突起間の相対距離変動が許容される突起拘束部材と、を備えてなる自転防止機構が設けられることを特徴とするスクロール型体機械。
  2. 端板の一端面に渦巻状ラップが立設された固定スクロールおよび旋回スクロールを相互に偏心させ、かつ位相をずらせて噛み合わせてハウジング内に配設し、該ハウジングに固定された前記固定スクロールに対して前記旋回スクロールを公転旋回運動させるスクロール型流体機械であって、
    前記旋回スクロール端板の他端面から突出する旋回側突起と、
    前記ハウジングから前記他端面側に突出する固定側突起と、
    前記旋回側突起および前記固定側突起が相互に間隔をおいて遊嵌され内周面が前記旋回側突起および前記固定側突起との摺動接触部とされる一つの長穴を有し、前記旋回側突起および前記固定側突起を前記摺動接触部にて摺動させながら半径方向の変位を許容しつつ最大変位を規制する突起拘束部材と、
    を備えてなる自転防止機構が設けられていることを特徴とするスクロール型流体機械。
  3. 前記突起拘束部材は、相互に間隔をおいて遊嵌される前記旋回側突起および固定側突起の離間方向に沿って細長く形成されていることを特徴とする請求項または請求項に記載のスクロール型流体機械。
  4. 前記突起拘束部材は、前記摺動接触部以外の部分に未加工部を有することを特徴とする請求項1から請求項のいずれかに記載のスクロール型流体機械。
  5. 一対の旋回側突起および固定側突起を一の突起拘束部材により拘束する組み合わせが複数組設けられていることを特徴とする請求項1から請求項のいずれかに記載のスクロール型流体機械。
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