JP2001090679A - スクロール型流体機械 - Google Patents

スクロール型流体機械

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JP2001090679A
JP2001090679A JP27335699A JP27335699A JP2001090679A JP 2001090679 A JP2001090679 A JP 2001090679A JP 27335699 A JP27335699 A JP 27335699A JP 27335699 A JP27335699 A JP 27335699A JP 2001090679 A JP2001090679 A JP 2001090679A
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JP27335699A
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Yasuhiro Wada
康弘 和田
Shigeki Miura
茂樹 三浦
Tetsuzo Ukai
徹三 鵜飼
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐久性を向上させ、騒音、振動の発生を防止
することのできるスクロール型流体機械を提供するこ
と。旋回スクロールの旋回半径を可変にし、流体漏れを
効果的に防止し、さらに、自転防止機構の長寿命化およ
び設計変更への対応を容易にすること。 【解決手段】 旋回ピン31の基端部または先端部、ハ
ウジングピン32の基端部または先端部のうち、少なく
ともいずれか一つには、前記旋回ピン31またはハウジ
ングピン32の端面と側面とを滑らかにつなげる面取り
部31a、31bが形成されている。自転防止機構は、
旋回スクロール端板15aの端面から突出する旋回ピン
31と、ハウジング11から前記端面側に突出するハウ
ジングピン32と、これら旋回ピン31およびハウジン
グピン32を摺動接触部にて摺動させながら半径方向の
変位を許容しつつ最大変位を規制する突起拘束部材33
とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧縮機または膨張
機として使用されるスクロール型流体機械に係わり、特
に、旋回スクロールの自転防止機構に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】この種の自転防止機構としては、例えば
特公平6−68276号公報に示されているものがあ
る。図7乃至図11にその要部を示した。旋回スクロー
ル1とこれに対向するハウジング2にそれぞれ複数の嵌
合穴1a、2aが形成されており、この嵌合穴1a、2
aには、旋回スクロール1側及びハウジング2側にそれ
ぞれ旋回ピン1bおよびハウジングピン2bが圧入嵌合
されている。また、突起拘束部材7がリング状とされ、
その内空部7aに旋回ピン1bおよびハウジングピン2
bを挿入するようにした自転防止機構が開示されてい
る。この構成では、旋回スクロール1がクランク5によ
り偏心回転される。さらに、旋回ピン1bが突起拘束部
材7により規制されながら、ハウジング2側のハウジン
グピン2bの周りで旋回される。これによって、図10
に示すような4節リンクLが構成されるため、旋回スク
ロール1の自転が防止されて、公転旋回運動のみが許容
されるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
自転防止機構においては、旋回ピン1bおよびハウジン
グピン2bに浮上りが発生するとともに、各旋回ピン1
bおよびハウジングピン2bの先端と突起拘束部材7の
転動面との間に強い当りが発生するという問題がある。
そして、浮き上がりが生ずると、旋回ピン1bおよびハ
ウジングピン2bの組み付け強度が低下して、耐久性が
低下したり、大きな騒音や振動が発生する。また、旋回
ピン1bおよびハウジングピン2bの先端と突起拘束部
材7の転動面との間に強い当りが生じると、それらの間
にこじれが生じたりして、前記と同様に耐久性が低下
し、大きな振動や騒音が発生する。
【0004】上記の旋回ピン1bおよびハウジングピン
2bの浮き上がりは、各ピン1b,2bを嵌合穴1a,
2aに圧入する際に、図11に示すようにかじり及びか
じりバリ8が発生し、ピン1b、2bの圧入保持力が不
足していることが原因である。また、突起拘束部材7の
転動面等の強い当たりについては、各ピン1b、2bの
先端部の角部が鋭利であるため、図11に示すように、
突起拘束部材7が少しでも傾斜すると、各ピン1b、2
b先端部分と突起拘束部材7との接触面圧が異常に高く
なることが原因である。
【0005】さらに、この自転防止機構は、旋回スクロ
ール1の公転旋回運動に伴って突起拘束部材7が転動す
る構成であるため、旋回ピン1bおよびハウジングピン
2bと、突起拘束部材7の内周面とが転がり接触とな
り、これらピン1b,2bおよび突起拘束部材7の寿命
が短いという欠点を有している。
【0006】また、設計上の都合から、旋回ピン1bと
ハウジングピン2bとでピン径を変えたい場合、転がり
接触では、各ピン1b,2bと突起拘束部材7との間で
相対的な転がり速度に差が生じるため、一方のピン1b
(2b)と突起拘束部材7との間に相対滑りが発生し、
偏摩耗を招くことがある。よって、設計変更に対する対
応が困難であるという欠点もあった。
【0007】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、耐久性を向上させ、騒音、振動の発生を防止する
ことのできるスクロール型流体機械を提供することを目
的とする。また、本発明の他の目的は、旋回スクロール
の旋回半径を可変にし、流体漏れを効果的に防止し、さ
らに、自転防止機構の長寿命化および設計変更への対応
を容易にすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のスクロー
ル型流体機械は、端板の一端面に渦巻状ラップが立設さ
れた固定スクロールおよび旋回スクロールを相互に偏心
させ、かつ位相をずらせて噛み合わせてハウジング内に
配設し、該ハウジングに固定された前記固定スクロール
に対して前記旋回スクロールを公転旋回運動させるスク
ロール型流体機械であって、前記旋回スクロール端板の
他端面に設けられた旋回側嵌合穴と、該旋回側嵌合穴に
一端が嵌合されるとともに他端が該旋回側嵌合穴から突
出して設けられた旋回側突起と、前記ハウジングに設け
られたハウジング側嵌合穴と、該ハウジング側嵌合穴に
一端が嵌合されるとともに他端が前記旋回スクロール端
板の他端面側に突出して設けられた固定側突起と、これ
ら旋回側突起および固定側突起が摺動する摺動接触部に
より、前記各突起間距離の変動を許容しつつ最大離間距
離を規制する突起拘束部材とを備え、前記旋回側突起の
基端部または先端部、前記固定側突起の基端部または先
端部の少なくともいずれか一つには、前記旋回側突起ま
たは固定側突起の端面と側面とを滑らかにつなげる面取
り部が形成されていることを特徴とする。
【0009】このスクロール型流体機械においては、旋
回側突起または固定側突起の基端部(嵌合穴側端部)ま
たは先端部には、面取り部が形成されているため、以下
の作用を有する。すなわち、基端部面取り部を設けるこ
とにより、旋回側突起または固定側突起をそれぞれ旋回
側嵌合穴またはハウジング側嵌合穴に圧入する際に、か
じり及びかじりバリが発生するのを抑制することがで
き、各ピンの圧入保持力を高めることができる。従っ
て、各ピンについての浮き上がりの発生を防止すること
ができる。先端部に面取り部を設けることにより、圧縮
機の運転時に突起拘束部材が僅かに傾斜した場合でも、
旋回側突起または固定側突起が、その先端部に形成され
た面取り部において突起拘束部材の内周面に接触する。
このため、接触面圧が異常に高くなるのを抑制すること
ができて、旋回側突起先端または固定側突起先端ならび
に突起拘束部材の摺動面に強い当りが発生するのを防止
することができる。
【0010】さらに、このような構成では、両スクロー
ル間の噛み合い誤差を吸収することができることはもと
より、旋回側突起および固定側突起が突起拘束部材の摺
動接触部に摺動接触(滑り接触)しながら各突起間間距
離の変動を許容しつつ最大離間距離が制限されるため、
これらの接触状態が転がり接触となる場合と比較して、
突起拘束部材および両突起の寿命が長くなる。
【0011】さらに、両突起と突起拘束部材とを摺動接
触させることにより、滑り軸受と同様に、潤滑油膜によ
って負荷を支えることが可能となる他、設計上の都合で
両突起の外径を同一に設定し得ない場合であっても、転
がり接触の場合のように局部的な相対滑りを生じないか
ら、偏摩耗のおそれもない。
【0012】請求項2記載のスクロール型流体機械は、
請求項1に記載のスクロール型流体機械において、前記
突起拘束部材は、前記旋回側突起及び固定側突起が各々
遊嵌される穴を有し、その内周面が前記摺動接触部とさ
れていることを特徴とする。
【0013】このような構成では、突起拘束部材に形成
された穴に旋回側突起および固定側突起が各々遊びをも
って嵌合し、穴内における両突起間の相対距離変動が許
容されるから、旋回スクロールの旋回半径が可変となる
ことはもとより、旋回スクロールの公転旋回運動中は、
これら突起と突起拘束部材の内周面とが摺動接触となる
から、上記同様、潤滑油膜による負荷の支持,寿命の延
命化,及び偏摩耗の防止が可能となる。
【0014】なお、上記の嵌合穴側の面取り部を設けず
に、旋回側突起先端部または固定側突起先端部にのみ面
取り部を形成してもよい。これは、例えば旋回側突起ま
たは固定側突起がそれぞれ旋回スクロールまたはハウジ
ングと一体成形される場合に有用である。
【0015】また、上記突起拘束部材としては、前記旋
回側突起および固定側突起が相互に間隔をおいて遊嵌さ
れる一つの長穴を有し、その内周面が前記摺動接触部と
されるものとしてもよい。この長穴は、例えば、旋回側
突起及び固定側突起を囲う夫々の穴を、互いに交叉しな
い接線で連結して得られる。
【0016】このような構成において、旋回側突起は、
固定側突起の回りを予め与えられた旋回半径に対して所
定の範囲で変動する旋回半径で円運動する。この時、突
起拘束部材の内周面は、両突起の外表面と摺動接触して
半径方向の運動を拘束する。そして、この拘束作用は、
突起拘束部材の内周面のうち、長穴に遊嵌された各突起
の中心よりも外方のみが有効に作用する。よって、この
突起拘束部材の内周面も上記請求項2に係る突起拘束部
材の内周面と同等の拘束作用を奏する。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、図面を参照しながら説明する。図1は、第一の実施
形態に係るスクロール型圧縮機の全体構成を示す縦断面
図であり、同図中、符号11はハウジングを示してい
る。このハウジング11は、カップ状本体11aと、該
カップ状本体11aの開口端側に配されるフロントエン
ドプレート11bおよび筒状部材11cとから構成され
ている。
【0018】筒状部材11cには、一端にクランク12
aを備えた回転軸12が貫通し、この回転軸12は、ベ
アリング13a,13bを介して筒状部材11cに回転
自在に支持されている。ハウジング11の内部には、固
定スクロール14および旋回スクロール15が配設され
ている。
【0019】固定スクロール14は、端板14aと、そ
の一端面に立設された渦巻状ラップ14bとを備えた構
成とされ、端板14aは、ボルト16によってカップ状
本体11aに締結されている。端板14aの外周面には
Oリング17が埋設され、このOリング17がカップ状
本体11aの内周面に密接することにより、端板14a
の図1示左側には吸入室18が形成され、また、端板1
4aの右側には吐出キャビティ19が形成されている。
【0020】旋回スクロール15は、固定スクロール1
4と同様に、端板15aと、その一端面に立設された渦
巻状ラップ15bとを備えた構成とされている。また、
渦巻状ラップ15bは、固定スクロール14の渦巻状ラ
ップ14bと実質的に同一の形状を有している。そし
て、これら旋回スクロール15と固定スクロール14と
は、相互に公転旋回半径だけ偏心し、かつ180゜だけ
位相をずらせて噛み合わされている。
【0021】また、渦巻状ラップ14b,15bの内周
側先端面には、それぞれチップシール21a,21bが
埋設されている。これらチップシール21a,21b
は、端板14a,15aの一端面に密接すると同時に、
渦巻状ラップ14b,15bが互いに複数箇所で密接し
ている。これにより、渦巻状ラップ14b,15b間に
は、それらの中心に対して略点対称をなす複数の密閉空
間22が形成されている。
【0022】旋回スクロール端板15aの他端面中央部
には、円筒状のボス23が突設され、ボス23の内部に
は、クランク12aの偏心部12bが旋回スクロール軸
受24およびドライブブッシュ25を介して回動自在に
収容されている。また、旋回スクロール端板15aの他
端面外縁部と、フロントエンドプレート11bとの間に
は、旋回スクロール15の自転防止機構が設けられてい
る。
【0023】以下、この自転防止機構について、図1〜
図5を用いて説明する。旋回スクロール端板15aの他
端面側には、周方向に等しい間隔を隔てて複数(本実施
形態では4個)の旋回ピン(旋回側突起)31が突設さ
れている。旋回ピン31は略円柱状であり、図2に示す
ように、その一端を旋回スクロール端板15aに形成さ
れている旋回側嵌合穴15Aに圧入嵌合されている。ま
た、フロントエンドプレート11bの旋回スクロール1
5側に面した一端面にも、周方向に等しい間隔を隔て
て、旋回ピン31と同数のハウジングピン(固定側突
起)32が突設されている。ハウジングピン32は旋回
ピン31と同一形状であり、その一端をフロントエンド
プレート11bに形成されているハウジング側嵌合穴1
1Aに圧入嵌合されている。
【0024】図2において、符号33は、端板15aの
他端面と、フロントエンドプレート11bの一端面との
間に設けられた円板状の突起拘束部材である。これら突
起拘束部材33には、図4に示すように旋回ピン31お
よびハウジングピン32が各々遊びを有して嵌合される
一対の穴34が穿設されている。すなわち、これらの穴
34は、旋回ピン31およびハウジングピン32よりも
十分に大径に形成されている。
【0025】旋回ピン31、ハウジングピン32および
突起拘束部材33は鉄系金属よりなる。一つの突起拘束
部材33に形成された穴34に嵌合された各ピン31,
32間の距離は旋回スクロール15の公転旋回半径に相
当する所定ピッチeとされ、この状態において、該ピン
31、32の中心を結ぶ直線上、穴34の内周面と旋回
ピン31との間、及び穴34の内周面とハウジングピン
32との間には、所定の間隙(遊び)S1、S2が形成
されるようになっている。
【0026】また、これら穴34の中心間距離eは、ク
ランク12aの偏心量と等しくなるように設定され、こ
の偏心量が旋回スクロール15の旋回半径とされる。な
お、本実施形態では、穴34として貫通孔を図示した
が、突起拘束部材33の両端面に開口しない止まり穴状
であってもよい。
【0027】図2に示すように、旋回ピン31の基端側
(旋回側嵌合穴15A側)端部と、先端側端部には、そ
れぞれ球面からなる面取り部31a、31bが形成され
ている。この面取り部31a、31bは、旋回ピン31
の端面と側面とを滑らかにつなぐものである。同様に、
ハウジングピン32の基端側(ハウジング側嵌合穴11
A側)端部および先端側端部にも面取り部32a、32
bが形成されている。
【0028】そして、旋回ピン31,ハウジングピン3
2をそれぞれ旋回側嵌合穴15A,ハウジング側嵌合穴
11Aに圧入する際に、旋回ピン31,ハウジングピン
32の基端側端部が面取り部31aおよび32aの案内
作用で嵌合穴15A、11A内へスムーズに進入して、
かじり及びかじりバリが発生するのを抑制できるように
なっている。
【0029】また、S1,S2の合計値よりなるクリア
ランスS1+S2を、部品精度、位置精度により集積さ
れる公差以上とすることにより、スクロール同士を規定
の旋回半径で配置したとき、ピン間距離が旋回半径±集
積公差となっても、その公差がクリアランスにより吸収
できるようにする。
【0030】次に、本例のスクロール型圧縮機の動作に
ついて説明する。まず、回転軸12を回転させれば、旋
回スクロール15は、自転防止機構によってその自転を
阻止されながら、クランク12a,ボス23,旋回スク
ロール軸受24等からなる旋回駆動機構を介して、回転
軸12を中心にクランク12aの偏心量を半径とする円
軌道上を公転旋回運動する。これにより、渦巻状ラップ
14b,15b間の線接触部は、次第に渦巻きの中心方
向に移動し、その結果、密閉空間22は、容積を減少し
ながら渦巻の中心方向へと移動する。
【0031】このため、吸入口(図示略)を通って吸入
室18に流入した流体は、渦巻状ラップ14b,15b
間の外終端開口部から密閉空間22内に取り込まれた
後、圧縮されながら中心部35に至る。そして、このよ
うにして圧縮された流体は、吐出弁36を押し開いて吐
出キャビティ19内へと導かれ、吐出口(図示略)を経
て外部へと流出する。
【0032】以上のスクロール型流体機械においては、
以下の効果を有する。旋回ピン31、ハウジングピン3
2をそれぞれ旋回側嵌合穴15A,ハウジング側嵌合穴
11Aに圧入する際に、旋回ピン31,ハウジングピン
32の基端側端部が面取り部31aおよび32aの案内
作用で嵌合穴15A、11A内へスムーズに進入して、
かじり及びかじりバリが発生するのを抑制できるので、
耐久性が高く、また、騒音、振動の発生を抑制すること
ができる。
【0033】また、図5に示すように、圧縮機の運転時
に突部が僅かに傾斜した場合でも、旋回ピン31,ハウ
ジングピン32が、その先端部に設けられた面取り部3
1b、32bにおいて突起拘束部材7の内周面に接触し
ているので、接触面圧が異常に高くなるのを抑制するこ
とができる。したがって、耐久性の向上と、振動・騒音
の防止が可能である。
【0034】そして、本例においては、前記突起拘束部
材7の内周面と旋回ピン31およびハウジングピン32
との間にそれぞれ形成された間隙S1,S2の合計値よ
りなるクリアランスS1+S2が、集積公差以上に設定
されていることにより、異常振動及び異常騒音を防止す
ることができる。
【0035】加えて、上記従来の自転防止機構では、固
定スクロール14と旋回スクロール15との噛み合いに
歯面誤差があると、密閉空間22から流体が漏洩し、体
積効率の低下やバラツキを生じる。しかしながら、上記
構成の自転防止機構によれば、旋回ピン31およびハウ
ジングピン32と、突起拘束部材33に形成された穴3
4との間に遊びが設けられているため、これらピン3
1,32間の相対距離の変動が許容される。
【0036】このため、旋回スクロール15の旋回半径
が可変となり、両スクロール14,15の噛み合いに誤
差が生じていても、かかる誤差を吸収して密閉空間22
のシール性を高めることができる。従って、本実施形態
の自転防止機構によれば、流体漏れによる体積効率の低
下およびバラツキを効果的に防止することのできる高効
率なスクロール型圧縮機を構成することができる。
【0037】ちなみに、これらピン31,32間の相対
距離が変動した際の旋回スクロール15の自転防止は、
単に4節リンクの節点の一部が、両ピン31,32と穴
34との接触点から両スクロール14,15の歯面接触
点に移行しただけであるから、確実になされることはも
とよりである。
【0038】また、本実施形態では、一対の旋回ピン3
1およびハウジングピン32を一つの突起拘束部材33
により拘束する組み合わせを4組設けているため、両ス
クロール14,15の歯面接触点が移動するにつれて、
自転防止のための4節リンクも順次変わり、旋回スクロ
ール15の公転旋回運動が滑らかな自転防止機構が構成
されている。
【0039】さらに、旋回スクロール15の公転旋回運
動中は、旋回ピン31およびハウジングピン32の半径
方向の変位が、穴34を有する突起拘束部材33の内周
面(摺動接触部)と滑り接触(摺動接触)しながら拘束
されるため、滑り軸受と同様に、潤滑油膜によって負荷
を支えることが可能になる。これにより、旋回ピン3
1,ハウジングピン32,および突起拘束部材33の長
寿命化を図ることができる。
【0040】また、設計上の都合から、旋回ピン31と
ハウジングピン32とでピン径を変えざるを得ない場合
であっても、潤滑油膜によって偏摩耗の発生を防止し得
るため、設計の自由度も高まる。
【0041】なお、突起拘束部材は以下のように形成し
てもよい。以下に示すように、突起拘束部材に、旋回ピ
ンおよびハウジングピンが相互に間隔をおいて遊嵌され
る一つの長穴が形成されていること特徴しており、その
他の構成要素は、上記と同様である。具体的には、図6
において、符合36は突起拘束部材、37は長穴であ
る。長穴37は、図4の穴34と同一構成とされた一対
の穴38,38、つまり、旋回ピン31およびハウジン
グピン32が各々遊嵌される穴38,38を、互いに交
叉しない2つの接線39a,39bで結び、これら穴3
8,38の中心よりも外方の外側半円部38a,38b
と、前記2本の接線39a,39bとで囲まれた形状と
なっている。
【0042】このような構成によれば、旋回ピン31
は、ハウジングピン32の回りを予め与えられた旋回半
径に対して所定の範囲で変動する旋回半径で円運動す
る。このとき、長穴37を有する突起拘束部材36の内
周面(摺動接触部)は、これら旋回ピン31およびハウ
ジングピン32の外表面と摺動接触して半径方向の運動
を拘束する。
【0043】そして、この拘束作用は、突起拘束部材3
6の内周面のうち、各ピン31,32の中心よりも半径
外方向の外側半円部38a,38bのみが有効に作用す
る。よって、突起拘束部材36の内周面も第一実施形態
に係る突起拘束部材33の内周面と同等の拘束作用を奏
するから、上記で示した突起拘束部材33と同じ効果を
発揮する。また、前記した突起拘束部材33、36は、
その外形はいかなるものでもよい。たとえば外形が細
長、または、中央部の幅が狭い「8」の字状でもよい。
これにより、部品の小型化、軽量化が可能である。さら
にまた、外周部が未加工(未整形)でもよい。これによ
り、加工の簡略化が可能である。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のスクロー
ル型流体機械によれば、自転防止機構の旋回側突起また
は固定側突起に浮き上がりが発生するのを防止でき、耐
久性を向上できるとともに、騒音・振動を抑制すること
ができる。
【0045】さらに、自転防止機構が旋回側突起および
固定側突起を突起拘束部材の摺動接触部に摺接させなが
ら各突起間距離の変動を許容しつつ最大離間距離を規制
する構成であるから、両スクロールの噛み合いに歯面誤
差があっても流体漏れを効果的に防止して高効率化を図
ることができることはもとより、自転防止機構を構成す
る部品の長寿命化および設計自由度の向上をも図ること
ができる。
【0046】また、各突起の先端と突起拘束部材との間
に強い当たりが発生することが防止され、耐久性を向上
させることができるとともに、振動、騒音を抑制するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態を示すスクロール型圧縮
機の縦断面図である。
【図2】 図1の要部拡大図である。
【図3】 図1のA−A断面矢視図である。
【図4】 突起拘束部材の平面図である。
【図5】 図1の要部拡大図であり、突起拘束部材が傾
いた場合を示す図である。
【図6】 突起拘束部材の変形例である。
【図7】 自転防止機構の従来例を示す要部縦断面図で
ある。
【図8】 図7のB−B断面図である。
【図9】 旋回スクロールの自転防止機構の一従来例を
示す斜視図である。
【図10】 図9に示す自転防止機構の作用を示す動作
図である。
【図11】 図7の要部拡大図であり、突起拘束部材が
傾いた状態を示す図である。
【符号の説明】
11 ハウジング 11A ハウジング側嵌合穴 14 固定スクロール 15 旋回スクロール 15A 旋回側嵌合穴 14a,15a 端板 14b,15b 渦巻状ラップ 31 旋回ピン(旋回側突起) 31a、31b 面取り部 32 ハウジングピン(固定側突起) 32a、32b 面取り部 33、36 突起拘束部材 34 穴 37 長穴
【手続補正書】
【提出日】平成12年1月18日(2000.1.1
8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正内容】
【0033】また、図5に示すように、圧縮機の運転時
に突部が僅かに傾斜した場合でも、旋回ピン31,ハウ
ジングピン32が、その先端部に設けられた面取り部3
1b、32bにおいて突起拘束部材33の内周面に接触
しているので、接触面圧が異常に高くなるのを抑制する
ことができる。したがって、耐久性の向上と、振動・騒
音の防止が可能である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正内容】
【0034】そして、本例においては、前記突起拘束部
33の内周面と旋回ピン31およびハウジングピン3
2との間にそれぞれ形成された間隙S1,S2の合計値
よりなるクリアランスS1+S2が、集積公差以上に設
定されていることにより、異常振動及び異常騒音を防止
することができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正内容】
【0041】なお、突起拘束部材は以下のように形成し
てもよい。以下に示すように、突起拘束部材に、旋回ピ
ンおよびハウジングピンが相互に間隔をおいて遊嵌され
る一つの長穴が形成されていること特徴しており、その
他の構成要素は、上記と同様である。具体的には、図6
において、符号40は突起拘束部材、37は長穴であ
る。長穴37は、図4の穴34と同一構成とされた一対
の穴38,38、つまり、旋回ピン31およびハウジン
グピン32が各々遊嵌される穴38,38を、互いに交
叉しない2つの接線39a,39bで結び、これら穴3
8,38の中心よりも外方の外側半円部38a,38b
と、前記2本の接線39a,39bとで囲まれた形状と
なっている。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正内容】
【0042】このような構成によれば、旋回ピン31
は、ハウジングピン32の回りを予め与えられた旋回半
径に対して所定の範囲で変動する旋回半径で円運動す
る。このとき、長穴37を有する突起拘束部材40の内
周面(摺動接触部)は、これら旋回ピン31およびハウ
ジングピン32の外表面と摺動接触して半径方向の運動
を拘束する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正内容】
【0043】そして、この拘束作用は、突起拘束部材
の内周面のうち、各ピン31,32の中心よりも半径
外方向の外側半円部38a,38bのみが有効に作用す
る。よって、突起拘束部材40の内周面も第一実施形態
に係る突起拘束部材33の内周面と同等の拘束作用を奏
するから、上記で示した突起拘束部材33と同じ効果を
発揮する。また、前記した突起拘束部材33、40は、
その外形はいかなるものでもよい。たとえば外形が細
長、または、中央部の幅が狭い「8」の字状でもよい。
これにより、部品の小型化、軽量化が可能である。さら
にまた、外周部が未加工(未整形)でもよい。これによ
り、加工の簡略化が可能である。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態を示すスクロール型圧縮
機の縦断面図である。
【図2】 図1の要部拡大図である。
【図3】 図1のA−A断面矢視図である。
【図4】 突起拘束部材の平面図である。
【図5】 図1の要部拡大図であり、突起拘束部材が傾
いた場合を示す図である。
【図6】 突起拘束部材の変形例である。
【図7】 自転防止機構の従来例を示す要部縦断面図で
ある。
【図8】 図7のB−B断面図である。
【図9】 旋回スクロールの自転防止機構の一従来例を
示す斜視図である。
【図10】 図9に示す自転防止機構の作用を示す動作
図である。
【図11】 図7の要部拡大図であり、突起拘束部材が
傾いた状態を示す図である。
【符号の説明】 11 ハウジング 11A ハウジング側嵌合穴 14 固定スクロール 15 旋回スクロール 15A 旋回側嵌合穴 14a,15a 端板 14b,15b 渦巻状ラップ 31 旋回ピン(旋回側突起) 31a、31b 面取り部 32 ハウジングピン(固定側突起) 32a、32b 面取り部 33、40 突起拘束部材 34 穴 37 長穴
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
【手続補正8】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】
【手続補正9】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正内容】
【図6】
【手続補正10】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図9
【補正方法】変更
【補正内容】
【図9】
フロントページの続き (72)発明者 鵜飼 徹三 愛知県西春日井郡西枇杷島町旭町3丁目1 番地 三菱重工業株式会社エアコン製作所 内 Fターム(参考) 3H039 AA02 AA12 BB02 BB04 BB05 BB15 CC02 CC08 CC17

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 端板の一端面に渦巻状ラップが立設され
    た固定スクロールおよび旋回スクロールを相互に偏心さ
    せ、かつ位相をずらせて噛み合わせてハウジング内に配
    設し、該ハウジングに固定された前記固定スクロールに
    対して前記旋回スクロールを公転旋回運動させるスクロ
    ール型流体機械であって、 前記旋回スクロール端板の他端面に設けられた旋回側嵌
    合穴と、該旋回側嵌合穴に一端が嵌合されるとともに他
    端が該旋回側嵌合穴から突出して設けられた旋回側突起
    と、 前記ハウジングに設けられたハウジング側嵌合穴と、該
    ハウジング側嵌合穴に一端が嵌合されるとともに他端が
    前記旋回スクロール端板の他端面側に突出して設けられ
    た固定側突起と、 これら旋回側突起および固定側突起が摺動する摺動接触
    部により、前記各突起間距離の変動を許容しつつ最大離
    間距離を規制する突起拘束部材とを備え、 前記旋回側突起の基端部または先端部、前記固定側突起
    の基端部または先端部のうち、少なくともいずれか一つ
    には、前記旋回側突起または固定側突起の端面と側面と
    を滑らかにつなげる面取り部が形成されていることを特
    徴とするスクロール型流体機械。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のスクロール型流体機械
    において、 前記突起拘束部材は、前記旋回側突起及び固定側突起が
    各々遊嵌される穴を有し、その内周面が前記摺動接触部
    とされていることを特徴とするスクロール型流体機械。
  3. 【請求項3】 端板の一端面に渦巻状ラップが立設され
    た固定スクロールおよび旋回スクロールを相互に偏心さ
    せ、かつ位相をずらせて噛み合わせてハウジング内に配
    設し、該ハウジングに固定された前記固定スクロールに
    対して前記旋回スクロールを公転旋回運動させるスクロ
    ール型流体機械であって、 前記旋回スクロール端板の他端面から突出する旋回側突
    起と、 前記ハウジングから前記他端面側に突出する固定側突起
    と、これら旋回側突起および固定側突起が摺動する摺動
    接触部により、前記各突起間距離の変動を許容しつつ最
    大離間距離を規制する突起拘束部材とを備え、 前記旋回側突起または固定側突起の少なくともいずれか
    一方の先端部には、前記旋回側突起または固定側突起の
    先端面と側面とを滑らかにつなげる面取り部が形成され
    ていることを特徴とするスクロール型流体機械。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2008038622A1 (fr) * 2006-09-26 2008-04-03 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Machine hydraulique
WO2010143650A1 (ja) * 2009-06-11 2010-12-16 サンデン株式会社 スクロール型流体機械
KR20140095827A (ko) * 2013-01-25 2014-08-04 한라비스테온공조 주식회사 스크롤 압축기

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CN102459905A (zh) * 2009-06-11 2012-05-16 三电有限公司 涡旋式流体设备
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