JPH0716653Y2 - 物品の移載装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、コンテナに収納されている物品を取出す物品
の移載装置に関するものであり、特に開閉自在な側面部
を有するコンテナから物品を取出し、物品搬送装置上に
移載するのに適する物品の移載装置に関する。

（従来の技術） 物品の移載装置に関する従来の技術としては、特公昭57
−208号公報、特公昭61−5997号公報、特公昭61−23137
号公報、特開昭58−169695号公報に記載のもの等が知ら
れている。

上記公報に記載されている従来の技術について説明する
と、特公昭57−208号公報には、台車傾倒装置と該台車
傾倒装置に隣接して配置された整列コンベヤ装置とを有
し、台車傾倒装置が台車を載せて所望の角度範囲で傾倒
可能な台と、台車を固定する手段と、台車の側扉をクラ
ンプし開閉する扉開閉装置と、前記台と整列コンベヤ装
置を連結するシュートとを具備する荷物の移載装置が記
載されている。

また、特公昭61−5997号公報には、コンテナ支持機構と
コンテナ傾斜機構を有するクレーンと、両側に支持ビー
ムがまた開口部に扉がそれぞれ回動可能に軸止され、か
つ前記クレーンのコンテナ傾斜機構によって前記扉をロ
ック又は開放する機構を備えたコンテナと、からなる荷
降装置が記載されている。

また、特公昭61−23137号公報には、パレットの側面の
蓋がパレットを傾けるに従い上方に向かって開くように
連動されている物品の供給装置が記載されている。

また、特開昭58−169695号公報には、保管部を傾動駆動
する駆動機構と、この駆動機構による保管部の傾動駆動
時に前記保管部に振動を付加する振動機構とを具備し、
収納物の排出時に保管部に振動を与えながら排出させる
ようにした収納物の排出装置が記載されている。

（考案が解決しようとする課題） しかしながら、上記の従来の技術は以下のような問題点
を有していた。

即ち、特公昭57−208号公報に記載の荷物の移載装置
は、台車の側扉を開閉する扉開閉装置が側扉をクランプ
した状態で側扉を開くようになしてあるので、台車（コ
ンテナ）に変形等が生じると側扉を確実にクランプする
ことができず、側扉を開くことができない。

また、特公昭61−5997号公報に記載の荷降装置は、コン
テナの扉のロックが開放された状態において貨物（物
品）が扉に当たりなから取出されるため、損傷を与える
ことなく物品を取出すことはできない。

また、特公昭61−23137号公報に記載の物品の供給装置
は、パレットの傾斜動作と側面の蓋の開閉動作とが連動
されているため、コンテナを傾斜状態から水平状態に戻
した後、コンテナの側面部を閉じることはできない。

また、特開昭58−169695号公報に記載の収納物の排出装
置は、振動機構を具備してはいるが、開閉自在の側面部
を有するコンテナから物品を取出すことについては記載
されておらず、何等の示唆もない。

従って、本考案の目的は、開閉自在の側面部を有するコ
ンテナの側面部をクランプすることなく、且つコンテナ
に収納されている物品に損傷を与えることなく取出し得
る物品の移載装置を提供することにある。

（課題を解決するための手段） 本考案は、開閉自在の側面部を有するコンテナに収納さ
れている物品を取出す物品の移載装置において、上記コ
ンテナが支軸を介してコンテナ本体に対して回動可能に
支持されている上記側面部と該側面部と一体的に構成さ
れている延設部とを具備し、上記移載装置が上記コンテ
ナを傾斜する傾斜装置と上記延設部を押圧する押さえ装
置とを備えることを特徴とする物品の移載装置を提供す
ることによって上記の目的を達成したものである。

尚、押さえ装置が、傾斜装置に載置されていることが好
ましい。

また、傾斜装置が、振動装置を備えることが好ましい。

（実施例） 以下、本考案の物品の移載装置の一実施例について説明
する。

第１図は本考案の一実施例を示す正面図、第２図はその
側面図、第３図はその実施例の装置によって取扱うこと
ができるコンテナの斜視図、第４図はその側面図（一部
断面化されている）で、これらの図面において、（１）
は開閉自在の側面部（12）を有するコンテナ、（２）は
コンテナ（１）を傾斜する傾斜装置、（３）はコンテナ
（１）の側面部（12）と一体的に構成されている延設部
（18）を押圧する押さえ装置であり、コンテナ（１）は
支軸（13）を介してコンテナ本体（11）に対して回動可
能に支持されている側面部（12）と該側面部（12）と一
体的に構成されている上記延設部（18）とを具備してい
る。又、押さえ装置（３）は傾斜装置（２）に載置され
ている。本実施例の物品の移載装置はコンテナ（１）に
収納されている物品を取出し、物品搬送装置（５）上に
移載するように構成してあり、特に適宜の前工程におい
てコンテナ（１）内にピッキングされた物品を別のコン
テナに移載するために、物品搬送装置（５）上に移載す
るのに適している。

先ず、本実施例の物品の移載装置によって取扱うことが
できる第３図〜第４図に示されるコンテナ（１）につい
て詳述すると、コンテナ（１）はコンテナ本体（11）、
開閉自在の側面部（12）、支軸（13）、スプリング（1
4）等によって構成されており、コンテナ本体（11）は
底面部（15）と該底面部（15）に固定設置されている側
面部（16）とを含み、側面部（16）の上方両端部の近傍
には支軸（13）を支持するための穴とスプリング（14）
の一端を引っ掛けるための穴（17）とが設けられてい
る。又、開閉自在の側面部（12）は支軸（13）を介して
コンテナ本体（11）に対して回動可能に支持されてお
り、支軸（13）の外周にはスプリング（14）が取り付け
られ、スプリング（14）により側面部（12）が常時閉じ
られる方向に付勢されている（スプリング（14）の一端
は穴（17）に、他端は側面部（12）のリブに設けられた
切欠きに引っ掛けられている）。又、（18）は側面部
（12）と一体的構成されている延設部である。又、（1
9）は側面部（12）の下端部に設けられたストッパであ
る。尚、本実施例のコンテナ（１）は２個の側面部（1
2）が回動自在になされているが、少なくとも１個の側
面部（12）が回動なし得るようになっていれば良い。
又、延設部（18）は１個の側面部（12）に対して複数個
設けられていても良く、棒状でなく板状であっても良
く、側面部（12）と同一平面上になくても良い。

次に、第１図〜第２図に示される本考案の物品の移載装
置の一実施例における各部について詳述する。傾斜装置
（２）は、コンテナ（１）を物品搬送装置（５）方向に
傾斜するためのものであり、メインフレーム（21）、揺
動フレーム（22）、支軸（23）、エアーシリンダ（24）
等によって構成されており、揺動フレーム（22）は支軸
（23）とエアーシリンダ（24）とを介してメインフレー
ム（21）に取付けられている。尚、揺動フレーム（22）
の上部は正面視において略コ字形をしている。又、揺動
フレーム（22）はシュート（25）、規制板（26）を具備
しており、これらによってコンテナ（１）の下端部が規
制されることによって、コンテナ（１）は揺動フレーム
（22）と一体的に傾斜されるようになっている。又、揺
動フレーム（22）は振動装置（バイブレータ）（27）を
具備している。

また、押さえ装置（３）は、コンテナ（１）の側面部
（12）を開くためのものであり、支軸（31）を介して揺
動するアーム（32）、アーム（32）の先端部に取付けら
れている押さえローラ（33）、アーム（32）を揺動する
ためのブレーキ付モータ（34）、チェーン（35）等によ
って構成されている。尚、（36）は押さえローラ（33）
がコンテナ（１）の延設部（18）を押圧する際にコンテ
ナ（１）を支持するための固定ガイドであり、揺動フレ
ーム（22）に取付けられている。尚、又、ブレーキ付モ
ータ（34）に代えてエアーシリンダ等を用いることもで
きる。

また、（４）はコンテナ搬送コンベヤで、物品を収納し
たコンテナ（１）を本実施例の物品の移載装置に搬入す
ると共に、物品が取出された空のコンテナ（１）を搬出
するものであり、ローラコンベヤによって構成されてい
る。尚、コンテナ搬送コンベヤ（４）はストッパ（4
1）、（42）を備えている。又、コンテナ搬送コンベヤ
（４）はストッパ（42）までと、ストッパ（42）〜スト
ッパ（41）の間と、ストッパ（41）以降との３個の部分
（4a）、（4b）、（4c）からなっており、夫々独立した
駆動部を備えており、コンテナ搬送コンベヤ（4b）の速
度はコンテナ搬送コンベヤ（4a）、（4c）より高速とな
っている。

また、（５）は物品搬送装置で、取出された物品を所望
の位置まで搬送するものであり、コンテナ搬送コンベヤ
と略平行に配設され、ベルトコンベヤによって構成され
ている。

次に、上述の構成からなる本実施例の物品の移載装置に
おける物品の移載態様について説明する。尚、コンテナ
（１）に収納されている物品は適宜の前工程において、
夫々の出荷先（小売店等）からのオーダに応じて所望の
種類、所望の数量がピッキングされ、ポリエチレン袋等
に詰められている。

袋詰めされた物品（以下単に物品とも云う）が収納され
ているコンテナ（１）はコンテナ搬送コンベヤ（４）に
よって図外の前工程から搬入され、ストッパ（41）に到
着し、ストッパ（41）によって停止される。図外のセン
サによりコンテナ（１）の到着が検出されると、コンテ
ナ搬送コンベヤ（4b）が停止すると共に、傾斜装置
（２）が作動しコンテナ（１）が物品搬送装置（５）方
向に傾斜される。即ち、エアーシリンダ（24）の作動に
よって揺動フレーム（22）が支軸（23）を介して、第１
図において反時計方向にコンテナ（１）を載置した状態
で回動する。尚、コンテナ搬送コンベヤ（4a）、（4b）
は常に運転されている。又、コンテナ（１）の到着が検
出されると、後続のコンテナ（１）を停止なし得るよう
にストッパ（42）が上昇する。

また、エアーシリンダ（24）が作動を開始すると共に、
振動装置（27）も作動され、コンテナ（１）内に収納さ
れている物品が傾斜によって側面部（12）方向に移動さ
れるのを補助している。

また、エアーシリンダ（24）が作動を開始すると共に、
アーム（32）が支軸（31）を介して回動され、コンテナ
（１）の延設部（18）が押さえローラ（33）により押圧
されることによって、コンテナ（１）の側面部（12）が
支軸（13）を介して回動され、側面部（12）が開かれ
る。コンテナ（１）内に収納されている物品はコンテナ
（１）の底面部（15）が傾斜され、且つ振動装置（27）
によって揺動フレーム（22）、コンテナ（１）に加えら
れた振動によってシュート（25）を経て物品搬送装置
（５）上に移載される。又、アーム（32）によって側面
部（12）が全開されると、物品搬送装置（５）が運転さ
れるようになしてあるため、コンテナ（１）内に残って
いる物品を確実に取出す（引張り出す）ことができる。
物品が取り出されたことが図外のセンサと制御装置とに
より確認される（センサが物品の通過を検出した後、一
定時間経過する）と、揺動フレーム（22）、アーム（3
2）が元の状態に戻ると共に、振動装置（27）、物品搬
送装置（５）が停止する。そして、ストッパ（41）が下
降すると共に、コンテナ搬送コンベヤ（4b）が運転さ
れ、空になったコンテナ（１）が搬出される。尚、上述
の如くしてコンテナ（１）に収納されている物品が移載
されている間に後続のコンテナ（１）がストッパ（42）
に到着し、待機している場合には、空になったコンテナ
（１）が搬出された後、ストッパ（42）が下降され、後
続のコンテナ（１）はストッパ（41）まで前進し、スト
ッパ（41）によって停止され、上記と同様にして、次の
コンテナ（１）に対する物品の移載態様が繰返される。
尚又、アーム（32）は揺動フレーム（22）が下降した
後、元の状態に戻されるようになしても良い。

以上、本考案の物品の移載装置の実施例、その実施例の
装置によって取扱うことのできるコンテナ及びこれらを
用いて実施する物品の移載態様について説明したが、こ
れらに制限されるものではない。例えば、押さえ装置
（３）はメインフレーム（21）に取付けられていても良
い。又、流動性の良い物品用の場合には振動装置（27）
がなくても良い。又、物品を袋詰めしないでコンテナ
（１）に収納しても良い。物品を袋詰めしてない場合に
は揺動フレーム（22）が上昇端に達した後、アーム（3
2）を回動し、コンテナ（１）の側面部（12）を開くよ
うになすことが物品の損傷防止のうえで好ましい。

（考案の効果） 本考案の物品の移載装置は、上述の如く、コンテナを傾
斜する傾斜装置とコンテナの延設部を押圧する押さえ装
置とを備えてあるので、コンテナの側面部をクランプす
ることなく、且つコンテナに収納されている物品に損傷
を与えることなく物品を取出すことができ、コンテナに
若干の変形等が生じても物品を確実且つ迅速に移載する
ことができる。

そして、押さえ装置が、傾斜装置に載置されていること
により、コンテナと押さえ装置との位置合わせを確実に
なすことができる。

また、傾斜装置が、振動装置を備えることによって流動
性の悪い物品であっても確実に移載することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す正面図、第２図はその
側面図、第３図はその実施例の装置によって取扱うこと
ができるコンテナの斜視図、第４図はその側面図（一部
断面化されている）である。 （１）：コンテナ、（２）：傾斜装置 （３）：押さえ装置、（11）：コンテナ本体 （12）：側面部、（13）：支軸 （18）：延設部、（27）：振動装置

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】開閉自在の側面部を有するコンテナに収納
   されている物品を取出す物品の移載装置において、上記
   コンテナが支軸を介してコンテナ本体に対して回動可能
   に支持されている上記側面部と該側面部と一体的に構成
   されている延設部とを具備し、上記移載装置が上記コン
   テナを傾斜する傾斜装置と上記延設部を押圧する押さえ
   装置とを備えることを特徴とする物品の移載装置。
2. 【請求項２】押さえ装置が、傾斜装置に載置されてい
   る、請求項１記載の物品の移載装置。
3. 【請求項３】傾斜装置が、振動装置を備える、請求項１
   又は２記載の物品の移載装置。