JPH0632911Y2 - コンテナ用作業台 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、コンテン用作業台に係り、特に、コンテナ入
口高さと製品高さの差が少ない荷物の積み卸しに際し、
コンテナ荷台と作業台とを水平に保ち、荷物を滑らせて
積み卸しするのに好適なフォーク付きのコンテナ用作業
台に関するものである。

［従来の技術］ コンテナ輸送する製品（荷物）の中には、垂直方向に製
品高さの大きい品（以下背高品という）があり、コンテ
ナ入口高さと製品高さの差が少なく、フォークリフトな
どの荷役機器で積み卸し作業ができないものがある。

このような場合、従来はテーブルリフタと言われる作業
台を用いていた。

まず、従来の一般的なテーブルリフタと、テーブルリフ
タを用いた積み卸し作業について第４図および第５図を
参照して説明する。

第４図は、従来のテーブルリフタの斜視図、第５図は、
第４図のテーブルリフタを用いて、背高品をコンテナ車
輛に積載する作業を示す略示側面図である。

第４図に示すテーブルリフタ２０は、上部にテーブル２
１、下部に下部架台２２を備え、これらテーブル２１，
下部架台２２間に、一対の内側アーム２３と外側アーム
２４とを十字に組んだ構成になっている。一対の内側ア
ーム２３の間には内側アームシャフト２６が設けられ、
油圧シリンダー２７で内側アームシャフト２６を押す
と、内側アーム２３がアームジョイントピン２５を中心
に回動し、テーブル２１を押し上げテーブルの高さを調
整できる。外側アーム２４は、テーブル２１を水平に、
すなわち下部架台２２に平行に保つためのアームとして
機能する。

第５図において、１０はコンテナ、１４は荷台の面を示
し、１５は、コンテナ１０を搭載した車輛である。

テーブルリフタ２０を用いて背高品１６をコンテナ１０
に積み込む場合は、テーブルリフタにおけるテーブル２
１の高さを荷台の面１４の高さに合わせるよう調節す
る。

しかし、コンテナ入口高さと背高品１６の高さが少ない
とき、テーブル２１からコンテナ１０の荷台１４への移
動は決して容易ではない。

荷物の移動に伴ない、コンテナ１０の荷台の面１４は傾
くことがあり、背高品１６はコンテナ入口上部にぶつか
りやすい状態となっていた。

［考案が解決しようとする課題］ 上記従来技術は、テーブルリフタを設置する路面の傾
き、および作業中のコンテナ荷台の傾きについて配慮が
されておらず、コンテナ荷台とテーブルリフタの作業台
（テーブル）とが同一水平面にならないという問題があ
った。

本考案の目的は、上記従来技術の問題点を解決し、路面
の傾きおよび作業中のコンテナの傾きにかかわらず、コ
ンテナ荷台と作業台とを水平に保ち、製品高さと入口高
さの差が小さい背高品でも積み卸し作業が可能となるコ
ンテナ作業台を提供することにある。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成するために、本考案に係るコンテナ用作
業台の構成は、水平面を有する作業台と、この作業台の
前部に突き出し、コンテナのフォークポケットに挿入さ
れる一対のフォークと、このフォークの下面にあって、
先端に傾斜部を有し、フォークの突出方向に移動可能に
設けたスライドフォークと、このスライドフォークを移
動せしめる手段とからなり、前記フォークの上面と前記
スライドフォークの傾斜部とで、上記コンテナのフォー
クポケットに固定されるようにしたものである。

なお、本考案を開発した技術的思想を付記すると、この
コンテナ用作業台は、作業台にフォークを取付け、コン
テナのフォークポケットにフォークを差しこみ、コンテ
ナと一体化することにより、路面の傾き、および作業中
のコンテナの傾きにかかわらず、コンテナ荷台と作業台
とを水平に保つことを可能にしたものである。

［作用］ 上記技術的手段による働きは次にとおりである。作業台
のフォーク下部に取り付けられたスライドフォークは、
作業台後方に取り付けられたハンドルと連動し、フォー
クの突出方向に移動する。作業台のフォークをコンテナ
のフォークポケットに差しこみ、先端に傾斜のついたス
ライドフォークを前方に移動することによって、フォー
クポケットと、作業台のフォークとの間隙をなくすこと
により固定し、作業台とコンテナとを一体化することが
できる。

［実施例］ 以下、本考案の一実施例を第１図ないし第３図を参照し
て説明する。

第１図は、本考案の一実施例に係るコンテナ用作業台の
全体構成を示す斜視図、第２図は、第１図のコンテナ用
作業台を取付けて使用する一般的なコンテナの外観を示
す傾斜図、第３図は、第１図のスライドフォーク部を示
すＸ−Ｘ矢視側面図である。

第１図において、１は水平面を有する作業台、２は、作
業台１に取付けられ該作業台１の前部に突き出している
一対のフォーク、３は、このフォーク２の根元部の下面
にあって、先端に傾斜部３ａ（第３図参照）を有し、フ
ォーク２の突き出ている長手方向、すなわち作業台の前
後方向に移動可能に設けたスライドフォーク、４は、ス
ライドフォーク３を前後に移動するためのハンドル、５
は、作業台１上に設けた荷物移送手段に係るローラコン
ベアで、コンテナ荷台，作業台間の荷物の移動を容易に
するものである。

第２図に示すコンテナ１０は、その荷台を構成する下部
架台にフォークを差し込むためのフォークポケット１１
が２個、一対のフォークに対応する位置に開口してい
る。１２は、フォーク作業台から荷物の出し入れをする
側扉、１３は、コンテナ後方側の妻扉であり、前記フォ
ークポケット１１は、側扉１２の下部に開口している。

第３図は、第１図のフォーク２、スライドフォーク３の
取付関係、およびスライドフォーク３を移動させる手段
を示している。

第３図において、６はスライド部カバー、７は、スライ
ドフォーク３の押し棒、７ａは、押し棒７に形成したね
じ部、７ｂは、押し棒７先端のボルト頭、８は、押し棒
のねじ部７ａに螺合するダブルナットで、押し棒７をね
じ送りできるよう固定されている。９は、コンテナ用作
業台を構成するフレームを示す。２点鎖線で示す部分は
作業台１を構成する床板材である。すなわち、スライド
フォーク３は、フォーク２の下面に、傾斜部３ａを前に
して摺動可能に、スライド部カバー６により巻かれる形
で保持されている。作業台１後部のハンドル４を回転す
るとスライドフォーク３は押し棒７のねじ送り移動によ
って押されて、フォーク２の下面に沿ってフォークの突
き出している長手方向、すなわち作業台の前後方向へ移
動する。

このような構成のコンテナ用作業台を用いた積み卸し作
業について説明する。

作業台１の前部に突き出した一対のフォーク２を、コン
テナ１０のフォークポケット１１に差し込み、フォーク
２の根元部下面にあるスライドフォーク３の先端の傾斜
部３ａを前記フォークポケット１１に近接させ、スライ
ドフォーク３を前後に移動させるように連動させたハン
ドル４を回転することにより、フォーク２とコンテナ１
０のフォークポケット１１との間隙を、スライドフォー
ク３の傾斜部３ａで埋めることにより楔着固定する。

スライドフォーク３は先端に傾斜部３ａを有しているの
で、フォークポケット１１の寸法がコンテナによって異
なっても、コンテナとコンテナ用作業台との一体化は容
易に行うことができる。また、この作業はフォークリフ
ト等によって簡便に行うことができる。

次いで、一体化されたコンテナ用作業台の作業台１上
に、フォークリフトで運搬してきた背高品などの荷物を
積み卸す。作業台１上に卸された荷物は、作業台１上の
ローラコンベア５を介して少人数の作業台により滑らせ
てコンテナ１０の側扉１２を開いた入口からコンテナ内
荷台へ移される。このとき、コンテナ１０の荷台とコン
テナ作業台とは平行に保たれているので、背高品が入口
上部にぶつかるという問題は生じない。

［考案の効果］ 以上詳細に説明したように、本考案によれば、コンテナ
と作業台とを一体化することにより、路面の傾きおよび
作業中のコンテナの傾きにかかわらず、コンテナの荷台
と作業台とを水平に保つことができ、製品高さと入口高
さの差が小さい背高品でも積み卸し作業が可能となるコ
ンテナ作業台を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例に係るコンテナ用作業台の
全体構成を示す斜視図、第２図は、第１図のコンテナ用
作業台を取付けて使用する一般的なコンテナの外観を示
す斜視図、第３図は、第１図のスライドフォーク部を示
すＸ−Ｘ矢視側面図、第４図は、従来のテーブルリフタ
の斜視図、第５図は、第４図のテーブルリフタを用い
て、背高品をコンテナ車輛に積載する作業を示す略示側
面図である。 １……作業台、２……フォーク、３……スライドフォー
ク、３ａ……傾斜部、４……ハンドル、５……ローラコ
ンベア、１０……コンテナ、１１……フォークポケッ
ト。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 田畑 秀明 東京都千代田区外神田３丁目12番９号 日 通商事株式会社内 (72)考案者 立石 明彦 東京都千代田区外神田３丁目12番９号 日 通商事株式会社内

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】水平面を有する作業台と、 この作業台の前部に突き出し、コンテナのフォークポケ
   ットに挿入される一対のフォークと、 このフォークの下面にあって、先端に傾斜部を有し、フ
   ォークの突出方向に移動可能に設けたスライドフォーク
   と、 このスライドフォークを移動せしめる手段とからなり、 前記フォークの上面と前記スライドフォークの傾斜部と
   で、上記コンテナのフォークポケットに固定される ことを特徴とするコンテナ用作業台。
2. 【請求項２】作業台上に荷物移送手段を備えたことを特
   徴とする請求項１記載のコンテナ用作業台。