JPH07166226A - 低酸素鋼溶製方法 - Google Patents
低酸素鋼溶製方法Info
- Publication number
- JPH07166226A JPH07166226A JP5315494A JP31549493A JPH07166226A JP H07166226 A JPH07166226 A JP H07166226A JP 5315494 A JP5315494 A JP 5315494A JP 31549493 A JP31549493 A JP 31549493A JP H07166226 A JPH07166226 A JP H07166226A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- steel
- slag
- mass
- molten steel
- oxygen
- Prior art date
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P10/00—Technologies related to metal processing
- Y02P10/20—Recycling
Landscapes
- Treatment Of Steel In Its Molten State (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 スラグからの再酸化を抑制し、溶鋼中の酸素
含有量を0.0025mass%以下とする低酸素鋼の
溶製方法を提供する。 【構成】 C≦0.20mass%、Al≦0.003
mass%、Si≦0.10mass%、0.005m
ass%≦Ti≦0.020mass%、0.0005
≦Ca≦0.0030mass%を含み、残部は実質的
にFeからなる鋼材を製造する方法において、転炉から
取鍋へ出鋼中に受鋼量が目標受鋼量の70%を超えてか
ら受鋼完了までの間に石灰とともに、溶鋼1ton当り
0.5〜1.2kgのTiをスラグ層に添加し、取鍋溶
鋼上のスラグのFeOを還元し、次いで溶鋼中にCaを
添加することにより鋼中の酸素含有量を0.0025m
ass%以下とすることを特徴とする低酸素鋼溶製方
法。
含有量を0.0025mass%以下とする低酸素鋼の
溶製方法を提供する。 【構成】 C≦0.20mass%、Al≦0.003
mass%、Si≦0.10mass%、0.005m
ass%≦Ti≦0.020mass%、0.0005
≦Ca≦0.0030mass%を含み、残部は実質的
にFeからなる鋼材を製造する方法において、転炉から
取鍋へ出鋼中に受鋼量が目標受鋼量の70%を超えてか
ら受鋼完了までの間に石灰とともに、溶鋼1ton当り
0.5〜1.2kgのTiをスラグ層に添加し、取鍋溶
鋼上のスラグのFeOを還元し、次いで溶鋼中にCaを
添加することにより鋼中の酸素含有量を0.0025m
ass%以下とすることを特徴とする低酸素鋼溶製方
法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低酸素鋼溶製方法に係
わり、特に脱酸剤としてAl合金をほとんど用いず、S
i含有量を限定したTi添加低酸素鋼溶製方法に関する
もので、この溶製方法により製造された鋼材の主たる用
途は厚板またはパイプである。
わり、特に脱酸剤としてAl合金をほとんど用いず、S
i含有量を限定したTi添加低酸素鋼溶製方法に関する
もので、この溶製方法により製造された鋼材の主たる用
途は厚板またはパイプである。
【0002】
【従来の技術】近年、海洋構造物、船舶、ラインパイプ
等の高級鋼に要求される材質特性は益々厳しくなってい
る。特に溶接部における低温靱性の抜本的改善が望まれ
る。これに対して、Tiを主成分とした主に5μm以下
の微小な酸化物を鋼材中に均一に分散させることによ
り、溶接後の冷却過程において、これらを核にオーステ
ナイト粒内に数多くの微小なフェライトを生成させ、溶
接熱影響部の結晶粒を実質的に微細化することにより優
れた靱性を得る鋼材の溶製方法が特開昭60−7015
号公報に示されている。
等の高級鋼に要求される材質特性は益々厳しくなってい
る。特に溶接部における低温靱性の抜本的改善が望まれ
る。これに対して、Tiを主成分とした主に5μm以下
の微小な酸化物を鋼材中に均一に分散させることによ
り、溶接後の冷却過程において、これらを核にオーステ
ナイト粒内に数多くの微小なフェライトを生成させ、溶
接熱影響部の結晶粒を実質的に微細化することにより優
れた靱性を得る鋼材の溶製方法が特開昭60−7015
号公報に示されている。
【0003】しかしながら、Si含有量が0.10ma
ss%より高くなると溶接時に島状マルテンサイトが生
成しやすくなる。応力下、寒冷地域の低温下等の厳しい
環境で使用する鋼材ではこの島状マルテンサイトが問題
となるために、Si含有量を0.10mass%より低
くすることが必要となる。また、この鋼材では、粒内フ
ェライトの生成からTi含有量の下限値とAl含有量の
上限値が規定され、硬質のTi炭化物の析出抑制の観点
からTi含有量の上限値が規定され、各々、0.005
mass%≦Ti≦0.020mass%と、Al≦
0.003mass%の成分範囲が必要となる。
ss%より高くなると溶接時に島状マルテンサイトが生
成しやすくなる。応力下、寒冷地域の低温下等の厳しい
環境で使用する鋼材ではこの島状マルテンサイトが問題
となるために、Si含有量を0.10mass%より低
くすることが必要となる。また、この鋼材では、粒内フ
ェライトの生成からTi含有量の下限値とAl含有量の
上限値が規定され、硬質のTi炭化物の析出抑制の観点
からTi含有量の上限値が規定され、各々、0.005
mass%≦Ti≦0.020mass%と、Al≦
0.003mass%の成分範囲が必要となる。
【0004】さらに、粒内フェライトの核となるTi酸
化物の個数を増加させるためには酸素との結びつきが強
く、かつ微細に分散できるCaをTiとともに利用する
ことが有利であることが分かった。Ca濃度が0.00
05mass%未満では微細な酸化物の増加効果は殆ど
なく、また0.0030mass%より高いと酸化物中
のTi含有量が低くなるため粒内フェライトの生成が著
しく阻害される。
化物の個数を増加させるためには酸素との結びつきが強
く、かつ微細に分散できるCaをTiとともに利用する
ことが有利であることが分かった。Ca濃度が0.00
05mass%未満では微細な酸化物の増加効果は殆ど
なく、また0.0030mass%より高いと酸化物中
のTi含有量が低くなるため粒内フェライトの生成が著
しく阻害される。
【0005】この鋼材を溶製する場合、脱酸元素であ
る、Al,Si,Tiの含有量が低く酸素が上昇する傾
向となる。転炉スラグは酸化成分の(%FeO)を含有
し、通常、転炉吹錬後の出鋼時に取鍋内へ不可避的に混
入する。脱酸元素の濃度が低い低Al,低Siの溶鋼で
は、流出した転炉スラグのFeOの還元が不充分で、取
鍋スラグのFeO濃度が高く、その状態でCaを添加す
ると、取鍋スラグのFeOがCaにより還元されて溶鋼
中の酸素濃度が上昇する。鋼材の酸素濃度が上昇する
と、割れ発生の起点となる10μmより大きな酸化物の
量が増加して靱性が悪化し、特に酸素濃度が0.002
5mass%を超えると材質の劣化が著しくなる。
る、Al,Si,Tiの含有量が低く酸素が上昇する傾
向となる。転炉スラグは酸化成分の(%FeO)を含有
し、通常、転炉吹錬後の出鋼時に取鍋内へ不可避的に混
入する。脱酸元素の濃度が低い低Al,低Siの溶鋼で
は、流出した転炉スラグのFeOの還元が不充分で、取
鍋スラグのFeO濃度が高く、その状態でCaを添加す
ると、取鍋スラグのFeOがCaにより還元されて溶鋼
中の酸素濃度が上昇する。鋼材の酸素濃度が上昇する
と、割れ発生の起点となる10μmより大きな酸化物の
量が増加して靱性が悪化し、特に酸素濃度が0.002
5mass%を超えると材質の劣化が著しくなる。
【0006】したがって、これらの鋼材では、酸素含有
量を低下する必要があり、具体的には酸素を0.002
5mass%以下にする必要がある。なお、本発明で
は、C含有量が高くなると靱性が低下するためにCは
0.20mass%以下の鋼材を対象とする。
量を低下する必要があり、具体的には酸素を0.002
5mass%以下にする必要がある。なお、本発明で
は、C含有量が高くなると靱性が低下するためにCは
0.20mass%以下の鋼材を対象とする。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、低A
l,低Si,TiおよびCa添加鋼(Al≦0.003
mass%,Si≦0.10mass%,0.005m
ass%≦Ti≦0.020mass%,0.005m
ass%≦Ca≦0.0030mass%を含み、残部
は実質的にFeからなる鋼)を溶製するにあたり、スラ
グからの再酸化を抑制し、鋼材の酸素含有量を0.00
25mass%以下とする低酸素鋼の溶製方法を提供す
ることである。
l,低Si,TiおよびCa添加鋼(Al≦0.003
mass%,Si≦0.10mass%,0.005m
ass%≦Ti≦0.020mass%,0.005m
ass%≦Ca≦0.0030mass%を含み、残部
は実質的にFeからなる鋼)を溶製するにあたり、スラ
グからの再酸化を抑制し、鋼材の酸素含有量を0.00
25mass%以下とする低酸素鋼の溶製方法を提供す
ることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろは、C≦0.20mass%,Al≦0.003ma
ss%,Si≦0.10mass%,0.005mas
s%≦Ti≦0.020mass%,0.0005≦C
a≦0.0030mass%を含み、残部は実質的にF
eからなる鋼材を製造する方法において、転炉から取鍋
へ出鋼中に受鋼量が目標受鋼量の70%を超えてから受
鋼完了までの間に石灰とともに、溶鋼1ton当り0.
5〜1.2kgのTiをスラグ層に添加し、取鍋溶鋼上
のスラグのFeOを還元し、次いで溶鋼中にCaを添加
することにより鋼中の酸素含有量を0.0025mas
s%以下とすることを特徴とする低酸素鋼溶製方法にあ
る。
ろは、C≦0.20mass%,Al≦0.003ma
ss%,Si≦0.10mass%,0.005mas
s%≦Ti≦0.020mass%,0.0005≦C
a≦0.0030mass%を含み、残部は実質的にF
eからなる鋼材を製造する方法において、転炉から取鍋
へ出鋼中に受鋼量が目標受鋼量の70%を超えてから受
鋼完了までの間に石灰とともに、溶鋼1ton当り0.
5〜1.2kgのTiをスラグ層に添加し、取鍋溶鋼上
のスラグのFeOを還元し、次いで溶鋼中にCaを添加
することにより鋼中の酸素含有量を0.0025mas
s%以下とすることを特徴とする低酸素鋼溶製方法にあ
る。
【0009】以下に、本発明を詳細に説明する。転炉吹
錬後、出鋼時に転炉スラグの流出を極力抑制するが、不
可避的にスラグは流出し、このスラグによる再酸化が生
じる。したがって、スラグの組成を制御することによっ
て溶鋼への再酸化を低減することが必要である。この取
鍋スラグの成分は下記の溶鋼のSi量に大きく支配され
る。
錬後、出鋼時に転炉スラグの流出を極力抑制するが、不
可避的にスラグは流出し、このスラグによる再酸化が生
じる。したがって、スラグの組成を制御することによっ
て溶鋼への再酸化を低減することが必要である。この取
鍋スラグの成分は下記の溶鋼のSi量に大きく支配され
る。
【0010】Si+FeO → SiO2 +Fe すなわち、溶鋼中のSi含有量の低下に伴い、酸化源で
あるスラグ中のFeOの還元が不十分となり、スラグの
(%FeO)が上昇する(図1参照)。したがって、ス
ラグ中の酸化度である(%FeO)を低減する必要があ
る。転炉出鋼時のスラグの流出は出鋼時の後半、特に取
鍋の受鋼量が目標受鋼量の70%を超えた時期から完了
までの間が顕著である。出鋼時にMn合金を主に一部S
i合金を添加するが、この脱酸生成物と転炉流出スラグ
の反応生成物が混在したものが取鍋スラグとなる。この
スラグのFeOを還元する目的で脱酸元素であるTiを
添加することは有用である。Tiの添加は、スラグとの
反応を優先させるためにスラグの流出が顕著となる時
期、すなわち取鍋の受鋼量が目標受鋼量の70%を超え
た時期から完了までの間とする必要がある。スラグにT
iを添加する目的は、スラグ中のFeOとTi を反応さ
せてFeOを低減させるとともに生成したTi3 O5 を
スラグ中に吸収させるためである。
あるスラグ中のFeOの還元が不十分となり、スラグの
(%FeO)が上昇する(図1参照)。したがって、ス
ラグ中の酸化度である(%FeO)を低減する必要があ
る。転炉出鋼時のスラグの流出は出鋼時の後半、特に取
鍋の受鋼量が目標受鋼量の70%を超えた時期から完了
までの間が顕著である。出鋼時にMn合金を主に一部S
i合金を添加するが、この脱酸生成物と転炉流出スラグ
の反応生成物が混在したものが取鍋スラグとなる。この
スラグのFeOを還元する目的で脱酸元素であるTiを
添加することは有用である。Tiの添加は、スラグとの
反応を優先させるためにスラグの流出が顕著となる時
期、すなわち取鍋の受鋼量が目標受鋼量の70%を超え
た時期から完了までの間とする必要がある。スラグにT
iを添加する目的は、スラグ中のFeOとTi を反応さ
せてFeOを低減させるとともに生成したTi3 O5 を
スラグ中に吸収させるためである。
【0011】なお、出鋼後から鋳造までに、Ti濃度は
スラグあるいは溶鋼中の酸素と反応して低下する。した
がって、鋳造した鋳片のTi濃度(鋼材のTi成分に相
当)の調整は、出鋼時のTi添加後のTi濃度が鋼材の
目標成分より低い場合は、その後の工程でTiを添加し
て所定成分に調整する。一方、出鋼時のTi添加量が多
く、鋼材成分が目標成分範囲より高い場合にはTi除去
方法として溶鋼中への酸素吹き等の方法があるが、Ti
以外の成分の変動を生じ、かつ溶鋼の酸素が上昇し溶鋼
清浄性を著しく悪化させるので、出鋼時のTi添加量
は、鋼材のTi成分の目標上限値を超えない範囲とする
必要がある。
スラグあるいは溶鋼中の酸素と反応して低下する。した
がって、鋳造した鋳片のTi濃度(鋼材のTi成分に相
当)の調整は、出鋼時のTi添加後のTi濃度が鋼材の
目標成分より低い場合は、その後の工程でTiを添加し
て所定成分に調整する。一方、出鋼時のTi添加量が多
く、鋼材成分が目標成分範囲より高い場合にはTi除去
方法として溶鋼中への酸素吹き等の方法があるが、Ti
以外の成分の変動を生じ、かつ溶鋼の酸素が上昇し溶鋼
清浄性を著しく悪化させるので、出鋼時のTi添加量
は、鋼材のTi成分の目標上限値を超えない範囲とする
必要がある。
【0012】Ti添加量は低すぎるとスラグの還元が不
十分であり、また多すぎると最終鋼材のTi濃度が高す
ぎて硬質のTi炭化物を析出し、さらに溶鋼中の溶存酸
素が低下し5μm以下の微小な酸化物の個数が減少し、
鋼材中における粒内フェライトの生成が少なくなる。本
発明の開発の過程での一連の試験で、Tiの添加量を溶
鋼1ton当り0.5〜1.2kg(以下kg/ton
で表す)にするとTi炭化物を生成することなく、(%
FeO)を1mass%以下に低減でき、鋼中酸素を
0.0025mass%以下に低減できることが分かっ
た。
十分であり、また多すぎると最終鋼材のTi濃度が高す
ぎて硬質のTi炭化物を析出し、さらに溶鋼中の溶存酸
素が低下し5μm以下の微小な酸化物の個数が減少し、
鋼材中における粒内フェライトの生成が少なくなる。本
発明の開発の過程での一連の試験で、Tiの添加量を溶
鋼1ton当り0.5〜1.2kg(以下kg/ton
で表す)にするとTi炭化物を生成することなく、(%
FeO)を1mass%以下に低減でき、鋼中酸素を
0.0025mass%以下に低減できることが分かっ
た。
【0013】石灰は、生成したチタニアの吸収と、スラ
グ量の増加に伴うFeO成分の希釈とスラグ塩基度(=
(%CaO)/(%SiO2 ))の増加に伴うFeOの
活量の低下による酸化度低減のために添加する。石灰の
添加量が少なすぎると生成チタニアの吸収が不足し、石
灰量が増加するとスラグの溶融温度が高くなり吸収能が
低下するため、一連の試験により石灰量は1〜3kg/
ton溶鋼が適当であることが分かった。
グ量の増加に伴うFeO成分の希釈とスラグ塩基度(=
(%CaO)/(%SiO2 ))の増加に伴うFeOの
活量の低下による酸化度低減のために添加する。石灰の
添加量が少なすぎると生成チタニアの吸収が不足し、石
灰量が増加するとスラグの溶融温度が高くなり吸収能が
低下するため、一連の試験により石灰量は1〜3kg/
ton溶鋼が適当であることが分かった。
【0014】Caを溶鋼中に添加する方法は、Ar等の
不活性ガスでCaを含有した粉体を溶鋼中へ吹き込む方
法が一般的であり、Caは溶鋼中の酸素と反応して酸化
物を生成するとともにスラグ中のFeOと下記の反応を
起こす。 Ca+FeO→CaO+Fe スラグ中のFeO濃度が高いと、この反応の進行が大き
く、溶鋼中の酸素濃度が増加する。したがって、前記の
とおりTi、石灰を添加してスラグのFeO量を低減さ
せ、その後にCaを添加することによって、Ca添加時
の鋼中酸素濃度の上昇を抑制できる。
不活性ガスでCaを含有した粉体を溶鋼中へ吹き込む方
法が一般的であり、Caは溶鋼中の酸素と反応して酸化
物を生成するとともにスラグ中のFeOと下記の反応を
起こす。 Ca+FeO→CaO+Fe スラグ中のFeO濃度が高いと、この反応の進行が大き
く、溶鋼中の酸素濃度が増加する。したがって、前記の
とおりTi、石灰を添加してスラグのFeO量を低減さ
せ、その後にCaを添加することによって、Ca添加時
の鋼中酸素濃度の上昇を抑制できる。
【0015】
【実施例】以下に、実施例を示す。図2は、転炉出鋼時
のTi添加量に伴う、スラグ中のFeOの変化と鋳造後
の鋳片の酸素とTiの分析値を示す。添加Ti量が0.
5kg/ton以上となるとスラグのFeOの還元が進
行してほぼ1mass%以下となり、これに伴い酸素含
有量25ppm以下を達成できる。しかし、Ti添加量
が1.2kg/ton溶鋼を超えると鋼材中のTiが
0.020mass%を超え、硬質のTi炭化物が析出
し靱性が低下する。
のTi添加量に伴う、スラグ中のFeOの変化と鋳造後
の鋳片の酸素とTiの分析値を示す。添加Ti量が0.
5kg/ton以上となるとスラグのFeOの還元が進
行してほぼ1mass%以下となり、これに伴い酸素含
有量25ppm以下を達成できる。しかし、Ti添加量
が1.2kg/ton溶鋼を超えると鋼材中のTiが
0.020mass%を超え、硬質のTi炭化物が析出
し靱性が低下する。
【0016】図3で、Tiの添加時期別の取鍋スラグの
FeOを示す。本発明のAでは転炉出鋼中の受鋼量が目
標受鋼量の70%を超え受鋼完了までの間にTiを添加
するとFeOは1mass%以下に低減でき、25pp
m以下の鋼材が製造できた。一方、比較法であるB法
は、転炉出鋼開始から受鋼量が目標受鋼量の70%まで
の間にTiを添加する方法、C法は転炉出鋼開始から受
鋼完了までの間にほぼ均等にTiを添加する方法で、い
ずれもFeOは1〜5mass%とスラグのFeOの還
元が不十分であり、結果として酸素が安定して25pp
mを達成することは出来なかった。Tiの添加時期は、
転炉出鋼中、受鋼量が目標受鋼量の70%を超え受鋼完
了までの間が最適である。
FeOを示す。本発明のAでは転炉出鋼中の受鋼量が目
標受鋼量の70%を超え受鋼完了までの間にTiを添加
するとFeOは1mass%以下に低減でき、25pp
m以下の鋼材が製造できた。一方、比較法であるB法
は、転炉出鋼開始から受鋼量が目標受鋼量の70%まで
の間にTiを添加する方法、C法は転炉出鋼開始から受
鋼完了までの間にほぼ均等にTiを添加する方法で、い
ずれもFeOは1〜5mass%とスラグのFeOの還
元が不十分であり、結果として酸素が安定して25pp
mを達成することは出来なかった。Tiの添加時期は、
転炉出鋼中、受鋼量が目標受鋼量の70%を超え受鋼完
了までの間が最適である。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、C≦0.20mass
%,Al≦0.003mass%,Si≦0.10ma
ss%,0.005mass%≦Ti≦0.020ma
ss%,0.0005mass%≦Ca≦0.0030
mass%を含み、残部は実質的にFeからなる鋼材を
製造する方法において、転炉から取鍋へ出鋼中に受鋼量
が目標受鋼量の70%を超えてから受鋼完了までの間に
石灰とともに、0.5〜1.2kg/溶鋼tonのTi
をスラグ層に添加し、取鍋溶鋼上のスラグのFeOを還
元し、安定して0.0025mass%以下の酸素の鋼
材を製造できる。
%,Al≦0.003mass%,Si≦0.10ma
ss%,0.005mass%≦Ti≦0.020ma
ss%,0.0005mass%≦Ca≦0.0030
mass%を含み、残部は実質的にFeからなる鋼材を
製造する方法において、転炉から取鍋へ出鋼中に受鋼量
が目標受鋼量の70%を超えてから受鋼完了までの間に
石灰とともに、0.5〜1.2kg/溶鋼tonのTi
をスラグ層に添加し、取鍋溶鋼上のスラグのFeOを還
元し、安定して0.0025mass%以下の酸素の鋼
材を製造できる。
【図1】転炉出鋼後の溶鋼Siと取鍋スラグ中の(%F
eO)の関係を示す図である。
eO)の関係を示す図である。
【図2】Ti添加量と取鍋スラグ中の(%FeO)、鋳
片の酸素、Ti濃度の関係を示す図である。
片の酸素、Ti濃度の関係を示す図である。
【図3】Ti添加時期と取鍋スラグ中の(%FeO)の
関係を示す図である。
関係を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 和明 千葉県君津市君津1番地 新日本製鐵株式 会社君津製鐵所内
Claims (1)
- 【請求項1】 C≦0.20mass%,Al≦0.0
03mass%,Si≦0.10mass%,0.00
5mass%≦Ti≦0.020mass%,0.00
05≦Ca≦0.0030mass%を含み、残部は実
質的にFeからなる鋼材を製造する方法において、転炉
から取鍋へ出鋼中に受鋼量が目標受鋼量の70%を超え
てから受鋼完了までの間に石灰とともに、溶鋼1ton
当り0.5〜1.2kgのTiをスラグ層に添加し、取
鍋溶鋼上のスラグのFeOを還元し、次いで溶鋼中にC
aを添加することにより鋼中の酸素含有量を0.002
5mass%以下とすることを特徴とする低酸素鋼溶製
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5315494A JPH07166226A (ja) | 1993-12-15 | 1993-12-15 | 低酸素鋼溶製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5315494A JPH07166226A (ja) | 1993-12-15 | 1993-12-15 | 低酸素鋼溶製方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07166226A true JPH07166226A (ja) | 1995-06-27 |
Family
ID=18066051
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5315494A Withdrawn JPH07166226A (ja) | 1993-12-15 | 1993-12-15 | 低酸素鋼溶製方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07166226A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002053644A3 (en) * | 2000-12-28 | 2003-01-30 | Gen Electric | Method for the preparation of a poly(arylene ether)-polyolefin composition, and composition prepared thereby |
-
1993
- 1993-12-15 JP JP5315494A patent/JPH07166226A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002053644A3 (en) * | 2000-12-28 | 2003-01-30 | Gen Electric | Method for the preparation of a poly(arylene ether)-polyolefin composition, and composition prepared thereby |
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