JP3230112B2 - 低酸素鋼溶製方法 - Google Patents
低酸素鋼溶製方法Info
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Description
をほとんど用いず、Si含有量が限定された、Tiおよ
びCa添加の低炭素鋼の溶製方法に関するもので、この
低炭素鋼鋼材の主たる用途は厚板またはパイプである。
等の高級鋼に要求される材質特性は益々厳しくなってい
る。特に溶接部における低温靱性の抜本的改善が望まれ
ている。これに対して、Tiを主成分とした主に5μm
以下の微小な酸化物を鋼材中に均一に分散させることに
より、溶接後の冷却過程において、これらを核にオース
テナイト粒内に数多くの微小なフェライトを生成させ、
溶接熱影響部の結晶粒を微細化することにより優れた靱
性を得る鋼材の溶製方法が特開昭60−7015号公報
に示されている。
ss%より高くなると溶接時に島状マルテンサイトが生
成しやすくなる。応力下、寒冷地域の低温下等の厳しい
環境で使用する鋼材ではこの島状マルテンサイトが問題
となるために、Si含有量を0.10mass%より低
くすることが必要となる。また、この鋼材では、粒内フ
ェライト生成の観点からTi含有量の下限値とAl含有
量の上限値が、また硬質のTi炭化物析出の抑制の観点
からTi含有量の上限値が規定され、各々、0.005
mass%≦Ti≦0.020mass%と、Al≦
0.003mass%の成分規制が必要となる。
数を増加させるためには酸素との結びつきが強く、かつ
微細に分散できるCaをTiとともに利用することが有
利であることがわかった。Ca含有量が0.0005m
ass%未満では微細な酸化物の増加効果は殆どなく、
また0.0030mass%より高いと酸化物中のTi
含有量が低くなるため粒内フェライトの生成が著しく阻
害される。
Al,Siの鋼中含有量が低いため鋼中酸素含有量が上
昇する傾向となる。また転炉スラグは酸化成分の(%F
eO)を含有し、通常、転炉吹錬後の出鋼時に取鍋内へ
不可避的に混入する。脱酸元素の含有量が少ない低A
l,低Siの溶鋼では、流出した転炉スラグのFeOの
還元が不充分で、取鍋スラグのFeO濃度が高く、Ca
を添加すると、取鍋スラグ中のFeOがCaにより還元
されて溶鋼中の酸素含有量を上昇させる可能性があり、
そのため溶鋼の酸素含有量が高くなる。鋼材の酸素含有
量が上昇すると、割れ発生の起点となる10μmより大
きな酸化物の量が増加して靱性が悪化し、特に酸素含有
量が0.0025mass%を超えると材質の低下が顕
著となる。
量を低下させる必要があり、具体的には酸素含有量を
0.0025mass%以下にする必要がある。なお、
本発明では、C含有量が高くなると靱性が低下するため
にC含有量が0.20mass%以下の鋼材の溶製を対
象とする。
l,低Si,TiおよびCa添加鋼(Al≦0.003
mass%,Si≦0.10mass%,0.005m
ass%≦Ti≦0.020mass%,0.0005
mass%≦Ca≦0.0030mass%を含み、残
部は実質的にFeからなる鋼)を溶製するにあたり、ス
ラグからの再酸化を抑制し、鋼材の酸素含有量を0.0
025mass%以下にする溶製方法を提供することで
ある。
i,TiおよびCa添加鋼(Al≦0.003mass
%,Si≦0.10mass%,0.005mass%
≦Ti≦0.020mass%,0.0005≦Ca≦
0.0030mass%を含み、残部は実質的にFeか
らなる溶鋼)の溶製にあたり、スラグからの再酸化を抑
制し、鋼材の酸素含有量を0.0025mass%以下
にする方法を説明する。
後、出鋼時に転炉スラグの流出を極力抑制する必要があ
るが、不可避的にスラグは取鍋内に流出し、このスラグ
による溶鋼の再酸化が生じる。したがって、スラグの組
成を制御することによって溶鋼の再酸化を低減すること
が必要である。この取鍋スラグの成分は下記のように溶
鋼のSi含有量によって大きく支配される。
るスラグ中のFeOの還元が不十分となりスラグの(%
FeO)量が上昇する(図1参照)。したがって、スラ
グ中の酸化源である(%FeO)量を低減する必要があ
る。一方、本発明の対象鋼材では、Alの含有量が0.
003mass%以下であるから、溶鋼中のAl含有量
の低減は必要である。スラグ中の(%FeO)量を低減
するために溶鋼へのAlの供給を極力抑制してスラグへ
Alを供給し、スラグと反応させることが必要である。
半、特に取鍋の受鋼量が目標受鋼量の70%を超えた時
期から受鋼完了までの間が顕著である。出鋼時にはMn
合金の添加を主とし、一部Si合金を添加するが、この
脱酸生成物と転炉流出スラグが反応して混在したものが
取鍋スラグとなる。Alの添加はスラグとの反応を優先
させるためにスラグの流出が顕著となる時期、すなわち
取鍋の受鋼量が目標受鋼量の70%を超えた時期から受
鋼完了までの間が望ましい。
eOと反応させてFeO量を低減するとともに、生成し
たAl2 O3 はスラグ中に吸収させ、溶鋼内への侵入を
極力低減させることによって溶鋼中のAl濃度の上昇を
抑制する。Alの添加量は、低すぎるとスラグの還元が
不十分であり、多すぎると溶鋼中に多量のアルミナ系介
在物を生成し、鋼の清浄性を悪化させ、さらにAl含有
量の増加に伴い、溶鋼の溶存酸素が低下し5μm以下の
微小な酸化物中のTi2 O3 濃度が低下し粒内フェライ
トが生成しにくくなる。一連の試験によりAlの添加量
は0.20〜0.50kg/溶鋼tonが適当であるこ
とが分かった。
グ量の増加に伴うFeO成分の希釈とスラグ塩基度(=
(%CaO)/(%SiO2 ))の増加に伴うFeOの
活量の低下に伴う酸化度低減のために添加する。石灰の
添加量が少なすぎると生成アルミナの吸収が不足し、石
灰量が増加するとスラグの溶融温度が高くなり吸収能が
低下するため、一連の試験で石灰量は1〜3kg/溶鋼
tonが適当であることが分かった。
不活性ガスでCaを含有した粉体を溶鋼中へ吹き込む方
法が一般的であり、Caは溶鋼中の酸素と反応して酸化
物を生成するとともにスラグ中のFeOと下記の反応が
起る。 Ca+FeO → CaO+Fe スラグ中のFeO量が高いと、この反応の進行が大き
く、溶鋼中の酸素含有量が増加する(図2)。したがっ
て、前記のとおりAl、石灰を添加しスラグのFeO量
を低減させることによって、Ca添加時の鋼中酸素含有
量上昇を抑制できる。
のAl添加量に伴う、スラグ中のFeO量の変化とAl
の分析値を示す。投入Al量が0.25kg以上となる
とスラグのFeOの還元が進行し、ほぼ1mass%以
下となる。このスラグの存在下で溶鋼にCaを吹き込む
と、図4に示すとおり溶鋼中の酸素含有量上昇は殆ど抑
制され、これに伴い酸素含有量25ppm以下を達成で
きる。しかし、Al添加量が0.5kg/溶鋼tonを
超えると鋼材中のAlが0.003mass%を超え、
粒内フェライトの生成が悪化し溶接時の靱性が低下す
る。
FeO量を示す。転炉出鋼中の受鋼量が目標受鋼量の7
0%を超える時期から受鋼完了までの間にAlを添加す
る本発明のA法では、FeO量を1mass%以下に低
減でき、酸素含有量25ppm以下の鋼材が製造でき
た。一方、比較法であるB法は転炉出鋼開始から受鋼量
が目標受鋼量の70%までの間にAlを添加する方法、
C法は転炉出鋼開始から受鋼完了までの間にほぼ均等に
Alを添加する方法で、いずれもスラグ中のFeO量は
1〜5mass%とスラグのFeOの還元が不十分であ
り、結果として鋼中酸素含有量を安定して25ppm以
下を達成することができなかった。
目標受鋼量の70%を超える時期から受鋼完了までの間
が最適である。
%,Al≦0.003mass%,Si≦0.10ma
ss%,0.005mass%≦Ti≦0.020ma
ss%,0.0005≦Ca≦0.0030mass%
を含み、残部は実質的にFeからなる鋼材を溶製するに
あたり、安定して0.0025mass%以下の酸素含
有量の鋼材を製造できるという産業上有用な効果が奏さ
れる。
(%FeO)量の関係を示す図である。
有量の関係を示す図である。
Al濃度の関係を示す図である。
鋳片酸素含有量の関係を示す図である。
の関係を示す図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 C≦0.20mass%,Al≦0.0
03mass%,Si≦0.10mass%,0.00
5mass%≦Ti≦0.020mass%,0.00
05≦Ca≦0.0030mass%を含み、残部は実
質的にFeからなる鋼材を製造する方法において、転炉
出鋼中に受鋼量が目標受鋼量の70%を超える時期から
受鋼完了までの間に石灰とともに、溶鋼1ton当り
0.25〜0.5kgのAlをスラグ層に添加し、取鍋
溶鋼上のスラグのFeOを還元し、鋼材の酸素含有量を
0.0025mass%以下とすることを特徴とする低
酸素鋼溶製方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19377793A JP3230112B2 (ja) | 1993-08-04 | 1993-08-04 | 低酸素鋼溶製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19377793A JP3230112B2 (ja) | 1993-08-04 | 1993-08-04 | 低酸素鋼溶製方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0748615A JPH0748615A (ja) | 1995-02-21 |
JP3230112B2 true JP3230112B2 (ja) | 2001-11-19 |
Family
ID=16313636
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19377793A Expired - Lifetime JP3230112B2 (ja) | 1993-08-04 | 1993-08-04 | 低酸素鋼溶製方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3230112B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100916486B1 (ko) * | 2002-12-27 | 2009-09-08 | 주식회사 포스코 | 티타늄 첨가 미탈산 강의 용강 정련방법 |
CN108838580B (zh) * | 2018-08-13 | 2020-08-07 | 天津沃盾耐磨材料有限公司 | 耐高温焊丝及其制备方法 |
-
1993
- 1993-08-04 JP JP19377793A patent/JP3230112B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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JPH0748615A (ja) | 1995-02-21 |
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