JPH0716223Y2 - 自動販売機の商品搬送装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、複数の商品貯蔵部を並設してある自動販売機
に関する。

〔従来の技術〕

一般に、この種の自動販売機では、第４図に示すよう
に、複数の商品貯蔵部（50）を左右方向及び前後方向に
並設し、これら商品貯蔵部（50）の下方から選択的に払
い出されてくる商品を前記商品貯蔵部（50）の払出位置
（50a）よりも下方に形成した商品払出口（51）に移行
案内する前送りシュート（52）を設けている。

しかし、この形式の自動販売機による場合は、前記商品
払出口（51）の形成位置が対地的に低くなるため、この
商品払出口（51）に払い出された商品を取り出す際、体
を大きく曲げて取り出さなければならず、特に、重量の
ある商品では非常に取り出し難いものであった。

しかも、前記商品払出口（51）に泥水等が付着し易く、
殊に、自動販売機が道路際に設置される場合では、自動
車等によって撥ね飛ばされた泥水等も付着するため、前
記商品払出口（51）が短期間で汚れる衛生上の問題があ
った。

この問題を解決する為に、例えば特開昭57−152092号公
報に記載されているように、複数の商品貯蔵部を並設
し、これら商品貯蔵部の下部から選択的に払い出されて
くる商品を商品貯蔵部の並設方向に横搬送する横搬送機
構部と、該横搬送機構部にて横搬送された商品を商品貯
蔵部の払出位置よりも上方に形成した商品払出口に搬送
する縦搬送機構部とを設けてある自動販売機の商品搬送
装置が提案されているが、この商品搬送装置は、横搬送
通路と縦搬送通路とに亘って一連に駆動回動される無端
ベルト等の搬送体を設けるとともに、この搬送体の外向
き周面に支持片を突設して、横搬送通路においては支持
片で商品を搬送方向に押し出し、縦搬送通路においては
支持片で商品を押し上げるように構成し、支持片が縦搬
送通路の搬送終端部を通過した後、横搬送通路の搬送始
端部に戻るまでの当該支持片の移動空間を別に設けてい
る為、自動販売機内のデッドスペースが増大する欠点が
ある。

そこで、かかる問題を解決するために第５図に示すよう
に、前記商品貯蔵部（50）が配置された商品収納部
（Ｂ）の前方に開閉自在に設けられたドア部（Ｃ）内に
幅寄せシュート（53）を設け、該幅寄せシュート（53）
を用いて前記前送りシュート（52）にてドア部（Ｃ）内
へ移行案内される商品をドア部（Ｃ）内の特定箇所に集
めた後、これを前記ドア部（Ｃ）内に設けられた縦搬送
機構部（54）を用いて上方の商品払出口（55）が開口さ
れた位置まで縦搬送し、然る後、該商品払出口（55）か
ら搬出するように構成したものが考えられている。

〔考案が解決しようとする課題〕

然るに、かかる従来の自動販売機の商品搬送装置には、
商品収納部（Ｂ）内の前送りシュート（52）とドア部
（Ｃ）内の幅寄せシュート（53）との２種類のシュート
が装備されており、その両シュート間における商品の授
受即ち前送りシュート（52）から幅寄せシュート（53）
への商品の移送が商品の姿勢によってはうまくいかない
ことがあるという問題があった。

また、最近の自動販売機はその横幅が解くに大きくなる
傾向にあるため、一定の落差で前記幅寄せシュート（5
3）に傾斜を持たせる場合は、商品の円滑な幅寄せが困
難となることが多く、大きな落差で前記幅寄せシュート
（53）に傾斜を持たせる必要が生じ、これが原因となっ
てデッドスペースも増大するという問題があった。

また、前記縦搬送機構部（54）によって縦搬送された商
品の商品払出口（55）からの搬出及び前記幅寄せシュー
ト（53）によって幅寄せされた商品の縦搬送機構部（5
4）への移送が不確実になるおそれがあるという問題が
あった。

本考案はかかる事情に鑑みてなされたものであり、上述
の問題を一挙に解消し得る自動販売機の商品搬送装置を
提供することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

本考案に係る自動販売機の商品搬送装置は、複数の商品
貯蔵部を並設し、これら商品貯蔵部の下部から選択的に
払い出されてくる商品を前記商品貯蔵部の並設方向に横
搬送する横搬送機構部と、該横搬送機構部にて横搬送さ
れた商品を前記商品貯蔵部の払出位置よりも上方に形成
した商品払出口に搬送する縦搬送機構部とを設けてある
自動販売機の商品搬送装置であって、前記横搬送機構部
にて横搬送された商品を受け取る商品受台を、前記縦搬
送機構部のエレベータ台に傾斜自在に枢支すると共に、
前記商品払出口に対応した商品払出位置において、前記
商品受台を商品の商品払出口への滑降搬出が可能な払出
用傾斜姿勢に傾斜させ、かつ、前記横搬送機構部への横
搬送終端部に対応した商品受取位置において、前記払出
用傾斜姿勢とは逆向きの受取用傾斜姿勢に傾斜させる傾
斜機構を設け、更に、前記傾斜機構には、前記商品受取
位置から商品払出位置までの範囲に亘って、前記横搬送
機構部によって昇降される商品受台に係合して、その係
合位置から前記枢支位置までの水平方向での距離変動に
より、該商品受台を受取用傾斜姿勢と払出用傾斜姿勢と
に切り換え案内する傾斜案内ガイドを設けてある点に特
徴を有している。

〔作用〕

かかる自動販売機の商品搬送装置を用いて商品を商品払
出口へ搬送する場合、商品貯蔵部の下部から選択的に払
い出されている商品は、横搬送機構部にて横搬送された
後に商品受台にて受け取られて縦搬送機構部にて縦搬送
される。そして、前記商品受台が商品受取位置にあって
商品を受け取る場合には、該商品受台が商品受取に好適
な傾斜姿勢となっているため、商品を確実に受け取るこ
とができる。また該商品を受け取った商品受台が商品払
出口の高さに移動するまでには、前記商品受台が前記傾
斜機構によって商品の商品払出口への滑降搬出に好適な
姿勢に傾斜し、もってその上の商品は傾斜による滑降に
よって強制的に商品払出口へ搬出される。

又、前記縦搬送機構部によって昇降される商品受台は、
前記商品受取位置から商品払出位置にまでの範囲に亘っ
て設けられた傾斜案内ガイドに係合案内されて、その係
合位置から前記枢支位置までの水平方向での距離変動に
よって、受取用傾斜姿勢と払出用傾斜姿勢とに切り換え
られるから、商品受台が縦搬送経路の中間位置で誤動作
して不測に傾動するようなことがなく、また、商品受台
を縦搬送経路中に臨ませた固定部材との接当によって傾
動させる場合のように、固定部材との接当時に商品受台
に振動が作用することがない。それ故に、搬送商品が商
品受台上の所定位置からずれ動いてその縦搬送経路途中
に存在する他物との引っ掛かり等によって詰まるおそれ
が少ない。

〔考案の効果〕

従って、本案装置によれば、商品の幅寄せは横搬送機構
部によって確実に行われる結果、第５図に示した如き従
来装置において必要であった幅寄せシュートが不要とな
り、従来問題となっていた前送りシュートから幅寄せシ
ュートへの商品の移送が失敗するということがなくな
る。しかも、上述の如く幅寄せシュートが不要となるた
め、それが原因となってデッドスペースが増大するとい
う従来の問題も解消される。更に、前記商品受台が上述
の如く傾斜自在に構成されているため、前記商品の縦搬
送機構部への移送及び該縦搬送機構部によって縦搬送さ
れた商品の商品払出口からの搬出は確実に行われるよう
になる。なお、前記商品受台を傾斜させるための新たな
駆動源は不要であり、その駆動系は複雑とはならない。

更に、前記商品受台の受取用傾斜姿勢と払出用傾斜姿勢
との切り換えを確実、スムーズに行うことができるか
ら、横搬送機構部で横搬送されてきた商品を、縦搬送中
に詰まることがない状態で、商品受台に受け取って商品
払出口まで確実に縦搬送でき、しかも、搬送されてきた
商品を商品払出口から取り出し易い。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図〜第３図はサーペンタイン方式の自動販売機を示
し、商品収納部（Ｂ）内に、複数の商品（Ａ）を上下方
向で貯蔵する商品貯蔵部（２）の複数個を、左右方向と
前後方向に夫々所定間隔を置いて並設してある。

これら各商品貯蔵部（２）の上部には、前方に開口する
商品投入口（2a）を形成すると共に、前記各商品貯蔵部
（２）の下部には、商品選択信号に基づいて最下端に位
置する貯蔵商品（Ａ）を個別に払い出す図外の払出機構
を設けてある。

前記商品貯蔵部（２）の下方には、これら商品貯蔵部
（２）の下部から選択的に払い出されくる商品（Ａ）を
前方下方に向かって滑降案内する前送りシュート（３）
を設けてあり、該前送りシュート（３）にて前方下方へ
滑降案内される商品（Ａ）は、複数の庫内商品出口
（７）のいずれかを通過した後、前方商品収納部（Ｂ）
の前方に開閉自在に設けられたドア部（Ｃ）内下部に配
置された横搬送機構部（４）上へ搬出されるか、或い
は、前記ドア部（Ｃ）内の一側部に配置された縦搬送機
構部（６）の商品受台（6a）上へ搬出されるようになっ
ている。より詳しくは、前記複数の商品貯蔵部（２）の
うちの前記縦搬送機構部（６）配置側に位置する商品貯
蔵部（２）から前送りシュート（３）経由で滑降案内さ
れた商品（Ａ）のみが、該商品貯蔵部（２）に対応する
庫内商品出口（７）を通過した後、前記縦搬送機構部
（６）の商品受台（6a）上に直接搬出され、残りの商品
貯蔵部（２）から前送りシュート（３）経由で滑降案内
された商品（Ａ）は他の庫内商品出口（７）を通過した
後、前記横搬送機構部（４）上に搬出され、更に該横搬
送機構部（４）にて横搬送された後、前記縦搬送機構部
（６）の商品受台（6a）上に搬出されるようになってい
る。

前記横搬送機構部（４）と前記縦搬送機構部（６）との
両者の相対的な位置関係について詳述するに、横搬送機
構部（４）の横搬送終端部は、縦搬送機構部（６）の下
端部に近接配置されており、横搬送機構部（４）の横搬
送終端部から搬出される商品（Ａ）は、下死点に近い商
品受取位置に位置する状態の縦搬送機構部（６）の商品
受台（6a）にて受け取られるようになっている。

前記縦搬送機構部（６）について更に詳述するに、該縦
搬送機構部（６）は、上下適宜位置、具体的には前記商
品払出口（５）の高さよりも高い上死点及び前述の下死
点に夫々相応する上下適宜位置に配置された上下対をな
すスプロケット（6b），（6c）と、その両スプロケット
（6b），（6c）間に巻回されたチェーン（6d）と、該チ
ェーン（6d）の適宜位置に取着された正面視Ｌ字状のエ
レベータ台（6e）と、該エレベータ台（6e）の先端部に
て枢支された先端上がりの後傾姿勢から先端下がりの前
傾姿勢まで傾斜自在な正面視Ｌ字状のの商品受台（6a）
とを備えてなっている。

そして、前記両スプロケット（6b），（6c）の配置方向
に沿った状態で、前記商品払出口（５）に対応した商品
払出位置から横搬送機構部（４）の横搬送終端部に対応
した商品払出位置にまでの範囲に亘って直線状の上下ガ
イド（6f）が延設されると共に、該上下ガイド（6f）に
ほぼ平行でありながらその商品払出口（５）近傍が該商
品払出口（５）側へ緩やかに屈曲突出した傾斜案内ガイ
ド（6g）が、前記商品払出口（５）に対応した商品払出
位置から横搬送機構部（４）の横搬送終端部に対応した
商品払出位置にまでの範囲に亘って延設されている。

また、該上下ガイド（6f）には、前記エレベータ台（6
e）に付設されたローラ（6h）が係合される一方、前記
傾斜案内ガイド（6g）には、前記商品受台（6a）に付設
されたローラ（6i）が係合され、それらの個別の係合関
係に基づき、つまり、前記商品受台（6a）のローラ（6
i）と傾斜案内ガイド（6g）との係合位置から商品受台
（6a）とエレベータ台（6e）との枢支位置までの水平方
向での距離変動に基づき、エレベータ台（6e）が上昇し
てそれが商品払出口（５）近傍に到るにつれて、前記商
品受台（6a）の姿勢は、横搬送機構部（４）からの商品
（Ａ）を受け取り易い受取用傾斜姿勢である先端上がり
の後傾姿勢から、商品（Ａ）の商品払出口（５）への滑
降搬出が可能な払出用傾斜姿勢である先端下がりの前傾
姿勢に緩やかに変化しながら一連に案内されるようにな
っている。換言すれば、前記傾斜案内ガイド（6g）や前
記ローラ（6i）等の組合せから商品受台（6a）を前記前
傾姿勢に傾斜させる傾斜機構（Ｅ）が構成され、該傾斜
機構（Ｅ）によって前記商品受台（6a）は前記縦搬送機
構部（６）の縦搬送力に基づく上述の傾斜が生じ、その
傾斜によってその上に位置する商品（Ａ）の商品払出口
（５）への強制的な搬出が行われるようになり、しかも
前記商品受台（6a）の商品払出位置と商品受取位置とに
おける傾斜姿勢が商品（Ａ）の授受に好適なように逆向
きに設定されている。なお、前記商品（Ａ）の商品受台
（6a）から商品払出口（５）への搬出が行われるに際し
ては、該商品（Ａ）は、前記商品払出口（５）の縦搬送
機構部（６）側に付設された斜シュート（８）を経由し
て搬出されるようになっており、その搬出が一層確実に
行われるように工夫されている。

かかる自動販売機の商品搬送装置を用いて商品（Ａ）を
商品払出口（５）へ搬出する場合、商品貯蔵部（２）の
下部から選択的に払い出されてくる商品（Ａ）は、横搬
送機構部（４）にて横搬送された後に後傾姿勢の商品受
台（6a）にて確実に受け取られて縦搬送機構部（６）に
て縦搬送され、或いは、直接後傾姿勢の商品受台（6a）
にて確実に受け取られて縦搬送機構部（６）にて縦搬送
される。そして商品払出口（５）の位置まで縦搬送され
るまでには、前記商品受台（6a）が前記傾斜機構（Ｅ）
によって商品（Ａ）の商品払出口（５）への滑降搬出が
可能な状態に前傾し、もってその上の商品（Ａ）は傾斜
による滑降によって強制的に商品払出口（５）へ搬出さ
れる。

なお、商品貯蔵部（２）の下部から選択的に払い出され
てくる商品（Ａ）を全て横搬送機構部（４）にて横搬送
し、該横搬送機構部（４）にて横搬送された商品（Ａ）
を縦搬送機構部（６）の商品受台（6a）にて受け取って
これを縦搬送する実施例も考えられる。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対照を便利
にする為に符号を記すが、該記入により本考案は添付図
面の構造に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る自動販売機を示す部分断面正面
図、第２図はその縦断面図、第３図はその要部を示す平
面図、第４図及び第５図は従来の自動販売機を示す斜視
図である。 （２）……商品貯蔵部、（４）……横搬送機構部、
（５）……商品払出口、（６）……縦搬送機構部、（6
a）……商品受台、（6e）……エレベータ台、（6g）…
…傾斜案内ガイド、（Ａ）……商品、（Ｅ）……傾斜機
構。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】複数の商品貯蔵部（２）を並設し、これら
   商品貯蔵部（２）の下部から選択的に払い出されてくる
   商品（Ａ）を前記商品貯蔵部（２）の並設方向に横搬送
   する横搬送機構部（４）と、該横搬送機構部（４）にて
   横搬送された商品（Ａ）を前記商品貯蔵部（２）の払出
   位置よりも上方に形成した商品払出口（５）に搬送する
   縦搬送機構部（６）とを設けてある自動販売機の商品搬
   送装置であって、前記横搬送機構部（４）にて横搬送さ
   れた商品（Ａ）を受け取る商品受台（6a）を、前記縦搬
   送機構部（６）のエレベータ台（6e）に傾斜自在に枢支
   すると共に、前記商品払出口（５）に対応した商品払出
   位置において、前記商品受台（6a）を商品（Ａ）の商品
   払出口（５）への滑降搬出が可能な払出用傾斜姿勢に傾
   斜させ、かつ、前記横搬送機構部（４）の横搬送終端部
   に対応した商品受取位置において、前記払出用傾斜姿勢
   とは逆向きの受取用傾斜姿勢に傾斜させる傾斜機構
   （Ｅ）を設け、更に、前記傾斜機構（Ｅ）には、前記商
   品受取位置から商品払出位置までの範囲に亘って、前記
   縦搬送機構部（６）によって昇降される商品受台（6a）
   に係合して、その係合位置から前記枢支位置までの水平
   方向での距離変動により、該商品受台（6a）を受取用傾
   斜姿勢と払出用傾斜姿勢とに切り換え案内する傾斜案内
   ガイド（6g）を設けてある自動販売機の商品搬送装置。