JPH07157635A - フェノール樹脂成形材料 - Google Patents

フェノール樹脂成形材料

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JPH07157635A
JPH07157635A JP30807093A JP30807093A JPH07157635A JP H07157635 A JPH07157635 A JP H07157635A JP 30807093 A JP30807093 A JP 30807093A JP 30807093 A JP30807093 A JP 30807093A JP H07157635 A JPH07157635 A JP H07157635A
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JP
Japan
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phenol resin
molding material
filler
phenol
weight
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Application number
JP30807093A
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English (en)
Inventor
Masatoshi Yamoto
正俊 矢元
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 フェノール樹脂は、オルソ結合対パラ結合の
比(O/P比)が1.5〜2.5であり、かつ数平均分
子量が350〜500のノボラック型フェノール樹脂を
主成分とし、充填材として有機質充填材と無機質充填材
を含有し、有機質充填材として繊維長0.5〜5mmの
天然繊維を含有し、無機質充填材としてタルク、クレ
ー、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネ
シウムから選ばれた一種以上を含有するフェノール樹脂
成形材料。 【効果】 機械的強度に優れ、かつ溶融状態での熱安定
性と流動性に富み、高温時での硬化性に優れている。こ
のため、射出成形において射出成形機のシリンダー内で
の粘度上昇を抑え、かつ金型内では急速に硬化するた
め、幅広い成形条件に適応し、極めて成形加工性に優れ
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、機械的強度に優れ、か
つ熱安定性、硬化性、成形加工性に優れたフェノール樹
脂成形材料に関するものであり、特に射出成形において
射出成形機のシリンダー内での熱安定性に優れたフェノ
ール樹脂成形材料を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】従来フェノール樹脂成形材料において有
機質充填材としては繊維長が100〜150μmの木粉
を主体に使用されているが、このような充填材を用いた
場合混練時の作業性及び成形時の流動性は良いが、機械
的強度が低いという問題があった。機械強度向上のため
繊維長の長い天然繊維、例えばパルプや粉砕布を配合す
ると繊維強度は向上するが、混練時の作業性が低下した
り、成形時に流れにくくなったり、充填不良を起こしや
すくなるため配合量に限界がある。また、ガラス繊維を
配合することで機械的強度は格段に向上するが、耐摩耗
性が悪くなるという欠点がある。更にコスト面でも高価
なものとなり好ましくない。
【0003】また、従来のフェノール樹脂成形材料は、
90〜125℃に可塑化された溶融状態では材料中の樹
脂の硬化反応の進行によって粘度が増大し、10〜30
分間で流動性を失う性質を有しており、溶融樹脂の熱安
定性が極めて低くなる。このため従来のフェノール樹脂
成形材料を射出成形する場合、射出成形機のシリンダー
内での溶融された成形材料の熱安定性が著しく劣り、適
正な成形条件幅が極めて狭いという問題がある。
【0004】従来、この問題を解決する方法として成形
材料の流動性を増大させるなどの各種の方法が知られて
いるが、これらの場合溶融状態での熱安定性を向上させ
ると金型内での150〜200℃における硬化反応が遅
くなり、一方、金型内での硬化性を向上させるため、フ
ェノール核に対するメチレン結合において、オルソ結合
の割合の高いハイオルソノボラック型フェノール樹脂を
使用する手段があるが、射出成形機のシリンダー内の熱
安定性が劣るようになり、溶融状態の熱安定性と金型内
の硬化性との両方を兼ね備えたフェノール樹脂成形材料
を得ることは困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な問題点を解決するため種々の検討の結果なされたもの
である。その目的とするところは、機械的強度が優れ、
かつ溶融状態での熱安定性と金型内での硬化性とが両立
した成形性の優れたフェノール樹脂成形材料で、特に射
出成形においてシリンダー内の溶融状態での熱安定性が
著しく優れ、金型内での流動性に富み、硬化性も極めて
優れたフェノール樹脂成形材料であり、さらにはスプル
ー、ランナーレス射出成形に適したフェノール樹脂成形
材料を提供するところにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、(a)フェノ
ール樹脂、(b)ヘキサメチレンテトラミン、及び
(c)充填材を含有するフェノール樹脂成形材料におい
て、フェノール樹脂は、フェノール核に結合するメチレ
ン結合において、オルソ結合対パラ結合の比(O/P
比)が1.5〜2.5であり、かつ分子量(数平均分子
量)が350〜500のノボラック型フェノール樹脂を
主成分とし、充填材は有機質充填材として繊維長0.5
〜5mmの天然繊維を含有し、無機質充填材としてタル
ク、クレー、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、炭
酸マグネシウムから選ばれた一種以上を含有することを
特徴とするフェノール樹脂成形材料に関するものであ
る。
【0007】一般に成形材料に用いるノボラック型フェ
ノール樹脂の分子量は500〜700であるが、分子量
を350〜500と比較的小さくすることによって溶融
状態での熱安定性を向上させ、かつ溶融粘度が低いため
金型内での流動性が良好になる結果となる。分子量35
0以下では樹脂が固形になりにくく成形材料化における
作業性が悪くなる。500以上では熱安定性及び流動性
が低下するようになる。好ましい範囲としては380〜
450である。ノボラック型フェノール樹脂のO/P比
は1.5〜2.5とハイオルソ化することにより樹脂の
活性化エネルギーが高くなり、金型内での硬化性が良好
となる。O/P比が1.5以下では金型内での硬化性が
不十分となり、2.5以上では樹脂の製造が困難であ
る。好ましいO/P比は1.8〜2.3である。
【0008】本発明のノボラック型フェノール樹脂は遊
離フェノール量が小さいほうがよい。通常はハイオルソ
ノボラック樹脂は遊離フェノールの割合が7〜10重量
%程度であるが、本発明においては好ましくは1〜6重
量%、より好ましくは1〜4重量%である。遊離フェノ
ールの割合が6重量%より多いとヘキサメチレンテトラ
ミンの分解が促進され、90〜125℃での熱安定性が
低下するようになる。一方、1重量%以下の遊離フェノ
ール量とすることはフェノール樹脂の製造上困難であ
る。
【0009】本発明の(b)ヘキサメチレンテトラミン
としては通常のフェノール樹脂の硬化剤として用いられ
る粉末状のものが用いられ、通常フェノール樹脂100
重量部に対して7〜30重量部、好ましい範囲としては
12〜20重量部配合して用いられる。
【0010】本発明の(c)充填材は、有機質充填材と
して繊維長0.5〜5mmの有機天然繊維を用いる。か
かる有機天然繊維としては綿、麻などの繊維又はこれら
の織物の切断物あるいは粉砕物、各種パルプなどであ
り、異種材質のものを二種以上併用することもできる。
これらは繊維長0.5〜5mmが好ましく、更に好まし
くは1〜3mmである。0.5mm以下では成形品の繊
維強度が小さく、5mm以上では繊維強度は向上する
が、成形材料化した際の解繊及び分散度が悪く、成形材
料のかさばりが大きくなり好ましくない。
【0011】また無機質充填材としては、タルク、クレ
ー、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネ
シウムから選ばれた一種又は二種以上を用いる。これら
の無機質充填材の使用により耐熱性が向上し、加熱時の
機械的強度の低下を軽減することができる。
【0012】これらの充填材の好ましい配合量は、フェ
ノール樹脂100重量部に対して、有機天然繊維30〜
60重量部、更に好ましくは40〜55重量部、無機質
充填材15〜40重量部である。有機天然繊維が30重
量部以下では成形品の機械強度が向上せず、60重量部
以上では成形材料のかさばりが大きくなり、成形材料化
が困難になるなどの問題が生じるため好ましくない。ま
た無機質充填材が15重量部以下では耐熱性が向上せ
ず、加熱機の機械的強度が低下してしまう。40重量部
以上では、成形性が低下し、成形物表面にボイドが生じ
やすく好ましくない。
【0013】このような充填材の組み合わせにおいて、
従来のフェノール樹脂成形材料に比べ機械的強度に優れ
た成形材料を得る。本発明において、必要により難燃
剤、着色剤、離型剤などの添加剤を適宜配合して用いる
ことが出来る。本発明のフェノール樹脂成形材料は、前
記ノボラック型フェノール樹脂、ヘキサメチレンテトラ
ミン、各種充填材及び各種添加剤を配合し、ロールミ
ル、2軸混練機などで加熱溶融混練し、冷却後、粉砕し
て成形材料化する方法が一般的である。
【0014】
【作用】本発明のフェノール樹脂成形材料は、O/P比
1.5〜2.5であり、かつ分子量350〜500のノ
ボラック型フェノール樹脂を使用している。従って、フ
ェノール樹脂の活性化エネルギーが高く、かつ溶融粘度
が小さいので、90〜125℃での溶融状態で著しく熱
安定性が優れており、150〜200℃の金型内で流動
性及び硬化性が優れている。このことから、フェノール
樹脂成形材料の射出成形において、極めて連続成形性の
良いものとなる。また、フェノール樹脂の溶融粘度が小
さいため、従来のフェノール樹脂成形材料より多く有機
天然繊維を配合することができ、かつ繊維長の長い有機
天然繊維を配合することにより機械的強度を格段に向上
することができる。
【0015】
【実施例】以下に本発明に係る実施例を比較例と共に説
明する。ここで、「部」は「重量部」を示す。表1に示
すノボラック型フェノール樹脂を用いて、表2に示す材
料及び配合にて、加熱ロールにより混練してフェノール
樹脂成形材料を得た。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】各実施例及び比較例で得られた成形材料に
ついて曲げ強さ、シャルピー衝撃強さ、及び射出成形時
のシリンダー内熱安定性、金型内での硬化性の評価を行
った。その結果を表3に示す。
【0019】
【表3】
【0020】〔評価方法〕 (1)曲げ強さ、シャルピー衝撃強さ:JIS K 6911 に
準じて測定した。 (2)シリンダー内熱安定性:フェノール樹脂成形材料
を数十ショット連続射出成形し、その後成形機を停止し
て成形材料をシリンダー内に滞留させる。滞留時間は計
量後から射出開始までの時間とし、これを順次長くして
射出成形可能か否かを判定した。 ○:成形可能、 △:成形可能(但し、一部不充填)、
×:成形不可 (3)硬化性:射出成形後金型内に保持する時間を変え
て、成形品表面のふくれの有無を観察した。 ○:ふくれなし、 △:ややふくれぎみ
【0021】実施例1,2,3で得られた成形材料は高
い曲げ強さを保持し、衝撃強さも高く優れた機械的強度
を有している。更に溶融状態での熱安定性も良く、速硬
化性でフクレの無い成形品が得られる。比較例1は機械
的強度、硬化性は良いが、熱安定性が低い。比較例2は
機械的強度は高いが、熱安定性と硬化性が劣っている。
比較例3は機械強度が全般的に低く、熱安定性と硬化性
もよくない。
【0022】
【発明の効果】上記の実施例から明らかなように、本発
明のフェノール樹脂成形材料は機械的強度に優れ、かつ
溶融状態での熱安定性と流動性に富み、高温時での硬化
性に優れている。このため、射出成形において射出成形
機のシリンダー内での粘度上昇を抑え、かつ金型内では
急速に硬化するため、幅広い成形条件に適応し、極めて
成形加工性に優れている。また本発明のフェノール樹脂
成形材料は溶融状態での熱安定性が極めて優れているた
め、スプルー、ランナーレス成形にも極めて適してい
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 1/02 LAP

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)フェノール樹脂、(b)ヘキサメ
    チレンテトラミン、及び(c)充填材を含有するフェノ
    ール樹脂成形材料において、フェノール樹脂は、フェノ
    ール核に結合するメチレン結合において、オルソ結合対
    パラ結合の比(O/P比)が1.5〜2.5であり、か
    つ分子量(数平均分子量)が350〜500のノボラッ
    ク型フェノール樹脂を主成分とし、充填材として有機質
    充填材と無機質充填材を含有し、有機質充填材として繊
    維長0.5〜5mmの天然繊維を含有し、無機質充填材
    としてタルク、クレー、水酸化アルミニウム、炭酸カル
    シウム、炭酸マグネシウムから選ばれた一種以上を含有
    することを特徴とするフェノール樹脂成形材料。
  2. 【請求項2】 天然繊維の配合割合がフェノール樹脂1
    00重量部に対して30〜60重量部であることを特徴
    とする請求項1記載のフェノール樹脂成形材料。
JP30807093A 1993-12-08 1993-12-08 フェノール樹脂成形材料 Pending JPH07157635A (ja)

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