JPH07155409A - ラケット - Google Patents

ラケット

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JPH07155409A
JPH07155409A JP5305298A JP30529893A JPH07155409A JP H07155409 A JPH07155409 A JP H07155409A JP 5305298 A JP5305298 A JP 5305298A JP 30529893 A JP30529893 A JP 30529893A JP H07155409 A JPH07155409 A JP H07155409A
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Masaya Tsunoda
昌也 角田
Masahide Onuki
正秀 大貫
Tetsuo Yamaguchi
哲男 山口
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ガット面の中央部以外の部分で打球した場合
の反発性の向上及び衝撃の低減と、ガット面の中央部で
打球した場合のコントロール性の向上。 【構成】 長軸方向の全長(L)の2/15の位置の第
1境界線(P1)に挟まれたガット面(4)の中央部を
長軸方向第1領域(A1)とする。長軸方向の全長の2
/5の第2境界線(P2)と第1境界線に挟まれた領域
を長軸方向第2領域(A2)とする。長軸方向第1領域
と長軸方向第2領域の網目(M)の長軸方向の長さの平
均値の比(l1/l2)を0.3〜0.6とする。短軸方向
の全長(W)の1/5の位置の第3境界線(P3)に挟
まれたガット面の中央部を短軸方向第1領域(B1)と
する。短軸方向の全長の2/5の位置の第4境界線(P
4)と第3境界線に挟まれた領域を短軸方向第2領域
(B2)とする。短軸方向第1領域及び短軸方向第2領
域における網目の短軸方向の長さの比(m1/m2)を
0.3〜0.6とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はテニスラケット、バトミ
ントンラケット、スカッシュラケット等のガットを張設
して使用するラケットに関し、特に、ラケットのガット
面の中央部以外の部分で打球した場合の反発性の向上及
び衝撃の低減と、ガット面の中央部で打球した場合のコ
ントロール性の向上に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にテニスラケット等のラケットで
は、ガットの張り方(ガットパターン)は、ガットを張
設した面(ガット面)の中心部に近づく程隣接するガッ
ト間の間隔を密とし(実開昭61−4665号参照)、
ガット面のどの位置においても、ガット面と垂直な方向
(面外方向)に一定の変位を与えるために必要な力(面
圧)をほぼ一定に設定している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ガット面の面圧分布が
ほぼ一定である場合、ガット面の中央部以外の部分もガ
ット面の中央部とほぼ同様の面圧を有するため、ガット
面の中央部以外の部分でボールを打球すると反発機能も
悪く、またラケットを把持したプレーヤーの手に衝撃が
伝わりやすいため、不快感を感じる。またここで、ガッ
ト面の中央部以外の部分で打球した時の手に伝わる衝撃
を小さくするために、ガットのテンションを低くしてし
まうとガット面の面圧分布がほぼ一定であるため、ガッ
ト面の中央部の面圧も小さくなってしまう。
【0004】上記ガット面の面圧がほぼ一定であると、
ガット面の中央部付近の面圧が十分でないため、ガット
面の中央部でボールを打球した際に所望のコントロール
性が得られない。またここで、ガット面の中央部でのコ
ントロール性能を高めるために、ガットのテンションを
高く張るとガット面の面圧分布がほぼ一定であるため、
ガット面の中央部以外の部分の面圧も高くなってしま
い、ガット面の中央部以外の部分でボールを打球した際
にプレーヤーの手に伝わる衝撃が大きくなってしまう。
このように、ガット面の中央部付近で打撃した際のコン
トロール性能と中央部以外の部分で打撃した時の反発性
能及び打球感を共に満足するようなラケットは存在しな
かった。
【0005】本発明は、上記のような従来のラケットに
おける問題を解決するためになされたものであって、ガ
ット面の中央部以外の部分で打球した際の反発機能を向
上し、かつ、ガット面の中央部で打撃した時のコントロ
ール性能及び打球感を向上することを目的としてなされ
たものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】従って、本発明は、ガッ
ト面の中心点から長軸方向の両側に、長軸方向の全長の
2/15の位置に第1境界線を設定し、該第1境界線に
挟まれたガット面の中央部を長軸方向第1領域とすると
共に、中心点から長軸方向の全長の2/5の位置に第2
境界線を設定し、第1境界線と第2境界線に挟まれた領
域を長軸方向第2領域とし、上記長軸方向第1領域にお
ける長軸方向のガットと短軸方向のガットの交点により
形成される網目の長軸方向の長さの平均値と、上記長軸
方向第2領域における網目の長軸方向の長さの平均値と
の比を0.3〜0.6に設定し、かつ、ガット面の中心点
から短軸方向の両側に、短軸方向の全長の1/5の位置
に第3境界線を設定し、該第3境界線に挟まれたガット
面の中央部を短軸方向第1領域とすると共に、中心点か
ら短軸方向の全長の2/5の位置に第4境界線を設定
し、第3境界線と第4境界線に挟まれた領域を短軸方向
第2領域とし、上記短軸方向第1領域における網目の短
軸方向の長さの平均値と、上記短軸方向第2領域におけ
る網目の短軸方向の長さの平均値との比を0.3〜0.6
に設定していることを特徴とするラケットを提供するも
のである。
【0007】上記の構成からなる本発明のラケットは、
ガット面の中央部に近づく程面圧が高くなり、周辺部に
近づくほど面圧が低くなるため、ガット面の中央部以外
の部分で打球した場合ガット面の中央部と比較してガッ
トの変形量が大きく反発性が良好であって、不快な衝撃
がプレーヤーに伝わりにくい。
【0008】また、本発明のラケットでは、ガット面の
中央部付近で打球した場合、中央部の面圧が周辺部と比
較して高く、剛性が十分であるため、良好なコントロー
ル性が得られる。
【0009】
【実施例】本発明者は、種々の実験、研究の結果、ガッ
ト面の中央部以外で打球した場合の振動を低減し、かつ
ガット面の中央部で打球した際に良好なコントロール性
を得ることができるガットパターンを見いだした。
【0010】図1及び図2に上記のガットパターンを有
す本発明に係るラケットを示している。このラケット1
では、フレーム2のガット張設部2aに設けた複数のガ
ット穴に短軸X方向のガットJと長軸Y方向のガットK
を張設してガット面4を形成している。このガット面4
では、隣接する長軸方向のガットKと隣接する短軸方向
のガットJが長軸Y方向の長さがl、短軸方向の長さが
mの矩形状の網目Mを複数個形成する。
【0011】図1に示すように、ガット面4の中心点O
から長軸Y方向の両側に、長軸Y方向の全長Lの2/1
5の位置に第1境界線P1,P1を設定し、該第1境界
線P1,P1に挟まれたラケットの中央部4aを長軸方
向第1領域A1とする。また、中心点Oから長軸Y方向
の全長Lの2/5の位置に第2境界線P2,P2を設定
し、第1境界線P1と第2境界線P2に挟まれた領域を
長軸方向第2領域A2とする。そして、長軸方向第1領
域A1における網目Mの長軸Y方向の長さの平均値l1
と、上記長軸方向第2領域A2における網目Mの長軸Y
方向の長さの平均値l2との比(l1/l2)を0.3以上
0.6以下に設定している。すなわち、本発明に係るラ
ケット1では、0.3≦l1/l2≦0.6としている。
【0012】また、図2に示すように、ガット面4の中
心点Oから短軸X方向の両側に、短軸X方向の全長Wの
1/5の位置に第3境界線P3,P3を設定し、該第3
境界線P3,P3に挟まれたラケットの中央部4aを短
軸方向第1領域B1とする。また、中心点Oから短軸X
方向の全長Wの2/5の位置に第4境界線P4,P4を
設定し、第3境界線P3と第4境界線P4に挟まれた領
域を短軸方向第2領域B2とする。そして、短軸方向第
1領域B1における網目Mの短軸X方向の長さの平均値
1と、上記短軸方向第2領域B2における網目Mの短
軸X方向の長さの平均値m2との比(m1/m2)を0.3
以上0.6以下に設定している。すなわち、本発明に係
るラケット1では、0.3≦m1/m2≦0.6としてい
る。
【0013】さらに、このラケット1では、ガット面4
のスイートスポットを含む上記中央部4aからガット面
4のガット張設部2aに近い周辺部4bに近づくにつれ
て網目Mの長軸方向の長さl及び短軸歩行の長さmが段
階的に長くなるように設定ている。
【0014】このようなにガットパターンを有する本発
明のラケット1では、ガット面4の中央部4aに近づく
ほど面圧が高くなり、周辺部4bに近づくと面圧が低く
なる。そのため、このラケット1では、ガット面の中央
部以外の部分で打球した場合、この部分の面圧がガット
面の中央部と比較して低いことからガットJ,Kの変化
量が大きく図14からも明らかなように反発性が良好で
あり、また、不快な衝撃がプレーヤーに伝わりにくく良
好な打球感が得られる。
【0015】また、このラケット1では、スイートスポ
ットで打球した場合、中央部4aの面圧が周辺部と比較
して高く、剛性が十分であるため、良好なコントロール
性が得られる。
【0016】図3及び図4は、本発明の第1実施例を示
している。この第1実施例に係るラケット1Aはテニス
ラケットでありフレーム2のガット張設部2aにガット
を張設して使用するものである。
【0017】第1実施例では、フレーム2のガット張設
部2aに、短軸X方向にガットJ1,J2,…J17,J18
を張設するための横用ガット穴a1,a2…a17,a18
びb1,b2…b17,b18を設けている。ここで横用ガッ
ト穴a1,a2…a17,a18と横用ガット穴b1,b2…b
17,b18のうち同じ添字を付した穴は短軸Xの方向に互
いに対向しガットJ1,J2…J17,J18が挿通される。
【0018】また、フレーム2のガット張設部2aに
は、長軸Y方向のガットK1,K2,…K15,K16を張設
するための縦用ガット穴c1,c2…c15,c16及び
1,d2…d15,d16を設けている。ここで、縦用ガッ
ト穴c1,c2…c15,c16と縦用ガット穴d1,d2…d
15,d16のうち同じ添字を付した穴は長軸方向に互いに
対向して1本のガットK1,K2…K15,K16が挿通され
る。
【0019】張設されたガットJ1,J2…J17,J18
1,K2…K15,K16が形成するガット面4の短軸X方
向の全長Wは240mmで、長軸Y方向の全長Lは32
0mmである。
【0020】このラケット1Aでは、ガット面4のトッ
プ部2b側の先端部4cとガットJ1の間隔、隣接する
短軸方向のガットJ1,J2…J17,J18間の間隔、及び
ガットJ18とガット面4のヨーク部2c側の端部4dと
の間隔がそれぞれ表1に示す距離となるように上記横用
ガット穴a1,a2…a17,a18及びb1,b2…b17,b
18を配置している。
【0021】
【表1】
【0022】また、このラケット1Aでは、ガット面4
の左側端部4fとガットK1間の距離、隣接する長軸方
向のガットK1,K2…K15,K16間の距離、ガットK16
とガット面4の右側端部4e間の距離が下記の表2に示
す距離となるよう上記縦用ガット穴c1,c2…c15,c
16とd1,d2…d15,d16を配置している。
【0023】
【表2】
【0024】そのため第1実施例では、ガット面4の中
心点Oから長軸Y方向の両側に、2/15Lの位置に第
1境界線P1,P1を設定し、第1境界線P1,P1に
挟まれた範囲を長軸方向第1領域A1とし、中心点Oか
ら長軸Y方向の両側に2/5Lの位置に第2境界線P
2,P2を設定して第1境界線P1と第2境界線P2に
挟まれた領域を長軸方向第2領域A2とすると、長軸方
向第1領域A1における網目Mの長軸Y方向の長さの平
均値l1と、上記長軸方向第2領域A2における網目M
の長軸Y方向の長さの平均値l2との比(l1/l2)は
0.512である。
【0025】また、ガット面4の中心点Oから短軸X方
向の両側へ1/5Wの位置に第3境界線P3,P3を設
定し、該第3境界線P3,P3に挟まれた部分を短軸方
向第1領域B1とし、中心点Oから短軸X方向の両側へ
2/5Wの位置に第4境界線P4,P4を設定し、第3
境界線P3と第4境界線P4に挟まれた領域を短軸方向
第2領域B2とすると、短軸方向第1領域B1における
網目Mの短軸X方向の長さの平均値m1と、上記短軸方
向第2領域B2における網目Mの短軸X方向の長さの平
均値m2との比(m1/m2)は0.59である。
【0026】さらに、第1実施例では、中央部4aから
周辺部4bへ向かう程、上記網目Mの長軸方向の長さl
と短軸方向の長さmを段階的に大きく設定している。
【0027】第1実施例のラケット1Aは上記のように
ガットパターンとしているため、ガット面4の中央部4
aの面圧が高く、一方、周辺部4bの面圧が低い。図5
(A)の測定装置で測定した第1実施例のラケット1A
の面圧を図6及び図7に示す。
【0028】図5(A)中、10は万能圧縮・引張試験
機であり、上下方向に移動するロードフレーム11の先
端に直径22mmの円柱状の治具12を取付けている。
ラケット1Aは固定台13上にフレーム2のガット張設
部2aを8カ所固定している。
【0029】ロードフレーム11を図中下方に移動さ
せ、治具12をガット面4に押し付けて、ガット面4の
反力値はロードセル14により検出する。この検出した
反力値及びガット面4に反力0で当接した状態からの治
具12の変位をコントローラ15を介してX−Yプリン
タ16に入力し、図5(B)に示すように、横軸が変
位、縦軸が反力の線図を得る。
【0030】図6は、長軸Y上でトップ部4cからの距
離を異ならせた場合の面圧(ガット面4を5mm変位さ
せた場合の反力)を示している。この時ガットた縦糸5
51b,横糸441bで張り上げた。また、図7は短軸
上でガット面4の右側端部4eからの距離を異ならせた
場合の面圧を示している。
【0031】図6から明らかなように、第1実施例のラ
ケット1Aでは、ガット面4の中央部4aでは、面圧は
約17.8kgであるのに対してトップ部2b側の先端
部4c側及びグリップ部側では、約15.8kg程度で
ある。
【0032】このように、第1実施例のラケット1Aで
はガット面の中央部4aに近づく程面圧が高くなり、周
辺部4bに近づくと面圧が低くなる。そのため、このラ
ケット1Aでは、ガット面の中央部以外で打球した場合
でも、面圧がガット面の中央部と比較して低いことから
ガットJ,Kの変形量が大きいため反発性が良く、不快
な衝撃がプレーヤーに伝わりにくく良好な打球感が得ら
れる。
【0033】図8及び図9は、本発明の第2実施例を示
している。このラケット1Bはガット面4の短軸X方向
の全長Wは240mmで、長軸X方向の全長Lは325
mmである。第2実施例のラケット1Bでは、ガット面
4のトップ部2b側の先端部4cとガットJ1の間隔、
隣接する短軸方向のガットJ1,J2…J15,J16間の間
隔、及びガットJ16とガット面4のヨーク部2c側の端
部4dとの間隔が表3に示す距離となるように上記横用
ガット穴a1,a2…a15,a16及びb1,b2…b15,b
16を配置している。
【0034】
【表3】
【0035】また、このラケット1Bでは、ガット面4
の左側端部4fとガットK1間の距離、隣接する長軸方
向のガットK1,K2…K13,K14間の距離、ガットK14
とガット面4の右側端部4e間の距離が下記の表4に示
す距離となるよう上記縦用ガット穴c1,c2…c15,c
16とd1,d2…d13,d14を配置している。
【0036】
【表4】
【0037】そのため、第2実施例では、上記第1実施
例と同様に、ガット面4の中心点Oから長軸Y方向の両
側に、2/15Lの位置に第1境界線P1,P1、中心
点Oから長軸Y方向の両側に2/5Lの位置に第2境界
線P2,P2を設定し、第1境界線P1,P1に挟まれ
る領域を長軸方向第1領域A1、第1境界線P1と第2
境界線P2に挟まれた領域を長軸方向第2領域A2とす
ると、長軸方向第1領域A1における網目Mの長軸Y方
向の長さの平均値l1と、上記長軸方向第2領域A2に
おける網目Mの長軸Y方向の長さの平均値l2との比
(l1/l2)は0.424である。
【0038】また、第2実施例では、ガット面4の中心
点Oから短軸X方向の両側へ1/5Wの位置に第3境界
線P3,P3、中心点Oから短軸X方向の両側へ2/5
Wの位置に第4境界線P4,P4を設定し、第3境界線
P3,P3では挟まれた領域を短軸方向第1領域、第3
境界線P3と第4境界線P4に挟まれた領域を短軸方向
第2領域B2とすると、短軸方向第1領域B1における
網目Mの短軸X方向の長さの平均値m1と、上記短軸方
向第2領域B2における網目Mの短軸X方向の長さの平
均値m2との比(m1/m2)は0.44である。
【0039】さらに、第1実施例では、中央部4aから
周辺部4bへ向かう程、上記網目Mの長軸方向の長さl
と短軸方向の長さmを段階的に大きく設定している。
【0040】第2実施例のラケット1Aは上記のように
ガットパターンに設定することにより、スイートスポッ
トを含む中央部4aの面圧が高く、一方、周辺部4bの
面圧が低い。
【0041】第2実施例のラケット1Bの面圧を上記図
5(A)に示す装置で測定した結果は、上記図6図7に
示すとおりである。
【0042】上記図6から明らかなように、第2実施例
のラケット1Bでは、ガット面4の中央部4aでは、面
圧が約17.0kgであるのに対して、トップ部2b側
及びグリップ部側の面圧が約14.5kg程度である、
ガット面4の中央部4aに近づく程面圧が大きくなり、
周辺部に近づくほど面圧が小さくなる。そのため、この
ラケット1Bではスイートスポットを外して打球した場
合でも面圧が低くガットJ,Kの変形量が大きいため反
発性が良く、不快な衝撃がプレーヤーに伝わりにくく良
好な打球感が得られる。
【0043】
【実験例】本発明の効果を確認するための実験を行っ
た。比較例として、図10に示す従来のラケット1C
(住友ゴム工業(株)製ダンロップDP−80)を用意
した。
【0044】このラケット1Cは、短軸X方向のガット
1,J2…J18,J19と長軸Y方向のガットK1,K2
15,K16を張設しており、ガット面4の短軸X方向の
全長Wは240mmで、長軸X方向の全長Lは320m
mである。
【0045】このラケット1Cでは、ガット面4のトッ
プ部2b側の先端部4aとガットJ1の間隔、隣接する
短軸方向のガットJ1,J2…J18,J19間の間隔、及び
ガットJ19とガット面4のヨーク部2c側の端部4bと
の間隔を表5に示す距離に設定している。
【0046】
【表5】
【0047】また、このラケット1Cでは、ガット面4
の左側端部4cとガットK1間の距離、隣接する長軸方
向のガットK1,K2…K15,K16間の距離、ガットK16
とガット面4の右側端部4d間の距離を下記の表6に示
す距離に設定している。
【0048】
【表6】
【0049】この比較例において、ガット面4の中心点
Oから長軸Y方向の両側に、2/15Lの位置に第1境
界線P1,P1、中心点Oから長軸Y方向の両側に2/
15Lの位置に第2境界線P2,P2を設定し、第1境
界線P1,P1に挟まれる領域を長軸方向第1領域A
1、第1境界線P1と第2境界線P2に挟まれた領域を
長軸方向第2領域A2とすると、長軸方向第1領域A1
における網目Mの長軸Y方向の長さの平均値l1と、上
記長軸方向第2領域A2における網目Mの長軸Y方向の
長さの平均値l2との比(l1/l2)は0.63である。
【0050】また、ガット面4の中心点Oから短軸X方
向の両側へ1/5Wの位置に第3境界線P3,P3、中
心点Oから短軸X方向の両側へ2/5Wの位置に第4境
界線P4,P4を設定し、第3境界線P3,P3では挟
まれた領域を短軸方向第1領域、第3境界線P3と第4
境界線P4に挟まれた領域を短軸方向第2領域B2とす
ると、短軸方向第1領域B1における網目Mの短軸X方
向の長さの平均値m1と、上記短軸方向第2領域B2に
おける網目Mの短軸X方向の長さの平均値mとの比
(m/m2)は0.74である。
【0051】比較例のラケット1Cの面圧を上記図5
(A)に示す装置で測定した結果は、図11及び図12
に示す通りである。この図11及び図12に示すよう
に、比較例のラケット1Cでは、ガット面4の中央部4
aと周辺部4bとの面圧がほぼ同じであり、均一な面圧
分布を有する。
【0052】本実験では、17人のトップレベルのアマ
チュアプレーヤーが実施例(第1実施例及び第2実施
例)のラケット1A,1Bと比較例のラケット1Cを用
いて、ガット面の中央部とガット面の周辺部のそれぞれ
について20球〜30球のボールを打球し、反発性、コ
ントロール性、打球時の衝撃、打球感並びにスピン性能
について「普通」、「良い」、「悪い」の3段階の評価
を行った。
【0053】なお、第1及び第2実施例のラケット1
A,1B並びに比較例のラケット1Cの重量、重心位置
のグリップエンドからの距離(バランス)及びスイング
方向のグリップ端周りの慣性モーメントは表7に示すと
おりである。また、ガットはナイロンガットを使用し、
縦糸を551b、横糸を441bで張設した。
【0054】
【表7】
【0055】下記の表8及び表9に各項目についてそれ
ぞれの評価を行った人数を示す。まず、表8より、実施
例のラケットでは、比較例のラケットと比べて、ガット
面の中央部で打球した場合には、コントロール性、打球
感が良好であることが確認できる。また、表9より実施
例のラケットでは、ガット面の周辺部で打球した場合に
は、比較例のラケットと比較して反発性が良好で打球時
の衝撃が少なく、かつ、打球感も良好であることが確認
できる。
【0056】
【表8】
【0057】
【表9】
【0058】また、第1実施例のラケット1A、第2実
施例のラケット1B及び比較例のラケット1Cについて
反発試験を行った。この反発試験では、図13に示すよ
うに第1及び第2実施例のラケット1A,1B及び比較
例のラケット1Cのガット面4に対して初速度V0の硬
式用テニスボール20を衝突させ、跳ね返ったテニスボ
ール20の速度Vrを測定した。この場合、反発係数は
下記の式(1)で表される。
【0059】(反発係数)=Vr/V0 …(1)
【0060】反発試験の結果は図14に示すとおりであ
る。この図14から明らかなように、本発明の第1及び
第2実施例のラケット1A,1Bでは、ガット面の中央
部付近で打撃した時には、比較例のラケット1Cと反発
性能はほぼ同様であるが、ガット面の周辺部で打撃した
場合の反発性能は第1及び第2実施例のラケット1A,
1Bでは反発性が向上していることが確認できる。
【0061】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係るラケットでは、ガット面の中心点から長軸方向の
両側に、長軸方向の全長の2/15の位置に第1境界線
を設定し、該第1境界線に挟まれたラケットの中央部を
長軸方向第1領域とすると共に、中心点から長軸方向の
全長の2/5の位置に第2境界線を設定し、第1境界線
と第2境界線に挟まれた領域を長軸方向第2領域した場
合、長軸方向第1領域における長軸方向のガットと短軸
方向のガットの交点により形成される網目の長軸方向の
長さの平均値と、長軸方向第2領域における網目の長軸
方向の長さの平均値との比を0.3〜0.6としている。
また、本発明のラケットでは、ガット面の中心点から短
軸方向の両側に、短軸方向の全長の1/5の位置に第3
境界線を設定し、該第3境界線に挟まれたラケットの中
央部を短軸方向第1領域とすると共に、中心点から短軸
方向の全長の2/5の位置に第4境界線を設定し、第3
境界線と第4境界線に挟まれた領域を短軸方向第2領域
とした場合に、短軸方向第1領域における網目の短軸方
向の長さの平均値と、短軸方向第2領域における網目の
短軸方向の長さの平均値との比を0.3〜0.6としてい
る。そのため、本発明のラケットでは、ガット面の中央
部に近づくほど面圧が高くなり、一方、周辺部に近づく
ほど面圧が小さく、ガット面の中央部以外の部分で打球
した場合に、この部分の面圧が低いことからガットの変
形量が大きく反発性が良好であるため、不快な衝撃がプ
レーヤーに伝わりにくく良好な打球感が得られる。ま
た、本発明のラケットでは、上記のように面圧分布を有
するため、スイートスポットの部分の剛性が十分であ
り、ガット面の中央部で打球した際に良好なコントロー
ル性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のラケットを示す部分正面図である。
【図2】 本発明のラケットを示す部分正面図である。
【図3】 第1実施例のラケットを示す部分正面図であ
る。
【図4】 第1実施例のラケットを示す部分正面図であ
る。
【図5】 (A)は面圧の測定装置を示す概略図、
(B)はX−Yレコーダの出力を示す概略図である。
【図6】 第1実施例及び第2実施例におけるトップ部
からの距離と面圧の関係を示すグラフである。
【図7】 第1実施例及び第2実施例における右側端部
からの距離と面圧の関係を示すグラフである。
【図8】 第2実施例のラケットを示す部分正面図であ
る。
【図9】 第2実施例のラケットを示す部分正面図であ
る。
【図10】 比較例のラケットを示す部分正面図であ
る。
【図11】 比較例におけるトップ部からの距離と面圧
の関係を示すグラフである。
【図12】 比較例における右側端部からの距離と面圧
の関係を示すグラフである。
【図13】 反発試験の方法を示す概略図である。
【図14】 反発試験の結果を示す線図である。
【符号の説明】
1,1A,1B,1C ラケット 2 フレーム 2a ガット張設部 A1 長軸方向第1領域 A2 長軸方向第2領域 B1 短軸方向第1領域 B2 短軸方向第2領域 J,K ガット M 網目 P 境界線 X 短軸 Y 長軸

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガット面(4)の中心点(O)から長軸
    (Y)方向の両側に、長軸(Y)方向の全長(L)の2
    /15の位置に第1境界線(P1)を設定し、該第1境
    界線(P1)に挟まれたガット面(4)の中央部(4
    a)を長軸方向第1領域(A1)とすると共に、中心点
    (O)から長軸(X)方向の全長(W)の2/5の位置に
    第2境界線(P2)を設定し、第1境界線(P1)と第
    2境界線(P2)に挟まれた領域を長軸方向第2領域
    (A2)とし、 上記長軸方向第1領域(A1)における長軸方向のガッ
    ト(K)と短軸方向のガット(J)の交点により形成さ
    れる網目(M)の長軸方向の長さの平均値(l1)と、
    上記長軸方向第2領域(A2)における網目(M)の長
    軸方向の長さの平均値(l2)との比(l1/l2)を0.
    3〜0.6に設定し、かつ、 ガット面(4)の中心点(O)から短軸(X)方向の両
    側に、短軸(X)方向の全長(W)の1/5の位置に第
    3境界線(P3)を設定し、該第3境界線(P3)に挟
    まれたガット面(4)の中央部(4a)を短軸方向第1
    領域(B1)とすると共に、中心点(O)から短軸
    (X)方向の全長(W)の2/5の位置に第4境界線
    (P4)を設定し、第3境界線(P3)と第4境界線
    (P4)に挟まれた領域を短軸方向第2領域(B2)と
    し、 上記短軸方向第1領域(B1)における網目(M)の短
    軸(X)方向の長さの平均値(m1)と、上記短軸方向
    第2領域(B2)における網目(M)の短軸(X)方向
    の長さの平均値(m2)との比(m1/m2)を0.3〜
    0.6に設定していることを特徴とするラケット。
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