JPH07154995A - ステップモータ位置決め装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ステップモータの高精度な位置決め装置を実
現する。 【構成】 駆動源となるステップモータ１と、ステップ
モータ１の駆動出力部に接続され、その動作位置に対応
する信号を出力するインクリメンタリ型のエンコーダ２
と、ステップモータ１の動作位置を検出する位置検出回
路３と、目標位置データを発生する目標発生回路４と、
目標位置データとステップモータ１の動作位置データと
を比較する比較器５と、比較器５の出力から操作量を演
算するコントローラ６と、操作量を基に出力比率を時間
的に補正する電流指令値調整手段を有する電流指令値発
生回路７と、予めステップモータ１の各相電流を制御す
る制御情報を記憶する電流テーブルＲＯＭ８と、電流指
令値により電流テーブルＲＯＭ８に記憶する制御情報か
らステップモータ１に駆動電流を供給するモータ駆動回
路９とを備えることにより、マイクロステップ分解能を
向上させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はステップモータ位置決め
装置に関し、特に高速かつ高精度に位置決め可能なステ
ップモータの位置制御装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】磁気ディスク装置やプリンタ等の駆動源
として、ステップモータが広く採用されているが、近
年、これら情報機器の性能向上はめざましく、それに伴
って高速かつ高精度なステップモータの位置決め装置が
求められている。

【０００３】従来のステップモータは、これを開ループ
制御により利用する方式が一般的であるが、この開ルー
プ制御方式は、制御回路が簡単であること、位置誤差が
ステップごとに累積されないこと等の利点があるが、反
面、常にステップモータが脱調の危険性があり高速化が
困難である。また、位置決め精度がモータの機械的精度
によって決まるため高精度が困難である等の問題点があ
り、このような問題点を解決する方法として、特願平１
−１４８１００号公報に開示された制御装置がある。

【０００４】この制御装置は、ステップモータのモータ
位置をエンコーダ等の位置検出器で検出し、検出したモ
ータ位置と目標位置とから目標位置に対する偏差量を求
め、その偏差量をゼロにするような操作量を出力するコ
ントローラと、この操作量をステップモータの各相電流
値に変換するテーブルとを有し、変換された電流値をス
テップモータに加えて駆動することにより、ステップモ
ータの機械的精度以下の精度で駆動するマイクロステッ
プ駆動方式と組み合わせて閉ループ制御を行う制御装置
である。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上述した従来のステッ
プモータのマイクロステップ駆動方式は、モータ位置に
対してステップモータ各相に与える電流値を細かく与え
ることにより、ステップモータの機械精度以下の位置決
めを可能とする方式であるため、位置決め分解能は、ス
テップモータ各相に与える電流値の分解能により決定さ
れる。

【０００６】一般にマイクロステップ駆動を行う場合
は、操作角指令値をアドレスの形で与え、ＲＯＭ内にテ
ーブルの形で記憶された電流値情報をＤ−Ａ変換器によ
りアナログ信号に変換し、電流増幅してステップモータ
各相に加えて動作させる。このため、高精度な位置決め
を実現するには、電流値情報（電流テーブル）を記憶す
るためのＲＯＭの記憶容量、および電流指令値を与える
アドレス生成回路のビット数を増やして対応するため、
回路量が増加すとともに複雑化するという欠点があっ
た。

【０００７】本発明の目的は、このような課題に鑑みて
創案されたものであり、例えば、マイクロステップ電流
指令値が、電流テーブルのある値ａを与えたときに制御
される位置Ａと、この１つ隣の値ｂを与えたときに制御
される位置Ｂとの間にある場合、ある一定時間内のテー
ブル値ａ，ｂの出力比率を指示する電流指令値調整器を
備えることにより、電流テーブルの分解能以下の細かい
位置決めを可能とする高精度なステップモータ位置決め
装置を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、ステップモー
タの動作した位置を検出する位置検出器と、前記位置検
出器から出力する位置データと目標位置指令値とを比較
し偏差データを出力する比較手段と、前記偏差データを
基に前記ステップモータに対する操作量を演算する演算
手段と、各操作量に対応する前記ステップモータへの電
流指令値を格納する変換テーブルを有し前記操作量に対
応した前記電流指令値を発生する電流指令値発生器と、
前記電流指令値を入力し前記ステップモータに駆動電流
を供給する駆動手段とを備えるステップモータ位置決め
制御装置において、前記電流指令値発生器が、前記操作
量を前記変換テーブルに対する操作量と前記変換テーブ
ルの内容を補正するための補正量とに分離する操作量分
離手段と、前記変換テーブルで操作可能な最小操作量に
対する補正量の比率を演算する比率検出手段と、前記補
正量の比率に応じて前記電流指令値を増減する電流指令
値調整手段とよりなっている。また、前記比率検出手段
がパルス幅変調回路を用いてもよい。

【０００９】

【作用】本発明のステップモータ位置決め制御装置は、
ステップモータ各相に細かい電流指令与えるマイクロス
テップ駆動方式とステップモータ位置を検出する外部位
置センサに利用したフィードバック制御系において、マ
イクロステップ電流テーブル値の出力比率を時間的に補
正する電流指令値調整器を備えることにより、マイクロ
ステップ分解能を向上させ高精度な位置決め装置を実現
する。

【００１０】

【実施例】次に、本発明について図面を参照して説明す
る。図１は、本発明の一実施例の構成を示すブロック図
である。本発明のステップモータ位置決め制御装置は、
図１に示すように、駆動源となる２相のステップモータ
１と、ステップモータ１の駆動出力部に接続され、その
動作位置に対応する信号を出力するインクリメンタリ型
のエンコーダ２と、ステップモータ１の動作位置を検出
する位置検出回路３と、目標位置データを発生する目標
発生回路４と、目標位置データとステップモータ１の動
作位置データとを比較する比較器５と、比較器５の出力
から操作量を演算するコントローラ６と、操作量を基に
電流指令値を発生する電流指令値発生回路７と、予め各
操作量に対応するステップモータ１の各相電流を制御す
るための制御電流情報を格納するテーブルであるＲＯＭ
（以下、電流テーブルＲＯＭという）８と、電流指令値
により電流テーブルＲＯＭ８に格納する制御情報からス
テップモータ１に駆動電流を供給するモータ駆動回路９
とからなるマイクロステップ位置制御系を構成してい
る。

【００１１】続いて、このように構成された本実施例の
動作について説明する。エンコーダ２は、ステップモー
タ１の動作位置に対応して互いに９０度位相の異なる２
相の正弦波状のモータ位置信号２０１，モータ位置信号
２０２を出力する。位置検出回路３は、モータ位置信号
２０１，２０２を基に現在位置データ３０１を出力す
る。目標発生回路４は、基準となる目標位置データ４０
１を発生する。比較器５は、サンプリング時間ごとに目
標位置データ４０１と現在位置データ３０１とからその
差分を求めエラー値５０１として出力する。コントロー
ラ６は、比較器５から入力したエラー値５０１に対し積
分，微分補償演算を行い、エラー値５０１がゼロとなる
ような操作量６０１を出力する。

【００１２】図２は、図１の電流指令値発生回路７の詳
細を示すブロック図である。電流指令値発生回路７は、
図２に示すように、操作量分離回路７１と電流指令値発
生用アップダウン・カウンタ７２と補正比率検出回路７
３とから構成され、コントローラ６から操作量６０１を
入力し電流指令値７０１を発生させる。

【００１３】図３は、図２の指令値発生回路７の主なデ
ータ，信号を示すタイムチャートである。なお、図中の
数字に付した添字“ｈ”は、１６進表示による数字であ
ることを示している。また、図３は、コントローラ６か
ら出力する操作量６０１が８ビット、電流テーブルＲＯ
Ｍ８の分解能が６ビット、操作量６０１のデータが８３
ｈ，８２ｈの場合を例に挙げたものである。

【００１４】次に、図２および図３を参照して、まず、
コントローラ６から出力される操作量６０１は、操作量
分離回路７１により電流テーブルＲＯＭ８用のデータ上
位６ビットと、補正比率検出用回路７３用のデータであ
って、ステップモータ１の動作を細かく位置決めするた
めのデータ下位２ビットとに分解される。分離されたデ
ータ上位６ビットの電流テーブル用データ７０２（３０
ｈ）は、電流指令値発生のためのアップダウン・カウン
タ７２に入力され、また、データ下位２ビットの補正比
率検出用データ７０３（３ｈ，２ｈ）は、補正比率検出
回路７３に入力される。

【００１５】この補正比率検出回路７３は、パルス幅変
調回路（ＰＷＭ回路）により実現され、このときのパル
ス幅変調（ＰＷＭ）のキャリア周波数は、サンプリング
周波数に対して十分に高い周波数であるものとする。そ
して、補正比率検出回路７３でパルス幅変調された信号
（正論理）７３１，信号（負論理）７３２の立ち上がり
時のタイミングを利用してアップダウン・カウンタ７２
を動作させる。

【００１６】アップダウン・カウンタ７２は、信号（正
論理）７３１が立ち上がると、操作量分離回路７１から
入力された電流テーブル用データ７０２の値が“１”増
加する。一方、信号（負論理）７３２が立ち上がると、
電流テーブル用データ７０２が“１”減少するように動
作する。そして、これをパルス幅変調のキャリア周波数
ごとに繰り返すことにより、入力した６ビットデータを
補正比率で変調し、電流テーブルＲＯＭ８の分解能を補
間するような電流指令値７０１を発生させる。電流指令
値７０１は、電流テーブルＲＯＭ８において変換され２
相の駆動電流ディジタル値８０１，駆動電流ディジタル
値８０２に変換する。

【００１７】図４は、図１のモータ駆動回路９の詳細を
示すブロック図である。駆動回路９は、図４に示すよう
に、２つのＤ−Ａ変換器９１，Ｄ−Ａ変換器９２と、そ
れぞれに接続する電流増幅器９３，電流増幅器９４とか
ら構成され、電流テーブルＲＯＭ８から入力した駆動電
流ディジタル値８０１，駆動電流ディジタル値８０２を
それぞれアナログ電流値９０１，アナログ電流値９０２
に変換かつ増幅しステップモータ１に供給する。

【００１８】以上の動作により、本発明のステップモー
タ位置決め制御装置は、例えば、図５に示すように、ス
テップモータの可動部位置１０を電流テーブルＲＯＭ８
による制御位置１０１，制御位置１０２よりもさらに高
精度な制御位置１０３，制御位置１０４および制御位置
１０５にきめ細く位置決め制御することができる。

【００１９】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の位置決め
制御装置は、ステップモータ各相に細かい電流指令与え
るマイクロステップ駆動方式とステップモータ位置を検
出する位置検出手段を用いるフィードバック制御系に、
電流テーブル値の出力比率を時間的に補正する電流指令
値調整手段を備えることにより、マイクロステップ分解
能を向上させ、高精度な位置決め装置を実現できるとい
う効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の構成を示すブロック図であ
る。

【図２】図１の電流指令値発生回路７の詳細を示すブロ
ック図である。

【図３】図２の指令値発生回路７の主なデータ，信号を
示すタイムチャートである。

【図４】図１のモータ駆動回路９の詳細を示すブロック
図である。

【図５】本実施例における位置決め制御の一例を示す図
である。

【符号の説明】

１ ステップモータ ２ エンコーダ ３ 位置検出回路 ４ 目標発生回路 ５ 比較器 ６ コントローラ ７ 電流指令値発生回路 ８ 電流テーブルＲＯＭ ９ モータ駆動回路 １０ ステップモータの可動部位置 ７１ 操作量分離回路 ７２ アップダウン・カウンタ ７３ 補正比率検出回路 ９１，９２ Ｄ−Ａ変換器 ９３，９４ 電流増幅器 １０１〜１０５ 制御位置 ２０１，２０２ モータ位置信号 ３０１ 現在位置データ ４０１ 目標位置データ ５０１ エラー値 ６０１ 操作量 ７０１ 電流指令値 ７０２ 電流テーブル用データ ７０３ 補正比率検出用データ ７３１ 信号（正論理） ７３２ 信号（負論理） ８０１，８０２ 駆動電流ディジタル値 ９０１，９０２ モータ駆動電流

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ステップモータの動作した位置を検出す
   る位置検出器と、前記位置検出器から出力する位置デー
   タと目標位置指令値とを比較し偏差データを出力する比
   較手段と、前記偏差データを基に前記ステップモータに
   対する操作量を演算する演算手段と、各操作量に対応す
   る前記ステップモータへの電流指令値を格納する変換テ
   ーブルを有し前記操作量に対応した前記電流指令値を発
   生する電流指令値発生器と、前記電流指令値を入力し前
   記ステップモータに駆動電流を供給する駆動手段とを備
   えるステップモータ位置決め制御装置において、前記電
   流指令値発生器が、前記操作量を前記変換テーブルに対
   する操作量と前記変換テーブルの内容を補正するための
   補正量とに分離する操作量分離手段と、前記変換テーブ
   ルで操作可能な最小操作量に対する補正量の比率を演算
   する比率検出手段と、前記補正量の比率に応じて前記電
   流指令値を増減する電流指令値調整手段とよりなること
   を特徴とするステップモータ位置決め制御装置。
2. 【請求項２】 前記比率検出手段がパルス幅変調回路よ
   り構成されることを特徴とする請求項１記載のステップ
   モータ位置決め制御装置。