JPH07153737A - シリコン自然酸化膜の選択的除去方法 - Google Patents
シリコン自然酸化膜の選択的除去方法Info
- Publication number
- JPH07153737A JPH07153737A JP22094294A JP22094294A JPH07153737A JP H07153737 A JPH07153737 A JP H07153737A JP 22094294 A JP22094294 A JP 22094294A JP 22094294 A JP22094294 A JP 22094294A JP H07153737 A JPH07153737 A JP H07153737A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- oxide film
- silicon
- hydrogen fluoride
- anhydrous hydrogen
- gas
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Weting (AREA)
- Cleaning Or Drying Semiconductors (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 シリコン層表面からシリコン自然酸化膜を速
やかにかつ完全に除去でき、好ましくない副反応やエッ
チングの逆反応が起こって汚染の原因をつくることがな
く、反応の制御性、プロセスにおける再現性が極めて良
好であり、シリコン層表面に形成されたシリコン自然酸
化膜だけを選択的に除去することができる方法を提供す
る。 【構成】 外気から気密に隔離された容器12内にシリコ
ンウエハ10を収容し、その容器内へ無水フッ化水素とア
ルコールとを、無水フッ化水素の濃度を4%以下で供給
し、それらに基板のシリコン層表面をさらす。
やかにかつ完全に除去でき、好ましくない副反応やエッ
チングの逆反応が起こって汚染の原因をつくることがな
く、反応の制御性、プロセスにおける再現性が極めて良
好であり、シリコン層表面に形成されたシリコン自然酸
化膜だけを選択的に除去することができる方法を提供す
る。 【構成】 外気から気密に隔離された容器12内にシリコ
ンウエハ10を収容し、その容器内へ無水フッ化水素とア
ルコールとを、無水フッ化水素の濃度を4%以下で供給
し、それらに基板のシリコン層表面をさらす。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、シリコンウエハの表
面やポリシリコン膜の表面、アモルファスシリコン膜の
表面(これらの表面を総称して以下、「シリコン層表
面」という)に形成されたシリコン自然酸化膜を選択的
に除去するための方法に関する。
面やポリシリコン膜の表面、アモルファスシリコン膜の
表面(これらの表面を総称して以下、「シリコン層表
面」という)に形成されたシリコン自然酸化膜を選択的
に除去するための方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体デバイスの製造工程においては、
デバイスの動作特性に対し悪影響を与えるような各種の
汚染が起こることが考えられるため、製造工程の各段階
においてウエハの清浄化のための様々な努力がなされて
いる。
デバイスの動作特性に対し悪影響を与えるような各種の
汚染が起こることが考えられるため、製造工程の各段階
においてウエハの清浄化のための様々な努力がなされて
いる。
【0003】シリコンウエハの表面に形成される自然酸
化膜(SiO2)も、ウエハに対する汚染の1つである
と考えられるが、この自然酸化膜は、シリコンウエハを
大気中に放置しておくだけでも、ウエハの表面に10〜
20Åの厚みに容易に形成されてしまい、また、半導体
デバイスの製造プロセスにおける各種の洗浄・エッチン
グ工程においても二次的に形成される。
化膜(SiO2)も、ウエハに対する汚染の1つである
と考えられるが、この自然酸化膜は、シリコンウエハを
大気中に放置しておくだけでも、ウエハの表面に10〜
20Åの厚みに容易に形成されてしまい、また、半導体
デバイスの製造プロセスにおける各種の洗浄・エッチン
グ工程においても二次的に形成される。
【0004】ここで、例えば、薄いゲート酸化膜の電気
特性は、シリコンウエハの前処理の如何によって非常に
影響を受けることが知られている。従って、半導体デバ
イスの製造プロセスにおいてゲート酸化膜等の薄い酸化
膜をシリコンウエハ上に形成する場合、予め自然酸化膜
を除去しておく必要がある。また、ソース、ドレーン等
の電極が形成されるべき下地に自然酸化膜が残存してい
たりすると、正常な電極の機能が得られなくなり、ま
た、金属電極を形成する場合にコンタクト抵抗を低く抑
えるためにも、シリコンウエハ表面から自然酸化膜を完
全に除去しておかなければならない。さらにまた、シリ
コンのエピタキシャル成長を行なう場合にも、予め基板
表面の自然酸化膜を除去しておく必要がある。
特性は、シリコンウエハの前処理の如何によって非常に
影響を受けることが知られている。従って、半導体デバ
イスの製造プロセスにおいてゲート酸化膜等の薄い酸化
膜をシリコンウエハ上に形成する場合、予め自然酸化膜
を除去しておく必要がある。また、ソース、ドレーン等
の電極が形成されるべき下地に自然酸化膜が残存してい
たりすると、正常な電極の機能が得られなくなり、ま
た、金属電極を形成する場合にコンタクト抵抗を低く抑
えるためにも、シリコンウエハ表面から自然酸化膜を完
全に除去しておかなければならない。さらにまた、シリ
コンのエピタキシャル成長を行なう場合にも、予め基板
表面の自然酸化膜を除去しておく必要がある。
【0005】このように、シリコンウエハ表面に形成さ
れた自然酸化膜は、半導体デバイス製造工程において、
特にCVD法、スパッタリング等による成膜を行なう前
には、必ずそれをウエハ表面から除去しておかなければ
ならない。
れた自然酸化膜は、半導体デバイス製造工程において、
特にCVD法、スパッタリング等による成膜を行なう前
には、必ずそれをウエハ表面から除去しておかなければ
ならない。
【0006】シリコンウエハの表面からシリコン酸化膜
を除去する方法としては、従来から種々の方法が提案さ
れ、また実施されているが、近年では、フッ化水素(H
F)ガスを用いて気相法によりシリコンウエハ表面を清
浄化する方法が検討されている。例えば「第7回超LS
Iウルトラクリーンテクノロジーシンポジウム予稿集
『サブミクロンULSIプロセス技術』、(株)リアラ
イズ社、1988−7、P173〜194」に開示され
ているように、水分量が極めて少ない無水フッ化水素ガ
スを、窒素或いはアルゴンガスをキャリアガスとして反
応室内へ送り込み、反応室内でシリコンウエハ上のSi
O2とフッ化水素とを反応させることにより、シリコン
酸化膜を除去する方法や、例えば公表特許公報昭62−
502930号に開示されているように、無水フッ化水
素ガスを水蒸気と共に供給し、シリコンウエハ表面をそ
れらにさらすことによりシリコン酸化膜を除去する方法
が提案されている。
を除去する方法としては、従来から種々の方法が提案さ
れ、また実施されているが、近年では、フッ化水素(H
F)ガスを用いて気相法によりシリコンウエハ表面を清
浄化する方法が検討されている。例えば「第7回超LS
Iウルトラクリーンテクノロジーシンポジウム予稿集
『サブミクロンULSIプロセス技術』、(株)リアラ
イズ社、1988−7、P173〜194」に開示され
ているように、水分量が極めて少ない無水フッ化水素ガ
スを、窒素或いはアルゴンガスをキャリアガスとして反
応室内へ送り込み、反応室内でシリコンウエハ上のSi
O2とフッ化水素とを反応させることにより、シリコン
酸化膜を除去する方法や、例えば公表特許公報昭62−
502930号に開示されているように、無水フッ化水
素ガスを水蒸気と共に供給し、シリコンウエハ表面をそ
れらにさらすことによりシリコン酸化膜を除去する方法
が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、気体状態の
無水フッ化水素は、特に80℃以下の温度においては、
2〜6量体を形成しており、SiO2との反応性は極め
て低いが、水分が共存すると、フッ化水素はイオン解離
してフッ素イオンF-を生成し、このF-イオンがシリコ
ン酸化膜に作用してSiO2のエッチング反応が進行す
ることになる。このように、水分はフッ化水素によるS
iO2のエッチング反応において重要な役割を果たすの
であるが、上記したように水分量が極めて少ない雰囲気
下で行なわれる無水フッ化水素によるシリコン酸化膜の
エッチングは、反応の制御等において技術的に難しい面
がある。しかも、フッ化水素と二酸化ケイ素との反応に
より、化1に示すように、副成分物として大量の水分が
生成される。
無水フッ化水素は、特に80℃以下の温度においては、
2〜6量体を形成しており、SiO2との反応性は極め
て低いが、水分が共存すると、フッ化水素はイオン解離
してフッ素イオンF-を生成し、このF-イオンがシリコ
ン酸化膜に作用してSiO2のエッチング反応が進行す
ることになる。このように、水分はフッ化水素によるS
iO2のエッチング反応において重要な役割を果たすの
であるが、上記したように水分量が極めて少ない雰囲気
下で行なわれる無水フッ化水素によるシリコン酸化膜の
エッチングは、反応の制御等において技術的に難しい面
がある。しかも、フッ化水素と二酸化ケイ素との反応に
より、化1に示すように、副成分物として大量の水分が
生成される。
【0008】
【化1】
【0009】このため、極低水分量の雰囲気下で無水フ
ッ化水素ガスを用いて行なうシリコン酸化膜の除去方法
は、反応の制御が非常に難しく、プロセスにおける再現
性を得ることが困難である、といった問題点がある。さ
らにまた、上記予稿集『サブミクロンULSIプロセス
技術』に記載されている方法においては、例えば含有水
分量が0.01ppm程度の無水フッ化水素希釈ガスを
得る必要があり、そのようにガス中の水分量を極めて少
なくするためには、大変な手間をかけて水分を除去しな
ければならない、といった問題点がある。
ッ化水素ガスを用いて行なうシリコン酸化膜の除去方法
は、反応の制御が非常に難しく、プロセスにおける再現
性を得ることが困難である、といった問題点がある。さ
らにまた、上記予稿集『サブミクロンULSIプロセス
技術』に記載されている方法においては、例えば含有水
分量が0.01ppm程度の無水フッ化水素希釈ガスを
得る必要があり、そのようにガス中の水分量を極めて少
なくするためには、大変な手間をかけて水分を除去しな
ければならない、といった問題点がある。
【0010】一方、無水フッ化水素ガスに水蒸気を添加
して行なうシリコン酸化膜の除去方法においては、化2
に示すような好ましくない副反応が進行する。
して行なうシリコン酸化膜の除去方法においては、化2
に示すような好ましくない副反応が進行する。
【0011】
【化2】
【0012】或いは、化3に示すように、エッチングと
は逆の反応が起こって、ウエハ表面にコロイド状のメタ
ケイ酸H2SiO3や二酸化ケイ素SiO2が付着残存
し、新たな汚染の原因になったりする、といった問題点
がある。
は逆の反応が起こって、ウエハ表面にコロイド状のメタ
ケイ酸H2SiO3や二酸化ケイ素SiO2が付着残存
し、新たな汚染の原因になったりする、といった問題点
がある。
【0013】
【化3】
【0014】また、半導体製造プロセスでは、シリコン
ウエハ表面に対して各種の膜形成処理が行なわれ、シリ
コンウエハ上には、前記したシリコン自然酸化膜だけで
なく、例えばシリコン熱酸化膜やシリコン窒化膜等の絶
縁膜なども形成されているため、シリコン自然酸化膜だ
けを除去したいような場合にも、ウエハ上に折角形成し
た絶縁膜等までもその際に一緒に除去してしまう、とい
った問題がある。
ウエハ表面に対して各種の膜形成処理が行なわれ、シリ
コンウエハ上には、前記したシリコン自然酸化膜だけで
なく、例えばシリコン熱酸化膜やシリコン窒化膜等の絶
縁膜なども形成されているため、シリコン自然酸化膜だ
けを除去したいような場合にも、ウエハ上に折角形成し
た絶縁膜等までもその際に一緒に除去してしまう、とい
った問題がある。
【0015】この発明は、無水フッ化水素ガスを用いて
シリコン自然酸化膜を除去するようにした従来の上記2
つの方法におけるそれぞれの問題点を共に解決すること
ができ、かつ、シリコン層表面に形成されたシリコン自
然酸化膜だけを選択的に除去することができる方法を提
供することを目的とするものである。
シリコン自然酸化膜を除去するようにした従来の上記2
つの方法におけるそれぞれの問題点を共に解決すること
ができ、かつ、シリコン層表面に形成されたシリコン自
然酸化膜だけを選択的に除去することができる方法を提
供することを目的とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】この発明に係るシリコン
自然酸化膜の選択的除去方法は、外気から気密に隔離さ
れた容器内に基板を収容し、その容器内へ無水フッ化水
素とメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール
等のアルコールとを、無水フッ化水素の濃度を4%以下
で供給し、それらに基板のシリコン層表面をさらすこと
により、自然酸化膜を選択的に除去するようにしたもの
である。
自然酸化膜の選択的除去方法は、外気から気密に隔離さ
れた容器内に基板を収容し、その容器内へ無水フッ化水
素とメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール
等のアルコールとを、無水フッ化水素の濃度を4%以下
で供給し、それらに基板のシリコン層表面をさらすこと
により、自然酸化膜を選択的に除去するようにしたもの
である。
【0017】
【作用】外気から気密に隔離された容器内で、無水フッ
化水素とアルコールとをシリコン層表面に供給すると、
化4に示す反応により、シリコン層表面から二酸化ケイ
素(SiO2)が除去される。
化水素とアルコールとをシリコン層表面に供給すると、
化4に示す反応により、シリコン層表面から二酸化ケイ
素(SiO2)が除去される。
【0018】
【化4】
【0019】この場合において、この発明に係る方法で
は、フッ化水素と共にメタノール、エタノール、イソプ
ロピルアルコール等のアルコールが供給され、フッ化水
素がイオン解離してF-となり、そのF-イオンがSiO
2に有効に作用して、上記反応が速やかに進行すること
になり、SiO2除去能力が高められる。
は、フッ化水素と共にメタノール、エタノール、イソプ
ロピルアルコール等のアルコールが供給され、フッ化水
素がイオン解離してF-となり、そのF-イオンがSiO
2に有効に作用して、上記反応が速やかに進行すること
になり、SiO2除去能力が高められる。
【0020】また、特に分子量が小さいメタノール、エ
タノール等のアルコールと水とは無限大に溶解し合うた
め、上記反応により副生成物として生成されたH2Oは
アルコール中に溶解して、水分は反応の系外へ効率良く
持ち出されて除去される。また、上記予稿集『サブミク
ロンULSIプロセス技術』に記載された方法における
場合とは異なり、雰囲気中の水分を除去するので、水に
基因する前記した化2、化3に示したような好ましくな
い副反応やエッチングの逆反応が起こって汚染の原因に
なったりする、といったようなことははない。勿論、水
分を除去した雰囲気下においても、上記反応は支障なく
進行する。
タノール等のアルコールと水とは無限大に溶解し合うた
め、上記反応により副生成物として生成されたH2Oは
アルコール中に溶解して、水分は反応の系外へ効率良く
持ち出されて除去される。また、上記予稿集『サブミク
ロンULSIプロセス技術』に記載された方法における
場合とは異なり、雰囲気中の水分を除去するので、水に
基因する前記した化2、化3に示したような好ましくな
い副反応やエッチングの逆反応が起こって汚染の原因に
なったりする、といったようなことははない。勿論、水
分を除去した雰囲気下においても、上記反応は支障なく
進行する。
【0021】一方、自然酸化膜が成長するためには、酸
素と水分との両方の存在が必要であることが知られてい
る(例えば、「信学技報 Vol.89 No.11
1;電子情報通信学会技術報告 P11〜12『Si自
然酸化膜形成の制御』,(社)電子情報通信学会198
9.6.26発行」参照)が、この発明に係る方法で
は、容器内へ供給されるフッ化水素及びアルコール中に
含有される水分量が低く抑えられていることにより、シ
リコンウエハの洗浄に無水フッ化水素と共にアルコール
を用いるようにしても、無水フッ化水素ガスに水蒸気を
添加してシリコン酸化膜の除去を行なった場合のよう
に、SiO2をエッチング除去した後のシリコンウエハ
の表面が、吸着した水分と雰囲気中の酸素とによって再
酸化される、といったことは殆んど起こらない。
素と水分との両方の存在が必要であることが知られてい
る(例えば、「信学技報 Vol.89 No.11
1;電子情報通信学会技術報告 P11〜12『Si自
然酸化膜形成の制御』,(社)電子情報通信学会198
9.6.26発行」参照)が、この発明に係る方法で
は、容器内へ供給されるフッ化水素及びアルコール中に
含有される水分量が低く抑えられていることにより、シ
リコンウエハの洗浄に無水フッ化水素と共にアルコール
を用いるようにしても、無水フッ化水素ガスに水蒸気を
添加してシリコン酸化膜の除去を行なった場合のよう
に、SiO2をエッチング除去した後のシリコンウエハ
の表面が、吸着した水分と雰囲気中の酸素とによって再
酸化される、といったことは殆んど起こらない。
【0022】また、シリコンウエハの洗浄にアルコール
を使用しているため、ウエハ表面からのSiO2の除去
が終了する段階においては、そのアルコールがシリコン
ウエハの表面を層状に覆うように残存することになる
が、アルコール自体は還元性の雰囲気をつくり易く、酸
化能力が極めて低いことから、洗浄が進んでシリコン表
面が露出しても、その表面がアルコールによって保護さ
れ、再酸化が防止される。
を使用しているため、ウエハ表面からのSiO2の除去
が終了する段階においては、そのアルコールがシリコン
ウエハの表面を層状に覆うように残存することになる
が、アルコール自体は還元性の雰囲気をつくり易く、酸
化能力が極めて低いことから、洗浄が進んでシリコン表
面が露出しても、その表面がアルコールによって保護さ
れ、再酸化が防止される。
【0023】そして、シリコンウエハの表面を覆うよう
に形成されたアルコールの層は、真空排気、紫外光照
射、或いは加熱などによってシリコンウエハの表面から
容易に脱離させることができ、後処理の厄介さもない。
に形成されたアルコールの層は、真空排気、紫外光照
射、或いは加熱などによってシリコンウエハの表面から
容易に脱離させることができ、後処理の厄介さもない。
【0024】そして、基板に供給する全ガスに占める無
水フッ化水素ガスの濃度を4%以下とすることにより、
この濃度においては、シリコン自然酸化膜については、
化1で示したようなエッチング作用はそれほど妨げられ
ないが、それ以外のシリコン熱酸化膜や、シリコン窒化
膜等の絶縁膜については、僅かしかエッチング反応が進
行しない。自然酸化膜と絶縁膜とにおけるこの反応性の
違いが生じる理由は明確には分からないが、その反応性
の違いを利用して、自然酸化膜を選択的に除去すること
ができる。
水フッ化水素ガスの濃度を4%以下とすることにより、
この濃度においては、シリコン自然酸化膜については、
化1で示したようなエッチング作用はそれほど妨げられ
ないが、それ以外のシリコン熱酸化膜や、シリコン窒化
膜等の絶縁膜については、僅かしかエッチング反応が進
行しない。自然酸化膜と絶縁膜とにおけるこの反応性の
違いが生じる理由は明確には分からないが、その反応性
の違いを利用して、自然酸化膜を選択的に除去すること
ができる。
【0025】
【実施例】以下、この発明の好適な実施例について説明
する。
する。
【0026】図1は、この発明の方法を実施するための
シリコンウエハの洗浄装置の1例を示す概略構成図であ
る。図において、洗浄されるべきシリコンウエハ10が収
容される容器12は、テフロンを用いて形成されており、
その内部は外気から気密に隔離されている。この容器12
には、ガス・蒸気の供給管路20及び排気管路22にそれぞ
れ接続された供給口14及び排気口16が設けられており、
またバイパス管路18が付設されている。尚、図1には表
してないが、容器12の側面には、シリコンウエハを出し
入れするための扉が設けられているが、その扉に隣接し
てロードロック室を併設したり、また他のプロセス装置
と搬送ラインを接続してインライン化するような構成と
することもできる。
シリコンウエハの洗浄装置の1例を示す概略構成図であ
る。図において、洗浄されるべきシリコンウエハ10が収
容される容器12は、テフロンを用いて形成されており、
その内部は外気から気密に隔離されている。この容器12
には、ガス・蒸気の供給管路20及び排気管路22にそれぞ
れ接続された供給口14及び排気口16が設けられており、
またバイパス管路18が付設されている。尚、図1には表
してないが、容器12の側面には、シリコンウエハを出し
入れするための扉が設けられているが、その扉に隣接し
てロードロック室を併設したり、また他のプロセス装置
と搬送ラインを接続してインライン化するような構成と
することもできる。
【0027】容器12の供給口14に連通している供給管路
20には、3本の管路24、26、28が合流しており、各管路
24、26、28の端部に、無水フッ化水素の供給源30、アル
コールの供給源32及びキャリアガスである窒素ガスの供
給源34がそれぞれ設けられている。また、無水フッ化水
素ガス及びアルコール蒸気の各供給管路24、26には、キ
ャリアガスの管路28の分岐管路36、38がそれぞれ連通し
ている。
20には、3本の管路24、26、28が合流しており、各管路
24、26、28の端部に、無水フッ化水素の供給源30、アル
コールの供給源32及びキャリアガスである窒素ガスの供
給源34がそれぞれ設けられている。また、無水フッ化水
素ガス及びアルコール蒸気の各供給管路24、26には、キ
ャリアガスの管路28の分岐管路36、38がそれぞれ連通し
ている。
【0028】また、各管路24、26、28には、それぞれマ
スフローコントローラ40、42、44が介挿されており、無
水フッ化水素及びアルコールの各供給源30、32には温度
コントローラ46、48がそれぞれ設けられている。そし
て、無水フッ化水素ガス及びキャリアガス(窒素)の供
給量の調節は、それぞれの供給管路24、28に設けられた
マスフローコントローラ40、44によって行なわれる。ま
た、アルコール蒸気の供給量の調節は、キャリアガスで
ある窒素の流量並びにアルコール(液体)の温度(従っ
てアルコール蒸気圧)の制御によって行なわれる。ま
た、無水フッ化水素ガス及びアルコール蒸気の各供給系
において結露が起こったりしないようにするため、それ
ぞれの供給管路24、26は、破線で示すように保温材50、
52によって保温されている。
スフローコントローラ40、42、44が介挿されており、無
水フッ化水素及びアルコールの各供給源30、32には温度
コントローラ46、48がそれぞれ設けられている。そし
て、無水フッ化水素ガス及びキャリアガス(窒素)の供
給量の調節は、それぞれの供給管路24、28に設けられた
マスフローコントローラ40、44によって行なわれる。ま
た、アルコール蒸気の供給量の調節は、キャリアガスで
ある窒素の流量並びにアルコール(液体)の温度(従っ
てアルコール蒸気圧)の制御によって行なわれる。ま
た、無水フッ化水素ガス及びアルコール蒸気の各供給系
において結露が起こったりしないようにするため、それ
ぞれの供給管路24、26は、破線で示すように保温材50、
52によって保温されている。
【0029】次に、上記洗浄装置を使用して行なったこ
の発明に関連する実験例について説明する。この実験に
おいては、リンドープn型、抵抗率2〜8Ω・cmのシリ
コンウエハを用いた。また、実験には、洗浄用ガス・試
薬として、昭和電工(株)製の超高純度無水フッ化水
素、日本酸素(株)製の超高純度窒素、及び関東化学
(株)製のELグレードのメタノール、エタノール、イ
ソプロピルアルコール(IPA)を使用した。尚、各ガ
ス・試薬の水分含有量は、無水フッ化水素では55pp
m(無水フッ化水素の純度は99.9925%)、窒素
ではppbのオーダー(露点が−70℃以下)、メタノ
ールでは500ppm以下である。そして、図1に示し
た装置の容器12内に、シリコンウエハ10を搬入して設置
し、容器12内の内部を完全に密封してから、窒素ガスの
供給源34より供給管路28、20を通して高純度N2ガスを
15 l/分の流量で容器12内へ送り込み、容器12の内
部を30秒間パージした。そして、シリコンウエハ10の
温度を室温〜40℃の範囲で調節した。以上の条件下に
おいて、無水フッ化水素ガス、メタノール(もしくはエ
タノール、イソプロピルアルコール)蒸気及び窒素ガス
を容器12内へ供給してエッチング処理し、処理終了後に
容器12内部を30秒間N2ガスによってパージした。そ
して、全ガス(CH3OHベーパー+CH3OHのバブリ
ング用のN2ガス+無水フッ化水素ガス+N2キャリアガ
ス)に占める無水フッ化水素ガスの濃度を違えたとこ
ろ、図2及び図3に示す結果を得た。尚、全ガスの流量
は毎分7リットルであり、温度は25℃である。また、
酸化膜の膜厚の測定には、エリプソメータを用いた。
の発明に関連する実験例について説明する。この実験に
おいては、リンドープn型、抵抗率2〜8Ω・cmのシリ
コンウエハを用いた。また、実験には、洗浄用ガス・試
薬として、昭和電工(株)製の超高純度無水フッ化水
素、日本酸素(株)製の超高純度窒素、及び関東化学
(株)製のELグレードのメタノール、エタノール、イ
ソプロピルアルコール(IPA)を使用した。尚、各ガ
ス・試薬の水分含有量は、無水フッ化水素では55pp
m(無水フッ化水素の純度は99.9925%)、窒素
ではppbのオーダー(露点が−70℃以下)、メタノ
ールでは500ppm以下である。そして、図1に示し
た装置の容器12内に、シリコンウエハ10を搬入して設置
し、容器12内の内部を完全に密封してから、窒素ガスの
供給源34より供給管路28、20を通して高純度N2ガスを
15 l/分の流量で容器12内へ送り込み、容器12の内
部を30秒間パージした。そして、シリコンウエハ10の
温度を室温〜40℃の範囲で調節した。以上の条件下に
おいて、無水フッ化水素ガス、メタノール(もしくはエ
タノール、イソプロピルアルコール)蒸気及び窒素ガス
を容器12内へ供給してエッチング処理し、処理終了後に
容器12内部を30秒間N2ガスによってパージした。そ
して、全ガス(CH3OHベーパー+CH3OHのバブリ
ング用のN2ガス+無水フッ化水素ガス+N2キャリアガ
ス)に占める無水フッ化水素ガスの濃度を違えたとこ
ろ、図2及び図3に示す結果を得た。尚、全ガスの流量
は毎分7リットルであり、温度は25℃である。また、
酸化膜の膜厚の測定には、エリプソメータを用いた。
【0030】図2は、シリコンの熱酸化膜に対するエッ
チングに関し、縦軸にそのエッチングレートを、横軸に
無水フッ化水素ガスの濃度をそれぞれとったものであ
り、図中の○△□◎は、CH3OHバブリング用のN2ガ
スの流量(CH3OHの蒸気圧を一定に保持しているの
でCH3OHの流量に対応する)の違いを示す。このう
ち、○のバブリング用N2ガスの流量が1,000cc/
minの場合、△は1,500cc/minの場合、□は
3,000cc/minの場合、◎は4,500cc/mi
nの場合をそれぞれ示している。
チングに関し、縦軸にそのエッチングレートを、横軸に
無水フッ化水素ガスの濃度をそれぞれとったものであ
り、図中の○△□◎は、CH3OHバブリング用のN2ガ
スの流量(CH3OHの蒸気圧を一定に保持しているの
でCH3OHの流量に対応する)の違いを示す。このう
ち、○のバブリング用N2ガスの流量が1,000cc/
minの場合、△は1,500cc/minの場合、□は
3,000cc/minの場合、◎は4,500cc/mi
nの場合をそれぞれ示している。
【0031】図3は、シリコンの自然酸化膜に対するエ
ッチングに関し、縦軸にCH3OHバブリング用のN2ガ
スの流量を、横軸に無水フッ化水素ガスの濃度をそれぞ
れとったものである。図中の○×はエッチングの可否を
示しており、15秒間のエッチングによりシリコン自然
酸化膜を少なくとも膜厚7Å以上減じることができた場
合を○で示し、7Å以下しか膜厚を減じることができな
かった場合を×で示す。
ッチングに関し、縦軸にCH3OHバブリング用のN2ガ
スの流量を、横軸に無水フッ化水素ガスの濃度をそれぞ
れとったものである。図中の○×はエッチングの可否を
示しており、15秒間のエッチングによりシリコン自然
酸化膜を少なくとも膜厚7Å以上減じることができた場
合を○で示し、7Å以下しか膜厚を減じることができな
かった場合を×で示す。
【0032】図2及び図3から次のようなことが明らか
となった。
となった。
【0033】例えば、無水フッ化水素ガス濃度が2vo
l/%、バブリング用N2ガス流量3,000cc/mi
nの条件下でエッチングすると、図2から分かるよう
に、シリコンの熱酸化膜のエッチングレートは、4Å/
min以下であるから、15秒間では4×(15/6
0)=1Å以下しかエッチングされない。それと同じ条
件下での自然酸化膜のエッチングでは、図3から分かる
ように、15秒間で完全にエッチング(図中の○のこと
であり、前記したように膜厚を少なくとも7Å以上減じ
ること)される。つまり、熱酸化膜と自然酸化膜とで
は、少なくとも1:7=1/7の選択比がみられる。
l/%、バブリング用N2ガス流量3,000cc/mi
nの条件下でエッチングすると、図2から分かるよう
に、シリコンの熱酸化膜のエッチングレートは、4Å/
min以下であるから、15秒間では4×(15/6
0)=1Å以下しかエッチングされない。それと同じ条
件下での自然酸化膜のエッチングでは、図3から分かる
ように、15秒間で完全にエッチング(図中の○のこと
であり、前記したように膜厚を少なくとも7Å以上減じ
ること)される。つまり、熱酸化膜と自然酸化膜とで
は、少なくとも1:7=1/7の選択比がみられる。
【0034】このように、無水フッ化水素ガスの低濃度
域では、シリコンの熱酸化膜よりも、自然酸化膜の方が
エッチングされ易い。例えば、無水フッ化水素ガス濃度
4vol/%以下では、自然酸化膜に対するエッチング
の選択性が高い。
域では、シリコンの熱酸化膜よりも、自然酸化膜の方が
エッチングされ易い。例えば、無水フッ化水素ガス濃度
4vol/%以下では、自然酸化膜に対するエッチング
の選択性が高い。
【0035】無水フッ化水素ガスの低濃度域においてエ
ッチング選択性を有することは、例えばコンタクトホー
ルに形成された自然酸化膜の除去処理のように、ウエハ
上に熱酸化膜が形成された領域と自然酸化膜が形成され
た領域とが混在していて、自然酸化膜を除去したい場合
に、熱酸化膜をなるべく損なうことなく、自然酸化膜を
効率良く除去できるので、極めて好都合である。
ッチング選択性を有することは、例えばコンタクトホー
ルに形成された自然酸化膜の除去処理のように、ウエハ
上に熱酸化膜が形成された領域と自然酸化膜が形成され
た領域とが混在していて、自然酸化膜を除去したい場合
に、熱酸化膜をなるべく損なうことなく、自然酸化膜を
効率良く除去できるので、極めて好都合である。
【0036】図4は、この方法を実施するのに好適なよ
うに構成した装置であり、図1に示したものとは別の例
を示す概略構成図である。この図4に示した装置では、
アルコール供給源32のアルコール貯留槽内に連通接続さ
れた管路54に、マスフローコントローラ58を介在して窒
素ガスの供給源56が接続されていて、無水フッ化水素ガ
スとメタノール蒸気とを時期を違えて容器12内へ供給す
ることができるようになっており、それ以外の構成は、
図1に示した装置と同様である。
うに構成した装置であり、図1に示したものとは別の例
を示す概略構成図である。この図4に示した装置では、
アルコール供給源32のアルコール貯留槽内に連通接続さ
れた管路54に、マスフローコントローラ58を介在して窒
素ガスの供給源56が接続されていて、無水フッ化水素ガ
スとメタノール蒸気とを時期を違えて容器12内へ供給す
ることができるようになっており、それ以外の構成は、
図1に示した装置と同様である。
【0037】この図4に示した装置によると、図5の
(1)にタイムチャートを示すように、無水フッ化水素
ガスの供給とメタノール蒸気の供給とをそれぞれ同時に
開始し、同時に供給を停止させる洗浄方法の他に、図5
の(2)に示すように、シリコンウエハ10を容器12内に
収容し、N2ガスパージした後、まず、メタノール蒸気
を容器12内へ導入し、所定時間(例えば10〜60秒)
経過した時点から無水フッ化水素ガスを供給し始め、無
水フッ化水素ガスとメタノール蒸気とを同時に所定時間
供給して洗浄処理を行ない、その後に同時に無水フッ化
水素ガスとメタノール蒸気との供給を停止するようにす
ることもできる。このようにして、予めシリコンウエハ
10の全表面をメタノール蒸気で覆っておいてから、無水
フッ化水素ガスによるエッチングを行なうようにする
と、シリコンウエハ10表面の酸化膜と無水フッ化水素と
の親和性が増し、エッチングがより均一に進行した。ま
た、微量の有機物汚染がシリコンウエハの表面に存在し
ているような場合にも、メタノール蒸気を予め流してお
くことにより、そのメタノールによってウエハ表面から
有機物が取り去られて排出され、洗浄の均一性をさらに
向上させることができた。
(1)にタイムチャートを示すように、無水フッ化水素
ガスの供給とメタノール蒸気の供給とをそれぞれ同時に
開始し、同時に供給を停止させる洗浄方法の他に、図5
の(2)に示すように、シリコンウエハ10を容器12内に
収容し、N2ガスパージした後、まず、メタノール蒸気
を容器12内へ導入し、所定時間(例えば10〜60秒)
経過した時点から無水フッ化水素ガスを供給し始め、無
水フッ化水素ガスとメタノール蒸気とを同時に所定時間
供給して洗浄処理を行ない、その後に同時に無水フッ化
水素ガスとメタノール蒸気との供給を停止するようにす
ることもできる。このようにして、予めシリコンウエハ
10の全表面をメタノール蒸気で覆っておいてから、無水
フッ化水素ガスによるエッチングを行なうようにする
と、シリコンウエハ10表面の酸化膜と無水フッ化水素と
の親和性が増し、エッチングがより均一に進行した。ま
た、微量の有機物汚染がシリコンウエハの表面に存在し
ているような場合にも、メタノール蒸気を予め流してお
くことにより、そのメタノールによってウエハ表面から
有機物が取り去られて排出され、洗浄の均一性をさらに
向上させることができた。
【0038】また、図5の(3)に示すように、無水フ
ッ化水素ガスの供給とメタノール蒸気の供給とはそれぞ
れ同時に開始し、洗浄を行なって、無水フッ化水素ガス
の供給を停止した後も、所定時間(例えば10〜30
秒)メタノール蒸気だけを供給してから、その供給を停
止するようにすることもできる。このようにすることに
より、ESCA測定の結果から、残存するフッ素濃度は
より低くなることが確認された。
ッ化水素ガスの供給とメタノール蒸気の供給とはそれぞ
れ同時に開始し、洗浄を行なって、無水フッ化水素ガス
の供給を停止した後も、所定時間(例えば10〜30
秒)メタノール蒸気だけを供給してから、その供給を停
止するようにすることもできる。このようにすることに
より、ESCA測定の結果から、残存するフッ素濃度は
より低くなることが確認された。
【0039】さらに、図5の(4)示すように、容器12
内へのメタノール蒸気の供給開始、無水フッ化水素ガス
の供給開始、無水フッ化水素ガスの供給停止、メタノー
ル蒸気の供給停止の順で処理を行なうと、図5の
(2)、(3)に示した供給方法によった場合の上記特
徴を併せ持った、安定した洗浄プロセスを実現すること
ができた。
内へのメタノール蒸気の供給開始、無水フッ化水素ガス
の供給開始、無水フッ化水素ガスの供給停止、メタノー
ル蒸気の供給停止の順で処理を行なうと、図5の
(2)、(3)に示した供給方法によった場合の上記特
徴を併せ持った、安定した洗浄プロセスを実現すること
ができた。
【0040】この発明に係る方法は以上説明した通りで
あり、CVD法、スパッタリングなどにより熱酸化膜形
成、電極形成、エピタキシャル成長、シリサイド化等の
成膜を行なう前に、シリコンウエハを洗浄するのにこの
方法を適用すると、ウエハ表面の自然酸化膜を効率良く
除去することができ、それぞれの界面特性の向上に効果
がある。
あり、CVD法、スパッタリングなどにより熱酸化膜形
成、電極形成、エピタキシャル成長、シリサイド化等の
成膜を行なう前に、シリコンウエハを洗浄するのにこの
方法を適用すると、ウエハ表面の自然酸化膜を効率良く
除去することができ、それぞれの界面特性の向上に効果
がある。
【0041】尚、この方法は単独でも十分に効果が発揮
することができるが、他の洗浄方法と組み合わせて実施
するようにしてもよい。また、酸化膜以外の汚染、すな
わち有機物、金属、パーティクル等を除去する目的の洗
浄を行なった後に、この方法を用いてシリコンウエハの
表面に形成された自然酸化膜を除去することも有効であ
る。
することができるが、他の洗浄方法と組み合わせて実施
するようにしてもよい。また、酸化膜以外の汚染、すな
わち有機物、金属、パーティクル等を除去する目的の洗
浄を行なった後に、この方法を用いてシリコンウエハの
表面に形成された自然酸化膜を除去することも有効であ
る。
【0042】さらに、この方法による洗浄処理を用いる
ことにより、洗浄後のプロセスが極めて良好に進行する
一例として、タングステンの選択CVDがある。すなわ
ち、この発明に係る方法を基板の前処理として実施する
と、続いてタングステン選択CVDを行なったとき、ウ
エハ全面にわたって良好な選択性を得ることができる。
ことにより、洗浄後のプロセスが極めて良好に進行する
一例として、タングステンの選択CVDがある。すなわ
ち、この発明に係る方法を基板の前処理として実施する
と、続いてタングステン選択CVDを行なったとき、ウ
エハ全面にわたって良好な選択性を得ることができる。
【0043】尚、上記実施例では、無水フッ化水素とア
ルコールとをベーパー状態で、シリコンウエハが収容さ
れた容器内へ供給するようにしたが、それらを霧状(細
かい粒子状の液滴)にしてシリコンウエハ表面に吹き付
けたり、蒸気浴として実施したりすることも可能であ
る。さらに、フッ化水素とアルコールとの混合溶液によ
り、従来の通常に行なわれているウェット洗浄の手法を
用いて実施することも可能である。
ルコールとをベーパー状態で、シリコンウエハが収容さ
れた容器内へ供給するようにしたが、それらを霧状(細
かい粒子状の液滴)にしてシリコンウエハ表面に吹き付
けたり、蒸気浴として実施したりすることも可能であ
る。さらに、フッ化水素とアルコールとの混合溶液によ
り、従来の通常に行なわれているウェット洗浄の手法を
用いて実施することも可能である。
【0044】さらにまた、上記実施例は、シリコンウエ
ハ表面のシリコン自然酸化膜を、無水フッ化水素及びメ
タノールの蒸気で除去することに関するものであるが、
この発明は、以下に説明するように、それに限定される
ものではない。
ハ表面のシリコン自然酸化膜を、無水フッ化水素及びメ
タノールの蒸気で除去することに関するものであるが、
この発明は、以下に説明するように、それに限定される
ものではない。
【0045】すなわち、メタノール蒸気の代わりに、エ
タノール等のアルコールを使用してもよい。但し、アル
コールは、上記実施例に示すように無水である。
タノール等のアルコールを使用してもよい。但し、アル
コールは、上記実施例に示すように無水である。
【0046】また、シリコンウエハ表面のシリコン自然
酸化膜の除去に適用する場合に限定されず、ポリシリコ
ン膜やアモルファスシリコン膜の表面に形成されるシリ
コン自然酸化膜の除去に適用してもよい。尚、そのよう
なポリシリコン膜やアモルファスシリコン膜は、シリコ
ンウエハ上に形成されている膜である場合に限らず、例
えば、ガリウム・ヒ素ウエハ等の各種半導体ウエハ上
や、ガラス基板やセラミック基板などの各種基板上に形
成されていてもよい。このように、この発明の構成にお
ける「シリコン層表面」とは、シリコンウエハの表面だ
けでなく、各種基板上に形成されているポリシリコン膜
やアモルファスシリコン膜の表面をも含む。
酸化膜の除去に適用する場合に限定されず、ポリシリコ
ン膜やアモルファスシリコン膜の表面に形成されるシリ
コン自然酸化膜の除去に適用してもよい。尚、そのよう
なポリシリコン膜やアモルファスシリコン膜は、シリコ
ンウエハ上に形成されている膜である場合に限らず、例
えば、ガリウム・ヒ素ウエハ等の各種半導体ウエハ上
や、ガラス基板やセラミック基板などの各種基板上に形
成されていてもよい。このように、この発明の構成にお
ける「シリコン層表面」とは、シリコンウエハの表面だ
けでなく、各種基板上に形成されているポリシリコン膜
やアモルファスシリコン膜の表面をも含む。
【0047】
【発明の効果】この発明は以上説明したように構成され
かつ作用するので、この発明に係る方法によってシリコ
ン層上のシリコン自然酸化膜の除去を行なうときには、
シリコン自然酸化膜を速やかに除去することを損なうこ
となく、シリコン層表面でのシリコン自然酸化膜の形成
を有効に防止することができる。このため、自然酸化膜
をシリコンウエハ表面から完全に除去してしまうことが
できる。また、自然酸化膜の除去における反応の副生成
物である水をアルコールに溶解させて一緒に系外へ取り
去ってしまうことができ、また反応系に少々の水が存在
していてもその水を同様にアルコールに溶解させて系外
へ取り去ってしまうことができるため、好ましくない副
反応やエッチングの逆反応が起こって汚染の原因をつく
ったりすることがなくなり、反応の制御性、プロセスに
おける再現性が極めて良好である。さらに、この発明に
係る方法は、基板上に折角形成した絶縁膜等までも一緒
に除去してしまうことなく、自然酸化膜を選択的に除去
することができる。
かつ作用するので、この発明に係る方法によってシリコ
ン層上のシリコン自然酸化膜の除去を行なうときには、
シリコン自然酸化膜を速やかに除去することを損なうこ
となく、シリコン層表面でのシリコン自然酸化膜の形成
を有効に防止することができる。このため、自然酸化膜
をシリコンウエハ表面から完全に除去してしまうことが
できる。また、自然酸化膜の除去における反応の副生成
物である水をアルコールに溶解させて一緒に系外へ取り
去ってしまうことができ、また反応系に少々の水が存在
していてもその水を同様にアルコールに溶解させて系外
へ取り去ってしまうことができるため、好ましくない副
反応やエッチングの逆反応が起こって汚染の原因をつく
ったりすることがなくなり、反応の制御性、プロセスに
おける再現性が極めて良好である。さらに、この発明に
係る方法は、基板上に折角形成した絶縁膜等までも一緒
に除去してしまうことなく、自然酸化膜を選択的に除去
することができる。
【図1】この発明の方法を実施するためのシリコンウエ
ハの洗浄装置の1例を示す概略構成図である。
ハの洗浄装置の1例を示す概略構成図である。
【図2】無水フッ化水素ガス濃度の違いに対応するシリ
コン熱酸化膜のエッチングレートの特性を示す図であ
る。
コン熱酸化膜のエッチングレートの特性を示す図であ
る。
【図3】CH3OHバブリング用N2ガスの流量と無水フ
ッ化水素ガスの濃度との違いに対応する自然酸化膜のエ
ッチングの可否を示す図である。
ッ化水素ガスの濃度との違いに対応する自然酸化膜のエ
ッチングの可否を示す図である。
【図4】この発明の方法を実施するための装置の別の例
を示す概略構成図である。
を示す概略構成図である。
【図5】図4に示した装置によりシリコンウエハの洗浄
を行なう場合における無水フッ化水素ガスとメタノール
蒸気との供給方法を説明するためのタイムチャートであ
る。
を行なう場合における無水フッ化水素ガスとメタノール
蒸気との供給方法を説明するためのタイムチャートであ
る。
10 シリコンウエハ 12 容器 30 無水フッ化水素の供給源 32 アルコールの供給源 34、56 キャリアガス(窒素ガス)の供給源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 桐栄 敬二 京都市上京区堀川通寺之内上る4丁目天神 北町1番地の1 大日本スクリーン製造株 式会社内 (72)発明者 渡辺 信淳 京都府長岡京市うぐいす台136番地 (72)発明者 鄭 容宝 京都市上京区千本通出水下る十四軒町394 番地の1 西陣グランドハイツ601号
Claims (1)
- 【請求項1】 外気から気密に隔離された容器内に基板
を収容し、その容器内へ無水フッ化水素とアルコールと
を、無水フッ化水素の濃度を4%以下で供給して、基板
のシリコン層表面に形成されたシリコン自然酸化膜を選
択的に除去するようにしたシリコン自然酸化膜の選択的
除去方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22094294A JP2632293B2 (ja) | 1989-07-26 | 1994-08-22 | シリコン自然酸化膜の選択的除去方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1-195764 | 1989-07-26 | ||
JP19576489 | 1989-07-26 | ||
JP22094294A JP2632293B2 (ja) | 1989-07-26 | 1994-08-22 | シリコン自然酸化膜の選択的除去方法 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1267777A Division JPH0748481B2 (ja) | 1989-07-26 | 1989-10-14 | シリコン層上の被膜除去方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07153737A true JPH07153737A (ja) | 1995-06-16 |
JP2632293B2 JP2632293B2 (ja) | 1997-07-23 |
Family
ID=26509345
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22094294A Expired - Fee Related JP2632293B2 (ja) | 1989-07-26 | 1994-08-22 | シリコン自然酸化膜の選択的除去方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2632293B2 (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0969509A (ja) * | 1995-09-01 | 1997-03-11 | Matsushita Electron Corp | 半導体ウェーハの洗浄・エッチング・乾燥装置及びその使用方法 |
US8992791B2 (en) | 2008-10-03 | 2015-03-31 | Sumco Techxiv Corporation | Method of cleaning semiconductor wafer and semiconductor wafer |
US20210175068A1 (en) * | 2019-12-10 | 2021-06-10 | Joy Allied Technology Inc. | Wafer surface treatment device and method thereof |
KR20210126542A (ko) | 2020-04-10 | 2021-10-20 | 주식회사 히타치하이테크 | 에칭 방법 |
US11295960B1 (en) | 2021-03-09 | 2022-04-05 | Hitachi High-Tech Corporation | Etching method |
KR20230123009A (ko) | 2022-02-14 | 2023-08-22 | 주식회사 히타치하이테크 | 에칭 처리 방법 |
US12125708B2 (en) | 2020-04-10 | 2024-10-22 | Hitachi High-Tech Corporation | Etching method |
-
1994
- 1994-08-22 JP JP22094294A patent/JP2632293B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0969509A (ja) * | 1995-09-01 | 1997-03-11 | Matsushita Electron Corp | 半導体ウェーハの洗浄・エッチング・乾燥装置及びその使用方法 |
US8992791B2 (en) | 2008-10-03 | 2015-03-31 | Sumco Techxiv Corporation | Method of cleaning semiconductor wafer and semiconductor wafer |
US20210175068A1 (en) * | 2019-12-10 | 2021-06-10 | Joy Allied Technology Inc. | Wafer surface treatment device and method thereof |
KR20210126542A (ko) | 2020-04-10 | 2021-10-20 | 주식회사 히타치하이테크 | 에칭 방법 |
US12125708B2 (en) | 2020-04-10 | 2024-10-22 | Hitachi High-Tech Corporation | Etching method |
US11295960B1 (en) | 2021-03-09 | 2022-04-05 | Hitachi High-Tech Corporation | Etching method |
KR20220126628A (ko) | 2021-03-09 | 2022-09-16 | 주식회사 히타치하이테크 | 에칭 방법 |
KR20230123009A (ko) | 2022-02-14 | 2023-08-22 | 주식회사 히타치하이테크 | 에칭 처리 방법 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2632293B2 (ja) | 1997-07-23 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5022961A (en) | Method for removing a film on a silicon layer surface | |
US5571375A (en) | Method of removing native oxide film from a contact hole on silicon wafer | |
TWI331364B (ja) | ||
JP3086719B2 (ja) | 表面処理方法 | |
KR100316721B1 (ko) | 실리사이드막을 구비한 반도체소자의 제조방법 | |
KR100322545B1 (ko) | 건식 세정 공정을 전 공정으로 이용하는 반도체 장치의콘택홀 채움 방법 | |
JP2553946B2 (ja) | 基板表面処理用ガスの供給方法 | |
JP6995997B2 (ja) | 半導体装置の製造方法、基板処理装置、プログラム及び基板処理方法 | |
KR20100105398A (ko) | 기판의 에칭 방법 및 시스템 | |
JP3101975B2 (ja) | シリコンからのSiO2/金属の気相除去 | |
US6235645B1 (en) | Process for cleaning silicon semiconductor substrates | |
JP4039385B2 (ja) | ケミカル酸化膜の除去方法 | |
JPH10214896A (ja) | 半導体装置の製造方法及び製造装置 | |
JP2632293B2 (ja) | シリコン自然酸化膜の選択的除去方法 | |
JP4058669B2 (ja) | シリコン基板上への導電性珪化物層の形成方法および導電性珪化物接点の形成方法 | |
JPH0748481B2 (ja) | シリコン層上の被膜除去方法 | |
JPH0748482B2 (ja) | 酸化膜等の被膜除去処理後における基板表面の洗浄方法 | |
JPH05326477A (ja) | 半導体基板表面のハロゲン除去方法 | |
JPH0547741A (ja) | 基板表面の酸化膜の除去方法 | |
JP3401585B2 (ja) | 基板の洗浄方法 | |
JPH07193055A (ja) | ドライエッチング方法 | |
JPH05182925A (ja) | 半導体装置の製造方法及び半導体装置の製造装置 | |
JP2504598B2 (ja) | 半導体基板の枚葉式表面処理方法 | |
JPH0684865A (ja) | 半導体装置の乾式清浄化方法 | |
JP2000277526A (ja) | 半導体製造装置及びそれを用いた半導体部材の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 12 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090425 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |