JPH0684865A - 半導体装置の乾式清浄化方法 - Google Patents

半導体装置の乾式清浄化方法

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JPH0684865A
JPH0684865A JP17808493A JP17808493A JPH0684865A JP H0684865 A JPH0684865 A JP H0684865A JP 17808493 A JP17808493 A JP 17808493A JP 17808493 A JP17808493 A JP 17808493A JP H0684865 A JPH0684865 A JP H0684865A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 素子形成工程中に基板表面に吸着した汚染金
属を容易かつ効果的に気相中にゲッタリングすることが
可能な半導体装置の乾式清浄化方法を提供しようとする
ものである。 【構成】 半導体基板21または表面に各種の膜が形成
された半導体基板21をハロゲンもしくはハロゲン化物
を含む非酸化性雰囲気中で600℃以下に温度にて熱処
理する工程を具備することを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体装置の製造工程
に適用される乾式清浄化方法の改良に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体集積回路は高集積化が急速
に進み、その信頼性の向上のために半導体装置の表面に
吸着した重金属や軽金属等の汚染物を除去して電気特性
を改善することが要望されている。
【0003】すなわち、半導体装置の製造工程中に半導
体基板(シリコン基板)内部に重金属等の汚染物質が導
入されると、電子または正孔のトラップ中心を形成した
り、pn接合のリークの原因になったり、或いは半導体
素子の電気特性を劣化させたりするという問題を生じ
る。例えば、DRAMにおいてシリコン基板内部にF
e、Cu、Ni、Au等の重金属が導入されると、基板
表面に形成されたMOSトランジスタのライフタイムが
低下し、メモリ保持時間が短くなる。また、ゲート酸化
膜中に前記重金属が導入されると、ゲート酸化膜の絶縁
耐圧やリーク電流等の電気特性の劣化および欠陥密度の
増大等を招くことが報告されている。
【0004】また、半導体装置の高速化を図るために配
線間容量を低減し、かつ層間絶縁膜の絶縁性を高め、さ
らに下地であるシリコン基板の表面の汚染量を低減する
ことが必要である。
【0005】ところで、従来、半導体装置の製造工程で
用いられる固体表面の清浄化方法としては、湿式洗浄方
法と乾式洗浄方法が知られている。しかしながら、湿式
洗浄方法は洗浄液(薬液)の純度および半導体基板(シ
リコンウェハ)への汚染金属の逆吸着等により、現状で
は109 〜1012原子/cm2 レベルの汚染金属が前記
ウェハに吸着されるという問題がある。また、乾式洗浄
方法としては真空中でフッ素ガス、塩素ガス等のハロゲ
ン元素を含むガス、またはシリコン系ガス等、或いはこ
れらのラジカルを汚染金属に対する反応種として用いた
枚様式のものが知られている。しかしながら、この方法
は汚染金属の除去と共にシリコン基板をもエッチングし
て前記基板表面を荒らしてしまうなどの問題がある。
【0006】また、シリコン基板表面に清浄な酸化膜
(例えばゲート酸化膜)を形成する技術として従来から
塩化水素(HCl)ガスまたはトリクロロエタン(TC
A)添加熱酸化方法(塩酸酸化方法)が知られている。
この塩酸酸化方法は、固体表面の汚染金属を気相中にゲ
ッタリングする作用があることが知られている。しかし
ながら、この方法は熱酸化の条件によってシリコン基板
表面の汚染金属が気相中に除去されるものと、シリコン
基板中に拡散するものと、があり、シリコン基板から汚
染金属を効果的に除去することが困難である。
【0007】すなわち、図16の(a)に示すように塩
化水素(HCl)ガスを含む酸化雰囲気でシリコン基板
31を熱酸化すると、前記基板31表面の汚染金属32
はHClと反応して金属塩化物の状態で気相中にゲッタ
リングされる。このゲッタリング時に、同図の(b)に
示すように前記基板31表面の汚染金属32が前記基板
31の内部に拡散する。また、酸化性雰囲気中、高温で
熱処理を行うため、汚染金属32の一部が除去されずに
金属酸化物になって形成された酸化膜33中に取り込ま
れたり、酸化膜33中に拡散するという問題がある。な
お、前記汚染金属のシリコン基板への拡散は塩酸酸化時
の加熱温度が上昇する程、より顕著になる。
【0008】さらに、前記塩酸酸化方法は酸化膜の形成
を伴うために半導体基板の表面形状が変化するという問
題がある。一方、CVD法等の気相成長法によって形成
した酸化膜または窒化膜等の絶縁膜を反応性イオンエッ
チング(RIE)によってエッチングする場合には、R
IEチャンバ内の汚染金属がそれらの膜に付着したり、
膜中に取り込まれる。このように絶縁膜の表面に付着し
た汚染金属は、湿式洗浄によって大部分を除去すること
ができる。しかしながら、前記汚染金属を除去するため
の薬液の純度や逆吸着の問題から前記絶縁膜表面を十分
に清浄化することができない。また、前記絶縁膜中に取
り込まれた不純物はエッチングを伴わない湿式洗浄では
除去できないという問題がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、素子
形成工程中に生じた汚染金属を半導体基板内に拡散させ
ることなく、容易かつ効果的に気相中にゲッタリングす
ることが可能な半導体装置の乾式清浄化方法を提供しよ
うとするものである。
【0010】本発明の別の目的は、素子形成工程中に生
じた汚染軽金属(特にAl)を容易かつ効果的に気相中
にゲッタリングすることが可能な半導体装置の乾式清浄
化方法を提供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる半導体装
置の乾式清浄化方法は、半導体基板または表面に各種の
膜が形成された半導体基板をハロゲンもしくはハロゲン
化物を含む非酸化性雰囲気中で600℃以下の温度にて
熱処理する工程を具備することを特徴とするものであ
る。
【0012】前記半導体基板は、例えば図1〜図5に示
す形態のものが挙げられる。すなわち、図1中の21は
シリコン基板、23は前記基板21表面に付着された汚
染金属である。
【0013】図2中の21は、シリコン基板、25は前
記基板21表面に生成された自然酸化膜、23は前記自
然酸化膜の表面に付着されたり、内部に取込まれた汚染
金属である。
【0014】図3中の21は、シリコン基板、22は前
記基板21表面に形成された熱酸化膜、26は前記熱酸
化膜22表面に堆積されたCVDSiO2 膜、27は前
記CVDSiO2 膜26表面に堆積されたBPSG膜、
28は前記BPSG膜27から前記熱酸化膜22に亘っ
て例えばRIE等により開口されたコンタクトホール、
23は前記コンタクトホール28の内面に付着された汚
染金属である。
【0015】図4中の21は、シリコン基板、22は前
記基板21表面に形成された熱酸化膜である。図5の中
の21は、シリコン基板、22は前記基板21表面に形
成された熱酸化膜、24は前記熱酸化膜22に堆積され
たシリコン窒化膜である。
【0016】前述した図4の熱酸化膜22、図5のシリ
コン窒化膜24の上には、例えばフォトレジスト等がエ
ッチング工程のために塗布され、前記レジスト処理工程
中に汚染金属23がそれらの膜表面に付着したり、その
内部に侵入される。
【0017】前記ハロゲンとしては、例えばCl2 等を
用いることができ、前記ハロゲン化合物としては例えば
HCl、HBr、CCl4 、C2 HCl3 等を用いるこ
とができる。
【0018】前記非酸化性雰囲気を形成するための非酸
化性ガスとしては、例えば窒素ガス、またはアルゴン、
ヘリウム等の不活性ガス等を用いることができる。前記
非酸化性雰囲気中に含まれる前記ハロゲンまたはハロゲ
ン化物の濃度は、3%以上にすることが望ましい。
【0019】前記熱処理温度は、汚染金属とハロゲンと
が反応する温度以上に設定すればよい。前記熱処理時の
温度を限定した理由は、前記図1〜図3の状態の半導体
基板をハロゲンもしくはハロゲン化物を含む非酸化性雰
囲気中で600℃を越える温度で熱処理を行うと、図6
に示すように半導体基板(シリコン基板)が例えば塩素
ガスによってエッチングされ、基板表面にエッチピット
が多数発生するからである。より好ましい熱処理温度
は、汚染金属とハロゲンとが反応する温度以上、550
℃以下、さらに好ましくは500℃以下の範囲である。
【0020】また、本発明に係わる乾式清浄化方法を実
施するためには例えば図7に示す横型処理装置および図
8に示す縦型処理装置がそれぞれ用いられる。すなわ
ち、図7に示す処理装置は一端に非酸化性ガスおよびH
Clガスを導入するための導入管1が形成され、他端に
排気管2を有するキャップ3が取り付けられた例えば石
英からなる横型反応炉4と、前記反応炉4の周囲に配置
されたヒータ5とから構成されている。なお、図中の6
はシリコンウェハ7が多数立て掛けられた石英ボートで
あり、前記石英ボート6は前記キャップ3が取り付けら
れる前記反応炉4側からその内部に搬入される。
【0021】図8に示す処理装置は、下部に非酸化性ガ
スおよびHClガスを導入するための導入口11を有す
る石英からなる縦型外部反応炉13と、上部にガス導入
穴12、下部に排気口14がそれぞれ形成された石英か
らなる縦型内部反応炉15と、前記縦型外部反応炉13
の側面周囲に配置されたヒータ16とから構成されてい
る。図中の17は前記縦型内部反応炉15内に搬入さ
れ、多数のシリコンウェハ18が上下方向に水平な状態
で収納されたウェハ保持具である。
【0022】なお、前述した図7、図8の反応炉内は減
圧雰囲気にしても、加圧雰囲気にしてもよい。本発明に
係わる別の半導体装置の乾式清浄化方法は、半導体基板
または表面に各種の膜が形成された半導体基板に吸着さ
れた汚染軽金属を低減させる半導体装置の乾式清浄化方
法において、前記半導体基板をハロゲンもしくはハロゲ
ン化物を含むガス雰囲気中で400℃以上、700℃以
下の温度にて熱処理する工程を具備することを特徴とす
るものである。
【0023】前記軽金属としては、例えばAl、Ca、
Na、K等を挙げることができる。前記ハロゲンとして
は、例えばCl2 等を用いることができ、前記ハロゲン
化合物としては例えばHCl、HBr、CCl4 、C2
HCl3 等を用いることができる。
【0024】前記酸化性雰囲気中に含まれる前記ハロゲ
ンまたはハロゲン化物の濃度は、3%以上にすることが
望ましい。前記熱処理温度を限定したのは、前記温度範
囲(400℃以上、700℃以下)を逸脱すると軽金
属、特にAlを効果的に除去できなくなるからである。
【0025】前述した本発明に係わる乾式清浄化方法
は、例えば酸化処理、拡散処理または膜堆積処理等の工
程の直前に実施される。特に、本発明の乾式清浄化方法
は前記工程の直前に実施された後、大気に触れることな
く連続して次工程を行うインラインプロセスを採用する
ことが望ましい。
【0026】
【作用】本発明者らは、Si基板表面に吸着された代表
的な汚染元素であるFeについて、常圧のHCl酸化性
雰囲気中での熱挙動を室温(RT)から1000℃の範
囲で調べた。その結果、図17に示すような各処理温度
における自然酸化膜または熱酸化膜中のFe量とSi基
板中に拡散したFe量の関係が得られた。このような図
17から次のような事実が明らかになった。なお、以下
の説明において前記常圧のHCl酸化性雰囲気中で異な
る温度で熱処理した場合のFeの熱挙動を示す図18の
(a)〜(d)を参照する。
【0027】(1)図17に示すように自然酸化膜上の
FeはRT以上、200℃未満の温度範囲(I) で熱処理
した場合、殆ど除去されない。この状態を図18の
(a)に示す。すなわち、Fe23は基板21の自然酸
化膜25上に残留する。
【0028】(2)図17に示すように200℃以上、
400℃未満の温度範囲(II)で熱処理した場合は、Fe
は気相中に除去され始めるが、大部分はSi基板表面に
残留する。400℃以上、600℃以下の温度範囲(II
I) で熱処理した場合は基板表面のFeは効率よく気相
中に除去される。この状態を図18の(b)に示す。す
なわち、前記自然酸化膜25上のFe23がハロゲン化
物と反応して金属塩化物になって気相中に除去される。
ただし、550℃を越える温度で熱処理を行うと、基板
表面のFeが基板内に拡散し始める。したがって、55
0℃以下の温度で熱処理することが好ましい。なお、3
00℃以上の温度でも、ある程度のFe,Niの除去が
可能である。
【0029】(3)図17に示すように600℃より高
く、800℃未満の温度範囲(IV)で熱処理した場合は、
酸化性雰囲気中での処理になるため、Si基板が酸化さ
れて汚染した表面のFeはその一部が形成された酸化膜
中にも拡散され始める。この状態を図18の(c)に示
す。なお、図中の22はSi基板21の酸化により生成
された酸化膜である。したがって、前記温度範囲(IV)で
は汚染した表面のFeは気相中に除去されるものと、酸
化膜中に拡散してその膜中に取り残されるものと、さら
にSi基板内に拡散するものとが共存する。
【0030】(4)図17に示すように800℃以上、
1000℃未満の温度範囲(V) で熱処理した場合は、大
部分のFeがSi基板中に拡散する。この状態を図18
の(d)に示す。酸化膜中に一旦拡散したFeは、前記
600℃以上、800℃未満の温度範囲で熱処理した場
合と異なり、酸化膜中でのFeの拡散係数が大きいため
に膜中から吸い出され、膜中に残留しない。ただし、検
出限界までFeを除去できない理由は、前記Si基板が
酸化性雰囲気中で処理されるため、Feの一部が酸化膜
中で酸化物(例えばFe23 等)になって取り込まれ
るからである。
【0031】前記(1)〜(4)で説明した理由からS
i基板内にFeを拡散させることなく、効果的に基板表
面に吸着したFeを除去するためには常圧プロセスにお
いてFeがハロゲン化物と反応する温度以上、例えば4
00℃以上、600℃以下の温度範囲で熱処理を行うこ
とが必要であることがわかる。また、汚染金属が金属酸
化物になって基板表面に形成される酸化膜中に取り込ま
れるのを抑制する観点から、HClを添加するガスは非
酸化性ガスにすることが必要であることがわかる。した
がって、本発明は半導体基板をハロゲンもしくはハロゲ
ン化物を含む非酸化性雰囲気中で600℃以下の温度に
て熱処理する工程を具備するため、従来の塩酸酸化法に
比べて効果的に基板表面に吸着した汚染元素を除去する
ことができる。
【0032】また、半導体基板または表面に各種の膜が
形成された半導体基板をハロゲンもしくはハロゲン化物
(例えばHCl)を含む非酸化性雰囲気中で熱処理する
ことによって、例えば前述した図4に示すように前記シ
リコン基板21上の熱酸化膜22表面に付着された汚染
金属23が前記加熱された雰囲気中のHClと容易に反
応し、金属に比べて著しく蒸気圧の高い金属塩化物の状
態で気相中にゲッタリングされる。また、前記膜中に取
り込まれた汚染金属は、熱処理により前記膜表面に拡散
されるため、前述したのと同様なメカニズムにより気相
中にゲッタリングされる。しかも、非酸化性雰囲気で処
理することによって気相中にゲッタリングされずに酸化
物として酸化膜中に取り込まれる汚染金属量を著しく低
減することができる。
【0033】気相中に半導体基板の表面または自然酸化
膜が露出している状態で本発明に係わる乾式清浄化処理
を行う場合には、600℃以下の温度で熱処理すること
によって例えば前述した図1に示すようにシリコン基板
21表面へのエッチピットの発生を抑制しつつ前記基板
21表面の汚染金属23を金属塩化物の状態で気相中に
ゲッタリングできる。ただし、前述した図2に示すよう
に自然酸化膜25に付着ないし取り込まれた汚染金属2
3、図3に示すコンタクトホール28の内面に付着され
た汚染金属23も同様な処理により気相中にゲッタリン
グされる。さらに、例えば半導体基板表面へのゲート酸
化の前処理として行い、大気に触れることなく連続して
ゲート酸化を行えば、低温で半導体基板表面の汚染金属
を除去でき、大気中に取り出し、搬送することに伴う外
部からの再汚染を防止することができるため、従来の塩
酸酸化方法によって形成された半導体装置に比べて半導
体基板および酸化膜への汚染の少ない良好な特性を有す
る半導体装置を製造することができる。
【0034】したがって、本発明方法は乾式であるた
め、湿式洗浄で問題になる薬液の純度、逆吸着等の問題
を解決することができると共に、膜中に取り込まれた汚
染金属をエッチングを伴わずに除去することができる。
また、非酸化性雰囲気中で処理を行うために酸化による
半導体基板の形状が変化することも抑制することができ
る。
【0035】さらに、本発明に係わる別の乾式清浄化方
法によれば半導体基板または表面に各種の膜が形成され
た半導体基板に吸着した汚染軽金属を低減させるに際
し、前記半導体基板をハロゲンもしくはハロゲン化物を
含むガス雰囲気中で400℃以上、600℃以下の特定
の温度にて熱処理することによって、前記汚染軽金属
(特にAl)を効果的に気相中にゲッタリングできる。
また、例えば半導体基板表面へのゲート酸化の前処理と
して行い、大気に触れることなく連続してゲート酸化を
行えば、従来の塩酸酸化方法によって形成された半導体
装置に比べて半導体基板および酸化膜へのAl汚染の少
ない良好な特性を有する半導体装置を製造することがで
きる。
【0036】以上のように本発明によれば、Fe等の重
金属、Al等の軽金属の汚染レベルを減少させることが
でき、特に1012原子/cm2 オーダ以下、さらには1
10原子/cm2 オーダ以下に抑えることが可能であ
る。
【0037】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細
に説明する。 実施例1および比較例1〜3 Feで強制汚染された厚い熱酸化膜が表面に形成された
シリコン基板に対してN2 雰囲気中、550℃、1時間
の熱処理(比較例1)、酸化性雰囲気中、同温度、同時
間の酸化処理(比較例2)、HClを含む酸素雰囲気
中、同温度、同時間の塩酸酸化処理(比較例3)および
10%HClを含むN2 雰囲気中、同温度、同時間の熱
処理(実施例1)をそれぞれ施した。
【0038】前記比較例1〜3および実施例1の処理後
のシリコン基板について、その表面の熱酸化膜を希弗酸
溶液で溶解し、その溶液中に含まれるFe量を原子吸光
分析した。その結果を図9に示す。
【0039】図9から明らかなようにN2 雰囲気中での
熱処理(比較例1)または通常のドライ酸化(比較例
2)ではFeは全く除去されない。これは、Fe単体の
蒸気圧、またはFeの酸化物の蒸気圧が低いため、Fe
が酸化膜上から気相中へ除去できないことを示してい
る。一方、比較例3の塩酸酸化方法ではFeが気相中に
ゲッタリングされ、膜中に取込まれたFe量が汚染レベ
ルに比べて減少しているが、本実施例1ではさらに熱酸
化膜中に取込まれたFe量を減少できることがわかる。
これは、塩酸酸化方法ではシリコン基板を酸化性雰囲気
中、高温で処理しているため、熱酸化膜表面に強制汚染
したFeの一部が除去されずにFe酸化物の状態で酸化
膜中に取込まれていることに起因するものである。これ
に対し、本発明では非酸化性雰囲気中で処理しているた
め、Fe酸化物の生成を抑止し、蒸気圧の高いFe塩化
物のみを生成でき、容易に気相中にゲッタリングできる
ことによるものと考えられる。
【0040】実施例2および比較例4 Feで強制汚染された厚い熱酸化膜が表面に形成された
シリコン基板に対してHClを含む酸素雰囲気中、10
0℃以上、600℃以下の温度範囲で、1時間の塩酸酸
化処理(比較例4)および10%HClを含むN2 雰囲
気中、同温度範囲、同時間の熱処理(実施例2)をそれ
ぞれ施した。
【0041】前記実施例2および比較例4の処理後のシ
リコン基板について、その表面の熱酸化膜を希弗酸溶液
で溶解し、その溶液中に含まれるFe量を原子吸光分析
した。その結果を図10に温度とFe量との関係として
示す。
【0042】図10から明らかなように比較例4の塩酸
酸化方法ではFeが気相中にゲッタリングされ、膜中に
取込まれたFe量が汚染レベルに比べて減少している
が、本実施例2ではさらに熱酸化膜中に取込まれたFe
量を高温側で減少できることがわかる。これは、一般に
金属酸化物の蒸気圧が高温ほど大きくなるため、本発明
のような処理によってFeの除去効果が高くなることを
示す。ただし、この場合熱酸化膜が保護膜として働くた
め、非酸化性雰囲気での処理においてシリコン基板がH
Cl(Cl2 )でエッチングされるのを防止される。こ
れに対し、比較例4の塩酸酸化法では400℃以上の温
度でFeの一部が酸化膜中で酸化物となって除去できな
くなることを示している。
【0043】実施例3 Niで強制汚染された厚い熱酸化膜が表面に形成された
シリコン基板に対して10%HClを含むN2 雰囲気
中、100℃以上、600℃以下の温度範囲で、1時間
の熱処理を施した。
【0044】前記実施例3の処理後のシリコン基板につ
いて、その表面の熱酸化膜を希弗酸溶液で溶解し、その
溶液中に含まれるNi量を原子吸光分析した。その結果
を図11に温度とNi量の関係として示す。
【0045】図11から明らかなように本実施例3では
熱酸化膜中に取込まれたNi量を高温側で検出限界まで
減少できることがわかる。 実施例4 Feで強制汚染された自然酸化膜が表面に形成されたシ
リコン基板に対して10%HClを含むN2 雰囲気中、
300〜500℃の温度範囲で、1時間の熱処理を施し
た。なお、前記自然酸化膜は湿式洗浄方法によってシリ
コン基板表面に生成した薄い酸化膜、またはフッ化水素
酸で処理したシリコン基板上に時間経過に伴って徐々に
生成された50オングストローム以下の薄い酸化膜であ
る。
【0046】前記実施例4の処理後のシリコン基板につ
いて、その表面の自然酸化膜を希弗酸溶液で溶解し、そ
の溶液中に含まれるFe量を原子吸光分析した。また、
Si基板内部に拡散するFe量を測定した。その結果を
図12に温度とFe量の関係として示す。
【0047】図12から明らかなように本実施例4では
低温で処理しているためシリコン基板中に拡散するFe
を抑え、かつ自然酸化膜中のFe量を検出限界まで気相
中に除去できることがわかる。
【0048】実施例5 表面がFeで汚染されたシリコン基板を10%HClを
含むN2 雰囲気中、400℃、1時間の乾式清浄化処理
を施した後、大気に触れることなくHClを含む酸素雰
囲気中、800℃、1時間の塩酸酸化処理を施して前記
基板表面にゲート酸化膜を形成した。
【0049】比較例5 表面がFeで汚染されたシリコン基板をHClを含む酸
素雰囲気中、800℃、1時間の塩酸酸化処理を直接施
して前記基板表面にゲート酸化膜を形成した。
【0050】前記実施例5および比較例5の処理により
形成されたゲート酸化膜および前記ゲート酸化膜下のシ
リコン基板の表層を希弗酸溶液で溶解し、その溶液中に
含まれるFe量を原子吸光分析した。また、Si基板内
部に拡散するFe量を測定した。その結果を図13に示
す。
【0051】図13から明らかなように、本実施例5で
は直接塩酸酸化法を行ってゲート酸化膜を形成する比較
例5に比べてシリコン基板、ゲート酸化膜への汚染を抑
制でき、良好な特性を有するMOS半導体装置を製造す
ることができる。
【0052】実施例6 前述した図5に示すようにシリコン基板21上の熱酸化
膜22、CVDSiO2 膜26およびBPSG膜27に
亘ってRIEによりコンタクトホール28を開口した
後、10%HClを含むN2 雰囲気中、400℃、1時
間の熱処理を施した。
【0053】本実施例6の処理によって前記RIE時に
前記コンタクトホールの内面に付着された汚染金属を良
好に除去できることが確認された。なお、従来の塩酸酸
化法で処理した場合にはコンタクトホール底部に露出し
たシリコン基板表面が酸化されるためにコンタクトホー
ルの形状が変化するが、本実施例6の方法ではN2 雰囲
気中でなされるため酸化の進行がなく、コンタクトホー
ルの形状変化を防止できた。
【0054】実施例7 汚染軽金属であるAlを吸着した自然酸化膜が生成され
たシリコン基板を10%HClを含むガス雰囲気中、2
00〜1000℃の温度範囲、1時間の熱処理を施し
た。なお、前記自然酸化膜はRCA洗浄のSC1処理に
よって生成されたものである。
【0055】前記実施例7の処理後のシリコン基板につ
いて、その表面の酸化膜を希弗酸溶液で溶解し、その溶
液中に含まれるAl量を原子吸光分析した。その結果を
図14に温度とAl量の関係として示す。
【0056】図14から明らかなように400℃未満お
よび700℃を越える温度での処理ではAlは殆ど除去
されない。これに対し、400℃以上、600℃以下、
特に600℃未満の温度で処理を行うことによってAl
を効果的に除去できることがわかる。これは、前記温度
範囲での熱処理によりAl酸化物の生成を抑え、かつA
l塩化物の生成を促進して気相中にAlを良好にゲッタ
リングできるためである。
【0057】実施例8、9および比較例6 汚染軽金属であるAlを吸着した自然酸化膜が生成され
たシリコン基板を10%HClを含む酸素雰囲気中、5
00℃、1時間の熱処理(実施例8)、10%HClを
含む酸素雰囲気中、800℃、1時間の熱処理(比較例
6)および10%HClを含む酸素雰囲気中、500
℃、1時間の熱処理後にシリコン基板を大気に触れるこ
となく同雰囲気、800℃、1時間の熱処理(実施例
9)をそれぞれ施した。
【0058】前記実施例8、9および比較例6の処理後
のシリコン基板について、その表面の酸化膜を希弗酸溶
液で溶解し、その溶液中に含まれるAl量を原子吸光分
析した。その結果を図15に示す。
【0059】図15から明らかなように800℃の高温
で処理する比較例6ではAlを気相中に殆どゲッタリン
グできない。これに対し、500℃の低温で処理する実
施例8ではAlを効果的に除去できることがわかる。ま
た、前記500℃の低温で処理の後、大気に曝すことな
く連続して800℃の高温で酸化処理を行う実施例9で
はAlが除去された清浄な酸化膜をシリコン基板表面に
形成することがわかる。したがって、従来の塩酸酸化方
法に比べて酸化膜汚染の少ない良好な半導体装置を製造
することが可能になる。
【0060】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明に係わる乾
式清浄化方法よれば素子形成工程中に基板表面に吸着し
た汚染金属を容易かつ効果的に気相中にゲッタリングで
き、高信頼性、高速の半導体装置を製造できる等顕著な
効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】汚染金属がシリコン基板表面に付着された状態
およびその気相中へのゲッタリングを示す断面図。
【図2】汚染金属がシリコン基板上の自然酸化膜の表面
および内部に取り込まれた状態を示す断面図。
【図3】汚染金属がシリコン基板上の絶縁膜のコンタク
トホール内面に付着された状態を示す断面図。
【図4】汚染金属がシリコン基板上の熱酸化膜表面に付
着された状態およびその気相中へのゲッタリングを示す
断面図。
【図5】汚染金属がシリコン基板上のシリコン窒化膜表
面に付着された状態を示す断面図。
【図6】HClを含む非酸化性雰囲気中でシリコン基板
を熱処理した際の温度と前記基板表面へのエッチピット
の発生との関係を示す特性図。
【図7】本発明の乾式清浄化処理に用いられる横型処理
装置を示す概略図。
【図8】本発明の乾式清浄化処理に用いられる縦型処理
装置を示す概略図。
【図9】Feで強制汚染された厚い熱酸化膜が表面に形
成されたシリコン基板に対して比較例1〜3および実施
例1で処理した後の熱酸化膜表面および内部のFe量を
示す特性図。
【図10】Feで強制汚染された厚い熱酸化膜が表面に
形成されたシリコン基板に対して比較例4および実施例
2で処理した際の温度と熱酸化膜の表面および内部の残
留Fe量との関係を示す特性図。
【図11】Niで強制汚染された厚い熱酸化膜が表面に
形成されたシリコン基板に対して実施例3で処理した際
の温度と熱酸化膜の表面および内部の残留Ni量との関
係を示す特性図。
【図12】Feで強制汚染された自然酸化膜が表面に形
成されたシリコン基板に対して実施例4で処理した際の
温度と自然酸化膜の表面および内部の残留Fe量との関
係を示す特性図。
【図13】表面がFeで汚染されたシリコン基板を実施
例5および比較例5で処理してゲート酸化膜を形成した
際の前記シリコン基板の表層およびゲート酸化膜中のF
e量を示す特性図。
【図14】Alを吸着した自然酸化膜が生成されたシリ
コン基板を実施例7で処理した際の温度と酸化膜中のA
l量との関係を示す特性図。
【図15】Alを吸着した自然酸化膜が生成されたシリ
コン基板を実施例8、9および比較例6で処理すること
により形成した酸化膜中のAl量を示す特性図。
【図16】従来の塩酸酸化方法の問題点を示す断面図。
【図17】HCl酸化性雰囲気中での基板表面に吸着し
たFeの熱挙動を示す特性図。
【図18】異なる温度のHCl酸化性雰囲気中で熱処理
した際の基板表面に吸着したFeの熱挙動を示す断面
図。
【符号の説明】
21…シリコン基板、22…熱酸化膜、23…汚染金
属、24…シリコン窒化膜、25…自然酸化膜、28…
コンタクトホール。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板または表面に各種の膜が形成
    された半導体基板をハロゲンもしくはハロゲン化物を含
    む非酸化性雰囲気中で600℃以下の温度にて熱処理す
    る工程を具備することを特徴とする半導体装置の乾式清
    浄化方法。
  2. 【請求項2】 半導体基板または表面に各種の膜が形成
    された半導体基板に吸着した汚染軽金属を低減させる半
    導体装置の乾式清浄化方法において、前記半導体基板を
    ハロゲンもしくはハロゲン化物を含むガス雰囲気中で4
    00℃以上、700℃以下の温度にて熱処理する工程を
    具備することを特徴とする半導体装置の乾式清浄化方
    法。
  3. 【請求項3】 前記熱処理は、酸化、拡散または膜堆積
    の工程の直前で行われ、大気に触れることなく連続して
    次工程を行うことを特徴とする請求項1または2いずれ
    か記載の半導体装置の乾式清浄化方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100390909B1 (ko) * 2001-06-12 2003-07-12 주식회사 하이닉스반도체 반도체소자의 게더링 방법
JP2004156143A (ja) * 1994-07-21 2004-06-03 Akt America Inc 遠隔の励起源を用いる堆積チャンバーのクリーニング技術
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JP2014227311A (ja) * 2013-05-21 2014-12-08 大陽日酸株式会社 基板の再利用方法及び基板洗浄装置

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