JPH0715075Y2 - 自動変速機用イグニッションスイッチ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ （産業上の利用分野） 本考案はキーによって操作されるイグニッションスイッ
チをシフトレバーに連係させた自動変速機用イグニッシ
ョンスイッチ装置に関する。

（従来の技術） 自動変速機付きの自動車では、駐車時にはシフトレバー
を「Ｐ」ポジションにシフトすると共に、キーによりイ
グニッションスイッチのキーロータを「OFF」位置に回
動させ、そのキーをキーロータから抜取って自動車から
離れるようにし、又、発進時にはシフトレバーを「Ｐ」
ポジションに位置させた状態でキーをキーロータに差込
み、該キーによりキーロータを「OFF」位置から「AC
C」，「ON」位置を経て「START」位置まで回動操作して
エンジンを始動し、シフトレバーを「Ｄ」或いは「Ｒ」
ポジション等の駆動ポジションにシフトして発進させる
ことが行なわれている。

（考案が解決しようとする課題） しかしながら上記のものでは、シフトレバーが「Ｐ」以
外のポジションにある状態でもキーを「OFF」位置に回
動させて該キーを抜取ることができるようになってお
り、駐車時にシフトレバーを「Ｐ」ポジションにシフト
する事を忘れる虞がある。

従って本考案の目的は、シフトレバーを特定の非駆動ポ
ジションにシフトしない限りキーをオフ位置に回動して
キーロータから抜取ることができず、このために、シフ
トレバーを駐車時に確実に非駆動ポジションにシフト操
作する事となってその操作を忘れる虞がない自動車変速
機用イグニッションスイッチ装置を提供するにある。

［考案の構成］ （課題を解決するための手段） 本考案はイグニッションスイッチが配設されたハウジン
グにオフ位置でキーが抜差し可能でこれ以外の作動位置
ではキーの抜取りが不能になるキーロータを回動可能に
設け、このキーロータと一体回動されて前記イグニッシ
ョンスイッチの作動を切換えるスイッチロータを設け、
前記ハウジングにロックレバーを回動可能に設け、前記
キーロータ又はスイッチロータに前記ロックレバーが係
脱する係合部を設け、揺動操作により複数のポジション
の一つを選択すると共に特定の非駆動ポジションにシフ
トされた時に前記ロックレバーをアンロック位置に回動
させそれ以外のポジションにシフトされた時に前記ロッ
クレバーをロック位置に回動させるシフトレバーを設
け、前記ロックレバーがロック位置になされた時には該
ロックレバーが前記係合部と係合し得る状態になって前
記キーロータを作動位置からオフ位置に回動することが
規制され、前記ロックレバーがアンロック位置に回動さ
れた時には前記係合部と係合し得ない状態になって前記
キーロータを作動位置からオフ位置に回動することが許
容されるようにしたことを特徴とするものである。

（作用） 上記した手段によれば、シフトレバーが特定の非駆動ポ
ジション以外のポジションにシフトされた状態ではキー
をオフ位置に回動してキーロータから抜とることが不能
であり、特定の非駆動ポジションにシフトされた状態で
のみキーをオフ位置に回動してキーロータから抜取るこ
とが可能になり、シフトレバーを特定の非駆動ポジショ
ンにシフトすることを忘れる事が確実に防止される。

（実施例） 以下本考案の第１の実施例について第１図乃至第３図を
参照して説明する。１はシフトレバーで、これは、機枠
２に設けられた軸３を支点として矢印Ａ方向及び反矢印
Ａ方向へ揺動操作可能に設けられている。４は機枠２に
設けられたディテントプレートで、これにはシフトレバ
ー１の揺動方向に沿って凹凸形状の規制部５を有した係
合孔６が形成されてい、該シフトレバー１を「Ｐ」ポジ
ション，「Ｒ」ポジション，「Ｎ」ポジション，「Ｄ」
ポジション，「２」ポジション及び「Ｌ」ポジションの
各ポジションにシフトする場合に後述のディテントピン
７との協働作用でシフトレバー１の揺動範囲を選択的に
規制するようにしている。そして、特定の非駆動ポジシ
ョンたる「Ｐ」ポジションに対応する部位にはロック凹
部８が設けられている。前記ディテントピン７はシフト
レバー１に軸方向に移動可能に設けられていて、シフト
レバー１の上部に設けられた押釦９を押圧することによ
り下方に移動されて係合孔６における各ポジションの規
制部５との係合が外れ、押釦９の押圧を解除することに
より上方に移動して規制部５における一つのポジション
の係合面に係合することでディテントプレート４と協働
してシフトレバー１の揺動操作を規制するようになって
いる。而して、第１図に示すようにシフトレバー１が
「Ｄ」ポジションに位置された状態から押釦９を押圧し
てシフトレバー１を反矢印Ａ方向に操作して同第１図に
二点鎖線で示すように「Ｐ」ポジションにシフトして押
釦９の押圧を解除すると、ディテントピン７が上方に移
動してロック凹部８に係合され、シフトレバー１が
「Ｐ」ポジションにて保持される。

一方、10は段付筒状のハウジングで、これの径小部にキ
ーロータ11が内設され、径大部にイグニッションスイッ
チ12が内設されている。このハウジング10は径小部の先
端部に螺合されたリングナット13を介して図示しないイ
ンストルメントパネル等に固着される。キーロータ11に
はキー14が差込まれるスリット状のキー孔15が設けら
れ、このキー孔15に直交するようにタンブラ挿入孔が設
けられていて、そこに夫々タンブラ16が摺動可能に配設
されている。キー14は「OFF」位置にされた時にそのキ
ー孔15に対して抜差しが可能であり、キー14がキー孔15
に差込まれると、周知のように各タンブラ16の先端がキ
ーロータ11の外周と面一状態になって該キーロータ11が
ハウジング10に対して回動可能になされる。そして、キ
ー14によってキーロータ11が矢印Ｂ方向に回動されて作
動位置たる「ACC」，「ON」，「START」の各位置に移動
されるとそれらの作動位置でキー14はそのキーロータ11
に抜取り不能に保持される。

さて、イグニッションスイッチ12はハウジング10の解放
端に固着されたインシュレータ17と、そのハウジング10
の内周に回動可能に挿入されたスイッチロータ18と、こ
のスイッチロータ18に配設された可動コンタクト19等で
構成されていて、インシュレータ17には複数個の固定コ
ンタクト20（１個のみ図示）が設けられており、スイッ
チロータ18に設けられた嵌合孔18aにキーロータ11の端
部に設けられた凸部11aが連結嵌合されている。21は可
動コンタクト９をインシュレータ17方向に付勢するコイ
ルばね、22及び23はスイッチロータ18の回動に節度感を
与えるボール及びコイルばねである。さて、ハウジング
10の外周部には凸部24,24が一体に突設されていて、こ
れらの間にハウジング10の内周に連通するスリット状の
孔25が設けられている。26はピン27を介して凸部24,24
間に回動可能に支持された略Ｌ字形のロックレバーで、
これの一端が孔25を介してハウジング10内に出入可能に
なされている。このロックレバー26はピン27に巻装され
たねじりコイルばね（図示せず）によって矢印Ｃ方向に
付勢されている。28は一端部がロックレバー26の他端に
連結されたコントロールワイヤで、これの他端がシフト
レバー１の基部の近傍に支持具29を介して支持されてい
る。

一方、ロックレバー26の一端部に対応するスイッチロー
タ18の外周部には第３図に示すように係合部としてのカ
ム凸部30及びカム凹部31が設けられている。

次に上記構成の作用について説明する。シフトレバー１
が第１図に示すように特定の非駆動ポジション以外のポ
ジション例えば「Ｄ」ポジションにシフトされた状態で
はコントロールワイヤ28の他端部が該シフトレバー１か
ら離間した状態を呈しており、従って、ロックレバー26
は図示しないねじりコイルばね28の付勢力で矢印Ｃ方向
に回動された状態を呈している。この時にキー14が「AC
C」の位置に回動されていると、ロックレバー26の一端
はカム凹部31に掛合した状態を呈している。この状態で
は、キー14を反矢印Ｂ方向に回動しようとしてもロック
レバー26の一端がカム凸部31の側面に当接するから（第
３図参照）、キー14を「OFF」位置に回動することが規
制され、キー14をキー孔15から抜取ることができない。
従って、シフトレバー１が「Ｄ」ポジションニシフトさ
れたままの状態で運転車が自動車から離れることを確実
に防止される。

そして、第１図の実線の状態から押釦９を押圧したまま
シフトレバー１を反矢印Ａ方向に操作して「Ｐ」ポジシ
ョンにシフトして押釦９の押圧を解除すると、同第１図
に二点鎖線で示すようにディテントピン７が上方に移動
してロック凹部８に係合し、これに伴いコントロールワ
イヤ29を介してロックレバー26が図示しないねじりコイ
ルばねの付勢力に抗して反矢印Ｃ方向に回動されてその
一端が第１図に二点鎖線で示すように孔25から脱出した
状態になってカム凸部30の回動軌跡外に位置されるか
ら、キーロータ11の反矢印Ｂ方向への回動が許容され、
キーロータ11を「OFF」位置に回動することができる。
キーロータ11が「OFF」位置に回動されると、キーロー
タ11からキー14を抜取ることが可能となる。

上記した実施例では、シフトレバー１が「Ｐ」以外のポ
ジションにシフトされた状態ではロックレバー26の一端
部がロック凸部30の回動軌跡内に位置してキーロータ11
を作動位置である「ACC」位置から「OFF」位置に回動で
きないから、走行中にキー14をキーロータ11から抜取っ
てしまうことを防止でき、又、駐車時にはシフトレバー
１を「Ｐ」ポジションにシフトしてからキーロータ11を
「OFF」位置に回動してキー14を抜取ることになるか
ら、自動車を確実な制動状態にしてから自動車から離れ
ることが可能になる。シフトレバー１を「Ｐ」ポジショ
ンにシフトする操作を忘れるようなことが生じない。

第４図は本考案の第２の実施例を示すもので、第１の実
施例と同一部分には同一符号を付して説明を省略し異な
る部分のみ説明する。即ち、32はロックレバー26の代わ
りにピン33を介して凸部24,24に回動可能に支持された
ロックレバーで、このロックレバー32は図示しないねじ
りコイルばねの付勢力で矢印Ｄ方向に付勢されている。
このロックレバー32の一端部は孔25を介してカム凸部30
の回動軌跡内に出入可能で、これの他端にコントロール
ワイヤ34の一端が連結されていて、このコントロールワ
イヤ34の他端がピン35で中間位置が支持された変換レバ
ー36の一端に連結され、コントロールワイヤ28の一端部
がその変換レバー36の他端に連結されている。この構成
でも、シフトレバー１が「Ｐ」以外のポジションに位置
されている時にはロックレバー32の一端部がカム凸部30
の回動軌跡内に位置してキーロータ11を「OFF」位置に
回動することを規制しているが、シフトレバー１が
「Ｒ」ポジションから「Ｐ」ポジションにシフトされる
ことに伴ってコントロールワイヤ28を介して変換レバー
36が矢印Ｅ方向に回動され、これに伴ってコントロール
ワイヤ34を介してロックレバー32が反矢印Ｄ方向に回動
されてその一端がカム凸部30の回動軌跡外に位置される
ことになって、キーロータ11が「OFF」位置に回動する
ことが許容されるもので、第１の実施例と同様の左用効
果を奏する。

上記した各実施例ではカム凸部30及びカム凹部31をスイ
ッチロータ18の外周に設けるようにしたが、これらをキ
ーロータ11の外周部に設けて、それにロックレバー26或
いは32が係脱するような構成にしても良い。

［考案の効果］ 本考案は以上の説明から明らかなように、イグニッショ
ンスイッチが配設されたハウジングにオフ位置でキーが
抜差し可能でこれ以外の作動位置ではキーの抜取りが不
能になるキーロータを回動可能に設け、このキーロータ
と一体回動されて前記イグニッションスイッチの作動を
切換えるスイッチロータを設け、前記ハウジングにロッ
クレバーを回動可能に設け、前記キーロータ又はスイッ
チロータに前記ロックレバーが係脱する係合部を設け、
揺動操作により複数のポジションの一つを選択すると共
に特定の非駆動ポジションにシフトされた時に前記ロッ
クレバーをアンロック位置に回動させそれ以外のポジシ
ョンにシフトされた時に前記ロックレバーをロック位置
に回動させるシフトレバーを設け、前記ロックレバーが
ロック位置になされた時には該ロックレバーが前記係合
部と係合し得る状態になって前記キーロータを作動位置
からオフ位置に回動することが規制され、前記ロックレ
バーがアンロック位置に回動された時には前記係合部と
係合し得ない状態になって前記キーロータを作動位置か
らオフ位置に回動することが許容されるようにしたこと
を特徴とするものであるから、シフトレバーを特定の非
駆動ポジションにシフトしない限りキーをオフ位置に回
動してキーロータから抜取ることができず、このため
に、シフトレバーを駐車時に確実に非駆動ポジションに
シフト操作する事となってその操作を忘れる虞がないと
いう優れた作用効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は本考案の第１の実施例を示し、第１
図は一部を破断して示す全体の構成図、第２図はキーロ
ータ部分の正面図、第３図は第１図のIII−III線に沿う
断面図、第４図は本考案の第２の実施例を示す断面図で
ある。 図面中、１はシフトレバー、４はディテントプレート、
７はディテントピン、８はロック凹部、10はハウジン
グ、11はキーロータ、12はイグニッションスイッチ、14
はキー、15はキー孔、17はインシュレータ、18はスイッ
チロータ、26はロックレバー、28はコントロールワイ
ヤ、30はカム凸部、31はカム凹部、32はロックレバー、
34はコントロールワイヤを示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】イグニッションスイッチが配設されたハウ
   ジングに回動可能に設けられオフ位置でキーが抜差し可
   能でこれ以外の作動位置ではキーの抜取りが不能になる
   キーロータと、このキーロータと一体回動されて前記イ
   グニッションスイッチの作動を切換えるスイッチロータ
   と、前記ハウジングに回動可能に設けられたロックレバ
   ーと、前記キーロータ又はスイッチロータに前記ロック
   レバーが係脱するように設けられた係合部と、揺動操作
   により複数のポジションの一つを選択するように設けら
   れ特定の非駆動ポジションにシフトされた時に前記ロッ
   クレバーをアンロック位置に回動させそれ以外のポジシ
   ョンにシフトされた時に前記ロックレバーをロック位置
   に回動させるシフトレバーとを具備してなり、前記ロッ
   クレバーがロック位置になされた時には該ロックレバー
   が前記係合部と係合し得る状態になって前記キーロータ
   を作動位置からオフ位置に回動することが規制され、前
   記ロックレバーがアンロック位置に回動された時には前
   記係合部と係合し得ない状態になって前記キーロータを
   作動位置からオフ位置に回動することが許容されるよう
   にしたことを特徴とする自動変速機用イグニッションス
   イッチ装置。