JPH0630528Y2 - セレクタレバー装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、自動変速機付自動車（以下、ＡＴ車という）
に装備されるセレクタレバー装置に関する。

〔従来の技術〕 近年、ＡＴ車が始動時に急発進して事故を起すケースが
相次ぎ、その対策としてセレクタレバーにロック機構を
付設することが提案されている。これは例えばセレクタ
レバーをパーキングレンジにセットするとその状態にロ
ックするものであり、実開昭６２−２０２４３３号公報
に記載のように電磁アクチュエータの作動で直接セレク
タレバーの回動を規制するものや、セレクタレバーに付
設されたロックピンの移動を阻止するロックプレートを
設け、これを電磁アクチュエータで回動操作してセレク
タレバーのロックおよび解除を行なうようにしたものな
どか知られている。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところでロックプレートを電磁アクチュエータで回動操
作する型式のものでは、電磁アクチュエータのプランジ
ャとロックプレートとの係合状態がロックプレートの回
動動作に影響し易く、電磁アクチュエータの組付け精度
のバラツキによりプランジャがコジれると作動不良を起
す虞れがある。また、組立ての際にプランジャとロック
プレートとの結合に工数がかかるという問題もある。

そこで本考案は、プランジャとロックプレートとの組付
け工数を低減でき、ロックプレートの回動動作もスムー
ズに行なえるようにすることを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

この目的を達成するため本考案は、電磁アクチュエータ
により回動操作されるパーキングレンジ固定用のロック
プレートを備えるセレクタレバー装置において、上記電
磁アクチュエータのプランジャに嵌着され、かつ上記ロ
ックプレートに形成された切込み長孔にその長手方向に
沿って摺動自在に挿入されて凹凸嵌合するブッシュを備
え、このブッシュを介して上記電磁アクチュエータのプ
ランジャとロックプレートとを係合してなる。

〔作用〕

このような手段では、電磁アクチュエータのプランジャ
に嵌着したブッシュをロックプレートの切込み長孔に凹
凸嵌合して押込むだけでプランジャとロックプレートと
が係合する。また、電磁アクチュエータの組付け精度に
バラツキがあってもブッシュが切込み長孔に沿って移動
してこれを吸収するから、プランジャがコジれることが
なく、ロックプレートの回動動作もスムーズなものとな
る。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。

第１図において符号１はセレクタレバーであり、上端の
グリップ1aの操作によりインジケータカバー２の切欠き
窓内を揺動して各変速レンジを選択する。そしてセレク
タレバー１に付設されて上方に弾持されるロックピン1b
が、インジケータカバー２内に載置されたディテントプ
レート３の係合窓3aに係合することで、各変速レンジに
保持されるようになっている。なお、ロックピン1bは前
記グリップ1aに付設されたプッシュボタン1cの操作で下
方移動して、係合窓3aとの係合が解除されるようになっ
ている。

ここで前記セレクタレバー１の支軸1dには、パーキング
レンジ位置にあるロックピン1bに係合し、その下方移動
を阻止してセレクタレバー１をパーキングレンジに固定
するロックプレート４が、ディテントプレート３に重合
して枢着されている。そしてロックプレート４の近傍に
は、支持プレート５を介してロック解除用の押ボタン６
および電磁アクチュエータ７が配置されている。

押ボタン６は、コイルスプリング6aに弾持されてインジ
ケータカバー２の前面に操作可能に突出しており、その
操作でロックプレート４の係合片4aを押動してロックプ
レート４を反時計廻りの解除方向に回動するようになっ
ている。また電磁アクチュエータ７は、そのプランジャ
7aがロックプレート４の他の係合片4bに係合し、かつこ
の係合片4bをコイルスプリング８を介して弾持すること
で、常時はロックプレート４を時計廻りのロック方向に
回動付勢し、通電時にはコイルスプリング８に抗してロ
ックプレート４を反時計廻りの解除方向に回動してパー
キングレンジの固定を解除するようになっている。

ここで前記プランジャ7aとロックプレート４の他の係合
片4bとは、第２図，第３図に示すようにブッシュ９を介
して係合されている。このブッシュ９は、他の係合片4b
に形成された切込み長孔4cに外周リング溝9aを介して摺
動自在に凹凸嵌合するもので、前記コイルスプリング８
と共にプランジャ7aに嵌装され、プランジャ7a先端部に
止め金10で抜止めして嵌合された半球状の受座11に球面
支持されてプランジャ7aに対し傾斜自在となっている。

以上の構成では、自動車の運転に際し、例えばブレーキ
ペダルを踏んだ状態でイグニッションスイッチをオンす
ると、電磁アクチュエータ７が通電してそのプランジャ
7aが引込まれる。そしてロックプレート４がコイルスプ
リング８に抗して解除方向に回動されることで、セレク
タレバー１のロックが解除される（第４図参照）。そこ
でセレクタレバー１は、プッシュボタン1cの操作でロッ
クピン1bを下動することにより手前に揺動して適宜の変
速レンジを得ることができる。

ここで万一、電磁アクチュエータ７の故障で通電による
ロック解除ができない場合には、インジケータカバー２
前面の押ボタン６を操作すればよく、こうすることでロ
ックプレート４はコイルスプリング８に抗して解除方向
に回動し、セレクタレバー１のロックが解除される。

自動車を停止する際、電磁アクチュエータ７は非通電で
ロックプレート４は第１図のようにロック方向に回動位
置している。そこでセレクタレバー１を前方のパーキン
グレンジ位置に揺動すると、ロックプレート４はロック
ピン1bとの係合で解除方向に回動される。そしてセレク
タレバー１がパーキングレンジに位置してロックピン1b
との係合が外れると、ロックプレート４はコイルスプリ
ング８の反力でロック方向に回動復帰してセレクタレバ
ー１をパーキングレンジに固定する。

さてこのように作動するセレクタレバー装置は、電磁ア
クチュエータ７のプランジャ7aとロックプレート４の他
の係合片4bとがブッシュ９を介して係合し、このブッシ
ュ９が係合片4bの切込み長孔4cに沿って摺動自在な構成
であるから、電磁アクチュエータ７の組付け精度にバラ
ツキがあっても上記ブッシュ９が摺動してこれを吸収す
る。従ってプランジャ7aがコジれることがなく、ロック
プレート４は電磁アクチュエータ７の作動に応じてスム
ーズに回動し得る。

また電磁アクチュエータ７のプランジャ7aをロックプレ
ート４に結合する際、ブッシュ９を切込み長孔4cに凹凸
嵌合して押込めばよく、受座11や止め金10を取外す必要
がないから、組付け工数が低減する。

〔考案の効果〕 以上説明したとおり本考案によれば、電磁アクチュエー
タのプランジャに嵌着したブッシュをロックプレートの
切込み長孔に凹凸嵌合して押込むことでプランジャとロ
ックプレートとを係合でき、組付け工数が低減する。ま
た、電磁アクチュエータの組付け精度にバラツキがあっ
てもブッシュが切込み長孔に沿って移動してこれを吸収
するから、プランジャがコジれることがなく、ロックプ
レートはスムーズに回動動作できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を一部断面として示す側面
図、第２図は第１図の要部拡大断面図、第３図は第２図
のIII矢視図、第４図は第１図に対応した作用説明図で
ある。 １……セレクタレバー、1a……グリップ、1b……ロック
ピン、1c……プッシュボタン、1d……支軸、２……イン
ジケータカバー、３……ディテントプレート、3a……係
合窓、４……ロックプレート、4a……係合片、4b……他
の係合片、4c……切込み長孔、５……支持プレート、６
……押ボタン、７……電磁アクチュエータ、7a……プラ
ンジャ、８……コイルスプリング、９……ブッシュ、9a
……外周リング溝、10……止め金、11……受座。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】電磁アクチュエータにより回動操作される
   パーキングレンジ固定用のロックプレートを備えるセレ
   クタレバー装置において、 上記電磁アクチュエータのプランジャに嵌着され、かつ
   上記ロックプレートに形成された切込み長孔にその長手
   方向に沿って摺動自在に挿入されて凹凸嵌合するブッシ
   ュを備え、このブッシュを介して上記電磁アクチュエー
   タのプランジャとロックプレートとを係合してなるセレ
   クタレバー装置。