JPH07148040A - 組立式引出しボックス - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ボックス強度が強くて外部からの衝撃力によ
っても変形を生じることがなく、しかも軽量で出し入れ
をスムーズに行うことができる組立式引出しボックスを
提供することを目的としたものである。 【構成】 引出しボックス本体15は、合成樹脂成型体で
形成した前板部材７および後板部材９、側板部材10、10
とから構成されており、両側板部材10、10の外側面には
スライド凹溝12が一体に成形されている。また、後板部
材９の両側端部には上記スライド凹溝12と連通したガイ
ド用凹所14が一体に成型され、このスライド凹溝12とガ
イド用凹所14の連通によってラック装置20のレール材21
が挿入可能に形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、夏物の衣類と冬物の衣
類を仕分けして収納させることができる引出し装置や、
衣類を収納して重ね合わせて衣類箱などとして使用する
ことができる組立式ボックスに関するものであり、詳し
くは販売時や輸送時には底板部分と側板部分とを分離し
てコンパクトな分解状態にして取扱い、家庭において組
み立てて使用される組立式引出しボックスに関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】従来、夏物と冬物を仕分けして収納して
おく衣類収納ボックスは、合成樹脂の成型体でボックス
本体を一体成型して大型ボックスを構成したものが汎用
的に利用されていた。しかし、この合成樹脂製の衣類収
納ボックスは、大型で嵩張ってしまうため商品の保管や
購入時の持ち運びが不便であるという問題があった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】一方、段ボール厚紙を
加工して組立式の衣類収納ボックスを構成するようにし
たものが軽量で持ち運びや取扱い時にコンパクトな収納
ボックスとして知られている。しかしながら、このもの
は強度的に弱く、重ねて使用すると潰れやすくなってし
まうとうい問題があり、一時的に僅かの衣類を収容する
には便利であっても多くの衣類を収容して多段に組み合
わせ使用することが困難であった。ましてや、多くのボ
ックス本体を引出し式に組み合わせて多段構成すること
は強度不足であり、収容量に制約があった。

【０００４】また、金属成型板を組み合わせて引出しボ
ックスを構成するようにした衣類収納庫も提供されてい
るが、上記金属製の組立式ボックスは販売時や輸送時に
は底板部分と左右側板部分および前板部材，後板部材を
分離した分解状態にしてコンパクトな梱包状態で取り扱
うことができて保管や輸送に空間を取らずにすむという
利点を有する反面、全体として重量が大きくて取扱い難
いとともに、金属材料で形成されているため、衝撃など
で変形してしまうと、永久歪みが残ってしまい引出し式
ボックスのスライド操作に支障をきたしてしまうという
問題があった。

【０００５】本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなさ
れたものであり、ボックス強度が強くて外部からの衝撃
力によっても変形を生じることがなく、しかも軽量で出
し入れをスムーズに行うことができる組立式引出しボッ
クスを提供することを目的としたものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の組立式引出しボックスは、四方周辺縁に接
合端部を有する底板部材と、上記底板部材の周縁に接合
される前板部材および後板部材と左右側板部材とからな
る組立式引出しボックスにおいて、上記底板部材および
前板部材、後板部材、側板部材が合成樹脂成型体より形
成されているとともに、上記両側板部材の外側面にレー
ル材と係合するスライド凹溝が全長に亘って水平方向に
一体成型され、後板部材の側端部に上記側板部材のスラ
イド凹溝と連通したガイド用凹所が一体に成型されてい
ることを特徴とする組立式引出しボックスである。

【０００７】

【作用】従って、本発明の組立式引出しボックスによれ
ば、底板部材および前板部材、後板部材、左右側板部材
とが合成樹脂成型体によって形成されているので、全体
が軽量であるとともに外部から衝撃力が加わっても変形
を生じにくい。

【０００８】また、側板部材の外側面にレール材と係合
するスライド凹溝が一体成型され、後板部材の側端部に
上記側板部材のスライド凹溝と連通したガイド用凹所が
一体に成型されているので側板部材そのものが成型によ
って強化されているとともに、レール材が該スライド凹
溝と側板部材のスライド凹溝によってスライド自在に係
合されるのでスライド移動がスムーズに行うことができ
る。

【０００９】

【実施例１】以下本発明の一実施例について、図面に従
って説明する。図１、図２、図３、図４は、本発明の組
立式ボックスのボックス本体15の各部材を示すものであ
る。図１は、底板部材１を示し、褐色に着色した合成樹
脂成型体からなり、略正方形状に形成されている。この
底板部材１の前端部には、前板部材７を結合させる接合
端部２が一体に設けられており、また後端部には後板部
材９を接合するための接合端部２が設けられている。ま
た左右の側端部には、側板部材１０接合するための接合
端部２が形成されている。即ち、接合端部２は底板部材
１の四方周辺縁に形成されているものである。

【００１０】上記接合端部２は、底板部材１の四方縁辺
を該底板部材１の厚みよりも若干薄く形成することによ
って基端の上下面にその厚みの差だけ上下方向に突出す
るストッパー面2aを有する細幅な嵌め込み部に形成され
てあり、この接合端部２の上面に該接合端部２が前後左
右板部材７、９、10と接合した際に接合部が抜け落ちる
のを防止する係合爪部３が辺方向に一定間隔毎に複数形
成されている。

【００１１】上記、係合爪部３にはその両側と下面側と
に隙間が設けられていて基端から水平に底板部材１の端
部に向かって突出してあり、その突出端の上面に係止用
の突起部3aを有し、この突起部3aを有する係止爪部３に
後述する前板部材７、後板部材９、左右側板部材10、10
の各嵌合部を弾性的に係合させることによって接合後の
抜け落ちを防止するものである。

【００１２】また、上記底板部材１の底面には、図２に
示すごとく格子状補強リブ４が一体に形成されており、
底板部材１の荷重に対する撓みを防止していると共に上
記接合端部２の下面にも周辺補強リブ５が一体成形され
ている。したがって、引出しボックスを構成した場合の
底板の撓みが小さく、引出しボックスを多段構成にして
ラック装置に組付けても、上下の引出しボックス同士が
擦れ合うことがなく安定してスライド操作を行うことが
できるものである。

【００１３】図３は、左右側板部材10、10を示し、その
前後端部を後述する前板部材７および後板部材９の側端
部を嵌合させる嵌合端部11に形成している。この嵌合端
部11には上記底板部材１の接合端部２と同じく、先端に
突起部11a を有する係止爪部11b を上下方向に一定間隔
毎に設けている。また、左右側板部材10、10の下端部内
面には前記底板部材１の接合端部２が嵌入、係止する横
長溝形状の接合凹部８が形成されている。この接合凹部
８の上壁面には長さ方向に一定間隔毎に底板部材１の上
記係合爪部３を弾性的に嵌入、係止させる係止孔8aが設
けられている。

【００１４】すなわち、図１に示した底板部材１の係合
爪部３を、図３における側板部材１０の係止孔8aに嵌入
させると、係合爪部３の上向きの爪部分が係合孔8aに嵌
合して係止されるようになる。この係合爪部３の係合で
側板部材10の底部分の抜けが防止されるので、大量の衣
類等を収容してもボックス本体の底が開くことがなくボ
ックス形状が良好に保持されるものである。

【００１５】上記左右側板部材10、10の外側面中央部に
は、引出しボックスをラックなどのレール材に対してス
ライド自在に係止するスライド凹溝12が水平方向に全長
に亘って一体成型されている。このスライド凹溝12は、
側板部材10の内側に向かって膨出させて一体成型されて
おり、側板部材10の補強桟としての作用も兼ね備えてお
り側板部材10への外部からの衝撃による変形を防止して
いる。また、側板部材10の側面には打ち抜き可能なスリ
ット部13が形成されている。上記スリット部13は、縦長
の環状の凹溝を成型して打ち抜き可能に形成されてお
り、通常は封鎖されたままで使用されるが、衣類などを
収納する際に、該スリット部13を必要に応じて適宜個数
を打ち抜いて縦長の通気穴が形成されるように設けられ
ている。

【００１６】従って、上記側板部材10は、側面からの衝
撃に対して凹溝成型部12が一体的な補強桟を構成してい
るので、衝撃による変形が生じ難く構成されている。ま
た、引出し用ボックスにした場合には、ボックス本体15
の側面にレール嵌合用のスライド凹溝12が一体成型によ
って形成されているので、該スライド凹溝12がレール材
によって両側から挟んで支持されるようになり引出しボ
ックス本体15の出し入れ操作をスムーズにすることがで
きる。さらに、側板部材10の側面には打ち抜き可能なス
リット部13が形成されているので通気性を必要とする物
品を収容する場合には、充分な通気性を保持させること
が可能であるという利点を有する。

【００１７】図４は、前板部材７および後板部材９を示
すものであり、前板部材７は、半透明の乳白色の合成樹
脂成型体から形成されており、前面には把手凹部7cが一
体的に形成されている。また、前後板部材７、９の両側
端部の対向面には前記側板部材10、10の前後端に設けた
嵌合端部11、11と嵌合し合う縦長溝形状の接合用凹部7
a、9aを夫々形成してあり、これらの接合用凹部7a、9a
の内壁面に嵌合端部11の突起部11a を有する係止爪部11
b が弾性的に係脱自在に係合する係止孔7b、9bを形成し
てある。さらに、前板部材７の背面下端縁と後板部材の
前面下端縁には底板部材１の接合端部２が嵌合する横長
溝状の接合凹部８が設けられてあり、この接合凹部８の
上壁面に長さ方向に一定間隔毎に底板部材１の係合爪部
３が弾性的に係止可能な係止孔8aが形成されている。ま
た、上記後板部材９の側端部に上記側板部材のスライド
凹溝12と連通したガイド用凹所14が前後に貫通状態で成
形され、このスライド凹溝12とガイド用凹所14の連通に
よってレール材が挿入可能に形成されている。

【００１８】従って、底板部材１の左右接合端部２、２
に側板部材10、10の下端接合凹部８、８を嵌入、係止さ
せた後に底板部材１の前後接合端部２、２に前板部材７
と後板部材９との下端接合凹部８を嵌入、係止させると
同時にこれらの前後板部材７、９の両側接合用凹部7a、
9aを両側板部材10、10の前後嵌合端部11に嵌め込み係止
させると、両側板部材10のスライド凹溝12と後板部材９
のガイド用凹所14が連通して図５に示すごとくレール材
と係合可能なスライド溝部を有する一体的なボックス本
体15が形成されるようになる。

【００１９】図６および図７は、上記ボックス本体15を
２列で上下２段にしてラック装置20に装填させた引出し
装置を示すものであり、ボックス本体15の側板部材10の
側面においてスライド凹溝12とラック装置20のレール材
21とが係合して引出し装置を構成している。ラック装置
20の上段部分は物置棚22を形成してあり、また、ラック
装置20の下端部には支柱パイプ23を移動自在に支持する
キャスター装置24が設けられている。

【００２０】なお、このとき各ボックス本体15は全体が
合成樹脂の成型体によって構成されているので、外部か
らの衝撃で変形を生じ難いためレール材21との係合が容
易であり、しかもスライド凹溝12が上記ボックス本体15
の側板部材12の側面に一体的に形成されているのでレー
ル材21と係合させた後のスライド操作が楽に行えるもの
である。

【００２１】従って、ボックス本体15の両側の側板部材
10が直接スライド自在に支持されるようになり収納物に
偏りがあってもボックス本体15が傾いたりすることがな
く、常にスムーズなスライド操作を行うことができ、ス
ライド操作を静かに行うことができるものである。

【００２２】なお、上記実施例において側板部材10のス
ライド凹溝12は、側板部材10の中央部に１本以上設けて
おいて側板部材10のスライド時の安定性をさらに向上さ
せて構成してもよい。

【００２３】また、上記組立式ボックスは、衣類の他の
収納にも使用可能であることは言うまでもなく、ビデオ
カセットなどのオーディオ製品など増えやすい商品の収
納にも有効に活用できるものである。

【００２４】

【発明の効果】以上述べた如く、本発明は、四方周辺縁
に接合端部を有する底板部材と、上記底板部材の周縁に
接合される前板部材および後板部材と左右側板部材とか
らなる組立式引出しボックスにおいて、上記底板部材お
よび前板部材、後板部材、側板部材が合成樹脂成型体よ
り形成されているとともに、上記両側板部材の外側面に
レール材と係合するスライド凹溝が全長に亘って水平方
向に一体成型され、後板部材の側端部に上記側板部材の
スライド凹溝と連通したガイド用凹所が一体に成型され
ていることを特徴とする組立式引出しボックスであるの
で、側板部材のスライド凹溝によって全体強度が高めら
れており、ボックス強度が強くて外部からの衝撃力によ
っても変形を生じることがなく、しかも全体が合成樹脂
成型体によって形成されているのでボックス本体が軽量
で出し入れをスムーズに行うことができるという効果を
有するものである。

【００２５】また、上記組立式引出しボックスよれば、
引出し装置を分解してコンパクトな状態で梱包や輸送が
出来るものであり、輸送中の衝撃等による変形も生じ難
く、安定した組み立て性と組み立て後のスライド操作性
を発揮させることができるという利点を有する。

【００２６】さらに、スライド凹溝を側板部材に一体成
型してあるので、スライド凹溝の数を複数条設けておく
ことで、ボックス強度を一層強くすることも可能であ
り、レール材との係合位置を上記スライド凹溝の位置に
合わせて複数段にして用いると重量物の収容にも充分使
用できる引出し装置を形成することができるという利点
を有するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】底板部材の斜視図、

【図２】底板部材の底面図、

【図３】両側板部材を示す斜視図、

【図４】前板部材と後板部材を示す斜視図、

【図５】引出しボックスの組み立て状態を示す斜視図、

【図６】引出しボックスをラック装置に装填して引出し
を構成した状態を示す斜視図、

【図７】引出しボックスをレール材に係合させた状態を
示す正面図。

【符号の説明】

１ 底板部材 ２ 接合端部 ３ 係合爪部 ７ 前板部材 ８ 接合凹部 ９ 後板部材 10 側板部材 11 嵌合端部 12 スライド凹溝 14 ガイド用凹所 15 ボックス本体 20 ラック装置 21 レール材

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 四方周辺縁に接合端部を有する底板部材
   と、上記底板部材の周縁に接合される前板部材および後
   板部材と左右側板部材とからなる組立式引出しボックス
   において、上記底板部材および前板部材、後板部材、側
   板部材が合成樹脂成型体より形成されているとともに、
   上記両側板部材の外側面にレール材と係合するスライド
   凹溝が全長に亘って水平方向に一体成型され、後板部材
   の側端部に上記側板部材のスライド凹溝と連通したガイ
   ド用凹所が一体に成型されていることを特徴とする組立
   式引出しボックス。