JPH0714568Y2 - 縦列型垂直循環式駐車装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は縦列型垂直循環式駐車装置に関するものであ
る。

［従来の技術］ 限られた敷地に効率良く経済的に複数の車を駐車する装
置として、垂直循環式駐車装置がある。該垂直循環式駐
車装置は、駆動装置により垂直方向へ循環可能に張設さ
れたチェーンの複数箇所にケージ枠を備え、該ケージ枠
に車を積載可能なパレットを載置して構成したもので、
車の入出庫口に順次ケージ枠を循環して車を積載し、前
記チェーンに備えたケージ枠の数に応じた台数の車を収
容可能とするものである。このような垂直循環式駐車装
置においては、いかに所定高さ内に多くの車を収納でき
るかが重要な課題となっている。

第５図〜第８図は、上記垂直循環式駐車装置のうち、縦
長の敷地に適用される縦列型垂直循環式駐車装置１を示
すもので、２基の垂直循環式駐車装置を車２の入出庫方
向に連設したものである。図中、３は前扉、４は前側ケ
ージ枠、５は奥側ケージ枠、６は中間扉、７及び８はパ
レット、９は前記２基の垂直循環式駐車装置の下部間を
移動可能なパレット移動装置であるトラバーサ、10は入
出庫部を示している。

上記縦列型垂直循環式駐車装置１の作動を奥側の垂直循
環式駐車装置からの出庫を例にとって以下に説明する
（以下の説明では図面の左側を前側、図面の右側を奥側
としている。）。

ケージ枠呼出し用のボタンを管理者が押すと、前扉３が
閉じ、中間扉６が開き、前側ケージ枠４と奥側ケージ枠
５が同時に循環作動する（第５図参照）。

前側の垂直循環式駐車装置の図示しないチェーンは、１
個所だけケージ枠を装着しない空スペースを有してお
り、前記前側の垂直循環式駐車装置ほ、この空スペース
が入出庫部10の前扉３に対向する位置に来ると止まる。
又、奥側の垂直循環式駐車装置は、出庫させたい車２′
を積載したパレット８を載置した奥側ケージ枠５が前記
入出庫部10の奥側に来ると止まる。この時、トラバーサ
９は、前記出庫させたい車２′を積載した奥側のパレッ
ト８の下部に配されており、前記トラバーサ９は、具備
しているジャッキアップ機構により前記パレット８をジ
ャッキアップして持ち上げ、奥側ケージ枠５から外して
支持する（第６図参照）。

続いてトラバーサ９は、前側の空スペースへと移動して
パレット８及び車２′を搬送する（第７図参照）。

前記パレット８が前扉３の下端にセットされると、中間
扉６が閉じ、前扉３が開いて車２′が出庫される（第８
図参照）。

以上説明したように、縦列型垂直循環式駐車装置１にお
いて、奥側の垂直循環式駐車装置から出庫させる為に
は、トラバーサ９によってパレット８を持ち上げ、奥側
ケージ枠５から外して前側へ搬送しなければならず、
又、奥側の垂直循環式駐車装置へ入庫する為には、上述
の逆の作動が必要となる為、奥側ケージ枠５は、トラバ
ーサ９がパレット８を持ち上げ支持した状態で移動でき
るよう、奥側ケージ枠５を構成するケージ長軸5aに支持
された前側のハンガー5bと奥側のハンガー5cのうち第９
図に示すように前側のハンガー5bの下端部11に欠損部12
を形成していた。

従って、奥側ケージ枠５の前側のハンガー5bの下端部11
においては、下側のケージ枠の上端のケージ長軸5aを前
記欠損部12に侵入させてパレット８下面ぎりぎりまで重
複配置することが可能である。

［考案が解決しようとする課題］ しかし、第10図に示すように前記奥側ケージ枠５の奥側
のハンガー5cの下端部13は、連続して継がれており、上
方へ山なりに屈曲させて次のケージ枠のケージ長軸5aか
ら逃がしたとしても、パレット８より上側には屈曲させ
られない為、前記奥側ケージ枠５の奥側のハンガー5cの
下端部13の上下方向の厚さ寸法分だけ下側のケージ枠５
のケージ長軸5aを上側のケージ枠５に吊下支持したパレ
ット８下面に近づけることができない。この為、下側の
前側ハンガー5b側においては上側のパレット８下面ぎり
ぎりまで下側のケージ枠５のケージ長軸5aを近づけて上
下のケージ枠５相互を重複させることが可能であるにも
かかわらず、実際には奥側ハンガー5c側で規定される位
置までしか上下のケージ枠５相互を重複させることがで
きなかった。

本考案は、上述の実情に鑑みて成したもので、ケージ枠
強度を高めて、ケージ枠の奥側ハンガーの下端部にも欠
損部を形成して、両ハンガーの欠損部に隣接する次のケ
ージ枠のケージ長軸を最大限侵入させ重複させることに
よって、所定高さに対する車の収容台数を増大し、更に
３基以上の縦列型の垂直循環式駐車装置をも実現するこ
とを目的としている。

［課題を解決するための手段］ 本考案は複数のケージ枠をチェーンによって循環させる
垂直循環式駐車装置を車の入出庫方向に２基以上縦列状
態に連設し、入出庫部の下部に設置されたトラバーサに
より、奥側ケージ枠のパレットを持ち上げて搬送するこ
とによって、奥側の垂直循環式駐車装置への入出庫を可
能にした縦列型垂直循環式駐車装置において、前記奥側
の垂直循環式駐車装置のケージ枠を構成するケージ長軸
の両端部に、パレットを吊下支持する為の前側ハンガー
及び奥側ハンガーの上端部幅方向中央を夫々回動自在に
取付け且つ前記前側ハンガー及び奥側ハンガーを夫々の
下端部同士が互いに近接するよう内側に傾斜させて姿勢
固定すると共に該下端部同士が同一高さとなるよう形成
し、前記前側ハンガー及び奥側ハンガーの下端部中央
に、前記パレットを持ち上げ支持したトラバーサが移動
可能な幅の欠損部を形成し、前記奥側の垂直循環式駐車
装置の各ケージ枠が上下に並んだ際に下側のケージ枠の
ケージ長軸が上側のケージ枠の前側ハンガー及び奥側ハ
ンガーの欠損部内に配置されるように各ケージ枠のケー
ジ長軸をチェーンに取付けたことを特徴とするものであ
る。

［作用］ 従って、各ケージ枠が上下に並んだ際に下側のケージ枠
のケージ長軸が上側のケージ枠の前側ハンガー及び奥側
ハンガーの欠損部内に配置されるようにしているので、
チェーンに取付けられる各ケージ枠間のケージ取付ピッ
チが短かくなり、又、トラバーサはケージ枠から持ち上
げて外したパレットを縦列方向どちらへも搬送可能とな
る。

［実施例］ 以下、図面に基づいて本考案の実施例を説明する。

第１図及び第２図は本考案の一実施例であり、図中第５
図〜第10図と同一の符号を付した部分は同一物を表わし
ている。

前述の従来例と略同様の構成の縦列型垂直循環式駐車装
置において、両端部をチェーン15に回動自在に取付けて
水平に延びるケージ長軸14を設け、該ケージ長軸14の両
端部に、夫々その上端の中央部を回動自在に固定され且
つその下部が互いに近接する方向に傾斜した略矩形形状
の前側ハンガー16及び奥側ハンガー17を設け、該前側ハ
ンガー16及び奥側ハンガー17の下端部11及び13の中央部
に、図示しないトラバーサが移動可能な幅の欠損部12及
び18を形成して奥側ケージ枠５を構成し、更に、該奥側
ケージ枠５の夫々を、図示の如く上下に並べた際に下側
のケージ枠５′のケージ長軸14′が上側のケージ枠５の
前側ハンガー16及び奥側ハンガー17の欠損部12,18内に
配置されるように前記チェーン15に取付けて奥側の垂直
循環式駐車装置19を構成する。

上記構成の奥側ケージ枠５を有する奥側の垂直循環式駐
車装置19によれば、第３図（イ）及び（ロ）に示すよう
に、隣接する奥側ケージ枠５′のケージ長軸14′を、パ
レット８の下面ぎりぎりまで侵入させることができ（第
３図（ロ）参照）、従来の奥側ケージ枠5,5′間の重複
可能高さｌ′（第３図（イ）参照）より、重複可能高さ
ｌを増やすことができる。

この時、前記前側ハンガー16及び奥側ハンガー17の下端
部11及び13は、互いに近接する方向に傾斜しているの
で、次の奥側ケージ枠５′の前側ハンガー16′及び奥側
ハンガー17′は前記下端部11及び13より外側に張り出し
た状態となっており、互いに当接しないように構成され
ている（第１図参照）。

従って、上記によれば、奥側ケージ枠５間の重複可能高
さが増えたことにより、従来より所定高さに対する収容
台数を増大することができる。例えば、本考案によれ
ば、従来31m以内に30台収容可能であったものが、同一
高さで32台収容可能となり、２台も余分に収容すること
ができる。

又は、前側ハンガー16及び奥側ハンガー17の両方に欠損
部12,18が形成されたことにより、トラバーサはどちら
へも移動可能となる為、第４図に示すように垂直循環式
駐車装置19を車２の入出庫方向に３基以上連設し（図中
は３縦列型を示す）、更に前記入出庫方向両側に出入口
20及び21を設けた構成とすれば、図示しない１台のトラ
バーサで、縦列を貫通する両側からの入出庫が可能とな
る。

尚、本考案の縦列型垂直循環式駐車装置は、上述の実施
例にのみ限定されるものではなく、本考案の要旨を逸脱
しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論で
ある。

［考案の効果］ 以上説明したように本考案の縦列型垂直循環式駐車装置
によれば、下記の如き種々の優れた効果を奏し得る。

各奥側ケージ枠が上下に並んだ際に下側のケージ枠の
ケージ長軸を上側のケージ枠の前側ハンガー及び奥側ハ
ンガーの欠損部内に配置させることによって、奥側ケー
ジ枠相互間の重複可能高さを増やすことができるので、
縦列型垂直循環式駐車装置の所定高さに対する車の収容
台数を従来より増大することができる。

トラバーサの移動方向が２方向になったことによっ
て、１台のトラバーサで縦列を貫通する両側からの出入
庫を可能とする３縦列以上の縦列型垂直循環式駐車装置
を実現できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の側面図、第２図は第１図の
II-II方向矢視図、第３図（イ）は従来のケージ枠の重
複部分を示す拡大図、第３図（ロ）は本考案の一実施例
のケージ枠の重複部分を示す拡大図、第４図は本考案の
変形例を示す上面断面図、第５図、第６図、第７図、第
８図は縦列型垂直循環式駐車装置の入出庫部における構
成と作動を示す断面図、第９図は従来例の奥側ケージ枠
の正面図、第10図は従来例の背面図である。 図中、２は車、５は奥側ケージ枠（ケージ枠）、7,8は
パレット、９はトラバーサ、10は入出庫部、11は下端
部、12は欠損部、13は下端部、14はケージ長軸、15はチ
ェーン、16は前側ハンガー、17は奥側ハンガー、18は欠
損部、19は垂直循環式駐車装置を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】複数のケージ枠をチェーンによって循環さ
   せる垂直循環式駐車装置を車の入出庫方向に２基以上縦
   列状態に連設し、入出庫部の下部に設置されたトラバー
   サにより、奥側ケージ枠のパレットを持ち上げて搬送す
   ることによって、奥側の垂直循環式駐車装置への入出庫
   を可能にした縦列型垂直循環式駐車装置において、前記
   奥側の垂直循環式駐車装置のケージ枠を構成するケージ
   長軸の両端部に、パレットを吊下支持する為の前側ハン
   ガー及び奥側ハンガーの上端部幅方向中央を夫々回動自
   在に取付け且つ前記前側ハンガー及び奥側ハンガーを夫
   々の下端部同士が互いに近接するよう内側に傾斜させて
   姿勢固定すると共に該下端部同士が同一高さとなるよう
   形成し、前記前側ハンガー及び奥側ハンガーの下端部中
   央に、前記パレットを持ち上げ支持したトラバーサが移
   動可能な幅の欠損部を形成し、前記奥側の垂直循環式駐
   車装置の各ケージ枠が上下に並んだ際に下側のケージ枠
   のケージ長軸が上側のケージ枠の前側ハンガー及び奥側
   ハンガーの欠損部内に配置されるように各ケージ枠のケ
   ージ長軸をチェーンに取付けたことを特徴とする縦列型
   垂直循環式駐車装置。