JPH0739760B2 - 上部乗入方式の垂直循還式駐車設備 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、奥行方向に細長い形状のビルディングの地下
部分に自動車を収容する上部乗入方式の垂直循環式駐車
設備に関するものである。

［従来の技術］ 一般に、上部乗入方式の垂直循環式駐車装置は、第６図
に示す如く、自動車の出入方向と平行に配した回転軸を
有する駆動スプロケット１及び従動スプロケット２を上
下に配設し該駆動スプロケット１及び従動スプロケット
２に駆動用主務チェーン３を無端状に掛回したものを、
自動車の出入方向に所要間隔を開けて二組配設し、前記
駆動用主務チェーン3,3に図示しない車止め、ドアプロ
テクタ等を備えた複数の駐車用パレット４を水平に掛渡
すよう等間隔に取付けてあり、上端に設置された出入口
５から前記パレット４上に自動車が入出庫するようにな
っている。

通常、前記上部乗入方式の垂直循環式駐車装置はビルデ
ィングの地下部分に単独一基で設置されることが多く、
この時の収容台数はビルディング建設地の地盤条件によ
り制約を受ける地下部のシャフト深さ即ち前記上下に配
設される駆動スプロケット１、及び従動スプロケット２
の間隔によって決定される。

従って、自動車の収容台数を増やす必要がある場合は、
前記上部乗入方式の垂直循環式駐車装置を並列に二基以
上設置すれば良いが、間口寸法も当然大きくなり、平面
配置上不可能な場合も多く、適用範囲が狭かった。

この為、前記各駐車用パレット４の奥行寸法を延長し、
該駐車用パレット４上に二台の自動車を縦列に載置し、
収容台数を増加させる形式の上部乗入方式の垂直循環式
駐車装置があった。

［発明が解決しようとする問題点］ しかしながら、前述の如く、一枚の駐車用パレット上に
自動車を二台縦列に載置する方法では、該駐車用パレッ
ト上の奥側に載置された自動車の入出庫を行う際には、
その都度手前側の自動車を駐車用パレット外に移動させ
ねばならず、入出庫の効率が悪いという問題を有してい
た。

［問題点を解決するための手段］ 本発明は、前述の従来の問題点を解決することを目的と
してなしたものであり、第一の発明は、垂直方向に循環
可能に配設された複数の駐車用パレットを有し且つ上端
位置に移動させた駐車用パレットに対し出入口から自動
車を入出庫し得るよう構成した上部乗入方式の垂直循環
式駐車装置を、自動車の進行方向に対して縦列に配設
し、該垂直循環式駐車装置のうち少なくとも最奥列の垂
直循環式駐車装置以外の垂直循環式駐車装置における所
要位置の駐車用パレットの代わりに、自動車が通過可能
な平板状の通過用パレットを設けると共に、縦列に配設
された垂直循環式駐車装置の前記上端位置間に、自動車
の乗移り用の接続路を設置したことを特徴とするもので
あり、又、第二の発明は、垂直方向に循環可能に配設さ
れた複数の駐車用パレットを有し且つ上端位置に移動さ
せた駐車用パレットに対し出入口から自動車を入出庫し
得るよう構成した上部乗入方式の垂直循環式駐車装置
を、自動車の進行方向に対して縦列に配設し、該垂直循
環式駐車装置のうち少なくとも最奥列の垂直循環式駐車
装置以外の垂直循環式駐車装置における所要位置の駐車
用パレットを除去し、該所要位置の駐車用パレットを除
去した垂直循環式駐車装置の天井部に、自動車が通過可
能な平板状の車路版を、前記天井部と前記自動車が入出
庫される上端位置との間で昇降可能となるよう、吊下げ
配置すると共に、縦列に配設された垂直循環式駐車装置
の前記上端位置間に、自動車の乗移り用の接続路を設置
したことを特徴とするものである。

［作用］ 第一の発明のおいては、奥側に位置する上部乗入方式の
垂直循環式駐車装置に自動車を入出庫する際には、該垂
直循環式駐車装置より出入口側の垂直循環式駐車装置の
上端位置に通過用パレットを移動させ、この状態で、該
通過パレット上と接続路上を自動車が通過し、入出庫が
行われる。

又、第二の発明においては、奥側に位置する上部乗入方
式の垂直循環式駐車装置に自動車を入出庫する際には、
該垂直循環式駐車装置より出入口側の垂直循環式駐車装
置の上端位置に、駐車用パレットを除去した部分を移動
させ、該駐車用パレットを除去した部分に車路版を下降
せしめ、この状態で、該車路版上と接続路上を自動車が
通過し、入出庫が行われる。

［実施例］ 以下、図面を参照しつつ本発明の実施例を説明する。

第１図〜第３図に示す如く、奥行方向に細長い形状のビ
ルディングの出入口５に対して上部乗入方式の垂直循環
式駐車装置を奥側及び手前側の地下部分に縦列に二基設
け、奥側駐車装置６については従来と全く同一の構成と
し、手前側駐車装置７については無端状の駆動用主務チ
ェーン3,3に取付けられた任意位置（本実施例では上下
端の二か所）に於ける駐車用パレット４の代わりに、車
止め、ドアプロテクタ等の付属品のついていない平板状
の通過用パレット８を前記駐車用パレット４と同様に取
付ける。

前記奥側駐車装置６及び手前側駐車装置７の各上端に位
置する駐車用パレット４及び通過用パレット８間に、該
駐車用パレット４と通過用パレット８とを結ぶ接続路９
を設けると共に、前記駐車用パレット４及び通過用パレ
ット８の左右両側方位置に、運転者の乗降用プラットホ
ーム10を、駆動用主務チェーン3,3が循環駆動される際
に該乗降用プラットホーム10と前記駐車用パレット４、
通過用パレット８及び自動車11とが干渉しない様昇降自
在に設ける。

前述の如く構成したので、奥側駐車装置６に自動車11を
入庫する場合、先ず、乗降用プラットホーム10を上昇せ
しめ、奥側駐車装置６の駆動スプロケット1,1にて駆動
用主務チェーン3,3を駆動して空き駐車用パレット４を
上端に移動させると共に、手前側駐車装置７の駆動スプ
ロケット1,1にて駆動用主務チェーン3,3を駆動して通過
用パレット８を上端に移動させる。続いて、乗降用プラ
ットホーム10を前記駐車用パレット４及び通過用パレッ
ト８の位置迄下降せしめた後、自動車11を出入口５より
通過用パレット８上を通過させて奥側駐車装置６の駐車
用パレット４上に載置し、該自動車11より運転者が降り
前記乗降用プラットホーム10を通って駐車装置外に退場
する。

前記奥側駐車装置６より自動車11を出庫する際には、乗
降用プラットホーム10を上昇せしめ、奥側駐車装置６の
出庫させるべき自動車11を載置した駐車用パレット４を
上端に移動させると共に、手前側駐車装置７の通過用パ
レット８を上端に移動させ、前記乗降用プラットホーム
10を下降せしめた後、出入口５より運転者が入場し乗降
用プラットホーム10を通って自動車11内に乗込み、該自
動車11を通過用パレット８上を通過させて出入口５より
駐車装置外へ出庫せしめる。

又、手前側駐車装置７に自動車11を入出庫する場合、奥
側駐車装置６は停止した状態で、手前側駐車装置７の通
過用パレット８以外の任意の駐車用パレット４（入庫の
際は空き駐車用パレット４、出庫の際は出庫させるべき
自動車を載置した駐車用パレット４）を上端に移動さ
せ、一基の場合と全く同様に行えばよい。

即ち、奥側の自動車を入出庫する際にも手前側の自動車
を駐車用パレット４外に移動させる必要がなく、効率浴
自動車の入出庫を行えると共に、既存の上部乗入方式の
垂直循環式駐車装置を一部改造するだけで奥行方向に細
長い形状のビルディングに設置でき、自動車の収容台数
を増加できる。

第４図及び第５図は本発明の他の実施例を示すものであ
り、手前側駐車装置７の任意位置（本実施例では上下端
の二か所）に於ける駐車用パレット４を除去し、平板状
の車路版12を、図示しない駆動装置を備えたリンク機構
等により手前側駐車装置７の上端に於ける駐車用パレッ
ト４位置と天井との間を昇降可能に吊下げ、その他の構
成については前記実施例と同様としたものである。

該他の実施例の如き構成では、奥側駐車装置６に自動車
11を入出庫する場合、車路版12及び乗降用プラットホー
ム10を駐車用パレット４等と干渉しない様上昇せしめ、
奥側駐車装置６の任意の駐車用パレット４を上端に移動
させると共に、手前側駐車装置７の駐車用パレット４を
除去した位置を上端に移動させ、前記車路版12及び乗降
用プラットホーム10を下降せしめた後、自動車11を車路
版12上を通過させて入出庫を行う。

又、手前側駐車装置７に自動車11を入出庫する場合、奥
側駐車装置６は運転せず、車路版12を上方に待機させた
状態で、手前側駐車装置７の任意の駐車用パレット４を
上端に移動せしめ、一基の場合と同様の操作を行えばよ
い。

該他の実施例に於いても、前記実施例と同様に奥側の自
動車を効率良く入出庫できると共に、自動車の収容台数
を増加し得る。

更に他の実施例として、複数の駐車装置を縦列に配置し
た上部乗入方式の垂直循環駐車設備の両側に出入口を設
置し、各駐車装置に全て通過用パレット或は車路版を設
けることにより、自動車がビルディング内を通り抜ける
ことも可能となる。尚、両方の出入口から夫々自動車を
入出庫するのみで、ビルディング内を自動車が通り抜け
る必要のない場合は、複数の駐車装置のうちの最奥列
（中央部）のものには通過用パレット等を設ける必要は
ない。

尚、本発明は前記実施例にのみ限定されるものではな
く、上部乗入方式の垂直循環式駐車装置を二基以上縦列
に配設してもよいこと、車路版12の支持機構及び待機位
置は種々選定し得ること、等本発明の要旨を逸脱しない
範囲内に於いて種々変更を加え得ることは勿論である。

［発明の効果］ 以上述べた如く、本発明によれば、出入口から奥側に位
置する上部乗入方式の垂直循環式駐車装置の駐車用パレ
ット上に載置された自動車を、手前側の自動車を駐車用
パレット上より出庫することなく、入出庫できる為、自
動車の入出庫に要する時間を短縮し得ると共に、平面上
制約される奥行方向に細長い形状のビルディング等にも
既存の上部乗入方式の垂直循環式駐車装置を一部改造す
るだけで設置でき収容効率の増大を図り得る。

又、奥行方向に前後二か所の出入口がある場合は、縦列
に配設した全ての上部乗入方式の垂直循環式駐車装置に
通過用パレット或は車路版を設けることにより、自動車
が一方の出入口から他方の出入口へ通り抜けることもで
きる等の種々の優れた効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例を示す概略側面図、第２図は第
１図のII−II矢視図、第３図は第１図のIII−III矢視
図、第４図は本発明の他の実施例を示す概略側面図、第
５図は第４図のＶ−Ｖ矢視図、第６図は一般的な上部乗
入方式の垂直循環式駐車装置を示す斜視図である。 ４は駐車用パレット、５は出入口、６は奥側駐車装置、
７は手前側駐車装置、８は通過用パレット、９は接続
路、11は自動車、12は車路版を示す。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】垂直方向に循環可能に配設された複数の駐
   車用パレットを有し且つ上端位置に移動させた駐車用パ
   レットに対し出入口から自動車を入出庫し得るよう構成
   した上部乗入方式の垂直循環式駐車装置を、自動車の進
   行方向に対して縦列に配設し、該垂直循環式駐車装置の
   うち少なくとも最奥列の垂直循環式駐車装置以外の垂直
   循環式駐車装置における所要位置の駐車用パレットの代
   わりに、自動車が通過可能な平板状の通過用パレットを
   設けると共に、縦列に配設された垂直循環式駐車装置の
   前記上端位置間に、自動車の乗移り用の接続路を配置し
   たことを特徴とする上部乗入方式の垂直循環式駐車設
   備。
2. 【請求項２】垂直方向に循環可能に配設された複数の駐
   車用パレットを有し且つ上端位置に移動させた駐車用パ
   レットに対し出入口から自動車を入出庫し得るよう構成
   した上部乗入方式の垂直循環式駐車装置を、自動車の進
   行方向に対して縦列に配設し、該垂直循環式駐車装置の
   うち少なくとも最奥列の垂直循環式駐車装置以外の垂直
   循環式駐車装置における所要位置の駐車用パレットを除
   去し、該所要位置の駐車用パレットを除去した垂直循環
   式駐車装置の天井部に、自動車が通過可能な平板状の車
   路版を、前記天井部と前記自動車が入出庫される上端位
   置との間で昇降可能となるよう、吊下げ配置すると共
   に、縦列に配設された垂直循環式駐車装置の前記上端位
   置間に、自動車の乗移り用の接続路を設置したことを特
   徴とする上部乗入方式の垂直循環式駐車設備。