JPH0645970B2

JPH0645970B2 - 機械式立体駐車装置

Info

Publication number: JPH0645970B2
Application number: JP6893888A
Authority: JP
Inventors: 巖高尾
Original assignee: Kawasaki Jukogyo KK
Current assignee: Kawasaki Motors Ltd
Priority date: 1988-03-22
Filing date: 1988-03-22
Publication date: 1994-06-15
Anticipated expiration: 2009-06-15
Also published as: JPH01244080A

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）本発明は多くの台数の自動車を駐車させることができる
機械式立体駐車装置に関するものである。

（従来技術）従来の一般的な機械式立体駐車装置には、第９図及び第
10図に示す縦型の立体駐車装置２（Ｉ型、ここでは二連
棟を図示）と第11図及び第12図に示す横型の立体駐車装
置３（Ｈ型、ここでは一棟を図示）とがある。いずれも
昇降スペース11,13が中央にあり、縦型２はエレベータ1
1aから各階の自動車格納スペース12に自動車Ｘの前後方
向にパレット15を水平移動させて搬入するのに対し、横
型３はエレベータ13aから各階の自動車格納スペース14
に自動車Ｘの左右方向にパレット15を水平移動させて搬
入する。

（発明が解決しようとする問題点）上記した従来の機械式立体駐車装置は、縦型および横型
の両者とも、中央部に昇降スペース11,13が設けられて
おり、この昇降スペース11,13内には自動車Ｘを駐車出
来ない。

また、縦型２の場合は、エレベータ11aに自動車Ｘを進
入させるために、昇降スペース11の入口の前方に自動車
Ｘの進入スペース12a（第10図）が必要であって、この
部分にも自動車Ｘを駐車出来ない事になる。従って、例
えば４階建ての場合、縦型２では１棟に７台の駐車がで
き、横型３では８台の駐車ができる。然し、いずれも４
台分に相当する昇降スペース11,13内には駐車ができな
い。この条件は、前記した縦型又は横型の立体駐車装置
を複数棟連設した、いわゆる連棟式の場合にも同様であ
る。従って、連棟式にしても、自動車の駐車台数は一棟
式の駐車台数の倍数で増加するに過ぎないので、単位面
積当たりの駐車効率は改善されない。

（発明の目的）この発明は上述の点に鑑みてなされたもので、前記した
機械式立体駐車装置の自動車の昇降用スペース内にも自
動車を駐車できるようにして、従来の縦型又は横型の立
体駐車装置に比べて、より少ない占有面積でより多くの
台数の自動車を駐車できる、機械式立体駐車装置を提供
することが目的である。

（問題点を解決するための手段）上記した目的を達成するためのこの発明の機械式立体駐
車装置の要旨とするところは、自動車を移動可能なパレ
ットに搭載してパレットごと昇降させ、各階の自動車格
納スペースにパレットごと水平移動させて自動車を格納
する機械式立体駐車装置において、前記パレットを上下
に昇降させる昇降スペースを挟んでその前後に、自動車
の格納スペースを設けた一対の基本ユニットを左右に連
接して並設し、左右の昇降スペースの少なくとも四隅部
には上下方向に循環する循環チェーンを装備すると共
に、左右の昇降スペース間の循環チェーンは共通にし、
相対向する循環チェーンには前記格納スペースの上下間
隔に対応して前記パレットに係合可能な係合部材を配設
し、前記左右の昇降スペースの最下階間および前側又は
後側の少なくとも一方の左右の格納スペースの最上階間
に、パレットの左右移動機構をそれぞれ設けて、前記左
右の昇降スペース内にも、その循環操作に必要なスペー
ス部分を除いて自動車の格納スペースとして使用できる
ようにしたことである。

（作用）この発明の機械式立体駐車装置によれば、左右の昇降ス
ペースと前又は後の左右の格納スペースの最上階とを、
自動車を出庫又は入庫させる際にパレットの循環操作用
スペースとして使用する。そして、格納スペース内の車
庫に駐車中の自動車を出庫させるには、昇降スペース内
の数基のパレットのうち１基を、前又は後の格納スペー
スの最上階の一方に引き込んで昇降スペース内に空スペ
ースをつくり、その空スペースへ格納スペースの車庫か
ら出庫予定の自動車をパレットごと送り出し、順次循環
操作を行うことにより昇降スペースの最下階より出庫さ
せることができる。また、自動車を駐車装置内に入庫さ
せる場合は、昇降スペースの最下階に空きパレットを待
機させておき、その空きパレット上に自動車を搬入し、
順次循環操作を行うことにより格納スペース内のパレッ
トが格納されていない空き車庫に搬入することができ
る。さらに、本発明の立体駐車装置によれば、自動車を
入出庫させる循環操作の都合上、左右の昇降スペース６
内の下降側の最下階５と上昇側の最上階、並びに昇降ス
ペースの前又は後の左右の格納スペースの最上階の２ケ
所は空けておかなければならないが、それ以外のスペー
スには自動車を駐車させることができる。

（実施例）以下、この発明の４階建の機械式立体駐車装置の実施例
を第１図〜第８図に基づいて説明する。

第１図にその平面を示すように、自動車Ｘの昇降スペー
ス６が中央にあり、その昇降スペース６を挟んで前後に
自動車Ｘの格納スペース７，８を連設した構造の基本ユ
ニット１′の一対を左右に相隣接して並設する。前記格
納スペース７，８内の各階は、自動車Ｘを駐車させるた
めの車庫7a,8aに構成されており、各車庫7a,8aには自動
車Ｘを載置して移動させるためのパレット15が格納され
ている。また、前側の左右の格納スペース７の最下階４
は、自動車Ｘの出入用通路として空けてある。

前記した左右の昇降スペース６の少なくとも四隅部に
は、無端の循環チェーン20,21をそれぞれ上下のスプロ
ケット20a,21a及び20b,21bに掛け渡し、上下方向に沿っ
て回動自在に配備するが、第４図及び第６図に示すよう
に、左右の昇降スペース６間の循環チェーン21は共通に
して、循環チェーン21の片側ずつを使用できるようにす
る。

前後の各循環チェーン20,21の相対向位置には、前記格
納スペース７，８の一階分（車庫7a,8a）の上下間隔に
対応させて、自動車載置用パレット15の係合部材として
のパレットレール18,19を架け渡して配設する。パレッ
トレール18,19は上下対称に形成して、反転したときに
もパレットレールとして使用できるように構成する。従
って、左右の各３列の循環チェーン20,21のうち中央の
循環チェーン21は両側の昇降スペース６に対して共通に
使用されることになる。なお、前記３列の循環チェーン
20,21のうち外側の循環チェーン20に配設するパレット
レール18は片側のみしか使用しないので、上下対称とせ
ず片側のみとすることができる。

上記の構成により、左右の昇降スペース６内の循環チェ
ーン20,21は、循環チェーン21を共通に同期して回転さ
れるため、その回転方向は相互に逆向きになる。また、
パレットレール18,19は上昇して上死点に達すると、上
部スプロケット20a,21aをまわって反転し、上下逆向き
となって下降することになる。この作動態様は下死点に
於いても同様である。

前記左右の昇降スペース６の最下階５は、パレット15を
相互に移動できるように連通しており、パレット15の移
動機構としての左右方向移動用のコンベア16がそれぞれ
設けられている。また、後部側の左右の格納スペース８
の最上階９も、パレット15を相互に移動できるように連
通しており、パレット15の移動機構としての左右方向移
動用のトラバーサー17がそれぞれ設けられている。な
お、上記のようなパレット15を相互に移動させるための
構造は、前側の格納スペース７の最上階に設けてもよ
い。

また、前後の格納スペース７，８内の各車庫には、第５
図に示すように、昇降スペース６内の循環チェーン20,2
1のパレットレール18,19上にパレット15を送り出した
り、あるいは逆に循環チェーン20,21のパレットレール1
8,19上からパレット15を車庫7a,8a内へ引き込むための
前後方向の移動機構10が配備されている。

そして、右側又は左側の昇降スペース６内の下降側のパ
レット15が最下階５まで降下すると、パレットレール1
8,19が下死点に達する直前に、パレット15は前記コンベ
ア16上に載置され、パレット15の下面からパレットレー
ル18,19が離れて係合が解除する。こうして、コンベア1
6上に載置されたパレット15を、コンベア16により隣側
の昇降スペース６の最下階５へ水平移動させることがで
きる。こうして隣側の昇降スペース６の最下階５へ移動
したパレット15は、上昇側のパレットレール18,19に係
合して昇降スペース６内を上昇する。

また、昇降スペース６の最上階までパレット15が上昇す
ると、後側格納スペース８の最上階９内のトラバーサ17
上に、その前後方向の移動機構10（第５図）によってパ
レットレール18,19上のパレット15を引き込む。トラバ
ーサー17上のパレット15は、隣側の格納スペース８の最
上階９に水平移動された後、前後方向の移動機構10（第
５図）によって昇降スペース６内のパレットレール18,1
9上に送り出され、昇降スペース６内を循環チェーン20,
21により降下される。

このようにして、パレット15は、昇降スペース６内を循
環チェーン20,21により昇降させられるので、その途中
で昇降を中止して、前後の格納スペース７，８内のパレ
ット15が格納されていない空いている車庫7a,8aに移動
機構10（第５図）によりパレット15を引き込むことがで
きる（自動車の駐車時）。また、格納スペース７，８の
車庫7a,8aからパレット15を移動機構10（第５図）によ
り、昇降スペース６内の循環チェーン20,21のパレット
レール18,19上に送り出すことができる（自動車の出庫
時）。

再度詳述すると、格納スペース７，８の車庫7a,8aに駐
車中の自動車Ｘを出庫させるには、昇降スペース６内の
数基のパレット15のうち１基を、後側格納スペース８の
最上階９の一方に引き込んで昇降スペース６内に空スペ
ースをつくり、その空スペースへ格納スペース７，８の
車庫7a,8aから出庫しようとする自動車Ｘをパレット15
ごと送り出し、順次循環操作を行って最下階５より出庫
させる。また、自動車Ｘを駐車装置１内に入庫させる場
合は、昇降スペース６の最下階５に空きパレット15を待
機させておき、その空きパレット15上に自動車Ｘを搬入
し、順次循環操作を行って格納スペース７，８内のパレ
ット15が格納されていない空き車庫に搬入する。従っ
て、出庫直後は直ちに入庫することができる。また、昇
降スペース６のパレット15が空いていれば次々と入庫す
ることができる。

ところで、本発明の立体駐車装置１においては、自動車
Ｘを入出庫させる循環操作の都合上、左右の昇降スペー
ス６内の下降側の最下階５と上昇側の最上階は、空けて
おかなければならない。また、後側の左右の格納スペー
ス８の最上階９の２ケ所も、空けておかなければならな
い。いいかえれば、左右の昇降スペース６と後側の左右
の格納スペース８の最上階９とが、自動車を出庫又は入
庫させる際に、第６図に示すようにパレット15の循環操
作用スペース（斜線部分）として使用される。従って、
立体駐車装置１内には、全部で18台の自動車を駐車させ
ることができ、この駐車台数に対応して18基のパレット
15が格納スペース７，８内の車庫7a,8aおよび昇降スペ
ース６内のパレットレール18,19上にあらかじめ配備さ
れている。なお、前側格納スペース７の最下階４の一方
にも、自動車を駐車させることができるので、本実施例
（４階建）の場合は全部で19台の自動車を駐車させられ
る。また、前記循環チェン20,21を左右の昇降スペース
６で互いに逆まわりに循環させる駆動機構22を第６図及
び第７図に示しているが、この駆動機構22によれば１台
のモーター23で駆動チェーン及び従動スプロケット24を
介して循環チェーン20,21を同期的に互いに逆むきに回
転させることができる。

次に、上記実施例の立体駐車装置１について、出庫操作
の具体例を第８図に基づいて説明すれば、同図(a)◎印
の自動車Ｘを出庫させる場合、同図(b)に於いて昇降ス
ペース６の最上階のパレット15を後側格納スペース８の
最上階９の一方に引き込んで、循環チェーン20,21を回
転し、循環チェーン20,21の空きパレットレール18,19を
出庫予定の◎印の自動車Ｘの車庫に移動し、同図(c)に
於いて出庫予定の自動車Ｘの搭載されたパレット15を、
昇降スペース６の前記空きパレットレール18,19上に送
り出す。そして、同図(d)および(e)に示すように循環操
作をくりかえして前記パレット15を最下階５に移動す
る。このようにして、同図(f)に示すように、◎印の自
動車Ｘを出庫できる。

（発明の効果）上記した構成からなるこの発明の機械式立体駐車装置に
よれば、下記の効果を奏する。

前記した従来の機械式立体駐車装置では、エレベーター
スペースに１台の自動車も駐車出来なかったので、４階
建の２連式立体駐車装置の場合、８台分のスペースが無
駄となっている。一方、本発明では、パレットの循環操
作の為の循環スペースとして駐車装置１全体で自動車４
台分のスペースは必要となるが、昇降スペース内にも自
動車を駐車させることができるので、従来の駐車装置に
比べて駐車台数が大幅に増加する。また、循環操作の為
に必要なスペースは駐車装置の階数が増えても一定（４
台分）であるため、階数を増やせば増やすほど、従来の
駐車装置に比べて自動車１台当たりの占有割合が減少し
単位面積当たりの駐車効率が向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る機械式立体駐車装置の平面図、第
２図は同側面図、第３図は第１図のＡ−Ａ線断面図、第
４図は第１図のＢ−Ｂ線断面図、第５図はパレットの前
後方向の移動機構を示す概要側面図、第６図は本発明に
係る立体駐車装置の全体斜視図、第７図は循環チェーン
の駆動機構を示す概要斜視図、第８図(a)〜(f)は自動車
の出庫手順を示す説明図、第９図は従来の縦型機械式立
体駐車装置の平面図、第10図は同側面図、第11図は従来
の横型機械式立体駐車装置の平面図、第12図は同正面図
である。１……本発明に係る立体駐車装置、２……従来の縦型駐
車装置、３……従来の横型駐車装置、６……昇降スペー
ス、７，８……格納スペース、10……前後方向の移動機
構、15……パレット、16……コンベア、17……トラバー
サー、18,19……パレットレール、20,21……循環チェー
ン、Ｘ……自動車。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】自動車を移動可能なパレットに搭載してパ
レットごと昇降させ、各階の自動車格納スペースにパレ
ットごと水平移動させて自動車を格納する機械式立体駐
車装置において、前記パレットを上下に昇降させる昇降スペースを挟んで
その前後に、自動車の格納スペースを設けた一対の基本
ユニットを左右に連接して並設し、左右の昇降スペース
の少なくとも四隅部には上下方向に循環する循環チェー
ンを装備すると共に、左右の昇降スペース間の循環チェ
ーンは共通にし、相対向する循環チェーンには前記格納
スペースの上下間隔に対応して前記パレットに係合可能
な係合部材を配設し、前記左右の昇降スペースの最下階
間および前側又は後側の少なくとも一方の左右の格納ス
ペースの最上階間に、パレットの左右移動機構をそれぞ
れ設けたことを特徴とする機械式立体駐車装置。