JPH07137642A - ステアリングシャフト - Google Patents

ステアリングシャフト

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JPH07137642A
JPH07137642A JP5312699A JP31269993A JPH07137642A JP H07137642 A JPH07137642 A JP H07137642A JP 5312699 A JP5312699 A JP 5312699A JP 31269993 A JP31269993 A JP 31269993A JP H07137642 A JPH07137642 A JP H07137642A
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JP
Japan
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steering
shaft
steering shaft
connecting member
load
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JP5312699A
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Kazuto Yamamoto
一人 山本
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ステアリング装置が長期間に亘り使用されて
もシェアピンの如き連結部材や連結部が疲労による強度
低下に起因して不必要に破断することを防止し、これに
よりステアリングシャフトを長期間に亘り正常に機能さ
せる。 【構成】 上端にてステアリングホイール22に連結さ
れ下端にてステアリングギヤボックス30に連結された
ステアリングシャフト。ステアリングシャフトの一部を
構成する中継シャフト26はセラミックスにて構成さ
れ、ステアリングシャフトに作用する軸線方向の荷重が
所定値以上になると曲げモーメント若しくは剪断荷重に
より破断される破断部38を有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ステアリング装置に係
り、更に詳細にはステアリングシャフトに係る。
【0002】
【従来の技術】自動車等の車輌のステアリングシャフト
の一つとして、例えば実開昭61−31968号公報に
記載されている如く、ステアリングシャフトが上方部分
と下方部分とに二分割され、上方部分及び下方部分の一
方が軸線に沿って延在する凸部を有し、上方部分及び下
方部分の他方が凸部を受入れる凹部を有し、凸部及び凹
部に互いに整合して設けられた貫通孔にシェアピンが挿
通され、シェアピンにより上方部分及び下方部分が連結
されたステアリングシャフトが従来より知られている。
【0003】かかるステアリングシャフトによれば、車
輌の衝突等により車体の前方部分が圧壊し、ステアリン
グギヤボックスがエンジン等により車輌後方へ移動され
る場合には、ステアリングシャフトに過剰の軸線方向の
荷重が作用しシェアピンに設定破断荷重以上の荷重が作
用することによりシェアピンが破断されるので、ステア
リングシャフトによってステアリングホイールが車輌後
方へ駆動され車輌の運転者に対しステアリングホイール
により強い衝撃が与えられることを確実に回避すること
ができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】シェアピンの如き連結
部材は従来より一般に耐衝撃性に優れた金属や樹脂にて
構成されている。しかし金属や樹脂はそれらに繰返し荷
重が加えられると疲労により強度が比較的大きく低下す
る。従って上述の如き従来のステアリングシャフトに於
ては、ステアリング装置が長期間に亘り使用される過程
に於てシェアピンの強度が疲労により低下し、その結果
シェアピンに作用する実際の荷重が設計上の設定破断荷
重未満であってもシェアピンが折損し、そのためステア
リングシャフトがその本来の機能を維持すべき状況にあ
るにも拘らず不必要にトルク伝達不能の状態になってし
まうという問題がある。
【0005】またシェアピンの疲労による強度低下に起
因してシェアピンに作用する実際の荷重が設定破断荷重
未満の状況に於てシェアピンが折損することを防止すべ
く、疲労による強度低下分を見込んでシェアピンの設定
破断荷重を低く設定しようとすると、ステアリング装置
を正常に作動させるためにシェアピンが耐えなければな
らない荷重よりもシェアピンの設定破断荷重が低くな
り、従ってこの場合にも例えばステアリングシャフトに
比較的高い軸線方向の荷重が作用すると、ステアリング
シャフトがその本来の機能を維持すべき状況にあるにも
拘らずシェアピンが折損してしまう。
【0006】本発明は、従来のステアリングシャフトに
於ける上述の如き問題に鑑み、ステアリング装置が長期
間に亘り使用されてもシェアピンの如き連結部材や連結
部が疲労による強度低下に起因して不必要に破断するこ
とがなく、これにより長期間に亘り正常に機能するよう
改良されたステアリングシャフトを提供することを目的
としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の如き目的は、本発
明によれば、請求項1の構成、即ち上端にてステアリン
グホイールに連結され下端にてステアリングギヤボック
スに連結されたステアリングシャフトであって、少くと
も一部はセラミックスにて構成され、前記セラミックス
にて構成された部分は前記ステアリングシャフトに作用
する軸線方向の荷重が所定値以上になると曲げモーメン
ト若しくは剪断荷重により破断されるよう構成された破
断部を有することを特徴とするステアリングシャフト、
又は請求項2の構成、即ち上端にてステアリングホイー
ルに連結された上方部分と、下端にてステアリングギヤ
ボックスに連結された下方部分と、前記上方部分の下端
と前記下方部分の上端とをトルク伝達可能に連結するセ
ラミックス製の連結部材とを有するステアリングシャフ
トであって、前記連結部材は前記ステアリングシャフト
に作用する軸線方向の荷重が所定値以上になると曲げモ
ーメント若しくは剪断荷重により破断されるよう構成さ
れており、前記連結部材のトルク伝達方向の厚さは前記
曲げモーメント若しくは剪断荷重の印加方向の厚さより
も大きいことを特徴とするステアリングシャフトによっ
て達成される。
【0008】また本発明によれば、上述の請求項2の構
成に於て、前記連結部材は前記上方部分の下端及び前記
下方部分の上端に焼き嵌めにて固定される。
【0009】
【作用】図13はセラミックス(窒化ケイ素)の遅れ破
壊強度及び疲労強度を金属(合金鋼、JIS規格SCM
415)の疲労強度と対比して示すグラフである。この
図13より、金属の疲労による強度低下は比較的大きい
のに対し、セラミックスの108 回経過後の疲労強度は
その初期強度の約80%であり、セラミックスの疲労に
よる強度低下は極めて小さいことが解る。
【0010】上述の前者(請求項1)の構成によれば、
ステアリングシャフトの少くとも一部はセラミックスに
て構成され、セラミックスにて構成された部分はステア
リングシャフトに作用する軸線方向の荷重が所定値以上
になると曲げモーメント若しくは剪断荷重により破断さ
れるよう構成された破断部を有するので、ステアリング
シャフトに比較的高いトルク及び軸線方向の荷重が繰り
返し作用する状況にてステアリング装置が長期間に亘り
使用されても、破断部はそれに作用する荷重が設定破断
荷重を大幅に下まわる状況に於ては破断せず、荷重が設
定破断荷重になった段階に於て破断し、従ってステアリ
ングシャフトを長期間に亘り所期の設計通りに機能させ
ることが可能になる。
【0011】また上述の後者(請求項2)の構成によれ
ば、ステアリングシャフトの上方部分の下端と下方部分
の上端とをトルク伝達可能に連結する連結部材はセラミ
ックスにて構成され、ステアリングシャフトに作用する
軸線方向の荷重が所定値以上になると曲げモーメント若
しくは剪断荷重により破断されるよう構成されており、
連結部材のトルク伝達方向の厚さは曲げモーメント若し
くは剪断荷重の印加方向の厚さよりも大きく設定されて
いるので、ステアリングシャフトに比較的高いトルク及
び軸線方向の荷重が繰り返し作用する状況にてステアリ
ング装置が長期間に亘り使用されても、シェアピンはそ
れに作用する荷重が設定破断荷重を大幅に下まわる状況
に於ては破断せず、荷重が設定破断荷重になった段階に
於て破断し、従ってステアリングシャフトを長期間に亘
り所期の設計通りに機能させることが可能になる。
【0012】特に上述の請求項3の構成によれば、連結
部材はステアリングシャフトの上方部分の下端及び下方
部分の上端に焼き嵌めにて固定され、連結部材を構成す
るセラミックスはステアリングシャフトの上方部分及び
下方部分を構成する一般的な材料である金属に比して熱
膨張率が小さいので、連結部材がステアリングシャフト
の上方部分及び下方部分に強固に固定され、これにより
これらの部分が相互にガタつくことなく良好に連結さ
れ、またステアリングシャフトに作用する軸線方向の荷
重に正確に対応する曲げモーメント若しくは剪断荷重を
連結部材に作用させることが可能になる。
【0013】
【実施例】以下に添付の図を参照しつつ、本発明を実施
例について詳細に説明する。
【0014】図1は本発明によるステアリングシャフト
の第一の実施例が組込まれたステアリング装置を車輌の
一次衝突時について示す概略構成図、図2は図1に示さ
れた第一の実施例を車輌の二次衝突時について示す説明
図、図3は図1及び図2に示されたステアリングシャフ
トの第一の実施例の要部を示す拡大部分正面図、図4は
図3の線IV-IV に沿う拡大縦断面図である。
【0015】図1及び図2に於て、10はステアリング
シャフトを全体的に示している。ステアリングシャフト
10はブラケット12及び14により車体15に支持さ
れたステアリングコラム16を有している。ステアリン
グコラム16にはそれぞれ下端及び右端にて互いにセレ
ーション結合されたアッパシャフト18及びロアシャフ
ト20が挿通されている。アッパシャフト及びロアシャ
フトはステアリングコラム16の軸線21に整合して延
在しており、ステアリングコラムにより回転可能に支持
されている。
【0016】アッパシャフト18の上端にはステアリン
グホイール22が固定されており、ロアシャフト20の
下端にはユニバーサルジョイント24により中継シャフ
ト26の上端が連結されている。中継シャフト26の下
端にはユニバーサルジョイント28によりステアリング
ギヤボックス30のピニオンシャフト32が連結されて
いる。ステアリングギヤボックス30はダッシュパネル
34に固定されており、ステアリングギヤボックスの前
方にはエンジン36が配置されている。
【0017】中継シャフト26は窒化ケイ素の如きセラ
ミックスにて構成されており、図3及び図4に詳細に示
されている如く、その中間部に実質的に断面矩形の破断
部38を有している。図示の第一の実施例に於ては、破
断部38は中継シャフト26の軸線40よりオフセット
された位置にて軸線に平行に延在するよう設けられてお
り、中継シャフトの丸棒状のアッパシャフト部26A及
びロアシャフト部26Bと一体に形成されている。
【0018】また破断部38の厚さ(軸線40に垂直な
方向の寸法)は幅よりも小さく設定されており、これに
より中継シャフト26に軸線40に沿って圧縮荷重Fc
又は引張り荷重Fe が作用すると破断部38には主とし
て曲げモーメントMが作用し、曲げモーメントが中継シ
ャフトを構成するセラミックスの種類及び破断部の断面
形状及び寸法により定まる設定値以上になると、破断部
が曲げモーメントによって破断されることにより中継シ
ャフトが二分割されるようになっている。
【0019】図示の第一の実施例に於て、車輌の通常の
走行時には、中継シャフト26に作用するトルクが高い
値になることはあっても中継シャフトにその軸線方向に
作用する荷重は低い値であるので、破断部38には高い
曲げモーメントは作用せず、従って破断部は破断せず、
これにより中継シャフト26のアッパシャフト部26A
及びロアシャフト部26Bは互いに一体的に連結された
状態に維持され、ステアリングシャフト10を介してス
テアリングホイール22とステアリングギヤボックス3
0との間に操舵トルクが正常に伝達される。
【0020】この場合、中継シャフト26はセラミック
スにて構成されており、それに比較的高い負荷が繰返し
作用しても疲労による強度低下は極めて小さく、また破
断部38の厚さは幅よりも小さく設定されているので、
破断部38に作用する負荷が設定破断負荷を大幅に下ま
わる状況に於て破断部が不必要に破断することを確実に
防止することができ、また中継シャフト26によるトル
クの伝達を確実に行わせることができる。
【0021】これに対し車輌の衝突時、特に車輌が障害
物に衝突しその前方部分が圧壊される一次衝突時には、
図1に於て仮想線にて示されている如くエンジン36が
車輌の後方へ移動せしめられ、エンジンによりステアリ
ングギヤボックス30も車輌の後方へ移動せしめられ
る。従って中継シャフト26にはその軸線40に沿って
非常に高い圧縮荷重が作用し、破断部38には設定値以
上の曲げモーメントが作用する。その結果破断部が破断
して中継シャフト26が二分割され、これによりロアシ
ャフト20及びアッパシャフト18を介してステアリン
グホイール22が車輌の後方へ大きく駆動されることが
回避され、これにより車輌の運転者42に対しステアリ
ングホイールによって強い衝撃が与えられることが回避
される。
【0022】また車輌の運転者に作用する慣性力に起因
して車輌の一次衝突後に運転者が車輌前方へ相対的に移
動せしめられる二次衝突時には、図2に於て仮想線にて
示されている如く、車輌の運転者42がステアリングホ
イール22に押付けられると、中継シャフト26が既に
二分割の状態になっているので、アッパシャフト18及
びロアシャフト20はステアリングコラム16に対し比
較的自由に車輌前方且下方へ相対変位することができ、
これにより車輌の運転者がステアリングホイールに対し
押付けられることによる反力によって運転者が強い衝撃
を受けることが回避される。
【0023】図5は図1及び図2に示されたステアリン
グシャフトの第二の実施例の要部を一部破断して示す拡
大部分正面図、図6は図5の線VI-VI に沿う拡大縦断面
図である。尚図5及び図6に於て、図3及び図4に対応
する部分にはこれらの図に於て付された符号と同一の符
号が付されている。
【0024】この第二の実施例に於ては、中継シャフト
26はアッパシャフト部26Aの下端及びロアシャフト
部26Bの上端には軸線40に対し垂直に延在するブラ
ケット46及び48が設けられている。ブラケット46
及び48には軸線40よりオフセットされた位置にて互
いに整合して軸線に沿って延在する孔50及び52が設
けられており、これらの孔には実質的に軸線40に沿っ
て延在する平板状のセラミックス製の連結部材54が焼
き嵌めにより嵌入され固定されており、これによりアッ
パシャフト部26A及びロアシャフト部26Bは連結部
材54によりトルク伝達可能に互いに一体的に連結され
ている。
【0025】連結部材54は第一の実施例に於ける破断
部38と同様実質的に矩形の断面形状を有し、その厚さ
はその幅よりも小さく設定されている。従ってこの実施
例に於ても、中継シャフト26に軸線40に沿って圧縮
荷重又は引張り荷重が作用すると連結部材54には主と
して曲げモーメントMが作用し、曲げモーメントが連結
部材を構成するセラミックスの種類及び破断部の断面形
状及び寸法により定まる設定値以上になると連結部材が
破断して中継シャフトが二分割される。
【0026】図7は図1及び図2に示されたステアリン
グシャフトの第三の実施例の要部を一部破断して示す拡
大部分正面図、図8は第三の実施例の一部を示す拡大部
分平面図である。尚図7及び図8に於て、図3及び図
4、図5及び図6に対応する部分にはこれらの図に於て
付された符号と同一の符号が付されている。
【0027】この第三の実施例に於ては、中継シャフト
26のアッパシャフト部26Aの下端及びロアシャフト
部26Bの上端にそれぞれ設けられたブラケット46及
び48は軸線40より隔置された位置にて軸線に沿って
延在しており、ブラケット46及び48に互いに整合し
て設けられた孔50及び52は軸線40に対し垂直に延
在している。これらの孔には断面実質的に矩形の板状を
なすセラミックス製の連結部材54が焼き嵌めにより嵌
入され固定されており、これによりアッパシャフト部2
6A及びロアシャフト部26Bは連結部材54によりト
ルク伝達可能に互いに連結されている。
【0028】連結部材54は第二の実施例に於ける連結
部材と同様実質的に矩形の断面形状を有し、その厚さは
その幅よりも小さく設定されている。従ってこの実施例
に於ては、中継シャフト26に軸線40に沿って圧縮荷
重又は引張り荷重が作用すると連結部材54には曲げモ
ーメントM及び剪断荷重が作用し、曲げモーメント及び
剪断荷重が連結部材を構成するセラミックスの種類及び
破断部の断面形状及び寸法により定まる設定値以上にな
ると連結部材が破断して中継シャフトが二分割される。
【0029】図9は本発明によるステアリングシャフト
の第四の実施例の要部を一部破断して示す拡大部分正面
図、図10は第四の実施例の一部を示す拡大部分平面図
である。尚図9及び図10に於て、図3及び図4、図5
及び図6に対応する部分にはこれらの図に於て付された
符号と同一の符号が付されている。
【0030】この第四の実施例に於ては、ブラケット4
6及び48は軸線40の両側に互いに極く僅かに隔置さ
れた状態にて軸線40に沿って互いにオーバラップして
延在している。ブラケット46及び48の互いに対向す
る面の先端部は先端へ向かうにつれて他方のブラケット
より離れる方向へ実質的に円弧状に湾曲している。また
ブラケット46及び48には互いに整合して軸線40に
対し垂直に延在する孔50及び52が設けられており、
これらの孔には断面実質的に矩形のセラミックス製の連
結部材54が焼き嵌めにより嵌入され固定されており、
アッパシャフト部26A及びロアシャフト部26Bは連
結部材54によりトルク伝達可能に互いに一体的に連結
されている。
【0031】この実施例の連結部材54も第二の実施例
に於ける連結部材と同様実質的に矩形の断面形状を有
し、その厚さはその幅よりも小さく設定されている。従
ってこの実施例に於ては、中継シャフト26に軸線40
に沿って圧縮荷重又は引張り荷重が作用すると連結部材
54には主として剪断荷重が作用し、剪断荷重が連結部
材を構成するセラミックスの種類及び破断部の断面形状
及び寸法により定まる設定値以上になると連結部材が破
断して中継シャフトが二分割される。
【0032】これら第二乃至第四の実施例に於て、車輌
の通常の走行時には、中継シャフト26に作用するトル
クが高い値になることはあっても中継シャフトにその軸
線方向に作用する荷重は低い値であるので、連結部材5
4には高い曲げモーメントや剪断荷重は作用せず、従っ
て連結部材は破断せず、これにより中継シャフト26の
アッパシャフト部26A及びロフシャフト部26Bは互
いに一体的に連結された状態に維持され、ステアリング
シャフト10を介してステアリングホイール22とステ
アリングギヤボックス30との間に操舵トルクが正常に
伝達される。
【0033】この場合、連結部材54はセラミックスに
て構成されており、それに比較的高い負荷が繰返し作用
しても疲労による強度低下は極めて小さく、また連結部
材54の厚さは幅よりも小さく設定されているので、連
結部材に作用する負荷が設定破断負荷を大幅に下まわる
状況に於て連結部材が不必要に破断することを確実に防
止することができ、また中継シャフト26によるトルク
の伝達を確実に行わせることができる。
【0034】これに対し車輌の衝突時、特に車輌が障害
物に衝突しその前方部分が圧壊される一次衝突時には、
図1に於て仮想線にて示されている如くエンジン36が
車輌の後方へ移動せしめられ、エンジンによりステアリ
ングギヤボックス30も車輌の後方へ移動せしめられ
る。従って中継シャフト26にはその軸線40に沿って
非常に高い圧縮荷重が作用し、連結部材54には設定値
以上の曲げモーメントや剪断荷重が作用する。その結果
連結部材が破断して中継シャフト26が二分割され、こ
れによりロアシャフト20及びアッパシャフト18を介
してステアリングホイール22が車輌の後方へ大きく駆
動されることが回避され、これにより車輌の運転者42
に対しステアリングホイールによって強い衝撃が与えら
れることが回避される。
【0035】また車輌の運転者に作用する慣性力に起因
して車輌の一次衝突後に運転者が車輌前方へ相対的に移
動せしめられる二次衝突時には、図2に於て仮想線にて
示されている如く、車輌の運転者42がステアリングホ
イール22に押付けられると、中継シャフト26が既に
二分割の状態になっているので、アッパシャフト18及
びロアシャフト20はステアリングコラム16に対し比
較的自由に車輌前方且下方へ相対変位することができ、
これにより車輌の運転者がステアリングホイールに対し
押付けられることによる反力によって運転者が強い衝撃
を受けることが回避される。
【0036】また前述の実開昭61−31968号公報
に記載されたステアリングシャフトに於ては、シェアピ
ンにより連結される凸部及び凹部は互いに当接してお
り、ステアリングシャフトに作用する軸力の一部が凸部
及び凹部の直接接触による摩擦力によって伝達され、ま
た摩擦力はステアリングシャフトの回転位相、従ってス
テアリングシャフトに作用する曲げモーメントが凸部及
び凹部の対向面を互いに他に対し押付ける方向に作用す
るか否かに応じて変動するので、ステアリングシャフト
に作用する軸力に正確に対応する剪断力をシェアピンに
作用させることができず、そのためこのことによっても
シェアピンに作用する荷重が正確に設定破断荷重である
状況に於てシェアピンを破断させることが困難である。
【0037】これに対し上述の第二乃至第四の実施例に
よれば、中継シャフト26のブラケット46及び48は
互いに隔置されており、二つのブラケットの間には摩擦
力は作用しないので、連結部材54に作用する曲げモー
メントや剪断荷重が正確に設定値である状況に於て連結
部材を破断させることができる。
【0038】以上に於ては本発明を特定の実施例につい
て詳細に説明したが、本発明は上述の実施例に限定され
るものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施例
が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
【0039】例えば上述の各実施例に於ては破断部38
及び連結部材54には切欠き溝が設けられていないが、
図11及び図12に示されている如く破断部38の中央
の表面に切欠き溝56及び58が設けられてもよく、同
様に第二乃至第四の実施例に於ける連結部材54の中央
部の表面の切欠き溝が設けられてもよい。
【0040】また第一の実施例に於ける破断部38及び
第二乃至第四の実施例に於ける連結部材54の断面形状
は厚さが小さく且幅が大きく設定された実質的に矩形で
あるが、破断部38及び連結部材54の断面形状は楕円
形の如き形状であってもよく、特に第一の実施例に於て
は破断部38は軸線40よりオフセットされているの
で、破断部の断面形状は円形の如き形状であってもよ
い。
【0041】
【発明の効果】以上の説明より明らかである如く、本発
明によれば、ステアリングシャフトに比較的高いトルク
及び軸線方向の荷重が繰り返し作用する状況にてステア
リング装置が長期間に亘り使用されても、破断部や連結
部材はそれに作用する荷重が設定破断荷重を大幅に下ま
わる状況に於ては破断せず、荷重が設定破断荷重になっ
た段階に於て破断し、従ってステアリングシャフトを長
期間に亘り所期の設計通りに機能させることができる。
【0042】特に上述の請求項3の構成によれば、連結
部材はステアリングシャフトの上方部分の下端及び下方
部分の上端に焼き嵌めにて固定され、連結部材を構成す
るセラミックスはステアリングシャフトの上方部分及び
下方部分を構成する一般的な材料である金属に比して熱
膨張率が小さいので、連結部材をステアリングシャフト
の上方部分及び下方部分に強固に固定し、これにより上
方部分及び下方部分を相互にガタつくことなく良好に連
結することができ、またステアリングシャフトに作用す
る軸線方向の荷重に正確に対応する曲げモーメント若し
くは剪断荷重を連結部材に作用させることができ、ステ
アリングシャフトに作用する軸線方向の荷重が正確に所
定値以上になった場合にのみステアリングシャフトを二
分割させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるステアリングシャフトの第一の実
施例が組込まれたステアリング装置を車輌の一次衝突時
について示す概略構成図である。
【図2】図1に示されたステアリングシャフトの第一の
実施例を車輌の二次衝突時について示す説明図である。
【図3】図1及び図2に示されたステアリングシャフト
の第一の実施例の要部を示す拡大部分正面図である。
【図4】図3の線IV-IV に沿う拡大縦断面図である。
【図5】本発明によるステアリングシャフトの第二の実
施例の要部を一部破断して示す拡大部分正面図である。
【図6】図5の線VI-VI に沿う拡大縦断面図である。
【図7】本発明によるステアリングシャフトの第三の実
施例の要部を一部破断して示す拡大部分正面図である。
【図8】第三の実施例の一部を示す拡大部分平面図であ
る。
【図9】本発明によるステアリングシャフトの第四の実
施例の要部を一部破断して示す拡大部分正面図である。
【図10】第四の実施例の一部を示す拡大部分平面図で
ある。
【図11】第一の実施例の破断部の修正例を示す拡大縦
断面図である。
【図12】図11の線XII −XII に沿う拡大縦断面図で
ある。
【図13】セラミックスの疲労強度を金属の疲労強度と
比較して示すグラフである。
【符号の説明】
10…ステアリングシャフト 22…ステアリングホイール 26…中継シャフト 30…ステアリングギヤボックス 38…破断部 54…連結部材 56、58…切欠き溝

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上端にてステアリングホイールに連結され
    下端にてステアリングギヤボックスに連結されたステア
    リングシャフトであって、少くとも一部はセラミックス
    にて構成され、前記セラミックスにて構成された部分は
    前記ステアリングシャフトに作用する軸線方向の荷重が
    所定値以上になると曲げモーメント若しくは剪断荷重に
    より破断されるよう構成された破断部を有することを特
    徴とするステアリングシャフト。
  2. 【請求項2】上端にてステアリングホイールに連結され
    た上方部分と、下端にてステアリングギヤボックスに連
    結された下方部分と、前記上方部分の下端と前記下方部
    分の上端とをトルク伝達可能に連結するセラミックス製
    の連結部材とを有するステアリングシャフトであって、
    前記連結部材は前記ステアリングシャフトに作用する軸
    線方向の荷重が所定値以上になると曲げモーメント若し
    くは剪断荷重により破断されるよう構成されており、前
    記連結部材のトルク伝達方向の厚さは前記曲げモーメン
    ト若しくは剪断荷重の印加方向の厚さよりも大きいこと
    を特徴とするステアリングシャフト。
  3. 【請求項3】請求項2に記載されたステアリングシャフ
    トに於て、前記連結部材は前記上方部分の下端及び前記
    下方部分の上端に焼き嵌めにて固定されていることを特
    徴とするステアリングシャフト。
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