JPH07133235A - シクロヘキシルアルカン誘導体およびそれを含有するトラクションドライブ用流体 - Google Patents

シクロヘキシルアルカン誘導体およびそれを含有するトラクションドライブ用流体

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JPH07133235A
JPH07133235A JP11339794A JP11339794A JPH07133235A JP H07133235 A JPH07133235 A JP H07133235A JP 11339794 A JP11339794 A JP 11339794A JP 11339794 A JP11339794 A JP 11339794A JP H07133235 A JPH07133235 A JP H07133235A
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Japan
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perhydrofluorenyl
derivative
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cyclohexylalkane
methylcyclohexyl
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JP11339794A
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Toshiyuki Tsubouchi
俊之 坪内
Nobuaki Shimizu
延晃 清水
Kazushi Hata
一志 畑
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Idemitsu Kosan Co Ltd
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Idemitsu Kosan Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 一般式(1) 【化1】 で表されるシクロヘキシルアルカン誘導体並びに該シク
ロヘキシルアルカン誘導体を含有するトラクションドラ
イブ用流体。 【効果】 本発明のシクロヘキシルアルカン誘導体は新
規な化合物であり、化学的にも安定であるため、無臭の
高沸点溶剤としても好適に利用できるほか、熱媒体油,
電気絶縁油,作動油,潤滑油等の合成機能性流体などと
して幅広く活用することができる。また、本発明のトラ
クションドライブ用流体は、低温から高温までの広い温
度範囲にわたって高いトラクション係数を示すため、ト
ラクションドライブ装置の小型軽量化や寿命の延長を図
ることができる。したがって、本発明のトラクションド
ライブ用流体は、自動車あるいは産業用の無段変速機、
さらには水圧機器など様々な機械製品に幅広く利用され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規化合物であるシク
ロヘキシルアルカン誘導体およびそれを含有するトラク
ションドライブ用流体に関し、詳しくはパーヒドロフル
オレン環を有する新規なシクロヘキシルアルカン誘導体
並びにこの誘導体を含有し、広い温度範囲にわたって高
いトラクション係数を示すトラクションドライブ用流体
に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】一般
に、トラクションドライブ装置(ころがり接触による摩
擦駆動装置)、例えば自動車無段変速機,産業用無段変
速機,水圧機器などに用いられるトラクションドライブ
用流体は、高いトラクション係数や熱および酸化に対す
る安定性,経済性等が要求されている。近年、トラクシ
ョンドライブ装置の小型軽量化が、自動車用途を中心に
研究されている。それに伴いこのトラクションドライブ
装置に用いるトラクションドライブ用流体にも、様々な
苛酷な条件下で使用に耐え得る性能、特に低温から高温
(−30〜+140℃程度)までの広い温度範囲にわた
って安定的に高い性能を発揮しうることが要求されてい
る。
【0003】このため、従来から様々な化合物をトラク
ションドライブ用流体として用いることが提案されてお
り、例えば縮合飽和化合物が好適なものとして知られて
いる(特公昭46−338号公報,同46−339号公
報,同47−35763号公報)。さらに、縮合飽和化
合物のうちパーヒドロアセナフテン誘導体についてもト
ラクションドライブ用流体として使用し得ることが知ら
れている(特開昭59−129293号公報)。しかし
ながら、これらの化合物はトラクション係数が十分に高
いものではなく、特に広い温度範囲にわたって高い性能
を期待することはできない。また、高温でトラクション
係数の高い化合物も存在するが、これらは粘度が高いと
いう欠点がある。そこで、本発明者らは、従来からトラ
クションドライブ用流体として知られている化合物の上
述の如き欠点を解消し、比較的低粘度でしかも高温での
トラクション係数の高い化合物を開発すべく鋭意研究を
重ねた。
【0004】
【課題を解決するための手段】その結果、パーヒドロフ
ルオレン環とシクロヘキサン環の両環を有する特定の新
規な化合物が目的とする諸物性を有するものであること
を見出した。本発明はこのような知見に基づいて完成し
たものである。
【0005】すなわち、本発明は第1に、一般式(1)
【0006】
【化7】
【0007】(式中、R1,R2,R3 およびR4 はそれぞ
れ炭素数1〜4のアルキル基を示し、R5 およびR6
それぞれ水素原子あるいは炭素数1〜4のアルキル基を
示す。なお、kは0または1を示し、l,mおよびnは
それぞれ0,1,2または3を示す。)で表されるシク
ロヘキシルアルカン誘導体を提供するものである。
【0008】さらに、本発明は第2に、一般式(1)
【0009】
【化8】
【0010】(式中、R1,R2,R3 およびR4 はそれぞ
れ炭素数1〜4のアルキル基を示し、R5 およびR6
それぞれ水素原子あるいは炭素数1〜4のアルキル基を
示す。なお、kは0または1を示し、l,mおよびnは
それぞれ0,1,2または3を示す。)で表されるシク
ロヘキシルアルカン誘導体を含有するトラクションドラ
イブ用流体を提供するものである。
【0011】上記一般式(1)で表されるシクロヘキシ
ルアルカン誘導体(パーヒドロフルオレン含有シクロヘ
キシルアルカン誘導体)は、R1,R2,R3,R4,R5,R6,
k,l,m,nの種類および各置換基の結合位置等によ
り様々なものがあるが、これらは一般式(2)
【0012】
【化9】
【0013】(式中、R1,R2,R3,R4,R5,R6,k,
l,nおよびm’は前記と同じである。)で表される化
合物と、一般式(3)
【0014】
【化10】
【0015】(式中、R2,R3,R4,R5,R6,l,mおよ
びnは前記と同じである。)で表される化合物の二種類
に大別される。
【0016】このうち一般式(2)で表される化合物
は、具体的には例えば(1−パーヒドロフルオレニル)
−シクロヘキシルメタン,(2−パーヒドロフルオレニ
ル)−シクロヘキシルメタン,(3−パーヒドロフルオ
レニル)−シクロヘキシルメタン,(4−パーヒドロフ
ルオレニル)−シクロヘキシルメタン,1−(1−パー
ヒドロフルオレニル)−1−シクロヘキシルエタン,1
−(2−パーヒドロフルオレニル)−1−シクロヘキシ
ルエタン,1−(3−パーヒドロフルオレニル)−1−
シクロヘキシルエタン,1−(4−パーヒドロフルオレ
ニル)−1−シクロヘキシルエタン,2−(1−パーヒ
ドロフルオレニル)−2−シクロヘキシルプロパン,2
−(2−パーヒドロフルオレニル)−2−シクロヘキシ
ルプロパン,2−(3−パーヒドロフルオレニル)−2
−シクロヘキシルプロパン,2−(4−パーヒドロフル
オレニル)−2−シクロヘキシルプロパン,(メチル−
1−パーヒドロフルオレニル)−シクロヘキシルメタ
ン,(メチル−2−パーヒドロフルオレニル)−シクロ
ヘキシルメタン,(メチル−3−パーヒドロフルオレニ
ル)−シクロヘキシルメタン,(メチル−4−パーヒド
ロフルオレニル)−シクロヘキシルメタン,1−(メチ
ル−1−パーヒドロフルオレニル)−1−シクロヘキシ
ルエタン,1−(メチル−2−パーヒドロフルオレニ
ル)−1−シクロヘキシルエタン,1−(メチル−3−
パーヒドロフルオレニル)−1−シクロヘキシルエタ
ン,1−(メチル−4−パーヒドロフルオレニル)−1
−シクロヘキシルエタン,2−(メチル−1−パーヒド
ロフルオレニル)−2−シクロヘキシルプロパン,2−
(メチル−2−パーヒドロフルオレニル)−2−シクロ
ヘキシルプロパン,2−(メチル−3−パーヒドロフル
オレニル)−2−シクロヘキシルプロパン,2−(メチ
ル−4−パーヒドロフルオレニル)−2−シクロヘキシ
ルプロパン,
【0017】(1−パーヒドロフルオレニル)−(メチ
ルシクロヘキシル)メタン,(2−パーヒドロフルオレ
ニル)−(メチルシクロヘキシル)メタン,(3−パー
ヒドロフルオレニル)−(メチルシクロヘキシル)メタ
ン,(4−パーヒドロフルオレニル)−(メチルシクロ
ヘキシル)メタン,1−(1−パーヒドロフルオレニ
ル)−1−(メチルシクロヘキシル)エタン,1−(2
−パーヒドロフルオレニル)−1−(メチルシクロヘキ
シル)エタン,1−(3−パーヒドロフルオレニル)−
1−(メチルシクロヘキシル)エタン,1−(4−パー
ヒドロフルオレニル)−1−(メチルシクロヘキシル)
エタン,2−(1−パーヒドロフルオレニル)−2−
(メチルシクロヘキシル)プロパン,2−(2−パーヒ
ドロフルオレニル)−2−(メチルシクロヘキシル)プ
ロパン,2−(3−パーヒドロフルオレニル)−2−
(メチルシクロヘキシル)プロパン,2−(4−パーヒ
ドロフルオレニル)−2−(メチルシクロヘキシル)プ
ロパン,(メチル−1−パーヒドロフルオレニル)−
(メチルシクロヘキシル)メタン,(メチル−2−パー
ヒドロフルオレニル)−(メチルシクロヘキシル)メタ
ン,(メチル−3−パーヒドロフルオレニル)−(メチ
ルシクロヘキシル)メタン,(メチル−4−パーヒドロ
フルオレニル)−(メチルシクロヘキシル)メタン,1
−(メチル−1−パーヒドロフルオレニル)−1−(メ
チルシクロヘキシル)エタン,1−(メチル−2−パー
ヒドロフルオレニル)−1−(メチルシクロヘキシル)
エタン,1−(メチル−3−パーヒドロフルオレニル)
−1−(メチルシクロヘキシル)エタン,1−(メチル
−4−パーヒドロフルオレニル)−1−(メチルシクロ
ヘキシル)エタン,2−(メチル−1−パーヒドロフル
オレニル)−2−(メチルシクロヘキシル)プロパン,
2−(メチル−2−パーヒドロフルオレニル)−2−
(メチルシクロヘキシル)プロパン,2−(メチル−3
−パーヒドロフルオレニル)−2−(メチルシクロヘキ
シル)プロパン,2−(メチル−4−パーヒドロフルオ
レニル)−2−(メチルシクロヘキシル)プロパンなど
がある。
【0018】また、上記一般式(3)で表される化合物
は、具体的には例えば(9−パーヒドロフルオレニル)
−シクロヘキシルメタン,1−(9−パーヒドロフルオ
レニル)−1−シクロヘキシルエタン,2−(9−パー
ヒドロフルオレニル)−2−シクロヘキシルプロパン,
(メチル−9−パーヒドロフルオレニル)−シクロヘキ
シルメタン,1−(メチル−9−パーヒドロフルオレニ
ル)−1−シクロヘキシルエタン,2−(メチル−9−
パーヒドロフルオレニル)−2−シクロヘキシルプロパ
ン,(9−パーヒドロフルオレニル)−(メチルシクロ
ヘキシル)メタン,1−(9−パーヒドロフルオレニ
ル)−1−(メチルシクロヘキシル)エタン,2−(9
−パーヒドロフルオレニル)−2−(メチルシクロヘキ
シル)プロパン,(メチル−9−パーヒドロフルオレニ
ル)−(メチルシクロヘキシル)メタン,1−(メチル
−9−パーヒドロフルオレニル)−1−(メチルシクロ
ヘキシル)エタン,2−(メチル−9−パーヒドロフル
オレニル)−2−(メチルシクロヘキシル)プロパン,
(ジメチル−9−パーヒドロフルオレニル)−(メチル
シクロヘキシル)メタン,1−(ジメチル−9−パーヒ
ドロフルオレニル)−1−(メチルシクロヘキシル)エ
タン,2−(ジメチル−9−パーヒドロフルオレニル)
−2−(メチルシクロヘキシル)プロパンなどがある。
【0019】これらの一般式(1)で表される化合物
は、様々な方法で製造することができる。例えば一般式
(2)で表される化合物については、フルオレンあるい
はその誘導体とスチレンあるいはその誘導体とベンジル
ハライドあるいはその誘導体を酸触媒の存在下に反応さ
せて、1−(3−あるいは4−あるいは5−フルオレ
ン)−1−フェニルエタン,2−(3−あるいは4−あ
るいは5−フルオレン)−2−フェニルプロパン等のフ
ルオレンアリールアルカンあるいはその誘導体を製造
し、さらにこの化合物をパラジウム,白金,ニッケル,
ルテニウムなどの金属を一種以上担持した水素化触媒の
存在下に水素ガスで接触還元すれば、目的とする一般式
(2)で表される化合物が得られる。
【0020】また、一般式(3)で表される化合物につ
いては、フルオレンあるいはその誘導体とベンジルアル
コール,α−フェネチルアルコール,α−クミルアルコ
ールあるいはその誘導体とを苛性ソーダ,苛性カリ等の
塩基触媒の存在下に反応させ、(9−フルオレニル)−
フェニルメタン(9−ベンジルフルオレン),1−(9
−フルオレニル)−1−フェニルエタン,2−(9−フ
ルオレニル)−2−フェニルプロパン等のフルオレニル
アリールアルカンあるいはその誘導体を製造し、さらに
水素化しても一般式(3)で表される化合物を得ること
ができる。
【0021】このようにして得られる一般式(1)で表
される本発明のシクロヘキシルアルカン誘導体は新規な
化合物である。次に、本発明のトラクションドライブ用
流体は、上記一般式(1)の化合物を含有するものであ
るが、これら化合物は一種類を単独で、あるいは二種以
上混合して用いることができる。また、これらの化合物
は、トラクションドライブ用流体のベースストックとし
て多量に含有せしめてもよいが、他の化合物(公知のト
ラクショントライブ流体用の化合物など)と混合して使
用してもよい。さらに、必要に応じて各種の添加剤を適
宜配合することも有効である。
【0022】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳しく説
明する。なお、実施例および比較例におけるトラクショ
ン係数の測定は、2円筒型摩擦試験機にて行なった。す
なわち、接している同じサイズの円筒(直径52mm,厚
さ6mmで被駆動側は曲率半径10mmのタイコ型,駆動側
はクラウニング無しのフラット型)の一方を一定速度
(1500rpm )で、他方を1500rpm から1750
rpm まで連続的に回転させ、両円筒の接触部分にバネに
より7kgの荷重を与え、両円筒間に発生する接線力、即
ちトラクション力を測定し、トラクション係数を求め
た。この円筒は軸受鋼SUJ −2鏡面仕上げでできてお
り、最大ヘルツ接触圧は112kgf/mm2 であった。
【0023】また、トラクション係数と油温との関係の
測定にあたっては、油タンクをヒーターで加熱すること
により、油温を40℃から140℃まで変化させ、すべ
り率5%におけるトラクション係数と油温との関係をプ
ロットしたものである。
【0024】実施例1 内容積5リットルの四つ口フラスコに、側管付滴下ロー
ト,温度計および攪拌機を取り付け、フルオレン540
g(3.25モル),85%硫酸500gおよび四塩化炭
素2.5リットルを入れ、攪拌しながら室温でスチレン3
00g(2.9モル)を8時間かけて滴下し、滴下終了
後、さらに30分攪拌した。静置後、硫酸層を分離し、
油層を飽和食塩水,1規定水酸化ナトリウム水溶液で順
次洗浄した後、無水硫酸マグネシウム(乾燥剤)で乾燥
させた。乾燥剤を濾別して、ロータリーエバポレーター
で四塩化炭素および未反応のフルオレンを留去した後、
減圧蒸留を行ない、沸点170〜180℃/0.17mmHg
留分350gを得た。分析した結果、この留分はスチレ
ンがフルオレンの6員環に結合した1−フルオレニル−
1−フェニルエタンを主成分としていることがわかっ
た。
【0025】次に、この留分300gとNi/ケイソウ
土触媒(日揮化学(株)製,N−113触媒)80g
を、1リットル容のオートクレーブに入れ、水素圧30
kg/cm2G ,150℃で3時間攪拌した後、触媒を濾別し
て、脱硫操作を行なった。この脱硫した1−フルオレニ
ル−1−フェニルエタン320gと5%ルテニウム/活
性炭触媒14gを1リットル容のオートクレーブに入
れ、水素圧100kg/cm2G,反応温度200℃で3時間
水素化を行ない、触媒の濾別をすることによって、1−
パーヒドロフルオレニル−1−シクロヘキシルエタンを
主成分とする流体330gを得た。このものを分析した
結果、水素化率99.9%以上であり、この流体の性状は
動粘度182.6cSt (40℃),8.589cSt (100
℃),比重0.9639(15/4℃),屈折率1.512
1(n20 D ) であった。この流体の40℃から140℃
までのトラクション係数を第1図に示す。
【0026】実施例2 1リットル容のセパラブルフラスコにジムロート還流冷
却器,温度計および攪拌機を取り付け、フルオレン12
5.1g(0.75モル),ベンジルアルコール287g
(2.8モル)および水酸化カリウム60.2g(1.07モ
ル)を入れ、150℃で5時間加熱攪拌した。冷却後、
400mlの水を注入してよくかき混ぜ、ヌッチェで濾過
して得られた白色結晶を、さらに水で洗浄してから乾燥
し、融点131.0〜133.0℃の白色結晶180gを得
た。プロトン核磁気共鳴スペクトル,ガスクロマトグラ
フィーで分析した結果、純度99.5%の9−ベンジルフ
ルオレンであった。
【0027】この結晶180gと5%ルテニウム/活性
炭触媒(日本エンゲルハルド社(株)製)25gを1リ
ットル容のオートクレーブに入れ、水素圧100kg/cm2
G ,反応温度200℃で4時間攪拌した後、触媒を濾別
することによって純度99%の9−(シクロヘキシルメ
チル)パーヒドロフルオレン[ (9−パービドロフルオ
レニル)−シクロヘキシルメタン] 180gを得た。な
お、純度の測定は水素炎イオン化検出器(FID)付ガスク
ロマトグラブにより行なった。上記9−(シクロヘキシ
ルメチル)パーヒドロフルオレンを分析した結果、水素
化率は99.9%以上であり、このものの性状は、動粘度
91.41cSt (40℃),5.838cSt (100℃),
比重0.9654(15/4℃)、屈折率1.5129(n
20 D ) であった。
【0028】さらに元素分析値は炭素87.4%(計算値
87.5%),水素12.3%(計算値12.5%)であり、
またこのものの赤外線吸収スペクトル(日本分光A−3
型赤外分光光度計による)(KBr 錠剤法) は第2図のと
おりであり、プロトン核磁気共鳴スペクトル(日本電子
GX-270型核磁気共鳴装置による)(溶剤:CDCl3 )は第
3図のとおりであり、また同位体炭素(13C)核磁気共
鳴スペクトル(日本電子GX-270型核磁気共鳴装置によ
る)(溶剤:CDCl3 )は第4図のとおりであり、さらに
質量分析スペクトル(日立M-60型ガスクロマトグラフ質
量分析計による)は第5図のとおりであった。上記9−
(シクロヘキシルメチル)パーヒドロフルオレンについ
て40℃から140℃までのトラクション係数を測定し
た。結果を第1図に示す。
【0029】比較例1 実施例1において、フルオレン540g,85%硫酸お
よびスチレン300gの代わりに、ナフタレン540
g,無水塩化アルミニウム40gおよびベンジルクロラ
イド320gを用いたこと以外は実施例1と同様に操作
して、(シクロヘキシルメチル)デカヒドロナフタレン
を主成分とする流体440gを得た。この流体の性状は
動粘度19.52cSt (40℃),3.415cSt (100
℃),比重0.9346(15/4℃)、屈折率1.500
1(n20 D ) であった。この流体の40℃から140℃
までのトラクション係数を第1図に示す。図より明らか
なように、本発明の化合物の方がトラクション係数が高
く、優れた流体であることがわかる。
【0030】
【発明の効果】本発明のシクロヘキシルアルカン誘導体
は新規な化合物であり、化学的にも安定であるため無臭
の高沸点溶剤としても好適に利用できるほか、熱媒体
油,電気絶縁油,作動油,潤滑油等の合成機能性流体な
どとして幅広く活用することができる。また、本発明の
トラクションドライブ用流体は、低温から高温までの広
い温度範囲にわたって高いトラクション係数を示すた
め、トラクションドライブ装置の小型軽量化や寿命の延
長を図ることができる。したがって、本発明のトラクシ
ョンドライブ用流体は、自動車あるいは産業用の無段変
速機、さらには水圧機器など様々な機械製品に幅広く利
用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例および比較例における流体の
トラクション係数と温度との関係を示すグラフである。
【図2】 実施例2で得られた9−(シクロヘキシルメ
チル)パーヒドロフルオレンの赤外線吸収スペクトルを
示す。
【図3】 実施例2で得られた9−(シクロヘキシルメ
チル)パーヒドロフルオレンのプロトン核磁気共鳴スペ
クトルを示す。
【図4】 実施例2で得られた9−(シクロヘキシルメ
チル)パーヒドロフルオレンの13C核磁気共鳴スペクト
ルを示す。
【図5】 実施例2で得られた9−(シクロヘキシルメ
チル)パーヒドロフルオレンの質量分析スペクトルを示
す。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中、R1,R2,R3 およびR4 はそれぞれ炭素数1〜
    4のアルキル基を示し、R5 およびR6 はそれぞれ水素
    原子あるいは炭素数1〜4のアルキル基を示す。なお、
    kは0または1を示し、l,mおよびnはそれぞれ0,
    1,2または3を示す。)で表されるシクロヘキシルア
    ルカン誘導体。
  2. 【請求項2】 一般式(2) 【化2】 (式中、R1,R2,R3,R4,R5,R6,k,l およびn は前記
    と同じであり、m'は0,1または2示す。)で表される
    請求項1記載のシクロヘキシルアルカン誘導体。
  3. 【請求項3】 一般式(3) 【化3】 (式中、R2,R3,R4,R5,R6,k,l,m およびn は前記と
    同じである。)で表される請求項1記載のシクロヘキシ
    ルアルカン誘導体。
  4. 【請求項4】 一般式(1) 【化4】 (式中、R1,R2,R3 およびR4 はそれぞれ炭素数1〜
    4のアルキル基を示し、R5 およびR6 はそれぞれ水素
    原子あるいは炭素数1〜4のアルキル基を示す。なお、
    kは0または1を示し、l,mおよびnはそれぞれ0,
    1,2または3を示す。)で表されるシクロヘキシルア
    ルカン誘導体を含有するトラクションドライブ用流体。
  5. 【請求項5】 一般式(2) 【化5】 (式中、R1,R2,R3,R4,R5,R6,k,l およびn は前記
    と同じであり、m'は0,1または2示す。)で表される
    請求項4記載のトラクションドライブ用流体。
  6. 【請求項6】 一般式(3) 【化6】 (式中、R2,R3,R4,R5,R6,k,l,m およびn は前記と
    同じである。)で表される請求項4記載のトラクション
    ドライブ用流体。
JP11339794A 1986-07-31 1994-05-02 シクロヘキシルアルカン誘導体およびそれを含有するトラクションドライブ用流体 Pending JPH07133235A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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