JPH0729946B2 - パ−ヒドロインダン誘導体、その製造法及びトラクシヨンドライブ用流体 - Google Patents

パ−ヒドロインダン誘導体、その製造法及びトラクシヨンドライブ用流体

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JPH0729946B2
JPH0729946B2 JP62055533A JP5553387A JPH0729946B2 JP H0729946 B2 JPH0729946 B2 JP H0729946B2 JP 62055533 A JP62055533 A JP 62055533A JP 5553387 A JP5553387 A JP 5553387A JP H0729946 B2 JPH0729946 B2 JP H0729946B2
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俊之 坪内
一志 畑
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、新規なパーヒドロインダン誘導体およびその
製造法、さらにこのパーヒドロインダン誘導体を主成分
とするトラクションドライブ用流体に関する。さらに詳
しくは、本発明は、アルキル基を有する新規なパーヒド
ロインダン誘導体およびその製造法、さらにこのパーヒ
ドロインダン誘導体を含有するトラクション係数の高い
トラクションドライブ用流体に関する。
[発明の背景] 近時、自動車等の回転駆動力の自動変速装置、機械の変
速伝動装置、航空機部品の定速伝動装置及び陸上、水上
乗物用の回転駆動力の伝達装置等として、従来から使用
されていたギヤの代りに、流体を用いたトラクションド
ライブ装置が使用されるようになってきている。
こうしたトラクションドライブ装置には、トラクション
ドライブ用流体が使用される。
従来、トラクションドライブ用流体として、鉱油などが
使用されていたが、トラクション係数の大きい流体が好
ましいことから合成油剤を用いるとの提案がなされてい
る。
たとえば、特公昭46−338号公報には、トラクションド
ライブ用流体(トラクタント)に関する発明が開示され
ており、その中で1,1,3−トリメチル−3−シクロヘキ
シルヒドリンダンがトラクションドライブ用流体として
使用可能である旨の記載がある。
また、他のヒドリンダン誘導体として、特公昭47−3576
3号公報には、1−シクロヘキシル−3−メチルヒドリ
ンダンが、特開昭59−129293号公報には、シクロヘキシ
ルメチルヒドリンダンが、それぞれ開示されている。
しかしながら、トラクションドライブ用流体は、広い温
度範囲で使用されるのが一般的であり、こうした広範な
温度範囲内においては、安定した特性を有していること
が重要であるところ、前記ヒドリンダン誘導体を主成分
とするトラクションドライブ用流体は、この点におい
て、必ずしも満足のできるものではない。
また、トラクションドライブ装置には、それぞれの装置
に特定のトラクション係数の設計値があり、低温から高
温までトラクションドライブ用流体のトラクション係数
がその設計値を上まわっている必要がある。
また、この設計値を上げることにより装置をより小型軽
量化することができる。それゆえ、トラクションドライ
ブ用流体のトラクション係数は高ければ高いほど良い。
すなわち、前記の公知のヒドリンダン誘導体中には、或
る程度高いトラクション係数を示すものが多くあるが、
例えば、温度の上昇に伴ってトラクション係数が大きく
低下するので、装置の設計値をそれ以上に上げられない
などの点で、改善の余地を残すものである。
[発明の目的] 本発明は前記事情に基づいてなされたものである。
すなわち、本発明の第一の目的は、新規なヒドリンダン
誘導体を提供することである。
本発明の第二の目的は、この新規なヒドリンダン誘導体
を容易に製造することができる方法を提供することであ
る。
本発明の第三の目的は、前記の新規なヒドリンダン誘導
体を用いた、トラクション係数の高いトラクションドラ
イブ用流体を提供することである。
[前記目的を達成するための手段] 前記目的を達成するための第一発明の構成は、次式
[I]で表わされるパーヒドロインダン誘導体である。
ただし、前記の式[I]において、R1、R2、R3、R4、R8
およびR9は、それぞれ炭素数1〜4のアルキル基もしく
は水素原子であり、R5、R6およびR7は、それぞれ炭素数
1〜4のアルキル基であり、そして、nは0または1〜
4の整数、mは0または1〜4の整数である。
上記の第一発明のパーヒドロインダン誘導体[I]は、
炭素数1〜5のアルキル基を有するアルキルベンゼンお
よび/またはベンゼンとビニルケトン誘導体とを酸性触
媒の存在下に反応させて次式[II]で表わされる誘導体
を得、次いで、水素添加触媒の存在下に、該式[II]で
表わされる誘導体と水素とを接触させることにより製造
することができる。
ただし、前記の式[II]において、R1、R2、R3、R4、R8
およびR9は、それぞれ炭素数1〜4のアルキル基もしく
は水素原子であり、R5、R6およびR7は、それぞれ炭素数
1〜4のアルキル基であり、そして、nは0または1〜
4の整数、mは0または1〜4の整数である。
前記パーヒドロインダン誘導体[I]は、トラクション
ドライブ用流体として好適に使用することができる。
本発明のパーヒドロインダン誘導体は、下式[I]で示
される。
ただし、前記の式[I]において、R1、R2、R3、R4、R8
およびR9は、それぞれ炭素数1〜4のアルキル基もしく
は水素原子である。アルキル基の具体的な例として、メ
チル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、
n−ブチル基およびi−ブチル基を挙げることができ
る。
また、R5、R6およびR7は、それぞれ炭素数1〜4のアル
キル基であり、アルキル基の具体的な例としては前掲の
ものを挙げることができる。
本発明において、パーヒドロインダン誘導体をトラクシ
ョンドライブ用流体として使用する場合には、R1、R2
R3およびR4は、それぞれ水素原子、メチル基およびエチ
ル基のいずれかであることが好ましく、R5、R6およびR7
は、それぞれメチル基もしくはエチル基であることが好
ましく、さらに、R8およびR9は、それぞれ水素原子およ
びメチル基のいずれかであることが好ましい。
そして、上記式[I]において、nは0または1〜4の
整数であり、mは0または1〜4の整数であり、特に本
発明においては、nおよびmが共に0〜2の範囲内にあ
ること、すなわち、それぞれのシクロヘキシル環に二個
以下のアルキル基が結合したものであるか、置換基を有
していないシクロヘキシル環であることが好ましい。
本発明のパーヒドロインダン誘導体の好ましい例を以下
に記載する。
1,3,3,′,3′−ペンタメチル−ビスヒドリンダニルメタ
ン、 1−メチル−3,3,3′,3′−テトラエチル−ビスヒドリ
ンダニルメタン、 1,3−ジメチル−3,3′,3′−トリエチル−ビスヒドリン
ダニルメタン、 1,3′−ジメチル−3,3,3′−トリエチル−ビスヒドリン
ダニルメタン、 1,3,3′−トリメチル−3,3′−ジエチル−ビスヒドリン
ダニルメタン、 1,3,3,3′−テトラメチル−3′−エチル−ビスヒドリ
ンダニルメタン、 1,3,3′,3′−テトラメチル−3−エチル−ビスヒドリ
ンダニルメタン、 1,3,3,3′,3′−ペンタメチル−ビスヒドリンダニルモ
ノメチルメタン、 1−メチル−3,3,3′,3′−テトラエチル−ビスヒドリ
ンダニルモノメチルメタン、 1,3−ジメチル−3,3′,3′−トリエチル−ビスヒドリン
ダニルモノメチルメタン、 1,3′−ジメチル−3,3,3′−トリエチル−ビスヒドリン
ダニルモノメチルメタン、 1,3,3′−トリメチル−3,3′−ジエチル−ビスヒドリン
ダニルモノメチルメタン、 1,3,3,3′−テトラメチル−3′−エチル−ビスヒドリ
ンダニルンモノメチルメタン、 1,3,3,3′,3′−ペンタメチル−ビスヒドリンダニルジ
メチルメタン、 1,3,3′,3′−テトラメチル−3−エチル−ビスヒドリ
ンダニルジメチルメタン、 1−メチル−3,3,3′,3′−テトラエチル−ビスヒドリ
ンダニルジメチルメタン、 1,3−ジメチル−3,3′,3′−トリエチル−ビスヒドリン
ダニルジメチルメタン、 1,3′−ジメチル−3,3,3′−トリエチル−ビスヒドリン
ダニルジメチルメタン、 1,3,3′−トリメチル−3,3′−ジエチル−ビスヒドリン
ダニルジメチルメタン、 1,3,3,3′−テトラメチル−3′−エチル−ビスヒドリ
ンダニルジメチルメタン、 1,3,3′,3′−テトラメチル−3−エチル−ビスヒドリ
ンダニルジメチルメタン、 なお、上記例示した誘導体において、シクロヘキシル環
にメチル基および/またはエチル基が一個もしくは二個
結合した誘導体も好適に使用することができる。
本発明のパーヒドロインダン誘導体の構造は、プロトン
核磁気共鳴スペクトル、13C核磁気共鳴スペクトルおよ
びマススペクトルなどの機器分析の測定結果から決定す
ることができる。
本発明のパーヒドロインダン誘導体は、炭素数1〜5の
アルキル基を有するアルキルベンゼンおよび/またはベ
ンゼンとビニルケトン誘導体とを酸性触媒の存在下に反
応させて次式[II]で表わされる誘導体を得、次いで、
水素添加触媒の存在下に、該式[II]で表わされる誘導
体と水素とを接触させることにより製造することができ
る。
ただし、前記の式[II]において、R1、R2、R3、R4
R8、R5、R6、R7およびR9は、前記の式[II]の場合と同
様であり、具体的なアルキル基の例および好ましいアル
キル基などの例、nおよびmの好ましい範囲等は、前記
式[I]で表わされる化合物の場合と同様である。
ここで、使用する炭素数1〜5のアルキル基を有するア
ルキルベンゼンとしては、トルエン、エチルベンゼン、
プロピルベンゼン、ペンチルベンゼン、ヘキシルベンゼ
ン、キシレン、キュメンおよびプソイドキュメンなどを
挙げることができる。
特に本発明において、ベンゼン、トルエンおよびキシレ
ンを使用するのが好ましい。
ビニルケトン誘導体としては、たとえば次式[III]で
表わされる化合物を挙げることができる。
ここで、R10およびR11は、それぞれ炭素数1〜4のアル
キル基(例、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i
−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基およびi−
ブチル基)もしくは水素原子であり、R12炭素数1〜4
のアルキル基(同上)である。
このビニルケトン誘導体の具体的な例としては、メシチ
ルオキシド、メチルビニルケトン、3−ペンチル−2−
オン、4−ヘキシル−3−オン、5−メチル−4−ヘキ
シル−3−オン、3−ヘキセン−2−オンおよび4−メ
チル−3−ヘキセン−2−オンなどを挙げることができ
る。
ここで、アルキルベンゼンもしくはベンゼンと、ビニル
ケトン誘導体との配合モル比は、両者を等モルで使用す
ればよい。ただし、アルキルベンゼンもしくはベンゼン
は、反応溶媒としても使用することができ、この場合に
は、通常ビニルケトン誘導体1モルに対して25モル以下
(好ましくは2〜20モルの範囲内)とする。
上記アルキルベンゼンもしくはベンゼンとビニルケトン
との反応は、酸性触媒の存在下で行なわれる。
用いる酸性触媒としては、硫酸、塩酸および硝酸などの
強プロトン酸ならびに塩化アルミニウム、三フッ素ホウ
素および四塩化スズなどのようなルイス酸を挙げること
がでいる。
酸化触媒の量は限定されるものではないが、好ましいの
はビニルケトン誘導体1モルに対して1〜2モルであ
る。
上記反応は、通常は、加熱下に行なわれる。加熱温度
は、通常は100℃以下(好ましくは50〜80℃、特に好ま
しくは60〜70℃)である。
この反応においては、飽和炭化水素系溶媒(たとえば、
シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンおよびヘキサ
ン)などを反応溶媒として使用することもできる。
このようにして反応させることによりアルキルベンゼン
もしくはベンゼンとビニルケトン誘導体とが反応して次
式[II]で表わされる化合物を得ることができる。
なお、上記式[II]において、R1、R2、R3、R4、R5
R6、R7、R8およびR9、ならびにnおよびmは、前記の場
合と同じ意味である。
上記の反応において、アルキルベンゼンおよびベンゼン
として異なる種類のものを用いることにより、式[II]
におけるR6とR7とが異なる化合物を製造することがで
き、また、異なる二種のビニルケトン誘導体を使用する
ことにより、R1およびR2とR3およびR4とが異なる化合物
を製造することができる。
こうして得られた式[II]で表わされる化合物と水素と
を水素添加触媒の存在下に接触させることにより、本発
明のパーヒドロインダン誘導体を製造することができ
る。
この水素添加は、通常は、反応温度を300℃以下、そし
て反応時間を10分〜10時間の範囲内に設定して行なわれ
る。また、上記の反応は、通常は、水素圧を1〜250kg/
cm2の範囲内に設定して行なわれる。特に水素圧を5〜1
50kg/cm2の範囲内に設定することにより、反応が円滑に
進行し、なおかつ反応装置も特殊なものを使用する必要
がなく、有利である。
上記の反応は、触媒の存在下に行なわれるが、ここで使
用する触媒は、水素添加触媒として通常使用されている
ものである。水素添加触媒としては、Ni触媒、Ru触媒、
Rh触媒、Pd触媒およびPt系の触媒などが知られており、
本発明においては、これらを使用することが可能であ
る。特に、本発明においては、Ru触媒、Rh触媒およびPt
触媒の内の少なくとも一種の金属成分を含有する触媒の
使用が好ましい。
Ru触媒としては、例えば、塩化ルテニウム、塩化ルテニ
ウム酸アンモニウム、水酸化ルテニウム、酸化ルテニウ
ム、二酸化ルテニウム、四酸化ルテニウムおよびルテニ
ウム酸カリウムなどを挙げることができ、これらは、そ
のまま、あるいは活性炭などの担体に担持させて用い
る。
Rh触媒としては、例えば、塩化ロジウム、塩化ロジウム
酸ナトリウム、塩化ロジウム酸アンモニウム、水酸化ロ
ジウム(III)、水酸化ロジウム(IV)、酸化ロジウム
(III)を挙げることができ、これらはそのままで、あ
るいは、担体に担持させて用いる。
Pt触媒としては、例えば、白金黒、塩化白金とテトラク
ロロ白金酸との組み合わせ、塩化白金とヘキサクロロ白
金酸との組み合わせ、ヘキサクロロ白金酸アンモニウ
ム、酸化白金、水酸化白金、二酸化白金、二硫化白金と
硫化白金との組み合わせおよび二硫化白金と硫化白金と
の組み合わせなどを挙げることができ、これらは担体に
担持されていているもの(例、白金・カーボン触媒、白
金・アスベスト触媒、白金・シリカゲル触媒・白金・ア
ルミナ触媒)であっても、担体を有しないものであって
もよい。
このなかでも、特にルテニウム/活性炭担持触媒を使用
することにより、好適な結果を得ることができる。
触媒の使用量は、通常は、使用する式[II]で表わされ
る化合物100重量部に対して、0.01〜10重量部の範囲内
(好ましくは3〜7重量部の範囲内)に設定される。0.
01重量部より少ないと反応時間が長くなることがあり、
また、10重量部より多く用いても反応の効率の著しい向
上が得られにくい。
式[II]で表わされる化合物は、通常、液状物として得
られるので、上記の反応は、溶媒を用いることなく行う
ことができる。ただし、式[II]で表わされる化合物を
溶媒中に溶解もしくは分散させて上記の反応を行なうこ
ともできる。この場合に使用する溶媒は、原料である式
[II]で表わされる化合物に対して溶解性を示すもので
あればよく、用いる溶媒としては、たとえば、飽和炭化
水素溶媒(たとえば、シクロヘキサン、メチルシクロヘ
キサン、ヘキサンなど)、芳香族炭化水素溶媒(たとえ
ば、トルエン、キシレン、ベンゼンなど)、エステル溶
媒(たとえば、酢酸メチル、酢酸エチルなど)、アルコ
ール溶媒(たとえば、メチルアルコール、エチルアルコ
ールなど)、ケトン溶媒(たとえば、アセトン、MEKな
ど)を挙げることができる。
本発明のパーヒドロインダン誘導体は、トラクションド
ライブ用流体として使用することができる。
トラクションドライブ用流体として使用する場合、得ら
れたパーヒドロインダン誘導体をそのまま使用すること
ができる。また、二種以上のパーヒドロインダン誘導体
を含むものであってもよい。さらに、パーヒドロインダ
ン誘導体以外のトラクションドライブ用流体を混合して
使用することもできる。
上記パーヒドロインダン誘導体以外のトラクションドラ
イブ用流体は、限定させるものではなく、例えば2,4−
ジシクロヘキシル−2−メチルペンタン、1−(2−デ
カリル)−1−シクロヘキシルエタンおよび1−(1−
デカリル)−1−シクロヘキシルエタンなどがある。
さらに、本発明のトラクションドライバ用流体は、例え
ば防錆剤、酸化防止剤、粘度指数向上剤、消泡剤、疲労
防止剤、清浄分散剤、流動点降下剤、極圧剤、油性向上
剤および着色剤などの成分を含むものであってもよい。
前記、酸化防止剤としては、たとえば、芳香族アミン系
化合物、フェノール系化合物、ジアルキルジチオリン酸
亜鉛系化合物、リンイオウ系化合物、イオウ系化合物お
よびリン化合物などが挙げられる。
前記防錆剤としては、たとえば、スルホン酸塩類、アミ
ン類、有機酸類あるいはその塩、およびエステル類等の
極性を有する有機化合物が挙げられる。
前記消泡剤としては、たとえば、ポリメチルシロキサン
のような有機シリコン化合物ポリマーが挙げられる。
前記粘度指数向上剤としては、たとえば、イソブチレン
ポリマーおよびメタクリル酸エステルポリマーが挙げら
れる。
前記流動点降下剤としては、たとえば、塩化パラフィン
・ナフタレン縮合物およびポリメタクリレートが挙げら
れる。
本発明のトラクションドライブ用の流体は、40℃におけ
る動粘度が、通常は1000cst以下であり、そして、100℃
における動粘度が、通常は100cst以下であり、140℃に
おけるトラクション係数が、通常は0.08以上(好適には
0.09以上)である。
本発明のパーヒドロインダン誘導体は、熱安定性が良好
であり、かつトラクション係数も高い。特にトラクショ
ン係数が使用全温度範囲にわたって非常に高いという特
長を挙げることができる。
なお、以上はパーヒドロインダン誘導体、その製造法お
よびこのパーヒドロインダン誘導体を含有するトラクシ
ョンドライブ用流体を中心に説明したが、本発明のパー
ヒドロインダン誘導体はトラクションドライブ用流体以
外にも、熱媒体用の基剤、防錆剤用の基剤あるいは電気
絶縁油等としても使用することもできる。
[発明の効果] 本発明のパーヒドロインダン誘導体を含有するトラクシ
ョンドライブ用流体は、低温から高温まで使用全温度範
囲にわたり非常に高いトラクション係数を示す。
従って、本発明のトラクションドライブ用流体を用いる
ことにより、高温であっても駆動力を良好に伝達するこ
とができるので、従来のトラクションドライブ用流体を
用いた場合よりもトラクションドライブ装置を過酷な条
件で使用することができるし、また小型軽量化すること
ができる。
[実施例] 次に本発明の実施例および比較例を示す。
(実施例1) 撹拌機、側管付き滴下ロート、塩化カルシウム管付き還
流冷却器、および温度計を取り付けた3の四つ口フラ
スコに、無水塩化アルミニウム370g(2.77モル)および
ベンゼン800mlを入れ、撹拌しながらメシチルオキサイ
ド250g(0.558モル)のベンゼン溶液を滴下ロートで2
時間かけて滴下した。この時の温度を60〜70℃に保っ
た。
さらに反応を完結するために60℃で3時間撹拌した。
次いで、この反応液を氷水1に少しづつ注ぎ込むこと
により反応を停止させ、油層と水槽とを分離した後、水
層をトルエンで抽出(300mlで二回)し、この抽出液を
油層に加え、この液を5%炭酸水素ナトリウム水溶液
(500ml)で一回、飽和食塩水300mlで二回洗浄した後、
無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。
乾燥剤を除去したのち、減圧下に蒸留(154℃/0.1mmH
g)して、純度98%の1,3,3,3′,3′−ペンタメチル−2
−ヒドロビスインデニルメタン208g(0.66モル)を得
た。
なお、上記の純度は、水素炎イオン化検出器(FID)付
きガスクロマトフラフィーで測定した。また、化合物の
構造はガスクロマトグラフ付き質量分析装置(GC−M
S)、1Hおよび13C核磁気共鳴装置(1H−NMRおよび13−N
MR)を用いた測定の結果から決定した。
次に、電磁撹拌式1ステンレス鋼製オートクレーブ
に、得られた1,3,3,3′,3′−ペンタメチル−2−ヒド
ロビスインデニルメタン200g(0.63モル)およびメチル
シクロヘキサン200mlを加え、5重量%ルテニウム−カ
ーボン触媒(日本エンゲルハルド(株)製)30gを加
え、水素圧85kg/cm2G、反応温度190℃、反応時間3時間
で水素添加反応を行なった。
反応後、濾過により触媒を除去し、濾別した触媒に付着
している反応生成物をヘキサンを用いて洗浄し、この洗
浄液を上記の濾過液に加え、次いで溶媒を留去して純度
99%の1,3,3,3′,3′−ペンタメチル−ビスヒドリンダ
ニルメタン208g(0.63モル)を得た。
得られた1,3,3,3′,3′−ペンタメチル−ビスヒドリン
ダニルメタンの性状を以下に示す。なお、純度の測定
は、上記と同様の方法により行なった。
第1図に得られた1,3,3,3′,3′−ペンタメチル−ビス
ヒドリンダニルメタンのマススペクトルのチャートを、
第2図に1H−NMRのチャートを、そして第3図に13C−NM
Rのチャートを示す。
・元素分析値:C24H42 計算値(%) C:87.2、H:12.8 実測値(%) C:87.2、H:12.8 ・屈折率(▲n20 d▼):1.5078 ・比重 (▲d4 15▼):0.9539 ・40℃における動粘度 :823.6cst、 100℃における動粘度:14.4cst ・粘度指数 :−426 (JIS−2284にに準拠して測定) (実施例2) 実施例1で得られた1,3,3,3′,3′−ペンタメチル−ビ
スヒドリンダニルメタンをトラクションドライブ用流体
として使用して、以下に記載する方法で、トラクション
係数を測定した。
測定方法 相接している同じサイズの円筒(直径52mm、厚さ6mmで
被駆動側は曲率半径10mmのタイコ型、駆動側はクラウニ
ング無しのフラット型)の一方を一定速度(1500rpm)
で回転させ、他方を1500〜1750rpmの範囲内の回転速度
で連続的に回転させ、両円筒の接触部分にバネにより7k
gの荷重を付与し、両円筒間に発生する接線力、すなわ
ちトラクション力を測定し、トラクション係数を求め
た。なお、この円筒は軸受鋼SUJ−2鏡面仕上でできて
おり、最大ヘルツ接触圧は112kg/mm2であった。
また、トラクション係数と油温との関係の測定に当って
は、油タンクをヒーターで加熱することにより、油温を
40〜140℃まで変化させ、すべり率5%におけるトラク
ション係数と油温との関係を測定した。結果を第4図に
示す。
第4図から、本発明のトラクションドライブ用流体は、
使用全温度範囲にわたり、非常に高いトラクション係数
を示すことがわかる。従って、伝達駆動力が向上するの
で、本発明のトラクションドライブ用流体を使用するこ
とにより、トラクションドライブ装置を小型化すること
が可能になる。
(比較例1) 撹拌機、温度計およびジムロート管を取り付けた2の
三つ口フラスコに、濃硫酸(95%)5.9gを入れ、撹拌し
ながらα−メチルスチレン600g(5.08モル)を4時間か
けてゆっくりと滴下した。その際、アイスバスで冷却
し、反応液の温度が55℃を超えないようにした。
その後、150℃で5時間撹拌して反応を完結させた。
室温まで冷却後、トルエン500gを加え、硫酸層を分離し
て、油層を5%炭酸水素ナトリウム水溶液300mlで二
回、飽和食塩水300mlで二回洗浄したのち、無水硫酸マ
グネシウムを用いて乾燥させた。硫酸マグネシウムを濾
別したのち、減圧蒸留を行なって、沸点125〜128℃/0.1
mmHgの純度97%の1,1,3−トリメチル−3−フェニルイ
ンダン450g(1.85モル)を得た。なお、純度および構造
の決定は上記実施例1と同様の方法によって行なった。
得られた1,1,3−トリメチル−3−フェニルインダン450
g(1.85モル)1のオートクレーブに入れ、20gの5重
量%ルテニウム−カーボン触媒(同上)を加えて、水素
圧80kg/cm2G、反応温度150℃、反応時間6時間で水素化
を行なった。
冷却後、触媒を濾過し、得られた濾液に、触媒を洗浄し
たヘキサン洗浄液を加え、次いでこの混合液から溶媒を
留去して純度97%の1,1,3−トリメチル−3−シクロヘ
キシルヒドリンダン472g(1.85モル)を得た。
得られた1,1,3−トリメチル−3−シクロヘキシルヒド
リンダンの性状を以下に示す。
・40℃における動粘度 :28.49cst、 100℃における動粘度:4.087cst ・粘度指数(▲n20 d▼):−36 (JIS−K−2284にに準拠して測定) ・流動点(▲d4 15▼):−27.5℃ また、得られたトラクションドライブ用流体として使用
して、上記に実施例2に記載した方法で、40〜140℃に
おけるトラクション係数を測定した。結果を第4図に併
せて記載する。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明のパーヒドロインダン誘導体のマスス
ペクトルのチャートであり、第2図は、プロトン核磁気
共鳴スペクトルのチャートであり、第3図は、13C核磁
気共鳴スペクトルのチャートであり、そして、第4図
は、トラクションドライブ用流体の温度とトラクション
係数との関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07B 61/00 300 C10N 40:04

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次式[I]で表わされるパーヒドロインダ
    ン誘導体; (ただし、前記の式[I]において、R1、R2、R3、R4
    R8およびR9は、それぞれ炭素数1〜4のアルキル基もし
    くは水素原子であり、R5、R6およびR7は、それぞれ炭素
    数1〜4のアルキル基であり、そして、nは0または1
    〜4の整数、mは0または1〜4の整数である。)。
  2. 【請求項2】炭素数1〜5のアルキル基を有するアルキ
    ルベンゼンおよび/またはベンゼンとビニルケトン誘導
    体とを酸性触媒の存在下に反応させて次式[II]で表わ
    される誘導体を得、次いで、水素添加触媒の存在下に、
    該式[II]で表わされる誘導体と水素とを接触させるこ
    とを特徴とする次式[I]で表わされるパーヒドロイン
    ダン誘導体の製造法; (ただし、前記の式[II]において、R1、R2、R3、R4
    R8およびR9は、それぞれ炭素数1〜4のアルキル基もし
    くは水素原子であり、R5、R6およびR7は、それぞれ炭素
    数1〜4のアルキル基であり、そして、nは0または1
    〜4の整数、mは0または1〜4の整数である。); (ただし、前記の式[I]において、R1、R2、R3、R4
    R8およびR9は、それぞれ炭素数1〜4のアルキル基もし
    くは水素原子であり、R5、R6およびR7は、それぞれ炭素
    数1〜4のアルキル基であり、そして、nは0または1
    〜4の整数、mは0または1〜4の整数である。)。
  3. 【請求項3】次式[I]で表わされるパーヒドロインダ
    ン誘導体を含有することを特徴とするトラクションドラ
    イブ用流体; (ただし、前記の式[I]において、R1、R2、R3、R4
    R8およびR9は、それぞれ炭素数1〜4のアルキル基もし
    くは水素原子であり、R5、R6およびR7は、それぞれ炭素
    数1〜4のアルキル基であり、そして、nは0または1
    〜4の整数の実数、mは0または1〜4の整数であ
    る。)。
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