JPH0610144B2 - スピロビヒドリンダン誘導体、その製造法およびトラクシヨンドライブ用流体 - Google Patents

スピロビヒドリンダン誘導体、その製造法およびトラクシヨンドライブ用流体

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JPH0610144B2
JPH0610144B2 JP61284853A JP28485386A JPH0610144B2 JP H0610144 B2 JPH0610144 B2 JP H0610144B2 JP 61284853 A JP61284853 A JP 61284853A JP 28485386 A JP28485386 A JP 28485386A JP H0610144 B2 JPH0610144 B2 JP H0610144B2
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alkyl group
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一志 畑
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、新規なスピロビヒドリンダン誘導体および
その製造法、さらにこのスピロビヒドリンダン誘導体を
主成分とするトラクションドライブ用流体に関する。さ
らに詳しく言うと、この発明は、置換基としてアルキル
を有することがあるスピロビヒドリンダン誘導体および
その簡単な製造法、さらにこのスピロビヒドリンダン誘
導体を含有するトラクション係数の高いトラクションド
ライブ用流体に関する。
[発明の背景] 近時、自動車等の回転駆動力の自動伝達装置、 機械の変速伝導装置、航空機部品の定速伝導装置及び陸
上、水上乗物用の回転駆動力の伝達装置等として、従来
から使用されていたギヤの代りに、 流体を用いたトラクショントライブ装置が使用されるよ
うになつてきている。
こうしたトラクションドライブ装置には、トラクション
ドライブ用流体が使用される。
従来、トラクションドライブ用流体として、鉱油などが
使用されていたが、トラクション係数の大きい流体が好
ましいことから合成油剤を用いるとの提案がなされてい
る。
たとえば、特公昭46-338号公報には、トラクションドラ
イブ用流体(トラクタント)に関する発明が開示されて
おり、その中で1,1,3−トリメチル−3−シクロヘ
キシルヒドリンダンがトラクションドライブ用流体とし
て使用可能である旨の記載がある。
また、他のヒドリンダン誘導体として、特公昭47-35763
号公報には、1−シクロヘキシル−3−メチルヒドリン
ダンが、特開昭59-129293号公報には、シクロヘキシル
メチルヒドリンダンが、それぞれ開示されている。
しかしながら、トラクションドライブ用流体は、広い温
度範囲で使用されるので、前記ヒドリンダン誘導体を主
成分とするトラクションドライブ用流体は必ずしも満足
のできるものであるとは言えない。
例えば、トラクションドライブ用流体は、エンジン始動
時などの低温状態におけるトラクション係数と、その後
の高温状態におけるトラクション係数の変化が少ないこ
とが必要とされる。
すなわち、前記の公知のヒドリンダン誘導体中には、高
いトラクション係数を示すものが多くあるが、例えば、
温度の上昇に伴つてトラクション係数が大きく低下する
ため、使用温度範囲で最も低いトラクション係数に相当
する動力しか伝達できないなどの点で、改善の余地を残
すものである。
[発明の目的] この発明は前記事情にもとづいてなされたものである。
すなわち、この発明の第一の目的は、新規なヒドリンダ
ン化合物を提供することである。
この発明の第二の目的は、この新規なヒドリンダン化合
物を容易に製造することができる方法を提供することで
ある。
この発明の第三の目的は、前記の新規なヒドリンダン化
合物を用いた、トラクション係数の高いトラクションド
ライブ用流体を提供することである。
[前記目的を達成するための手段] この発明は前記目的を達成するためになされたものであ
つて、この発明の構成の概要は、次式[I]で表わされ
るスピロビヒドリンダン誘導体である。
ただし、前記の式[I]において、Rは、炭素数1〜4
のアルキル基もしくは水素原子であり、 そして、XおよびYは、水素もしくは炭素数1〜4のア
ルキル基であり、前記式[I]中におけるアルキル基の
数は、8個以下である。
この第一の発明に係るスピロビヒドリンダン誘導体は、
五員環に二重結合を有することもある次式[II]で表わ
されるスピロビインダン誘導体と、水素とを触媒の存在
下に接触させることにより製造することができる。
ただし、前記の式[II]において、Rは、炭素数1〜4
のアルキル基もしくは水素原子であり、 そして、XおよびYは、水素もしくは炭素数1〜4のア
ルキル基であり、前記式[II]中におけるアルキル基の
数は、8個以下である。
前記スピロビヒドリンダン誘導体は、トラクションドラ
イブ用流体として好適に使用することができる。
この発明のスピロビヒドリンダン誘導体は、下式[I]
で示される。
前記の式[I]において、Rは、炭素数1〜4のアルキ
ル基もしくは水素原子である。そして、XおよびYは、
水素もしくは炭素数1〜4のアルキル基である。
従つてこの発明のヒドリンダン誘導体には、置換基(ア
ルキル基)を有するものと、置換基を有さないものとが
含まれる。
置換基を有する場合、前記式[I]中におけるアルキル
基の数は、8個を越えることがない。特に、置換してい
るアルキル基の数は、4個以下であることが好ましい。
さらに、前記式[I]中における五員環の水素がアルキ
ル基で置換されたものであることが好ましい。また、前
記式[I]におけるX及びYが水素であることが好まし
い。
アルキル基が8個を越えると、化合物が不安定になり、
さらに立体障害が生ずるので、通常の方法では製造しに
くくなる。そして、アルキル基が4個以内の化合物は、
安定性が良く、さらに高い収率で製造することができ、
好適である。
この発明のスピロビヒドリンダン誘導体は、 以下に示す式[III]のスピロビヒドリンダン骨格を有
している。
この発明のスピロビヒドリンダン誘導体である 1,1′−スピロビヒドリンダン化合物の好ましい例と
しては、 1,1′−スピロビヒドリンダン、 スピロ[2−アルキルヒドリンダン−1,1′−ヒドリ
ンダン]、 スピロ[3−アルキルヒドリンダン−1,1′−ヒドリ
ンダン]、 スピロ[2,2−ジアルキルヒドリンダン−1,1′−
ヒドリンダン]、 スピロ[3,3′−ジアルキルヒドリンダン−1,1′
−ヒドリンダン]、 スピロ[2,2,3−トリアルキルヒドリンダン−1,
1′−ヒドリンダン]、 スピロ[2,3,3−トリアルキルヒドリンダン−1,
1′−ヒドリンダン]、 スピロ[2,2,3,3−テトラアルキルヒドリンダン
−1,1′−ヒドリンダン]、 スピロ[2−アルキルヒドリンダン−1,1′−(2′
−アルキルヒドリンダン)]、 スピロ[2−アルキルヒドリンダン−1,1′−
(2′,2′−ジアルキルヒドリンダン]、 スピロ[2−アルキルヒドリンダン−1,1′−
(2′,3′−ジアルキルヒドリンダン)]、 スピロ[2−アルキルヒドリンダン−1,1′−
(3′,3′−ジアルキルヒドリンダン)]、 スピロ[2−アルキルヒドリンダン−1,1′−
(2′,2′,3′−トリアルキルヒドリンダン)]、 スピロ[2−アルキルヒドリンダン−1,1′−
(2′,3′,3′−トリアルキルヒドリンダン)]、 スピロ[3−アルキルヒドリンダン−1,1′−(2′
−アルキルヒドリンダン]、 スピロ[3−アルキルヒドリンダン−1,1′−
(2′,2′−ジアルキルヒドリンダン)]、 スピロ[3−アルキルヒドリンダン−1,1′−
(2′,3′−ジアルキルヒドリンダン]、 スピロ[3−アルキルヒドリンダン−1,1′−
(3′,3′−ジアルキルヒドリンダン)]、 スピロ[2,3−ジアルキルヒドリンダン−1,1′−
(2′,2′−ジアルキルヒドリンダン)]、 スピロ[2,3−ジアルキルヒドリンダン−1,1′−
2′,3′−ジアルキルヒドリンダン)]、 スピロ[2,3−ジアルキルヒドリンダン−1,1′−
(3′,3′−ジアルキルヒドリンダン)]、 スピロ[2,2,3−トリアルキルヒドリンダン−1,
1′−(3′−アルキルヒドリンダン)]、 スピロ[2,3,3−トリアルキルヒドリンダン−1,
1′−(2′−アルキルヒドリンダン)]、 スピロ[2,2−ジアルキルヒドリンダン−1,1′−
(2′,2′−ジアルキルヒドリンダン)]、 スピロ[2,2−ジアルキルヒドリンダン−1,1′−
(3′,3′−ジアルキルヒドリンダン)]、 スピロ[3,3−ジアルキルヒドリンダン−1,1′−
(3′,3′−ジアルキルヒドリンダン)]を挙げるこ
とができる。
なお、上記の例示した化合物のアルキル基は、上述のよ
うに炭素数1〜4のものであるので、メチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基およびブチル基であ
り、一の化合物おいてアルキル基が二以上ある場合に
は、アルキル基は、同一であつても異なる種類のもので
あってもよい。
この発明のスピロビヒドリンダン化合物の構造は、プロ
トン核磁気共鳴スペクトル、13C核磁気共鳴スペクトル
およびマススペクトルなどを測定することにより、決定
することができる。
この発明のスピロビヒドリンダン化合物は、次式[II]
で表わされるスピロインダン誘導体と、水素とを触媒の
存在下に接触させることにより製造することができる。
ただし、前記の式[II]において、Rは、炭素数1〜4
のアルキル基もしくは水素原子であり、 そして、XおよびYは、水素もしくは炭素数1〜4のア
ルキル基であり、前記式[II]中におけるアルキル基の
数は、8個を越えることがない。
なお、これらのスピロビインダン化合物の構造は、ガス
クロマトグラフ付き質量分析装置(GC−MS)、核磁
気共鳴装置(NMR)により確認することができる。
〜〜〜1.1′−スピロビヒドリンダン化合物の製造例
〜〜 1,1′−スピロビヒドリンダン化合物は、対応する
1,1′−スピロビインダン化合物の水素添加により製
造することができる。
ここで用いる1,1′−スピロビインダン化合物は、各
種の方法により製造することができるが、たとえば以下
に記載する反応式のようにに、ネオフィルクロライドの
グリニャール試薬のようなベンゼン環に二個の炭素が直
鎖状に結合している(この炭素は、以下に示すようにR
1、R2、R3、R4が炭素数1〜4のアルキル基であって
も、水素原子であってもよい)グリニャール試薬と、1
−インダノンとを反応させ、得られた1−インダノール
化合物の脱水環化反応により製造することができる。な
お、1−インダノンの五員環には、炭素数1〜4のアル
キル基が置換していてもよい。
上記の反応条件Iは、通常、反応温度−80〜100℃(好
ましくは−30〜30℃)の範囲内、反応時間10分〜20時間
の範囲内に設定される。
また、上記の反応は、通常は溶媒中で行われる。
用いる溶媒としては、たとえば、ジエチルエーテル、エ
チレングリコールジメチルエーテルおよびテトラヒドロ
フランその他の低凝固点エーテルなどが挙げられる。
なお、上記の反応に祭し、CeC3を添加することに
より、高い収率で1−インダノール化合物を合成するこ
とができる。この場合、用いるCeC3は、原料であ
る1−インダノン1モルに対して、0.5〜1.5モルの範囲
内で用いるのが好ましい。
この1−インダノール化合物は、通常の脱水反応で閉環
するので、上記の反応条件IIは、通常の脱水反応条件で
あればよい。
すなわち、たとえば、反応温度は、通常は0〜250℃の
範囲内に、反応時間は1〜10時間の範囲内に設定され
る。また、脱水触媒は、硫酸、p−トルエンスルホン酸
およびポリ燐酸などの通常のものを用いることがきる。
この反応は、通常は溶媒中でおこなわれるのが良い。用
いる溶媒の例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン
などの芳香溶媒を挙げることができる。
なお、生成する水を溶媒と共沸させて系外に出すことに
より収率を上げることもできる。
一方、ポリリン酸を触媒とする場合は、無溶媒で行なう
ことができる。
なお、この発明のスピロビヒドリンダン化合物が、シク
ロヘキシル環にアルキル置換基を有する場合には、上記
の出発物質のベンゼン環にアルキル置換基を有するもの
を用いる。
こうして得られた1,1′−スピロビインダン化合物
を、次の反応式で示すように触媒の存在下に水素添加す
ることにより1,1′−スピロビヒドリンダン化合物を
製造することができる。
上記の反応条件IIIは、通常、反応温度300℃以下、反応
時間10分〜10時間の範囲内に設定される。また、上記の
反応は、通常は、水素圧を1〜250kg/Cm2の範囲内に設
定して行なう。特に水素圧を5〜150kg/cm2の範囲内に
設定することにより、反応が円滑に進行し、なおかつ反
応装置も特殊なものを使用する必要がなく、有利であ
る。
上記の反応は触媒の存在下に行なわれるが、ここで使用
する触媒は、水素添加触媒として通常使用されているも
のである。水素添加触媒としては、Ni触媒、Ru触
媒、Rh触媒、Pd触媒およびPt触媒などが知られて
おり、この発明においては、これらを使用することが可
能であるが、特に、この発明においては、Ru、Rhお
よびPtの内の少なくとも一種の金属成分を含有する触
媒の使用が好ましい。
Ru触媒としては、例えば、塩化ルテニウム、塩化ルテ
ニウム酸アンモニウム、水酸化ルテニウム、酸化ルテニ
ウム、二酸化ルテニウム、四酸化ルテニウムおよびルテ
ニウム酸カリウムなどを挙げることができ、これらは、
そのまま、あるいは、活性炭などの担体に担持させて用
いる。Rh触媒としては、例えば、塩化ロジウム、塩化
ロジウム酸ナトリウム、塩化ロジウム酸アンモニウム、
水酸化ロジウム(III)、水酸化ロジウム(IV)、酸化
ロジウム(III)を挙げることができ、これらはそのま
まで、あるいは、担体に担持させて用いる。そして、P
t触媒としては、例えば、白金黒、塩化白金とテトラク
ロロ白金酸との組み合わせ、白金黒、塩化白金とヘキサ
クロロ白金酸との組み合わせ、ヘキサクロロ白金酸アン
モニウム、酸化白金、水酸化白金、二酸化白金、二硫化
白金と硫化白金との組み合わせおよび二硫化白金と硫化
白金との組み合わせなどを挙げることができ、 これらは担体に担持されているもの(例、白金/カーボ
ン触媒、白金/アスベスト触媒、白金/シリカゲル触
媒、白金/アルミナ触媒)であっても、担体を有しない
ものであってもよい。
このなかでも、特にルテニウム/活性炭触媒を使用する
ことにより、好適な結果を得ることができる。
触媒の使用量は、通常は、使用する1,1′−スピビロ
インダン化合物100重量部に対して、0.01〜10重量部の
範囲内(好ましく3〜7重量部の範囲内)に設定され
る。0.01重量部より少ないと反応時間が長くなることが
あり、また、10重量部より多く用いても反応の効率の著
しい向上が見られにくい。
1,1′−スピロビインダン化合物は、通常、液状物と
して得られるので、上記の反応は、溶媒を用いることな
く行うことができる。ただし、1,1′−スピロビイン
ダン化合物を溶媒中に溶解もしくは分散させて上記の反
応を行なうこともできる。この場合に使用する溶媒は、
原料である1,1′−スピロビインダン化合物に対して
溶解性を示すものであればよく、用いる溶媒としては、
たとえば、飽和炭化水素溶媒(たとえば、シクロヘキサ
ン、メチルシクロヘキサン、ヘキサンなど)、芳香族炭
化水素溶媒(たとえば、トルエン、キシレン、ベンゼン
など)、エステル溶媒(たとえば、酢酸メチル、酢酸エ
チルなど)、アルコール溶媒(たとうば、メチルアルコ
ール、エチルアルコールなど)、ケトン溶媒(たとえ
ば、アセトン、MEKなど)などを挙げることができ
る。しかし、前述した水素化条件は、要するに1,1′
−スピロビインダン類の化合物を分解することなく水素
化することががきるものであればよく、特に制限するも
のではない。
この発明のスピロビヒドリンダン誘導体は、トラクショ
ンドライブ用流体として使用することができる。
トラクションドライブ用流体として使用する場合、得ら
れたスピロビヒドリンダン誘導体をそのまま使用するこ
とができる。また、二種以上のスピロビヒドリンダン化
合物を含むものであってもよい。また、スピロビヒドリ
ンダン以外のトラクションドライブ用流体を混合して使
用することもできる。
これらのスピロビヒドリンダン誘導体は、熱安定性が良
好であり、かつトラクション係数も高い。特にトラクシ
ョン係数の温度変化が少ないことから、広範な温度範囲
で使用することができる。
さらに、この発明のトラクションドライブ用流体は、例
えば防錆剤、酸化防止剤、粘度指数向上剤、消泡剤、疲
労防止剤、清浄分散剤、流動点降下剤、極圧剤、油性向
上剤および着色剤などの成分を含むものであってもよ
い。
前記、酸化防止剤としては、たとえば、芳香族アミン系
化合物、フェノール系化合物、ジアルキルジチオりん酸
亜鉛化合物、りんいおう系化合物、いおう系化合物、り
ん化合物などが挙げられる。
前記防錆剤としては、たとえば、スルホン酸塩、アミ
ン、有機酸あるいはその塩、エステル等の極性を有する
有機化合物が挙げられる。
前記消泡剤としては、たとえば、ポリメチルシロキサン
のような有機シリコン化合物ポリマーが挙げられる。
前記粘度指数向上剤としては、たとえば、イソブチレン
ポリマー、メタクリル酸エステルポリマーなどが挙げら
れる。
前記流動点降下剤としては、たとえば、塩化パラフイン
・ナフタレン縮合物、ポリメタクリレートなどが挙げら
れる。
この発明のトラクションドライブ用の流体は、40℃にお
けるトラクション係数が、通常は0.09以上であり、そし
て、100℃におけるるトラクション係数が、通常は0.095
以上であり、140℃におけるトラクション係数が、通常
は0.08以上である。
なお、以上はスピロビヒドリンダン誘導体、その製造法
およびこのスピロビヒドリンダン誘導体を含有するトラ
クションドライブ用流体を中心に説明したが、この発明
のスピロビヒドリンダン誘導体はトラクションドライブ
用流体以外にも、熱媒体用の基剤、防錆剤用の基剤、電
気絶縁油等としても使用することもできる。
[発明の効果] この発明のスピロビヒドリンダン誘導体を含有するトラ
クションドライブ用流体は、低温でのトラクション係数
が良好な範囲内にあるとともに、高温になっても、トラ
クション係数の低下が少ない。
従つて、この発明のトラクションドライブ用流体を用い
ることにより、高温であっても駆動力を良好に伝達する
ことができるるので、従来のトラクションドライブ用流
体を用いた場合よりもトラクションドライブ装置を過酷
な条件で使用することができるし、また小型軽量化する
ことができる。
[実施例] 次にこの発明の実施例及び比較例を示す。
(実施例1) グリニャール試薬の調製 1の4つ口フラスコに、撹拌機、側管付き滴下ロー
ト、塩化カルシウム管付き還流冷却器、および温度計を
取り付け、マグネシウム粉末53.88g(22.2モル)を入れ
たのち、滴下ロート上部よりアルゴンガスを導入し、フ
ラスコ内をアルゴンガス置換した。次いで、ネオフィル
クロライドのTHF溶液800mを60℃で、撹拌下に一時
間かけて滴下し、さらに一時間反応させてネオフィルク
ロライドのグリニャール試薬を調製した。
なお、ネオフィルクロライドの滴下量は、全部で372.45
g(2.21モル)であった。
1−ネオフィル−1−インダノールの合成 5の四つ口フラスコに、撹拌機、側管付き滴下ロー
ト、塩化カルシウム管付き還流冷却器、および温度計を
取り付け、アルゴン雰囲気で、乾燥THF1、乾燥三
塩化阻セリウム782.43g(2.1モル)を入れた。次いで、
撹拌下に、−10℃で先に調製したネオフィルクロライド
のグリニャール試薬(THF溶液)を30分間で加え、さ
らに1時間30分撹拌した。
所定時間経過後、1−インダノン264.32g(2.0モル)の
THF溶液600mを、−20℃で撹拌下に2時間かけて滴
下し、滴下終了後、さらに1時間撹拌して反応を完結さ
せた。温度を室温まで戻した後、水1.5を加え、この
反応混合物より目的物をエーテル抽出し、エーテル層を
飽和食塩水で三回洗浄し、さらに無水硫酸マグネシウム
を用いて乾燥させた。無水硫酸マグネシウムを濾別し、
エーテルを留去して1−ネオフィル−1−インダノール
を主成分とする液体310gを得た。
スピロ[3,3−ジメチル−1,1′−インダン]の合
成 上記で得られた1−ネオフィル−1−インダノールを主
成分とする液体310g、トルエン1およびP−トルエ
ンスルホン酸20gを2のフラスコに入れ、共沸で水分
を留去しながら、4時間還流した。冷却後、反応混合物
を1NのNaOH水溶液、および飽和食塩水で洗浄し、次いで
無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥させた。乾燥剤を濾
別した後、トルエンを留去して、減圧蒸留を行って沸点
155〜162℃/0.12mmHgの留分246gを得た。
プロトン核磁気共鳴スペクトル、13C核磁気共鳴スペク
トルおよびマススペクトルで得られた留分を分析したと
ころ、1,1−ジメチルインダンの3位の炭素とインダ
ンの1位の炭素とがスピロ結合しているスピロ[3,3
−ジメチルインダン−1,1′−インダン]であること
が確認された。
スピロ[3,3−ジメチルヒドリンダン−1,1′−ヒ
ドリンダン]の合成 得られたスピロ[3,3−ジメチルインダン−1,1′
−インダン]240gと、5%ルテニウム/活性炭触媒(日
本エンゲルハルド社製)12gを1オートクレーブに入
れ、水素圧50kg/cm2G、反応温度170℃で3時間水素化
を行った。
冷却後、触媒を濾別して液状物を得た。
得られた液状物を精製し、得られた精製物のプロトン核
磁気共鳴スペクトル、13C核磁気共鳴スペクトルおよび
マススペクトルを測定した。
得られた化合物のプロトン核磁気共鳴スペクトルのチャ
ートを第1図に、13C核磁気共鳴スペクトルのチャート
を第2図に、そしてマススペクトルのチャートを第3図
に示す。
以下に、元素分析値を示す。
計算値 測定値 C: 87.6% 87.6% H: 12.4% 12.4% 以上の測定結果から、得られた液状物が、スピロ[3,
3−ジメチルヒドリンダン−1,1′−ヒドリインダ
ン]であることが確認された。
また、得られたスピロ[3,3−ジメチルヒドリンダン
−1,1′−ヒドリンダン]の40℃における動粘度は、
107.7cSt、100℃おける動粘度は、7.370cStであり、比重
(15/4℃)は、0.9801であり、D線を用いて測定した20
℃における屈折率(▲n20 D▼)は、1.5194であり、流
動点は、−10℃、そして、粘度指数は、−65であった。
このスピロ[3,3−ジメチルヒドリンダン−1,1′
−ヒドリンダン]をトラクションドライブ用流体として
使用して、以下に記載する方法で、トラクション係数を
測定した。
測定方法 相接している同じサイズの円筒(直径52mm、厚さ6mmで
被駆動側は曲率半径10mmのタイコ型、駆動側はクラウニ
ング無しのフラット型)の一方を一定速度(1500rpm)
で回転させ、他方を1500〜1750rpmで連続的に回転さ
せ、両円筒の接触部分にバネにより7kgの加重を付与
し、両円筒間に発生する接線力、すなわちトラクション
力を測定し、トラクション係数を求めた。なお、この円
筒は軸受鋼SUJ-2鏡面仕上でできており、最大ヘルツ接
触圧は112kg/mm2であった。
また、トラクション係数と油温との関係の測定に当って
は、油タンクをヒーターで加熱することにより、油温を
40〜140℃まで変化させ、すべり率5%におけるトラクシ
ョン係数と油温との関係を測定した。結果を第4図に示
す。
第4図から、この発明のトラクションドライブ用流体
は、温度上昇によるトラクション係数の低下が少ないこ
とがわかる。従って、駆動力の伝達効率が向上するの
で、この発明のトラクションドライブ用流体を使用する
ことにより、トラクションドライブ装置を小型化するこ
とが可能になる。
(比較例1) 撹拌機、温度計およびジムロート管を取り付けた2の
三つ口フラスコに、α−メチルスチレン826g、および7
0%硫酸100gを入れ、90℃で5時間撹拌して反応させ
た。冷却後、トルエン500gを加え、硫酸層を分離し
て、油層を1N水酸化ナトリウム水溶液と飽和食塩水とで
三回洗浄したのち、 無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥させた。硫酸マグネ
シウムを濾過したのち、減圧蒸留を行なって、沸点123
〜128℃/0.2mmHgの留分405gを得た。
得られた留分を実施例1と同様の方法により水素化を行
なって、1,1,3−トリメチル−3−シクロヘキシル
ヒドリンダンを得た。
この1,1,3−トリメチル−3−シクロヘキシルヒド
リンダンの比重は、0.9440(15/4℃)であり、動粘度
は、28.51oSt(40℃)、4.089cSt(100℃)、D線を用い
て測定した20℃における屈折率(▲n20 D▼)は、1.505
1であり、粘度指数は、−36であった。
この1,1,3−トリメチル−3−シクロヘキシルヒド
リンダンをトラクションドライブ用流体として使用し
て、上記の方法で、トラクション係数を測定した。結果
を第4図に示す。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明のスピロビヒドリンダン化合物のプ
ロトン核磁気共鳴スペクトルのチヤートであり、第2図
は、13C核磁気共鳴スペクトルのチャートであり、第3
図は、マススペクトルのチャートであり、そして、第4
図は、トラクションドライブ用流体の温度とトラクショ
ン係数との関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01J 23/40 C07B 61/00 300

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次式[I]で表わされるスピロビヒドリン
    ダン誘導体; (ただし、前記の式[I]において、Rは、 炭素数1〜4のアルキル基もしくは水素原子であり、そ
    して、XおよびYは、水素もしくは炭素数1〜4のアル
    キル基であり、前記式[I]中におけるアルキル基の数
    は、8個以下である。)。
  2. 【請求項2】前記式[I]で表わされるスピロビヒドリ
    ンダン誘導体が、1,1′−スピロビヒドリンダン骨格
    を有し、かつ該骨格に置換しているアルキル基の数が1
    〜4個であり、そして該式におけるXおよびYが水素で
    ある特許請求の範囲第1項に記載のスピロビヒドリンダ
    ン誘導体。
  3. 【請求項3】五員環に二重結合を有することもある次式
    [II]で表わされるスピロビインダン誘導体と水素と
    を、触媒の存在下に接触させることを特徴とするスピロ
    ビヒドリンダン誘導体の製造法; (ただし、前記式[II]において、Rは、 炭素数1〜4のアルキル基もしくは水素原子であり、そ
    して、XおよびYは、水素もしくは炭素数1〜4のアル
    キル基であり、前記式[II]中におけるアルキル基の数
    は、8個以下である。)。−
  4. 【請求項4】前記式[II]で表わされるスピロビインダ
    ン誘導体が、1,1′−スピロビインダン骨格を有し、
    かつ該骨格に置換しているアルキル基の数が1〜4個で
    あり、そして該式におけるXおよびYが水素である特許
    請求の範囲第3項に記載のスピロビヒドリンダン誘導体
    の製造法。
  5. 【請求項5】触媒が、Ru、RhおよびPtよりなる群
    から選ばれる少くとも一種の成分を含有する触媒である
    特許請求の範囲第3項の記載のスピロビヒドリンダン誘
    導体の製造法。
  6. 【請求項6】次式[I]で表わされるスピロビヒドリン
    ダン誘導体を含有するトラクションドライブ用流体; (ただし、前記の式[I]において、Rは、 炭素数1〜4のアルキル基もしくは水素原子であり、そ
    して、XおよびYは、水素もしくは炭素数1〜4のアル
    キル基であり、前記式[I]中におけるアルキル基の数
    は、8個以下である。)。−
  7. 【請求項7】前記式[I]で表わされるスピロビヒドリ
    ンダン誘導体が、1,1′−スピロビヒドリンダン骨格
    を有し、かつ該骨格に置換しているアルキル基の数が1
    〜4個であり、そして該式におけるXおよびYが水素で
    ある特許請求の範囲第6項に記載のトラクションドライ
    ブ用流体。
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