JP2854096B2 - 新規シラン化合物およびその製造法 - Google Patents

新規シラン化合物およびその製造法

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【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は新規なシラン化合物およびその製造法に関
し、さらに詳しくは、重合触媒成分、シランカップリン
グ剤などとして用いられる新規シラン化合物およびその
製造法に関する。
発明の技術的背景 プロピレン重合を行なう際には、従来より触媒成分と
して、アルコキシシラン類を用いると、高い立体規則性
を有する重合体を製造しうることが知られている。しか
しながら、従来から知られているアルコキシシランなど
を用いて製造された触媒成分を用いてプロピレンを重合
させても高重合活性と高立体規則性の両方を十分に満足
させることはできなかった。
またシラン化合物はシランカップリング剤あるいは樹
脂改質剤などとしての用途が期待されており、このため
新規なシラン化合物の出現が望まれている。
発明の目的 本発明は、高活性、高立体規則性重合触媒成分あるい
はシランカップリング剤などとして有用な新規シラン化
合物およびその製造法を提供することを目的としてい
る。
発明の概要 本発明に係る新規シラン化合物は、下記式[I]で表
わされる。
式[I]中、Rはシクロヘキシル基の場合には、2−
シクロヘキシル−2−メチル−2−シラ−1,3−ジオキ
サンを表わし、またRがtert−ブトキシ基の場合には、
2−tert−ブトキシ−2−メチル−2−シラ−1,3−ジ
オキサンを表わす。
このような新規シラン化合物[I]は、下記式[II]
で表わされるシラン化合物と、1,3−プロパンジオール
とを反応させることにより製造する。
但し、式[II]中、Rはシクロヘキシル基またはtert
−ブトキシ基を表わし、Xはハロゲン原子または炭素数
が1〜3のアルコキシ基を表わす。
なお、上記式[II]において、Xがハロゲン原子であ
る場合には、上記のようなシラン化合物[II]と、1,3
−プロパンジオールとの反応は、脱ハロゲン化水素剤の
存在下に実施することが好ましく、また、Xが上記のよ
うなアルコキシ基である場合には、酸または塩基触媒の
存在下に実施することが好ましい。
本発明に係る上記のような新規シラン化合物[I]
は、高活性、高立体規則性重合体製造用触媒成分あるい
はシランカップリング剤、樹脂改質剤などとして用いら
れる。
発明の具体的説明 以下、本発明に係る新規シラン化合物およびその製造
法について具体的に説明する。
新規シラン化合物 本発明に係る新規シラン化合物は、下記式[I]で表
わされる。
式[I]中、Rはシクロヘキシル基の場合には、2−
シクロヘキシル−2−メチル−2−シラ−1,3−ジオキ
サンを表わし、またRがtert−ブトキシ基の場合には、
2−tert−ブトキシ−2−メチル−2−シラ−1,3−ジ
オキサンを表わす。
上記式[I]で表わされるシラン化合物において、R
はシクロヘキシル基である2−シクロヘキシル−2−メ
チル−2−シラ−1,3−ジオキサン[I a]は、沸点が83
℃/0.1mmHgであり、Rがtert−ブトキシ基である2−te
rt−ブトキシ−2−メチル−2−シラ−1,3−ジオキサ
ン[I b]は、沸点が40℃/0.1mmHgであり、いずれも常
温で無色の高粘度液体である。
2−シクロヘキシル−2−メチル−2−シラ−1,3−
ジオキサンは下記式[I a]で表わされ、2−tert−ブ
トキシ−2−メチル−2−シラ−1,3−ジオキサンは下
記式[I b]で表わされ、これらの構造はGC−MS、1H−N
MR、IRなどにより確認することができる。
上記化合物[I a]の1H−NMRスペクトルのチャートを
第1図に、IRスペクトルのチャートを第2図に、また上
記化合物[I b]の1H−NMRスペクトルのチャートを第3
図に、IRスペクトルのチャートを第4図にそれぞれ示
す。
上記式[I a]中、〜は水素原子の番号を示し、
この数字と第1図のピークに付した数字とが対応してお
り、また、上記式[I b]中、(11)〜(14)は同様に
第3図のピークに付した数字と対応している。
これらのシラン化合物[I a]、[I b]を重合触媒成
分として用いると、高立体規則性を有するポリプロピレ
ン、ポリブテンなどのオレフィン系重合体を、高重合活
性下に製造することができる。
また、このシラン化合物[I a]、[I b]はシラジオ
キサン構造の反応性が高いため、シランカップリング
剤、重合性モノマーおよび樹脂改質剤として用いられ
る。
製造方法 このような新規なシラン化合物[I](すなわち[I
a]、[I b])は、下記式[III]に示すように、式[I
I]で表わされるシラン化合物と、1,3−プロパンジオー
ルとを反応させることにより製造する。
但し、式中、Rはシクロヘキシル基またはtert−ブト
キシ基を表わし、Xはハロゲン原子または炭素数が1〜
3のアルコキシ基を表わす。ハロゲン原子としては、具
体的には、たとえばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素などが
挙げられ、上記のようなアルコキシ基としては、具体的
には、たとえばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基
などが挙げられる。
上記式[III]中、Xがハロゲン原子の場合には、脱
ハロゲン化水素剤の存在下に上記反応を行なうことが好
ましい。
また、不活性気体を用いて、上記反応により生成する
ハロゲン化水素を反応系から除去してもよい。
このように脱ハロゲン化水素剤の存在下に反応を行な
い、あるいは不活性気体を用いてハロゲン化水素を系外
に除去すると、上記式[III]の反応を速やかに進行さ
せることができる。
脱ハロゲン化水素剤としては、第三級アミン、窒素含
有複素環化合物、たとえばピリジン、キノリン、イソキ
ノリンなどが挙げられるが、これらの内でもピリジン、
キノリンが好ましく用いられる。
このように、上記式[III]で表わされる反応を行な
う際には、式[II]で表わされるシラン化合物1モル当
り、1,3−プロパンジオールを1.0〜1.2倍モルの量で用
い、また、脱ハロゲン化水素剤を必要により1〜10倍モ
ルの量で用い、0〜50℃、好ましくは0〜25℃の温度
で、1〜20時間、好ましくは2〜10時間反応させること
が望ましい。
前記式[III]中、Xがアルコキシ基の場合には、酸
または塩基触媒の存在下に上記反応[III]を行なうこ
とが望ましく、このように、触媒を用いると反応時間を
短縮させることができる。
酸触媒としては、具体的には、たとえば、塩酸、硫酸
などの鉱酸、トルエンスルホン酸、メチルスルホン酸な
どが挙げられ、塩基触媒としては、具体的には、たとえ
ばアルカリ金属、アルカリ土類金属など、およびこれら
金属の水酸化物、アルコキシドなどが挙げられる。
このような触媒は、式[II]で表わされるシラン化合
物1モル当り、通常、0.1〜1.0gの量で用いられる。
なお、本発明においては、上記式[III]で示される
反応により新規シラン化合物[I]を製造する際に、溶
媒を用いてもよく、具体的には、たとえば、エーテル、
ベンゼン、テトラヒドロフランなどの有機溶媒が挙げら
れる。
このようにして得られた新規シラン化合物[I]、す
なわち、2−シクロヘキシル−2−メチル−2−シラ−
1,3−ジオキサン[I a]および2−tert−ブトキシ−2
−メチル−2−シラ−1,3−ジオキサン[I b]の構造
は、GC−MS、1H−NMR、IRなどにより確認される。
発明の効果 本発明に係る新規なシラン化合物[I]は、たとえば
重合触媒成分として用いると、高い立体規則性を有する
重合体を、高重合活性下に製造することができる。また
このようなシラン化合物は、シランカップリング剤、樹
脂改質剤などとして用いることもできる。
また、本発明においては、新規シラン化合物[I]を
製造する際に、式[II]で表わされるシラン化合物と、
1,3−プロパンジオールとを、前述したように、Xがハ
ロゲン原子である場合には好ましくは脱ハロゲン化水素
剤の存在下に反応させ、またXがアルコキシ基である場
合には酸、塩基触媒の存在下に反応させているので新規
シラン化合物[I]が高収率にて得られる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する
が、本発明はこれらの実施例に何ら制約されるものでは
ない。
実施例1 メカニカルスターラー、冷却管、滴下ロート2本を備
えた反応容器に乾燥エーテル150mlを仕込み、氷冷し
た。
これにシクロヘキシルメチルジクロロシラン47.5g
(0.24mol)と乾燥エーテル100mlの混合物と、1,3−プ
ロパンジオール18.8g(0.25mol)とピリジン40g(0.5mo
l)と乾燥エーテル100mlの混合物とを攪拌下、同時に60
分で滴下した。滴下後氷冷をやめ、室温に戻し16時間攪
拌し反応を完結させた。生成した沈澱物を濾別し、濾液
を蒸溜することにより2−シクロヘキシル−2−メチル
−2−シラ−1,3−ジオキサン19.9g(0.099mol)を得
た。
収率は41.2%、沸点は83℃/0.1mmHgであった。
構造は、GC−MS、1H−NMR、IRで確認した。GC−MSデ
ータは以下のとおりであり、1H−NMR、IRチャートはそ
れぞれ第1図、第2図に示した。
GC−MS:m/e(スペクトル強度比) 200(4)、118(10)、117(100)、87(12)、61(1
0)、45(10)、41(11) 実施例2 メカニカルスターラー、冷却管、滴下ロート2本を備
えた14つ口フラスコに乾燥エーテル100mlを仕込
み、氷冷した。
これにt−ブトキシメチルジクロロシラン30.8g(0.1
6mol)と乾燥エーテル70mlの混合物と、1,3−プロパン
ジオール11.5g(0.15mol)とピリジン23.7g(0.3mol)
と乾燥エーテル70mlの混合物とを攪拌下、同時に60分で
滴下した。
滴下後氷冷をやめ、室温に戻し16時間攪拌し反応を完
結させた。生成した沈澱物を濾別し、濾液を蒸溜するこ
とにより2−tert−ブトキシ−2−メチル−2−シラ−
1,3−ジオキサン10.2g(0.05mol)を得た。
収率は32.4%、沸点は40℃/0.1mmHgであった。
構造は、GC−MS、1H−NMR、IRで確認した。GC−MSデ
ータは以下のとおりであり、1H−NMR、IRチャートは、
それぞれ第3図、第4図に示した。
GC−MS:m/e(スペクトル強度比) 175(76)、119(24)、117(100)、77(31)、61(1
2)、45(15)、41(9) 実施例3 反応容器にシクロヘキシルメチルジメトキシシラン50
g(0.27mol)と、1,3−プロパンジオール20.2g(0.27mo
l)と、金属ナトリウム0.1gおよびベンゼン200mlを仕込
み、リフラックスさせた。
生成するメタノールを共沸蒸溜によって系外から抜き
出した。2時間後、原料がなくなったのを確認してか
ら、蒸溜して、2−シクロヘキシル−2−メチル−2−
シラ−1,3−ジオキサン25.5g(0.13mol)を得た。
収率は48.1%であった。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係る2−シクロヘキシル−2−メチ
ル−2−シラ−1,3−ジオキサンについて1H−NMR測定の
結果を、第2図はIR測定の結果を示している。 また、第3図は、本発明に係る2−tert−ブトキシ−2
−メチル−2−シラ−1,3−ジオキサンについて1H−NMR
測定の結果を、第4図はIR測定の結果を示している。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07F 7/18 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式[I]で表わされるシラン化合物。 (但し、式中、Rはシクロヘキシル基、またはtert−ブ
    トキシ基を表わす。)
  2. 【請求項2】下記式[II]で表わされる化合物と、1,3
    −プロパンジオールとを反応させることを特徴とする下
    記式[I]で表わされるシラン化合物の製造法。 (但し、式[II]中、Rはシクロヘキシル基またはtert
    −ブトキシ基を表わし、Xはハロゲン原子または炭素数
    が1〜3のアルコキシ基を表わす。) (但し、式[I]中、Rはシクロヘキシル基、またはte
    rt−ブトキシ基を表わす。)
  3. 【請求項3】脱ハロゲン化水素剤の存在下に、下記式
    [II a]で表わされるシラン化合物と、1,3−プロパン
    ジオールとを反応させることを特徴とする下記式[I]
    で表わされるシラン化合物の製造法。 (但し、式[II a]中、Rはシクロヘキシル基またはte
    rt−ブトキシ基を表わし、X1はハロゲン原子を表わ
    す。) (但し、式[I]中、Rはシクロヘキシル基、またはte
    rt−ブトキシ基を表わす。)
  4. 【請求項4】酸または塩基触媒の存在下に、下記式[II
    b]で表わされるシラン化合物と、1,3−プロパンジオ
    ールとを反応させることを特徴とする下記式[I]で表
    わされるシラン化合物の製造法。 (但し、式[II b]中、Rはシクロヘキシル基またはte
    rt−ブトキシ基を表わし、X2は炭素数が1〜3のアルコ
    キシ基を表わす。) (但し、式[I]中、Rはシクロヘキシル基またはtert
    −ブトキシ基を表わす。)
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