JP3323473B2 - 新規な架橋基含有化合物 - Google Patents

新規な架橋基含有化合物

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JP3323473B2 JP2000042910A JP2000042910A JP3323473B2 JP 3323473 B2 JP3323473 B2 JP 3323473B2 JP 2000042910 A JP2000042910 A JP 2000042910A JP 2000042910 A JP2000042910 A JP 2000042910A JP 3323473 B2 JP3323473 B2 JP 3323473B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】〔発明の背景〕
【産業上の利用分野】本発明は、α‐オレフィン重合用
の触媒成分である遷移金属化合物の前駆体となる新規な
架橋基含有化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】オレフィン重合用の均一系触媒として
は、いわゆるカミンスキー触媒がよく知られている。こ
の触媒は非常に重合活性が高く、分子量分布が狭い重合
体が得られるという特徴がある。
【0003】カミンスキー触媒によりアイソタクチック
ポリオレフィンを製造する際に使用する遷移金属化合物
としては、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジ
クロリドやエチレンビス(4,5,6,7‐テトラヒド
ロインデニル)ジルコニウムジクロリド(特開昭61−
130314号公報)が知られているが、製造したポリ
オレフィンの分子量が小さく、また、低温で製造すると
高分子量体が得られるが重合活性が低い等の問題点があ
る。また、このような遷移金属化合物のジルコニウムの
代わりにハフニウム化合物を使用すると、高分子量体が
製造可能であることが知られているが(Journal of Mol
ecular Catalysis, 56(1989) p.237〜247)、この方法に
は重合活性が低いという問題点があるようである。
【0004】さらに、ジメチルシリレンビス置換シクロ
ペンタジエニルジルコニウムジクロリドなどが特開平1
−301704号公報、Polymer Preprints,Japan vol.
39,No.6 p.1614〜1616(1990)、特開平3−12406号
公報により、ジメチルシリレンビス(インデニル)ジル
コニウムジクロリド等が特開昭63−295007号、
特開平1−275609号各公報により、提案され、比
較的低温の重合では高立体規則性で高融点のポリマーを
得ることが可能となった。しかし、経済性の高い高温重
合条件下では、立体規則性、融点及び分子量の低下が著
しいようであって、改良が望まれている。
【0005】特開平4−268307号および同4−2
68308号各公報には、上記シクロペンタジエニル化
合物の架橋基の隣(2位‐)に置換基をつけることによ
って、立体規則性及び分子量がある程度向上することが
示唆されているが、経済的に有利な、重合温度を上げた
重合条件下の性能はいまだ不充分であるようである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】〔発明の概要〕 本発明は、押出成形や射出成形が可能な高分子量体で、
高融点を保つオレフィン系重合体を高収率で得ることを
可能にするα‐オレフィン重合用遷移金属化合物を製造
するにあたり、その前駆体となる新規な架橋基含有化合
物を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の問題点
を解消すべく検討を行なった結果なされたものである。
すなわち、本発明による新規な架橋基含有化合物は、下
記の一般式〔I〕で表わされる化合物である。
【0008】
【化2】 (ただし、Rは、それぞれ独立に、水素または炭素数
1〜6の炭化水素基または炭素数1〜12のケイ素含有
炭化水素基を示す。RおよびRは、それぞれ独立
に、それが結合する五員環に対して縮合環を形成する、
2価の、炭素数5〜20の不飽和炭化水素基を示す。た
だし、RおよびRは、ともにRまたはR由来の
不飽和結合を有する7員環からなる縮合環を形成する。
Qは、二つの五員環を結合する炭素数1〜20の2価の
炭化水素基、シリレン基、炭素数1〜20の炭化水素基
を有するシリレン基、ゲルミレン基、または炭素数1〜
20の炭化水素基を有するゲルミレン基を示す。)
【0009】〔発明の具体的説明〕 本発明による新規な架橋基含有化合物は、下記の一般式
〔I〕で表わされる化合物である。
【0010】
【化3】 (ただし、Rは、それぞれ独立に、水素または炭素数
1〜6の炭化水素基または炭素数1〜12のケイ素含有
炭化水素基を示す。RおよびRは、それぞれ独立
に、それが結合する五員環に対して縮合環を形成する、
2価の、炭素数5〜20の不飽和炭化水素基を示す。た
だし、RおよびRは、ともにRまたはR由来の
不飽和結合を有する7員環からなる縮合環を形成する。
Qは、二つの五員環を結合する炭素数1〜20の2価の
炭化水素基、シリレン基、炭素数1〜20の炭化水素基
を有するシリレン基、ゲルミレン基、または炭素数1〜
20の炭化水素基を有するゲルミレン基を示す。)
【0011】Rは、上記したように水素または炭素数
1〜6の炭化水素基または炭素数1〜12のケイ素含有
炭化水素基である。さらに詳しくは、Rは、水素、ま
たはアルキル、シクロアルキル等の飽和炭化水素基、ビ
ニル、アルケニル等の不飽和炭化水素基、またはアルキ
ルシリル等のケイ素含有炭化水素基である。具体例とし
ては、メチル、エチル、n‐プロピル、i‐プロピル、
n‐ブチル、i‐ブチル、t‐ブチル、n‐アミル、i
‐アミル、n‐ヘキシル、シクロプロピル、アリル、ト
リメチルシリル、ジメチルエチルシリル基等が例示され
る。これらのうち好ましいのは、メチル、エチル、n‐
プロピル、i‐プロピル、シクロプロピル、n‐ブチ
ル、i‐ブチル、t‐ブチル等の炭素数1〜4のアルキ
ル基である。
【0012】RおよびRは、先ず、それぞれ独立
に、炭素数5〜20の2価の炭化水素基である。また、
およびRは、もう一つの条件として当該縮合環が
ともに7員環であるということを要件とするが、その観
点からいって、RおよびRの鎖長はそれによって形
成される縮合環が7員環であるということになる。
【0013】さて、RおよびRについての第二の要
件は、上記のように、当該縮合環の両方が7員環である
ということである。従って、RおよびRは、それぞ
れ炭素数5〜20、好ましくは5〜16、のものであ
る。
【0014】RおよびRについての第三の要件は、
7員環からなる縮合環を形成するときに、当該縮合環が
またはR由来の少なくとも一つの不飽和結合を有
するということである。
【0015】このようなRおよびRの具体例を例示
すれば、下記の通りである。2価の不飽和炭化水素基、
たとえばアルケニレン、アルカジエニレンおよびアリー
レン、具体的には、1‐ペンテニレン、1,3‐ペンタ
ジエニレン、1,4‐ペンタジエニレンおよび3‐メチ
ル‐1,4‐ペンタジエニレン。
【0016】これらのうちで好ましいものは、1,3‐
ペンタジエニレン、1,4‐ペンタジエニレン、3‐メ
チル‐1,4‐ペンタジエニレン等である。
【0017】Qは、二つの共役五員環配位子を架橋する
2価の基であって、例えば(イ)炭素数1〜20、好ま
しくは1〜6、の2価の炭化水素基、さらに詳しくは、
例えばアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン
等の不飽和炭化水素残基、(ロ)シリレン基、(ハ)炭
素数1〜20、好ましくは1〜12、の炭化水素基を有
するシリレン基、(ニ)ゲルミレン基、または(ホ)炭
素数1〜20、好ましくは1〜12、の炭化水素基を有
するゲルミレン基、を表わす。これらの中でも好ましい
ものはアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン
基、アルキルシリレン基である。なお、2価のQ基の両
結合手間の距離は、その炭素数の如何にかかわらず、Q
が鎖状の場合に4原子程度以下、就中3原子以下、であ
ることが、Qが環状基を有するものである場合は当該環
状基+2原子程度以下、就中当該環状基のみであること
が、それぞれ好ましい。従って、アルキレンの場合はエ
チレンおよびイソプロピリデン(結合手間の距離は2原
子および1原子)が、シクロアルキレン基の場合はシク
ロヘキシレン(結合手間の距離がシクロヘキシレン基の
み)が、アルキルシリレンの場合はジメチルシリレン
(結合手間の距離が1原子)が、それぞれ好ましい。
【0018】本発明による一般式〔I〕で表される化合
物は、置換基ないし結合の形成に関して合目的的な任意
の方法によって合成することができる。一つの代表的な
合成経路は下記の通りである。なお、HRは下記式の
化合物を示す。
【0019】
【化4】 HR+ n‐CLi → RLi + n‐
10 2RLi + QCl → Q(R+ 2
LiCl
【0020】ここで、Q(Rで示されている化合
物が、本発明による一般式〔I〕で表される化合物(R
がRと同一であるもの)に相当する。上記にはR
がRと同一である化合物についての合成例が例示され
ているが、RとRとが異なる化合物についても同様
の合成経路に従って合成することができる。
【0021】その後、引き続いて次の反応を行うことに
よって、上記一般式〔I〕で表される化合物を錯体化合
物とし、α‐オレフィン重合用の遷移金属化合物とする
ことができる。 Q(R + 2・n‐CLi → Q(R
Li)+ 2・n‐C10 (但し、HR=R) Q(RLi)+ ZrCl → Q(R
ZrCl + 2LiCl
【0022】この様な合成経路により得られる錯体化合
物の非限定的な例として、下記のものを挙げることがで
きる。なお、これらの化合物は、単に化学的名称のみで
指称されているが、その立体構造が本発明でいう非対称
性をもつものであるこというまでもない。
【0023】(1)エチレンビス(4,4‐ジヒドロア
ズレニル)ジルコニウムジクロリド、 (2)エチレンビス(4‐メチル‐4‐ヒドロアズレニ
ル)ジルコニウムジクロリド、 (3)エチレンビス(6‐メチル‐6‐ヒドロアズレニ
ル)ジルコニウムジクロリド、 (4)エチレンビス(4‐メチルアズレニル)ジルコニ
ウムジクロリド、 (5)エチレンビス(2,4‐ジメチル‐4‐ヒドロア
ズレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0024】(6)メチレンビス(4‐メチル‐4‐ヒ
ドロ‐アズレニル)ジルコニウムジクロリド、 (7)メチレンビス(2,4‐ジメチル‐4‐ヒドロア
ズレニル)ジルコニウムジクロリド、 (8)イソプロピリデンビス(4‐メチル‐4‐ヒドロ
アズレニル)ジルコニウムジクロリド、 (9)シクロヘキシリデンビス(4‐メチル‐4‐ヒド
ロアズレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0025】(10)ジメチルシリレンビス(4,4‐ジ
ヒドロアズレニル)ジルコニウムジクロリド、 (11)ジメチルシリレンビス(4‐メチル‐4‐ヒドロ
アズレニル)ジルコニウムジクロリド、 (12)ジメチルシリレンビス(2,4‐ジメチルアズレ
ニル)ジルコニウムジクロリド、 (13)ジメチルシリレンビス(2,6‐ジメチル‐6‐
ヒドロアズレニル)ジルコニウムジクロリド、 (14)ジメチルシリレンビス(6‐メチル‐6‐ヒドロ
アズレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0026】(15)フェニルメチルシリレンビス(4‐
メチル‐4‐ヒドロアズレニル)ジルコニウムジクロリ
ド、 (16)フェニルメチルシリレンビス(2,4‐ジメチル
‐4‐ヒドロアズレニル)ジルコニウムジクロリド、 (17)ジフェニルシリレンビス(2,4‐ジメチル‐4
‐ヒドロアズレン)ジルコニウムジクロリド、 (18)ジメチルゲルマンビス(4‐メチル‐4‐ヒドロ
アズレニル)ジルコニウムジクロリド、等が例示され
る。
【0027】<触媒の形成> 本発明による一般式〔I〕で表される化合物から形成さ
れた錯体化合物は、α‐オレフィン重合用触媒の遷移金
属成分として有用なものであることは前記した通りであ
る。本発明による一般式〔I〕で表される化合物から形
成された錯化化合物(成分(A))は、(イ)アルミニ
ウムオキシ化合物、(ロ)ルイス酸、あるいは(ハ)成
分(A)と反応して成分(A)をカチオンに変換するこ
とが可能なイオン性化合物を、重合槽内であるいは重合
槽外で、重合させるべきモノマーの存在下あるいは非存
在下に接触させることにより得ることができる。
【0028】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明の具体的な実施
態様を説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、
以下の説明によって限定されるものではない。 <測定方法> 化合物の同定 (1)NMRスペクトル バリアン社製核磁気共鳴スペクトル測定装置(Gemi
ni−300)を用いて、測定周波数300MHz、重
クロロベンゼン(CDCl)中、室温にてHNMR
を測定した。 (2)GC-MSスペクトル(gas chromatography-mass spe
ctrum) MS:測定機種 日本電子社製JMSDX−300。イオ
ン化方法 EI(electron inpact)法。イオン化電圧
70eV。導入温度 250℃。 GC:測定機種 ヒューレットパッカード(HP)社製
HP5890。使用カラム HP社製HP ultra
#2 No.6(充填材 メチルシリコン−5%フェニ
ルシリコン。長さ 25m;内径 0.32mm。昇温
パターン 120℃→280℃(昇温速度 8℃/mi
n))
【0029】〔実施例−1〕 ビス(4‐メチル‐4‐ヒドロアズレニル)ジメチルシ
ランの合成 窒素置換した500ミリリットルのフラスコに、Na/
Kアマルガムで脱水精製したトルエン150ミリリット
ルおよびアズレン5グラム(39ミリモル)を導入し、
−50℃以下に冷却した後、メチルリチウムジエチルエ
ーテル希釈液(1.10モル/リットル)を40.0ミ
リリットル(44ミリモル)を15分かけて滴下した。
滴下終了後、1時間かけて50℃まで昇温し、50℃で
2時間反応操作を行なった。反応終了後、再び−50℃
以下に冷却し、ジメチルジクロロシラン2.65ml(2
2ミリモル)をトルエン10ミリリットルに希釈したも
のを30分かけて滴下した。滴下終了後、1時間かけて
室温まで昇温した。室温で2時間反応させた後、トルエ
ン還流下で10時間反応させた。反応終了後、反応物を
水で分解し、有機層を乾固した。次いで、トルエン20
ミリリットルを加え再結晶したところ1.2グラムのビ
ス(4‐メチル‐4‐ヒドロアズレン)ジメチルシラン
(化合物(1))が得られた。 H NMR スペクトルのケミカルシフト(300M
Hz。CDCl):ジアステレオマー混合物,1.2
〜1.4(m,6H,4−Me),2.4〜2.9
(m,6H),3.6〜3.8(m,2H),5.9〜
6.9(m,8H),−0.5〜0(m,6H,−Si
CH)。 GC−MSスペクトル:m/z 344(M
【0030】次いで上記化合物(1)1.0グラム
(2.9ミリモル)を脱水処理したTHF50ミリリッ
トルに溶解させ、−50℃以下に冷却し、次いでこれに
n‐ブチルリチウムのヘキサン希釈液(1.6モル/リ
ットル)3.7ml(5.92ミリモル)を導入した。1
時間かけて室温まで昇温し、さらに室温下で2時間反応
させた。別の窒素置換した300ミリリットルフラスコ
にTHF50ミリリットルを導入し、−60℃以下に冷
却した後、さらに四塩化ジルコニウム0.675グラム
(2.9ミリモル)を導入した後、1時間かけて室温ま
で昇温して四塩化ジルコニウムを溶解させた。次に、こ
れを再度−50℃以下に冷却した後、上記で合成した化
合物(1)のリチウム塩を一括で全量導入した。導入
後、−50℃で4時間反応させた後、1時間かけて室温
まで昇温した。さらに60℃まで昇温し2時間反応させ
た。反応後溶媒を減圧乾固し、ペンタン50ミリリット
ルで抽出し、約20ミリリットルに濃縮し、冷蔵庫内で
2日間放置した。析出した結晶を濾過分離し、ペンタン
で2回洗浄した後乾燥したところ、0.25グラムのジ
メチルシリレンビス(4−メチル−4−ヒドロ−アズレ
ニル)ジルコニウムジクロリド(成分(A)−1)を得
た。
【0031】プロピレンの重合 内容積1.5リットルの撹拌式オートクレーブ内をプロ
ピレンで充分置換した後、充分に脱水および脱酸素した
トルエン500ミリリットル導入し、次いで東ソーアク
ゾ社製メチルアルモキサン(重合度16)をAl原子換
算で3mmol(0.174g)、および上記で合成したジ
メチルシリレンビス(4‐メチル‐4‐ヒドロ‐アズレ
ニル)ジルコニウムジクロリドを0.504ミリグラム
(1μmol )導入後、プロピレンを導入し、20℃で1
kg/cm2 Gで15分予備重合操作を行なった(成分
(A)の調製)。次いで40℃に昇温し7kg/cm2 Gで
2時間重合操作を行なった。重合終了後、得られたポリ
マースラリーを濾過により分離しポリマーを乾燥させた
結果、102グラムのポリマーを得た。また濾液を濃縮
したところ1.2グラムのポリマーが得られた。触媒活
性は20.5×104 gポリマー/g成分(A)、数平
均分子量(Mn)は6.75×10 、分子量分布
(Mw/Mn)=2.25、融点は156.5℃であっ
た。
【0032】〔実施例−2〕 プロピレンの重合 重合温度を70℃にする以外は全て実施例−1と同一条
件でプロピレンの重合をおこなった。結果を表1に示
す。
【0033】〔実施例−3〕 プロピレンの重合 実施例−1と同様の方法において、トルエン500m
l、メチルアルモキサン10mmolのかわりに、トリイソ
ブチルアルミニウム139mg(0.7mmol)、ジメチ
ルシリレンビス(4−メチル−4−ヒドロ−アズレニ
ル)ジルコニウムジクロリドを0.504mg(1μmo
l)を導入し、そしてジメチルアニリニウム〔テトラキ
ス(ペンタフルオロフェニル)ボレート〕を1.6mg
(2μmol)用いる以外は全て実施例−1と同様にして
プロピレンの重合をおこなった。結果を表1に示す。
【0034】〔実施例−4〕 ビス(2,4‐ジメチル‐4‐ヒドロアズレニル)ジメ
チルシランの合成 2‐メチルアズレンを特開昭62−207232号公報
記載の方法に従って合成した。すなわち、トロポロン1
9.5g(0.16モル)とp‐トルエンスルホン酸ク
ロリド40g(0.21モル)をピリジン中で反応させ
てトシル化トロポロン37.1gを得た。次いで、マロ
ン酸ジメチル20g(0.15モル)とNaOMe
9.7g(0.18モル)とをメタノール中で室温下4
時間反応させて3‐メトキシカルボニル2H‐シクロヘ
プタ(b)フラン2‐オン(化合物(2)を14.4g
得た。次いで、化合物(2)を12gとアセトン200
mlおよびジエチルアミン70mlを加え、30時間還流し
た後HOを加え、トルエン抽出処理に付したところ3
9.2グラムのメチル‐2‐メチルアズレンカルボキシ
レートを得た。さらにリン酸25mlを加え85〜90℃
で1時間反応させ、水分解した後、ベンゼン抽出し乾燥
した結果、目的の2‐メチルアズレンを6.5グラム得
た。
【0035】上記の2−メチルアズレン(3.44g、
24mmol)のTHF50mL溶液に、メチルリチウ
ム・ジエチルエーテル溶液(2.7mmol、1.0
N)を0℃で加えた。この混合物を0℃で10分、室温
で10分攪拌後、−78℃に冷却しジクロロジメチルシ
ラン(1.76mL、14.5mmol)のTHF(5
mL)溶液を加えた。その後、−78℃で30分、室温
で1.5時間、50℃で2時間攪拌した。この混合物に
水を加えた後、ヘキサンを加え抽出分離し、有機溶媒を
減圧下留去するとビス(2,4‐ジメチル‐4‐ヒドロ
アズレニル)ジメチルシランの粗精製物が得られた。こ
れをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘ
キサン:ジクロロメタン=20:1)で分離精製するとビ
ス(2,4‐ジメチル‐4‐ヒドロアズレニル)ジメチ
ルシラン(1.44g、32%)がジアステレオマー混
合物として得られた。 H NMR スペクトルのケミカルシフト(300M
Hz。CDCl):ジアステレオマー混合物。2.1
〜2.3(m,6H,2−Me),1.2〜1.4
(m,6H),2.4〜2.9(m,4H),3.6〜
3.8(m,2H),5.9〜6.9(m,8H),−
0.5〜0(m,6H,−SiCH), GC−MSスペクトル:m/z 372(23,M),
357(11,M−Me),215(100,M
azulenyl),199(16),155(29),59
(64,MeSiH)。
【0036】次に上記で合成したビス(2,4‐ジメチ
ル‐4‐ヒドロアズレニル)ジメチルシラン0.79g
を出発物質として、実施例−1と同様の方法で合成する
ことにより、0.73グラムのジメチルシリレンビス
(2,4‐ジメチル‐4‐ヒドロアズレニル)ジルコニ
ウムジクロリド(成分(A)−2)を得た。
【0037】プロピレンの重合 上記の成分(A)−2を0.532ミリグラム(1μm
ol)用いる以外は全て、実施例−1と同一条件でプロ
ピレンを重合させた。結果を表1に示す。
【0038】〔実施例−5、6〕 実施例−4で合成した成分(A)−2を成分(A)とし
て0.532ミリグラム使用する以外は全て実施例−
2、3と同一条件でプロピレンを重合させた。結果を表
1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
【発明の効果】本発明による一般式〔I〕で表される新
規架橋基含有化合物から合成される錯体化合物は、α‐
オレフィン重合用触媒の遷移金属成分として特に有用な
ものである。このような遷移金属成分からなる触媒を使
用すれば、高融点かつ高分子量のα‐オレフィン重合体
を高収率で製造することが可能になる。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 13/32 C07F 7/08 C07F 7/30 CA(STN) CAOLD(STN) REGISTRY(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の一般式〔I〕で表わされるα‐オレ
    フィン重合触媒用架橋基含有化合物。 【化1】 (ただし、Rは、それぞれ独立に、水素または炭素数
    1〜6の炭化水素基または炭素数1〜12のケイ素含有
    炭化水素基を示す。RおよびRは、それぞれ独立
    に、それが結合する五員環に対して縮合環を形成する、
    2価の、炭素数5〜20の不飽和炭化水素基を示す。た
    だし、RおよびRは、ともにRまたはR由来の
    不飽和結合を有する7員環からなる縮合環を形成する。
    Qは、二つの五員環を結合する炭素数1〜20の2価の
    炭化水素基、シリレン基、炭素数1〜20の炭化水素基
    を有するシリレン基、ゲルミレン基、または炭素数1〜
    20の炭化水素基を有するゲルミレン基を示す。)
  2. 【請求項2】Qが炭素数1〜12の炭化水素基を有す
    る、シリレン基あるいはゲルミレン基であることを特徴
    とする、請求項1に記載のα‐オレフィン重合触媒用架
    橋基含有化合物。
  3. 【請求項3】Rが炭素数1〜4のアルキル基であるこ
    とを特徴とする、請求項1または2に記載のα‐オレフ
    ィン重合触媒用架橋基含有化合物。
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