JPH06184169A - シラン化合物及びその製造方法 - Google Patents

シラン化合物及びその製造方法

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JPH06184169A
JPH06184169A JP26677592A JP26677592A JPH06184169A JP H06184169 A JPH06184169 A JP H06184169A JP 26677592 A JP26677592 A JP 26677592A JP 26677592 A JP26677592 A JP 26677592A JP H06184169 A JPH06184169 A JP H06184169A
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JP
Japan
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silane compound
reaction
compound
produced
mol
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JP26677592A
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English (en)
Inventor
Masatoshi Okura
正寿 大倉
Masashi Nakajima
雅司 中島
Kunihiko Imanishi
邦彦 今西
Satoshi Ueki
聰 植木
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Tonen General Sekiyu KK
Original Assignee
Tonen Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 新規なシラン化合物であるイソプロピルトリ
エトキシシラン、及びその製造法を提供する。 【構成】 イソプロピルトリハロシランをエタノールと
反応させる、またはテトラエトキシシランとイソプロピ
ルマグネシウムハライドを反応させることにより、上記
シラン化合物が製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なシラン化合物及び
その製造方法に関し、さらに詳しくは、プロピレンの重
合触媒成分、シランカップリング剤などとして用いられ
る新規シラン化合物及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】プロピ
レン重合を行う際には、従来、触媒成分として、アルコ
キシシラン類を用いると、高い立体規則性を有する重合
体を製造し得ることが知られている。しかしながら、従
来知られているアルコキシシランなどを用いて製造され
た触媒成分を用いてプロピレンを重合させても、高重合
活性と高立体規則性の両方を十分に満足させることはで
きなかった。
【0003】また、シラン化合物はシランカップリング
剤あるいは樹脂改質剤などとしての用途が期待されてお
り、このため新規なシラン化合物の出現が望まれてい
る。
【0004】そこで本発明は、高活性で、かつ高立体規
則性であるプロピレンの重合触媒成分またはシランカッ
プリング剤などとして有用な新規シラン化合物及びその
製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、次式(I):
【0006】
【化3】 で示されるシラン化合物、すなわち、イソプロピルトリ
エトキシシランを提供するものである。
【0007】このシラン化合物(I)は、沸点が65℃/
9.6mmHg である。このシラン化合物の構造は、GC‐M
S、 1H‐NMR、赤外線吸収スペクトル(IR)等に
より確認することができる。
【0008】例えば、 1H‐NMRを用いて、化合物
(I)を分析すると、δ= 0.6〜1.7にイソプロピル
基、及びエトキシ基のうち酸素原子に直接結合している
炭素原子を除いた部分に基づく水素原子のシグナルが観
察され、δ= 3.8にエトキシ基のうち酸素原子に直接結
合している炭素原子に結合した水素原子のシグナルが観
察される。
【0009】また、IRスペクトルによる分析からは、
1100cm-1付近にSiOC結合に基づく大きな吸収が観察
される。
【0010】このシラン化合物(I)を触媒成分として
用いると、高立体規則性を有するポリプロピレン、ポリ
ブテン等のオレフィン系重合体を、高重合活性下に製造
することができる。
【0011】また、このシラン化合物(I)は加水分解
性の基を有しているため、シランカップリング剤、重合
性モノマー及び樹脂改質剤として用いることができる。
【0012】本発明は第2に、上記式(I)で示される
新規シラン化合物の製造方法を提供する。すなわち、イ
ソプロピルトリハロシランをエタノールと反応させるこ
とによって上記式(I)のシラン化合物を製造するもの
である。原料となるイソプロピルトリハロシランは、次
式(III):
【0013】
【化4】 (Xはハロゲン原子を表し、好ましくはClまたはBr
である)で表され、次式(II)
【0014】
【化5】 (Xはハロゲン原子を表し、好ましくはClまたはBr
である)のイソプロピルマグネシウムハライド及び四ハ
ロゲン化ケイ素(SiX4 )から、グリニャール反応に
よって容易に製造することができる。ここで、イソプロ
ピルマグネシウムハライド自体は公知である。マグネシ
ウム原子に結合するハロゲンは特に制限されないが、C
lまたはBrであることが好ましい。イソプロピルマグ
ネシウムハライドはイソプロピルハライドとマグネシウ
ムとの自体公知の反応によって製造することができる
が、市販品、例えばイソプロピルマグネシウムクロリド
のジエチルエーテル溶液またはテトラヒドロフラン溶液
を用いても良い。四ハロゲン化ケイ素もまた、公知であ
り、市販もされている。好ましくは四塩化ケイ素を使用
する。イソプロピルトリハロシランは市販もされてお
り、本発明においてはそれら市販品を使用することもで
きる。
【0015】本発明では、上記のイソプロピルトリハロ
シラン(III)をエタノールと反応させる。両者の反応は
次のように進むと考えられる:
【0016】
【化6】 (上式及び以下において、iso-Prはイソプロピル基を
表す) この反応によって、本発明の化合物(I)が生成する。
【0017】上記の反応を行う際には、イソプロピルト
リハロシラン(III)1モルに対して、エタノールを3〜
10モル使用する。反応は、例えば0〜100 ℃の温度で10
分間〜10時間、好ましくは20〜70℃の温度で30分間〜5
時間行う。溶媒を使用することもでき、例えばヘキサ
ン、エーテル、石油エーテル、ベンゼン等の有機溶媒が
挙げられる。
【0018】ここで、反応を速やかに進行させるため
に、ハロゲン化水素受容剤を共存させることが好まし
い。ハロゲン化水素受容剤としては、第3級アミン類、
窒素含有複素環化合物、例えばピリジン、キノリン、イ
ソキノリンなどが挙げられる。なかでもピリジン及びキ
ノリンが好ましく用いられる。ハロゲン化水素受容剤
は、イソプロピルトリハロシラン1モルに対して、0.05
〜3モルの量で使用するのが好ましい。
【0019】また、上記反応においては、不活性気体を
吹き込むことにより、生成するハロゲン化水素を反応系
から除去して、反応を速やかに進行させることもでき
る。
【0020】上記した製造方法により、新規シラン化合
物(I)が高収率で得られる。
【0021】上記により得られた化合物(I)を、蒸
留、減圧蒸留等によって任意的に精製しても良い。
【0022】本発明はまた、上記式(I)で示されたシ
ラン化合物を製造するための、上記と異なる方法を提供
する。すなわち、テトラエトキシシラン(IV)と、次式
(II)
【0023】
【化7】 (Xは上記と同じである)で示されるイソプロピルマグ
ネシウムハライドと反応させることにより、式(I)の
化合物を製造する方法である:
【0024】
【化8】 この反応においては、化合物(IV)1モルに対して、イ
ソプロピルマグネシウムハライドを 0.5〜1.0 モル、特
に 0.7〜0.9 モル使用するのが好ましい。反応は、テト
ラエトキシシランまたはそのジエチルエーテルもしくは
テトラヒドロフラン等の溶液にイソプロピルマグネシウ
ムハライド溶液を滴下し、0〜100 ℃で30分間〜2日
間、特に20〜50℃で1〜5時間行うのが好ましい。反応
後、副生したマグネシウム塩を濾過によって除去し、得
られた溶液から溶媒等を留去して、本発明の新規シラン
化合物(I)を、高収率で得ることができる。
【0025】得られた化合物(I)を、蒸留、減圧蒸留
等によって任意的に精製しても良い。
【0026】
【実施例】以下の実施例により本発明をさらに詳しく説
明する。
【0027】
【実施例1】磁気撹拌子、還流冷却器及び滴下ロートを
備えた200 mlの三つ口フラスコに、四塩化ケイ素 52.3g
(0.308 モル)及びジエチルエーテル 50ml を仕込み、
ここに、市販のイソプロピルマグネシウムクロリド・ジ
エチルエーテル溶液(2M)90mlを、23℃での攪拌下、
40分間かけて滴下した。滴下終了後、さらに2時間攪拌
し、生成した塩を濾過によって除去し、ジエチルエーテ
ルと過剰の四塩化ケイ素を留去することにより、イソプ
ロピルトリクロロシランを得た。
【0028】磁気撹拌子、還流冷却器及び滴下ロートを
備えた200 mlの三つ口フラスコに、上記で得られたイソ
プロピルトリクロロシランを仕込み、そこにエタノール
90mlを、40℃での攪拌下、30分間かけて滴下した。
【0029】2時間加熱還流した後、ここにピリジン
0.92g(0.0116モル)を添加し、さらに1時間還流を続
けてから反応を終了した。
【0030】生成した塩を濾過により除去し、次いでエ
タノールを留去した後、減圧蒸留することにより、沸点
が65℃/9.6mmHg の液体 26.7g(0.130 モル)を得た。
この生成物がイソプロピルトリエトキシシランであるこ
とを、GC‐MS、 1H‐NMR及びIRによって確認
した。 1H‐NMR及びIRの測定結果を夫々図1及び
図2に示した。収率は72%であった。
【0031】なお、 1H‐NMR及びIRは、次の条件
で測定した。
【0032】1 H‐NMR 測定装置:HITACHI R-1500 ((株)日立製作所製)、
測定溶媒:CDCl3、標準物質:CHCl3 IR 測定装置:1600シリーズFT‐IR(パーキンエルマー
社製)測定方法:液膜法(KBr板) また、GC‐MSは、HP 5970B(ヒューレット パ
ッカード社製)を用い、その測定結果は以下の通りであ
った:m/e(スペクトル強度比): 43(6)、45(13)、
73(4) 、79(22)、107(95) 、119(33) 、135(8)、163(10
0)、206(0.3)。
【0033】
【実施例2】磁気撹拌子、還流冷却器及び滴下ロートを
備えた 200mlの三つ口フラスコに、テトラエトキシシラ
ン 26.0g(0.125 モル)及びジエチルエーテル約50mlを
仕込んだ。ここに、市販のイソプロピルマグネシウムク
ロリド・ジエチルエーテル溶液(2M)50mlを30分間か
けて滴下し、滴下終了後、45℃に約15時間加熱し、反応
を終了した。生成したマグネシウム塩を濾過によって除
き、濾液から溶媒を留去することにより、イソプロピル
トリエトキシシラン 18.0g(0.0875モル)を得た。生成
物の構造は、実施例1と同じ方法により同定した。収率
は70%であった。
【0034】
【発明の効果】本発明により、プロピレンの重合触媒成
分、シランカップリング剤などとして有用な新規なシラ
ン化合物及びその製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で製造したイソプロピルトリエトキシ
シランについての 1H‐NMRチャート。ピーク上方に
重なった曲線は、各ピークの面積強度を示す。
【図2】実施例1で製造したイソプロピルトリエトキシ
シランについてのIRチャート。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 植木 聰 埼玉県入間郡大井町西鶴ヶ岡1丁目3番1 号 東燃株式会社総合研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次式(I): 【化1】 で示されるシラン化合物。
  2. 【請求項2】 イソプロピルトリハロシランをエタノー
    ルと反応させることを特徴とする、請求項1記載のシラ
    ン化合物の製造方法。
  3. 【請求項3】 テトラエトキシシランと次式(II) 【化2】 (ここで、Xはハロゲン原子を表す)で示されるイソプ
    ロピルマグネシウムハライドを反応させることを特徴と
    する、請求項1記載のシラン化合物の製造方法。
JP26677592A 1992-09-10 1992-09-10 シラン化合物及びその製造方法 Pending JPH06184169A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016138086A (ja) * 2015-01-22 2016-08-04 東ソー株式会社 第3級アルキルシラン及び第3級アルキルアルコキシシランの製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016138086A (ja) * 2015-01-22 2016-08-04 東ソー株式会社 第3級アルキルシラン及び第3級アルキルアルコキシシランの製造方法

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