JPH07132323A - 曲げ加工用平鋼板及びその曲げ加工方法 - Google Patents

曲げ加工用平鋼板及びその曲げ加工方法

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JPH07132323A
JPH07132323A JP28079893A JP28079893A JPH07132323A JP H07132323 A JPH07132323 A JP H07132323A JP 28079893 A JP28079893 A JP 28079893A JP 28079893 A JP28079893 A JP 28079893A JP H07132323 A JPH07132323 A JP H07132323A
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Shigeru Hiruta
茂 蛭田
Yoshiharu Hayashi
芳晴 林
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 平鋼板をV曲げ加工しても、平鋼板の内側に
位置する表面の折曲線の両端縁に膨らみが生せず、また
外側に位置する表面の折曲線の両端縁にも凹みが生じな
いようにすること。 【構成】 所定厚さで方形状の平鋼板本体11の折曲後
に内側に位置することとなる表面の折曲線の両端縁に凹
状変形部12を形成し、前記平鋼板本体11の折曲後に
外側に位置することとなる表面の折曲線の両端縁に端面
から外方に突出する凸状変形部13を形成するように
し、しかる後に前記凹状変形部12と凸状変形部13と
が形成された平鋼板本体11をV曲げ加工を行うプレス
手段で略V字状に折曲してなるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は例えば平鋼板のV曲げ加
工時に平鋼板の両端縁に発生するふくらみ、収縮をなく
するようにした曲げ加工用平鋼板及びその曲げ加工方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図9はV曲げ加工が行われる従来の平鋼
板を示す斜視図、図10の(a)、(b)は同平鋼板を
プレス機でV曲げ加工を行う加工過程を示す断面図、図
11はV曲げ加工が行われた平鋼板を示す斜視図、図1
2はV曲げ加工が行われた平鋼板を示す正面図、図13
はV曲げ加工が行われた平鋼板の使用状態を示す斜視
図、図14は図13のA−A線で切断した一部省略の断
面図である。図において、1は所定厚さで長方形の平鋼
板、CLは平鋼板1の幅方向の中央位置の折曲部分に形
成される折曲線である。2はV曲げ加工を行うプレス機
の断面V字状のポンチ、3は同プレス機のV溝3aを有
するダイである。図10の(a)に示すようにプレス機
のダイ3上に平鋼板1を載せ、しかる後に図10の
(b)に示すよう断面V字状のポンチ2を下降させ、平
鋼板1を断面V字状のポンチ2によりV曲げ加工を行う
と、平鋼板1は図11に示すようにV字状に折曲げられ
る。このとき、V字状に折曲げられた平鋼板1は図11
及び図12に示すように内側に位置する表面の折曲線の
両端縁では端面から折曲線方向の外方に突出するように
膨らみ1a,外側に位置する表面の折曲線の両端縁では
収縮して凹み1b、加工前の長さ寸法が変化するもので
あった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のようにV曲げ加
工が行われた平鋼板1の両端部を例えば図13に示すよ
うに、トンネルの覆工を行うのに用いる鋼製セグメント
5のスキンプレート6の両側に設けられた主桁7,7に
溶接によって接合する場合、平鋼板1の端部を主桁7の
側面と合わせた時に、平鋼板1の両端部の長さ寸法が加
工前と変化しているため、その合わせ部分に図14に示
すように特に大きい隙間9が現れる。そして、平鋼板1
の端部と主桁7の側面との合わせ部分を溶接により接合
するとき、手溶接であればその隙間9を手加減等により
調整して埋めるように溶接することができるが、現在で
は省力化のためにロボットによる自動溶接を行ってお
り、自動溶接によるときにはその隙間9が簡単には埋め
られず、それが原因で溶接不良が発生するという問題点
があった。
【0004】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたものであり、平鋼板をV曲げ加工しても、
平鋼板の内側に位置する表面の折曲線の両端縁に膨らみ
が生せず、また外側に位置する表面の折曲線の両端縁に
も凹みが生じないようにした曲げ加工用平鋼板及び曲げ
加工用平鋼板の曲げ加工方法を得ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る曲げ加工用
平鋼板は、所定厚さで方形状の平鋼板本体の折曲後に内
側に位置することとなる表面の折曲線の両端縁に凹状変
形部を形成し、前記平鋼板本体の折曲後に外側に位置す
ることとなる表面の折曲線の両端縁に端面から外方に突
出する凸状変形部を形成してなるものである。また、本
発明に係る曲げ加工用平鋼板の曲げ加工方法は、所定厚
さで方形状の平鋼板本体の折曲後に内側に位置すること
となる表面の折曲線の両端縁に凹状変形部を形成し、前
記平鋼板本体の折曲後に外側に位置することとなる表面
の折曲線の両端縁に端面から外方に突出する凸状変形部
を形成し、しかる後に前記凹状変形部と凸状変形部とが
形成された平鋼板本体をV曲げ加工を行うプレス手段で
略V字状に折曲してなるものである。
【0006】
【作用】本発明においては、所定厚さで方形状の平鋼板
本体の折曲後に内側に位置することとなる表面の折曲線
の両端縁に凹状変形部を形成し、前記平鋼板本体の折曲
後に外側に位置することとなる表面の折曲線の両端縁に
端面から外方に突出する凸状変形部を形成してなる曲げ
加工用平鋼板を、V曲げ加工を行うプレス手段で略V字
状に折曲するようにしたから、V曲げ加工時に曲げ加工
用平鋼板の内側及び外側表面の折曲線の両端縁に発生す
る膨らみと凹みはあっても予め形成されている凹状変形
部と凸状変形部とによって相殺され、曲げ前で、かつ変
形前の平鋼板本体の長さ寸法に影響がなくなる。
【0007】
【実施例】図1は本発明の一実施例に係る曲げ加工用平
鋼板を示す斜視図、図2は図1のB−B線断面図、図3
は平鋼板本体にプレス機で凹状変形部を形成する状態を
示す断面図、図4は平鋼板本体にプレス機で凸状変形部
を形成する状態を示す断面図、図5は曲げ加工用平鋼板
をプレス機でV曲げ加工を行う加工過程を示す断面図、
図6はV曲げ加工が行われた曲げ加工用平鋼板を示す正
面図、図7はV曲げ加工が行われた曲げ加工用平鋼板の
使用状態の部分拡大断面図、図8V曲げ加工が行われた
曲げ加工用平鋼板の長さ寸法を示す説明図である。図に
おいて、10はV曲げ加工が行われる曲げ加工用平鋼
板、11は所定厚さで長方形の平鋼板本体、12は平鋼
板本体11の折曲後に内側に位置することとなる表面の
折曲線の両端縁に形成された半円状の凹状変形部で、1
3は平鋼板本体11の折曲後に外側に位置することとな
る表面の折曲線の両端縁に端面から外方に突出するよう
形成された凸状変形部である。なお、凹状変形部12は
円弧状、三角形状等形状を問わない。
【0008】その凹状変形部12は例えば図3に示すよ
うに平らなダイス15に載せられた平鋼板本体11の折
曲後に内側に位置することとなる表面の折曲線の両端縁
を案内部材17で案内された片刃状で、刃先が円弧のポ
ンチ16で加圧することによって形成されるが、ハンマ
ーで叩いて形成してもよい。又、刃先は三角形状でも良
く、円弧状に限定するものではない。また、凸状変形部
13は例えば図4に示すように平らなダイス15に載せ
られた凹状変形部12を有する平鋼板本体11の折曲後
に外側に位置することとなる表面の折曲線の両端縁を案
内部材16で案内されたテーパー面が内側に凹んだ片刃
状のポンチ18で加圧することによって形成されるが、
ハンマーで叩いて形成してもよい。
【0009】このように平鋼板本体11に凹状変形部1
2と凸状変形部13とが形成されたV曲げ加工が行われ
る曲げ加工用平鋼板10を図5に示すようにプレス機の
ダイ3上に載せ、断面V字状のポンチ2を下降させ、ポ
ンチ2によりV曲げ加工を行うと、曲げ加工用平鋼板1
0はV字状に折曲げられる。このとき、V字状に折曲げ
られた曲げ加工用平鋼板10は図6に示すようにV曲げ
加工時に曲げ加工用平鋼板10の内側及び外側表面の折
曲線の両端縁に発生する膨らみと凹みはあっても予め形
成されている凹状変形部12と凸状変形部13とによっ
て相殺され、V字状に折曲げられた曲げ加工用平鋼板1
0の折曲線の両端縁の寸法は曲げ前で、かつ変形前の平
鋼板本体10の長さ寸法とほぼ同じ寸法になる。
【0010】従って、V字状に折曲げられた曲げ加工用
平鋼板10の両端部を例えば図7に示すように、スキン
プレート6の両側に設けられた主桁7,7に溶接によっ
て接合する場合、曲げ加工用平鋼板10の端部を主桁7
の側面と合わせた時に、曲げ加工用平鋼板10の両端部
の長さ寸法が加工前とあまり変化していないため、その
合わせ部分に殆ど隙間9が生ぜず、曲げ加工用平鋼板1
0の端部と主桁7の側面との合わせ部分をロボットによ
る自動溶接を行っても溶接に支障がなく、溶接不良が発
生することはなくなった。
【0011】次に、本発明の具体例について従来例と比
較して説明する。 A.従来例 図9に示す厚さが12mmの平鋼板の両端部の長さLを
752.90mm,図12に示す平鋼板の折曲後に内側
に位置することとなる表面の折曲線の両端部分間の折曲
加工前の長さL1を753.45mmとし,図12に示
す平鋼板の折曲後に外側に位置することとなる表面の折
曲線の両端部分間の折曲加工後の長さL2を750.3
0mmとすると、折曲加工後における平鋼板の折曲後に
内側と外側に位置することとなる表面の折曲線の両端部
分間の長さの差はL1−L2は3.15mmとなり、そ
の平鋼板の端部に接合部材を突き合わせたとき、その合
わせ部分に1.175mmの隙間ができる。
【0012】B.本願発明の具体例 図1に示す厚さが12mmの平鋼板の両端部の長さLを
730.65mmとし,図2に示す平鋼板の折曲後に内
側に位置することとなる表面の折曲線の両端部分に凹状
変形部を設けた場合の両端部間の折曲加工前の長さL1
を728.50mmとし,図8に示す平鋼板の折曲後に
内側に位置することとなる表面の折曲線方向の両端部分
に凹状変形部を設けた場合の両端部間の折曲加工後の長
さL1´は730.65mmとなり,図2に示す平鋼板
の折曲後に外側に位置することとなる表面の折曲線の両
端部分に凸状変形部を設けた場合の両端部間の折曲加工
前の長さL2を732.65mmとし,図8に示す平鋼
板の折曲後に外側に位置することとなる表面の折曲線の
両端部分に凸状変形部を設けた場合の両端部間の折曲加
工後の長さL2´は729.65mmとなる。そうする
と、折曲加工後における平鋼板の折曲後に内側と外側に
位置することとなる表面の折曲線の両端部分間の長さの
差はL1´−L2´は1.00mmとなり、その平鋼板
の端部に接合部材を突き合わせたとき、その合わせ部分
に0.50mmの隙間ができ、従来の半分に減少し、溶
接に支障のないものとなった。
【0013】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、所定厚さ
で方形状の平鋼板本体の折曲後に内側に位置することと
なる表面の折曲線の両端縁に凹状変形部を形成し、前記
平鋼板本体の折曲後に外側に位置することとなる表面の
折曲線の両端縁に端面から外方に突出する凸状変形部を
形成してなる曲げ加工用平鋼板を、V曲げ加工を行うプ
レス手段で略V字状に折曲するようにしたので、V曲げ
加工時に曲げ加工用平鋼板の内側及び外側表面の折曲線
の両端縁に発生する膨らみと凹みはあっても予め形成さ
れている凹状変形部と凸状変形部とによって相殺され、
曲げ前で、かつ変形前の平鋼板本体の長さ寸法に影響が
なくなるため、V字状に折曲げられた曲げ加工用平鋼板
の両端部を他の部材の表面にそれらの合わせ部分をロボ
ットによる自動溶接を行ってもそれらの合わせ部分に殆
ど隙間が生ぜず、溶接に支障がなく、溶接不良が発生す
ることはないという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る曲げ加工用平鋼板を示
す斜視図である。図8V曲げ加工が行われた曲げ加工用
平鋼板の長さ寸法を示す説明図である。
【図2】図1のB−B線断面図である。
【図3】平鋼板本体にプレス機で凹状変形部を形成する
状態を示す断面図である。
【図4】平鋼板本体にプレス機で凸状変形部を形成する
状態を示す断面図である。
【図5】曲げ加工用平鋼板をプレス機でV曲げ加工を行
う加工過程を示す断面図である。
【図6】V曲げ加工が行われた曲げ加工用平鋼板を示す
正面図である。
【図7】V曲げ加工が行われた曲げ加工用平鋼板の使用
状態の部分拡大断面図である。
【図8】曲げ加工が行われた曲げ加工用平鋼板の長さ寸
法を示す説明図である。
【図9】V曲げ加工が行われる従来の平鋼板を示す斜視
図である。
【図10】(a)、(b)は同平鋼板をプレス機でV曲
げ加工を行う加工過程を示す断面図である。
【図11】V曲げ加工が行われた平鋼板を示す斜視図で
ある。
【図12】V曲げ加工が行われた平鋼板を示す正面図で
ある。
【図13】V曲げ加工が行われた平鋼板の使用状態を示
す斜視図である。
【図14】図13のA−A線で切断した一部省略の断面
図である。
【符号の説明】
10 曲げ加工用平鋼板 11 平鋼板本体 12 凹状変形部 13 凸状変形部
【手続補正書】
【提出日】平成5年11月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図13
【補正方法】変更
【補正内容】
【図13】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図14
【補正方法】変更
【補正内容】
【図14】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定厚さで方形状の平鋼板本体の折曲後
    に内側に位置することとなる表面の折曲線の両端縁に凹
    状変形部を形成し、前記平鋼板本体の折曲後に外側に位
    置することとなる表面の折曲線の両端縁に端面から外方
    に突出する凸状変形部を形成してなることを特徴とする
    曲げ加工用平鋼板。
  2. 【請求項2】 所定厚さで方形状の平鋼板本体の折曲後
    に内側に位置することとなる表面の折曲線の両端縁に凹
    状変形部を形成し、前記平鋼板本体の折曲後に外側に位
    置することとなる表面の折曲線の両端縁に端面から外方
    に突出する凸状変形部を形成し、しかる後に前記凹状変
    形部と凸状変形部とが形成された平鋼板本体をV曲げ加
    工を行うプレス手段で略V字状に折曲してなることを特
    徴とする曲げ加工用平鋼板の曲げ加工方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011115843A (ja) * 2009-12-04 2011-06-16 Hagiwara:Kk 溶接用裏当金
WO2015133224A1 (ja) * 2014-03-06 2015-09-11 株式会社アマダホールディングス 板状ワークの折曲げ加工方法及び金型並びに折曲げ加工品
JP2018058123A (ja) * 2017-12-08 2018-04-12 株式会社アマダホールディングス 板状ワークの折曲げ加工方法及び金型並びに折曲げ加工品

Cited By (4)

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JP2015167962A (ja) * 2014-03-06 2015-09-28 株式会社アマダホールディングス 板状ワークの折曲げ加工方法及び金型並びに折曲げ加工品
JP2018058123A (ja) * 2017-12-08 2018-04-12 株式会社アマダホールディングス 板状ワークの折曲げ加工方法及び金型並びに折曲げ加工品

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