JPH07129915A - 磁気ヘッド及びその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 フレキシブルディスク用磁気ヘッドの磁気ギ
ャップの深さの測定精度を向上させることを目的とす
る。 【構成】 ３１は記録再生用のヘッドであって、記録再
生用の巻線を施すＣ型コア３２、Ｉ型コア３３、磁気ギ
ャップ３４を備えている。３５は消去用のヘッドであっ
て、消去用の巻線を施すＣ型コア３６、Ｉ型コア３７、
磁気ギャップ３８を備えている。３９は記録再生用のヘ
ッド３１と消去用のヘッド３５を接合する接合部であ
る。４０はスライダであり、スライダ４０には溝４１を
備えている。４２は記録再生用のヘッド３１と消去用の
ヘッド３５のスライダ４０の反対側に設けられた断落部
である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はフレキシブルディスク装
置に用いられる磁気ヘッド及びその製造方法に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】以下、従来の磁気ヘッドについて図を参
照しながら説明する。図９は従来の磁気ヘッドを示す斜
視図である。図９において、１は記録再生用のヘッドで
あって、記録再生用の巻線を施すＣ型コア２、Ｉ型コア
３、磁気ギャップ４を備えている。５は消去用のヘッド
であって、消去用の巻線を施すＣ型コア６、Ｉ型コア
７、磁気ギャップ８を備えている。９は消去用のヘッド
１と記録再生用のヘッド５とを接合する接合部である。
１０，１１はスライダであり、スライダ１１には溝１２
を備えている。

【０００３】このように構成された磁気ヘッドの製造方
法について図を参照しながら説明する。図１０は従来の
磁気ヘッドのブロックコアの形成を示す斜視図である。
図１０に示すように、フェライトからなるブロック１３
ａ，１３ｂにそれぞれ溝１４ａ，１４ｂを形成してそれ
ぞれＣ型コアを形成する。次に、ブロック１３ａ，１３
ｂと同じ材質からなるブロック１５ａ，１５ｂを形成し
てそれぞれＩ型コアを形成する。

【０００４】次に、図１１は従来の磁気ヘッドの磁気ギ
ャップの形成を示す斜視図である。図１１に示すよう
に、ブロック１３ａのギャップ対向面１６ａとブロック
１５ａのギャップ対向面１７ａとを突き合わせ、突き合
わせたブロック１３ａとブロック１５ａの谷間にガラス
１８ａを溶解して、ブロック１３ａとブロック１５ａを
ガラス１８ａで接着して記録再生用の磁気ギャップ１９
ａを形成してギャップブロック２０ａを構成する。同様
にしてブロック１３ｂのギャップ対向面１６ｂとブロッ
ク１５ｂのギャップ対向面１７ｂとを突き合わせ，突き
合わせたブロック１３ｂとブロック１５ｂの谷間にガラ
ス１８ｂを溶解して、ブロック１３ｂとブロック１５ｂ
をガラス１８ｂで接着して消去用の磁気ギャップ１９ｂ
を形成してギャップブロック２０ｂを構成する。

【０００５】次に、図１２は従来の磁気ヘッドのトラッ
クの形成を示す斜視図である。図１２に示すように、記
録再生用のギャップブロック２０ａに記録再生用コアの
所定の幅Ｗのトラック２１ａを溝２２ａで形成して、所
定の間隔Ｅでトラック２１ａと溝２２ａとを複数形成す
る。その際、ギャップブロック２０ａの磁気ギャップ１
９ａと反対側のブロック１５ａの端面２３ａの溝２２ａ
が深くなるように溝２２ａを斜めに形成する。同様にし
て、消去用のギャップブロック２０ｂに記録再生用コア
のトラック２１ａと同じ幅の溝２２ｂを形成して、消去
用コアのトラック２１ｂを形成する。その際、消去用の
ギャップブロック２０ｂの磁気ギャップ１９ｂと反対側
のブロック１５ｂの端面２３ｂの溝２２ｂが深くなるよ
うに溝２２ｂを斜めに形成する。

【０００６】次に、図１３は従来の磁気ヘッドのガラス
の充填を示す斜視図である。図１３に示すように、記録
再生用のギャップブロック２０ａの溝２２ａに非磁性体
であるところのガラス２４をそれぞれ充填する。さら
に、消去用のギャップブロック２０ｂの溝２２ｂに非磁
性体であるところのガラス２４をそれぞれ充填する。

【０００７】次に、図１４は従来の磁気ヘッドのコアチ
ップの形成を示す斜視図である。図１４に示すように、
記録再生用のギャップブロック２０ａのブロック１５ａ
の端面２３ａと消去用のギャップブロック２０ｂのブロ
ック１５ｂの端面２３ｂとを対向させ、その際、記録再
生用コアのトラック２１ａが消去用コアの溝２２ｂのガ
ラス２４に対向する位置になるように設定して対向した
端面２３ａと端面２３ｂとの間を樹脂等の接着剤で接着
する。その後に、点線２５で示すように記録再生用の磁
気ギャップ１９ａと直角方向に所定の間隔Ｅで切断す
る。次に、図１５は従来の磁気ヘッドのコアチップを示
す斜視図である。図１５に示すように、図１４で切断し
たコアチップ２６である。

【０００８】次に、図１６は従来の磁気ヘッドの完成工
程の加工を示す斜視図である。図１６に示すように、コ
アチップ２６の両側面を非磁性体からなるセラミックの
スライダ２７，２８で挟み、コアチップ２６とスライダ
２７，２８との間をそれぞれ樹脂等の接着剤で接着す
る。さらに、スライダ２７に所定の幅と深さで溝２９を
形成する。その後、コアチップ２６とスライダ２７，２
８とを接着した際に生じたコアチップ２６とスライダ２
７，２８との段差を無くすためにスライダ面３０を研磨
すると共に、記録再生用の磁気ギャップ１９ａの深さを
所定の寸法に仕上げて磁気ヘッドを完成させる。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】上記の従来の構成で
は、記録再生用の磁気ギャップ１９ａの深さを所定の寸
法に規制する際に、コアチップ２６をスライダ２７とス
ライダ２８で接着しているので、スライダ面３０のトラ
ック２１ａを保持しているガラス部を斜面より透視し
て、記録再生用の磁気ギャップ１９ａの深さを確認する
ことはできるが、ガラスの屈折率及び顕微鏡の倍率等の
関係で、記録再生用の磁気ギャップ１９ａの深さの精度
が良くないという問題点を有していた。

【００１０】本発明は上記の問題点を解決するもので、
記録再生用の磁気ギャップの深さの測定精度を向上させ
た磁気ヘッド及びその製造方法を提供することを目的と
する。

【００１１】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の磁気ヘッドは、記録再生用のヘッドに仮設ト
ラックを設けると共に、前記仮設トラックの側面で磁気
ギャップの深さを規制し、前記仮設トラックをスライダ
面より断落させた。又、Ｃ型コアとＩ型コアをギャップ
形成材を介して接合してギャップブロックを形成する工
程と、第１のギャップブロックに溝を設けて記録再生用
のトラックと仮設トラックとを交互に形成する工程と、
第２のギャップブロックに溝を設けて消去トラックを形
成する工程と、それぞれのギャップブロックの前記溝に
ガラスを充填すると共に、それぞれのギャップブロック
のＩ型コア同志を対向させて接合した接合ブロックを形
成する工程と、前記接合ブロックを記録再生用の磁気ギ
ャップと直角方向に切断してコアチップを形成する工程
と、前記コアチップとスライダとを接着すると共にスラ
イダ面を加工する工程と、前記仮設トラックを断落する
工程を有する。

【００１２】

【作用】この構成によって、記録再生用の磁気ギャップ
の深さの測定精度と磁気ギャップの深さの形成精度を向
上させることができる。

【００１３】

【実施例】以下本発明の一実施例について、図面を参照
しながら説明する。図１は本発明の一実施例における磁
気ヘッドを示す斜視図である。図１において、３１は記
録再生用のヘッドであって、記録再生用の巻線を施すＣ
型コア３２、Ｉ型コア３３、磁気ギャップ３４を備えて
いる。３５は消去用のヘッドであって、消去用の巻線を
施すＣ型コア３６、Ｉ型コア３７、磁気ギャップ３８を
備えている。３９は記録再生用のヘッド３１と消去用の
ヘッド３５を接合する接合部である。４０はスライダで
あり、スライダ４０には溝４１を備えている。４２は記
録再生用のヘッド３１と消去用のヘッド３５のスライダ
４０の反対側に設けられた断落部である。

【００１４】このように構成された磁気ヘッドの製造方
法について図を参照しながら説明する。図２は本発明の
一実施例における磁気ヘッドのブロックの形成を示す斜
視図である。図２に示すように、フェライトからなるブ
ロック４３ａ，４３ｂにそれぞれ溝４４ａ，４４ｂをそ
れぞれ形成してＣ型に形成する。ブロック４３ａと同じ
材質からなるブロック４５ａ，４５ｂを形成してＩ型に
形成する。

【００１５】次に、図３は一実施例における磁気ヘッド
の磁気ギャップの形成を示す斜視図である。図３に示す
ように、ブロック４３ａのギャップ対向面４６ａとブロ
ック４５ａのギャップ対向面４７ａとをギャップ形成材
を介して突き合わせ、突き合わせたブロック４３ａとブ
ロック４５ａの谷間にガラス４８ａを溶解して、ブロッ
ク４３ａとブロック４５ａをガラス４８で接着して記録
再生用の磁気ギャップ４９ａを形成してギャップブロッ
ク５０ａを構成する。同様にしてブロック４３ｂのギャ
ップ対向面４６ｂとブロック４５ｂのギャップ対向面４
７ｂとをギャップ形成材を介して突き合わせ，突き合わ
せたブロック４３ｂとブロック４５ｂの谷間にガラス４
８を溶解して、ブロック４３ｂとブロック４５ｂをガラ
ス４８で接着して消去用の磁気ギャップ４９ｂを形成し
てギャップブロック５０ｂを構成する。

【００１６】次に、図４は一実施例における磁気ヘッド
のトラックの形成を示す斜視図である。図４に示すよう
に、記録再生用のギャップブロック５０ａに溝５１ａ，
５１ｂを交互に形成して記録再生用コアのトラック５２
ａと仮設トラック５２ｂをそれぞれ形成する。そして、
所定の間隔Ｓでトラック５２ａと仮設トラック５２ｂと
溝５１ａ，５１ｂとを複数形成する。その際、ギャップ
ブロック５０ａの磁気ギャップ４９ａと反対側のブロッ
ク４５ａの端面５３ａの溝５１ａ，５１ｂが深くなるよ
うに溝５１ａ，５１ｂを斜めに形成する。

【００１７】同様にして、消去用のギャップブロック５
０ｂに溝５４ａ，５４ｂを交互に形成して消去用コアの
トラック５５ａ，５５ｂを形成する。そして、溝５４ａ
の溝幅は記録再生用コアのトラック５２ａと等しい幅に
形成する。又、溝５４ｂの溝幅は溝５４ａより広い溝幅
で形成する。さらに、記録再生用コアのトラック５２ａ
と同じ間隔Ｓで溝５４ａとトラック５５ａ，５５ｂとを
複数形成する。その際、ギャップブロック５０ｂの磁気
ギャップ４９ｂと反対側のブロック４５ｂの端面５３ｂ
の溝５４ａ，５４ｂが深くなるように形成する。

【００１８】次に、図５に一実施例における磁気ヘッド
のガラスの充填を示す斜視図である。図５に示すよう
に、記録再生用のギャップブロック５０ａのそれぞれの
溝５１ａ，５１ｂに非磁性体であるところのガラス５６
を充填する。さらに、消去用のギャップブロック５０ｂ
のそれぞれの溝５４ａ，５４ｂに非磁性体であるところ
のガラス５６を充填する。

【００１９】次に、図６は一実施例における磁気ヘッド
のコアチップの形成を示す斜視図である。図６に示すよ
うに、記録再生用のギャップブロック５０ａの端面５３
ａと消去用のギャップブロック５０ｂの端面５３ｂとを
対向させ、その際、記録再生用コアのトラック５２ａが
消去用コアの溝５４ａのガラス５６に対向する位置にな
るように設定して、対向した端面５３ａと端面５３ｂと
の間を樹脂等の接着剤で接着する。その後に、点線５７
で示すように記録再生用の磁気ギャップ４９ａと直角方
向に、記録再生用コアの仮設トラック５５ｂの一部を残
して所定の間隔Ｅに切断する。図７は一実施例における
磁気ヘッドのコアチップを示す斜視図である。図７に示
すように、図６で切断したコアチップ５８である。

【００２０】次に、図８は一実施例における磁気ヘッド
の完成工程の加工を示す斜視図である。図８に示すよう
に、コアチップ５８の記録再生用コアの仮設トラック５
２ｂの反対側の側面５９と非磁性体からなるセラミック
のスライダ６０とを突き合わせ、突き合わせたコアチッ
プ５８の側面５９とスライダ６０との間を樹脂等の接着
剤で接着する。さらに、スライダ６０に所定の幅と深さ
で溝６１を形成する。その後、コアチップ５８とスライ
ダ６０との接着の際に生じた段差を無くすためにスライ
ダ面６２を研磨する。その際、記録再生用コアの仮設ト
ラック５２ｂの側面より磁気ギャップ４９ａの深さ６３
を測定して、記録再生用の磁気ギャップ４９ａの深さ６
３を所定の寸法に形成する。その後に、コアチップ５８
の記録再生用コアの仮設トラック５２ｂを点線６４でス
ライダ面６２より断落させて磁気ヘッドを完成させる。

【００２１】

【発明の効果】以上のように本発明は、仮設トラックを
設けたので記録再生用の磁気ギャップの深さを容易に確
認することができ、磁気ギャップの深さを確認すること
で出力特性の予測ができる。しかも、磁気ギャップの深
さを確認しながら深さを規制、形成することができ、磁
気ヘッドの出力特性を安定させた磁気ヘッドを実現する
ものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例における磁気ヘッドを示す斜
視図

【図２】本発明の一実施例における磁気ヘッドのブロッ
クの形成を示す斜視図

【図３】一実施例における磁気ヘッドの磁気ギャップの
形成を示す斜視図

【図４】一実施例における磁気ヘッドのトラックの形成
を示す斜視図

【図５】一実施例における磁気ヘッドのガラスの充填を
示す斜視図

【図６】一実施例における磁気ヘッドのコアチップの形
成を示す斜視図

【図７】一実施例における磁気ヘッドのコアチップを示
す斜視図

【図８】一実施例における磁気ヘッドの完成工程の加工
を示す斜視図

【図９】従来の磁気ヘッドを示す斜視図

【図１０】従来の磁気ヘッドのブロックコアの形成を示
す斜視図

【図１１】従来の磁気ヘッドの磁気ギャップの形成を示
す斜視図

【図１２】従来の磁気ヘッドのトラックの形成を示す斜
視図

【図１３】従来の磁気ヘッドのガラスの充填を示す斜視
図

【図１４】従来の磁気ヘッドのコアチップの形成を示す
斜視図

【図１５】従来の磁気ヘッドのコアチップを示す斜視図

【図１６】従来の磁気ヘッドの完成工程の加工を示す斜
視図

【符号の説明】

３１，３５ ヘッド ３２，３６ Ｃ型コア ３３，３７ Ｉ型コア ３４，３８，４９ａ，４９ｂ 磁気ギャップ ３９ 接合部 ４０，６０ スライダ ４１，４４ａ，４４ｂ，５１ａ，５１ｂ，５４ａ，５４
ｂ，６１ 溝 ４２ 断落部 ４３ａ，４６ｂ，４５ａ，４５ｂ ブロック ４６ａ，４６ｂ，４７ａ，４７ｂ ギャップ対向面 ４８，５６ ガラス ５０ａ，５０ｂ ギャップブロック ５２ａ，５５ａ，５５ｂ トラック ５２ｂ 仮設トラック ５３ａ，５３ｂ 端面 ５７，６４ 点線 ５８ コアチップ ５９ 側面 ６２ スライダ面 ６３ 深さ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】Ｃ型コアとＩ型コアを磁気ギャップを介し
   て接合した一対のコア構成体を備え、前記一対のコア構
   成体を前記Ｉ型コア同志が対向するように接合した磁気
   ヘッドであって、記録再生用のヘッドに仮設トラックを
   設けると共に、前記仮設トラックの側面で磁気ギャップ
   の深さを規制し、前記仮設トラックをスライダ面より断
   落させたことを特徴とする磁気ヘッド。
2. 【請求項２】Ｃ型コアとＩ型コアをギャップ形成材を介
   して接合してギャップブロックを形成する工程と、第１
   のギャップブロックに溝を設けて記録再生用のトラック
   と仮設トラックとを交互に形成する工程と、第２のギャ
   ップブロックに溝を設けて消去トラックを形成する工程
   と、それぞれのギャップブロックの前記溝にガラスを充
   填すると共に、それぞれのギャップブロックのＩ型コア
   同志を対向させて接合した接合ブロックを形成する工程
   と、前記接合ブロックを記録再生用の磁気ギャップと直
   角方向に切断してコアチップを形成する工程と、前記コ
   アチップとスライダとを接着すると共にスライダ面を加
   工する工程と、前記仮設トラックを断落する工程を有す
   ることを特徴とする磁気ヘッドの製造方法。