JPH07126332A - ビニル系共重合体、その製造方法、及び常温硬化性樹脂組成物 - Google Patents

ビニル系共重合体、その製造方法、及び常温硬化性樹脂組成物

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JPH07126332A
JPH07126332A JP30122193A JP30122193A JPH07126332A JP H07126332 A JPH07126332 A JP H07126332A JP 30122193 A JP30122193 A JP 30122193A JP 30122193 A JP30122193 A JP 30122193A JP H07126332 A JPH07126332 A JP H07126332A
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信行 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 下記一般式(1) 【化1】 (式中、R1は水素原子又はメチル基、R2,R3,R4
炭素数1〜8の一価の有機基又は−OSiR678
表されるシロキシ基で、R6,R7,R8は炭素数1〜8
の有機基であり、nは1〜12の整数、aは0又は1で
ある。)で示されるシラノール基含有(メタ)アクリル
シロキサン単位を含有することを特徴とする側鎖にシラ
ノール基を有するビニル系共重合体。 【効果】 本発明のシラノール基を側鎖に有するビニル
系共重合体は、これを主成分として配合した場合、耐候
性、可撓性、密着性に優れた硬化皮膜を形成し得る常温
硬化性樹脂組成物を与えることができ、この常温硬化性
樹脂組成物は一液型とした場合も保存安定性に優れ、耐
候性、可撓性、密着性に優れた硬化皮膜を形成すること
ができ、特にコーティング用の塗料として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シラノール基を側鎖に
有するビニル系共重合体及びその製造方法並びに常温硬
化性樹脂組成物に関し、特に、一液型で空気中の湿気に
よって架橋し、耐候性、可撓性、密着性に優れた硬化皮
膜を形成し得るので、コーティング剤として好適な常温
硬化性樹脂組成物を与えるシラノール基含有ビニル系共
重合体及びその製造方法並びに常温硬化性樹脂組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来か
ら、塗料用の樹脂、特に耐候性を有する常温硬化型塗料
の用途に用いる樹脂としては、アクリルウレタン系、ア
クリルシリコーン系、フッ素系の樹脂などが知られてい
る。この中でアクリルウレタン系樹脂は低価格ではある
ものの、原料となるイソシアネートは人体に有害なもの
であり、また、フッ素系樹脂は耐候性に優れているもの
の、高価であるという問題点がある。これらに対し、ア
クリルシリコーン系樹脂は性能と価格とのバランスが適
度にとれているため、近年需要が伸びている。
【0003】このアクリルシリコーン系樹脂は、アクリ
ル主鎖にアルコキシシリル基を結合させたもので、基材
に塗布した場合、アルコキシシリル基が室温で空気中の
水分と反応してシロキサン結合を生成するため、安定し
た硬化皮膜が得られるものである(塗装と塗料、No.
429、p55〜64参照)。上記アクリル主鎖へのア
ルコキシシリル基の導入方法としては、重合性ビニル基
含有シラン化合物をラジカル開始剤を用いて共重合させ
る方法が特開昭57−36109号公報において提案さ
れている。
【0004】しかしながら、上記従来のアクリルシリコ
ーン系樹脂はフッ素樹脂と同等の耐候性や用途の多様化
による可撓性などの特性が付与されておらず、これらの
特性を有するアクリルシリコーン系樹脂に対する要求が
高まっている。
【0005】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
フッ素樹脂と同等の耐候性を有すると共に、可撓性に優
れた硬化皮膜を与えることができる常温硬化性樹脂組成
物の主成分として好適なビニル系共重合体、その製造方
法、及び常温硬化性樹脂組成物を提供することを目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者は上記
目的を達成するため鋭意検討を行った結果、重合性ビニ
ル単量体と下記一般式(2)で示されるシラノール基含
有(メタ)アクリルシロキサンとをラジカル開始剤の存
在下で共重合させることにより、下記式(1)で表され
る単位を有するシラノール基を側鎖に持つ新規なビニル
系共重合体を得ることができ、このシラノール基含有ビ
ニル系共重合体は、これを架橋剤、縮合触媒と併用する
ことにより、一液型とした場合も保存安定性に優れ、耐
候性、可撓性、密着性に優れた硬化皮膜を形成すること
ができ、特にコーティング用として有用な常温硬化性樹
脂組成物が得られることを見い出した。
【0007】
【化3】 (式中、R1は水素原子又はメチル基、R2,R3,R4
炭素数1〜8の一価の有機基又は−OSiR678
表されるシロキシ基で、R6,R7,R8は炭素数1〜8
の有機基であり、nは1〜12の整数、aは0又は1で
ある。)
【0008】即ち、上記常温硬化性樹脂組成物は、室温
で空気中の水分(湿気)により架橋剤を介してシラノー
ル基同士が下式のように結合して三次元構造が形成され
るものと推量される。
【0009】
【化4】 (但し、ZXmは架橋剤、Cat.は縮合触媒、Xは加
水分解性基、mは2以上、その他は上記と同様の意味を
示す。)
【0010】一方、下記式で示すようにシラノール基同
士が直接脱水縮合する反応も考えられるが、本発明者ら
の検討結果では、架橋剤を添加しない系では三次元構造
を形成せず、この理由はシラノール基の近傍に嵩高い置
換基(シロキサン)が位置する、立体障害のためと考え
られる。
【0011】
【化5】 (但し、Cat.は縮合触媒、Xは加水分解性基、mは
2以上、その他は上記と同様の意味を示す。)
【0012】本発明のビニル系共重合体は、従来のアク
リルシリコーン系共重合体と比較した場合、その式
(1)で示される単位において、架橋点の近傍に嵩高い
置換基(シロキサン)が位置し、その立体障害により架
橋部分が保護されているために耐候性が付与され、しか
もこの場合、本発明の共重合体は従来のものよりシロキ
サン結合を多く含有し得るので、この点からも優れた耐
候性を有していると共に、架橋部分の結合距離が架橋剤
の分だけ長く、構造的にもシロキサンが偏在するために
可撓性が付与される。このため、従来のアクリルシリコ
ーン系に比較して耐候性、可撓性に優れ、更に、架橋剤
は硬化皮膜と基材とのカップリング剤としても作用する
ため、密着性にも優れることを知見し、本発明をなすに
至ったものである。
【0013】従って、本発明は、上記一般式(1)で表
されるシラノール基含有(メタ)アクリルシロキサン単
位を含有するビニル系共重合体、重合性ビニル単量体と
上記一般式(2)で示されるシラノール基含有(メタ)
アクリルシロキサンとをラジカル開始剤の存在下で共重
合させることを特徴とする上記ビニル系共重合体の製造
方法、及び上記ビニル系共重合体、架橋剤、縮合触媒を
配合してなる常温硬化性樹脂組成物を提供する。
【0014】以下、本発明を更に詳しく説明すると、本
発明のシラノール基含有ビニル系共重合体は、重合性ビ
ニル単量体と下記一般式(2)のシラノール基含有(メ
タ)アクリルシロキサンとをラジカル開始剤の存在下で
共重合させることにより、上記重合性ビニル単量体に基
づく単位を主鎖とし、これに式(2)のシラノール基含
有(メタ)アクリルシロキサンに基づく下記一般式
(1)の単位がランダム共重合又はブロック共重合した
ものである。
【0015】ここで、上記の重合性ビニル単量体として
は特に限定されるものではなく、(メタ)アクリル酸メ
チル,(メタ)アクリル酸エチル,(メタ)アクリル酸
ブチル,(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル等の
(メタ)アクリル酸エステル類、スチレン,o−メチル
スチレン,p−メチルスチレン,α−メチルスチレン等
のスチレン類、エチレン,プロピレン,塩化ビニル,酢
酸ビニル等のオレフィン類、メチルビニルエーテル,エ
チルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類、メ
チルビニルケトン,エチルビニルケトン等のアルキルビ
ニルケトン類、ビニルトリメチルシラン,3−(メタ)
アクリロキシプロピルトリメチルシラン,p−トリメチ
ルシリルスチレン,ビニルトリメトキシシラン,3−
(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン,p
−トリメトキシシリルスチレン,ビニルトリス(トリメ
チルシロキシ)シラン,3−(メタ)アクリロキシプロ
ピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン,p−トリス
(トリメチルシロキシ)シリルスチレン等のケイ素含有
重合性単量体、3,3,3−トリフロロプロピル(メ
タ)アクリレート,3,3,3−トリフロロ−2−トリ
フロロメチルエチル(メタ)アクリレート等のフッ素含
有重合性単量体などが例示される。なお、これら重合性
ビニル単量体は1種を単独で用いても2種以上を混合し
て用いてもよい。
【0016】また、一般に、重合性ビニル単量体を共重
合成分とする場合、極性基を有する重合性ビニル単量体
を上記重合性ビニル単量体と併用することによって、ビ
ニル系共重合体を塗料用樹脂に応用したときの皮膜の密
着性が向上することが知られている。このような極性基
を有する重合性ビニル単量体としては、例えば、(メ
タ)アクリル酸,マレイン酸,イタコン酸,シトラコン
酸,無水マレイン酸,無水イタコン酸等の不飽和有機酸
及びその酸無水物、2−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート,2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト等の水酸基含有化合物、グリシジル(メタ)アクリレ
ート,2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル
(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有化合物、2−
(ジエチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート,2−
アミノエチルビニルエーテル等のアミノ基含有化合物、
N−ビニル−2−ピロリドン、(メタ)アクリルアミ
ド、アクリロニトリルなどがあり、本発明においてはこ
れらの1種又は2種以上を併用することができる。ただ
し、上記極性基を有する化合物は空気中の水分(湿気)
を系内に呼び込み、保存安定性を悪化させる傾向がある
ため、その使用量は重合性ビニル単量体全体の0〜20
重量%、特に0〜10重量%とすることが好ましい。
【0017】一方、一般式(2)のシラノール基含有
(メタ)アクリルシロキサンは下記の通りであり、従っ
てこのシロキサンに基づく単位は下記一般式(1)の通
りである。
【0018】
【化6】 (式中、R1は水素原子又はメチル基、R2,R3,R4
炭素数1〜8の一価の有機基又は−OSiR678
表されるシロキシ基で、R6,R7,R8は炭素数1〜8
の有機基であり、nは1〜12の整数、aは0又は1で
ある。)
【0019】ここで、炭素数1〜8の一価有機基として
具体的には、メチル基,エチル基,プロピル基,ブチル
基などのアルキル基、シクロペンチル基,シクロヘキシ
ル基等のシクロアルキル基、フェニル基等のアリール
基、ベンジル基等のアラルキル基、ビニル基,アリル基
等のアルケニル基、クロロメチル基,3,3,3−トリ
フロロプロピル基,2−シアノエチル基等の置換又は非
置換の一価炭化水素基などが例示される。また、−OS
iR678で表されるシロキシ基としては、トリメチ
ルシロキシ基、エチルジメチルシロキシ基、フェニルジ
メチルシロキシ基、ビニルジメチルシロキシ基、クロロ
メチルジメチルシロキシ基、3,3,3−トリフロロプ
ロピルジメチルシロキシ基、2−シアノエチルジメチル
シロキシ基などが例示される。なお、R2〜R8はそれぞ
れ同一でも異なっていてもよい。
【0020】本発明のビニル系共重合体は、上述したよ
うに式(1)の単位を含有するものであるが、その含有
量は1〜50重量%、特に5〜20重量%であることが
硬度、可撓性の点から好ましい。
【0021】また、この共重合体の分子量は5,000
〜100,000であることが好ましい。
【0022】本発明のビニル系共重合体は、上述したよ
うに、重合性ビニル単量体と上記式(2)のシラノール
基含有(メタ)アクリルシロキサンとをラジカル開始剤
の存在下で共重合することによって得られるものである
が、式(2)のシロキサンは、オルガノハロシランとシ
ラノール類との脱ハロゲン化水素反応、これに引き続く
加水分解反応によって得ることができる。この場合、上
記式(2)においてn=3、a=0とすることが特に好
適である。
【0023】また、この反応に使用するラジカル開始剤
は通常使用されているものを用いることができる。具体
的には、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル),
2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル),
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)等のアゾビス系化合物、過酸化ベンゾイル,過酸化
ラウロイル、tert−ブチルパーオキシベンゾエー
ト,tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノ
エート等の有機過酸化物などを使用することができる。
これらは1種を単独で用いても2種以上を混合して用い
てもよい。
【0024】ラジカル開始剤の使用量は、重合性ビニル
単量体とシラノール基含有(メタ)アクリルシロキサン
の合計量100部(重量部、以下同じ)に対して0.1
〜5部とすることが好ましい。
【0025】本発明のシラノール基含有ビニル系共重合
体の合成は、溶液重合又は塊状重合により行うことがで
きる。溶液重合は、溶媒中で重合性ビニル単量体と式
(2)のシラノール基含有(メタ)アクリルシロキサン
とをラジカル開始剤の存在下、50〜150℃で3〜2
0時間反応させることによって得られる。また、塊状重
合は溶媒を使用しない重合法であるため、得られる共重
合体の粘度や残存モノマーが問題となる場合が多いの
で、溶媒を使用する溶液重合法を採用することが好まし
い。
【0026】上記溶液重合に用いる溶媒としては、ヘキ
サン,オクタン,デカン,シクロヘキサン等の脂肪族炭
化水素、ベンゼン,トルエン,キシレン等の芳香族炭化
水素、ジエチルエーテル,ジブチルエーテル,テトラヒ
ドロフラン,ジオキサン等のエーテル類、アセトン,メ
チルエチルケトン,メチルイソブチルケトン,ジイソブ
チルケトン,シクロヘキサン等のケトン類、酢酸メチ
ル,酢酸エチル,酢酸ブチル,酢酸イソブチル等のエス
テル類などが例示される。この中で特にトルエン及び/
又はキシレンを使用することが好ましい。
【0027】本発明のビニル系共重合体を合成する際に
は、更に連鎖移動剤を添加することもできる。連鎖移動
剤として具体的には、2−メルカプトエタノール,ブチ
ルメルカプタン,n−ドデシルメルカプタン,3−メル
カプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト化合
物、塩化メチレン,クロロホルム,四塩化炭素,臭化ブ
チル,3−クロロプロピルトリメトキシシラン等のハロ
ゲン化物などが挙げられる。
【0028】本発明では用途に合わせて様々な分子量
(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)、ガラス転移点
(Tg)を持つシラノール基含有ビニル系共重合体を得
ることができる。例えば、ラジカル開始剤、溶媒、連鎖
移動剤の種類、使用量を適宜選択することによって分子
量や分子量分布を制御することが可能であるし、また、
重合性ビニル単量体の組成を変えることによって所望の
ガラス転移点を持つシラノール基含有ビニル系共重合体
を得ることができる。
【0029】本発明の常温硬化性樹脂組成物は、上記ビ
ニル系共重合体を主成分とし、これに架橋剤及び縮合触
媒を配合したものである。
【0030】ここで、架橋剤としては一分子内に2個以
上の加水分解性基を持つものであればよく、特に限定さ
れるものではないが、Si,Ti,Al,Zr等のアル
コキシ,アシロキシ,オキシム,アミン化合物やこれら
の加水分解物が好適に使用される。このような化合物と
して具体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキ
シシラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルトリ
(エチルメチルケトキシム)シラン、ビニルトリ(エチ
ルメチルケトキシム)シラン、メチルトリ(n−ブチル
アミノ)シラン等のシラン類やこれらの部分加水分解オ
リゴマーなどが挙げられ、この中で特にテトラメトキシ
シランやその部分加水分解オリゴマーが好適に使用され
る。
【0031】この架橋剤の配合量は、本発明のビニル系
共重合体100部に対して1〜10部とすることが好ま
しい。
【0032】一方、縮合触媒としては、ジブチルスズジ
ラウレート,ジブチルスズジアセテート等の有機スズ化
合物、テトライソプロポキシチタン,テトラブトキシチ
タン等の有機チタン化合物、1,4−ジアザビシクロ
(2.2.2)オクタン,1,8−ジアザビシクロ
(5.4.0)ウンデセン−7,3−(2−アミノエチ
ル)アミノプロピルトリメトキシシラン,3−アミノプ
ロピルトリエトキシシラン等のアミン類、塩酸,硫酸等
の無機酸、p−トルエンスルホン酸,フタル酸等の有機
酸、水酸化ナトリウム,水酸化カリウム等のアルカリ金
属水酸化物などが例示され、この中で特に有機スズ化合
物を用いることが好ましい。これら縮合触媒は1種を単
独で用いてもよく2種以上を併用しても差し支えない。
【0033】硬化触媒の配合量はシラノール基含有ビニ
ル系共重合体100部に対して0.01〜1部とするこ
とが好ましい。
【0034】なお、本発明の常温硬化樹脂組成物を架橋
する場合、縮合触媒を配合しなくとも架橋は進行する
が、室温では架橋速度は非常に遅く、十分な架橋効果が
発現されない。
【0035】更に、上記常温硬化性樹脂組成物には、本
発明の効果を損なわない範囲で無機系や有機系の各種充
填材、顔料などを配合することができ、また、上記常温
硬化性樹脂組成物は汎用樹脂との相溶性に優れるため、
汎用樹脂とブレンドして用いることもできる。
【0036】本発明の常温硬化性樹脂組成物の形態とし
ては、上記各成分すべてを配合した一液型とすることも
でき、また、縮合触媒を別にした二液型とすることもで
きる。ここで、従来のアクリルシリコーン系樹脂組成
物、特に一液型の組成物の場合、保存中に架橋が徐々に
進行するため、増粘やゲル化が起こるという問題が指摘
されていたが、本発明の常温硬化性樹脂組成物では架橋
剤が水分捕捉剤として作用するため、一液型でも保存安
定性に優れ、耐候性塗料やコーティング用として有用な
常温硬化性樹脂組成物を得ることができる。
【0037】
【発明の効果】本発明のシラノール基を側鎖に有するビ
ニル系共重合体は、これを主成分として配合した場合、
耐候性、可撓性、密着性に優れた硬化皮膜を形成し得る
常温硬化性樹脂組成物を与えることができ、この常温硬
化性樹脂組成物は一液型とした場合も保存安定性に優
れ、耐候性、可撓性、密着性に優れた硬化皮膜を形成す
ることができ、特にコーティング用の塗料として有用で
ある。また、本発明の製造方法はかかるビニル系共重合
体を簡単かつ確実に製造し得る。
【0038】
【実施例】以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体
的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるも
のではない。
【0039】〔実施例1〜3、比較例1,2〕滴下ロー
ト、冷却器、温度計、撹拌装置を備えたフラスコ内を窒
素置換し、これにトルエン100部を仕込み、80℃ま
で昇温した。次に、メチルメタクリレート85部、ブチ
ルアクレリート7部、表1に示すシリコーンメタクリレ
ート(I)8部、2,2’−アゾビス(イソブチロニト
リル)1部を予め混合溶解し、これを窒素気流下80〜
90℃で2時間かけて滴下ロートから上記トルエン中に
滴下した。
【0040】次に、80℃で5時間熟成させた後、反応
原液をサンプリングし、乾燥減量から反応率を求めた結
果、99.5%であり、この反応原液を室温まで冷却し
たところ、無色透明液体のビニル系共重合体が得られ
た。得られた共重合体の分子量をGPCによって測定し
たところ、重量平均分子量が4万であることが確認さ
れ、また、IR測定ではSi−OHのピークが観測さ
れ、シラノール基の存在が確認された(実施例1)。
【0041】表1に示す重合性ビニル単量体、シリコー
ンメタクリレート、ラジカル開始剤、溶媒を用い、所定
の温度で実施例1と同様にしてビニル系共重合体を得、
GPCにより重量平均分子量を測定し、またIRにより
シラノールの存在を確認した。これらの結果を表1に併
記する。
【0042】
【表1】
【0043】
【化7】
【0044】〔実施例4〜7、比較例3〜6〕表2に示
すビニル系共重合体100部、架橋剤5部、縮合触媒
0.2部を混合し、不揮発分が25重量%になるように
トルエンで希釈し、常温硬化性樹脂組成物を得た。この
組成物をみがき鋼板にバーコーター(#36)で乾燥後
の膜厚が約10μmとなるように塗布し、室温に7日間
放置して硬化させた。
【0045】この硬化皮膜について、下記の方法で硬
度、密着性、可撓性、耐溶剤性、耐候性を評価した。ま
た常温硬化樹脂組成物としての保存安定性についても評
価した。硬度 三菱ユニ鉛筆を用いて鉛筆硬度を測定した。密着性 硬化皮膜に1mm角のます目を10×10個形成し、セ
ロハンテープ(ニチバン製セロハンテープ)を用いて剥
離試験を行い、剥離しないます目の数で密着性を判定し
た。可撓性 マンドレル試験(6φ)を行い、下記基準に従って判定
した。 ○:外観に変化なし △:微小なクラック発生 ×:クラックが発生し、剥離耐溶剤性 キシレンラビングを10回行い、下記基準に従って外観
を判定した。 ○:表面外観に変化なし △:表面外観に少し変化あり ×:表面外観に変化あり耐候性 サンシャインウェザオメーター(スガ試験機(株)製)
を用い、300時間曝露した後の外観を下記基準に従っ
て外観を判定した。 ○:表面外観に変化なし △:表面外観に少し変化あり ×:表面外観に変化あり保存安定性 常温硬化性組成物を容器中に密封し、40℃で保存した
場合のゲル化までの日数を調べた。
【0046】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 信行 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内 (72)発明者 一戸 省二 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 (式中、R1は水素原子又はメチル基、R2,R3,R4
    炭素数1〜8の一価の有機基又は−OSiR678
    表されるシロキシ基で、R6,R7,R8は炭素数1〜8
    の有機基であり、nは1〜12の整数、aは0又は1で
    ある。)で示されるシラノール基含有(メタ)アクリル
    シロキサン単位を含有することを特徴とする側鎖にシラ
    ノール基を有するビニル系共重合体。
  2. 【請求項2】 重合性ビニル単量体と下記一般式(2) 【化2】 (式中、R1は水素原子又はメチル基、R2,R3,R4
    炭素数1〜8の一価の有機基又は−OSiR678
    表されるシロキシ基で、R6,R7,R8は炭素数1〜8
    の有機基であり、nは1〜12の整数、aは0又は1で
    ある。)で示されるシラノール基含有(メタ)アクリル
    シロキサンとをラジカル開始剤を用いて共重合させるこ
    とを特徴とする請求項1記載のビニル系共重合体の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のビニル系共重合体と架橋
    剤と縮合触媒とを含有することを特徴とする常温硬化性
    樹脂組成物。
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