JP2001335737A - 成分傾斜膜形成用コーティング剤 - Google Patents
成分傾斜膜形成用コーティング剤Info
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- JP2001335737A JP2001335737A JP2000158851A JP2000158851A JP2001335737A JP 2001335737 A JP2001335737 A JP 2001335737A JP 2000158851 A JP2000158851 A JP 2000158851A JP 2000158851 A JP2000158851 A JP 2000158851A JP 2001335737 A JP2001335737 A JP 2001335737A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 無機成分の含有率が膜の厚み方向に連続的に
変化する成分傾斜構造を有する有機−無機複合傾斜膜を
密着性よく形成しうると共に、適度のポットライフを有
するコーティング剤を提供する。 【解決手段】 (A)(a)分子中に加水分解性金属含
有基を有するエチレン性不飽和単量体と、(b)金属を
含まないエチレン性不飽和単量体と、(c)金属を含ま
ず、かつフルオロアルキル基を有するエチレン性不飽和
単量体との共重合体、または(A′)分子中に加水分解
性金属含有基を有し、かつ乾燥時には凝集効果を発揮す
るが、使用溶媒中では凝集を阻害する官能基を有する有
機高分子化合物と、(B)加水分解により金属酸化物を
形成しうる金属化合物との混合物の加水分解処理物を含
むコーティング剤である。
変化する成分傾斜構造を有する有機−無機複合傾斜膜を
密着性よく形成しうると共に、適度のポットライフを有
するコーティング剤を提供する。 【解決手段】 (A)(a)分子中に加水分解性金属含
有基を有するエチレン性不飽和単量体と、(b)金属を
含まないエチレン性不飽和単量体と、(c)金属を含ま
ず、かつフルオロアルキル基を有するエチレン性不飽和
単量体との共重合体、または(A′)分子中に加水分解
性金属含有基を有し、かつ乾燥時には凝集効果を発揮す
るが、使用溶媒中では凝集を阻害する官能基を有する有
機高分子化合物と、(B)加水分解により金属酸化物を
形成しうる金属化合物との混合物の加水分解処理物を含
むコーティング剤である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、成分傾斜膜形成用
コーティング剤に関し、さらに詳しくは、本発明は、有
機高分子化合物と金属酸化物系化合物との化学結合物を
含有する有機−無機複合膜であって、該金属酸化物系化
合物の含有率が膜の厚み方向に連続的に変化する成分傾
斜構造を有し、透明性も高く、機能性材料として各種用
途に有用な有機−無機複合傾斜膜を、有機基材上に密着
性よく形成しうると共に、適度のポットライフを有する
成分傾斜膜形成用コーティング剤に関するものである。
コーティング剤に関し、さらに詳しくは、本発明は、有
機高分子化合物と金属酸化物系化合物との化学結合物を
含有する有機−無機複合膜であって、該金属酸化物系化
合物の含有率が膜の厚み方向に連続的に変化する成分傾
斜構造を有し、透明性も高く、機能性材料として各種用
途に有用な有機−無機複合傾斜膜を、有機基材上に密着
性よく形成しうると共に、適度のポットライフを有する
成分傾斜膜形成用コーティング剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、有機基材上に様々な無機系または
金属系材料、例えば光触媒活性材料、導電性材料、ハー
ドコート剤、光記録材料、磁性粉、赤外線吸収材料など
からなる層を設け、機能性材料を作製することが広く行
われている。有機基材上に、このような無機系または金
属系材料層を設ける場合、一般に基材との密着性が不十
分であるために、例えば有機基材上に無機系プライマー
層を設け、その上に無機系または金属系材料層を形成さ
せる方法が、よく用いられる。しかしながら、この方法
においては、無機系プライマー層と無機系または金属系
材料層との密着性は良好であるものの、有機基材と無機
系プライマー層との密着性は必ずしも十分ではなく、耐
熱密着性に劣ったり、あるいは経時により密着性が低下
したりするなどの問題があった。
金属系材料、例えば光触媒活性材料、導電性材料、ハー
ドコート剤、光記録材料、磁性粉、赤外線吸収材料など
からなる層を設け、機能性材料を作製することが広く行
われている。有機基材上に、このような無機系または金
属系材料層を設ける場合、一般に基材との密着性が不十
分であるために、例えば有機基材上に無機系プライマー
層を設け、その上に無機系または金属系材料層を形成さ
せる方法が、よく用いられる。しかしながら、この方法
においては、無機系プライマー層と無機系または金属系
材料層との密着性は良好であるものの、有機基材と無機
系プライマー層との密着性は必ずしも十分ではなく、耐
熱密着性に劣ったり、あるいは経時により密着性が低下
したりするなどの問題があった。
【0003】また、WO97/00134号において
は、有機基板上に複数の接着層を介して、段階的に無機
物質に対する接着性を向上させていく方法が開示されて
いる。しかしながら、この方法においては、操作が煩雑
である上、透明性が損なわれるおそれがある。したがっ
て、有機基材上に無機系または金属系材料層を密着性よ
く形成する技術の開発が望まれていた。
は、有機基板上に複数の接着層を介して、段階的に無機
物質に対する接着性を向上させていく方法が開示されて
いる。しかしながら、この方法においては、操作が煩雑
である上、透明性が損なわれるおそれがある。したがっ
て、有機基材上に無機系または金属系材料層を密着性よ
く形成する技術の開発が望まれていた。
【0004】このような事情のもとで、本発明者らは、
先に、新規な機能性材料として種々の用途、例えば塗膜
や、有機材料と無機または金属材料との接着剤、有機基
材と光触媒塗膜との間に設けられ、有機基材の劣化を防
止する中間膜や、有機基材と無機系または金属系材料層
との密着性を向上させる中間膜などの用途に有用な、厚
さ方向に組成が連続的に変化する有機−無機複合傾斜材
料を見出した(特願平11−264592号)。
先に、新規な機能性材料として種々の用途、例えば塗膜
や、有機材料と無機または金属材料との接着剤、有機基
材と光触媒塗膜との間に設けられ、有機基材の劣化を防
止する中間膜や、有機基材と無機系または金属系材料層
との密着性を向上させる中間膜などの用途に有用な、厚
さ方向に組成が連続的に変化する有機−無機複合傾斜材
料を見出した(特願平11−264592号)。
【0005】この有機−無機複合傾斜材料は、有機高分
子化合物と金属系化合物との化学結合物を含有する有機
−無機複合材料であって、該金属系化合物の含有率が材
料の厚み方向に連続的に変化する成分傾斜構造を有し、
上記の各種用途に極めて有用な新規な材料である。ただ
し、このような傾斜材料においては、高分子部分の基材
に対する吸着能を利用して形成させるため、傾斜性に優
れる材料を得るには、コーティング液の調製から塗布す
るまでの時間が重要となり、上記の有機−無機複合傾斜
材料を形成するコーティング液で使用される溶媒におい
ては、該時間が10分程度と比較的短く、工業的には必
ずしも十分に満足しうるものではなかった。
子化合物と金属系化合物との化学結合物を含有する有機
−無機複合材料であって、該金属系化合物の含有率が材
料の厚み方向に連続的に変化する成分傾斜構造を有し、
上記の各種用途に極めて有用な新規な材料である。ただ
し、このような傾斜材料においては、高分子部分の基材
に対する吸着能を利用して形成させるため、傾斜性に優
れる材料を得るには、コーティング液の調製から塗布す
るまでの時間が重要となり、上記の有機−無機複合傾斜
材料を形成するコーティング液で使用される溶媒におい
ては、該時間が10分程度と比較的短く、工業的には必
ずしも十分に満足しうるものではなかった。
【0006】上記有機−無機複合傾斜材料は、分子中に
加水分解により金属酸化物と結合しうる金属含有基を有
する有機高分子化合物と、加水分解により金属酸化物を
形成しうる金属化合物との混合物の加水分解処理物を含
むコーティング液を、有機基材上に塗布し、加熱乾燥処
理することにより、形成されるものである。したがっ
て、優れた傾斜構造を発現させるには、有機高分子化合
物と金属化合物とが結合反応を開始し、かつ分子内架橋
などの架橋反応が進みすぎてゲル化を生じない間に、塗
布することが必要となる。
加水分解により金属酸化物と結合しうる金属含有基を有
する有機高分子化合物と、加水分解により金属酸化物を
形成しうる金属化合物との混合物の加水分解処理物を含
むコーティング液を、有機基材上に塗布し、加熱乾燥処
理することにより、形成されるものである。したがっ
て、優れた傾斜構造を発現させるには、有機高分子化合
物と金属化合物とが結合反応を開始し、かつ分子内架橋
などの架橋反応が進みすぎてゲル化を生じない間に、塗
布することが必要となる。
【0007】本発明者は、先に、適当な溶媒を選択・組
み合わせることで、上記反応を制御することにより、コ
ーティング液の調製から塗布までの時間を延長しうるこ
とを見出し、この発明について平成12年4月28日に
特許出願(当所整理番号:NP−1710)をしてい
る。この発明によれば、コーティング液の調製から塗布
までの最適時間は500〜2000分程度となり、上限
の時間は大幅に延長されたものの、下限の時間もそれに
伴い延長されてしまい、その結果、コーティング液を塗
布開始するまで、約10時間程度の長い時間を要すると
いう問題があった。
み合わせることで、上記反応を制御することにより、コ
ーティング液の調製から塗布までの時間を延長しうるこ
とを見出し、この発明について平成12年4月28日に
特許出願(当所整理番号:NP−1710)をしてい
る。この発明によれば、コーティング液の調製から塗布
までの最適時間は500〜2000分程度となり、上限
の時間は大幅に延長されたものの、下限の時間もそれに
伴い延長されてしまい、その結果、コーティング液を塗
布開始するまで、約10時間程度の長い時間を要すると
いう問題があった。
【0008】一方、このような有機−無機複合傾斜材料
においては、前述のように高分子部分の基材に対する吸
着能を利用して形成させるために、溶媒の種類および/
または塗布条件によっては、基材との密着性が必ずしも
十分に満足しうるとはいえない場合があった。
においては、前述のように高分子部分の基材に対する吸
着能を利用して形成させるために、溶媒の種類および/
または塗布条件によっては、基材との密着性が必ずしも
十分に満足しうるとはいえない場合があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、有機高分子化合物と金属酸化物系化合物
との化学結合物を含有する有機−無機複合膜であって、
該金属酸化物系化合物の含有率が膜の厚み方向に連続的
に変化する成分傾斜構造を有し、透明性も高く、機能性
材料として各種用途に有用な有機−無機複合傾斜膜を、
有機基材上に密着性よく形成しうると共に、適度のポッ
トライフを有する成分傾斜膜形成用コーティング剤を提
供することを目的とするものである。
事情のもとで、有機高分子化合物と金属酸化物系化合物
との化学結合物を含有する有機−無機複合膜であって、
該金属酸化物系化合物の含有率が膜の厚み方向に連続的
に変化する成分傾斜構造を有し、透明性も高く、機能性
材料として各種用途に有用な有機−無機複合傾斜膜を、
有機基材上に密着性よく形成しうると共に、適度のポッ
トライフを有する成分傾斜膜形成用コーティング剤を提
供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記の優れ
た機能を有する成分傾斜膜形成用コーティング剤を開発
すべく鋭意研究を重ねた結果、有機高分子化合物の分子
内架橋などの架橋反応を抑制し、ゲル化を生じさせない
ようにするためには、該有機高分子化合物が溶媒中で十
分な広がりをもつように膨潤させればよいこと、そして
基材との密着性をよくするためには、該有機高分子化合
物の構造を、乾燥時において凝集が促進されるような構
造にすればよいことに着目した。
た機能を有する成分傾斜膜形成用コーティング剤を開発
すべく鋭意研究を重ねた結果、有機高分子化合物の分子
内架橋などの架橋反応を抑制し、ゲル化を生じさせない
ようにするためには、該有機高分子化合物が溶媒中で十
分な広がりをもつように膨潤させればよいこと、そして
基材との密着性をよくするためには、該有機高分子化合
物の構造を、乾燥時において凝集が促進されるような構
造にすればよいことに着目した。
【0011】本発明者は、この着目に基づき、さらに研
究を重ね、該有機高分子化合物に、立体障害性の高い少
なくとも1個のフッ素原子を有するフルオロアルキル
基、好ましくは炭素数の大きなフルオロアルキル基を導
入することにより、あるいは、乾燥時には凝集効果を発
揮するが、使用溶媒中において凝集を阻害する官能基を
もつ有機基、例えば水酸基、エーテル基、ケトン基、エ
ステル基などの官能基をもち、立体障害性が高く、かつ
疎水間相互作用を抑制する親水性基を導入することによ
り、前記目的を達成しうることを見出した。本発明は、
かかる知見に基づいて完成したものである。
究を重ね、該有機高分子化合物に、立体障害性の高い少
なくとも1個のフッ素原子を有するフルオロアルキル
基、好ましくは炭素数の大きなフルオロアルキル基を導
入することにより、あるいは、乾燥時には凝集効果を発
揮するが、使用溶媒中において凝集を阻害する官能基を
もつ有機基、例えば水酸基、エーテル基、ケトン基、エ
ステル基などの官能基をもち、立体障害性が高く、かつ
疎水間相互作用を抑制する親水性基を導入することによ
り、前記目的を達成しうることを見出した。本発明は、
かかる知見に基づいて完成したものである。
【0012】すなわち、本発明は、有機基材上に、有機
高分子化合物と金属酸化物系化合物とが化学的に結合し
た複合体を含み、かつ該金属酸化物系化合物の含有率が
膜表面から深さ方向に連続的に変化する成分傾斜構造を
有する有機−無機複合傾斜膜を形成させるコーティング
剤であって、 (1)(A)(a)分子中に加水分解により金属酸化物
と結合しうる金属含有基を有するエチレン性不飽和単量
体と、(b)金属を含まないエチレン性不飽和単量体
と、(c)金属を含まず、かつ少なくとも1個のフッ素
原子をもつフルオロアルキル基を有するエチレン性不飽
和単量体との共重合体と、(B)加水分解により金属酸
化物を形成しうる金属化合物との混合物の加水分解処理
物を含むことを特徴とする成分傾斜膜形成用コーティン
グ剤(以下、本発明のコーティング剤Iと称する。)、
および
高分子化合物と金属酸化物系化合物とが化学的に結合し
た複合体を含み、かつ該金属酸化物系化合物の含有率が
膜表面から深さ方向に連続的に変化する成分傾斜構造を
有する有機−無機複合傾斜膜を形成させるコーティング
剤であって、 (1)(A)(a)分子中に加水分解により金属酸化物
と結合しうる金属含有基を有するエチレン性不飽和単量
体と、(b)金属を含まないエチレン性不飽和単量体
と、(c)金属を含まず、かつ少なくとも1個のフッ素
原子をもつフルオロアルキル基を有するエチレン性不飽
和単量体との共重合体と、(B)加水分解により金属酸
化物を形成しうる金属化合物との混合物の加水分解処理
物を含むことを特徴とする成分傾斜膜形成用コーティン
グ剤(以下、本発明のコーティング剤Iと称する。)、
および
【0013】(2)(A′)分子中に加水分解により金
属酸化物と結合しうる金属含有基を有し、かつ乾燥時に
は凝集効果を発揮するが、使用溶媒中では凝集を阻害す
る官能基を有する有機高分子化合物と、(B)加水分解
により金属酸化物を形成しうる金属化合物との混合物の
加水分解処理物を含むことを特徴とする成分傾斜膜形成
用コーティング剤(以下、本発明のコーティング剤IIと
称する。)、また、
属酸化物と結合しうる金属含有基を有し、かつ乾燥時に
は凝集効果を発揮するが、使用溶媒中では凝集を阻害す
る官能基を有する有機高分子化合物と、(B)加水分解
により金属酸化物を形成しうる金属化合物との混合物の
加水分解処理物を含むことを特徴とする成分傾斜膜形成
用コーティング剤(以下、本発明のコーティング剤IIと
称する。)、また、
【0014】(3)(A″)(a)分子中に加水分解に
より金属酸化物と結合しうる金属含有基を有するエチレ
ン性不飽和単量体と、(b)金属を含まないエチレン性
不飽和単量体と、(c)金属を含まず、かつ少なくとも
1個のフッ素原子をもつフルオロアルキル基を有するエ
チレン性不飽和単量体との共重合体と、(c′)乾燥時
には凝集効果を発揮するが、使用溶媒中では凝集を阻害
する官能基を有するエチレン性不飽和単量体との共重合
体と、(B)加水分解により金属酸化物を形成しうる金
属化合物との混合物の加水分解処理物を含むことを特徴
とする成分傾斜膜形成用コーティング剤(以下、本発明
のコーティング剤I+IIと称する。)を提供するもので
ある。
より金属酸化物と結合しうる金属含有基を有するエチレ
ン性不飽和単量体と、(b)金属を含まないエチレン性
不飽和単量体と、(c)金属を含まず、かつ少なくとも
1個のフッ素原子をもつフルオロアルキル基を有するエ
チレン性不飽和単量体との共重合体と、(c′)乾燥時
には凝集効果を発揮するが、使用溶媒中では凝集を阻害
する官能基を有するエチレン性不飽和単量体との共重合
体と、(B)加水分解により金属酸化物を形成しうる金
属化合物との混合物の加水分解処理物を含むことを特徴
とする成分傾斜膜形成用コーティング剤(以下、本発明
のコーティング剤I+IIと称する。)を提供するもので
ある。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明のコーティング剤によっ
て、有機基材上に形成される有機−無機複合傾斜膜は、
有機高分子化合物と金属酸化物系化合物とが化学結合し
てなる複合体を含有する有機−無機複合膜、好ましくは
該複合体からなる有機−無機複合膜であって、膜中の金
属酸化物系化合物の含有率が、膜表面から深さ方向に連
続的に変化する成分傾斜構造を有するものである。
て、有機基材上に形成される有機−無機複合傾斜膜は、
有機高分子化合物と金属酸化物系化合物とが化学結合し
てなる複合体を含有する有機−無機複合膜、好ましくは
該複合体からなる有機−無機複合膜であって、膜中の金
属酸化物系化合物の含有率が、膜表面から深さ方向に連
続的に変化する成分傾斜構造を有するものである。
【0016】このような成分傾斜構造の確認は、例え
ば、有機基材上に設けた有機−無機複合傾斜膜の表面
に、スパッタリングを施して膜を削っていき、経時的に
膜表面の炭素原子と金属原子の含有率を、X線光電子分
光法などにより測定することによって、行うことができ
る。この傾斜膜は厚みが5μm以下、特に0.01〜
1.0μmの範囲のものが、傾斜性及び塗膜性能などの
点から好適である。
ば、有機基材上に設けた有機−無機複合傾斜膜の表面
に、スパッタリングを施して膜を削っていき、経時的に
膜表面の炭素原子と金属原子の含有率を、X線光電子分
光法などにより測定することによって、行うことができ
る。この傾斜膜は厚みが5μm以下、特に0.01〜
1.0μmの範囲のものが、傾斜性及び塗膜性能などの
点から好適である。
【0017】また、該傾斜膜における上記金属酸化物系
化合物の含有量としては特に制限はないが、通常5〜9
8重量%、好ましくは20〜98重量%、特に好ましく
は50〜90重量%の範囲である。有機高分子化合物の
重合度や分子量としては、製膜化しうるものであればよ
く特に制限されず、高分子化合物の種類や所望の塗膜物
性などに応じて適宜選定すればよい。このような有機−
無機複合傾斜膜を形成する本発明のコーティング剤は、
コーティング剤Iおよびコーティング剤IIの2つの態様
があり、かつこれらは組み合わせて使用することもでき
る(コーティング剤I+II)。まず本発明のコーティン
グ剤Iについて説明する。
化合物の含有量としては特に制限はないが、通常5〜9
8重量%、好ましくは20〜98重量%、特に好ましく
は50〜90重量%の範囲である。有機高分子化合物の
重合度や分子量としては、製膜化しうるものであればよ
く特に制限されず、高分子化合物の種類や所望の塗膜物
性などに応じて適宜選定すればよい。このような有機−
無機複合傾斜膜を形成する本発明のコーティング剤は、
コーティング剤Iおよびコーティング剤IIの2つの態様
があり、かつこれらは組み合わせて使用することもでき
る(コーティング剤I+II)。まず本発明のコーティン
グ剤Iについて説明する。
【0018】本発明のコーティング剤Iは、(A)
(a)分子中に加水分解により金属酸化物と結合しうる
金属含有基(以下、加水分解性金属含有基と称すことが
ある。)を有するエチレン性不飽和単量体と、(b)金
属を含まないエチレン性不飽和単量体と、(c)金属を
含まず、かつ少なくとも1個のフッ素原子をもつフルオ
ロアルキル基を有するエチレン性不飽和単量体との共重
合体と、(B)加水分解により金属酸化物を形成しうる
金属化合物との混合物の加水分解処理物を含むものであ
る。
(a)分子中に加水分解により金属酸化物と結合しうる
金属含有基(以下、加水分解性金属含有基と称すことが
ある。)を有するエチレン性不飽和単量体と、(b)金
属を含まないエチレン性不飽和単量体と、(c)金属を
含まず、かつ少なくとも1個のフッ素原子をもつフルオ
ロアルキル基を有するエチレン性不飽和単量体との共重
合体と、(B)加水分解により金属酸化物を形成しうる
金属化合物との混合物の加水分解処理物を含むものであ
る。
【0019】上記(A)(a)成分であるエチレン性不
飽和単量体中の加水分解により金属酸化物と結合しうる
金属含有基及び(B)成分である加水分解により金属酸
化物を形成しうる金属化合物における金属としては、例
えばケイ素、チタン、ジルコニウム及びアルミニウムの
中から選ばれる少なくとも1種を好ましく挙げることが
できる。
飽和単量体中の加水分解により金属酸化物と結合しうる
金属含有基及び(B)成分である加水分解により金属酸
化物を形成しうる金属化合物における金属としては、例
えばケイ素、チタン、ジルコニウム及びアルミニウムの
中から選ばれる少なくとも1種を好ましく挙げることが
できる。
【0020】上記(A)(a)成分である加水分解性金
属含有基を有するエチレン性不飽和単量体としては、一
般式(I)
属含有基を有するエチレン性不飽和単量体としては、一
般式(I)
【0021】
【化1】
【0022】(式中、R1は水素原子またはメチル基、
Aはアルキレン基、好ましくは炭素数1〜4のアルキレ
ン基、R2は加水分解性基または非加水分解性基である
が、その中の少なくとも1つは加水分解により、(B)
成分と化学結合しうる加水分解性基であることが必要で
あり、また、R2が複数の場合には、各R2はたがいに同
一であってもよいし、異なっていてもよく、M1はケイ
素、チタン、ジルコニウム、アルミニウムなどの金属原
子、mは金属原子M1の価数である。)で表される化合
物を挙げることができる。
Aはアルキレン基、好ましくは炭素数1〜4のアルキレ
ン基、R2は加水分解性基または非加水分解性基である
が、その中の少なくとも1つは加水分解により、(B)
成分と化学結合しうる加水分解性基であることが必要で
あり、また、R2が複数の場合には、各R2はたがいに同
一であってもよいし、異なっていてもよく、M1はケイ
素、チタン、ジルコニウム、アルミニウムなどの金属原
子、mは金属原子M1の価数である。)で表される化合
物を挙げることができる。
【0023】上記一般式(I)において、R2のうちの
加水分解により(B)成分と化学結合しうる加水分解性
基としては、例えばアルコキシル基、イソシアネート
基、塩素原子などのハロゲン原子、オキシハロゲン基、
アセチルアセトネート基、水酸基などが挙げられ、一
方、(B)成分と化学結合しない非加水分解性基として
は、例えば低級アルキル基などが好ましく挙げられる。
加水分解により(B)成分と化学結合しうる加水分解性
基としては、例えばアルコキシル基、イソシアネート
基、塩素原子などのハロゲン原子、オキシハロゲン基、
アセチルアセトネート基、水酸基などが挙げられ、一
方、(B)成分と化学結合しない非加水分解性基として
は、例えば低級アルキル基などが好ましく挙げられる。
【0024】一般式(I)における−M1R2 m-1で表さ
れる金属含有基としては、例えば、トリメトキシシリル
基、トリエトキシシリル基、トリ−n−プロポキシシリ
ル基、トリイソプロポキシシリル基、トリ−n−ブトキ
シシリル基、トリイソブトキシシリル基、トリ−sec−
ブトキシシリル基、トリ−tert−ブトキシシリル基、ト
リクロロシリル基、ジメチルメトキシシリル基、メチル
ジメトキシシリル基、ジメチルクロロシリル基、メチル
ジクロロシリル基、トリイソシアナトシリル基、メチル
ジイソシアナトシリル基など、トリメトキシチタニウム
基、トリエトキシチタニウム基、トリ−n−プロポキシ
チタニウム基、トリイソプロポキシチタニウム基、トリ
−n−ブトキシチタニウム基、トリイソブトキシチタニ
ウム基、トリ−sec−ブトキシチタニウム基、トリ−ter
t−ブトキシチタニウム基、トリクロロチタニウム基、
さらには、トリメトキシジルコニウム基、トリエトキシ
ジルコニウム基、トリ−n−プロポキシジルコニウム
基、トリイソプロポキシジルコニウム基、トリ−n−ブ
トキシジルコニウム基、トリイソブトキシジルコニウム
基、トリ−sec−ブトキシジルコニウム基、トリ−tert
−ブトキシジルコニウム基、トリクロロジルコニウム
基、またさらには、ジメトキシアルミニウム基、ジエト
キシアルミニウム基、ジ−n−プロポキシアルミニウム
基、ジイソプロポキシアルミニウム基、ジ−n−ブトキ
シアルミニウム基、ジイソブトキシアルミニウム基、ジ
−sec−ブトキシアルミニウム基、ジ−tert−ブトキシ
アルミニウム基、トリクロロアルミニウム基などが挙げ
られる。この(a)成分のエチレン性不飽和単量体は1
種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。
れる金属含有基としては、例えば、トリメトキシシリル
基、トリエトキシシリル基、トリ−n−プロポキシシリ
ル基、トリイソプロポキシシリル基、トリ−n−ブトキ
シシリル基、トリイソブトキシシリル基、トリ−sec−
ブトキシシリル基、トリ−tert−ブトキシシリル基、ト
リクロロシリル基、ジメチルメトキシシリル基、メチル
ジメトキシシリル基、ジメチルクロロシリル基、メチル
ジクロロシリル基、トリイソシアナトシリル基、メチル
ジイソシアナトシリル基など、トリメトキシチタニウム
基、トリエトキシチタニウム基、トリ−n−プロポキシ
チタニウム基、トリイソプロポキシチタニウム基、トリ
−n−ブトキシチタニウム基、トリイソブトキシチタニ
ウム基、トリ−sec−ブトキシチタニウム基、トリ−ter
t−ブトキシチタニウム基、トリクロロチタニウム基、
さらには、トリメトキシジルコニウム基、トリエトキシ
ジルコニウム基、トリ−n−プロポキシジルコニウム
基、トリイソプロポキシジルコニウム基、トリ−n−ブ
トキシジルコニウム基、トリイソブトキシジルコニウム
基、トリ−sec−ブトキシジルコニウム基、トリ−tert
−ブトキシジルコニウム基、トリクロロジルコニウム
基、またさらには、ジメトキシアルミニウム基、ジエト
キシアルミニウム基、ジ−n−プロポキシアルミニウム
基、ジイソプロポキシアルミニウム基、ジ−n−ブトキ
シアルミニウム基、ジイソブトキシアルミニウム基、ジ
−sec−ブトキシアルミニウム基、ジ−tert−ブトキシ
アルミニウム基、トリクロロアルミニウム基などが挙げ
られる。この(a)成分のエチレン性不飽和単量体は1
種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。
【0025】一方、上記(b)成分である金属を含まな
いエチレン性不飽和単量体としては、例えば一般式(I
I)
いエチレン性不飽和単量体としては、例えば一般式(I
I)
【0026】
【化2】
【0027】(式中、R3は水素原子またはメチル基、
Xは一価の有機基である。)で表されるエチレン性不飽
和単量体、好ましくは一般式(II−a)
Xは一価の有機基である。)で表されるエチレン性不飽
和単量体、好ましくは一般式(II−a)
【0028】
【化3】
【0029】(式中、R3は前記と同じであり、R4は炭
化水素基を示す。)で表されるエチレン性不飽和単量体
を挙げることができる。
化水素基を示す。)で表されるエチレン性不飽和単量体
を挙げることができる。
【0030】上記一般式(II−a)で表されるエチレン
性不飽和単量体において、R4で示される炭化水素基と
しては、炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐状のアル
キル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数6
〜10のアリール基、炭素数7〜10のアラルキル基を
好ましく挙げることができる。炭素数1〜10のアルキ
ル基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、イソプロピル基、および各種のブチル基、ペンチル
基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基などが挙げられ
る。炭素数3〜10のシクロアルキル基の例としては、
シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘ
キシル基、シクロオクチル基などが、炭素数6〜10の
アリール基の例としては、フェニル基、トリル基、キシ
リル基、ナフチル基、メチルナフチル基などが、炭素数
7〜10のアラルキル基の例としては、ベンジル基、メ
チルベンジル基、フェネチチル基、ナフチルメチル基な
どが挙げられる。
性不飽和単量体において、R4で示される炭化水素基と
しては、炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐状のアル
キル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数6
〜10のアリール基、炭素数7〜10のアラルキル基を
好ましく挙げることができる。炭素数1〜10のアルキ
ル基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、イソプロピル基、および各種のブチル基、ペンチル
基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基などが挙げられ
る。炭素数3〜10のシクロアルキル基の例としては、
シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘ
キシル基、シクロオクチル基などが、炭素数6〜10の
アリール基の例としては、フェニル基、トリル基、キシ
リル基、ナフチル基、メチルナフチル基などが、炭素数
7〜10のアラルキル基の例としては、ベンジル基、メ
チルベンジル基、フェネチチル基、ナフチルメチル基な
どが挙げられる。
【0031】前記一般式(II)で表されるエチレン性不
飽和単量体の例としては、一般式(II−a)で表される
単量体、具体的にはメチル(メタ)アクリレート、エチ
ル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレー
トなどを好ましく挙げることができるが、これら以外に
もα−アセトキシスチレン、m−,o−またはp−ブロ
モスチレン、m−,o−またはp−クロロスチレン、m
−,o−またはp−ビニルフェノールなども用いること
ができる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を
組み合わせて用いてもよい。
飽和単量体の例としては、一般式(II−a)で表される
単量体、具体的にはメチル(メタ)アクリレート、エチ
ル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレー
トなどを好ましく挙げることができるが、これら以外に
もα−アセトキシスチレン、m−,o−またはp−ブロ
モスチレン、m−,o−またはp−クロロスチレン、m
−,o−またはp−ビニルフェノールなども用いること
ができる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を
組み合わせて用いてもよい。
【0032】さらに、上記(c)成分である金属を含ま
ず、かつ少なくとも1個のフッ素原子をもつフルオロア
ルキル基を有するエチレン性不飽和単量体としては、本
発明の効果の点から、立体障害性の高い炭素数5以上の
フルオロアルキル基を有するものが好ましい。このよう
なエチレン性不飽和単量体としては、一般式(III)
ず、かつ少なくとも1個のフッ素原子をもつフルオロア
ルキル基を有するエチレン性不飽和単量体としては、本
発明の効果の点から、立体障害性の高い炭素数5以上の
フルオロアルキル基を有するものが好ましい。このよう
なエチレン性不飽和単量体としては、一般式(III)
【0033】
【化4】
【0034】(式中、R5は水素原子またはメチル基、
R6は少なくとも1個のフッ素原子をもつフルオロアル
キル基、好ましくは炭素数5以上のフルオロアルキル基
である。)で表されるフルオロアルキル(メタ)アクリ
レートを挙げることができる。
R6は少なくとも1個のフッ素原子をもつフルオロアル
キル基、好ましくは炭素数5以上のフルオロアルキル基
である。)で表されるフルオロアルキル(メタ)アクリ
レートを挙げることができる。
【0035】上記一般式(III)において、R6で表され
るフルオロアルキル基の炭素数の上限については特に制
限はないが、入手のしやすさなどの点から、20程度で
ある。このフルオロアルキル基は直鎖状、分岐状、環状
のいずれであってもよく、例えばペンチル基、ヘキシル
基、オクチル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル
基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル
基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオク
チル基などのアルキル基の水素原子の少なくとも1個が
フッ素原子に置換されたものが挙げられる。フッ素原子
の置換数や置換位置については特に制限はない。このフ
ルオロアルキル基の例としては、2,2,3,3,4,
4,5,5−オクタフルオロペンチル基、1H,1H,
11H−パーフルオロウンデシル基などを挙げることが
できる。
るフルオロアルキル基の炭素数の上限については特に制
限はないが、入手のしやすさなどの点から、20程度で
ある。このフルオロアルキル基は直鎖状、分岐状、環状
のいずれであってもよく、例えばペンチル基、ヘキシル
基、オクチル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル
基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル
基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオク
チル基などのアルキル基の水素原子の少なくとも1個が
フッ素原子に置換されたものが挙げられる。フッ素原子
の置換数や置換位置については特に制限はない。このフ
ルオロアルキル基の例としては、2,2,3,3,4,
4,5,5−オクタフルオロペンチル基、1H,1H,
11H−パーフルオロウンデシル基などを挙げることが
できる。
【0036】前記(A)成分の共重合体におけるこの
(c)成分のエチレン性不飽和単量体由来の単位の含有
量は、1〜20モル%の範囲が好ましい。この含有量が
1モル%未満では本発明の効果が十分に発揮されにくい
し、20モル%を超えると、その量の割には効果の向上
があまり認められず、むしろ経済的に不利となる。この
(c)成分のエチレン性不飽和単量体は1種用いてもよ
いし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(c)成分のエチレン性不飽和単量体由来の単位の含有
量は、1〜20モル%の範囲が好ましい。この含有量が
1モル%未満では本発明の効果が十分に発揮されにくい
し、20モル%を超えると、その量の割には効果の向上
があまり認められず、むしろ経済的に不利となる。この
(c)成分のエチレン性不飽和単量体は1種用いてもよ
いし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0037】前記(a)成分の加水分解性金属含有基を
有するエチレン性不飽和単量体と(b)成分の金属を含
まないエチレン性不飽和単量体と、(c)成分の金属を
含まず、かつ少なくとも1個のフッ素原子をもつフルオ
ロアルキル基を有するエチレン性不飽和単量体とを、ラ
ジカル重合開始剤の存在下にラジカル共重合させること
により、所望の共重合体が得られる。
有するエチレン性不飽和単量体と(b)成分の金属を含
まないエチレン性不飽和単量体と、(c)成分の金属を
含まず、かつ少なくとも1個のフッ素原子をもつフルオ
ロアルキル基を有するエチレン性不飽和単量体とを、ラ
ジカル重合開始剤の存在下にラジカル共重合させること
により、所望の共重合体が得られる。
【0038】前記(B)成分である加水分解により金属
酸化物を形成しうる金属化合物(加水分解性金属化合
物)としては、例えば一般式(IV) M2R7 n …(IV) (式中、R7は加水分解性基または非加水分解性基であ
るが、少なくとも2つは加水分解性基であり、かつ少な
くとも1つは、加水分解により(A)成分と化学結合し
うる加水分解性基であって、複数のR7はたがいに同一
であってもよいし、異なっていてもよく、M2はケイ
素、チタン、ジルコニウム、アルミニウムなどの金属原
子、nは金属原子M2の価数である。)で表される金属
化合物を挙げることができる。
酸化物を形成しうる金属化合物(加水分解性金属化合
物)としては、例えば一般式(IV) M2R7 n …(IV) (式中、R7は加水分解性基または非加水分解性基であ
るが、少なくとも2つは加水分解性基であり、かつ少な
くとも1つは、加水分解により(A)成分と化学結合し
うる加水分解性基であって、複数のR7はたがいに同一
であってもよいし、異なっていてもよく、M2はケイ
素、チタン、ジルコニウム、アルミニウムなどの金属原
子、nは金属原子M2の価数である。)で表される金属
化合物を挙げることができる。
【0039】上記一般式(IV)におけるR7のうちの加
水分解性基としては、例えばアルコキシル基、塩素原子
などのハロゲン原子、オキシハロゲン基、アセチルアセ
トネート基、イソシアネート基などが挙げられ、一方非
加水分解性基としては、例えば低級アルキル基、アリー
ル基、アルケニル基などが好ましく挙げられる。この加
水分解性金属化合物としては、上記一般式(IV)で表さ
れる金属化合物から誘導されるオリゴマーや、一般式
(IV)で表される金属化合物を複数種混合したものも用
いることができる。上記一般式(IV)で表される金属化
合物としては、特に金属アルコキシドが好適である。
水分解性基としては、例えばアルコキシル基、塩素原子
などのハロゲン原子、オキシハロゲン基、アセチルアセ
トネート基、イソシアネート基などが挙げられ、一方非
加水分解性基としては、例えば低級アルキル基、アリー
ル基、アルケニル基などが好ましく挙げられる。この加
水分解性金属化合物としては、上記一般式(IV)で表さ
れる金属化合物から誘導されるオリゴマーや、一般式
(IV)で表される金属化合物を複数種混合したものも用
いることができる。上記一般式(IV)で表される金属化
合物としては、特に金属アルコキシドが好適である。
【0040】この金属アルコキシドの例としては、テト
ラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n
−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テ
トラ−n−ブトキシシラン、テトライソブトキシシラ
ン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブ
トキシシラン、テトライソシアネートシラン、メチルト
リメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチ
ルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェ
ニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラ
ン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシ
ラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、メチルトリイソシアネートシラン、フェニルトリイ
ソシアネートシランなど、並びにこれらに対応するテト
ラアルコキシチタン、トリアルコキシチタン、ジアルコ
キシチタンおよびテトラアルコキシジルコニウム、トリ
アルコキシジルコニウム、ジアルコキシジルコニウム、
さらにはトリメトキシアルミニウム、トリエトキシアル
ミニウム、トリ−n−プロポキシアルミニウム、トリイ
ソプロポキシアルミニウム、トリ−n−ブトキシアルミ
ニウム、トリイソブトキシアルミニウム、トリ−sec−
ブトキシアルミニウム、トリ−tert−ブトキシアルミニ
ウムなどの金属アルコキシド、あるいは金属アルコキシ
ドオリゴマー、例えば市販品のアルコキシシランオリゴ
マーである「メチルシリケート51」、「エチルシリケ
ート40」(いずれもコルコート社製商品名)などが挙
げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を
組み合わせて用いてもよい。
ラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n
−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テ
トラ−n−ブトキシシラン、テトライソブトキシシラ
ン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブ
トキシシラン、テトライソシアネートシラン、メチルト
リメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチ
ルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェ
ニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラ
ン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシ
ラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、メチルトリイソシアネートシラン、フェニルトリイ
ソシアネートシランなど、並びにこれらに対応するテト
ラアルコキシチタン、トリアルコキシチタン、ジアルコ
キシチタンおよびテトラアルコキシジルコニウム、トリ
アルコキシジルコニウム、ジアルコキシジルコニウム、
さらにはトリメトキシアルミニウム、トリエトキシアル
ミニウム、トリ−n−プロポキシアルミニウム、トリイ
ソプロポキシアルミニウム、トリ−n−ブトキシアルミ
ニウム、トリイソブトキシアルミニウム、トリ−sec−
ブトキシアルミニウム、トリ−tert−ブトキシアルミニ
ウムなどの金属アルコキシド、あるいは金属アルコキシ
ドオリゴマー、例えば市販品のアルコキシシランオリゴ
マーである「メチルシリケート51」、「エチルシリケ
ート40」(いずれもコルコート社製商品名)などが挙
げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を
組み合わせて用いてもよい。
【0041】本発明においては、前記(A)成分の加水
分解性金属含有基を有する共重合体と、(B)成分の加
水分解性金属化合物との混合物を、アルコール、ケト
ン、エーテルなどの極性溶媒中において加水分解処理す
ることにより、コーティング剤Iが得られる。
分解性金属含有基を有する共重合体と、(B)成分の加
水分解性金属化合物との混合物を、アルコール、ケト
ン、エーテルなどの極性溶媒中において加水分解処理す
ることにより、コーティング剤Iが得られる。
【0042】本発明のコーティング剤Iは、例えば以下
に示す方法により調製することができる。まず、適当な
極性溶媒中に、前記(A)成分の共重合体を任意の濃度
で溶解させて、高分子化合物溶液を調製する。一方、適
当な極性溶媒に、前記(B)成分の加水分解性金属化合
物を任意の濃度で溶解させ、塩酸、硫酸、硝酸などの
酸、あるいは固体酸としてのカチオン交換樹脂を用い、
通常0〜100℃、好ましくは20〜60℃の温度にて
加水分解処理し、固体酸を用いた場合には、それを除去
したのち、このものと、前記高分子化合物溶液を混合
し、さらに加水分解処理したのち、必要に応じ溶媒を留
去または添加して塗布に適した粘度に調整することによ
り、本発明のコーティング剤Iが得られる。加水分解処
理温度が低すぎると加水分解反応が進行せず、また、高
すぎると加水分解、縮重合反応が速く進みすぎ、その制
御が困難となり、その結果、得られる傾斜膜の傾斜性が
低下するおそれがある。
に示す方法により調製することができる。まず、適当な
極性溶媒中に、前記(A)成分の共重合体を任意の濃度
で溶解させて、高分子化合物溶液を調製する。一方、適
当な極性溶媒に、前記(B)成分の加水分解性金属化合
物を任意の濃度で溶解させ、塩酸、硫酸、硝酸などの
酸、あるいは固体酸としてのカチオン交換樹脂を用い、
通常0〜100℃、好ましくは20〜60℃の温度にて
加水分解処理し、固体酸を用いた場合には、それを除去
したのち、このものと、前記高分子化合物溶液を混合
し、さらに加水分解処理したのち、必要に応じ溶媒を留
去または添加して塗布に適した粘度に調整することによ
り、本発明のコーティング剤Iが得られる。加水分解処
理温度が低すぎると加水分解反応が進行せず、また、高
すぎると加水分解、縮重合反応が速く進みすぎ、その制
御が困難となり、その結果、得られる傾斜膜の傾斜性が
低下するおそれがある。
【0043】また、適当な極性溶媒中に、前記(A)成
分の共重合体および(B)成分の加水分解性金属化合物
を溶解させ、これに酸を加えて加水分解処理することに
より、本発明のコーティング剤Iを調製してもよい。無
機成分は、その種類によってはコーティング剤調製後
も、加水分解、重縮合が徐々に進行して塗布条件が変動
する場合があるので、コーティング剤に不溶の固体の脱
水剤、例えば無水硫酸マグネシウムなどを添加すること
により、ポットライフの低下を防止することができる。
この場合、コーティング剤は、該脱水剤を除去してか
ら、塗布に用いる。
分の共重合体および(B)成分の加水分解性金属化合物
を溶解させ、これに酸を加えて加水分解処理することに
より、本発明のコーティング剤Iを調製してもよい。無
機成分は、その種類によってはコーティング剤調製後
も、加水分解、重縮合が徐々に進行して塗布条件が変動
する場合があるので、コーティング剤に不溶の固体の脱
水剤、例えば無水硫酸マグネシウムなどを添加すること
により、ポットライフの低下を防止することができる。
この場合、コーティング剤は、該脱水剤を除去してか
ら、塗布に用いる。
【0044】次に、本発明のコーティング剤IIについて
説明する。本発明のコーティング剤IIは、(A′)分子
中に加水分解により金属酸化物と結合しうる金属含有基
を有し、かつ乾燥時には凝集効果を発揮するが、使用溶
媒中では凝集を阻害する官能基を有する有機高分子化合
物と、(B)加水分解により金属酸化物を形成しうる金
属化合物との混合物の加水分解処理物を含むものであ
る。
説明する。本発明のコーティング剤IIは、(A′)分子
中に加水分解により金属酸化物と結合しうる金属含有基
を有し、かつ乾燥時には凝集効果を発揮するが、使用溶
媒中では凝集を阻害する官能基を有する有機高分子化合
物と、(B)加水分解により金属酸化物を形成しうる金
属化合物との混合物の加水分解処理物を含むものであ
る。
【0045】このコーティング剤IIとしては、溶媒がア
ルコール類、エーテル類、ケトン類およびエステル類の
中から選ばれる少なくとも1種の極性溶媒であって、
(A′)成分の有機高分子化合物が、(a)分子中に加
水分解により金属酸化物と結合しうる金属含有基を有す
るエチレン性不飽和単量体と、(b)金属を含まないエ
チレン性不飽和単量体と、(c′)金属を含まず、かつ
水酸基、エーテル基、ケトン基およびエステル基の中か
ら選ばれる少なくとも1種の官能基を有するエチレン性
不飽和単量体との共重合体であるものが好ましい。上記
(a)成分のエチレン性不飽和単量体および(b)成分
のエチレン性不飽和単量体は、それぞれ、前述のコーテ
ィング剤Iにおける(A)成分中の(a)成分および
(b)成分と全く同様である。上記(c′)成分のエチ
レン性不飽和単量体としては、例えば一般式(V)
ルコール類、エーテル類、ケトン類およびエステル類の
中から選ばれる少なくとも1種の極性溶媒であって、
(A′)成分の有機高分子化合物が、(a)分子中に加
水分解により金属酸化物と結合しうる金属含有基を有す
るエチレン性不飽和単量体と、(b)金属を含まないエ
チレン性不飽和単量体と、(c′)金属を含まず、かつ
水酸基、エーテル基、ケトン基およびエステル基の中か
ら選ばれる少なくとも1種の官能基を有するエチレン性
不飽和単量体との共重合体であるものが好ましい。上記
(a)成分のエチレン性不飽和単量体および(b)成分
のエチレン性不飽和単量体は、それぞれ、前述のコーテ
ィング剤Iにおける(A)成分中の(a)成分および
(b)成分と全く同様である。上記(c′)成分のエチ
レン性不飽和単量体としては、例えば一般式(V)
【0046】
【化5】
【0047】(式中のR8は水素原子又はメチル基、R9
は水酸基、エーテル基、ケトン基およびエステル基の中
から選ばれる少なくとも1種の官能基を含む有機基であ
る。)で表される化合物を挙げることができる。
は水酸基、エーテル基、ケトン基およびエステル基の中
から選ばれる少なくとも1種の官能基を含む有機基であ
る。)で表される化合物を挙げることができる。
【0048】上記一般式(V)におけるR9としては、
エーテル基を有する有機基が好ましく、特に酸素原子で
中断されたアルキル基が好ましい。このアルキル基の炭
素数としては、立体障害効果の点から、4以上が好まし
く、また炭素数の上限および分子鎖内のエーテル基の数
については特に制限はない。エステルを形成するR9O
H(R9は前記と同じである)で表されるアルコールと
しては、例えばエチレングリコールモノエチルエーテ
ル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチ
レングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコールモノ
メチルエーテル、ポリエチレングリコールモノエチルエ
ーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プ
ロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレング
リコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコー
ルモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエ
チルエーテル、ポリプロピレングリコールモノメチルエ
ーテル、ポリプロピレングリコールモノエチルエーテル
などを挙げることができる。これらの中で、エチレング
リコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモ
ノメチルエーテル及びその類似体が好ましい。
エーテル基を有する有機基が好ましく、特に酸素原子で
中断されたアルキル基が好ましい。このアルキル基の炭
素数としては、立体障害効果の点から、4以上が好まし
く、また炭素数の上限および分子鎖内のエーテル基の数
については特に制限はない。エステルを形成するR9O
H(R9は前記と同じである)で表されるアルコールと
しては、例えばエチレングリコールモノエチルエーテ
ル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチ
レングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコールモノ
メチルエーテル、ポリエチレングリコールモノエチルエ
ーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プ
ロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレング
リコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコー
ルモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエ
チルエーテル、ポリプロピレングリコールモノメチルエ
ーテル、ポリプロピレングリコールモノエチルエーテル
などを挙げることができる。これらの中で、エチレング
リコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモ
ノメチルエーテル及びその類似体が好ましい。
【0049】この(c′)成分のエチレン性不飽和単量
体は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用い
てもよい。前記(A′)成分の共重合体におけるこの
(c′)成分のエチレン性不飽和単量体由来の単位の含
有量は、5〜15モル%の範囲が好ましい。この含有量
が上記範囲を逸脱すると、本発明の効果が十分に発揮さ
れにくい。
体は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用い
てもよい。前記(A′)成分の共重合体におけるこの
(c′)成分のエチレン性不飽和単量体由来の単位の含
有量は、5〜15モル%の範囲が好ましい。この含有量
が上記範囲を逸脱すると、本発明の効果が十分に発揮さ
れにくい。
【0050】一方、(B)成分である加水分解により、
金属酸化物を形成しうる金属化合物は、前述のコーティ
ング剤Iにおける(B)成分と全く同様である。本発明
のコーティング剤IIの調製は、溶媒として、アルコール
類、エーテル類、ケトン類およびエステル類の中から選
ばれる少なくとも1種の極性溶媒を用い、前述のコーテ
ィング剤Iの場合と同様にして行うことができる。
金属酸化物を形成しうる金属化合物は、前述のコーティ
ング剤Iにおける(B)成分と全く同様である。本発明
のコーティング剤IIの調製は、溶媒として、アルコール
類、エーテル類、ケトン類およびエステル類の中から選
ばれる少なくとも1種の極性溶媒を用い、前述のコーテ
ィング剤Iの場合と同様にして行うことができる。
【0051】また、これらの2つの態様を組み合わせた
本発明のコーティング剤I+IIにおいては、前記
(A″)成分の共重合体として、(a)分子中に加水分
解により金属酸化物と結合しうる金属含有基を有するエ
チレン性不飽和単量体と、(b)金属を含まないエチレ
ン性不飽和単量体と、(c)金属を含まず、かつ少なく
とも1個のフッ素原子をもつフルオロアルキル基を有す
るエチレン性不飽和単量体と、(c′)乾燥時には凝集
効果を発揮するが、使用溶媒中では凝集を阻害する官能
基を有するエチレン性不飽和単量体、好ましくは金属を
含まず、かつ水酸基、エーテル基、ケトン基及びエステ
ル基の中から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する
エチレン性不飽和単量体との共重合体であるものが好ま
しい。
本発明のコーティング剤I+IIにおいては、前記
(A″)成分の共重合体として、(a)分子中に加水分
解により金属酸化物と結合しうる金属含有基を有するエ
チレン性不飽和単量体と、(b)金属を含まないエチレ
ン性不飽和単量体と、(c)金属を含まず、かつ少なく
とも1個のフッ素原子をもつフルオロアルキル基を有す
るエチレン性不飽和単量体と、(c′)乾燥時には凝集
効果を発揮するが、使用溶媒中では凝集を阻害する官能
基を有するエチレン性不飽和単量体、好ましくは金属を
含まず、かつ水酸基、エーテル基、ケトン基及びエステ
ル基の中から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する
エチレン性不飽和単量体との共重合体であるものが好ま
しい。
【0052】上記(a)成分のエチレン性不飽和単量
体、(b)成分のエチレン性不飽和単量体および(c)
成分のエチレン性不飽和単量体は、それぞれ、前述のコ
ーティング剤Iにおける(A)成分中の(a)成分、
(b)成分および(c)成分と全く同様であり、
(c′)成分のエチレン性不飽和単量体は、前述のコー
ティング剤IIにおける(A)成分中の(c′)成分と全
く同様である。一方、(B)成分である加水分解により
金属酸化物を形成し得る金属酸化物は、前述のコーティ
ング剤Iにおける(B)成分と全く同様である。本発明
のコーティング剤I+IIの調製は、溶媒として、アルコ
ール類、エーテル類、ケトン類およびエステル類の中か
ら選ばれる少なくとも1種の極性溶媒を用い、前述のコ
ーティング剤Iの場合と同様にして行うことができる。
体、(b)成分のエチレン性不飽和単量体および(c)
成分のエチレン性不飽和単量体は、それぞれ、前述のコ
ーティング剤Iにおける(A)成分中の(a)成分、
(b)成分および(c)成分と全く同様であり、
(c′)成分のエチレン性不飽和単量体は、前述のコー
ティング剤IIにおける(A)成分中の(c′)成分と全
く同様である。一方、(B)成分である加水分解により
金属酸化物を形成し得る金属酸化物は、前述のコーティ
ング剤Iにおける(B)成分と全く同様である。本発明
のコーティング剤I+IIの調製は、溶媒として、アルコ
ール類、エーテル類、ケトン類およびエステル類の中か
ら選ばれる少なくとも1種の極性溶媒を用い、前述のコ
ーティング剤Iの場合と同様にして行うことができる。
【0053】このように、本発明のコーティング剤I、
II及びI+IIにおいては、加水分解性金属含有基を有す
る有機高分子化合物に、立体障害および/または疎水間
相互作用の抑制により溶液中における凝集を阻害する特
定の有機基を導入することにより、調製から塗布までの
時間を、10〜50分程度に制御することができる。ま
た、コーティング剤IIおよびI+IIにおいては、導入さ
れた有機基は乾燥時には凝集効果を発揮するので、形成
された傾斜膜の基材に対する密着性も良好となる。
II及びI+IIにおいては、加水分解性金属含有基を有す
る有機高分子化合物に、立体障害および/または疎水間
相互作用の抑制により溶液中における凝集を阻害する特
定の有機基を導入することにより、調製から塗布までの
時間を、10〜50分程度に制御することができる。ま
た、コーティング剤IIおよびI+IIにおいては、導入さ
れた有機基は乾燥時には凝集効果を発揮するので、形成
された傾斜膜の基材に対する密着性も良好となる。
【0054】本発明のコーティング剤を用い、有機基材
上に、乾燥塗膜の厚さが、通常5μm以下、特に中間膜
用途として、好ましくは0.01〜1.0μm、より好
ましくは0.02〜0.7μmの範囲になるように、デ
ィップコート法、スピンコート法、スプレーコート法、
バーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレ
ードコート法、ダイコート法、グラビアコート法などの
公知の手段により塗膜を形成し、公知の乾燥処理、例え
ば40〜150℃程度の温度で加熱乾燥処理することに
より、所望の有機−無機複合傾斜膜が簡便かつ信頼性高
く得られる。このようにして形成された有機−無機複合
傾斜膜は、膜中の金属酸化物系化合物の含有率が表面で
はほぼ100%であるが、基材方向に逐次減少してい
き、基材近傍ではほぼ0%になる構造を有している。
上に、乾燥塗膜の厚さが、通常5μm以下、特に中間膜
用途として、好ましくは0.01〜1.0μm、より好
ましくは0.02〜0.7μmの範囲になるように、デ
ィップコート法、スピンコート法、スプレーコート法、
バーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレ
ードコート法、ダイコート法、グラビアコート法などの
公知の手段により塗膜を形成し、公知の乾燥処理、例え
ば40〜150℃程度の温度で加熱乾燥処理することに
より、所望の有機−無機複合傾斜膜が簡便かつ信頼性高
く得られる。このようにして形成された有機−無機複合
傾斜膜は、膜中の金属酸化物系化合物の含有率が表面で
はほぼ100%であるが、基材方向に逐次減少してい
き、基材近傍ではほぼ0%になる構造を有している。
【0055】有機基材としては特に制限はなく、例えば
ポリメチルメタクリレートなどのアクリル樹脂、ポリス
チレンやABS樹脂などのスチレン系樹脂、ポリエチレ
ンやポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂、ポリエチ
レンテレフタレートやポリエチレンナフタレートなどの
ポリエステル系樹脂、6−ナイロンや6,6−ナイロン
などのポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ
カーボネート系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹
脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリイミド系樹
脂、セルロースアセテートなどのセルロース系樹脂など
からなる基材を挙げることができる。
ポリメチルメタクリレートなどのアクリル樹脂、ポリス
チレンやABS樹脂などのスチレン系樹脂、ポリエチレ
ンやポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂、ポリエチ
レンテレフタレートやポリエチレンナフタレートなどの
ポリエステル系樹脂、6−ナイロンや6,6−ナイロン
などのポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ
カーボネート系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹
脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリイミド系樹
脂、セルロースアセテートなどのセルロース系樹脂など
からなる基材を挙げることができる。
【0056】これらの基材は、傾斜膜との密着性をさら
に向上させるために、所望により、酸化法や凹凸化法な
どにより表面処理を施すことができる。上記酸化法とし
ては、例えばコロナ放電処理、クロム酸処理(湿式)、
火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理などが挙
げられ、また、凹凸化法としては、例えばサンドブラス
ト法、溶剤処理法などが挙げられる。これらの表面処理
法は基材の種類に応じて適宜選ばれる。
に向上させるために、所望により、酸化法や凹凸化法な
どにより表面処理を施すことができる。上記酸化法とし
ては、例えばコロナ放電処理、クロム酸処理(湿式)、
火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理などが挙
げられ、また、凹凸化法としては、例えばサンドブラス
ト法、溶剤処理法などが挙げられる。これらの表面処理
法は基材の種類に応じて適宜選ばれる。
【0057】なお、本発明における有機基材は、有機系
材料以外の材料、例えば金属系材料、ガラスやセラミッ
クス系材料、その他各種無機系または金属系材料からな
る基材の表面に、有機系塗膜を有するものも包含する。
このようにして得られた有機−無機複合傾斜膜は、前記
したような優れた傾斜性を有するとともに、(1)基材と
無機膜の熱収縮あるいは物理的伸縮に対する応力を緩和
する性質、(2)屈折率が連続的に変化する、(3)無機成
分や有機成分の混合比によって、任意かつ簡便にその傾
斜性を制御しうる、(4)無機成分の形態による成膜時の
表面構造の制御が可能であるなどの性質を有することか
ら、新しい機能性材料として、種々の用途に有用であ
る。
材料以外の材料、例えば金属系材料、ガラスやセラミッ
クス系材料、その他各種無機系または金属系材料からな
る基材の表面に、有機系塗膜を有するものも包含する。
このようにして得られた有機−無機複合傾斜膜は、前記
したような優れた傾斜性を有するとともに、(1)基材と
無機膜の熱収縮あるいは物理的伸縮に対する応力を緩和
する性質、(2)屈折率が連続的に変化する、(3)無機成
分や有機成分の混合比によって、任意かつ簡便にその傾
斜性を制御しうる、(4)無機成分の形態による成膜時の
表面構造の制御が可能であるなどの性質を有することか
ら、新しい機能性材料として、種々の用途に有用であ
る。
【0058】本発明のコーティング剤は、例えば下記の
用途に用いることができる。まず、塗膜としての用途に
用いられる。該有機−無機複合傾斜膜は、有機基材に対
する接着性に優れており、かつ塗膜表面は金属酸化物ま
たは金属窒化物の性質を有することから、例えば各種プ
ラスチックフィルム上に該傾斜膜からなるコート層を設
けることにより、耐擦傷性や耐熱性などに優れると共
に、密着性の良好なハードコートフィルムを得ることが
できる。
用途に用いることができる。まず、塗膜としての用途に
用いられる。該有機−無機複合傾斜膜は、有機基材に対
する接着性に優れており、かつ塗膜表面は金属酸化物ま
たは金属窒化物の性質を有することから、例えば各種プ
ラスチックフィルム上に該傾斜膜からなるコート層を設
けることにより、耐擦傷性や耐熱性などに優れると共
に、密着性の良好なハードコートフィルムを得ることが
できる。
【0059】次に、接着剤としての用途に用いられる。
本発明に係る傾斜膜は、前記したように有機基材との密
着性に優れるとともに、表面は金属系化合物であるの
で、無機または金属材料との密着性に優れている。した
がって、有機材料と無機または金属材料との接着剤とし
て好適である。さらに、有機基材と、少なくとも無機系
または金属系材料を含むコート層との間に介在させる中
間膜としての用途に用いられる。
本発明に係る傾斜膜は、前記したように有機基材との密
着性に優れるとともに、表面は金属系化合物であるの
で、無機または金属材料との密着性に優れている。した
がって、有機材料と無機または金属材料との接着剤とし
て好適である。さらに、有機基材と、少なくとも無機系
または金属系材料を含むコート層との間に介在させる中
間膜としての用途に用いられる。
【0060】有機基材上に無機系または金属系材料を含
むコート層を形成する場合、一般に有機基材と該コート
層との密着性が不十分てあって、耐久性に劣り、経時に
より剥離したり、あるいは熱や湿気などにより剥離しや
すくなるという問題が生じる。
むコート層を形成する場合、一般に有機基材と該コート
層との密着性が不十分てあって、耐久性に劣り、経時に
より剥離したり、あるいは熱や湿気などにより剥離しや
すくなるという問題が生じる。
【0061】本発明に係る傾斜膜を中間膜として、上記
有機基材と無機系または金属系材料を含むコート層との
間に介在させることにより、該中間膜は前記したように
傾斜性を有することから、有機基材との密着性に優れる
と共に、その上に設けられる無機系または金属系材料を
含むコート層との密着性にも優れ、その結果、有機基材
上に無機系または金属系材料を含むコート層を極めて密
着性よく、形成させることができる。
有機基材と無機系または金属系材料を含むコート層との
間に介在させることにより、該中間膜は前記したように
傾斜性を有することから、有機基材との密着性に優れる
と共に、その上に設けられる無機系または金属系材料を
含むコート層との密着性にも優れ、その結果、有機基材
上に無機系または金属系材料を含むコート層を極めて密
着性よく、形成させることができる。
【0062】前記無機系または金属系材料を含むコート
層としては特に制限はなく、様々なコート層を形成する
ことができるが、例えば(1)光触媒活性材料層、
(2)無機系または金属系導電性材料層、(3)無機系
または金属系材料を含むハードコート層、(4)無機系
または金属系光記録材料層または無機系または金属系誘
電体層などを好ましく挙げることができる。
層としては特に制限はなく、様々なコート層を形成する
ことができるが、例えば(1)光触媒活性材料層、
(2)無機系または金属系導電性材料層、(3)無機系
または金属系材料を含むハードコート層、(4)無機系
または金属系光記録材料層または無機系または金属系誘
電体層などを好ましく挙げることができる。
【0063】次に、各無機系または金属系材料を含むコ
ート層について説明する。 (1)光触媒活性材料層:有機基材表面に、二酸化チタ
ンなどの光触媒活性材料のコート層を設けた場合、その
光触媒作用により、有機基材が短時間で劣化するという
問題が生じる。したがって、光触媒作用により、劣化し
にくい無機バインダーを介して有機基材上に二酸化チタ
ンなどの光触媒活性材料のコート層を設けることが試み
られている。しかしながら、無機バインダーは、有機基
材との接着力が不十分であり、耐久性に劣るという問題
がある。
ート層について説明する。 (1)光触媒活性材料層:有機基材表面に、二酸化チタ
ンなどの光触媒活性材料のコート層を設けた場合、その
光触媒作用により、有機基材が短時間で劣化するという
問題が生じる。したがって、光触媒作用により、劣化し
にくい無機バインダーを介して有機基材上に二酸化チタ
ンなどの光触媒活性材料のコート層を設けることが試み
られている。しかしながら、無機バインダーは、有機基
材との接着力が不十分であり、耐久性に劣るという問題
がある。
【0064】本発明に係る傾斜膜を中間膜として、有機
基材と光触媒活性材料のコート層との間に介在させた場
合、有機基材との密着性に優れ、しかも表面はほぼ金属
系化合物であるため、光触媒活性材料のコート層との密
着性が良い上、中間膜が光触媒作用により劣化しにく
く、有機基材を十分に保護することができる。
基材と光触媒活性材料のコート層との間に介在させた場
合、有機基材との密着性に優れ、しかも表面はほぼ金属
系化合物であるため、光触媒活性材料のコート層との密
着性が良い上、中間膜が光触媒作用により劣化しにく
く、有機基材を十分に保護することができる。
【0065】また、表面に有機系塗膜を有する金属系基
材と光触媒活性材料層との間に、本発明に係る傾斜膜を
中間膜として介在させることができる。この中間膜は、
上記有機基材の場合と同様に、有機系塗膜との密着性に
優れ、しかも光触媒活性材料のコート層との密着性が良
い上、光触媒作用により劣化しにくく、有機系塗膜を十
分に保護することができる。このような用途としては、
特に表面に有機系塗膜を有する自動車用鋼板上に光触媒
活性材料層を設ける場合に有用である。
材と光触媒活性材料層との間に、本発明に係る傾斜膜を
中間膜として介在させることができる。この中間膜は、
上記有機基材の場合と同様に、有機系塗膜との密着性に
優れ、しかも光触媒活性材料のコート層との密着性が良
い上、光触媒作用により劣化しにくく、有機系塗膜を十
分に保護することができる。このような用途としては、
特に表面に有機系塗膜を有する自動車用鋼板上に光触媒
活性材料層を設ける場合に有用である。
【0066】表面に有機系塗膜を有する金属系基材とし
ては、例えば冷延鋼板、亜鉛めっき鋼板、アルミニウム
/亜鉛合金めっき鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム
板、アルミニウム合金板などの金属系基材に有機系塗膜
を形成したものを挙げることができる。本発明に係る傾
斜膜を、このような中間膜として用いる場合、その上に
設けられる光触媒活性材料のコート層が光触媒能の高い
二酸化チタンである場合に、特に有効である。
ては、例えば冷延鋼板、亜鉛めっき鋼板、アルミニウム
/亜鉛合金めっき鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム
板、アルミニウム合金板などの金属系基材に有機系塗膜
を形成したものを挙げることができる。本発明に係る傾
斜膜を、このような中間膜として用いる場合、その上に
設けられる光触媒活性材料のコート層が光触媒能の高い
二酸化チタンである場合に、特に有効である。
【0067】(2)無機系または金属系導電性材料層:
表面に導電性材料層を有する有機基材、特にプラスチッ
クフィルムは、エレクトロルミネッセンス素子(EL素
子)、液晶表示素子(LCD素子)、太陽電池などに用
いられ、さらに電磁波遮蔽フィルムや帯電防止性フィル
ムなどとして用いられている。このような用途に用いら
れる導電性材料としては、例えば酸化インジウム、酸化
錫、酸化亜鉛、酸化カドミウム、ITO(インジウムチ
ンオキシド)などの金属酸化物や、金、白金、銀、ニッ
ケル、アルミニウム、銅のような金属などの無機系また
は金属系導電性材料が用いられる。そして、これらの無
機系または金属系導電性材料は、通常真空蒸着法、スパ
ッタリング法、イオンプレーティング法などの公知の手
段により、プラスチックフィルムなどの有機基材上に、
厚さ50〜2000オングストローム程度の薄膜として
形成される。
表面に導電性材料層を有する有機基材、特にプラスチッ
クフィルムは、エレクトロルミネッセンス素子(EL素
子)、液晶表示素子(LCD素子)、太陽電池などに用
いられ、さらに電磁波遮蔽フィルムや帯電防止性フィル
ムなどとして用いられている。このような用途に用いら
れる導電性材料としては、例えば酸化インジウム、酸化
錫、酸化亜鉛、酸化カドミウム、ITO(インジウムチ
ンオキシド)などの金属酸化物や、金、白金、銀、ニッ
ケル、アルミニウム、銅のような金属などの無機系また
は金属系導電性材料が用いられる。そして、これらの無
機系または金属系導電性材料は、通常真空蒸着法、スパ
ッタリング法、イオンプレーティング法などの公知の手
段により、プラスチックフィルムなどの有機基材上に、
厚さ50〜2000オングストローム程度の薄膜として
形成される。
【0068】このようにして形成された無機系または金
属系導電性材料層は、有機基材との密着性が不十分であ
るので、本発明に係る傾斜膜を中間膜として、有機基材
と該無機系または金属系導電性材料層との間に介在させ
ることにより、有機基材と無機系または金属系導電性材
料層との密着性を向上させることができる。また、透明
導電性フィルムが要求される場合においても、本発明に
係る傾斜膜からなる中間膜を介在させることにより、透
明性が損なわれることはほとんどない。
属系導電性材料層は、有機基材との密着性が不十分であ
るので、本発明に係る傾斜膜を中間膜として、有機基材
と該無機系または金属系導電性材料層との間に介在させ
ることにより、有機基材と無機系または金属系導電性材
料層との密着性を向上させることができる。また、透明
導電性フィルムが要求される場合においても、本発明に
係る傾斜膜からなる中間膜を介在させることにより、透
明性が損なわれることはほとんどない。
【0069】(3)無機系または金属系材料を含むハー
ドコート層:表面硬度が良好で、優れた耐擦傷性や耐摩
耗性を有するハードコートフィルムは、例えば、車両、
建物などの窓ガラスや窓用プラスチックボードなどの表
面貼付用として、あるいはCRTディスプレイやフラッ
トパネルディスプレイなどの保護用などとして広く用い
られている。
ドコート層:表面硬度が良好で、優れた耐擦傷性や耐摩
耗性を有するハードコートフィルムは、例えば、車両、
建物などの窓ガラスや窓用プラスチックボードなどの表
面貼付用として、あるいはCRTディスプレイやフラッ
トパネルディスプレイなどの保護用などとして広く用い
られている。
【0070】一方、プラスチックレンズは、ガラスレン
ズに比べて、軽量でかつ安全性、加工性、ファッション
性などに優れていることから、近年急速に普及してきて
いる。しかしながら、このプラスチックレンズは、ガラ
スレンズに比べて傷が付きやすいという欠点を有してお
り、したがって、その表面をハードコート層で被覆する
ことが行われている。
ズに比べて、軽量でかつ安全性、加工性、ファッション
性などに優れていることから、近年急速に普及してきて
いる。しかしながら、このプラスチックレンズは、ガラ
スレンズに比べて傷が付きやすいという欠点を有してお
り、したがって、その表面をハードコート層で被覆する
ことが行われている。
【0071】このようなハードコートフィルムやプラス
チックレンズに設けられるハードコート層の材料として
は、例えばアルキルトリヒドロキシシランおよびその部
分縮合物とコロイダルシリカとシリコン変性アクリル樹
脂とからなる混合物、オルガノトリアルコキシシラン加
水分解縮合物、アルコキシシラン加水分解縮合物とコロ
イダルシリカとの混合物、ジルコニウム、アルミニウム
およびチタニウムの中から選ばれる金属とキレート化合
物とシリコン変性アクリル樹脂とからなる混合物などの
無機系または金属系材料を含むハードコート剤が多用さ
れている。
チックレンズに設けられるハードコート層の材料として
は、例えばアルキルトリヒドロキシシランおよびその部
分縮合物とコロイダルシリカとシリコン変性アクリル樹
脂とからなる混合物、オルガノトリアルコキシシラン加
水分解縮合物、アルコキシシラン加水分解縮合物とコロ
イダルシリカとの混合物、ジルコニウム、アルミニウム
およびチタニウムの中から選ばれる金属とキレート化合
物とシリコン変性アクリル樹脂とからなる混合物などの
無機系または金属系材料を含むハードコート剤が多用さ
れている。
【0072】プラスチックフィルムやプラスチックレン
ズなどの有機基材上にハードコート層を形成するには、
前記の無機系または金属系材料を含むハードコート剤
を、公知の方法、例えばバーコート法、ナイフコート
法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート
法、グラビアコート法、スプレーコート法などを用い
て、乾燥膜厚が1〜30μm程度になるように有機基材
上に塗布し、乾燥処理する方法が、通常用いられる。
ズなどの有機基材上にハードコート層を形成するには、
前記の無機系または金属系材料を含むハードコート剤
を、公知の方法、例えばバーコート法、ナイフコート
法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート
法、グラビアコート法、スプレーコート法などを用い
て、乾燥膜厚が1〜30μm程度になるように有機基材
上に塗布し、乾燥処理する方法が、通常用いられる。
【0073】このようにして形成された無機系または金
属系材料を含むハードコート層は、有機基材との密着性
が不十分であるので、本発明に係る傾斜膜を中間膜とし
て、有機基材と該ハードコート層との間に介在させるこ
とにより、有機基材と無機系または金属系材料を含むハ
ードコート層との密着性を向上させることができる。ま
たプラスチックレンズにおいて、本発明に係る傾斜膜か
らなる中間膜を介在させても、該プラスチックレンズの
透明性の低下や干渉縞の発生などをもたらすことはほと
んどない。
属系材料を含むハードコート層は、有機基材との密着性
が不十分であるので、本発明に係る傾斜膜を中間膜とし
て、有機基材と該ハードコート層との間に介在させるこ
とにより、有機基材と無機系または金属系材料を含むハ
ードコート層との密着性を向上させることができる。ま
たプラスチックレンズにおいて、本発明に係る傾斜膜か
らなる中間膜を介在させても、該プラスチックレンズの
透明性の低下や干渉縞の発生などをもたらすことはほと
んどない。
【0074】(4)無機系または金属系光記録材料層ま
たは無機系または金属系誘電体層:近年、書き換え可
能、高密度、大容量の記憶容量、記録再生ヘッドと非接
触等という特徴を有する光記録媒体として、半導体レー
ザー光等の熱エネルギーを用いて磁性膜の磁化反転を利
用して情報を記録し磁気光学効果を利用して読み出す光
磁気ディスクや結晶から、アモルファスへの相変化を利
用した相変化ディスクが開発され、実用化に至ってい
る。このような光記録媒体は、一般に、透光性樹脂基板
(有機基材)、例えばポリカーボネートやポリメチルメ
タクリレートなどの基板上に光記録材料層、誘電体層、
金属反射層、有機保護層などが順次積層された構造を有
しており、また、基板と光記録材料層との間に、誘電体
下地層を設ける場合もある。
たは無機系または金属系誘電体層:近年、書き換え可
能、高密度、大容量の記憶容量、記録再生ヘッドと非接
触等という特徴を有する光記録媒体として、半導体レー
ザー光等の熱エネルギーを用いて磁性膜の磁化反転を利
用して情報を記録し磁気光学効果を利用して読み出す光
磁気ディスクや結晶から、アモルファスへの相変化を利
用した相変化ディスクが開発され、実用化に至ってい
る。このような光記録媒体は、一般に、透光性樹脂基板
(有機基材)、例えばポリカーボネートやポリメチルメ
タクリレートなどの基板上に光記録材料層、誘電体層、
金属反射層、有機保護層などが順次積層された構造を有
しており、また、基板と光記録材料層との間に、誘電体
下地層を設ける場合もある。
【0075】基板上に設けられる光記録材料層には、例
えばTb−Fe、Tb−Fe−Co、Dy−Fe−C
o、Tb−Dy−Fe−Coなどの無機系の光磁気型記
録材料、あるいはTeOx、Te−Ge、Sn−Te−
Ge、Bi−Te−Ge、Sb−Te−Ge、Pb−S
n−Te、Tl−In−Seなどの無機系の相変化型記
録材料が用いられる。また、所望により、基板と光記録
材料層との間に設けられる誘電体下地層には、例えばS
iN、SiO、SiO2、Ta2O5などの無機系材料が
用いられる。
えばTb−Fe、Tb−Fe−Co、Dy−Fe−C
o、Tb−Dy−Fe−Coなどの無機系の光磁気型記
録材料、あるいはTeOx、Te−Ge、Sn−Te−
Ge、Bi−Te−Ge、Sb−Te−Ge、Pb−S
n−Te、Tl−In−Seなどの無機系の相変化型記
録材料が用いられる。また、所望により、基板と光記録
材料層との間に設けられる誘電体下地層には、例えばS
iN、SiO、SiO2、Ta2O5などの無機系材料が
用いられる。
【0076】前記無機系の光記録材料層や誘電体下地層
は、通常真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレー
ティング法などの公知の手段によって形成される。この
ようにして形成された無機系または金属系光記録材料層
または無機系誘電体下地層は、透光性樹脂基板との密着
性が不十分であるので、本発明に係る傾斜膜を中間膜と
して、透光性樹脂基板と該光記録材料層または該誘電体
下地層との間に介在させることにより、基板と光記録材
料層または誘電体下地層との密着性を向上させることが
できる。
は、通常真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレー
ティング法などの公知の手段によって形成される。この
ようにして形成された無機系または金属系光記録材料層
または無機系誘電体下地層は、透光性樹脂基板との密着
性が不十分であるので、本発明に係る傾斜膜を中間膜と
して、透光性樹脂基板と該光記録材料層または該誘電体
下地層との間に介在させることにより、基板と光記録材
料層または誘電体下地層との密着性を向上させることが
できる。
【0077】その他無機系または金属系材料を含むコー
ト層としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化インジウ
ム、酸化錫、硫化亜鉛、アンチモンドープ酸化錫(AT
O)、錫ドープ酸化インジウム(ITO)などの無機系
赤外線吸収剤層、メタル蒸着された磁性層などが挙げら
れる。
ト層としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化インジウ
ム、酸化錫、硫化亜鉛、アンチモンドープ酸化錫(AT
O)、錫ドープ酸化インジウム(ITO)などの無機系
赤外線吸収剤層、メタル蒸着された磁性層などが挙げら
れる。
【0078】
【実施例】次に、本発明を実施例により、さらに詳細に
説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定
されるものではない。
説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定
されるものではない。
【0079】なお、複合膜の傾斜性および接着性の評価
は、下記の方法に従って行った。 (1)傾斜性の評価 2液を混合・撹拌し、t分後に形成した複合膜につい
て、XPS装置「PHI−5600」[アルバック・フ
ァイ(株)製]を用い、アルゴンスパッタリング(2k
V)を施して膜を削り、膜表面の炭素原子とケイ素原子
の含有率を、X線光電子分光法により測定し、傾斜性を
調べ、スパッタリング時間とケイ素原子の含有率との関
係をグラフ化した。このグラフより傾斜の角度を読みと
り、2液の混合・撹拌時間tと傾斜の角度との関係か
ら、良好な傾斜発現の時間を求めた。
は、下記の方法に従って行った。 (1)傾斜性の評価 2液を混合・撹拌し、t分後に形成した複合膜につい
て、XPS装置「PHI−5600」[アルバック・フ
ァイ(株)製]を用い、アルゴンスパッタリング(2k
V)を施して膜を削り、膜表面の炭素原子とケイ素原子
の含有率を、X線光電子分光法により測定し、傾斜性を
調べ、スパッタリング時間とケイ素原子の含有率との関
係をグラフ化した。このグラフより傾斜の角度を読みと
り、2液の混合・撹拌時間tと傾斜の角度との関係か
ら、良好な傾斜発現の時間を求めた。
【0080】(2)接着性の評価 JISK5400に準じ、碁盤目テープ法を実施した。
各試験片の塗膜面にロータリーカッターにて1mm角の
碁盤目を25マス付け、ニチバン製セロテープ(登録商
標)を圧着させた後、30,000mm/minの速度
で90度の剥離試験を実施した。25マスのうち剥離の
有無を数えることにより接着性の評価を行った。
各試験片の塗膜面にロータリーカッターにて1mm角の
碁盤目を25マス付け、ニチバン製セロテープ(登録商
標)を圧着させた後、30,000mm/minの速度
で90度の剥離試験を実施した。25マスのうち剥離の
有無を数えることにより接着性の評価を行った。
【0081】実施例1 (1)有機成分溶液の調製 メタクリル酸メチル18.8g(0.19モル)とγ−
メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン2.48g
(0.01モル)と1H,1H,11H−パーフルオロ
ウンデシルメタクリレート(ランカスター社製)1.2
g(0.002モル)との混合液に、2,2′−アゾビ
スイソブチロニトリル0.3g(0.0018モル)を
加え、撹拌しながら75℃で3時間反応させて共重合体
を得た。この共重合体0.1gをアセトン50ミリリッ
トルに溶解させて、有機成分溶液を調製した。
メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン2.48g
(0.01モル)と1H,1H,11H−パーフルオロ
ウンデシルメタクリレート(ランカスター社製)1.2
g(0.002モル)との混合液に、2,2′−アゾビ
スイソブチロニトリル0.3g(0.0018モル)を
加え、撹拌しながら75℃で3時間反応させて共重合体
を得た。この共重合体0.1gをアセトン50ミリリッ
トルに溶解させて、有機成分溶液を調製した。
【0082】(2)無機成分液の調製 テトラエトキシシラン150gをエタノール100gに
溶解させた溶液に、濃塩酸25gとエタノール50gの
混合溶液をゆっくり滴下、撹拌し、室温で5時間反応さ
せて、無機成分液を調製した。
溶解させた溶液に、濃塩酸25gとエタノール50gの
混合溶液をゆっくり滴下、撹拌し、室温で5時間反応さ
せて、無機成分液を調製した。
【0083】(3)塗工液の調製および複合膜の形成 上記(1)で得られた有機成分溶液に、上記(2)で得
られた無機成分液10ミリリットルをエタノール40ミ
リリットルで希釈した液を混合し、塗工液を調製した
(このときをt=0とする。)。t分後、この塗工液を
厚さ0.188mmのポリエチレンテレフタレート(以
下、PETと略記する。)フイルム「ルミラーT−6
0」[東レ(株)製]上に、1500rpmで10秒間
スピンコートし、80℃のオーブンで24時間乾燥を行
い、複合膜を形成させた。
られた無機成分液10ミリリットルをエタノール40ミ
リリットルで希釈した液を混合し、塗工液を調製した
(このときをt=0とする。)。t分後、この塗工液を
厚さ0.188mmのポリエチレンテレフタレート(以
下、PETと略記する。)フイルム「ルミラーT−6
0」[東レ(株)製]上に、1500rpmで10秒間
スピンコートし、80℃のオーブンで24時間乾燥を行
い、複合膜を形成させた。
【0084】(4)複合膜の評価 上記(3)で得られた複合膜を有するPETフイルム
を、0.005モル/リットルのアンモニア水中に10
分間浸漬させたのち、室温で2時間乾燥を行い、膜中の
無機成分のち密化を行った。この際の複合膜の厚さは7
0nmであった。この複合膜について傾斜性を評価する
と共に、2液の混合・撹拌45分後の複合膜の接着性を
評価した。その結果を表1に示す。
を、0.005モル/リットルのアンモニア水中に10
分間浸漬させたのち、室温で2時間乾燥を行い、膜中の
無機成分のち密化を行った。この際の複合膜の厚さは7
0nmであった。この複合膜について傾斜性を評価する
と共に、2液の混合・撹拌45分後の複合膜の接着性を
評価した。その結果を表1に示す。
【0085】実施例2 実施例1(1)の有機成分溶液の調製において、原料と
して、メタクリル酸メチル17.0g(0.17モル)
と、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
2.48g(0.01モル)と、1H,1H,11H−
パーフルオロウンデシルメタクリレート(ランカスター
社製)12g(0.02モル)を用いた以外は、実施例
1と同様にして実施した。その結果を表1に示す。な
お、接着性の評価は、2液の混合・撹拌60分後の複合
膜について行った。
して、メタクリル酸メチル17.0g(0.17モル)
と、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
2.48g(0.01モル)と、1H,1H,11H−
パーフルオロウンデシルメタクリレート(ランカスター
社製)12g(0.02モル)を用いた以外は、実施例
1と同様にして実施した。その結果を表1に示す。な
お、接着性の評価は、2液の混合・撹拌60分後の複合
膜について行った。
【0086】実施例3 実施例1(1)の有機成分溶液の調製において、原料と
して、メタクリル酸メチル19.1g(0.19モル)
と、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
2.48g(0.01モル)と、1H,1H,11H−
パーフルオロウンデシルメタクリレート(ランカスター
社製)0.6g(0.001モル)を用いた以外は、実
施例1と同様にして実施した。その結果を表1に示す。
なお、接着性の評価は、2液の混合・撹拌15分後の複
合膜について行った。
して、メタクリル酸メチル19.1g(0.19モル)
と、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
2.48g(0.01モル)と、1H,1H,11H−
パーフルオロウンデシルメタクリレート(ランカスター
社製)0.6g(0.001モル)を用いた以外は、実
施例1と同様にして実施した。その結果を表1に示す。
なお、接着性の評価は、2液の混合・撹拌15分後の複
合膜について行った。
【0087】実施例4 実施例1(1)の有機成分溶液の調製において、原料と
して、メタクリル酸メチル17.0g(0.17モル)
と、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
2.48g(0.01モル)と、2,2,3,3,4,
4,5,5−オクタフルオロペンチルメタクリレート
(ランカスター社製)6g(0.02モル)を用いた以
外は、実施例1と同様にして実施した。その結果を表1
に示す。なお、接着性の評価は、2液の混合・撹拌50
分後の複合膜について行った。
して、メタクリル酸メチル17.0g(0.17モル)
と、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
2.48g(0.01モル)と、2,2,3,3,4,
4,5,5−オクタフルオロペンチルメタクリレート
(ランカスター社製)6g(0.02モル)を用いた以
外は、実施例1と同様にして実施した。その結果を表1
に示す。なお、接着性の評価は、2液の混合・撹拌50
分後の複合膜について行った。
【0088】実施例5 実施例1(1)の有機成分溶液の調製において、原料と
して、メタクリル酸メチル17.0g(0.17モル)
と、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
2.48g(0.01モル)と、2,2,3,3−テト
ラフルオロプロピルメタクリレート(ランカスター社
製)4g(0.02モル)を用いた以外は、実施例1と
同様にして実施した。その結果を表1に示す。なお、接
着性の評価は、2液の混合・撹拌15分後の複合膜につ
いて行った。
して、メタクリル酸メチル17.0g(0.17モル)
と、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
2.48g(0.01モル)と、2,2,3,3−テト
ラフルオロプロピルメタクリレート(ランカスター社
製)4g(0.02モル)を用いた以外は、実施例1と
同様にして実施した。その結果を表1に示す。なお、接
着性の評価は、2液の混合・撹拌15分後の複合膜につ
いて行った。
【0089】実施例6 実施例1(1)の有機成分溶液の調製において、原料と
して、メタクリル酸メチル17.0g(0.17モル)
と、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
2.48g(0.01モル)と、エチレングリコールモ
ノエチルエーテルメタクリレート3.2g(0.02モ
ル)を用いた以外は、実施例1と同様にして実施した。
その結果を表1に示す。なお、接着性の評価は、2液の
混合・撹拌40分後の複合膜について行った。
して、メタクリル酸メチル17.0g(0.17モル)
と、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
2.48g(0.01モル)と、エチレングリコールモ
ノエチルエーテルメタクリレート3.2g(0.02モ
ル)を用いた以外は、実施例1と同様にして実施した。
その結果を表1に示す。なお、接着性の評価は、2液の
混合・撹拌40分後の複合膜について行った。
【0090】実施例7 実施例1(1)の有機成分溶液の調製において、原料と
して、メタクリル酸メチル18.0g(0.18モル)
と、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
2.48g(0.01モル)と、ジエチレングリコール
モノメチルエーテルメタクリレート1.9g(0.01
モル)を用いた以外は、実施例1と同様にして実施し
た。その結果を表1に示す。なお、接着性の評価は、2
液の混合・撹拌40分後の複合膜について行った。
して、メタクリル酸メチル18.0g(0.18モル)
と、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
2.48g(0.01モル)と、ジエチレングリコール
モノメチルエーテルメタクリレート1.9g(0.01
モル)を用いた以外は、実施例1と同様にして実施し
た。その結果を表1に示す。なお、接着性の評価は、2
液の混合・撹拌40分後の複合膜について行った。
【0091】実施例8 実施例1(1)の有機成分溶液の調製において、原料と
して、メタクリル酸メチル17.0g(0.17モル)
と、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
2.48g(0.01モル)と、ジエチレングリコール
モノメチルエーテルメタクリレート3.8g(0.02
モル)を用いた以外は、実施例1と同様にして実施し
た。その結果を表1に示す。なお、接着性の評価は、2
液の混合・撹拌50分後の複合膜について行った。
して、メタクリル酸メチル17.0g(0.17モル)
と、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
2.48g(0.01モル)と、ジエチレングリコール
モノメチルエーテルメタクリレート3.8g(0.02
モル)を用いた以外は、実施例1と同様にして実施し
た。その結果を表1に示す。なお、接着性の評価は、2
液の混合・撹拌50分後の複合膜について行った。
【0092】実施例9 実施例1(1)の有機成分溶液の調製において、原料と
して、メタクリル酸メチル16.0g(0.16モル)
と、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
2.48g(0.01モル)と、ジエチレングリコール
モノメチルエーテルメタクリレート5.6g(0.03
モル)を用いた以外は、実施例1と同様にして実施し
た。その結果を表1に示す。なお、接着性の評価は、2
液の混合・撹拌40分後の複合膜について行った。
して、メタクリル酸メチル16.0g(0.16モル)
と、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
2.48g(0.01モル)と、ジエチレングリコール
モノメチルエーテルメタクリレート5.6g(0.03
モル)を用いた以外は、実施例1と同様にして実施し
た。その結果を表1に示す。なお、接着性の評価は、2
液の混合・撹拌40分後の複合膜について行った。
【0093】実施例10 実施例1(1)の有機成分溶液の調製において、原料と
して、メタクリル酸メチル18.8g(0.19モル)
と、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
2.48g(0.01モル)と、ジエチレングリコール
モノメチルエーテルメタクリレート0.38g(0.0
02モル)を用いた以外は、実施例1と同様にして実施
した。その結果を表1に示す。なお、接着性の評価は、
2液の混合・撹拌15分後の複合膜について行った。
して、メタクリル酸メチル18.8g(0.19モル)
と、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
2.48g(0.01モル)と、ジエチレングリコール
モノメチルエーテルメタクリレート0.38g(0.0
02モル)を用いた以外は、実施例1と同様にして実施
した。その結果を表1に示す。なお、接着性の評価は、
2液の混合・撹拌15分後の複合膜について行った。
【0094】実施例11 実施例1(1)の有機成分溶液の調製において、原料と
して、メタクリル酸メチル16.0g(0.16モル)
と、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
2.48g(0.01モル)と、1H,1H,11H−
パーフルオロウンデシルメタクリレート(ランカスター
社製)6g(0.01モル)と、ジエチレングリコール
モノメチルエーテルメタクリレート3.8g(0.02
モル)を用いた以外は、実施例1と同様にして実施し
た。その結果を表1に示す。なお、接着性の評価は、2
液の混合・撹拌60分後の複合膜について行った。ま
た、図1に、2液の混合・撹拌時間50分の複合膜にお
けるスパッタリング時間とケイ素原子の含有率との関係
をグラフで示す。また、図2に、2液の混合・撹拌時間
と傾斜の角度との関係をグラフで示す。
して、メタクリル酸メチル16.0g(0.16モル)
と、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
2.48g(0.01モル)と、1H,1H,11H−
パーフルオロウンデシルメタクリレート(ランカスター
社製)6g(0.01モル)と、ジエチレングリコール
モノメチルエーテルメタクリレート3.8g(0.02
モル)を用いた以外は、実施例1と同様にして実施し
た。その結果を表1に示す。なお、接着性の評価は、2
液の混合・撹拌60分後の複合膜について行った。ま
た、図1に、2液の混合・撹拌時間50分の複合膜にお
けるスパッタリング時間とケイ素原子の含有率との関係
をグラフで示す。また、図2に、2液の混合・撹拌時間
と傾斜の角度との関係をグラフで示す。
【0095】比較例1 実施例1(1)の有機成分溶液の調製において、原料と
して、メタクリル酸メチル19.0g(0.19モル)
と、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
2.48g(0.01モル)のみを用いた以外は、実施
例1と同様にして実施した。その結果を表1に示す。な
お、接着性の評価は、2液の混合・撹拌10分後の複合
膜について行った。また、図3に、2液の混合・撹拌時
間と傾斜の角度との関係をグラフで示す。
して、メタクリル酸メチル19.0g(0.19モル)
と、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
2.48g(0.01モル)のみを用いた以外は、実施
例1と同様にして実施した。その結果を表1に示す。な
お、接着性の評価は、2液の混合・撹拌10分後の複合
膜について行った。また、図3に、2液の混合・撹拌時
間と傾斜の角度との関係をグラフで示す。
【0096】比較例2 実施例1(1)の有機成分溶液の調製において、原料と
して、メタクリル酸メチル17.0g(0.17モル)
と、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
2.48g(0.01モル)と、ドデシルメタクリレー
ト5.1g(0.02モル)を用いた以外は、実施例1
と同様にして実施した。その結果を表1に示す。
して、メタクリル酸メチル17.0g(0.17モル)
と、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
2.48g(0.01モル)と、ドデシルメタクリレー
ト5.1g(0.02モル)を用いた以外は、実施例1
と同様にして実施した。その結果を表1に示す。
【0097】比較例3 実施例1(1)の有機成分溶液の調製において、原料と
して、メタクリル酸メチル18.0g(0.18モル)
と、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
2.48g(0.01モル)と、メタクリル酸0.86
g(0.01モル)を用いた以外は、実施例1と同様に
して実施した。その結果を表1に示す。なお、接着性の
評価は、2液の混合・撹拌10分後の複合膜について行
った。
して、メタクリル酸メチル18.0g(0.18モル)
と、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
2.48g(0.01モル)と、メタクリル酸0.86
g(0.01モル)を用いた以外は、実施例1と同様に
して実施した。その結果を表1に示す。なお、接着性の
評価は、2液の混合・撹拌10分後の複合膜について行
った。
【0098】
【表1】
【0099】(注) フルオロ−1:1H,1H,11H−パーフルオロウン
デシルメタクリレート フルオロ−2:2,2,3,3,4,4,5,5−オク
タフルオロペンチルメタクリレート フルオロ−3:2,2,3,3−テトラフルオロプロピ
ルメタクリレート エーテル−1:エチレングリコールモノエチルエーテル
メタクリレート エーテル−2:ジエチレングリコールモノメチルエーテ
ルメタクリレート アルキル−1:ドデシルメタクリレート カルボン酸−1:メタクリル酸 MMA:メタクリル酸メチル MPTMS:γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシ
シラン
デシルメタクリレート フルオロ−2:2,2,3,3,4,4,5,5−オク
タフルオロペンチルメタクリレート フルオロ−3:2,2,3,3−テトラフルオロプロピ
ルメタクリレート エーテル−1:エチレングリコールモノエチルエーテル
メタクリレート エーテル−2:ジエチレングリコールモノメチルエーテ
ルメタクリレート アルキル−1:ドデシルメタクリレート カルボン酸−1:メタクリル酸 MMA:メタクリル酸メチル MPTMS:γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシ
シラン
【0100】表1から分かるように、実施例3、5およ
び10を除いた実施例では、いずれも2液の混合・撹拌
時間は、10〜40分ないし10〜60分であり、第3
成分を加えない比較例1の5〜10分に比べて、かなり
長くなった。実施例3は、第3成分の導入量が少なく、
実施例5は、第3成分のフルオロアルキル基の炭素数が
3と少なく、実施例10は、第3成分の導入量が少な
い。したがって、比較例1に比べて、2液の混合・撹拌
時間は少し長くなっているが、他の実施例に比べると短
い。
び10を除いた実施例では、いずれも2液の混合・撹拌
時間は、10〜40分ないし10〜60分であり、第3
成分を加えない比較例1の5〜10分に比べて、かなり
長くなった。実施例3は、第3成分の導入量が少なく、
実施例5は、第3成分のフルオロアルキル基の炭素数が
3と少なく、実施例10は、第3成分の導入量が少な
い。したがって、比較例1に比べて、2液の混合・撹拌
時間は少し長くなっているが、他の実施例に比べると短
い。
【0101】また、乾燥時には凝集効果を発揮するが、
使用溶媒中では凝集を阻害するエーテル基を有するエチ
レン性不飽和単量体との共重合体を用いた実施例6〜1
1においては、基板に対する接着性がいずれの場合も向
上し、全て10点となった。比較例2および比較例3
は、それぞれ第3成分として、ドデシルメタクリレート
およびメタクリル酸を導入したものであり、傾斜構造の
膜は得られなかった。
使用溶媒中では凝集を阻害するエーテル基を有するエチ
レン性不飽和単量体との共重合体を用いた実施例6〜1
1においては、基板に対する接着性がいずれの場合も向
上し、全て10点となった。比較例2および比較例3
は、それぞれ第3成分として、ドデシルメタクリレート
およびメタクリル酸を導入したものであり、傾斜構造の
膜は得られなかった。
【0102】
【発明の効果】本発明によれば、有機高分子化合物と金
属酸化物系化合物との化学結合物を含有する有機−無機
複合膜であって、該金属酸化物系化合物の含有率が膜の
厚み方向に連続的に変化する成分傾斜構造を有し、透明
性も高く、機能性材料として各種用途に有用な有機−無
機複合傾斜膜を、有機基材上に密着性よく形成しうると
共に、適度のポットライフを有する成分傾斜膜形成用コ
ーティング剤を得ることができる。
属酸化物系化合物との化学結合物を含有する有機−無機
複合膜であって、該金属酸化物系化合物の含有率が膜の
厚み方向に連続的に変化する成分傾斜構造を有し、透明
性も高く、機能性材料として各種用途に有用な有機−無
機複合傾斜膜を、有機基材上に密着性よく形成しうると
共に、適度のポットライフを有する成分傾斜膜形成用コ
ーティング剤を得ることができる。
【図1】実施例11における複合膜のスパッタリング時
間とケイ素原子の含有率との関係を示す図である。
間とケイ素原子の含有率との関係を示す図である。
【図2】実施例11における2液の混合・攪拌時間と傾
斜の角度との関係を示すグラフである。
斜の角度との関係を示すグラフである。
【図3】比較例1における2液の混合・撹拌時間と傾斜
の角度との関係を示すグラフである。
の角度との関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 591115936 藤嶋 昭 神奈川県川崎市中原区中丸子710ー5 (72)発明者 高見 和之 岐阜県岐阜市藪田西2丁目1番1号 宇部 日東化成株式会社内 (72)発明者 渡部 俊也 神奈川県藤沢市鵠沼海岸6−15−7 (72)発明者 橋本 和仁 神奈川県横浜市栄区飯島町2073番地2 ニ ューシティ本郷台 D棟 213号 (72)発明者 藤嶋 昭 神奈川県川崎市中原区中丸子710−5 Fターム(参考) 4J038 CG141 CH261 CJ061 CJ251 GA02 GA03 GA11 GA12 JA16 JA25 JA32 JA53 JC38 KA03 KA04 KA06 MA07 NA01 NA12 NA19 NA20 PA19 PB08 PB09 PB11 PC02 PC03 PC08 4J100 AB07Q AB08Q AB09Q AL03Q AL08P AL08R BA02R BA04R BA05R BA06R BA71P BA77P BA81H BA81P BA93H BA93P BA95H BA95P BA96H BA96P BB01P BB18R CA05 HA08 HA55 HA61 HC12 HC77 HC78 JA01
Claims (12)
- 【請求項1】 有機基材上に、有機高分子化合物と金属
酸化物系化合物とが化学的に結合した複合体を含み、か
つ該金属酸化物系化合物の含有率が膜表面から深さ方向
に連続的に変化する成分傾斜構造を有する有機−無機複
合傾斜膜を形成させるコーティング剤であって、(A)
(a)分子中に加水分解により金属酸化物と結合しうる
金属含有基を有するエチレン性不飽和単量体と、(b)
金属を含まないエチレン性不飽和単量体と、(c)金属
を含まず、かつ少なくとも1個のフッ素原子をもつフル
オロアルキル基を有するエチレン性不飽和単量体との共
重合体と、(B)加水分解により金属酸化物を形成しう
る金属化合物との混合物の加水分解処理物を含むことを
特徴とする成分傾斜膜形成用コーティング剤。 - 【請求項2】 (c)成分のエチレン性不飽和単量体に
おけるフルオロアルキル基が炭素数5以上である請求項
1に記載の成分傾斜膜形成用コーティング剤。 - 【請求項3】 (c)成分のエチレン性不飽和単量体が
フルオロアルキル(メタ)アクリレートである請求項1
または2に記載の成分傾斜膜形成用コーティング剤。 - 【請求項4】 (A)成分の共重合体における(c)成
分のエチレン性不飽和単量体由来の単位の含有量が1〜
20モル%である請求項1、2または3に記載の成分傾
斜膜形成用コーティング剤。 - 【請求項5】 有機基材上に、有機高分子化合物と金属
酸化物系化合物とが化学的に結合した複合体を含み、か
つ該金属酸化物系化合物の含有率が膜表面から深さ方向
に連続的に変化する成分傾斜構造を有する有機−無機複
合傾斜膜を形成させるコーティング剤であって、
(A′)分子中に加水分解により金属酸化物と結合しう
る金属含有基を有し、かつ乾燥時には凝集効果を発揮す
るが、使用溶媒中では凝集を阻害する官能基を有する有
機高分子化合物と、(B)加水分解により金属酸化物を
形成しうる金属化合物との混合物の加水分解処理物を含
むことを特徴とする成分傾斜膜形成用コーティング剤。 - 【請求項6】 使用溶媒が、アルコール類、エーテル
類、ケトン類およびエステル類の中から選ばれる少なく
とも1種の極性溶媒であり、かつ(A′)成分の有機高
分子化合物が、(a)分子中に加水分解により金属酸化
物と結合しうる金属含有基を有するエチレン性不飽和単
量体と、(b)金属を含まないエチレン性不飽和単量体
と、(c′)金属を含まず、かつ水酸基、エーテル基、
ケトン基およびエステル基の中から選ばれる少なくとも
1種の官能基を有するエチレン性不飽和単量体との共重
合体である請求項5に記載の成分傾斜膜形成用コーティ
ング剤。 - 【請求項7】 (c′)成分のエチレン性不飽和単量体
がエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アク
リレートまたはジエチレングリコールモノメチルエーテ
ル(メタ)アクリレート及びその類似体である請求項6
に記載の成分傾斜膜形成用コーティング剤。 - 【請求項8】 共重合体における(c′)成分のエチレ
ン性不飽和単量体由来の単位の含有量が5〜15モル%
である請求項7に記載の成分傾斜膜形成用コーティング
剤。 - 【請求項9】 (A′)成分の共重合体が、さらに
(c)金属を含まず、かつ少なくとも1個のフッ素原子
をもつフルオロアルキル基を有するエチレン性不飽和単
量体を共重合させたものである請求項6、7または8に
記載の成分傾斜膜形成用コーティング剤。 - 【請求項10】 (c)成分のエチレン性不飽和単量体
におけるフルオロアルキル基が炭素数5以上である請求
項9に記載の成分傾斜膜形成用コーティング剤。 - 【請求項11】 (c)成分のエチレン性不飽和単量体
がフルオロアルキル(メタ)アクリレートである請求項
9または10に記載の成分傾斜膜形成用コーティング
剤。 - 【請求項12】 共重合体における(c)成分のエチレ
ン性不飽和単量体由来の単位の含有量が1〜20モル%
である請求項9、10または11に記載の成分傾斜膜形
成用コーティング剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000158851A JP2001335737A (ja) | 2000-05-29 | 2000-05-29 | 成分傾斜膜形成用コーティング剤 |
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JP2000158851A JP2001335737A (ja) | 2000-05-29 | 2000-05-29 | 成分傾斜膜形成用コーティング剤 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001335737A true JP2001335737A (ja) | 2001-12-04 |
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ID=18663260
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JP2000158851A Pending JP2001335737A (ja) | 2000-05-29 | 2000-05-29 | 成分傾斜膜形成用コーティング剤 |
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JP (1) | JP2001335737A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012017438A (ja) * | 2010-07-09 | 2012-01-26 | Noda Screen:Kk | フッ素系共重合体、フッ素系共重合体の製造方法およびコーティング剤 |
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- 2000-05-29 JP JP2000158851A patent/JP2001335737A/ja active Pending
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