JP4414552B2 - 有機−無機複合傾斜材料及びその用途 - Google Patents

有機−無機複合傾斜材料及びその用途 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機−無機複合傾斜材料およびその用途に関する。さらに詳しくは、本発明は、金属成分の含有率が材料の厚み方向に連続的かつ比較的緩やかに変化する成分傾斜構造を有すると共に、良好な可撓性を有し、膜厚が厚くなってもクラックや割れなどが発生しにくく、機能性材料として各種用途に有用な有機−無機複合傾斜材料、該傾斜材料からなる被膜形成用コーティング剤および該傾斜材料からなる被膜を表面に有する構造体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、有機高分子材料の性能、機能に関する要求の多様化に伴い、単一の高分子化合物では満足させることが困難となり、高分子化合物に異なる性質をもつ異種材料を加え、複合化することが行われている。
【0003】
例えば、強化材を有機高分子材料中に分散させることによる物性改質が広く行われており、具体的には、炭素繊維、ガラス繊維、金属繊維、セラミックス繊維、アラミド繊維などの有機や無機の繊維状物質、あるいは炭酸カルシウム、シリカ、アルミナなどの粉末状の無機フィラーなどを添加し、均質に分散させることが行われている。
また、異種の高分子化合物を混合し、場合により相溶化剤を介して相溶化させ、ポリマーアロイ化することにより、新しい機能を発現させる研究も盛んに行われている。
【0004】
一方、最近、材料の組成を少しずつ変化させ、表と裏で性質が全く異なる複合材料である傾斜機能材料が注目され、例えばセラミックスの耐熱性と金属の強度を併せもつ金属−セラミックス複合傾斜機能材料が超音速航空機の機体材料などとして開発されている。
【0005】
このような傾斜機能材料は、無機傾斜材料、有機傾斜材料および有機−無機複合傾斜材料に分類され、そして、複数の材料、例えば複数の異種の無機材料同士、複数の異種の有機材料同士、あるいは1種以上の有機材料と1種以上の無機材料を混合し、場所によって異なる分布密度、配向などを制御することで、複数の成分材料の物性を発現させうることから、例えば宇宙・航空分野、自動車分野、エレクトロニクス分野、医療分野、エネルギー分野、さらには放射線や電磁波のシールド分野などにおける利用が期待される。
【0006】
本発明者らは、先に、新規な機能性材料として種々の用途、例えば塗膜や、有機材料と無機または金属材料との接着剤、有機基材と光触媒塗膜との間に設けられ、有機基材の劣化を防止する中間膜や、有機基材と無機系または金属系材料層との密着性を向上させる中間膜などの用途に有用な、厚さ方向に組成が連続的に変化する有機−無機複合傾斜材料を見出した(特願平11−264592号)。
【0007】
この有機−無機複合傾斜材料は、有機高分子化合物と金属系化合物との化学結合物を含有する有機−無機複合材料であって、該金属系化合物の含有率が材料の厚み方向に連続的に変化する成分傾斜構造を有し、上記の各種用途に極めて有用な新規な材料である。
【0008】
そして、この複合材料における傾斜の傾きを緩やかにするには、無機成分の混合割合を増加させるのが有効であることを、本発明者らは、特願平11−264592号において開示した。しかしながら、このような方法においては、膜表面の無機成分100%の層がそれに対応して厚くなり、例えば表面層がシリカであれば、一般にゾル−ゲル法の限界といわれる0.15μmを超えると割れが発生するおそれが生じる。この場合、無機成分として、飽和や不飽和の有機基がケイ素原子に直接結合したケイ素化合物を複合させれば、その割れの発生を防ぐことは可能と思われる。しかしながら、該複合傾斜材料を光触媒中間膜用途に用いる場合には、光触媒反応により分解されやすい上記有機基を表面にもつことは、耐候性能が低下する要因となる。また、可撓性などを考慮した場合には、膜厚方向全体に傾斜していないので、割れの発生を十分に防止することができないおそれもある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情のもとで、金属成分の含有率が材料の厚み方向に連続的に変化する成分傾斜構造を有すると共に、良好な可撓性を有し、膜厚が厚くなってもクラックや割れなどが発生しにくく、機能性材料として各種用途に有用な有機−無機複合傾斜材料およびその用途を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、有機高分子化合物と金属酸化物系化合物とが化学的に結合した複合体を構成する金属酸化物系化合物の原料として、加水分解速度の異なる2種の有機ケイ素化合物を用い、好ましくはそれらを個々に加水分解、縮合反応させたのち、傾斜材料形成のための塗工液調製時にそれらを混合して用いることにより、基材表面側から、順次有機化合物/有機無機ハイブリッド/無機化合物からなる複合傾斜材料が形成され、その目的を達成しうることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、本発明は、
(1)有機高分子化合物と金属酸化物系化合物とが化学的に結合した複合体を含み、かつ金属成分の含有率が材料の表面から深さ方向に連続的に変化する成分傾斜構造を有する有機−無機複合傾斜材料であって、該有機−無機複合傾斜材料は、有機基材上に形成された膜状物からなり、上記有機高分子化合物が、(c)分子中に加水分解により金属酸化物と結合しうる金属含有基を有するエチレン性不飽和単量体と、(d)金属を含まないエチレン性不飽和単量体とを共重合させて得られたものであり、上記金属酸化物系化合物が、(a)一般式(I)
1nSi(OR2)4-n …(I)
(式中、R1は飽和若しくは不飽和の非加水分解性有機基、R2は炭素数1〜6のアルキル基、nは1〜3の整数を示し、R1が複数ある場合、複数のR1はたがいに同一でも異なっていてもよく、OR2が複数ある場合、複数のOR2はたがいに同一でも異なっていてもよい。)で表される有機ケイ素化合物、該化合物の部分加水分解物およびその縮合物であるオリゴマーの中から選ばれる少なくとも1種と、(b)一般式(II)
Si(OR3)4 …(II)
(式中、R3は炭素数1〜10の炭化水素基を示し、各OR3はたがいに同一でも異なっていてもよい。)で表されるテトラヒドロカルビルオキシシラン、この化合物の部分加水分解物およびその縮合物であるオリゴマーの中から選ばれる少なくとも1種との混合物から形成されたものであり、(a)成分と(b)成分との混合物が、一般式(I)および一般式(II)で表される化合物として、R 3 の炭素数>R 2 の炭素数の関係を満たすものをそれぞれ用い、それらを個々に加水分解、縮合反応させたものを、傾斜材料形成時に混合してなるものであることを特徴とする有機−無機複合傾斜材料、
(2)上記有機−無機複合傾斜材料からなる被膜を有機基材上に形成させるために用いられることを特徴とするコーティング剤、および
(3)上記有機−無機複合傾斜材料からなる被膜を有機基材上に有することを特徴とする構造体、
を提供するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の有機−無機複合傾斜材料は、材料中の金属成分の含有率が、材料の表面から深さ方向に連続的に変化する成分傾斜構造を有すると共に、中間層には有機無機ハイブリッドが含まれている。そして表面層はほとんどケイ素酸化物からなり、かつ基材に近づくにつれて金属成分の含有率が比較的緩やかに減少していくと共に、有機化合物成分の含有率が多くなる特徴を有している。
【0013】
このような成分傾斜構造の確認は、例えば、基板上に設けた有機−無機複合傾斜材料の塗膜表面に、スパッタリングを施して膜を削っていき、経時的に膜表面の炭素原子と金属原子の含有率を、X線光電子分光法などにより測定することによって、行うことができる。具体的に例を挙げて説明すると、図1は、後述の実施例1において、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に設けられた厚さ0.16μmの有機−無機複合材料(金属原子として、ケイ素原子を含む)からなる塗膜における、スパッタリング時間と炭素原子及びケイ素原子の含有率との関係を示すグラフであって、この図から分かるように、スパッタリングを施す前の塗膜表面は、ほぼ100%近くケイ素原子で占められているが、スパッタリングにより膜が削られていくに伴い、膜表面のケイ素原子の含有率が緩やかに減少するとともに、炭素原子の含有率が増加し、スパッタリング時間が約40分間を過ぎた時点から、膜表面はほぼ炭素原子のみとなる。
すなわち、この傾斜材料においては、材料中の金属成分の含有率が、表面から基板方向に逐次減少していることが示されている。
【0014】
このような成分傾斜構造を有する本発明の有機−無機複合傾斜材料においては、ケイ素原子の含有率が、通常0.5〜46重量%、好ましくは5〜46重量%、さらに好ましくは10〜45重量%の範囲である。
さらに、本発明の傾斜材料は、その厚みが5μm以下、特に0.01〜1.0μmの範囲のものが、傾斜性及び塗膜性能などの点から好適である。
【0015】
このような有機−無機複合傾斜材料は、以下に示す方法により効率よく製造することができる。
まず、(A)(a)一般式(I)
1nSi(OR2)4-n …(I)
(式中、R1は飽和若しくは不飽和の非加水分解性有機基、R2は炭素数1〜6のアルキル基、nは1〜3の整数を示し、R1が複数ある場合、複数のR1はたがいに同一でも異なっていてもよく、OR2が複数ある場合、複数のOR2はたがいに同一でも異なっていてもよい。)
で表される有機ケイ素化合物、該化合物の部分加水分解物およびその縮合物であるオリゴマーの中から選ばれる少なくとも1種と、(b)一般式(II)
Si(OR3)4 …(II)
(式中、R3は炭素数1〜10の炭化水素基を示し、各OR3はたがいに同一でも異なっていてもよい。)
で表されるテトラヒドロカルビルオキシシラン、この化合物の部分加水分解物およびその縮合物であるオリゴマーの中から選ばれる少なくとも1種との混合物、および(B)分子中に加水分解により金属酸化物と結合しうる金属含有基(以下、加水分解性金属含有基と称すことがある。)を有する有機高分子化合物を含む塗工液を調製する。
【0016】
上記(A)成分における(a)成分である上記一般式(I)で表される有機ケイ素化合物において、R1で示される飽和若しくは不飽和の非加水分解性有機基としては、例えば、炭素数1〜20のアルキル基、(メタ)アクリロイルオキシ基若しくはエポキシ基を有する炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基又は炭素数7〜20のアラルキル基を挙げることができる。ここで、炭素数1〜20のアルキル基としては、炭素数1〜10のものが好ましく、またこのアルキル基は直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよい。このアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。(メタ)アクリロイルオキシ基若しくはエポキシ基を有する炭素数1〜20のアルキル基としては、上記置換基を有する炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、またこのアルキル基は直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよい。この置換基を有するアルキル基の例としては、γ−アクリロイルオキシプロピル基、γ−メタクリロイルオキシプロピル基、γ−グリシドキシプロピル基、3,4−エポキシシクロヘキシル基などが挙げられる。炭素数2〜20のアルケニル基としては、炭素数2〜10のアルケニル基が好ましく、また、このアルケニル基は直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよい。このアルケニル基の例としては、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ヘキセニル基、オクテニル基などが挙げられる。炭素数6〜20のアリール基としては、炭素数6〜10のものが好ましく、例えばフェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基などが挙げられる。炭素数7〜20のアラルキル基としては、炭素数7〜10のものが好ましく、例えばベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基などが挙げられる。
【0017】
一方、R2で示される炭素数1〜6のアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよく、その例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。
【0018】
nは1〜3の整数であり、R1が複数ある場合、各R1はたがいに同一であってもよいし、異なっていてもよく、またOR2が複数ある場合、各OR2はたがいに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0019】
前記一般式(I)で表される有機ケイ素化合物の例としては、例えばメチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシランなどが挙げられる。
【0020】
本発明においては、上記(a)成分として、これらの有機ケイ素化合物を用いてもよいし、その部分加水分解物を用いてもよく、またその加水分解縮合物であるオリゴマーを用いてもよい。あるいは、これらの混合物を用いることもできる。
【0021】
一方(A)成分における(b)成分である上記一般式(II)で表されるテトラヒドロカルビルオキシシランにおいて、R3で示される炭素数1〜10の炭化水素基としては、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基および炭素数7〜10のアラルキル基を挙げることができる。
【0022】
ここで、炭素数1〜10のアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよく、その例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。炭素数6〜10のアリール基としては、例えばフェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基などが挙げられ、炭素数7〜10のアラルキル基としては、例えばベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基などが挙げられる。また、各OR3はたがいに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0023】
前記一般式(II)で表されるテトラヒドロカルビルオキシシランとしては、例えばテトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラヘキソキシシラン、テトラオクトキシシラン、テトラシクロペントキシシラン、テトラシクロヘキソキシシラン、エトキシトリメトキシシラン、プロポキシトリメトキシシラン、ブトキシトリメトキシシラン、フェノキシトリメトキシシラン、ベンジルオキシトリメトキシシラン、プロポキシトリエトキシシラン、ブトキシトリエトキシシラン、フェノキシトリエトキシシラン、ベンジルオキシトリエトキシシラン、ブトキシトリプロポキシシラン、フェノキシトリプロポキシシラン、ベンジルオキシトリプロポキシシラン、ジエトキシジメトキシシラン、ジプロポキシジメトキシシラン、ジブトキシジメトキシシラン、ジプロポキシジエトキシシラン、ジブトキシジエトキシシランなどが挙げられる。
【0024】
本発明においては、上記(b)成分として、これらのテトラヒドロカルビルオキシシランを用いてもよいし、その部分加水分解物を用いてもよく、またその加水分解縮合物であるオリゴマーを用いてもよい。あるいは、これらの混合物を用いることもできる。
【0025】
本発明においては、前記一般式(I)で表される(a)成分化合物および一般式(II)で表される(b)成分化合物として、R3の炭素数>R2の炭素数の関係を満たすものを、それぞれ適宜選択し、加水分解、縮合速度の速い(a)成分およびそれよりも加水分解、縮合速度の遅い(b)成分を用いることが好ましい。そして、これらを別々に加水分解、縮合反応を行ったのち、傾斜材料形成用の塗工液を調製する際に、両者を混合し、(A)成分として用いるのが有利である。
【0026】
上記加水分解、縮合反応は、アルコール、ケトン、エーテルなどの適当な極性溶剤中において、塩酸、硫酸、硝酸などの酸、あるいは固体酸としてのカチオン交換樹脂を用い、通常0〜60℃、好ましくは20〜40℃の温度にて加水分解処理し、固体酸を用いた場合には、それを除去したのち、塗工液の(A)成分として用いる。
【0027】
塗工液中の(A)成分における前記(a)成分と(b)成分の含有割合は、所望の成分傾斜構造を有すると共に、良好な可撓性を有し、クラックや割れが発生しにくい傾斜材料を形成し得る点から、モル比で好ましくは10:100〜2000:100、より好ましくは50:100〜1500:100、さらに好ましくは100:100〜1000:100の範囲で選定される。
【0028】
一方、(B)成分である有機高分子化合物中の加水分解により金属酸化物と結合しうる金属含有基(加水分解性金属含有基)における金属としては、例えばケイ素、チタン、ジルコニウムおよびアルミニウムの中から選ばれる少なくとも1種を好ましく挙げることができる。
【0029】
上記(B)成分である分子中に加水分解により金属酸化物と結合しうる金属含有基を有する有機高分子化合物は、例えば該金属含有基を有する単量体と金属を含まない単量体とを共重合又は縮重合させることにより、得ることができる。
【0030】
ここで加水分解により金属酸化物と結合しうる金属含有基としては、例えば一般式(III)
−M14 m-1 …(III)
(式中、R4は加水分解性基または非加水分解性基であるが、その中の少なくとも1つは加水分解により、(A)成分と化学結合しうる加水分解性基であることが必要であり、また、R4が複数の場合には、各R4はたがいに同一であってもよいし、異なっていてもよく、M1はケイ素、チタン、ジルコニウム、アルミニウムなどの金属原子、mは金属原子M1の価数である。)
で表される基を挙げることができる。
【0031】
上記一般式(III)において、R4のうちの加水分解により(A)成分と化学結合しうる加水分解性基としては、例えばアルコキシル基、イソシアネート基、塩素原子などのハロゲン原子、オキシハロゲン基、アセチルアセトネート基、水酸基などが挙げられ、一方、(A)成分と化学結合しない非加水分解性基としては、例えば低級アルキル基などが好ましく挙げられる。
【0032】
上記一般式(III)で表される金属含有基としては、例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリ−n−プロポキシシリル基、トリイソプロポキシシリル基、トリ−n−ブトキシシリル基、トリイソブトキシシリル基、トリ−sec−ブトキシシリル基、トリ−tert−ブトキシシリル基、トリクロロシリル基、ジメチルメトキシシリル基、メチルジメトキシシリル基、ジメチルクロロシリル基、メチルジクロロシリル基、トリイソシアナトシリル基、メチルジイソシアナトシリル基など、トリメトキシチタニウム基、トリエトキシチタニウム基、トリ−n−プロポキシチタニウム基、トリイソプロポキシチタニウム基、トリ−n−ブトキシチタニウム基、トリイソブトキシチタニウム基、トリ−sec−ブトキシチタニウム基、トリ−tert−ブトキシチタニウム基、トリクロロチタニウム基、さらには、トリメトキシジルコニウム基、トリエトキシジルコニウム基、トリ−n−プロポキシジルコニウム基、トリイソプロポキシジルコニウム基、トリ−n−ブトキシジルコニウム基、トリイソブトキシジルコニウム基、トリ−sec−ブトキシジルコニウム基、トリ−tert−ブトキシジルコニウム基、トリクロロジルコニウム基、またさらには、ジメトキシアルミニウム基、ジエトキシアルミニウム基、ジ−n−プロポキシアルミニウム基、ジイソプロポキシアルミニウム基、ジ−n−ブトキシアルミニウム基、ジイソブトキシアルミニウム基、ジ−sec−ブトキシアルミニウム基、ジ−tert−ブトキシアルミニウム基、トリクロロアルミニウム基などが挙げられる。
【0033】
この(B)成分の加水分解性金属含有基を有する有機高分子化合物としては、特に(c)分子中に加水分解により金属酸化物と結合しうる金属含有基を有するエチレン性不飽和単量体と、(d)金属を含まないエチレン性不飽和単量体とを共重合させて得られたものが好適である。
【0034】
上記(c)成分である加水分解性金属含有基を有するエチレン性不飽和単量体としては、一般式(IV)
【0035】
【化1】
Figure 0004414552
【0036】
(式中、R5は水素原子またはメチル基、Aはアルキレン基、好ましくは炭素数1〜4のアルキレン基、R4、M1およびmは前記と同じである。)
で表される金属含有基を含むアルキル基をエステル成分とする(メタ)アクリル酸エステルを挙げることができる。この(c)成分のエチレン性不飽和単量体は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0037】
一方、上記(d)成分である金属を含まないエチレン性不飽和単量体としては、例えば一般式(V)
【0038】
【化2】
Figure 0004414552
【0039】
(式中、R6は水素原子またはメチル基、Xは一価の有機基である。)
で表されるエチレン性不飽和単量体、好ましくは一般式(V−a)
【0040】
【化3】
Figure 0004414552
【0041】
(式中、R6は前記と同じであり、R7は炭化水素基を示す。)
で表されるエチレン性不飽和単量体、あるいは上記一般式(V)で表されるエチレン性不飽和単量体と、必要に応じて添加される密着性向上剤としての一般式(VI)
【0042】
【化4】
Figure 0004414552
【0043】
(式中、R8は水素原子またはメチル基、R9はエポキシ基、水酸基、メルカプト基、アミノ基、ハロゲン原子若しくはエーテル結合を有する炭化水素基を示す。)
で表されるエチレン性不飽和単量体との混合物を挙げることができる。
【0044】
上記一般式(V−a)で表されるエチレン性不飽和単量体において、R7で示される炭化水素基としては、炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜10のアラルキル基を好ましく挙げることができる。炭素数1〜10のアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、および各種のブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基などが挙げられる。炭素数3〜10のシクロアルキル基の例としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、シクロオクチル基などが、炭素数6〜10のアリール基の例としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、メチルナフチル基などが、炭素数7〜10のアラルキル基の例としては、ベンジル基、メチルベンジル基、フェネチチル基、ナフチルメチル基などが挙げられる。
【0045】
前記一般式(V)で表されるエチレン性不飽和単量体の例としては、一般式(V−a)で表される単量体、具体的にはメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートなどを好ましく挙げることができるが、これら以外にもスチレン、α−メチルスチレン、α−アセトキシスチレン、m−、o−またはp−ブロモスチレン、m−、o−またはp−クロロスチレン、m−、o−またはp−ビニルフェノール、1−または2−ビニルナフタレンなども用いることができる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0046】
前記一般式(VI)で表されるエチレン性不飽和単量体において、R9で示されるエポキシ基、水酸基、メルカプト基、アミノ基、ハロゲン原子若しくはエーテル結合を有する炭化水素基としては、炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜10のアラルキル基を好ましく挙げることができる。上記置換基のハロゲン原子としては、塩素原子および臭素原子が好ましく、またアミノ基は遊離のアミノ基、モノアルキル置換アミノ基、ジアルキル置換アミノ基のいずれであってもよい。上記炭化水素基の具体例としては、前述の一般式(V)におけるR7の説明において例示した基と同じものを挙げることができる。
【0047】
この一般式(VI)で表されるエチレン性不飽和単量体の例としては、グリシジル(メタ)アクリレート、3−グリシドキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−メルカプトエチル(メタ)アクリレート、3−メルカプトプロピル(メタ)アクリレート、2−メルカプトプロピル(メタ)アクリレート、2−アミノエチル(メタ)アクリレート、3−アミノプロピル(メタ)アクリレート、2−アミノプロピル(メタ)アクリレート、2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、4−ジメチルアミノベンジル(メタ)アクリレート、2−クロロエチル(メタ)アクリレート、2−ブロモエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0048】
また、一般式(V)で表されるエチレン性不飽和単量体と一般式(VI)で表されるエチレン性不飽和単量体とを併用する場合は、前者のエチレン性不飽和単量体に対し、後者のエチレン性不飽和単量体を1〜100モル%の割合で用いるのが好ましい。
【0049】
前記(c)成分の加水分解性金属含有基を有するエチレン性不飽和単量体と(d)成分の金属を含まないエチレン性不飽和単量体とを、ラジカル重合開始剤の存在下、ラジカル共重合させることにより、所望の共重合体が得られる。
【0050】
一方、縮重合の例としては、上記エチレン性不飽和基の代わりに、縮合により高分子量化可能な基、例えば縮合によりアミド結合、エステル結合あるいはウレタン結合などを生成する2つ以上の官能基と前記一般式(III)で表される金属含有基とを有する単量体と、縮合により高分子量化可能な基、例えば縮合によりアミド結合、エステル結合あるいはウレタン結合などを生成する2つ以上の官能基を有し、かつ金属含有基を含まない単量体とを縮重合させる方法などにより、所望の高分子化合物が得られる。
【0051】
具体的には、いずれか一方の成分が前記一般式(III)で表される金属含有基を有するアミン成分と酸成分とを縮重合させ、ポリアミドを形成させる方法、あるいはいずれか一方の成分が前記一般式(III)で表される金属含有基を有するアルコール成分と酸成分とを縮重合させ、ポリエステルを形成させる方法などが挙げられる。
【0052】
本発明における塗工液には、通常有機溶剤が用いられ、この有機溶剤としては、前記(A)成分および(B)成分を溶解することができ、かつそれらに対して不活性なものであればよく、特に制限はない。このような溶剤としては、例えばヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素系溶剤、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテートなどのエステル系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブなどのセロソルブ系溶剤、メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール系溶剤などを挙げることができる。これらの溶剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
【0053】
それらの溶剤に前記(A)成分および(B)成分をそれぞれ所定の割合で加え、均質に溶解させることにより、本発明の傾斜材料形成用の塗工液が得られる。この塗工液における固形分濃度としては、該塗工液が塗工可能な粘度になるような濃度であればよく、特に制限はない。
【0054】
次に、このようにして得られた塗工液を用い、有機基材上に、乾燥塗膜の厚さが、通常5μm以下、特に中間膜用途として、好ましくは0.01〜1.0μm、より好ましくは0.02〜0.7μmの範囲になるように、ディップコート法、スピンコート法、スプレーコート法、バーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法などの公知の手段により塗膜を形成し、公知の乾燥処理、例えば40〜150℃程度の温度で加熱乾燥処理することにより、本発明の有機−無機複合傾斜材料が得られる。
【0055】
傾斜構造が形成される理由については必ずしも明確ではないが、以下に示す理由によるものと推察される。
有機基材に前記塗工液を塗布後、まず、有機高分子化合物が有機基材上に吸着されたのち、加水分解、縮合速度の速い(a)成分の有機ケイ素化合物が縮合してゲルネットワークを形成すると共に、加水分解、縮合速度の比較的遅い(b)成分のテトラヒドロカルビルオキシシランが低分子量成分のまま塗膜表面に押し出され、縮合して表面近傍はシロキサン結合のみの成分となることにより、目的の有機−無機複合傾斜材料が形成されるものと推察される。
【0056】
上記有機基材としては、例えばポリメチルメタクリレートなどのアクリル樹脂、ポリスチレンやABS樹脂などのスチレン系樹脂、ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂、6−ナイロンや6,6−ナイロンなどのポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリイミド系樹脂、セルロースアセテートなどのセルロース系樹脂などからなる基材を挙げることができる。
【0057】
これらの有機基材は、本発明の傾斜材料との密着性をさらに向上させるために、所望により、酸化法や凹凸化法などにより表面処理を施すことができる。上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、クロム酸処理(湿式)、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理などが挙げられ、また、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法などが挙げられる。これらの表面処理法は基材の種類に応じて適宜選ばれる。
【0058】
なお、本発明における有機基材は、有機系材料以外の材料、例えば金属系材料、ガラスやセラミックス系材料、その他各種無機系または金属系材料からなる基材の表面に、有機系塗膜を有するものも包含する。
【0059】
このようにして得られた本発明の有機−無機複合傾斜材料は、表面層はほとんどケイ素酸化物からなり、かつ基材に近づくにつれて金属成分の含有率が比較的緩やかに減少していくと共に、有機化合物成分の含有率が多くなる傾斜構造を有している。
【0060】
すなわち、本発明の有機−無機複合傾斜材料は、一般に、基材上に形成された膜状物からなり、かつ実質上、該膜状物の基材に当接している面が有機高分子系化合物成分であって、もう一方の開放系面が金属酸化物系化合物成分である。
また、中間層が有機無機ハイブリッドを含む成分から構成されていて、良好な可撓性を有することから、膜厚が厚くなっても、クラックや割れなどが生じにくい。
【0061】
本発明はまた、該有機−無機複合傾斜材料からなる被膜を基材上に形成させるコーティング剤をも提供するものである。
このコーティング剤としては、前記(A)(a)一般式(I)で表される有機ケイ素化合物、該化合物の部分加水分解物およびその縮合物であるオリゴマーの中から選ばれる少なくとも1種と、(b)一般式(II)で表されるテトラヒドロカルビルオキシシラン、この化合物の部分加水分解物およびその縮合物であるオリゴマーの中から選ばれる少なくとも1種と、(B)加水分解性金属含有基を有する有機高分子化合物を含む塗工液からなるものが用いられる。
【0062】
このコーティング剤は下記の用途に用いることができる。
まず、塗膜としての用途に用いられる。該有機−無機複合傾斜材料は、有機基材に対する接着性に優れており、かつ塗膜表面は金属酸化物の性質を有することから、例えば各種プラスチックフィルム上に該材料からなるコート層を設けることにより、耐擦傷性や耐熱性などに優れると共に、密着性の良好なハードコートフィルムを得ることができる。
【0063】
次に、接着剤としての用途に用いられる。
本発明の傾斜材料は、前記したように有機基材との密着性に優れるとともに、表面は金属酸化物系化合物であるので、無機または金属材料との密着性に優れている。したがって、有機材料と無機または金属材料との接着剤として好適である。
【0064】
さらに、有機基材と、少なくとも無機系または金属系材料を含むコート層との間に介在させる中間膜としての用途に用いられる。
有機基材上に無機系または金属系材料を含むコート層を形成する場合、一般に有機基材と該コート層との密着性が不十分てあって、耐久性に劣り、経時により剥離したり、あるいは熱や湿気などにより剥離しやすくなるという問題が生じる。
【0065】
本発明の傾斜材料を中間膜として、上記有機基材と無機系または金属系材料を含むコート層との間に介在させることにより、該中間膜は前記したように傾斜性を有することから、有機基材との密着性に優れると共に、その上に設けられる無機系または金属系材料を含むコート層との密着性にも優れ、その結果、有機基材上に無機系または金属系材料を含むコート層を極めて密着性よく、形成させることができる。
【0066】
本発明においては、該中間膜の厚さは、通常5μm以下、好ましくは0.01〜1.0μm、より好ましくは0.02〜0.7μmの範囲である。
前記無機系または金属系材料を含むコート層としては特に制限はなく、様々なコート層を形成することができるが、例えば(1)光触媒活性材料層、(2)無機系または金属系導電性材料層、(3)無機系または金属系材料を含むハードコート層、(4)無機系または金属系光記録材料層または無機系または金属系誘電体層などを好ましく挙げることができる。
【0067】
次に、各無機系または金属系材料を含むコート層について説明する。
(1)光触媒活性材料層:
有機基材表面に、二酸化チタンなどの光触媒活性材料のコート層を設けた場合、その光触媒作用により、有機基材が短時間で劣化するという問題が生じる。したがって、光触媒作用により、劣化しにくい無機バインダーを介して有機基材上に二酸化チタンなどの光触媒活性材料のコート層を設けることが試みられている。しかしながら、無機バインダーは、有機基材との接着力が不十分であり、耐久性に劣るという問題がある。
【0068】
本発明の傾斜材料を中間膜として、有機基材と光触媒活性材料のコート層との間に介在させた場合、有機基材との密着性に優れ、しかも表面はほぼ金属酸化物系化合物であるため、光触媒活性材料のコート層との密着性が良い上、中間膜が光触媒作用により劣化しにくく、有機基材を十分に保護することができる。
【0069】
また、表面に有機系塗膜を有する金属系基材と光触媒活性材料層との間に、本発明の傾斜材料を中間膜として介在させることができる。この中間膜は、上記有機基材の場合と同様に、有機系塗膜との密着性に優れ、しかも光触媒活性材料のコート層との密着性が良い上、光触媒作用により劣化しにくく、有機系塗膜を十分に保護することができる。このような用途としては、特に表面に有機系塗膜を有する自動車用鋼板上に光触媒活性材料層を設ける場合に有用である。
【0070】
表面に有機系塗膜を有する金属系基材としては、例えば冷延鋼板、亜鉛めっき鋼板、アルミニウム/亜鉛合金めっき鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板、アルミニウム合金板などの金属系基材に有機系塗膜を形成したものを挙げることができる。
本発明の傾斜材料を、このような中間膜として用いる場合、その上に設けられる光触媒活性材料のコート層が光触媒能の高い二酸化チタンである場合に、特に有効である。
【0071】
(2)無機系または金属系導電性材料層:
表面に導電性材料層を有する有機基材、特にプラスチックフィルムは、エレクトロルミネッセンス素子(EL素子)、液晶表示素子(LCD素子)、太陽電池などに用いられ、さらに電磁波遮蔽フィルムや帯電防止性フィルムなどとして用いられている。このような用途に用いられる導電性材料としては、例えば酸化インジウム、酸化錫、酸化亜鉛、酸化カドミウム、ITO(インジウムチンオキシド)などの金属酸化物や、金、白金、銀、ニッケル、アルミニウム、銅のような金属などの無機系または金属系導電性材料が用いられる。そして、これらの無機系または金属系導電性材料は、通常真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの公知の手段により、プラスチックフィルムなどの有機基材上に、厚さ50〜2000オングストローム程度の薄膜として形成される。
【0072】
このようにして形成された無機系または金属系導電性材料層は、有機基材との密着性が不十分であるので、本発明の傾斜材料を中間膜として、有機基材と該無機系または金属系導電性材料層との間に介在させることにより、有機基材と無機系または金属系導電性材料層との密着性を向上させることができる。また、透明導電性フィルムが要求される場合においても、本発明の傾斜材料からなる中間膜を介在させることにより、透明性が損なわれることはほとんどない。
【0073】
(3)無機系または金属系材料を含むハードコート層:
表面硬度が良好で、優れた耐擦傷性や耐摩耗性を有するハードコートフィルムは、例えば、車両、建物などの窓ガラスや窓用プラスチックボードなどの表面貼付用として、あるいはCRTディスプレイやフラットパネルディスプレイなどの保護用などとして広く用いられている。
【0074】
一方、プラスチックレンズは、ガラスレンズに比べて、軽量でかつ安全性、加工性、ファッション性などに優れていることから、近年急速に普及してきている。しかしながら、このプラスチックレンズは、ガラスレンズに比べて傷が付きやすいという欠点を有しており、したがって、その表面をハードコート層で被覆することが行われている。
【0075】
このようなハードコートフィルムやプラスチックレンズに設けられるハードコート層の材料としては、例えばアルキルトリヒドロキシシランおよびその部分縮合物とコロイダルシリカとシリコン変性アクリル樹脂とからなる混合物、オルガノトリアルコキシシラン加水分解縮合物、アルコキシシラン加水分解縮合物とコロイダルシリカとの混合物、ジルコニウム、アルミニウムおよびチタニウムの中から選ばれる金属とキレート化合物とシリコン変性アクリル樹脂とからなる混合物などの無機系または金属系材料を含むハードコート剤が多用されている。
【0076】
プラスチックフィルムやプラスチックレンズなどの有機基材上にハードコート層を形成するには、前記の無機系または金属系材料を含むハードコート剤を、公知の方法、例えばバーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法、スプレーコート法などを用いて、乾燥膜厚が1〜30μm程度になるように有機基材上に塗布し、乾燥処理する方法が、通常用いられる。
【0077】
このようにして形成された無機系または金属系材料を含むハードコート層は、有機基材との密着性が不十分であるので、本発明の傾斜材料を中間膜として、有機基材と該ハードコート層との間に介在させることにより、有機基材と無機系または金属系材料を含むハードコート層との密着性を向上させることができる。またプラスチックレンズにおいて、本発明の傾斜材料からなる中間膜を介在させても、該プラスチックレンズの透明性の低下や干渉縞の発生などをもたらすことはほとんどない。
【0078】
(4)無機系または金属系光記録材料層または無機系または金属系誘電体層:
近年、書き換え可能、高密度、大容量の記憶容量、記録再生ヘッドと非接触等という特徴を有する光記録媒体として、半導体レーザー光等の熱エネルギーを用いて磁性膜の磁化反転を利用して情報を記録し磁気光学効果を利用して読み出す光磁気ディスクや結晶から、アモルファスへの相変化を利用した相変化ディスクが開発され、実用化に至っている。
【0079】
このような光記録媒体は、一般に、透光性樹脂基板(有機基材)、例えばポリカーボネートやポリメチルメタクリレートなどの基板上に光記録材料層、誘電体層、金属反射層、有機保護層などが順次積層された構造を有しており、また、基板と光記録材料層との間に、誘電体下地層を設ける場合もある。
【0080】
基板上に設けられる光記録材料層には、例えばTb−Fe、Tb−Fe−Co、Dy−Fe−Co、Tb−Dy−Fe−Coなどの無機系の光磁気型記録材料、あるいはTeOx、Te−Ge、Sn−Te−Ge、Bi−Te−Ge、Sb−Te−Ge、Pb−Sn−Te、Tl−In−Seなどの無機系の相変化型記録材料が用いられる。また、所望により、基板と光記録材料層との間に設けられる誘電体下地層には、例えばSiN、SiO、SiO2、Ta25などの無機系材料が用いられる。
【0081】
前記無機系の光記録材料層や誘電体下地層は、通常真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの公知の手段によって形成される。
このようにして形成された無機系または金属系光記録材料層または無機系誘電体下地層は、透光性樹脂基板との密着性が不十分であるので、本発明の傾斜材料を中間膜として、透光性樹脂基板と該光記録材料層または該誘電体下地層との間に介在させることにより、基板と光記録材料層または誘電体下地層との密着性を向上させることができる。
【0082】
その他無機系または金属系材料を含むコート層としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化錫、硫化亜鉛、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、錫ドープ酸化インジウム(ITO)などの無機系赤外線吸収剤層、メタル蒸着された磁性層などが挙げられる。
【0083】
本発明は、さらに、上記有機−無機複合傾斜材料からなる被膜を有する構造体をも提供する。
このような構造体としては、例えば本発明の有機−無機複合傾斜材料を中間膜として介在させ、かつ少なくとも無機系または金属系材料を含むコート層を有する有機基材、あるいは、本発明の有機−無機複合傾斜材料を中間膜として介在させ、かつ光触媒活性材料層を有する、表面に有機系塗膜が設けられた金属系基材など、さらには該複合傾斜材料を中間膜として介在させ、かつ少なくとも無機系または金属系材料を含むコート層を有する物品などを挙げることができる。
【0084】
上記物品の具体例としては、少なくとも無機系または金属系材料を含むコート層が、(1)光触媒活性材料層、(2)無機系または金属系導電性材料層、(3)無機系または金属系材料を含むハードコート層、および(4)無機系または金属系光記録材料層または無機系または金属系誘電体層であるものなどを好ましく挙げることができる。
【0085】
【実施例】
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
【0086】
なお、各例で形成した膜の諸特性は、以下に示す方法に従って求めた。
(1)傾斜性
XPS装置「PHI−5600」[アルバック・ファイ(株)製]を用い、アルゴンスパッタリング(4kV)を3分間隔で施して膜を削り、膜表面の炭素原子とケイ素原子の含有率を、X線光電子分光法により測定し、傾斜性を調べた。
(2)表面水接触角
接触角計「G−I型」[エルマ販売社製]を用いて、表面水接触角を測定した。
(3)可撓性
径6mmのステンレス鋼製ロッドを用い、塗工面を外側にして曲げ、10秒間保持したのち、屈曲部位を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、割れや剥がれの有無を調べ、下記の判定基準に従って、可撓性を評価した。
○:割れおよび剥がれの発生なし。
×:割れの発生が認められる。
【0087】
実施例1
(1)有機高分子化合物の製造
メタクリル酸メチル30.0g(0.3モル)とγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン2.48g(0.01モル)との混合溶液に、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル0.3g(0.0018モル)を添加、撹拌して均一溶液とした。この溶液を撹拌しながら75℃で3時間反応させることにより、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によるポリスチレン換算の数平均分子量が11万の共重合体を得た。
この共重合体をメチルエチルケトン(MEK)に溶解させて、3.0g/リットル濃度のMEK溶液を調製した。
(2)無機成分(a)の調製
メチルトリメトキシシラン8gとエタノール10gの混合溶液に、濃塩酸0.1gとエタノール5gと純水3gとの混合溶液を撹拌しながら滴下し、室温下で5時間撹拌を続け、無機成分(a)を調製した。
【0088】
(3)無機成分(b)の調製
テトラエトキシシラン15gとエタノール10gの混合溶液に、濃塩酸0.1gとエタノール5gと純水4gとの混合溶液を撹拌しながら滴下し、室温下で5時間撹拌を続け、無機成分(b)を調製した。
(4)塗工液の調製および膜の評価
100ミリリットルのガラス容器に、上記(1)で得た共重合体のMEK溶液50ミリリットル、エチルセロソルブ(EC)30ミリリットル、無機成分(a)15ミリリットルおよび無機成分(b)5ミリリットルを加え、均一な塗工液を調製した。
【0089】
次に、厚み0.188mmのポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略記する。)フィルム「ルミラーT−60」[東レ(株)製]上に、上記塗工液を線径0.150mmのステンレス線を巻き付けたステンレスバーにて塗工したのち、80℃で一晩加熱乾燥処理し、厚み0.16μmの膜を形成した。
この膜の表面水接触角および可撓性の評価を表1に示すと共に、傾斜性については、図1に、スパッタリング時間と、炭素原子およびケイ素原子の含有率との関係をグラフで示す。
【0090】
実施例2
実施例1(4)において、各成分を表1に示す割合で用いて塗工液を調製した以外は、実施例1と同様にして、厚み0.30μmの膜を形成した。
この膜の表面水接触角および可撓性の評価を表1に示すと共に、傾斜性については、図2に、スパッタリング時間と、炭素原子およびケイ素原子の含有率との関係をグラフで示す。
【0091】
実施例3
(1)有機高分子化合物の製造
メタクリル酸メチル20.0g(0.2モル)、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン2.48g(0.01モル)およびメタクリル酸グリシジル14.2g(0.1モル)の混合溶液に、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル0.3g(0.0018モル)を添加、撹拌して均一溶液とした。この溶液を撹拌しながら75℃で3時間反応させることにより、GPC法によるポリスチレン換算の数平均分子量が12万の共重合体を得た。
この共重合体をメチルエチルケトンに溶解させて、3.0g/リットル濃度のMEK溶液を調製した。
【0092】
(2)塗工液の調製および膜の評価
実施例1(4)において、上記(1)で得た共重合体のMEK溶液50ミリリットル、エチルセロソルブ30ミリリットル、実施例1(2)で得た無機成分(a)15ミリリットルおよび実施例1(3)で得た無機成分(b)5ミリリットルを用いた以外は、実施例1と同様にして、厚み0.17μmの膜を形成した。この膜の表面水接触角および可撓性の評価を表1に示すと共に、傾斜性については、図3に、スパッタリング時間と、炭素原子およびケイ素原子の含有率との関係をグラフで示す。
【0093】
実施例4
(1)無機成分(a)の調製
フェニルトリメトキシシラン11gとエタノール10gの混合溶液に、濃塩酸0.1gとエタノール5gと純水3gの混合溶液を撹拌しながら滴下し、室温下で5時間撹拌を続け、無機成分(a)を調製した。
(2)塗工液の調製および膜の評価
実施例1(4)において、実施例1(1)で得た共重合体のMEK溶液50ミリリットル、エチルセロソルブ30ミリリットル、上記(1)で得た無機成分(a)15ミリリットルおよび実施例1(3)で得た無機成分(b)5ミリリットルを用いた以外は、実施例1と同様にして、厚み0.16μmの膜を形成した。
この膜の表面水接触角および可撓性の評価を表1に示すと共に、傾斜性については、図4に、スパッタリング時間と、炭素原子およびケイ素原子の含有率との関係をグラフで示す。
【0094】
比較例1
実施例1(4)において、無機成分(a)を用いず、かつ無機成分(b)の量を20ミリリットルにした以外は、実施例1と同様にして、厚み0.16μmの膜を形成した。
この膜の表面水接触角および可撓性の評価を表1に示す。
【0095】
比較例2
(1)無機成分(a)の調製
メチルトリエトキシシラン10gとエタノール10gの混合溶液に、濃塩酸0.1gとエタノール5gと純水3gとの混合溶液を撹拌しながら滴下し、室温下で5時間撹拌を続け、無機成分(a)を調製した。
(2)無機成分(b)の調製
テトラエトキシシラン13gとエタノール10gの混合溶液に、濃塩酸0.1gとエタノール5gと純水4gとの混合溶液を撹拌しながら滴下し、室温下で5時間撹拌を続け、無機成分(b)を調製した。
【0096】
(3)塗工液の調製および膜の評価
実施例1(4)において、実施例1(1)で得た共重合体のMEK溶液50ミリリットル、エチルセロソルブ30ミリリットル、上記(1)で得た無機成分(a)15ミリリットルおよび上記(2)で得た無機成分(b)5ミリリットルを用いた以外は、実施例1と同様にして、厚み0.16μmの膜を形成した。
この膜の表面水接触角および可撓性の評価を表1に示すと共に、傾斜性については、図5に、スパッタリング時間と、炭素原子およびケイ素原子の含有率との関係をグラフで示す。
【0097】
【表1】
Figure 0004414552
【0098】
表1から分かるように、実施例1〜4の膜は、可撓性の評価試験で割れおよび剥がれの発生は確認されなかったが、比較例1は割れの発生が確認された。
また、実施例1〜4および比較例1は、いずれも表面水接触角は20°で、シリカとほぼ同レベルであり、膜表面は実質上シリカであることが分かる。
また、比較例2は水接触角が67°であり、表面にメチル基が多く存在するものと思われる。
さらに、図1〜図5から、実施例1〜4の膜は緩やかな傾斜構造を有していることが分かる。これに対し、比較例2は表面にケイ素原子および多くの炭素原子の存在が確認された。
【0099】
【発明の効果】
本発明の有機−無機複合傾斜材料は、金属成分の含有率が材料の厚み方向に連続的にかつ比較的緩やかに変化する成分傾斜構造を有すると共に、良好な可撓性を有し、膜厚が厚くなってもクラックや割れなどが発生しにくく、機能性材料として各種用途に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた有機−無機複合膜におけるスパッタリング時間と炭素原子およびケイ素原子の含有率との関係を示すグラフである。
【図2】実施例2で得られた有機−無機複合膜におけるスパッタリング時間と炭素原子およびケイ素原子の含有率との関係を示すグラフである。
【図3】実施例3で得られた有機−無機複合膜におけるスパッタリング時間と炭素原子およびケイ素原子の含有率との関係を示すグラフである。
【図4】実施例4で得られた有機−無機複合膜におけるスパッタリング時間と炭素原子およびケイ素原子の含有率との関係を示すグラフである。
【図5】比較例2で得られた有機−無機複合膜におけるスパッタリング時間と炭素原子およびケイ素原子の含有率との関係を示すグラフである。

Claims (6)

  1. 有機高分子化合物と金属酸化物系化合物とが化学的に結合した複合体を含み、かつ金属成分の含有率が材料の表面から深さ方向に連続的に変化する成分傾斜構造を有する有機−無機複合傾斜材料であって、該有機−無機複合傾斜材料は、有機基材上に形成された膜状物からなり、上記有機高分子化合物が、(c)分子中に加水分解により金属酸化物と結合しうる金属含有基を有するエチレン性不飽和単量体と、(d)金属を含まないエチレン性不飽和単量体とを共重合させて得られたものであり、上記金属酸化物系化合物が、(a)一般式(I)
    1nSi(OR2)4-n …(I)
    (式中、R1は飽和若しくは不飽和の非加水分解性有機基、R2は炭素数1〜6のアルキル基、nは1〜3の整数を示し、R1が複数ある場合、複数のR1はたがいに同一でも異なっていてもよく、OR2が複数ある場合、複数のOR2はたがいに同一でも異なっていてもよい。)で表される有機ケイ素化合物、該化合物の部分加水分解物およびその縮合物であるオリゴマーの中から選ばれる少なくとも1種と、(b)一般式(II)
    Si(OR3)4 …(II)
    (式中、R3は炭素数1〜10の炭化水素基を示し、各OR3はたがいに同一でも異なっていてもよい。)で表されるテトラヒドロカルビルオキシシラン、この化合物の部分加水分解物およびその縮合物であるオリゴマーの中から選ばれる少なくとも1種との混合物から形成されたものであり、(a)成分と(b)成分との混合物が、一般式(I)および一般式(II)で表される化合物として、R 3 の炭素数>R 2 の炭素数の関係を満たすものをそれぞれ用い、それらを個々に加水分解、縮合反応させたものを、傾斜材料形成時に混合してなるものであることを特徴とする有機−無機複合傾斜材料。
  2. 厚みが5μm以下である請求項1に記載の有機−無機複合傾斜材料。
  3. (a)成分と(b)成分との混合物が、モル比10:100ないし2000:100のものである請求項1または2に記載の有機−無機複合傾斜材料。
  4. 上記膜状物の有機基材に当接している面が有機高分子系化合物成分であって、もう一方の開放系面が金属酸化物系化合物成分である請求項1ないしのいずれか1項に記載の有機−無機複合傾斜材料。
  5. 請求項1ないしのいずれか1項に記載の有機−無機複合傾斜材料からなる被膜を有機基材上に形成させるために用いられることを特徴とするコーティング剤。
  6. 請求項1ないしのいずれか1項に記載の有機−無機複合傾斜材料からなる被膜を有機基材上に有することを特徴とする構造体。
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