JPH0712440U - ヘルメットの空気取入装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 帽体の空気取入装置の主体をなすシャッタの
ハウジングを合成樹脂製の一部品で構成して、構造の簡
素化を図る。 【構成】 上部壁１３、下部壁１４、左端壁１５及び右
端壁１６からなるハウジング１１を合成樹脂で一体成形
し、上部壁１３の背面及び下部壁１４の前面には、互い
に連通してシャッタ室２１を構成する第１及び第２凹部
１７，１８を形成し、シャッタ室２１に昇降可能に収納
されるシャッタ板１２により開閉される導風筒１９を下
部壁１４に形成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、主として自動二輪車や競技用自動車の乗員が使用するヘルメットの 空気取入装置に関し、特に、帽体の前面に、帽体内の通風路に外気を導入する導 風筒を有するハウジングと、このハウジングに昇降可能に収納されて前記導風筒 を開閉するシャッタ板とからなるシャッタを取付けたものゝ改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

かゝるヘルメットの空気取入装置は、例えば実開平４−８９５１７号公報に開 示されているように、既に知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来の空気取入装置におけるシャッタは、ベース板と、このベース板の前面に 結合されるカバーとでハウジングを構成し、ベース板及びカバー間にシャッタ板 を収容するシャッタ室を画成している。このようにシャッタのハウジングを２部 品で構成すると、２部品の成形及び結合と工数を多く要し、コスト高となるを免 れない。

【０００４】 本考案は、かゝる事情に鑑みてなされたもので、シャッタのハウジングを１部 品で構成できるようにして、安価な前記空気取入装置を提供することを目的とす る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案は、シャッタのハウジングを、これが背面 に第１凹部を有する上部壁と、シャッタ板を収容するシャッタ室を第１凹部と共 に構成する第２凹部を前面に有する下部壁と、これら上部壁及び下部壁の各左端 部間を連結する左端壁と、同各右端壁部間を連結する右端壁と、下部壁に設けら れてシャッタ板の昇降により開閉される導風筒と、ハウジング及びシャッタ板の 一方及び他方に設けられて互いに上下摺動自在に係合する案内溝及び案内爪とか らなるよう、合成樹脂により一体成形したことを特徴とする。

【０００６】

【実施例】

以下、図面により本考案の一実施例について説明する。

【０００７】 先ず図１において、ヘルメットの帽体１は、前面の窓２の直下に顎覆い部１ａ を有するフルフェース型に構成されると共に、前記窓２を開閉するシールド板３ を備える。この帽体１には、その内部の換気のために、前記窓２の直上に本考案 の空気取入装置５が設けられる。

【０００８】 この空気取入装置５について図２ないし図７により説明する。図６に示すよう に、帽体１のシェル６外面には、窓２の直上で浅い凹所８が形成され、この凹所 ８に空気取入装置５の主体をなすシャッタ１０が配設される。また、この凹所８ において、シェル６には帽体１内の通風路３０（図４参照）に連なる左右一対の 空気取入孔９，９が穿設され、各空気取入孔９は左右方向に長い長円形をなして いる。

【０００９】 図６及び図７に示すように、シャッタ１０は、ハウジング１１と、それに収納 されるシャッタ板１２とからなっている。

【００１０】 ハウジング１１は合成樹脂により一体成形されたもので、背面に第１凹部１７ を有する上部壁１３と、前面に第２凹部１８を有する下部壁１４と、これら両壁 １３，１４の左端部間を連結する左端壁１５と、同右端部間を連結する右端壁１ ６とからなっており、下部壁１４の背面には、前記空気取入孔９，９に突入する 左右一対の導風筒１９，１９が突設され、またこれらの外側に隣接して左右一対 の取付孔２０，２０が穿設される。

【００１１】 図５に示すように、前記第１及び第２凹部１７，１８は、互いに連通してシャ ッタ室２１を構成するもので、このシャッタ室２１には前記導風筒１９，１９の 前方開口端を開閉するシャッタ板１２が昇降可能に装着される。

【００１２】 また図７に示すように、下部壁１４の中央部には、その上端から下方へ延びる 案内溝２２が設けられ、この案内溝２２は、該壁１４の背面に形成される幅広溝 ２２ａと、この幅広溝２２ａの底面中央を走るスリット２２ｂとから構成される 。

【００１３】 一方、シャッタ板１２も合成樹脂製で、その背面には上記案内溝２２に摺動可 能に係合する断面Ｔ字状の案内爪２３が突設され、またその前面中央部にはノブ ２４が突設される。

【００１４】 而して、シャッタ板１２は、その上昇・下降により導風筒１９，１９の前方開 口端を開・閉するもので、その上昇位置でノブ２４を受容する切欠１３ａが上部 壁１３の下縁に設けられ、またその下降位置で該切欠１３ａを閉じる突片１２ａ がシャッタ板１２の上縁に連設される。

【００１５】 図５ないし図７に示すように、第２凹部１８の底面には左右一対の小突起２５ ，２５が形成され、シャッタ板１２の昇降に応じて、その弾性力で小突起２５， ２５が選択的に係合する上下２段左右２組のノッチ２６，２６がシャッタ板１２ の背面に設けられ、シャッタ板１２の下降位置では小突起２５が上部のノッチ２ ６に係合し、シャッタ板１２の中間位置では小突起２５が下部のノッチ２６に係 合し、またシャッタ板１２の上昇位置では、小突起２５がシャッタ板１２の下縁 に係合して、シャッタ板１２を各位置に保持し得るようになっている。

【００１６】 図４及び図６に示すように、シャッタ１０を取付けるための取付板２８が帽体 １を構成するシェル６及び緩衝ライナ２９間に挿入される。この取付板２８は、 前記両空気取入孔９，９に突入する左右一対のボス２８ａ，２８ａを備えており 、前記ハウジング１１の取付孔２０，２０に挿通したビス２７，２７を上記ボス ２８ａ，２８ａに螺着することにより、ハウジング１１は帽体１の凹所８に着脱 可能に取付けられる。取付板２８には導風筒１９，１９及び通風路３０，３０間 を連通する透孔３１，３１が設けられている。

【００１７】 次にこの実施例の作用について説明する。

【００１８】 シャッタ１０の組立に当っては、先ずシャッタ板１２をハウジング１１の第１ 凹部１７からシャッタ室１０に収納しつゝ、ハウジング１１の案内溝２２にシャ ッタ板１２の案内爪２３を係合させ、上部壁１３を前方へ撓ませながら、ノブ２ ４を切欠１３ａ外へ露出させる。

【００１９】 このようにシャッタ１０のハウジング１１は一体成形されたものであるにも拘 らず、それへのシャッタ板１２の装着を容易に行うことができる。

【００２０】 こうして組立られたシャッタ１０は、帽体１前面の凹所８に配置して、ビス２ ７，２７により取付板２８に連結し、帽体１に固着する。

【００２１】 このようにシャッタ１０は、帽体１に着脱可能に取付けられるので、これを適 時、帽体１から取外して水洗いすることができる。

【００２２】 使用に当り、ノブ２４を上下に操作すれば、シャッタ板１２は案内爪２３及び 案内溝２２を相互に摺動させながら第１及び第２凹部１７，１８間を移動し、導 風筒１９，１９を開閉する。而して、シャッタ板１２の上昇位置（図３参照）で は、導風筒１９が開放されるので、外気が導風筒１９を通って帽体１内の通風路 ３０に進入し、帽体１内の換気を行う。またシャッタ板１２の下降位置（図２参 照）では、導風筒１９が閉じられるので、通風路３０への外気の導入を遮断する ことができる。

【００２３】 上記実施例においては、本考案の要旨を逸脱することなく種々の設計変更が可 能である。例えば、案内溝２２をシャッタ板１２に、案内爪２３をハウジング１ １に設けることもできる。また帽体１をジェット型に構成することもできる。

【００２４】

【考案の効果】

以上のように本考案によれば、シャッタのハウジングを、これが背面に第１凹 部を有する上部壁と、シャッタ板を収容するシャッタ室を第１凹部と共に構成す る第２凹部を前面に有する下部壁と、これら上部壁及び下部壁の各左端部間を連 結する左端壁と、同各右端壁部間を連結する右端壁と、下部壁に設けられてシャ ッタ板の昇降により開閉される導風筒と、ハウジング及びシャッタ板の一方及び 他方に設けられて互いに上下摺動自在に係合する案内溝及び案内爪とからなるよ う、合成樹脂により一体成形したので、ハウジングを一部品で構成できると共に シャッタ板の装着を容易に行うことができ、したがって部品点数が少なく、且つ 組立が容易であり、シャッタのコスト低減に大いに寄与することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の空気取入装置を備えたヘルメットの斜
視図

【図２】シャッタを閉鎖状態とした同空気取入装置の正
面図

【図３】シャッタを開放状態にした同空気取入装置の正
面図

【図４】図２の４−４線断面図

【図５】図２の５−５線断面斜視図

【図６】空気取入装置の分解前方斜視図

【図７】シャッタの分解後方斜視図

【符号の説明】

１ 帽体 ５ 空気取入装置 １０ シャッタ １１ ハウジング １２ シャッタ板 １３ 上部壁 １４ 下部壁 １５ 左端壁 １６ 右端壁 １７ 第１凹部 １８ 第２凹部 １９ 導風筒 ２１ シャッタ室 ２２ 案内溝 ２３ 案内爪 ３０ 通風路

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 帽体（１）の前面に、帽体（１）内の通
   風路（３０）に外気を導入する導風筒（１９）を有する
   ハウジング（１１）と、このハウジング（１１）に昇降
   可能に収納されて前記導風筒（１９）を開閉するシャッ
   タ板（１２）とからなるシャッタ（１０）を取付けた、
   ヘルメットの空気取入装置において、 ハウジング（１１）を、これが背面に第１凹部（１７）
   を有する上部壁（１３）と、シャッタ板（１２）を収容
   するシャッタ室（２１）を第１凹部（１７）と共に構成
   する第２凹部（１８）を前面に有する下部壁（１４）
   と、これら上部壁（１３）及び下部壁（１４）の各左端
   部間を連結する左端壁（１５）と、同各右端壁部間を連
   結する右端壁（１６）と、下部壁（１４）に設けられて
   シャッタ板（１２）の昇降により開閉される導風筒（１
   ９）と、ハウジング（１１）及びシャッタ板（１２）の
   一方及び他方に設けられて互いに上下摺動自在に係合す
   る案内溝（２２）及び案内爪（２３）とからなるよう、
   合成樹脂により一体成形したことを特徴とする、ヘルメ
   ットの空気取入装置。