JPH07124226A - 輸液容器 - Google Patents

輸液容器

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JPH07124226A
JPH07124226A JP5292749A JP29274993A JPH07124226A JP H07124226 A JPH07124226 A JP H07124226A JP 5292749 A JP5292749 A JP 5292749A JP 29274993 A JP29274993 A JP 29274993A JP H07124226 A JPH07124226 A JP H07124226A
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JP
Japan
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container
synthetic resin
drug
flexible container
infusion
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JP5292749A
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English (en)
Inventor
Keinosuke Isono
啓之介 磯野
Tatsuo Suzuki
龍夫 鈴木
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Original Assignee
Material Engineering Technology Laboratory Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 連通を確実かつ容易にし、連通後の薬剤と溶
解液の混合を短時間で行うことができ、コンパクトな構
造である輸液容器を提供する。 【構成】 輸液容器は、連結口部8を有し内部に溶解液
または希釈液が収納されている可撓性容器2と口元部6
に栓体7,27を有する薬剤容器1と係合部を備えてい
る合成樹脂製連通具3,43からなる。合成樹脂製連通
具は複数の流体通路12aを有する中空管で構成されて
いる。連結口部は可撓性容器内部を外界に対して遮蔽す
る隔壁17を有し、連結口部において前記栓体と前記隔
壁は液密に接続されており、合成樹脂製連通具が連結口
部の可撓性容器内側に係合部によって仮止めされた状態
にある。可撓性容器越しに前記合成樹脂製連通具を前記
薬剤容器側に移動させ、合成樹脂製連通具の先端を連結
口部の隔壁と薬剤容器の栓体を貫通させるように構成さ
れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、点滴注射に用いられる
輸液容器に関するものであり、医療の分野で用いられ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、病院等の医療機関では、抗生
物質や抗癌剤等の粉末薬剤あるいは凍結乾燥薬剤を患者
に投与するには、バイアル等の容器に入ったこれらの薬
剤を溶解して点滴注射により行われていた。この場合、
上記薬剤の入った容器とその薬剤の溶解液の入った容器
とを両頭針或は連結管等の接続用具を用いて接続し、溶
解液を薬剤の入った容器に移し、薬剤を溶解している。
ところが、この操作は繁雑で手間がかかる上に、外気中
で薬剤の入った容器に接続用の穴をあける操作を行うの
で、中の薬剤が汚染される可能性がある。
【0003】そこで、上記の問題を解消したものとし
て、特表昭61-501129 号公報に示されるような輸液容器
が提案されている。この輸液容器は、薬剤容器であるバ
イアルを収容したカプセルと、薬液排出口を有する溶解
液の入った可撓性容器とが、チューブで接続されたもの
である。前記チューブ内には、バイアル側に中空の穿刺
針が取り付けられ、可撓性容器側には破断部材が取り付
けられている。前記破断部材はチューブ内の通路を閉じ
ており、液体の流通を阻止している。
【0004】使用に際しては、カプセル内のバイアルを
押し下げ、穿刺針でバイアルのゴム栓を貫き、可撓性容
器とバイアルをまず連結し、次に、チューブ内の破断部
材を手で折り曲げ、それによりチューブ内の通路を開通
させ、薬剤と溶解液とを混合するようになっている。
【0005】また、更に改良されたものとして、特開平
2-1277号公報に示されるような輸液容器が提案されてい
る。この輸液容器は、内部に溶解液または希釈液が収納
され、最上端に閉鎖体を有する液体通路部を有する可撓
性容器と、前記可撓性容器に連結されたカプセルと、口
部が刺通可能な栓で密封されており前記カプセル内に保
持される薬剤容器と、前記可撓性容器の内部と薬剤容器
の内部とを連通する連通手段とからなり、前記連通手段
が中間にハブを有し両端に刃先を有する中空の穿刺針
と、前記穿刺針の一方の刃によって薬剤容器の栓が刺通
された後、穿刺針の他方の刃によって可撓性容器の閉鎖
体が刺通されるように連通順序を制御する制動手段とか
らなっている。
【0006】また、特開平4-329953号公報に示されるよ
うな輸液容器が提案されている。この輸液容器は、柔軟
容器の容器接続部に薬剤容器の容器口栓を外気遮断状に
連結されている。この容器接続部に、針ガイド穴を凹設
した密封栓を固設して連通針の先端部を針ガイド穴に挿
入している。連通針の基端部には押込鍔を突設し、この
押込鍔の押し込み移動空間の周方向の一部を防護カバ−
で覆われている。周方向の残部は操作通路として開口
し、この操作通路側から押込鍔を柔軟容器越しに操作し
て、連通針を薬剤容器側へ移動させ、先端部を容器口栓
に突き刺し、柔軟容器と薬剤容器を連通させている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特表昭
61-501129 号公報に示される輸液容器において、薬剤容
器と溶解液の入った可撓性容器とを連通して混合する点
に関しては、改良されたと言うものの、穿刺針によって
バイアルのゴム栓を刺通したのち、破断部材を手で折っ
て通路を開けなければならず、まだかなりの手間を要す
るものである。また破断部材の折れ方が不完全な場合に
は、液が通りにくく、溶解に時間がかかるという問題が
ある。
【0008】また、特開平2-1277号公報に示される輸液
容器においては、薬剤容器と溶解液の入った可撓性容器
とを連通して混合する点及びそのときの操作上の手間に
関しては改良されたと言うものの、前記連通手段が中間
にハブを有し両端に刃先を有する中空の穿刺針と、前記
穿刺針の一方の刃によって薬剤容器の栓が刺通された
後、穿刺針の他方の刃によって可撓性容器の閉鎖体が刺
通されるように連通順序を制御するための複雑な形状の
制動手段が必要であり、輸液容器を構成する部品数が多
いので製造コストが高くなり、また、作動トラブルの発
生率が高くなるという問題がある。
【0009】また、特開平4-329953号公報に示される輸
液容器においては、用いている連通針の材質は明記され
ていないが、形状から判断すると金属針と考えられる。
この輸液容器の保管中などに誤って連通針の先端が薬剤
容器の容器口栓に突き通ることがないように、この連通
針は、基端部に押込鍔が設けられ、押込鍔が移動する空
間を覆っている防護カバ−の下端部内面に係合部を形成
して押込鍔が係止されている。この防護カバ−を柔軟容
器内に設置しているために、柔軟容器内の三次元空間を
占める割合が大きくなり、溶解液の排出性能を悪くする
結果になっている。さらに、この防護カバ−が存在する
と、柔軟容器越しに操作し連通針を薬剤容器側に移動さ
せることが困難になる。なぜなら、柔軟容器越しに連通
針を操作するには、連通針の近傍の柔軟容器の変形が容
易に起こり得る、すなわち変形に対する自由度が大きい
ほど操作が容易であるのに対して、防護カバ−が存在す
ると、連通針の近傍の柔軟容器の変形の自由度が小さく
なるからである。
【0010】本発明は、このような問題に鑑みてなされ
たもので、薬剤容器と溶解液や希釈液(以下、溶解液と
いう)の容器との連通を確実かつ容易にし、連通後の薬
剤と溶解液の混合を短時間で行うことができ、可撓性容
器と薬剤容器を固定したまま移動させることなく可撓性
容器と薬剤容器を容易に連通することができ、コンパク
トな構造である輸液容器を提供することを目的とする。
また、溶解液を封入している可撓性容器を外部から加圧
しなくとも、すなわちポンピング操作しなくとも溶解液
の移動が容易に行える輸液容器を提供することを目的と
する。さらに使用後、ガラス製の薬剤容器とプラスチッ
ク製の其の他の部分に容易に分離して廃棄できる輸液容
器を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の輸液容器は、連
結口部を有し内部に溶解液または希釈液が収納されてい
る可撓性容器と、口元部に栓体を有する薬剤容器と係合
部を備えている合成樹脂製連通具からなり、前記合成樹
脂製連通具は複数の流体通路を有する中空管で構成さ
れ、前記連結口部は可撓性容器内部を外界に対して遮蔽
する隔壁を有し、前記連結口部において前記栓体と前記
隔壁は液密に接続されており、前記合成樹脂製連通具が
前記連結口部の可撓性容器内側に前記係合部によって仮
止めされた状態にあり、前記可撓性容器越しに前記合成
樹脂製連通具を前記薬剤容器側に移動させ、前記合成樹
脂製連通具の先端を前記連結口部の隔壁と前記薬剤容器
の栓体を貫通させるように構成したことを特徴とする。
【0012】
【作用】本発明においては、合成樹脂製連通具を、可撓
性容器内に設置することにより、従来のように薬剤容器
を可撓性容器側に移動させなくても、合成樹脂製連通具
のみを移動させるだけで可撓性容器と薬剤容器を連通さ
せることができる。すなわち、可撓性容器内の合成樹脂
製連通具を移動させることにより、まず、連通口部の隔
壁を破壊し、次に薬剤容器の栓体を貫通させる。その結
果、可撓性容器と薬剤容器は合成樹脂製連通具により連
通され、可撓性容器内の溶解液や希釈液が合成樹脂製連
通具を介して可撓性容器と薬剤容器の間の移動が可能と
なる。
【0013】また、複数の流体通路を有する中空の合成
樹脂製連通具を用いており、合成樹脂製連通具が可撓性
容器の連通口部の隔壁と薬剤容器の栓体とを貫通するこ
とにより、直ちに連通する。中空の合成樹脂製連通具を
用いることにより、連通具の内径を大きくすることがで
きるので、液体の移動が円滑であり、かつ操作ミスなど
によって液体の移動が妨げられることがない。金属針の
内径を大きくすると、薬剤容器の栓体を貫通するときに
栓体の一部を切り取り切りくずが発生する。これが異物
の発生および切りくずによる金属針の連通路を塞ぐ原因
となり、内径を大きくすることができなかった。したが
って、合成樹脂製連通具を用いることにより、連通後の
薬剤と溶解液の混合を短時間で行うことができる。さら
に、中空の連通具は複数の流体通路を有しているので、
一つの流体通路が溶解液の移動に使用されているとき、
そのとき同時に他の流体通路は空気の移動に使用される
ので、溶解液の可撓性容器と薬剤容器間の移動が迅速か
つ容易に行われる。また、可撓性容器内に設置されてい
る連通具は合成樹脂製であるので、使用後の廃棄すると
きに、薬剤容器と可撓性容器を分離してガラス製の薬剤
容器を取り除くだけで、その他の部分は全て合成樹脂製
であるので廃棄が容易である。連通具を合成樹脂製にす
ると金属針に比べて切れ味が悪いので、連結口部におけ
る可撓性容器内部を外界に対して遮蔽する隔壁の厚みは
薄いほうが好ましい。
【0014】
【実施例】つぎに、本発明の実施例を説明する。図1は
本発明の一実施例にかかわる輸液容器の全体の構成を示
す要部断面図、図2は同実施例の輸液容器の連通後の状
態を示す要部断面図、図3は同実施例の合成樹脂製連通
具が取り付けられた連結口部の断面図、図4は同実施例
の薬剤容器が連結体に収納された状態を示す断面図、図
5は同実施例の輸液容器の連通後の状態を示す連結口部
の詳細部分断面図、図6は別の実施例の輸液容器の連結
口部の連通前の状態を示す詳細部分断面図、図7は同実
施例の輸液容器の連結口部の連通後の状態を示す詳細部
分断面図、図8はさらに別の実施例の輸液容器の全体の
構成を示す要部断面図、図9は別の合成樹脂製連通具を
示す断面図、図10は同合成樹脂製連通具を用いた輸液
容器の連通後の状態を示す詳細部分断面図である。
【0015】図1及び図2に示す輸液容器は、薬剤容器
1と可撓性容器2と合成樹脂製連通具3と連結体4から
構成される。薬剤容器1は粉末薬剤或は凍結乾燥薬剤等
の薬剤を入れる容器である。薬剤容器1は公知のガラス
製またはプラスチック製のバイアルであり、その口元部
6は栓体7で密封されている。
【0016】可撓性容器2は、溶解液を入れる容器で、
低密度ポリエチレン樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン樹
脂、ポリプロピレン樹脂、軟質ポリエステル樹脂、塩素
化ポリエチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、エチレン−酢酸
ビニル共重合体等の可撓性に富んだ材料で形成されてい
る。なかでも、低密度ポリエチレン樹脂、直鎖状低密度
ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフ
ィン系樹脂は、耐薬品性に優れ、溶解液中への溶出物も
少なく、廉価であり経済性に優れているので好ましい。
可撓性容器2の上端には連結口部8が形成されており、
また下端には薬液排出口部9が形成されている。連結口
部8は隔壁17により密封されている。本実施例におい
ては、隔壁17は合成樹脂で形成された膜を用いている
が、ゴム状弾性体で形成された栓やその他の形態の栓で
あってもよい。
【0017】薬剤容器1を収納している連結体4は、そ
の上端は開放されており、その下端は可撓性容器の連結
口部8と接合されている。また、薬剤容器1は、その口
元近傍において、連結用パッキン18と液密に連結され
ている。連結体4は、ポリオレフィン系樹脂やスチレン
系樹脂やアクリル系樹脂やポリカーボネート樹脂やポリ
アミド系樹脂等で形成されている。なかでも、紫外線を
比較的透過し易いポリプロピレン樹脂やメチルペンテン
樹脂等を用いれば、連結体4の外部から紫外線を照射す
ることにより連結体4の内部を滅菌することができる。
また、連結体4の上端には、キャップ5が被冠されてい
る。このキャップ5は薬剤容器1を保護するとともに、
キャップ5の上面に懸架手段11を設けることにより、
本発明による輸液容器をガードル台等に引っ掛けて用い
ることができる。
【0018】本発明において、薬剤容器1に入れられる
薬剤の一例としては、セファゾリンナトリウムやセフチ
ゾキシムナトリウム等のセフェム系抗生物質、アンピシ
リンナトリウムやカルペニシリンナトリウム等のペニシ
リン系抗生物質、マイトマイシンCやフルオロウラシル
等の抗腫瘍剤、ファモチジンや塩酸ラニチジン等の抗潰
瘍剤、ウロキナーゼ等の血栓溶解剤などがある。
【0019】可撓性容器2に入れられる溶解液の一例と
しては、生理食塩水、5%ブドウ糖液、注射用蒸留水の
ほか、各種電解質を含む溶液等が挙げられる。
【0020】つぎに、本実施例の輸液容器に用いた連結
口部8に、合成樹脂製連通具3が取り付けられた状態の
詳細を図3に示す。合成樹脂製連通具3は、中空管とし
ての中空状の穿刺針12とフランジ13で構成されてい
る。合成樹脂製連通具3はリブ21とリブ15を有して
おり、このリブ21、15と連結口部8のリブ16によ
り、合成樹脂製連通具3は連結口部8に仮止めされた状
態にある。そこで、輸液容器を使用するまでは合成樹脂
製連通具3は連通口部8から外れる事無く、また保管中
などに誤って合成樹脂製連通具3の先端が隔壁17と薬
剤容器1の栓体7を貫通することを防いでいる。そし
て、使用時には可撓性容器2越しに操作をしてフランジ
13を強く押すことにより、リブ15がリブ16を乗り
越えて、合成樹脂製連通具3は連結口部8内を移動可能
になる。また、中空状の穿刺針12は,二つの流体通路
12a、12bを有している。
【0021】次に、本実施例の輸液容器に用いた連結体
4に薬剤容器1が収納されている状態の詳細を図4に示
す。連結体4は、孔10を有しており、連結口部8の爪
11をこの孔10に引っ掛けて連結体4と連結口部8を
固定する。また,本実施例では、薬剤容器1と連結口部
8を確実に液密に接続できるように連結用パッキン18
を用いている。連結用パッキン18は大小異なる二種類
の径を有するド−ナツ状の平板であり、小さい内径の空
間には連結口部8の接続ポ−ト部が挿入される。連結用
パッキン18の内側の空間の内径は、接続ポ−ト部20
の外径よりも小さくしてあるので、連結用パッキン18
と接続ポ−ト部20は液密に接続することができる。ま
た薬剤容器1の口元部6は、連結用パッキン18の大き
い内径の空間に挿入され、連結体4と薬剤容器1は液密
に接続されている。
【0022】次に、図2及び図5を基に、本発明の輸液
容器が合成樹脂製連通具により連通される状態を説明す
る。まず、可撓性容器2越しの操作によりフランジ13
を連通口部8側に押し込む。このとき、フランジ13の
近傍では可撓性容器2の変形を妨げるものはないので、
可撓性容器越しの操作は容易にできる。そうすると、穿
刺針12の先端は連通口部の隔壁17を突き破る。さら
にフランジ13を連通口部8側に押し込むと、穿刺針1
2の先端は、薬剤容器1の栓体7を貫通し、薬剤容器1
の内部と可撓性容器2の内部は合成樹脂製連通具3によ
って連通される。
【0023】このようにして、薬剤容器1と可撓性容器
2とが連通すると、可撓性容器2を圧迫したり、もんだ
りして内部の溶解液の一部を薬剤容器1内に送り込み、
薬剤容器1内の薬剤を溶解する。そして、再び可撓性容
器2を圧迫したり、もんだりすると、薬剤容器1内の薬
液は、可撓性容器2内に戻る。このとき、例えば、溶解
液は合成樹脂製連通具3の一つの流体通路12aを通っ
て可撓性容器2から薬剤容器1に移動し、同時に薬剤容
器1内の空気は他の流体通路12bを通って可撓性容器
2に移動するので、溶解液の移動が非常に迅速かつ容易
に行われる。さらに、流体通路12a及び12bの内控
を大きくすると、二つの流体通路12a及び12bを、
それぞれ溶解液と空気が容易に移動できるので、上述の
ような可撓性容器2を圧迫したり揉んだりする、いわゆ
るポンピング操作をしなくても溶解液の移動が容易に行
われる。戻された薬液は可撓性容器2の薬液排出口部9
に輸液セットなどを接続して輸液として用いられる。
【0024】次に本発明の他の実施例を図6に基づいて
説明する。本実施例では薬剤容器1の栓体27は、予め
貫通路37が形成されており、貫通路37は、ほぼ球状
の遮蔽体28によって密閉されている。この栓体27を
用いた以外は、図1に示した第一実施例と同様な構造で
ある。次に、図7を基に、本実施例の輸液容器が連通具
により連通される状態を説明する。まず、可撓性容器2
の外部からの操作によりフランジ13を連通口部8側に
押し込む。そうすると、穿刺針12の先端は連通口部の
隔壁17を突き破る。さらに、フランジ13を連通口部
8側に押し込むと、穿刺針12の先端は遮蔽体28を貫
通路37から薬剤容器1内に押し出し、薬剤容器1の内
部と可撓性容器2の内部は、合成樹脂製連通具3によっ
て連通される。従来の栓体に外径の大きな連通具を挿入
することが、連通具が栓体を削り取ることによる異物の
発生の原因、すなわちコアリングの原因になっていた。
本実施例の栓体27を用いることにより、合成樹脂製連
通具3の外径を大きくしても、栓体27には予め貫通路
が形成されているので、合成樹脂製連通具3によるコア
リングの発生が殆ど起こらない。また、合成樹脂製連通
具3の挿入抵抗も小さくて済む。それで、合成樹脂製連
通具の外径を大きくすることができるので、流体通路の
内控も大きくすることができる。このようにして、薬剤
容器1と可撓性容器2とが連通すると、合成樹脂製連通
具3の流体通路の内控が大きいので上述のようにポンピ
ング操作をしなくても重力により容易に溶解液が移動で
きる。
【0025】さらに、本発明の他の実施例を図8に基づ
いて説明する。本実施例の輸液容器は、薬剤容器1と可
撓性容器2と合成樹脂製連通具3と連結体44から構成
される。連結体44は孔50を有しており、連結口部8
の爪11をこの孔50に引っ掛けて連結体44と連結口
部8を固定する。また,本実施例では、薬剤容器1と連
結口部8を確実に液密に接続できるようにパッキン58
を用いている。連結用パッキン58はド−ナツ状の平板
であり、内側の空間には連結口部8の接続ポ−ト部が挿
入される。連結用パッキン58の内側の空間の内径は、
接続ポ−ト部20の外径よりも小さくしてあるので、連
結用パッキン58と接続ポ−ト部20は液密に接続する
ことができる。また薬剤容器1は、連結用パッキン58
を押さえ込むように連結体44と液密に接続されてい
る。
【0026】また、図8に示すように、本実施例の輸液
容器に懸下手段19を設けることにより、輸液容器をフ
ックに引っ掛けて用いることができる。図8に示した懸
下手段19は、連結体4に取り付けられているが、薬剤
容器1の底部や口元部に設けてもよい。また、懸下手段
19は、別部材で作製してもよいし連結体と一体成形し
てもよい。
【0027】また、合成樹脂製連通具の他の実施例を図
9に示す。合成樹脂製連通具43は中空管としての中空
状の穿刺針52とフランジ53で構成されている。中空
状の穿刺針52は二つの流体通路52aと53bを有し
ている。片方の流体通路52aは、フランジ53側から
穿刺針の先端まで開通している。他方の流体通路52b
は、フランジ53側は開放されているが穿刺針の先端側
は閉塞され、その代わりに穿刺針の先端近傍に側孔54
を有している。この合成樹脂製連通具43を用いると、
図10に示すように、溶解液を薬剤容器1から可撓性容
器2に戻すとき、溶解液と空気はそれぞれ選択的に、溶
解液は流体通路52bを移動し、空気は流体通路52a
を移動することになり、溶解液の移動が容易である。
【0028】以上に種々の実施例を説明したが、本発明
はその要旨を逸脱しない範囲で種々の変更例を採用する
ことができる。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように本発明の輸液容器
は、薬剤容器及び可撓性容器を互いに移動させることが
無いので、輸液容器全体がコンパクトにでき、さらに構
成部品が少なくて済むので製造が容易でありかつ廉価で
製造することができる。また、薬剤容器と可撓性容器は
固定された状態で連結されているので、溶解液の漏出や
汚染等のトラブルを確実に防止できる。また、複数の流
体通路を有する中空状の合成樹脂製連通具を用いること
により連通具の内径を大きくすることができるので可撓
性容器内の溶解液等の移動が円滑であり、さらに溶解液
と気体がそれぞれ別々の流体通路を通って同時に移動で
きるので、薬剤容器内の薬剤と溶解液の混合が短時間に
実施できる。さらに、合成樹脂製連通具であるので、合
成樹脂製連通具の穿刺針にリブを用意に設けることがで
きるので、可撓性容器内での合成樹脂製連通具の係止が
容易であり、可撓性容器内に防護カバ−を設ける必要が
無いので、可撓性容器内をコンパクトにでき、さらに可
撓性容器越しの合成樹脂製連通具の操作が容易であり、
また溶解液の排出性能にも優れている。さらに、可撓性
容器内に設置されている連通具が合成樹脂製であるた
め、使用後の廃棄するときに、薬剤容器と可撓性容器を
分離してガラス製の薬剤容器を取り除くだけで、その他
の部分は全て合成樹脂製であるので廃棄が容易である。
また、可撓性容器の連結口部は隔壁を有しているので、
可撓性容器の密封栓の機能も兼ね備えており、可撓性容
器の構成部品数が少なくて済み、溶解液の漏出の危険性
が少なくなり、またコストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例にかかわる輸液容器の全体の
構成を示す要部断面図である。
【図2】同実施例の輸液容器の連通後の状態を示す要部
断面図である。
【図3】同実施例の合成樹脂製連通具が取り付けられた
連結口部の断面図である。
【図4】同実施例の薬剤容器が連結体に収納された状態
を示す断面図である。
【図5】同実施例の輸液容器の連通後の状態を示す連結
口部の詳細部分断面図である。
【図6】別の実施例の輸液容器の連結口部の連通前の状
態を示す詳細部分断面図である。
【図7】同実施例の輸液容器の連結口部の連通後の状態
を示す詳細部分断面図である。
【図8】さらに別の実施例の輸液容器の全体の構成を示
す要部断面図である。
【図9】別の合成樹脂製連通具を示す断面図である。
【図10】同合成樹脂製連通具を用いた輸液容器の連通
後の状態を示す詳細部分断面図である。
【符号の説明】
1 薬剤容器 2 可撓性容器 3,43 合成樹脂製連通具 4,44 連結体 5 キャップ 6 薬剤容器の口元部 7,27 栓体 8 連結口部 9 薬液排出口部 10,50 孔 11 爪 12,12 穿刺針 13,53 フランジ部 12a 流体通路 12b 流体通路 15 リブ 16 リブ 17 隔壁 18,58 パッキン 19 懸下手段 20 接続ポ−ト部 21 リブ 28 遮蔽体 37 貫通路 54 側孔

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連結口部を有し内部に溶解液または希釈
    液が収納されている可撓性容器と口元部に栓体を有する
    薬剤容器と係合部を備えている合成樹脂製連通具からな
    り、前記合成樹脂製連通具は複数の流体通路を有する中
    空管で構成され、前記連結口部は可撓性容器内部を外界
    に対して遮蔽する隔壁を有し、前記連結口部において前
    記栓体と前記隔壁は液密に接続されており、前記合成樹
    脂製連通具が前記連結口部の可撓性容器内側に前記係合
    部によって仮止めされた状態にあり、前記可撓性容器越
    しに前記合成樹脂製連通具を前記薬剤容器側に移動さ
    せ、前記合成樹脂製連通具の先端を前記連結口部の隔壁
    と前記薬剤容器の栓体を貫通させるように構成したこと
    を特徴とする輸液容器。
  2. 【請求項2】 前記薬剤容器が、薬剤バイアルである請
    求項1記載の輸液容器。
  3. 【請求項3】 前記可撓性容器が、前記連結口部以外に
    薬液排出口部を有する請求項2記載の輸液容器。
  4. 【請求項4】 前記合成樹脂製連通具が、その一端にフ
    ランジ部を有する中空管である請求項1記載の輸液容
    器。
JP5292749A 1993-10-28 1993-10-28 輸液容器 Pending JPH07124226A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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