JPH07121005A - 接触帯電装置 - Google Patents

接触帯電装置

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JPH07121005A
JPH07121005A JP5269224A JP26922493A JPH07121005A JP H07121005 A JPH07121005 A JP H07121005A JP 5269224 A JP5269224 A JP 5269224A JP 26922493 A JP26922493 A JP 26922493A JP H07121005 A JPH07121005 A JP H07121005A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、プロセス速度22cm/sec以
上の高速領域においても、微小バウンドを発生せず、良
好な画像を得る事が可能な、信頼性の高い接触帯電装置
を提供することを目的とするものである。 【構成】 本発明は、静電潜像担持体の表面移動速度が
22cm/sec以上である画像形成装置に用いられる
接触帯電装置であって、導電性支持体上にJIS−A硬
度30°以下の導電性弾性層と、1cm幅切片における
10%伸び加重が700gf以下の導電性樹脂層とを有
する接触帯電装置に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真方式の複写機、
プリンター、ファクシミリ等の画像形成装置用の帯電装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式の複写機、プリンター、フ
ァクシミリ等の画像形成装置では、感光体ドラム等の静
電潜像担持体を帯電装置により帯電させ、その帯電域に
画像露光して静電潜像を形成し、該潜像を現像して可視
像とし、これを転写材へ転写し、定着させる。
【0003】前記帯電装置としては種々のタイプのもの
が知られているが、大別するとコロトロン方式、スコロ
トロン方式、鋸歯状電極アレイ方式等によるコロナ放電
を利用したコロナ帯電装置と、ローラー、ブラシ、フィ
ルム、ベルト等の形状を有する帯電部材を静電潜像担持
体表面に接触させる接触式帯電装置に分けられる。
【0004】コロナ放電を利用した帯電装置は安定した
帯電を行えるという利点を有するが、大量のオゾン発生
を伴い、これが静電潜像担持体の劣化を招いたり、人体
に悪影響を及ぼすという問題がある事から、オゾン発生
量がコロナ帯電装置に比べて著しく少ない接触帯電装置
が注目されている。
【0005】中でもローラー形状を有する接触帯電装置
は、導電性支持体状に、導電性弾性層、導電性樹脂層を
順次積層した機能分担構成によって実用化が図られてい
る。
【0006】ここで導電性支持体は、ローラー全体に高
圧付与するための電圧供給機能、並びに、ローラーと静
電潜像担持体との接触を確保するための圧力付与機能等
を分担しており、導電性弾性層は、適度な電気抵抗値設
定によりローラー内部から外部に向けての電圧降下を防
止するための導通確保機能、並びに、ローラーと静電潜
像担持体との接触を幅広いニップ幅で確保するためのク
ッション性機能等を分担しており、導電性樹脂層は、適
度な電気抵抗値設定により静電潜像担持体の欠陥部にお
けるローラーの異常放電を防止するためのブレイクダウ
ン防止機能、現像剤や塵埃等の付着を防止するための離
型性機能、並びに、静電潜像担持体との摺擦による損傷
を防止するための耐摩耗性機能等を分担している。
【0007】しかし、このようなローラー型接触帯電装
置もプロセス速度の低い領域で実用化が図られてはいる
ものの、オゾン発生量が高い事から低オゾン化が強く望
まれる高速領域、具体的には35枚/分以上の領域であ
る、プロセス速度(静電潜像担持体の周速)が22cm
/sec以上の領域では実用化に至っていない。
【0008】また、実開昭57−199349号公報に
はゴム硬度20°以下の帯電装置が、特開平1−179
957号公報にはASKER−C硬度が5°以上60°
以下の帯電装置が、特開平1−191161号公報には
ASKER−C硬度が60°以下の帯電装置が、それぞ
れ開示されているが、いずれも後述する高速領域での問
題を解決するものではない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来の積層構成による
ローラー型接触帯電装置では、静電潜像担持体との安定
接触の確保が困難であるため高速領域、具体的には22
cm/sec以上の領域への適用が困難であった。即
ち、導電性弾性層上に導電性樹脂層が無作為に設けられ
ている事により、ローラーの回転周速が高速化するにつ
れ、静電潜像担持体との接触によりクッション性の高い
導電性弾性層が変形する際に、表面を被覆している導電
性樹脂層の伸縮が追随できず、その結果、ローラーに微
小バウンドが発生し始め、ローラー長手方向に平行な縞
状画像ノイズを引き起こしていた。この微小バウンド問
題を解決するために、単に静電潜像担持体へのローラー
押し当て圧力を上げると、静電潜像担持体の高圧接触部
分に画像ノイズが発生しやすくなり、また、高圧力用に
感光体強度を高くする必要が生じるため高コスト化を招
く。
【0010】そこで本発明は従来の積層構成によるロー
ラー型接触帯電装置に比べると高速領域、具体的には2
2cm/sec以上の領域においても、前記微小バウン
ドを発生せず、良好な画像を得る事が可能な、信頼性の
高い接触帯電装置を提供する事を課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題を
解決するため研究を重ねた結果、接触帯電装置をプロセ
ス速度22cm/sec以上の画像形成装置に用いた場
合においても、導電性樹脂層が特定の伸び率を有するよ
うにすれば、前記微小バウンドが発生せず良好な画像が
得られ、前記課題が解決される事を見出し、本発明を完
成した。
【0012】本発明は、静電潜像担持体の表面移動速度
が22cm/sec以上である画像形成装置に用いられ
る接触帯電装置であって、導電性支持体上にJIS−A
硬度30°以下の導電性弾性層と、1cm幅切片におけ
る10%伸び加重が700gf以下の導電性樹脂層とを
有する接触帯電装置に関する。
【0013】本発明において、導電性樹脂層の1cm幅
切片における10%伸び加重は、さらに500gf以下
である事がより好ましい。また、この1cm幅切片にお
ける10%伸び加重の下限値については、特に限定はな
いが、接触帯電に用いるための機械的強度(導電性樹脂
層の破れ、ちぎれ等の防止)を保つという別の要因から
概ね30gf以上、より好ましくは100gf以上であ
る事が好ましい。
【0014】本発明の接触帯電装置における導電性支持
体としては、鉄、SUS、アルミニウム、銅、クロム、
チタン、等の金属材料を利用する事ができる。
【0015】接触帯電装置における導電性弾性体層とし
ては、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、ニトリルゴ
ム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレ
ンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、シリコーンゴ
ム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、塩素化ポリエチレン、
アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、ポリブタジエ
ン、ポリイソプレン、等のゴム材料中に、粉体形状、繊
維形状、等の導電性炭素、鉄、アルミニウム、銅、クロ
ム、チタン、錫、亜鉛、金、銀、コバルト、鉛、白金、
等の金属、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化モリ
ブデン、等の金属酸化物、ポリアセチレン、ポリピロー
ル、ポリチオフェン、等の導電性高分子、等を分散させ
て導電性処理したゴムを利用する事ができる。
【0016】接触帯電装置における導電性樹脂層として
は、ポリエチレン、ポリプロピレン、アイオノマー、ポ
リビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、エチレン酢酸ビ
ニル共重合体、ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリメ
タクリル酸メチル、ポリカーボネイト、ポリスチレン、
アクリロニトリルアクリル酸メチル共重合体、アクリロ
ニトリルブタジエンスチレン共重合体、ポリテレフタル
酸エチレン、ポリウレタンエラストマー、硝酸セルロー
ス、酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸
セルロース、酢酸酪酸セルロース、エチルセルロース、
再生セルロース、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン
11、ナイロン12、ポリイミド、ポリスルホン、ポリ
エーテルスルホン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル酢酸ビ
ニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン塩
化ビニル共重合体、ビニルニトリルゴム合金、ポリテト
ラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレ
ン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、等のプ
ラスチックフィルム材料中に、粉体形状、繊維形状、等
の導電性炭素、鉄、アルミニウム、銅、クロム、チタ
ン、錫、亜鉛、金、銀、コバルト、鉛、白金、等の金
属、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化モリブデ
ン、等の金属酸化物、ポリアセチレン、ポリピロール、
ポリチオフェン、等の導電性高分子、等を分散させて導
電性処理したフィルムを利用する事ができる。
【0017】尚、導電性樹脂層は2種類以上の材料で構
成されてもよく、また、2以上の層構成で構成されても
よい。また、このようなフィルムは、塗布法、チューブ
成形法、熱収縮チューブ法等を用いて形成する事ができ
る。
【0018】前記接触帯電装置における導電性弾性体層
の電気抵抗率は、電圧降下を防止するために106Ωc
m以下が望ましい。その厚さとしては、JIS−A硬度
で30°以下が確保でき、接触帯電装置全体の大きさが
実用上の取扱いや装着状態の点で問題にならい範囲であ
れば特に限定を受けないが、一般的には0.5〜30m
m程度が考えられる。
【0019】前記接触帯電装置における導電性樹脂層の
電気抵抗率は、107Ωcm以上1011Ωcm以下が望
ましい。電気抵抗率が107Ωcmより低いと静電潜像
担持体の欠陥部におけるローラーの異常放電を防止しに
くくなり、1011Ωcmより高くなると導電性樹脂層表
面に放電時の電荷が蓄積する事による放電の断続が発生
しやすくなる。また、その厚さとしては、特には限定を
受けないが、耐久性、成形性等を勘案すると、一般的に
は10〜500μm程度が考えられる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。
【0021】以下に説明する実施例はいずれも図1に主
要部分を示す複写機に組み込んで使用されるものであ
る。まず図1に主要部分を示す複写機について説明す
る。
【0022】図1に示す複写機は中央部に静電潜像担持
体である感光体ドラム1を備えており、このドラムは図
示しない駆動手段によって図中反時計回りに回転駆動さ
れる。感光体ドラムの周囲には帯電装置2、現像装置
3、転写チャージャー4、クリーニング装置5及びイレ
ーサー6が順次配置してある。帯電装置2は本発明に係
る帯電装置であり、付勢手段であるコイルバネ100に
よりローラーが感光体ドラム1と接触し、従動可能とな
っている。圧接力としては、0.5〜3.0Kgf程度
が好ましい。0.5Kgf未満だと十分な接触を得る為
の設定が難しくなり、3.0Kgfより大きいと接触に
よる画像ノイズの問題が生じやすい。
【0023】感光体ドラム1の上方には図示しない光学
系が配置してあり、この光学系は露光ランプ、反射ミラ
ー、光学レンズ、スリット等から構成される常用のもの
である。この光学系より図1に示す位置Lより感光体ド
ラム1に画像露光できるものである。
【0024】感光体ドラム1の図中左側には中間ローラ
ー対7、タイミングローラー対8が順次配置してあり、
図示しない給紙カセット中に収められた転写紙が図1に
示す位置Cより供給可能となっている。
【0025】この複写機によると、感光体ドラム1表面
が帯電装置2により所定電位に一様に帯電され、該帯電
域に光学系により位置Lから画像露光されて静電潜像が
形成される。かくして形成された静電潜像は現像装置3
により現像されてトナー像となり、転写チャージャー4
に臨む転写領域へ移行する。
【0026】一方、位置Cより供給される転写紙は、中
間ローラー対7を経てタイミングローラー8に至り、こ
こで感光体ドラム1上のトナー像と同期をとって転写領
域に送り込まれる。かくして転写領域において転写チャ
ージャー4の作用で感光体ドラム1上のトナー像が転写
紙上に転写され、この転写紙は搬送ベルト9により図示
しない定着装置によりトナー像を定着後排紙すべく、位
置Fの方向へ搬送される。
【0027】トナー像が転写紙に転写された後、感光体
ドラム1上に残留するトナーはクリーニング装置5によ
って清掃され、残留電荷はイレーサー6により消去され
る。
【0028】なお、この複写機のシステム速度(感光体
ドラム1の周速)は、22〜60cm/secの範囲で
可変とし、現像装置3は二成分の正規現像装置である。
【0029】前記感光体ドラム1は、比視感度域に対し
て良好な感度を有する、負帯電用の機能分離型有機感光
体である。以下に該機能分離型有機感光体の作製方法に
ついて述べる。まず、下記構造式:
【0030】
【化1】
【0031】で示されるアゾ化合物0.45重量部、ポ
リエステル樹脂(バイロン200:東洋紡績社製)0.
45重量部、及びシクロヘキサノン50重量部をサンド
グラインダーに入れて24時間分散し感光塗液を得た。
この時の感光塗液の粘度は20℃で20cpであった。
この塗液を、表面にバイト切削加工を施したアルミニ
ウム製円筒基体表面にディッピング法を用いて塗布し、
乾燥後の膜厚が0.3μmの電荷発生層を形成した。こ
こで使用した円筒基体はマグネシウムを0.7重量%、
硅素を0.4重量%含有したアルミニウム合金であり、
また、乾燥条件は20℃の循環空気中で30分間とし
た。
【0032】次いでこの電荷発生層上に、下記構造式:
【0033】
【化2】
【0034】で示されるスチリル化合物10重量部、ポ
リカ−ボネ−ト樹脂(パンライトK−1300:帝人化
成社製)7重量部、を1,4−ジオキサン40重量部か
ら成る溶媒中に溶解させた塗液をディッピング法を用い
て塗布し、乾燥して、膜厚32μmの電荷輸送層を形成
した。この時の塗液の粘度は20℃で240cpであ
り、また、乾燥条件は100℃の循環空気中で30分間
とした。
【0035】以上のようにして導電性基体上に、電荷発
生層、電荷輸送層を順次積層した機能分離型有機感光体
を作製し、感光体ドラム1として用いた。
【0036】なお、本発明の実施例に使用した感光体
は、上記の如き機能分離型有機感光体であるが、本発明
を適用し得る感光体は、当然これに限定されるものでは
ない。
【0037】感光体感度域について言えば、半導体レー
ザー(780nm)光学系やLEDアレイ(680n
m)光学系等の長波長光を用いた作像システムにおいて
は、長波長域に感度を有する感光体を使用すればよい
し、例えば、液晶シャッターアレイ、PLZTシャッタ
ーアレイ等で可視光を光源とした作像システム、可視光
レーザーを光源とした作像システム、螢光体発光アレイ
を光源とした作像システム、或るいは、前述の如き一般
の複写機で常用されている可視光とレンズ・ミラー光学
系によるアナログ作像システムにおいては、上記の如き
可視域に感度を有する感光体を使用すれば良い。
【0038】また、感光体構成について言えば、上記感
光体は電荷発生層の上に電荷輸送層を分離して設けた機
能分離型有機感光体であるが、電荷輸送層の上に電荷発
生層を設けた所謂逆積層型の感光体であっても良いし、
電荷発生機能と電荷輸送機能とを合わせ持つ所謂単層型
構成の感光体であってもよい。また、電荷発生材料、電
荷輸送材料、結着樹脂、添加剤等も、公知の材料を目的
に応じて適宜選択すればよい。また、感光材料について
も有機材料に限る事なく、酸化亜鉛、硫化カドミウム、
セレン系合金、非晶質硅素系合金、非晶質ゲルマニウム
系合金、等の無機材料を使用してもよい。
【0039】本発明に適用可能な感光体は、更に、耐久
性、耐環境特性等を改善するために表面保護層を設けた
ものであっても良いし、帯電性能、画質、接着性等を改
善するために下引き層を設けたものであってもよい。そ
のような表面保護層或るいは下引き層の材料としては、
紫外線硬化性樹脂、常温硬化性樹脂、熱硬化性樹脂等の
樹脂、その樹脂中に抵抗調整材料を分散した混合樹脂、
金属酸化物、金属硫化物等を真空中で蒸着法やイオンプ
レーティング法等で薄膜化した真空薄膜材料、プラズマ
重合法を用いて作製された不定形炭素膜、不定形炭化硅
素膜等々を使用する事ができる。
【0040】本発明に適用可能な感光体の基体材料は、
表面が導電性を有する支持体であれば特に限定は受け
ず、また、形状も円筒形以外に平板状であっても良い
し、ベルト状であっても良い。さらに、基体表面に粗面
化処理、酸化処理、着色処理等が施されたものであって
も良い。
【0041】前記現像装置3において使用するトナーは
正帯電型の不定形状のスチレンアクリル系トナーであ
る。以下に該トナーの作製方法について述べる。
【0042】まず、スチレン−n−ブチルメタクリレー
ト樹脂(軟化点:132℃、ガラス転移温度:60℃)
100重量部に対し、カーボンブラック(Mogul−
L:キャボット社製)8重量部とニグロシン系染料(ボ
ントロンN−01:オリエント化学社製)5重量部と無
極性ポリプロピレン(605P:三洋化成社製)3重量
部とを計量し、ボールミルで充分混合した。次いでこの
混合物を140℃で加熱した3本ロール上で充分混練
し、混練物を放置冷却後、粗粉砕し、更にジェットミル
で微粉砕した。この微粉砕物を風力分級し、平均粒径
7.5μmの正帯電型の不定形状のトナーを得、本発明
の実施例で使用するに際しては、流動性を付与する目的
で、トナー100重量部に対して疎水性シリカ(R−9
74:日本アエロジル社製)0.2重量部による後処理
をヘンシェルミキサーで行った。
【0043】上記トナーはキャリア粒子と混合して、前
記現像装置3に投入し、現像剤として使用した。以下に
該キャリアの作製方法について述べる。
【0044】まず、ポリエステル樹脂(タフトンNE1
110:花王社製)100重量部に対し、カーボンブラ
ック(MA#8:三菱化成工業社製)2重量部と磁性粉
(MFP−2:TDK社製)300重量部とを計量添加
し、ヘンシェルミキサーで充分混合した。得られた混合
物を2軸押し出し機で充分混練し、冷却後粗粉砕した。
粗砕物をジェットミル粉砕機と風力分級機で微粉砕及び
分級し、平均粒径2μmの磁性粉含有ポリマー微粒子を
得た。
【0045】次いで、フェライト粒子F−250HR
(平均粒径50μm:パウダーテック社製)100重量
部に対し、前記磁性粉含有ポリマー微粒子10重量部を
添加し、オングミルAM−20F(ホソカワミクロン社
製)で回転数2500rpmで40分間処理し、平均粒
径55μmのキャリア中間体を得た。更に該キャリア中
間体をサフュージングシステム(日本ニューマチック工
業社製)を用いて400℃で加熱処理を行い、平均粒径
55μmのキャリアを得た。
【0046】上記トナーとキャリアをトナー濃度7重量
%となるように混合撹拌後、前記現像装置3に投入し、
図示しないトナー濃度検知器並びにトナー補給装置によ
り、トナー濃度を常に7±1重量%を維持しながら作像
に供した。
【0047】本発明の実施例では現像剤として、正帯電
型の不定形状の黒色トナーと上記キャリアを用いたが、
本発明に適用可能な現像剤はこれに限られるものではな
い。
【0048】感光体の極性や使用する作像プロセスに応
じて、負帯電型トナー、透光性トナー、磁性トナー、鉄
粉キャリア、バインダ型キャリア、樹脂コートキャリ
ア、一成分現像方式、反転現像方式、等を適宜選択して
使用する事が可能である。
【0049】トナーの色彩については、黒トナーのみな
らずイエロー、マゼンタ、シアン等のカラートナーを適
宜選択して使用することが可能であるし、トナー形状も
不定形であってもよいし、特定の形状、例えば球形トナ
ー、結晶形トナー等を使用する事も可能である。キャリ
アについては、粉体をキャリアとせずに、例えば、導電
性ブラシ、導電性ローラー等にキャリアに必要な機能を
担わせた現像システムを適宜選択して使用する事も可能
である。更に、現像剤としては流動性やクリーニング性
能を向上させる目的から、ポリ弗化ビニリデン樹脂、テ
フロン樹脂、PMMA樹脂等の粉末やビーズを滑剤とし
て混入したものを使用することも可能である。
【0050】次に前記複写機における帯電装置2の基本
構成を図2及び図3に基づいて説明する。図2は帯電装
置2の横断面を、図3は帯電装置2の縦断面を示したも
のである。該帯電装置2は導電性支持体11の上に、導
電性弾性体層12、導電性樹脂層13を順次積層した構
成である。
【0051】本発明実施例の導電性支持体11には、直
径8mmのSUS303製の金属シャフトを用いた。
【0052】尚、導電性支持体11には図示しない電源
より適当な帯電電圧が印加される。
【0053】例えば、絶対値で0.8〜2.0Kvの直
流電圧が印加される。そして、同電圧には交流電圧が適
宜重畳されてもよい。
【0054】次いで該導電性支持体11上に、肉厚5m
mのエチレンプロピレンゴムを主体としたゴム層を設け
た導電性弾性体層12を設けた。このエチレンプロピレ
ンゴム材はゴム成形の常法、即ち、素練り、配合、混
練、熟成、ウォームアップ、シーティング、成形、締め
つけ、加硫、放冷、研摩、等の工程を経て、ローラー形
状に成形した。この時、配合時に導電性炭素を主体とす
る導電剤、並びに、ジオクチルフタレートを主体とする
可塑剤を適宜調整し、成形後の電気抵抗率を2×105
Ωcmに揃えたJIS−A硬度が30°と22°の試料
を作製した。
【0055】次いで導電性弾性体層12上に、チューブ
成形法を用いて作製した樹脂チューブを導電性樹脂層1
3として設けた。チューブ材料にはインフレーション法
を用いて作製されたポリ塩化ビニルフィルムを使用し
た。チューブ被覆に際しては、チューブ内径を17.5
mmとし、チューブを風圧にて膨張させながら導電性弾
性体層12を導電性支持体11上に設けた直径18mm
の上記ローラーを挿入する外嵌被着処理を用いた。
【0056】導電性樹脂層13に用いたポリ塩化ビニル
フィルムは、フィルム原料中に抵抗調整用に混入した導
電性炭素微粉末の種類及び添加量、伸び率調整用に混入
した可塑剤の種類及び添加量、これら原料の混練条件と
インフレーション加工条件、フィルム膜厚、等を調整す
る事により、電気抵抗率を3×108Ωcmに揃えなが
ら、1cm幅切片における10%伸び加重がそれぞれ、
30gf、100gf、300gf、500gf及び7
00gf、である試料を作製した。別に比較実験用には
同様にして作製した1cm幅切片における10%伸び加
重がそれぞれ、10gf、及び900gf、である試料
を作製した。 ここで導電性樹脂層13についての、1
cm幅切片における10%伸び加重について、その測定
方法を説明する。
【0057】まず上記の如く作製された、導電性支持体
11上に、導電性弾性体層12、導電性樹脂層13を順
次積層してなる帯電装置2について、導電性樹脂層部分
に適当な刃物で切り込みを入れ、幅1cm×長さ6cm
の導電性樹脂層切片を採取した。この切片の長手方向の
両端よりそれぞれ5mmの部分でチャッキングし、長手
方向に幅1cm×長さ5cmの部分について引っ張り加
重を付与し、その時の試料の伸びが5cmの測定長さに
対して10%となる5mmとなった時の加重を求め、そ
れをこの帯電装置2の導電性樹脂層13における1cm
幅切片における10%伸び加重Fgfとした。
【0058】ここで、試料の都合により導電性樹脂層切
片を上記寸法で採取できない場合には、矩形状に採取し
た切片幅Wcm、引っ張り試験部分の切片長Lcm、引
っ張り加重Tgf、引っ張り加重を負荷した状態での引
っ張り試験部分の切片長L’cmより、次式;
【0059】
【数1】
【0060】を用いて、1cm幅切片における10%伸
び加重Fgfと見做す。
【0061】なお、試料の採取に際しては、導電性樹脂
層切片を採取後の導電性弾性体層について、JIS−A
硬度を測定し、その値が導電性弾性体層本来の30°以
下となっている事を確認し、導電性樹脂層が本発明の主
旨通りに採取できた事を確認した。また、導電性樹脂層
としてチューブ材料を用いた場合には、外嵌被着処理前
のチューブ材料について直接伸び加重を求める事も可能
であるが、外嵌被着処理時の材料の変成による伸び加重
の変化も無視できない事から、本評価では最終形状の試
料から導電性樹脂層切片を切り出す方法を用いた。
【0062】次に前記複写機における帯電装置2の別の
実施例の構成を図4及び図5に基づいて説明する。図4
は帯電装置2の横断面を、図5は帯電装置2の縦断面を
示したものである。該帯電装置2は導電性支持体31の
上に、導電性弾性体層32、導電性樹脂層内層33、導
電性樹脂層外層34を、順次積層した構成である。
【0063】この構成の特徴は導電性樹脂層を内層と外
層の複数層構成にした処にあるが、具体的には、導電性
支持体31として前述と同様の直径8mmのSUS30
3製の金属シャフトを、導電性弾性体層32として前述
と同様のJIS−A硬度30°と22°の肉厚5mmの
エチレンプロピレンゴムを主体としたゴム層を、導電性
樹脂層内層33として前述と同様の製法により作製され
たポリ塩化ビニルフィルムを、そして導電性樹脂層外層
34として四フッ化エチレン樹脂層を、順次積層した帯
電装置2を作製した。この四フッ化エチレン樹脂層は、
市販の四フッ化エチレン樹脂塗液(日本アチソン社製:
エムラロン345)を塗液粘度250〜300cpの下
でスプレー塗布した後、100〜160℃で30〜12
0分間乾燥する事により作製した。
【0064】ここで、前述の如きポリ塩化ビニルチュー
ブの作製条件に加え、四フッ化エチレン樹脂層の塗液粘
度、乾燥温度、乾燥時間、スプレー条件、膜厚、等を調
整する事により、二層構成を有する導電性樹脂層全体の
電気抵抗率を3×108Ωcmに揃えながら、1cm幅
切片における10%伸び加重がそれぞれ、30gf、1
00gf、300gf、500gf及び700gf、で
ある試料を作製した。
【0065】別に比較実験用には同様にして作製した1
cm幅切片における10%伸び加重がそれぞれ、10g
f、及び900gf、である試料を作製した。
【0066】以上のようにして作製された各種帯電装置
2を図1に主要構成を示した複写機に搭載し、作像し、
画質評価を行った。以下にその評価方法を具体的に記
す。
【0067】帯電装置2を感光体1に接触による悪影響
が生じない2kgfにて圧接し、感光体の回転周速度、
即ち、従動回転している帯電装置2の回転周速度として
高速領域の複写機では常用の範囲の22cm/sec、
38cm/sec、60cm/secを選び、印加電圧
を概ね−1.0〜−1.2kVの範囲で調整しながら感
光体表面を−600Vに初期帯電した。この時感光体表
面電位の測定には市販の表面電位計(TREK社製表面
電位計MODEL344)を用いた。
【0068】次いで濃度0.4のハーフ原稿を原稿台に
載置し図1の位置Lより露光した後、現像器3により現
像し、得られたトナー像を濃度0.03の転写紙に転写
して評価用の画像サンプルを得た。この時、露光量は適
宜調節し、以下に述べる画像濃度評価での最大画像濃度
値が1.0となるようにした。
【0069】得られた画像サンプルは、市販の画像濃度
計(コニカ社製サクラマイクロデンシトメータMode
lPDM−5TypeBR)を用いて、感光体周方向に
対応した長さ10cmの走査方向において、倍率50
倍、走査速度50μm/秒、測定面積10平方μmの条
件下で画像濃度の測定に供した。この時測定された最大
画像濃度(1.0)と最小画像濃度から画像濃度差を求
め、官能評価と対応付けた。
【0070】ここで画像濃度差が0.2以内の画像サン
プルは、視覚的にもローラー弾みによる画像濃度ムラが
認識できない画像と言え、このような画像をランクAと
称する事とした。画像濃度差が0.2を越え0.35以
内の画像サンプルは、視覚的に僅かではあるがローラー
弾みによる画像濃度ムラが感じられるものの実用上は問
題ない画像と言え、このような画像をランクBと称する
事とした。画像濃度差が0.35を越える画像サンプル
は、視覚的にもローラー弾みによる画像濃度ムラが明視
距離で認識可能である事から実用上好ましくない画像と
言え、このような画像をランクCと称する事とした。
【0071】別途、図1に主要構成を示した複写機にお
いて、A4紙8万枚を通紙する耐久試験を行い、帯電装
置2の耐久性を評価した。耐久試験前後での帯電装置2
の表面を光学顕微鏡にて観察し、表面形態に変化が認め
られず充分な耐久性を示した帯電装置をランクX、微小
なクラックの発生が認められたものの導電性弾性体層の
露出には至らなかった帯電装置をランクY、微小剥離が
発生し導電性弾性体層の露出部分が僅かにでも観察され
た帯電装置をランクZと称する事とした。
【0072】表1及び表2に得られた各種帯電装置2に
ついての評価結果を示した。表1は図2及び図3に示し
た導電性樹脂層が単層で設けられた帯電装置2について
の評価結果、表2は図4及び図5に示した導電性樹脂層
が複数層設けられた帯電装置2についての評価結果であ
る。表中、伸び加重とは、前記導電性樹脂層の1cm幅
切片における10%伸び加重の事を言う。
【0073】
【表1】
【0074】
【表2】
【0075】以上の結果から、導電性支持体上にJIS
−A硬度30°以下の導電性弾性層を有し、かつ、周速
20cm/sec以上で回転して用いられる高速領域に
おけるローラー型接触帯電装置では、前記導電性弾性体
層上に1cm幅切片における10%伸び加重が700g
f以下の導電性樹脂層を設ける事によって、その導電性
樹脂層の構成が単層積層のいかんにかかわらず、ローラ
ー弾みによる画像濃度ムラがランクA及びランクBで示
した実用上問題のない画像が得られる事が分かる。更
に、1cm幅切片における10%伸び加重が500gf
以下の導電性樹脂層を設けた場合には、その導電性樹脂
層の構成が単層積層のいかんにかかわらず、ローラー弾
みによる画像濃度ムラがランクAで示した最適な画像が
得られる事が分かる。
【0076】一方、耐久性と言う別の目的からは、1c
m幅切片における10%伸び加重が30gf以上の導電
性樹脂層を設ける事によって、その導電性樹脂層の構成
が単層積層のいかんにかかわらず、ローラー表面形態が
耐久試験後もランクX及びランクYで示した実用上問題
のない性能を有する事が分かる。更に、1cm幅切片に
おける10%伸び加重が100gf以上の導電性樹脂層
を設ける事によって、その導電性樹脂層の構成が単層積
層のいかんにかかわらず、ローラー表面形態が耐久試験
後もランクXで示した最適な性能を有する事が分かる。
【0077】尚、上記実施例は接触帯電装置が回転ロー
ラー形態であるが、本発明は上記形態に留まらず、図6
に示すようにブレード状の導電製支持体101上にJI
S−A硬度30°以下の導電製弾性体層102と、1c
m幅切片の10%伸び加重が700gf以下の導電製樹
脂層103を設けた片端支持形態としても良い。また、
本発明の帯電装置を転写チャージャーとして使用しても
よい。
【0078】
【発明の効果】本発明によると、高速度の画像形成装置
に使用した場合においても、接触帯電装置特有のローラ
ー弾みの発生を防止することができるので、画像濃度ム
ラが生じにくく安定して良好な帯電を行うことができ、
信頼性の高い接触帯電装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明帯電装置を組み込み使用する複写機の
主要部分の一例を示す概略構成図である。
【図2】 本発明に係る帯電装置の基本構成の横断面図
である。
【図3】 本発明に係る帯電装置の基本構成の縦断面図
である。
【図4】 本発明に係る帯電装置の別の構成の横断面図
である。
【図5】 本発明に係る帯電装置の別の構成の縦断面図
である。
【図6】 本発明に係る帯電装置の別の構成の横断面図
である。
【符号の説明】
1:感光体ドラム、2:帯電装置、3:現像装置、4:
転写チャージャー、5:クリーニング装置、6:イレー
サー、7:中間ローラー対、8:タイミングローラー
対、9:搬送ベルト、11,31,101:導電性支持
体、12,32,102:導電性弾性体層、13,10
3:導電性樹脂層、33:導電性樹脂層内層、34:導
電性樹脂層外層、100:コイルバネ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内本 吉博 大阪府羽曳野市南恵我之荘6−1−14

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 静電潜像担持体の表面移動速度が22c
    m/sec以上である画像形成装置に用いられる接触帯
    電装置であって、導電性支持体上にJIS−A硬度30
    °以下の導電性弾性層と、1cm幅切片における10%
    伸び加重が700gf以下の導電性樹脂層とを有するこ
    とを特徴とする接触帯電装置。
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