JPH07120194B2 - 無人搬送車の走行制御方法及びその装置 - Google Patents

無人搬送車の走行制御方法及びその装置

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JPH07120194B2
JPH07120194B2 JP63080904A JP8090488A JPH07120194B2 JP H07120194 B2 JPH07120194 B2 JP H07120194B2 JP 63080904 A JP63080904 A JP 63080904A JP 8090488 A JP8090488 A JP 8090488A JP H07120194 B2 JPH07120194 B2 JP H07120194B2
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    • G05D1/021Control of position or course in two dimensions specially adapted to land vehicles
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は無人搬送車の走行位置及び走行方向を走行コ
ース上に定めた定点にて補正しつつ走行させる走行制御
方法及びその装置に関する。
〔従来技術〕
工場内床面を軌条によらず、無人で走行する無人搬送車
の開発、実用化が進められている。無人搬送車の走行制
御方式には、誘導式と自律式の2つの走行方式がある。
誘導式は床面に設けられた光反射テープ又は電流を通し
た電線等のガイドを走行コースとして定め、それに倣い
自動走行する。また自律式は走行前に走行コースの走行
距離及び走行方向を記憶し、それに基づき自動走行す
る。
誘導式は走行コースとして定められたガイドの保守が必
要であり、また走行コースの変更が容易でないという問
題があった。
一方自律式は前述した誘導式の問題を解決するものであ
り、例えば無人搬送車にその左,右車輪の回転数に応じ
たパルスを累積、演算する演算装置を搭載し、搬送車を
経路の出発位置にセットし、走行開始と共にパルス数を
逐次計数して搬送車の位置及び方位を検出し、予め記憶
した走行コースに一致するよう誘導し、途中の定点で累
積走行誤差とを解消すべく位置及び方向を修正するもの
である。
自律式の従来技術としては、ITVカメラ等の撮像装置を
使用した光学式と、本発明者等の発明(特開昭59−1355
14号)になる磁石式とが公知である。
光学式は床面に工場内の座標位置を示すバーコード等の
定点を貼り付け、それを撮像装置により認識し、走行位
置及び走行方向を補正するものである。
しかしながら光学式は、床面に貼った定点の汚れ及び周
囲光量の影響を受け、定点の検出が正確にできない虞が
ある。
またIYVカメラ及びその画像処理装置は高価であり、処
理時間が長くなるので、その使用が制限されていた。
光学式の前述した問題を解決するものとして磁石式の前
記発明がある。前記発明においては走行コース上の定点
に配した磁石の磁界強さを検出するホール素子を車体の
移動方向と交差する方向に複数個並設し、そのホール素
子が磁石真上を境として左右の出力に極性の相違があ
り、その変化点を検出することにより、磁石とホール素
子との相対位置を算出し、それにより無人搬送車の走行
位置及び走行方向を補正している。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら前記発明では、走行しながらCPUで複数個
のホール素子をシリアルに走査し、磁界強さを検出して
いるので、各ホール素子毎に検出位置が異なり、実際に
は磁石に対して斜めのデータを検出しており、磁界強さ
の検出誤差が発生する虞があった。また走行中に1回の
走査で磁界強さを検出すると、磁石の真上で走査するこ
とが困難であり、さらに外部ノイズ、部分的なホール素
子の特性劣化、ホール素子の損傷、又は電源変動からく
る出力の不安定性等の要因により誤動作を起こす虞があ
る。
本発明は斯かる事情に鑑みなされたものであり、ホール
素子による磁石の走査をその前後にて複数回行うことに
より、二次元で前記磁石の位置を検出し、検出誤差が少
なく、誤動作を減少させる走行制御方法及び装置を提供
することをその目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
第1の発明に係る無人搬送車の走行制御方法は、走行位
置及び走行方向を検出しつつ走行する無人搬送車の走行
制御方法において、走行コース上の定点に走行方向に間
隔を隔てて配した各磁石の磁界強さを、車体の移動方向
と交差する方向に複数個並設した磁気検出素子にて、所
定のタイミングにて複数回検出し、これらの各磁気検出
素子の検出出力を3値化処理し、これを走行方向と、こ
れと交差する方向との2次元分布パターンに変換し、こ
の変換されたデータから値の高レベルの領域と低レベル
の領域とを検出し、両領域が存在する場合にはその中心
点を算出し、この中心点に基づいて、無人搬送車の走行
位置を算出し、また算出した無人搬送車の少なくとも
前,後2つの走行位置に基づき無人搬送車の走行方向を
算出し、この算出値に従って前記走行位置及び走行方向
を前記走行コースに倣わせるべく補正することを特徴と
する。
第2の発明に係る無人搬送車の走行制御装置は、走行位
置及び走行方向を検出しつつ走行する無人搬送車の走行
制御方法において、走行コース上の定点に走行方向に間
隔を隔てて配した複数の磁石と、車体の移動方向と交差
する方向に複数個並設され、前記磁石の磁界強さを検出
する磁気検出素子と、該磁気検出素子を前記磁石の近傍
にて所定のタイミングで複数回検出すべく制御する検出
制御部と、検出された磁界強さの検出出力を3値化処理
し、これを車体の移動方向とそれと交差する方向との2
次元分布パターンに変換し、この変換されたデータから
値の高レベルの領域と低レベルの領域とを検出し、両領
域が存在する場合にはその中心点を算出し、この中心点
に基づいて、無人搬送車の走行位置を算出し、また算出
した無人搬送車の少なくとも前,後2つの走行位置に基
づき無人搬送車の走行方向を算出する位置算出部と、前
記走行位置及び走行方向を前記走行コースに倣うべく補
正する演算制御部とを具備することを特徴とする。
〔作用〕
第1,2の発明にあっては走行コースに沿って所定の間隔
を隔てて配した複数の磁石の磁界強さを、車体の移動方
向と交差する方向に並設した磁気検出素子にて検出する
ことで、磁気検出素子の中央と各磁石との間の距離が求
まり、磁石間の距離は既知であるから車体の走行方向が
求まる。
また各磁石を磁気検出素子で複数回検出し、その検出出
力を3値化処理し、これを車体の移動方向と、これと交
差する方向との2次元分布パターンに変換し、この変換
データから磁石の中心位置、換言すれば走行位置を正確
に認識し得る。
〔実施例〕
以下本発明をその実施例を示す図面に基づき詳述する。
第1図は本発明に係る走行制御装置(以下本発明装置と
いう)を搭載した無人搬送車の斜視図であり、1は左右
一対の駆動輪1,1r及び前後左右に配されたキャスタ2
fl,2fr,2bl,2brに支持された車体であり、駆動輪1、
1rはモータ21,21rに直結し、各別に回転可能となって
いる。各モータ21,21rには夫々の回転数に応じたパル
スを発生するパルスジェネレータPGl,PGrが付設されて
いる。第2図は磁気検出装置の構成を示す模式的正面図
であり、車体1の中央部下面には64個の磁気検出素子た
るホール素子S1,S2…S64が相互に一定の距離lを隔て
て車体1の移動方向と交差する左右方向に一直線上に並
列配置されてなる磁気検出装置11がその中心を車体1の
中心と一致させ配設されており、床面Fの走行コース上
に所定間隔で埋設された1対の円柱状の磁石Mj,i(1対
の磁石Mj,iのうち車体1の移動方向の前方に位置する磁
石をMj、後方のをMiとする)からなる定点M,M…と車体
1との相対位置を検出する。また車体1にはその電源で
ある4つのバッテリ5a,5b,5c,5d、車体1の走行コース
の設定及びその手動走行等の操作に使用する操作パネル
3、車体1と外部との通信を行うワイヤレス通信モジュ
ール4、磁気検出装置11の出力を処理する検出回路30、
駆動輪1,1rの制御を行う操向制御回路20、検出回路3
0を制御するCPU35及び操向制御回路20用のCPU23が設け
られている。
次に本発明の要旨である定点M,M…と車体1との相対位
置を算出する方法について述べる。第3図は各ホール素
子S1,S2…とその出力との関係を示すグラフであり、縦
軸に出力を、また横軸にはホール素子の位置を示してお
り、ここでは説明を簡略化するためにホール素子の数が
16個として説明する。
各ホール素子S1,S2…の夫々の出力Diが検出されると、
その出力Diと上閾値Us又は下閾値Lsと比較し、下記の条
件式(1)〜(3)で3値化する。
Di≧Us …高レベル(=2) …(1) Ls<Di<Us …中間レベル(=1) …(2) Di≦Ls …低レベル(=0) …(3) なおこの3値比は、車体1が定点M,M…の磁石Mj及び磁
石Miの手前約7mmに接近したことをCPU23にて駆動輪1
,1rの回転数により算出し、CPU23からCPU35に接近信
号が出力され、CPU35によりホール素子S1から同S16への
順で車体1が15mm移動する毎に10回ホール素子S1,S2
を走査し、磁石Mj及び磁石Miの磁界の強さを検出するご
とに行われる。
第4図は各走査毎の3値化された各ホール素子の出力を
示す図であり、行は走査回数を示し、また列はホール素
子番号を示している。そして第4図の第5列は第3図の
場合を示している。
第4図に実線で示す如く、磁石Mj及びMi近傍を車体1が
通過すると、高レベルの領域と低レベルの領域とが現
れ、磁石Mj及び磁石Miから離隔した位置を通過すると中
間レベル又は高レベル(又は低レベル)を含む片領域が
現れるか、又は何も領域が現れない。
1行分について高(又は低)レベルの要素とその逆の要
素とが各別にかたまった領域が存在する場合、両領域の
間の中心点の横座標を求めると共に、両領域間の左右端
の距離を求める。また片領域だけが存在する場合、その
行における当該領域の左端及び右端の横座標を求め、い
ままでの左限,右限値を更新する。さらにかたまった領
域を形成しない場合には何も更新せずに次の行処理に移
る。
第5図は以上のことを説明する図であり、第4図の第4
行の中心の横座標を求めるアルコリズムを示している。
前述した処理を行うために所定の長さGI(本実施例では
G1=6)を有するウィンドウを用いる。このウィンドウ
を各行の左端から1列ずつずらして移動し、各ウィンド
ウの左端のデータと右端のデータとを読取り、左端に高
(又は低)レベルのデータA(又はB)があると、その
ときに領域の左端を検出しているので、領域出現回数U1
を1にセットする(第5図においては3回目の移動
時)。この領域出現回数U1の連続出現回数の片領域下限
値L1を予め設定し(本実施例ではL1=3)、次の移動の
とき左端にデータA(又はB)があると領域出現回数U1
を1だけ増す。尚前記片領域下限値L1と領域出現回数U1
とが一致すると片領域が形成されたと判定する。また左
端に高(又は低)レベルのデータA(又はB)が読取ら
れ、右端にその逆のデータB(又はA)が読取られたと
きは、高低対が1回出現し両領域を検出しているので、
領域対出現回数U2を1にセットする(第5図においては
5回目の移動時)。この領域対出現回数U2の連続出現回
数の両領域下限値L2を予め設定し(本実施例ではL2=
3)、次の移動のときデータの両端にデータA及びデー
タBが対で存在すると領域対出現回数U2を1だけ増す。
そして領域対出現回数U2が両領域下限値L2と一致すると
ウィンドウの移動は終了する。ウィンドウの移動及び10
回の走査が終了すると、各行番号Jの左側の領域の右端
の座標X1(J)と、右側の領域の左端の座標X2(J)と
を求める(本実施例の第4行ではX1(4)=7,X2(4)
=10)。
各行番号Jの前記座標X1(J),X2(J)が求まると、
両領域の最短距離Dminを持つ行番号を求める。
両領域の距離Dは D=X2(J)−X1(J) …(4) で求まるので、この距離Dが最短距離Dminである行番号
Eを求める。同じ最短距離Dminを持つ行が複数行続けて
現れる場合、その開始行番号E0と収支行番号E1とを記憶
し、その平均値Y1=(E0+E1)/2を求めると共に、夫々
の中心座標Z(E0),Z(E1) Z(E0)=(X1(E0)+X2(E0))/2 Z(E1)=(X1(E1)+X2(E1))/2 の平均値 Z1=(Z(E0)+Z(E1))/2 を求める。そしてMP(Z1,Y1)が2次元平面における両
領域の中心点となる。
例えば第4図に示す例では、最短距離Dmin=1となり開
始行番号E0=5、終止行番号E1=6、平均値Y1=5.5、
中心座標Z(E0)=(8+10)/2=9、Z(E1)=(8
+10)/2=9、平均値Z1=9となる。
前述した演算アルゴリズムにより、中心座標の平均値Z1
を各磁石Mj,Mi毎に求め、それにより車体1の位置補正
を行う。
第6図は車体が定点Mを通過するときの車体と走行コー
スとの関係を示した図であり、Y軸は走行コースの移動
方向を示し、y軸は車体の進行方向を示している。また
実線は磁石Mi上に磁気検出装置11があるときの、磁気検
出装置11及び車体1の位置を示し、2点鎖線は磁石Mj上
に磁気検出装置があるときの、磁気検出装置11及び車体
1の位置を示している。さらにL1,L1は磁石Mj,Miと磁
気検出装置11の中心との距離を示し、前記平均値Z1によ
り求める。そしてY軸とy軸とのなす角をθとし、車
体1が磁石Miを通過後に磁気検出装置11の中心からの磁
石Miの距離L2が判明するまでに走行した距離をLOV
し、距離L2が判明したときのX−Y座標系での位置及び
方向をR(XR,YR),θとすると、 θ=SIN-1{(L1−L2)/L} …(5) XR=−L2COSθ+LovSINθ …(6) YR=YN−|L2|SIN|θ|+LOVCOSθ …(7) 上記式(5),(6),(7)にて前記位置及び方向が
求められる。
而して車体1の駆動輪1,1r夫々の回転数によって逐
次決定して得た車体1の走行位置、走行方向を、上述し
た如く走行コースY軸上の定点Mに配した磁石Mi,Mjと
ホール素子S1〜S64との相対位置に基づき別途算出した
車体1のより正確な走行位置R,走行方向θと一致する
よう修正することによって、それ迄に累積された誤差を
解消出来ることとなる。
以下具体的な走行制御回路につき説明する。
第7図は車体1に搭載された走行制御系を示すブロック
図であり、図中20は走行制御回路、30は検出回路を示し
ている。
パルスジェネレータPGl,PGrにより発生したパルスは入
力インターフェース22l,22rを経て操向用のCPU23(以下
第1のCPUという)に取り込まれる。第1のCPU23はROM
(読み出し専用メモリ)24から読み込んだ制御プログラ
ムに従ってパルスを計数し、車体1の走行位置及び走行
方向をリアルタイムで演算し、操向制御信号を出力す
る。この制御信号は出力インターフェース26l,26rを通
じてパルス数として減算器27l,27rに出力され、パルス
ジェネレータPGl,PGrからフィードバック信号として与
えられるパルス数との差に相当する信号がD/A(ディジ
タル/アナログ)変換器28l,28r、増幅器29l,29rを経て
モータ21,21rに入力され、モータ21,21rの回転数が
個別に制御され、車体1の操向が行われるようになって
いる。25はRAM(ランダムアクセスメモリ)である。
一方、検出回路30における前述した各ホール素子S1〜S
64は定電流回路31に接続され、常時一定方向に電流が通
流せしめられており、その各出力電圧は夫々増幅器32,3
2…にて増幅され、次いでA/D(アナログ/ディジタル)
変換器33,33…、マルチプレクサ34を経て定点Mにおけ
る基準値演算用のCPU35(以下第2のCPUという)に取り
込まれる。第2のCPU35はROM36から読み出した制御プロ
グラムに従って車体1が磁石Mi,Mjに接近し、通過する
都度、前述した如く各ホール素子S1〜S64を10回走査
し、その出力に基づき磁石Mi,Mj上を通過した車体の移
動方向と直交する方向の位置を決定し、RAM37から読み
出した走行経路中の磁石Mi,Mjの座標値に基づき定点M
における車体1の走行位置、走行方向を算出し、第1の
CPU23に出力する。第1のCPU23は第2のCPU35から出力
があったときはこの出力値を基準にしてリアルタイムに
検出している車体1の走行位置及び走行方向を補正し、
この新たな補正値に基づき定められた走行コースに車体
1を沿わせるべく駆動輪1,1rのモータ21,21rを制
御するようになっている。
第8図は車体1の走行経路の一部を示す平面図であり、
車体1を第8図に示す走行経路のうち、例えばA−B−
Cのコースに沿って走行させる場合の操向制御過程を、
第9図に示す第1のCPU23のフローチャート、並びに第1
0図に示す第2のCPU35のフローチャートと共に説明す
る。先ず工場内全体の走行経路が第8図に示す如く、碁
盤目状に定められているものとすると、向場内の適当な
位置を選んで原点Oを定め、横方向にx軸を、縦方向に
y軸をとった二次元座標に基づき走行経路の全定点M,M
…の磁石M1〜M24の座標値を決定し、例えば第11図に示
す如き態様でRAM37に格納する。第11図はRAM37のメモリ
内容を示す概念図であり、各アドレスAdrs1〜Adrs24に
割り当てた磁石M1〜M24とそのx座標xM1〜xM24、y座標
yM1〜yM24が格納されている。いま車体1の走行スケジ
ュールが定められ、その走行コースA−B−Cについて
のデータ、例えば▲▼,▲▼間の距離、或いは
走行方向(直線)が第2のCPU35に入力されると(第10
図のステップ1)、走行コース上の定点Mにおける磁石
M5〜M8がRAM37から読み出され、走行順序に並べ変えら
れてRAM37の別の領域に例えば第12図に示す如き態様で
格納される(第10図のステップ2)。第12図はRAM37の
メモリ内容を示す概念図であり、各アドレスAdrs1〜Adr
s4に割り当てた磁石M8〜M5とそのx座標、y座標が格納
される。
そしてAdrs1の内容をバッファに記憶しておく(第10図
のステップ3)。次に車体1が現に存在している位置、
即ち初期位置及び方向を第1のCPU23に入力し(第9図
のステップ1)、走行を開始せしめる。走行開始と同時
に各パルスジェネレータPGl,PGrから発せられるパルス
を第1のCPU23にて順次計数し、左,右駆動輪1,1rの
回転数から車体1の走行位置及び走行方向を順次リアル
タイムで演算し(第9図のステップ2)、車体1が定点
Mに接近したか否かを判断し(第9図のステップ3)、
定点Mに接近していないときはRAMから読み出した走行
コースデータ(ここでは直進のみ)とリアルタイムで演
算して得た走行位置、走行方向とを比較し(第9図のス
テップ5)、走行コースに沿って走行するために必要な
左,右駆動輪1,1rの回転数を算出し、夫々のモータ2
1,21rに制御信号を出力する(第9図ステップ6)。
そして終点か否かを判断し(第9図のステップ7)、終
点でなければ、ステップ2に戻りこの過程を車体1が定
点Mに接近する迄反復する。
一方、第2のCPU35においては車体1が走行を開始する
と、車体1が磁石M8に接近するタイミングでホール素子
列が定点Mを検出したか否か、換言すればホール素子列
が磁石M8上を通過したか否かを判断し(第10図のステッ
プ5)、ホール素子列が磁石M8上を通過したときは車体
の移動方向と直交する方向の位置を求めてL1を算出する
と共にバッファには次の磁石M6の内容を記憶させる(第
10図のステップ6)。次いでホール素子列が磁石M7に接
近したか否かを判断し(第10図のステップ7)、磁石M7
上に達したことが検出されると車体の移動方向と直交す
る方向の位置を求めてL2を算出すると共にバッファに記
憶されている磁石M7の座標を読み出し、且つバッファに
は新たに次の定点Mにおける磁石M5の内容を記憶させる
(第10図のステップ8)。そして前記(5)式に従って
定点Mにおける車体1の走行方向θを算出し(第10図
のステップ)、また前記(6),(7)式に従って前記
距離Lovの座標R(XR,YR)を算出し(第10図のステッ
プ10)た後、これを第1のCPU23へ出力すると共に、走
行コース上に未だ定点Mが残存しているか否かを判断し
(第10図のステップ11)、残っていない場合には制御を
終了し(第10図のステップ12)、また残っているときは
ステップ5に戻って上述した過程を反復する。
上述の如く車体1が定点Mに接近してそのホール素子列
が磁石Mj,Mi上を通過し、その位置が判明したときの車
体1の位置R(XR,YR)、走行方向θがCPU35にて算
出されると、第1のCPU23において第9図に示すステッ
プ3で車体1が定点Mに接近したと判断し第2のCPU35
から車体1の基準とすべき位置R(XR,YR)、走行方向
θを取り込み、これを左,右駆動輪1、1rの回転数
に基づきリアルタイムに検出した車体1の走行位置、走
行方向と置き換える。この置き換え操作により走行位置
及び走行方向の累積誤差が解消せしめる(第9図ステッ
プ4)。この置き換えによって得た新たな走行位置、走
行方向をベースにして、再びこれをRAMから読み出した
走行コースデータと比較して(第9図のステップ6)、
両者の差を解消して車体1を走行コースに沿わせるべく
左,右駆動輪1,1rのモータ21,21rに制御信号を出
力する(第9図のステップ6)。車体1が走行コースの
終点、即ちC点に達したか否かを判断し(第9図のステ
ップ7)、終点に達しているときは制御を終了し(第9
図のステップ8)、終点に達していないときは再びステ
ップ2に戻ってパルスジェネレータPGl,PGrに基づく出
力に従って走行位置、走行方向をリアルタイムで算出
し、前述した過程を反復してゆく。
なお本実施例ではホール素子S1〜S64を車体1の中央部
に車体の移動方向と直交する向きに一定間隔で配列した
構成につき説明したが、このホール素子の配列位置、配
列個数については特に限定するものではなく、例えば配
列位置は車体1の後端部、前端部等であってもよく、ま
た配列個数はこれを増す程、磁石と車体との相対位置の
検出精度が向上するから、必要に応じて定めればよい。
また本実施例においてはホール素子S1〜S64を車体1の
中央部のみに設ける構成につき説明したが、前端部,中
央部,後端部のいずれか2個所に配列する構成としても
よく、この場合には磁石Mを2個所のホール素子列が通
過するときの各ホール素子出力から車体1の走行位置、
走行方向を検出し得ることとなり、磁石の設定個数を低
減し得る効果がある。また本実施例では、ホール素子の
出力のばらつきの影響を排除するためにその出力を3値
化してその二次元分布を求めたが、これは2値化してそ
の分布を求めてもよい。
また本実施例では領域判定条件として、片領域下限値L1
及び両領域下限値L2を用いたが、両領域存在の判定条件
として雑音等の影響を考慮して、両領域下限値L2の他
に、ウィンドウの移動が各行の右端までいったときは、
ウィンドウの右側に低レベルのデータB以外の出現回数
U4と行の右端において許容される雑音個数L7との関係が
U4≦L7であればU2<L2であっても両領域存在と判定して
もよい。また領域の雑音許容条件として異質値出現回数
U3と領域途中に表れる許容雑音個数L3とがU3>L3とな
り、かつU1<L1のとき領域未形成とする判定を付加して
もよい。さらに本実施例では画像処理の高速化を計るた
め、所定長さを有するウィンドウを用い、ウィンドウの
移動による大小判別のみにより中心位置を求めている
が、本発明はこれに限るものではなく、通常の画像処理
の如く図形を抽出しその重心を求めることにより中心位
置を求めてもよい。
さらにまた、本実施例では定点に2個の磁石を走行コー
ス上の車体の進行方向に設けているが、本発明はこれに
限るものではなく、前記磁石は車体の進行方向と交差す
る方向に設け、それを検出することにより、定点におけ
る累積誤差を解消せしめるようにしてもよい。
〔発明の効果〕
以上詳述した如く、本発明方法及び装置にあっては、走
行経路上の定点に走行コースに沿って所定の間隔を隔て
て複数の磁石を配設し、車体の移動方向と交差する方向
に並設した磁気検出素子にて前記磁石の磁界強さを検出
することで磁気検出素子の配列中心と各磁石とのずれ及
び両磁石間の距離から容易に車体の走行方向が得られ
る。
また磁石の磁界強さを車体の移動方向と直交する方向に
配した複数の磁気検出素子により、複数回検出し、検出
出力を3値化し、その2次元分布パターンを求めること
で正確に磁石の中心位置を認識することが出来、磁気検
出素子の特性劣化、損傷及び電源変動からくる出力の不
安定性等の要因による誤動作が少なく、磁気検出素子の
検出精度を向上させることができ、定点における累積誤
差の解消を精度よく行い、長距離の無人走行を安定して
行うことができる等優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す無人搬送車の斜視図、
第2図は磁気検出装置の構成を示す模式的正面図、第3
図は各ホール素子とその出力との関係を示すグラフ、第
4図は各走査毎の3値化されたホール素子の出力を示す
図、第5図は中心位置を求めるアルゴリズムを示す図、
第6図は定点での車体と走行コースとの関係を示す図、
第7図は本発明に係る走行制御系を示すブロック図、第
8図は車体の走行経路の一部を示す平面図、第9図は第
1のCPUの制御内容を示すフローチャート、第10図は第
2のCPUの制御内容を示すフローチャート、第11図は第
2のCPUに付設されているRAMの記憶内容を示す概念図、
第12図は走行コースの設定によりソーティングされた状
態のRAMの記憶内容を示す概念図である。 1……車体、1,1r……駆動輪、1f,1b……従動輪、11
……磁気検出装置、20……操向制御回路、21,21r……
モータ、22,22r……入力インターフェース 23……第1のCPU、24……ROM、25……RAM 26l,26r……出力インターフェース 27l,27r……減算器、28l,28r……D/A変換器 29l,29r……増幅器、30……検出回路、31……定電流回
路、32……増幅器、33……A/D変換器 34……マルチプレクサ、35……第2のCPU 36……ROM、37……RAM、PGl,PCr……パルスジェネレー
タ、Mi,Mj,……磁石、M……定点 S1,S2・・・S64……ホール素子

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】走行位置及び走行方向を検出しつつ走行す
    る無人搬送車の走行制御方法において、 走行コース上の定点に走行方向に間隔を隔てて配した各
    磁石の磁界強さを、車体の移動方向と交差する方向に複
    数個並設した磁気検出素子にて、所定のタイミングにて
    複数回検出し、これらの各磁気検出素子の検出出力を3
    値化処理し、これを走行方向と、これと交差する方向と
    の2次元分布パターンに変換し、この変換されたデータ
    から値の高レベルの領域と低レベルの領域とを検出し、
    両領域が存在する場合にはその中心点を算出し、この中
    心点に基づいて、無人搬送車の走行位置を算出し、また
    算出した無人搬送車の少なくとも前,後2つの走行位置
    に基づき無人搬送車の走行方向を算出し、この算出値に
    従って前記走行位置及び走行方向を前記走行コースに倣
    わせるべく補正することを特徴とする無人搬送車の走行
    制御方法。
  2. 【請求項2】走行位置及び走行方向を検出しつつ走行す
    る無人搬送車の走行制御装置において、 走行コース上の定点に走行方向に間隔を隔てて配した複
    数の磁石と、 車体の移動方向と交差する方向に複数個並設され、前記
    磁石の磁界強さを検出する磁気検出素子と、 該磁気検出素子を前記磁石の近傍にて所定のタイミング
    で複数回検出すべく制御する検出制御部と、 検出された磁界強さの検出出力を3値化処理し、これを
    車体の移動方向とそれと交差する方向との2次元分布パ
    ターンに変換し、この変換されたデータから値の高レベ
    ルの領域と低レベルの領域とを検出し、両領域が存在す
    る場合にはその中心点を算出し、この中心点に基づい
    て、無人搬送車の走行位置を算出し、また算出した無人
    搬送車の少なくとも前,後2つの走行位置に基づき無人
    搬送車の走行方向を算出する位置算出部と、 前記走行位置及び走行方向を前記走行コースに倣うべく
    補正する演算制御部と を具備することを特徴とする無人搬送車の走行制御装
    置。
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