JPH0712011Y2 - リボン駆動機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔目次〕 ・概要 ・産業上の利用分野 ・従来の技術 ・考案が解決しようとする問題点 ・問題点を解決するための手段 ・作用 ・実施例 ・考案の効果 〔概要〕 リボン送りローラを内蔵する多色リボンカセットを揺動
させてリボンをシフトさせるプリンタにおいて、上記リ
ボン送りローラ軸に設けた孔内に係入してこれを回転駆
動するための駆動手段を軸方向に可動とするとともに軸
線に対し任意の方向に揺動可能に構成したリボン駆動機
構。

〔産業上の利用分野〕

本考案は、２色又はそれ以上の色のリボンを収容した多
色リボンカセットを揺動させてリボンシフトを行う多色
プリンタのリボン駆動機構に関する。

〔従来の技術〕

従来のプリンタのインクリボン駆動機構は、リボンカセ
ット内のリボン送りローラ軸に設けた長孔内に扁平な駆
動片を挿入しこれを回転させて送りローラを駆動してい
た。この駆動片は回転軸の位置を固定した状態でプリン
タ本体に設けられ、カセットを本体に装着すると自動的
にカセットのリボン送りローラ軸と係合するように構成
されていた。

一方、多色リボンカセットを装着したプリンタにおいて
リボンシフトを行う場合、シフトスペースの減少を図る
ため、カセット全体を上下に（リボン面に平行に）シフ
トさせる動作に代えて、カセットをその側面の回転軸を
中心に揺動回転させ、リボン面を揺動させてリボンシフ
トを行うプリンタが開発されている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

リボンシフトをカセットの揺動により行う多色プリンタ
において、前記従来のリボン駆動機構を用いると、カセ
ット内のリボン送りローラと係合しこれを回転駆動する
駆動片が固定位置にあるため、リボンシフト動作が円滑
に行われない場合があった。

本考案は上記従来技術の欠点に鑑みなされたものであっ
て、多色リボンカセットの揺動シフト動作を円滑に行う
ことができるリボン駆動機構の提供を目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

この目的を達成するため、本考案では、リボン送りロー
ラを内蔵する多色リボンカセットを揺動させてリボンを
シフトさせるプリンタのリボン駆動機構であって、上記
リボン送りローラの軸に設けた孔内に、一端が係入して
これを回動駆動するための駆動片を有する駆動手段を有
し、上記駆動手段を軸方向に可動するとともに、軸線に
対し任意の方向に揺動可能とすべく、モータに連結され
るギヤ部の中央部に前記駆動片の断面形状よりやや大き
い貫通孔を設け、該貫通孔に前記駆動片の下端部を挿通
して、上下及び傾斜可能に係止するとともに、上記貫通
孔の内壁との係触により、上記ギヤ部の回転運動が伝達
されるよう構成している。

〔作用〕

リボンカセット内の送りローラと係合する本体側に設け
た駆動手段がカセットの揺動に伴い、回転駆動軸の軸方
向に移動しかつ任意の方向に揺動して、カセットの揺動
動作を妨げない。

〔実施例〕

第１図に本考案実施例の構成を示す。（ａ）図および
（ｂ）図は各々相互に直角な方向からみた垂直断面図で
ある。後述するリボンカセットのリボン送りローラを駆
動するための駆動機構１は、図示しないモータと連結す
る駆動ギヤ２およびこの駆動ギヤ２のハブ７に装着され
た駆動片10からなる。駆動片10はピン３を介してスプリ
ング受け４に係合する。スプリング受け４とハブ７間に
はスプリング５が配設されスプリング受け４およびピン
３を介して駆動片10を常に上方に付勢する。駆動片10の
下部はハブ７に設けられた前記駆動片10の断面形状より
やや大きい貫通孔８に挿通され、ピン６を介してハブ７
に取付けられる。ピン６は駆動片10の下部に形成された
長孔９を貫通してハブ７に固定される。従って、駆動片
10はその中心軸（回転軸）方向に（上下に）移動可能で
あり、上から押圧されれば（ａ）図の状態からスプリン
グ５の力に抗して矢印Ｃのように下方に移動する。ま
た、ハブ７の駆動片貫通孔８は駆動片10の断面形状より
やや大きく形成されており、駆動片10との間に隙間8aを
形成して駆動片10を何れの方向にも傾斜可能とする。従
って、駆動片10は相互に直角な（ａ）図矢印Ａおよび
（ｂ）図矢印Ｂの方向に揺動可能であり、またA,Bの中
間の任意の方向に揺動可能である。

以上のような構成のリボン駆動機構を組込んだプリンタ
の構成を分解して第２図に示す。このプリンタは、プラ
テン11を備えたプラテンユニット12と、前記リボン駆動
機構１を装着したベースフレーム13と、印字ヘッド14を
搭載したキャリア15を支持するキャリアユニット16によ
り構成される。リボン駆動機構１は、第４図に示すよう
に、モータ35を備え、駆動片10の駆動ギヤ２（第１図）
に回転を伝達する。このモータ35はさらにキャリア15を
駆動するためのベルト17を駆動する。図示しないワンウ
ェイクラッチ等の手段により、駆動片10は常に同一方向
（リボン送り方向）に回転し、かつベルト17は往復運動
するようにモータ35の回転が駆動片10およびベルト17に
伝達される。キャリアユニット16はその両側のサイドフ
レーム18がベースフレーム13に固定され、このサイドフ
レーム18に対し軸20を中心に矢印Ｄのように揺動可能に
リボンフレーム19が装着される。リボンフレーム19には
リボン駆動機構１の駆動片10が貫通する孔21が設けられ
る。一方のサイドフレーム18にはシフト用モータ22が固
定される。このモータ22はベルト23を正逆方向に駆動
し、このベルト23に一端を固定したシフトレバー24を介
してリボンフレーム19を矢印Ｄのように揺動させる。こ
のリボンフレーム19上には、第３図に示すようなリボン
カセット25が搭載される。第３図（ａ）はリボンカセッ
ト全体の斜視図、第３図（ｂ），（ｃ）は各々リボンカ
セット25のリボン送り機構部28の上面図および底面図で
ある。本体ケース26内に多色リボン27が折重なって収容
される。本体ケース26の両側のアーム26a,26b間にこの
多色リボン27が本体ケース26から引出されて印字部のリ
ボン27aとして張設される。この多色リボン27,27aは例
えば黒、赤、黄、青の４色からなり、上下に４段に分割
されている。本体ケース26と印字部のリボン27a間のス
ペース36内を印字ヘッド14（第２図）が摺動し印字を行
う。リボン送り機構部28は、一対の送りローラ30および
ピンチローラ31からなり、両ローラ30,31間にリボン27
を挟んでリボン送り動作を行う。送りローラ30の軸34の
底部には長孔32が設けられる。この長孔32に対応する位
置の本体ケース26の底板に孔33が形成される（（ｃ）
図）。この長孔32内にリボン駆動機構１の駆動片10（第
１図、第２図）が係入し送りローラ30を回転駆動させ
る。

以上のような構成のプリンタにおいて、多色リボンの選
択指令に応じてシフト用モータ22が回転しヘッド23およ
びシフトレバー24を介してリボンフレーム19上のリボン
カセット25を回転させ、印字部のインクリボン27aのう
ち選択された色のリボンを印字ヘッド14の印字ドットワ
イヤに対面した印字位置にシフトさせる。このようなシ
フト動作がプリンタの印字動作中繰返されリボンフレー
ム19は矢印Ｄ（第２図）のように揺動動作し、これに伴
いリボンカセットも同じ揺動動作を行う。従って、リボ
ンカセット25内に設けたリボン送りローラ30の軸34も同
様に揺動動作を行う。この軸34の揺動動作に追従して、
長孔32内に係入しているリボン駆動機構１の駆動片10が
その軸方向に上下に移動しかつその軸に対し任意の方向
に揺動する。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案に係るリボン駆動機構にお
いては、リボンカセット内のリボン送りローラに係合し
てこれを回転駆動するための駆動手段（駆動片10）がそ
の回転軸方向に移動可能でかつ回転軸に対し任意の方向
に揺動可能に構成されている。従って、多色リボンカセ
ットの揺動シフト動作に追従してこの駆動片が揺動動作
するため円滑なシフト動作が達成され、また、リボン駆
動の回転伝達が確実に行われる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例の構成図、第２図は本考案が適用
されるプリンタの構成図、第３図は本考案が適用される
リボンカセットの構成図、第４図は本考案に係るリボン
駆動機構の構成図である。 １……駆動機構、10……駆動片、19……リボンフレー
ム、25……リボンカセット、27,27a……リボン、30……
送りローラ、32……長孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】リボン送りローラを内蔵する多色リボンカ
   セットを揺動させてリボンをシフトさせるプリンタのリ
   ボン駆動機構であって、上記リボン送りローラの軸に設
   けた孔内に、一端が係入してこれを回動駆動するための
   駆動片を有する駆動手段を有し、上記駆動手段を軸方向
   に可動とするとともに、軸線に対し任意の方向に揺動可
   能とすべく、モータに連結されるギヤ部の中央部に前記
   駆動片の断面形状よりやや大きい貫通孔を設け、該貫通
   孔に前記駆動片の下端部を挿通して、上下及び傾斜可能
   に係止するとともに、上記貫通孔の内壁との係触によ
   り、上記ギヤ部の回転運動が伝達されるよう構成されて
   なることを特徴とするリボン駆動機構。