JPH07119845B2 - 光学部品 - Google Patents

光学部品

Info

Publication number
JPH07119845B2
JPH07119845B2 JP2323538A JP32353890A JPH07119845B2 JP H07119845 B2 JPH07119845 B2 JP H07119845B2 JP 2323538 A JP2323538 A JP 2323538A JP 32353890 A JP32353890 A JP 32353890A JP H07119845 B2 JPH07119845 B2 JP H07119845B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
film
optical component
silicon dioxide
tantalum pentoxide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2323538A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04191801A (ja
Inventor
俊 西尾
謙一 新出
弘次 佐藤
Original Assignee
ホーヤ株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ホーヤ株式会社 filed Critical ホーヤ株式会社
Priority to JP2323538A priority Critical patent/JPH07119845B2/ja
Publication of JPH04191801A publication Critical patent/JPH04191801A/ja
Publication of JPH07119845B2 publication Critical patent/JPH07119845B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、反射防止膜を有する光学部品に関し、特に眼
鏡レンズに好適に用いられる。
〔従来の技術〕
ジエチレングリコールビスアリルカーボネート樹脂(一
般にCR-39樹脂と呼ばれている)などのプラスチック基
材の表面の反射防止特性を改善するために、このプラス
チック基材上に反射防止膜を成膜することは良く知られ
ている。このような光学部品として、例えば特開昭56-1
16003号公報には、基材をCR-39樹脂とし、CR-39樹脂上
に、基材側から順に二酸化ケイ素からなる膜厚が3/2λ
の第1層と、二酸化ジルコニウム層と二酸化ケイ素層と
によって構成される2層等価膜からなる合計膜厚が約λ
/4の第2層と、二酸化ジルコニウムからなる膜厚が約λ
/2の第3層と、二酸化ケイ素からなる膜厚が約λ/4の第
4層とを有する反射防止膜を設けた光学部品が開示され
ている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、前述の特開昭56-116003号公報に開示さ
れている光学部品は、その反射防止膜は充分な耐擦傷
性、密着性を有しているが、第3層に膜厚がλ/2の二酸
化ジルコニウムからなる層を形成していることにより耐
熱性、反射防止効果が不十分であるという問題点があ
り、さらに、例えば眼鏡レンズとして使用する場合には
以下の問題点を有していた。
(1) この反射防止膜を有する眼鏡レンズを例えばセ
ルロースアセテート製眼鏡フレームに枠入れする際に
は、前記眼鏡フレームを加熱し変形させて枠入れを行っ
ている。前記眼鏡フレームを加熱すると前記眼鏡レンズ
も加熱されやすく反射防止膜にクラックが生じやすい。
(2) この反射防止膜を有する眼鏡レンズの視感反射
率は約1.5%であり、ゴースト現象は完全には解消され
ているとは言えない。
従って本発明の目的は、耐擦傷性、密着性等の基本的性
質を満足するだけでなく、基板を透明合成樹脂としたと
きに、従来の反射防止膜よりも耐熱性に優れ、枠入れの
際加熱されてもクラックが生じることがなく、しかも反
射防止効果に優れた光学部品を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は上述した目的を達成するためになされたもので
あり、本発明の光学部品は、透明合成樹脂基材の上に、
基材側から順に、二酸化ケイ素からなる第1層;五酸化
タンタル又は三酸化イットリウム層と、二酸化ケイ素層
と、五酸化タンタル又は三酸化イットリウム層とによっ
て構成される3層等価膜からなる第2層;二酸化チタン
と、五酸化タンタル、二酸化ジルコニウム、三酸化イッ
トリウムから選ばれる1種以上の金属酸化物との混合物
からなる第3層;及び二酸化ケイ素からなる第4層を積
層してなることを特徴とするものである。この本発明を
以下、本発明の光学部品(A)という。
また本発明の光学部品は、透明合成樹脂基材の上に、基
材側から順に、二酸化ケイ素からなる第1層;二酸化ケ
イ素層と、五酸化タンタル又は三酸化イットリウム層
と、二酸化ケイ素層とによって構成される3層等価膜か
らなる第2層;二酸化チタンと、五酸化タンタル、二酸
化ジルコニウム、三酸化イットリウムから選ばれる1種
以上の金属酸化物との混合物からなる第3層;及び二酸
化ケイ素からなる第4層を積層してなることを特徴とす
るものである。この本発明を以下、本発明の光学部品
(B)という。
先ず、本発明の光学部品(A)について説明する。
本発明の光学部品(A)は、透明合成樹脂基材上に、反
射防止効果を担う第1層、第2層、第3層及び第4層を
順次設けてなるものである。反射防止膜は実質的にλ/4
膜−λ/4膜−λ/2膜−λ/4膜を基本膜設計とするのが好
ましい。
先ず第1層は、二酸化ケイ素からなり、前述のλ/4膜−
λ/4膜−λ/2膜−λ/4膜からなる基本膜設計において、
最初のλ/4膜に相当し、その膜厚は実用上0.24λ〜0.26
λの範囲が好ましい。
第1層を構成する物質として二酸化ケイ素を選択した理
由は、二酸化ケイ素の蒸着膜は、他の蒸着膜に比べプラ
スチックとの付着力が強く、また硬度が高いので優れた
耐擦傷性が得られ、しかも膨張係数が大きいプラスチッ
クにも良く耐え、クラックが入りにくいからである。ま
たその膜厚の実用上好ましい範囲を0.24λ〜0.26λとし
た理由は、基材と反射防止膜との密着性と、反射防止膜
の硬度を高め、反射防止膜の耐擦傷性が向上するだけで
なく、後記の第2層、第3層及び第4層の組み合わせか
らなる反射防止膜の反射防止効果を最大限に発揮するこ
とができるからである。
なお、実質的な第1層の屈折率は1.43〜1.47である。
次に、前記の第1層の上に形成される第2層は、第1層
から数えて五酸化タンタル又は三酸化イットリウム層
と、二酸化ケイ素層と、五酸化タンタル又は三酸化イッ
トリウム層の順で構成される3層等価膜である。その膜
厚は実用的には前述した基本膜設計の理由より0.22λ〜
0.28λの範囲が好ましい。第2層を3層等価膜とし構成
する物質と成膜順を前述の如く選択した理由は、以下に
述べる通りである。
(イ) これらの物質からなる3層等価膜にすることに
より、第2層の屈折率を例えば1.65〜1.75に、そして膜
厚を例えば0.22λ〜0.28λとそれぞれ所望の値に調整で
き、この第2層と、第1層、第3層及び第4層との屈折
率及び膜厚の組み合わせによって優れた反射防止効果が
得られる。
(ロ) 前記物質、前記成膜順からなる3層等価膜は耐
擦傷性が高く、かつ前記第1層に対しても、前記第3層
に対しても付着力がある。
次に前記第2層の上に形成される第3層は、二酸化チタ
ンと、五酸化タンタル、二酸化ジルコニウムおよび三酸
化イットリウムから選ばれる1種以上の金属酸化物との
混合物からなり、その膜厚は実用的には0.45λ〜0.55λ
の範囲が好ましい。第3層を構成する物質を前述の如く
選択した理由は、以下に述べる通りである。
(a) 二酸化チタンに五酸化タンタル等の金属酸化物
を加えてなる混合物によって形成される層は耐熱性が高
く、かつ前記第2層の3層等価膜に対しても後記第4層
の二酸化ケイ素からなる層に対しても付着力がある(第
2層が耐熱性が弱い場合でも第3層によって、第2層の
耐熱性をカバーすることができる)。
(b) 五酸化タンタル、二酸化ジルコニウム、三酸化
イットリウムは白色の蒸着物質であり蒸着しても第3層
が着色しない。
(c) 二酸化チタンを単独で蒸着する場合に比べ、本
発明の第3層を構成する物質を用いた場合、蒸着の際、
電子ビームを当てたときに蒸着試料の破裂によるルツボ
からの飛び出し(スプラッシング)を防止することがで
きる。
(d) 二酸化チタンの屈折率は2.35〜2.45と高い屈折
率を有する。よって多層反射防止膜において高屈折率膜
として用いた場合、他の第1層、第2層、第4層の屈折
率、膜厚の組み合わせで優れた反射防止効果が得られ
る。
二酸化チタンと、五酸化タンタル等の金属酸化物との混
合モル比は1モル:0.05〜0.1モルが特に好ましい。その
理由は、この範囲内であれば五酸化タンタル等の金属酸
化物を混合しても二酸化チタンのもつ2.35〜2.45の屈折
率を失わないからである。
なお、実用的には第3層の屈折率は2.35〜2.45の範囲
で、膜厚は0.45λ〜0.55λの範囲で用いることが好まし
い。
次に前記の第3層の上に形成される第4層は、二酸化ケ
イ素からなり、前述した膜設計の理由より、その膜厚は
実用的には0.22λ〜0.28λの範囲である。第4層を構成
する物質として、二酸化ケイ素を選択した理由は、以下
に述べる通りである。
二酸化ケイ素は屈折率約1.46の低屈折率物質であ
り、この屈折率の二酸化ケイ素からなる第4層を、中屈
折率の第2層上に設けられた高屈折率の第3層の上に設
けることにより、第1層、第2層、第3層の屈折率、膜
厚の組み合わせで所望の反射防止効果が得られる。
二酸化ケイ素膜は膜強度が強く、かつ二酸化チタン
と五酸化タンタル等の金属酸化物との混合物からなる第
3層に対する付着力が強い。
なお、実用的には第4層の屈折率は1.43〜1.47の範囲で
ある。
上述の如く本発明の光学部品(A)において反射防止効
果を担う層が4層からなるが、4層に限定した理由は以
下の通りである。
(i) 反射防止膜の層数を増していくと、一般に反射
防止域は広くなるが、層数が多い程、製品ごとの反射防
止膜の膜厚の再現性が低下し、干渉色の再現性も悪化す
る。例えば眼鏡レンズの場合、一対で使用するため左右
のレンズの膜厚の誤差が大きくて、干渉色の再現性も悪
化すると、商品価値が低下してしまう。
(ii) 反射防止膜を構成する層の数を増していくと、
一般に反射防止膜にクラックが発生しやすくなるが、4
層からなる本発明の光学部品においてはクラックが発生
しにくい。
(iii) 物質および膜厚を上述の如く設定すれば、4
層でも充分な耐擦傷性を有した反射防止効果が得られ
る。
なお、本発明の光学部品(A)において、二酸化チタン
と、五酸化タンタル等の金属酸化物との混合物を用いる
第3層の成膜方法は、酸素イオンビームを照射しながら
成膜する方法が特に好ましい。その理由は、この方法に
よって、特に耐熱性、硬度が充分な第3層を形成するこ
とができ、また二酸化チタン屈折率が2.40以上にするこ
とが容易にできるからである。この方法における条件
(例えば酸素イオンビーム照射方法、原料の蒸発方法な
ど)は通常採用されている条件の中から適宜選択され
る。
本発明の光学部品(A)において反射防止膜が形成され
る透明合成樹脂基材としては、例えばセルロース系樹
脂、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート単独
重合体又はジエチレングリコールビスアリルカーボネー
トと1種以上の他のモノマーとの共重合体からなる樹
脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポ
リウレタン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂等が挙げられ
る。
これらの透明合成樹脂基材は表面処理を施したものでも
良く、表面処理の具体例としては透明合成樹脂基材上に
有機物(例えば有機物ケイ基化合物)、無機物(例えば
コロイダルシリカ)またはこれらの混合物からなるハー
ドコート膜などの表面処理膜を形成することが挙げられ
る。
次に本発明の光学部品(B)について説明する。
本発明の光学部品(B)は、第2層の膜構成が相違する
点でのみ前述の本発明の光学部品(A)と異なる。すな
わち、本発明の光学部品(A)の第2層が五酸化タンタ
ル又は三酸化イットリウム層と、二酸化ケイ素層と、五
酸化タンタル又は三酸化イットリウム層とによって構成
される3層等価膜からなるのに対して、本発明の光学部
品(B)の第2層は、第1層から数えて二酸化ケイ素層
と、五酸化タンタル又は三酸化イットリウム層と、二酸
化ケイ素層の順で構成される3層等価膜からなる。
その膜厚は実用的には0.22λ〜0.28λの範囲が好まし
い。第2層を3層等価膜とし構成する物質と成膜順を前
記の如く限定した理由は、以下に述べる通りである。
(イ) これらの物質からなる3層等価膜にすることよ
り、第2層の屈折率を例えば1.65〜1.75に、そして膜厚
を例えば0.22λ〜0.28λとそれぞれ所望の値に調整で
き、この第2層と、第1層、第3層及び第4層との屈折
率及び膜厚の組み合わせによって優れた反射防止効果が
得られる。
(ロ) 前述した物質及び成膜順で構成される3層等価
膜は耐擦傷性が高く、かつ前記第1層に対しても、前記
第3層に対しても付着力がある。
なお、本発明の光学部品(B)の第2層以外の構成は、
前述のように本発明の光学部品(A)と同一であるの
で、その説明は省略する。
本発明の反射防止膜を有する光学部品(A)および
(B)は、眼鏡レンズほか、カメラ用レンズ、ワードプ
ロセッサーのディスプレイに付設する光学フィルター、
自動車の窓ガラスなどに使用することが可能である。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明
はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお実施例および比較例で得られた反射防止膜付き光学
部品は、以下に示す試験方法により、諸物性を測定し
た。
(a) 耐擦傷性 #0000のスチールウールにより表面を往復回数で10回こ
すって耐擦傷性を次にように判定した。
A:わずかに傷がつく B:多く傷がつく C:膜のはがれが生じる (b) 密着性 JIS−Z−1522に従いゴバン目を10×10個作りセロファ
ン粘着テープにより剥離試験を3回行い、残ったゴバン
目の数を数えた。
(c) 視感透過率、視感反射率 日立製作所製U3410型自記分光光度計を用い、視感透過
率、視感反射率を測定した。
(d) 耐熱性 電気炉内にて90℃で20分間加熱しクラックの発生を調
べ、次のように判定した。
○:クラック発生せず ×:クラック発生 実施例1(光学部品(A)の実施例) 透明合成樹脂基材として、ジエチレングリコールビスア
リルカーボネート重合体系プラスチックレンズ(HOYA
(株)製Hi-LuxII)を用いた。
(i) ハードコート液の調整およびハードコート膜
(nd 1.50)の形成 マグネチックスターラーを備えたガラス製の容器にγ−
グリシドキシプロピルトリメトキシシラン30重量部を加
え、撹拌しながら0.01規定塩酸14重量部を滴下した。滴
下終了後、24時間撹拌を行い加水分解物を得た。つい
で、メタノールコロイダルシリカ(固形分30%、平均粒
子径15ミリミクロン)200重量部、溶媒としてイソプロ
ピルアルコール50重量部、メチルセロソルブ50重量部、
さらに滑剤としてシリコーン系界面活性剤0.1重量部、
硬化剤としてアルミニウムアセチルアセトネート3重量
部を加え、充分に攪拌した後、濾過を行いコーティング
液とした。
前記プラスチックレンズを45℃の5%NaOH水溶液に3分
間浸漬して充分に洗浄を行った後、上記の方法で調整さ
れたコーティング液を用いてディップ法(引き上げ速度
14cm/分)でコーティングを行い、120℃で3時間加熱し
ハードコート膜を形成した。
(反射防止膜の形成) 前記ハードコート膜の上に真空蒸着法(真空度2×10-5
Torr)により二酸化ケイ素からなる第1層〔屈折率1.4
6、膜厚0.25λ(λは550nmである)〕を形成した。
次に第1層の上に五酸化タンタルからなる層(膜厚0.07
5λ)、二酸化ケイ素からなる層(膜厚0.096λ)、五酸
化タンタルからなる層(膜厚0.075λ)よりなる3層等
価膜である第2層〔屈折率1.70、膜厚0.25λ〕を形成し
た。
次にこの第2層の上に、プラスチックレンズに酸素イオ
ンビームを照射するイオンビームアシスト法により二酸
化チタンと五酸化タンタルとの混合物(混合モル比、二
酸化チタン:五酸化タンタル=1:0.05)からなる第3層
(屈折率2.43、膜厚0.50λ)を形成した。
次にこの第3層の上に、真空蒸着法(真空度2×10-5To
rr)により二酸化ケイ素からなる第4層(屈折率1.46、
膜厚0.25λ)を形成して、反射防止膜付きプラスチック
レンズ(以下、反射防止膜付きプラスチックレンズを光
学部品と記す)を得た。
得られた光学部品の試験結果を表−1に示す。同表に示
すように、実施例1で得られた光学部品は、耐擦傷性、
密着性が良好であるだけでなく、耐熱性に優れ、視感反
射率が0.2%と反射防止効果に優れたものであった。な
お、得られた光学部品の410nmから780nmにおける反射率
曲線を第1図に示す。
実施例2(光学部品(A)の実施例) 透明合成樹脂基材として、ポリウレタン系プラスチック
レンズ(HOYA(株)製Hi-LUXEXC)を用いた。
(i) ハードコート液の調整およびハードコート膜
(nd 1.56)の形成 マグネチックスターラーを備えたガラス製の容器にγ−
グリシドキシプロピルトリメトキシシラン60重量部を加
え、攪拌しながら0.01規定塩酸14重量部を滴下した。滴
下終了後、24時間攪拌を行い加水分解物を得た。つい
で、メタノール分散酸化アンチモン微粒子(固形分30
%、平均粒子径15ミリミクロン)200重量部、溶媒とし
てイソプロピルアルコール20重量部、エチルセロソルブ
80重量部、さらに滑剤としてシリコーン系界面活性剤0.
1重量部、硬化剤としてアルミニウムアセチルアセトネ
ート3重量部を加え、充分に攪拌した後、濾過を行いコ
ーティング液とした。
前記プラスチックレンズを45℃の5%NaOH水溶液に3分
間浸漬して充分に洗浄を行った後、上記の方法で調整さ
れたコーティング液を用いてディップ法(引き上げ速度
14cm/分)でコーティングを行い、120℃で3時間加熱し
ハードコート膜を形成した。
さらに実施例1と同様な方法で、表−1に示す膜構成を
有する光学部品を得た。その410nmから780nmまでの反射
率曲線を第2図に示す。また、実施例2で得られた光学
部品の耐熱性、反射防止効果は表−1に示すように耐熱
性に優れ、視感反射率が0.3%と反射防止効果に優れた
ものであった。
実施例3〜8 表−1示す基板を用い、第1、2、3、4層を表−1に
示す膜構成にした以外は実施例1、2と同様にして光学
部品を得た。
得られた実施例3〜8の光学部品は、表−1に示すよう
に耐擦傷性、密着性、耐熱性において実施例1、2のも
との同様に優れた結果が得られた。また実施例3、5、
7の光学部品は視感反射率0.2%で、反射率曲線図も実
施例1の光学部品の反射率曲線図と同様であった。一方
実施例4、6、8の光学部品は、視感反射率0.3%で、
反射率曲線図も実施例2の光学部品の反射率曲線図と同
様であった。
比較例1 透明合成樹脂基材として、ジエチレンクリコールビスア
リルカーボネート重合体系プラスチックレンズ(HOYA
(株)製Hi-LuxII)を用いた。このプラスチックレンズ
に、実施例1と同様のハードコート膜を形成し、さらに
特開昭56-116003号公報に記載の反射防止膜と同様に、
二酸化ケイ素からなる第1層(膜厚1.5λ)を設けた
後、二酸化ジルコニウム層(膜厚0.06λ)と二酸化ケイ
素層(膜厚0.08λ)との2層等価膜からなる第2層(合
計膜厚0.14λ)、二酸化ジルコニウムからなる第3層
(膜厚0.5λ)および二酸化ケイ素からなる第4層(膜
厚0.25λ)を順次設けて、本比較例の光学部品を得た。
本比較例で得られた光学部品は、耐擦傷性、密着性は良
好であったが、耐熱性が不充分で、しかも視感反射率が
1.5%と実施例1の光学部品と比べ反射防止効果が劣る
ものであった。なお比較例1で得られた光学部品の410n
mから780nmまでの反射率曲線を第3図に示す。
比較例2 透明合成樹脂基材として、ポリウレタン系プラスチック
レンズ(HOYA(株)製Hi-LUXEXC)を用いた。このプラ
スチックに、実施例2と同様のハードコート膜を形成
し、さらに表−1に示す膜構成を有する光学部品を得
た。本比較例で得られた光学部品は、耐擦傷性、密着性
は良好であったが、耐熱性が不充分で、しかも視感反射
率が1.5%と実施例3の光学部品と比べ反射防止効果が
劣るものであった。なお比較例4で得られた光学部品の
410nmから780nmまでの反射率曲線を第4図に示す。
〔発明の効果〕 以上詳述したように、本発明の反射防止膜を有する光学
部品は、特に耐熱性が良好で例えばプラスチック製眼鏡
フレームに枠入れする際、光学部品が加熱されてもクラ
ックも発生しにくく、また視感反射率を著るしく低くで
き、優れた反射防止効果を有する。従って、眼鏡レンズ
として用いた場合、クラックが発生しにくく、ゴースト
現象も解消される光学部品を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1の光学部品における反射率曲線図、第
2図は実施例2の光学部品における反射率曲線図、第3
図は比較例1の光学部品における反射率曲線図、第4図
は比較例2の光学部品における反射率曲線図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−109301(JP,A) 特開 昭60−29701(JP,A) 特開 昭61−77001(JP,A)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明合成樹脂基材の上に、基材側から順
    に、二酸化ケイ素からなる第1層;五酸化タンタル又は
    三酸化イットリウム層と、二酸化ケイ素層と、五酸化タ
    ンタル又は三酸化イットリウム層とによって構成される
    3層等価膜からなる第2層;二酸化チタンと、五酸化タ
    ンタル、二酸化ジルコニウム、三酸化イットリウムから
    選ばれる1種以上の金属酸化物との混合物からなる第3
    層;及び二酸化ケイ素からなる第4層を積層してなるこ
    とを特徴とする光学部品。
  2. 【請求項2】透明合成樹脂基材の上に、基材側から順
    に、二酸化ケイ素からなる第1層;二酸化ケイ素層と、
    五酸化タンタル又は三酸化イットリウム層と、二酸化ケ
    イ素層とによって構成される3層等価膜からなる第2
    層;二酸化チタンと、五酸化タンタル、二酸化ジルコニ
    ウム、三酸化イットリウムから選ばれる1種以上の金属
    酸化物との混合物からなる第3層;及び二酸化ケイ素か
    らなる第4層を積層してなることを特徴とする光学部
    品。
  3. 【請求項3】第1層から第4層の光学的膜厚が、設計波
    長をλとしたとき、500〜600nmにおいて、 第1層 0.24λ〜0.26λ 第2層 0.22λ〜0.28λ 第3層 0.45λ〜0.55λ 第4層 0.22λ〜0.28λであり、 屈折率が、 第1層 1.43〜1.47 第2層 1.65〜1.75 第3層 2.35〜2.45 第4層 1.43〜1.47 であることを特徴とする請求項(1)または(2)記載
    の光学部品。
  4. 【請求項4】二酸化チタンと、五酸化タンタル、二酸化
    ジルコニウム、三酸化イットリウムから選ばれる1種以
    上の金属酸化物との混合物からなる第3層が、酸素イオ
    ンビームを照射下の蒸着法により成膜されたものである
    ことを特徴とする請求項(1)または(2)に記載の光
    学部品。
  5. 【請求項5】透明合成樹脂基材と第1層の間に有機ケイ
    素化合物を含むハードコート膜を設けたことを特徴とす
    る請求項(1)〜(4)のいずれか一項に記載の光学部
    品。
  6. 【請求項6】前記光学部品が眼鏡用レンズであることを
    特徴とする請求項(1)〜(5)のいずれか一項に記載
    の光学部品。
JP2323538A 1990-11-27 1990-11-27 光学部品 Expired - Lifetime JPH07119845B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2323538A JPH07119845B2 (ja) 1990-11-27 1990-11-27 光学部品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2323538A JPH07119845B2 (ja) 1990-11-27 1990-11-27 光学部品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04191801A JPH04191801A (ja) 1992-07-10
JPH07119845B2 true JPH07119845B2 (ja) 1995-12-20

Family

ID=18155821

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2323538A Expired - Lifetime JPH07119845B2 (ja) 1990-11-27 1990-11-27 光学部品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07119845B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2894530B2 (ja) * 1992-08-28 1999-05-24 ホーヤ株式会社 反射防止膜を有する光学部材
US5457570A (en) * 1993-05-25 1995-10-10 Litton Systems, Inc. Ultraviolet resistive antireflective coating of Ta2 O5 doped with Al2 O3 and method of fabrication
US6004850A (en) * 1998-02-23 1999-12-21 Motorola Inc. Tantalum oxide anti-reflective coating (ARC) integrated with a metallic transistor gate electrode and method of formation
JP4826007B2 (ja) * 2000-10-19 2011-11-30 凸版印刷株式会社 タッチパネル
WO2006080502A1 (ja) * 2005-01-31 2006-08-03 Asahi Glass Company, Limited 反射防止膜付き基体
JP2016186661A (ja) * 2016-07-19 2016-10-27 Hoya株式会社 光学部材
JP7554820B2 (ja) * 2020-04-14 2024-09-20 フクビ化学工業株式会社 反射防止積層体

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56109301A (en) * 1980-02-04 1981-08-29 Tokyo Optical Co Ltd Multilayer reflection-preventive film
JPS6029701A (ja) * 1983-07-26 1985-02-15 Asahi Glass Co Ltd 5層反射防止膜
JPS6177001A (ja) * 1984-09-25 1986-04-19 Canon Inc 光反射防止膜

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04191801A (ja) 1992-07-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100496557B1 (ko) 증착 조성물의 제조방법, 증착 조성물 및 반사방지막을갖는 광학부품의 제조방법
EP1041123B1 (en) Coating fluid for forming hard coating and substrates covered with hard coating
KR100770514B1 (ko) 액정 표시 소자용 기판
JP3779174B2 (ja) 蒸着組成物、それを利用した反射防止膜の形成方法及び光学部材
JPH08110401A (ja) 透明高屈折率皮膜及び透明積層体
WO2010134457A1 (ja) 光学製品及び眼鏡プラスチックレンズ
JP2002296406A (ja) 反射干渉色の少ない反射防止基材
JPH07119845B2 (ja) 光学部品
JPH0642001B2 (ja) 合成樹脂製レンズ
JP2594042B2 (ja) 反射防止膜
JP3068252B2 (ja) 反射防止膜を有する光学部材
JPH07119844B2 (ja) 反射防止膜を有する光学部品
JP3012712B2 (ja) 反射防止膜を有する光学部材
JP2776553B2 (ja) 反射防止膜
JP3361868B2 (ja) 低反射積層体の製造方法
JPH0463117B2 (ja)
JP3068243B2 (ja) 反射防止膜を有する光学部材
JPH081482B2 (ja) プラスチツク製ミラ−コ−トレンズ
JP2003292896A (ja) コーティング用組成物および積層体
JP2983329B2 (ja) 反射防止膜を有する光学部材
JP2628589B2 (ja) ポリウレタンレンズ用反射防止膜
JP3167033B2 (ja) 反射防止膜を有する光学部材
JPH10311902A (ja) 防曇反射防止光学物品及び光学機器
JPH081481B2 (ja) プラスチツク製ミラ−コ−トレンズ
JP2002341107A (ja) 導電性反射防止フィルム

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081220

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081220

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091220

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101220

Year of fee payment: 15

EXPY Cancellation because of completion of term