JP3012712B2 - 反射防止膜を有する光学部材 - Google Patents

反射防止膜を有する光学部材

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JP3012712B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は反射防止膜を有する光学
部材に関する。
【0002】
【従来の技術】合成樹脂からなる光学部材の表面反射特
性を改善するために合成樹脂の表面上に反射防止膜を施
すこと、またその反射防止膜と合成樹脂の密着性を向上
させるために合成樹脂と反射防止膜との間に下地層を介
在させることがよく知られている。この下地層を介在さ
せている例として、例えば特開昭56−116003号
公報(以下単に、「公報1」という。)、特開平2−2
91502号公報(以下単に、「公報2」という。)に
はSiO2 のみからなる下地層が、また特開昭56−6
6802号公報(以下単に、「公報3」という。)には
屈折率が1.54でSiO2 とAl2 3 を混合してな
る下地層を施した合成樹脂製光学部材が開示されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】公報1、2に開示され
ているSiO2 のみからなる下地層を施した合成樹脂製
光学部材、公報3に開示されている屈折率が1.54で
SiO2 とAl2 3 を混合してなる下地層を施した合
成樹脂製光学部材はガラス製基板のように蒸着時の基板
温度を高くして成膜することができないため、下地層の
耐熱性が不十分で、また経時的に耐熱温度の低下する程
度が大きいという特性を有する。その影響で下地層の上
に施される反射防止膜も耐熱性が不十分となりやすく、
また経時的に耐熱温度の低下する程度が大きくなるとい
う問題を有する。この問題は例えば、以下に記す不具合
が生じる。眼鏡装用者はサウナの中で眼鏡を装用した
り、また自動車の中に眼鏡を置いたまま自動車の外に出
ることがよくある。このような高温の条件下で公報1〜
3に開示されている下地層を施した光学部材を眼鏡用レ
ンズとして使用する場合において、耐熱性が良好でない
反射防止膜を施した場合にはひび割れ(クラック)が生
じやすい。また耐熱性が良好な反射防止膜を施した場合
でも施して4ケ月ぐらいで反射防止膜にひび割れが生じ
やすくなる。本発明は上述した不具合を解決するために
なされ、その目的は基板が合成樹脂のように、蒸着時の
基板温度を低くしなければならない場合でも、耐熱性が
良好で、且つ経時的に耐熱温度の低下する程度が小さく
なる反射防止膜を有する光学部材を提供することにあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】上述した目的は以下に記
す発明によって達成された。その発明は合成樹脂基板上
に反射防止膜を有する光学部材であって、前記合成樹脂
基板と前記反射防止膜との間に、下記に示すA層、B層
およびC層の順で前記合成樹脂基板側から積層されてな
る下地層を介在していることを特徴とする反射防止膜を
有する光学部材である。 A層;SiO2 からなる層で、その層の屈折率(nd)
の範囲が1.45〜1.47で、且つλ=450〜55
0nmを設計波長とした場合の膜厚の範囲が0.05〜
0.15λである。 B層;Ta2 5 からなる層で、その層の屈折率(n
d)の範囲が2.00〜2.10で、且つλ=450〜
550nmを設計波長とした場合の膜厚の範囲が0.0
1〜0.10λである。 C層;SiO2 とAl2 3 との混合層で、その層の屈
折率(nd)の範囲が1.48〜1.52で、且つλ=
450〜550nmを設計波長とした場合の膜厚の範囲
が0.75〜1.50λである。
【0005】下地層を上述したA〜C層の構成にした理
由を説明する。下地層をA〜C層の多層下地層の構成に
すれば、SiO2 からなる単層下地層、SiO2 とAl
2 3 からなる単層下地層、Ta2 5 からなる単層下
地層などの従来の下地層の特性を損なわず、さらに前述
した従来の単層下地層と比べ耐熱温度が著しく向上し、
さらに経時的な耐熱温度の低下の程度が小さくなるとい
う予想しえない効果を本発明者は見い出した。これに伴
いさらに本発明者は、基板が合成樹脂のように蒸着時の
基板温度を低くしなければならない場合において、本発
明の下地層を施すことによって下地層の表面上に施され
た反射防止膜全体の耐熱温度が著しく向上し、さらに経
時的な耐熱温度の低下の程度が小さくなることを見い出
し本発明に至った。
【0006】本発明の下地層におけるA〜C層は前述し
た素材、屈折率、膜厚に特定される。この範囲外では反
射防止膜全体の耐熱温度が向上せず、また経時的な耐熱
温度の低下の程度が大きくなり前述した効果が得られな
いので好ましくない。
【0007】本発明における下地層のA〜C層には、上
述した効果を損なわない程度でTa2 5 、Y2 3
TiO2 、ZrO2 、MgF2 、SiO2 等の金属を混
合することが可能である。
【0008】本発明における反射防止膜の膜構成は特に
限定されず、λ/4−λ/4の2層膜、λ/4−λ/4
−λ/4あるいはλ/4−λ/2−λ/4の3層膜、さ
らに4層以上の多層膜などを用いることができる。特に
好ましい膜構成は以下に記述する二つの反射防止膜が挙
げられる。その第1の反射防止膜(特許請求の範囲の欄
の請求項2に該当する。)は、下地層の表面から順にT
2 5 層と、Ta2 5 、Y2 3 およびSiO2
含む混合層からなる第1の低屈折率層と;Ta2 5
と、Ta2 5 、Y2 3 およびSiO2 を含む混合層
と、Ta2 5 層からなる高屈折率層と;SiO2 層か
らなる第2の低屈折率層とを積層して構成されるもので
ある。また第2の反射防止膜(特許請求の範囲の欄の請
求項3に該当する。)は、下地層の表面から順にTa2
5 、Y2 3 及びSiO2 とを含む混合層と、Ta2
5 層からなる第1の低屈折率層と;Ta2 5 、Y2
3 およびSiO2 とを含む混合層と、Ta2 5
と、Ta2 5 、Y2 3 、およびSiO2 を含む混合
層からなる高屈折率層;SiO2 層からなる第2の低屈
折率層を積層して構成されるものである。
【0009】これらの反射防止膜が特に好ましい理由
は、これらの反射防止膜自体が良好な耐熱性を有し、さ
らに経時的な耐熱温度の低下の程度が小さいという特性
を有しているためである。本発明における下地層の上に
これらの反射防止膜を施すことによってさらに耐熱性に
優れ、経時的な耐熱温度の低下が極めて小さい反射防止
膜を有する光学部材を得ることができる。本発明の光学
部材に用いる合成樹脂としては、メチルメタクリレート
単独重合体、メチルメタクリレートと1種以上の他のモ
ノマーとをモノマー成分とする共重合体、ジエチレング
リコールビスアリルカーボネート単独重合体、ジエチレ
ングリコールビスアリルカーボネートと1種以上の他の
モノマーとをモノマー成分とする共重合体、イオウ含有
共重合体、ハロゲン含有共重合体、ポリカーボネート、
ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、不飽和ポリエステル、
ポリエチレンテレフタレート、ポリウレタンなどの重合
体が挙げられる。
【0010】合成樹脂の上に下地層、反射防止膜を設け
る場合には、合成樹脂表面に有機ケイ素重合体を含むハ
ードコート層をディッピング法、スピンコート法等の塗
布法により成膜し、このハードコート層上に下地層およ
び反射防止膜を設けることが好ましい。なお、本発明の
反射防止膜を成膜するにあたっては、真空蒸着法の他、
焼結体をターゲット材料とするスパッタリング法や、イ
オンプレーティング法等の方法を用いることもできる。
【0011】本発明の反射防止膜を有する光学部材は、
眼鏡レンズのほか、カメラ用レンズ、自動車の窓ガラ
ス、ワードプロセッサーのディスプレイに付設する光学
フィルターなどに使用することが可能である。
【0012】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。なお、実施例及び比較例で得られた反射防止膜を有
する光学部材は、以下に示す試験方法により、諸物性を
測定した。
【0013】(a)耐擦傷性試験 #0000のスチールウールにより表面を往復回数で1
0回こすって耐擦傷性を次のように判定した。 A:わずかに傷がつく B:多く傷がつく C:膜のはがれが生じる
【0014】(b)密着性試験 JIS−Z−1522に従いゴバン目を10×10個作
りセロファン粘着テープにより剥離試験を3回行い、残
ったゴバン目の数を数えた。
【0015】(c)視感反射率(片面) 日立製作所製U3410型自記分光光度計を用い、視感
反射率を求めた。 (d)耐熱性試験 蒸着膜形成直後の反射防止膜を有する光学部材をオーブ
ンに1時間入れて加熱し、クラックの発生の有無を調べ
た。加熱温度は50℃より始め、5℃ずつ上げてクラッ
クが発生する温度を調べた。
【0016】(e)経時的な耐熱性試験 蒸着形成直後の反射防止膜を有する光学部材を4ヶ月間
屋外暴露を行い、その後前記した耐熱性試験と同じ方法
により評価を行った。
【0017】(f)耐酸性試験 20℃、10%塩酸水溶液に1時間浸漬した後、耐酸性
を次のように判定した。 ○:浸漬前と変化せず ×:反射防止膜にはがれが生じる
【0018】(g)耐アルカリ性試験 20℃、10%水酸化ナトリウム水溶液に1時間浸漬し
た後、耐アルカリ性を次のように判定した。 ○:浸漬前と変化せず ×:反射防止膜にはがれが生じる
【0019】実施例1−1 まず反射防止膜を設ける合成樹脂として、ジエチレング
リコールビスアリルカーボネートを主成分とし、紫外線
吸収剤として2−ヒドロキシ−4−n−オプトキシベン
ゾフェノンを、前者/後者の重量比が99.97/0.
03となるように含有する、屈折率が1.499のプラ
スチックレンズを用意した。
【0020】(i)ハードコート層(nd1.50)の
形成 前記プラスチックレンズを、80モル%のコロイダルシ
リカと20モル%のγ−グリシドキシプロピルトリメト
キシシランを含有するコーティング液に浸漬し、その後
硬化してハードコート層を設けた。
【0021】(ii)下地層および反射防止膜の形成 前記ハードコート層を有するプラスチックレンズを80
℃に加熱し、前記ハードコート層の上に真空蒸着法(真
空度2×10-5Torr)によりSiO2 層(屈折率
1.46、膜厚0.07λ(λ=500nm))と、T
2 5 層(屈折率2.05、膜厚0.03λ)と、S
iO2 とAl2 3 との混合層(屈折率1.52、膜厚
1.25λ)からなる下地層を形成した。次に、前記下
地層の上にTa2 5 層(屈折率2.05、膜厚0.0
6λ)と、Ta2 5 、Y2 3 およびSiO2 を混合
した混合層(屈折率1.61、膜厚0.11λ)からな
る第1の低屈折率層を形成した。この第1の低屈折率層
の上にTa2 5 層(屈折率2.05、膜厚0.05
λ)と、Ta2 5 、Y2 3 およびSiO2 からなる
混合層(屈折率1.61、膜厚0.05λ)と、Ta2
5 層(屈折率2.05、膜厚0.15λ)よりなる高
屈折率層を形成し、さらに高屈折率層の上にSiO2
らなる第2の低屈折率層(屈折率1.46、膜厚0.2
5λ)を形成して、反射防止膜付きプラスチックレンズ
を得た。尚、前記第1の低屈折率層から第2の低屈折率
層は前記下地層を形成した同様の真空蒸着法により形成
した。得られた反射防止膜付きプラスチックレンズの評
価結果を表2に示す。表2に示されるように実施例1の
反射防止膜付きプラスチックレンズは耐擦傷性、密着
性、耐酸性、耐アルカリ性に優れ、さらにクラック発生
温度が120℃と高く、また4ヶ月間屋外暴露を行った
後のクラック発生温度が110℃と経時的な耐熱温度の
低下の程度が小さいものであった。尚、実施例1は特許
請求の範囲の欄の請求項2に該当するものである。
【0022】実施例1−2、実施例1−3 下地層におけるSiO2 とAl2 3 との混合層の屈折
率を1.51(実施例1−2)、1.48(実施例1−
3)に代えた以外は実施例1−1と同様にして反射防止
膜付きプラスチックレンズを得た。評価結果は表2に示
すようにクラック発生温度が120℃と優れ、さらに4
ヶ月間屋外暴露を行った後のクラック発生温度が110
℃と経時的なクラック発生温度の低下の程度が小さいも
のであった。尚、実施例1−1〜実施例1−3の下地層
および反射防止膜の膜構成を表1に示す。
【0023】比較例1−1〜比較例1−3 実施例1−1〜実施例1−3の比較例として比較例1−
1〜比較例1−3を挙げる。下地層におけるSiO2
らなる層の膜厚を本発明の範囲外である0.20λに
し、さらに下地層におけるSiO2 とAl2 3 との混
合層の屈折率を1.52(比較例1−1)、1.51
(比較例1−2)、1.48(比較例1−3)にした以
外はすべて実施例1−1と同様にして反射防止膜付きプ
ラスチックレンズを得た。評価結果は表2に示されるよ
うに実施例1−1〜実施例1−3の反射防止膜付きプラ
スチックレンズと比べクラック発生温度が低く、また経
時的なクラック発生温度の低下の程度が大きいものであ
った。
【0024】実施例2−1〜実施例2−3 特許請求の範囲の欄の請求項2に該当する実施例として
実施例2−1〜実施例2−3を挙げる。表3に示すよう
に下地層におけるTa2 5 層の膜厚を上限の0.10
λに、SiO2 層の膜厚を下限の0.05λに、SiO
2 とAl2 3 との混合層の屈折率を1.52(実施例
2−1)、1.51(実施例2−2)、1.48(実施
例2−3)に、反射防止膜の膜構成を表3に示したよう
にした以外はすべて実施例1−1と同様にして反射防止
膜付きプラスチックレンズを得た。評価結果は表4に示
すように実施例1−1の反射防止膜付きプラスチックレ
ンズ同様、クラック発生温度が高く、経時的なクラック
発生温度の低下の程度が小さいものであった。
【0025】比較例2−1〜比較例2−3 実施例2−1〜実施例2−3の比較例として比較例2−
1〜比較例2−3を挙げる。表3に示すように下地層に
おけるSiO2 からなる層の膜厚を本発明の範囲外であ
る0.03λにし、さらに下地層におけるSiO2 とA
2 3 との混合層の屈折率を1.52(比較例2−
1)、1.51(比較例2−2)、1.48(比較例2
−3)にした以外はすべて実施例2−1と同様にして反
射防止膜付きプラスチックレンズを得た。評価結果は表
4に示されるように実施例2−1〜実施例2−3の反射
防止膜付きプラスチックレンズと比べクラック発生温度
が低く、また経時的なクラック発生温度の低下の程度が
大きいものであった。
【0026】実施例3−1〜実施例3−3 特許請求の範囲の欄の請求項2に該当する他の実施例と
して実施例3−1〜実施例3−3を挙げる。表5に示す
ように下地層におけるSiO2 層の膜厚を0.05λ
(実施例3−1)、0.10λ(実施例3−2)、0.
15λ(実施例3−3)に、またTa2 5 層の膜厚を
0.10λ(実施例3−1)、0.01λ(実施例3−
2)、0.02λ(実施例3−3)に、反射防止膜の膜
構成を表5に示したようにした以外はすべて実施例3−
1と同様にして反射防止膜付きプラスチックレンズを得
た。評価結果は表6に示すように実施例1−1同様、ク
ラック発生温度が高く、経時的なクラック発生温度の低
下の程度が小さいものであった。
【0027】比較例3−1〜比較例3−3 実施例3−1〜実施例3−3の比較例として比較例3−
1〜比較例3−3を挙げる。表5に示すように下地層に
おけるSiO2 層の膜厚を本発明の範囲外である0.2
0λ(比較例3−1)、0.03λ(比較例3−2)、
0.01λ(比較例3−3)に、またTa2 5 層の膜
厚を本発明の範囲外である0.15λ(比較例3−
1)、0.005λ(比較例3−2)、0.20λ(比
較例3−3)にした以外はすべて実施例3−1と同様に
して反射防止膜付きプラスチックレンズを得た。評価結
果は表6に示されるように実施例3−1〜実施例3−3
の反射防止膜付きプラスチックレンズと比べクラック発
生温度が低く、また経時的なクラック発生温度の低下の
程度が大きいものであった。
【0028】実施例4−1〜実施例4−3 特許請求の範囲の欄の請求項3に該当する実施例として
実施例4−1〜実施例4−3を挙げる。下地層および反
射防止膜の膜構成を表7に示すようにした以外は実施例
1−1〜実施例1−3に準じて反射防止膜付きプラスチ
ックレンズを得た。評価結果は表8に示すように実施例
1−1同様クラック発生温度が高く、経時的なクラック
発生温度の低下の程度が小さいものであった。
【0029】比較例4−1〜比較例4−3 実施例4−1〜実施例4−3の比較例として比較例4−
1〜比較例4−3を挙げる。下地層におけるSiO2
Al2 3 との混合層の膜厚を本発明の範囲外である
0.70λ(比較例4−1)、1.55λ(比較例4−
2)、1.60λ(比較例4−3)にした以外はすべて
実施例4−1と同様にして反射防止膜付きプラスチック
レンズを得た。評価結果は表8に示されるように実施例
4−1〜実施例4−3の反射防止膜付きプラスチックレ
ンズと比べクラック発生温度が低く、また経時的なクラ
ック発生温度の低下の程度が大きいものであった。
【0030】実施例5−1〜実施例6−3 特許請求の範囲の欄の請求項1に該当する実施例として
実施例5−1〜実施例6−3を挙げる。実施例5−1〜
実施例5−3では表9に示すように下地層におけるTa
2 5 層にY2 3 とZrO2 とを混合し、またSiO
2 とAl2 3との混合層の屈折率を1.52(実施例
5−1)、1.51(実施例5−2)、1.48(実施
例5−3)にし、反射防止膜を表9に示す膜構成にして
反射防止膜付きプラスチックレンズを得た。実施例6−
1〜実施例6−3では下地層におけるSiO2 とAl2
3 との混合層の膜厚を0.75λ(実施例6−1)、
1.0λ(実施例6−2)、1.50λ(実施例6−
3)に、反射防止膜の膜構成を表11に示したようにし
た以外はすべて実施例1−1と同様にして反射防止膜付
きプラスチックレンズを得た。評価結果は表10、表1
2に示すようにクラック発生温度が高く、さらに経時的
なクラック発生温度の低下の程度が小さいものであっ
た。
【0031】比較例5−1〜比較例6−2 実施例5−1〜実施例5−3の比較例として比較例5−
1〜比較例5−3を、実施例6−1〜実施例6−3の比
較例として比較例6−1、比較例6−2を挙げる。下地
層におけるSiO2 をAl2 3 との混合層の屈折率を
本発明の範囲外である1.47(比較例5−1)、1.
58(比較例5−2)、1.53(比較例5−3)にし
た以外は実施例5−1と同様にして反射防止膜付きプラ
スチックレンズを得た。評価結果は表10に示すように
実施例5−1〜実施例5−3で得られた反射防止膜付き
プラスチックレンズと比べ、クラック発生温度が低く、
経時的なクラック発生温度の低下の程度が大きいもので
あった。また比較例6−1、比較例6−2では、下地層
をSiO2 からなる単層(比較例6−1)、Al2 3
からなる単層(比較例6−2)にした以外は実施例6−
1と同様にして反射防止膜付きプラスチックレンズを得
た。評価結果は表12に示すように実施例6−1〜実施
例6−3で得られた反射防止膜付きプラスチックレンズ
と比べクラック発生温度が低く、また経時的なクラック
発生温度の低下の程度が大きいものであった。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】
【表4】
【0036】
【表5】
【0037】
【表6】
【0038】
【表7】
【0039】
【表8】
【0040】
【表9】
【0041】
【表10】
【0042】
【表11】
【0043】
【表12】
【0044】
【発明の効果】本発明によって耐熱性が良好で、且つ経
時的な耐熱温度の低下の程度が小さい反射防止膜を有す
る光学部材を提供することができた。また、本発明にお
ける下地層を用いることによって反射防止膜の耐熱温度
を向上させ、経時的な耐熱温度の低下の程度を小さくす
ることができる。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂基板上に反射防止膜を有する光
    学部材であって、前記合成樹脂基板と前記反射防止膜と
    の間に、下記に示すA層、B層およびC層の順で前記合
    成樹脂基板側から積層されてなる下地層を介在している
    ことを特徴とする反射防止膜を有する光学部材。 A層;SiO2 からなる層で、その層の屈折率(nd)
    の範囲が1.45〜1.47で、且つλ=450〜55
    0nmを設計波長とした場合の膜厚の範囲が0.05〜
    0.15λである。 B層;Ta2 5 からなる層で、その層の屈折率(n
    d)の範囲が2.00〜2.10で、且つλ=450〜
    550nmを設計波長とした場合の膜厚の範囲が0.0
    1〜0.10λである。 C層;SiO2 とAl2 3 との混合層で、その層の屈
    折率(nd)の範囲が1.48〜1.52で、且つλ=
    450〜550nmを設計波長とした場合の膜厚の範囲
    が0.75〜1.50λである。
  2. 【請求項2】 前記反射防止膜は前記下地層の表面から
    順に、Ta2 5 層と、Ta2 5 、Y2 3 およびS
    iO2 を含む混合層からなる第1の低屈折率層と;Ta
    2 5 層と、Ta2 5 、Y2 3 およびSiO2 を含
    む混合層と、Ta2 5 層からなる高屈折率層と;Si
    2 層からなる第2の低屈折率層とを積層してなること
    を特徴とする請求項1記載の反射防止膜を有する光学部
    材。
  3. 【請求項3】 前記反射防止膜は前記下地層の表面から
    順に、Ta2 5 、Y2 3 およびSiO2 とを含む混
    合層と、Ta2 5 層からなる第1の低屈折率層と;T
    2 5 、Y2 3 およびSiO2 を含む混合層と、T
    2 5 層と、Ta2 5 、Y2 3 およびSiO2
    含む混合層からなる高屈折率層と;SiO2 層からなる
    第2の低屈折率層とを積層してなることを特徴とする請
    求項1記載の反射防止膜を有する光学部材。
  4. 【請求項4】 前記下地層と前記合成樹脂基板の間に有
    機ケイ素重合体を含むハードコート層を介在させたこと
    を特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の反射防止
    膜を有する光学部材。
  5. 【請求項5】 前記光学部材は眼鏡用レンズであること
    を特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の反射防止
    膜を有する光学部材。
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