JPH07119844B2 - 反射防止膜を有する光学部品 - Google Patents

反射防止膜を有する光学部品

Info

Publication number
JPH07119844B2
JPH07119844B2 JP2294873A JP29487390A JPH07119844B2 JP H07119844 B2 JPH07119844 B2 JP H07119844B2 JP 2294873 A JP2294873 A JP 2294873A JP 29487390 A JP29487390 A JP 29487390A JP H07119844 B2 JPH07119844 B2 JP H07119844B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
film
dioxide
optical component
silicon dioxide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2294873A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04166901A (ja
Inventor
俊 西尾
謙一 新出
弘次 佐藤
Original Assignee
ホーヤ株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ホーヤ株式会社 filed Critical ホーヤ株式会社
Priority to JP2294873A priority Critical patent/JPH07119844B2/ja
Publication of JPH04166901A publication Critical patent/JPH04166901A/ja
Publication of JPH07119844B2 publication Critical patent/JPH07119844B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、特に眼鏡レンズに好適な反射防止膜を有する
光学部品に関する。
[従来の技術] ジエチレングリコールビスアリルカーボネート樹脂(一
般にCR-39樹脂と呼ばれている)などのプラスチック基
材の表面の反射特性を改善するために、このプラスチッ
ク基材上に反射防止膜を設けた光学部品は良く知られて
いる。このような反射防止膜を設けた光学部品として、
例えば特開昭56-116003号公報には、基材をCR-39樹脂と
し、CR-39樹脂上に、基材側から順に二酸化ケイ素から
なる膜厚が3/2λの第1層と、二酸化ジルコニウム層と
二酸化ケイ素層とによって構成される2層等価膜からな
る合計膜厚が約λ/4の第2層と、二酸化ジルコニウムか
らなる膜厚が約λ/2の第3層と、二酸化ケイ素からなる
膜厚が約λ/4の第4層とを有する反射防止膜を設けた合
成樹脂製光学部品が開示されている。
[発明が解決しようとする課題] 特開昭56-116003号公報に開示されている反射防止膜を
有する合成樹脂製光学部品においては、その反射防止膜
は充分な耐擦傷性、密着性を有するが、耐熱性が不充分
である。したがってこの反射防止膜を有する合成樹脂製
光学部品を例えば眼鏡レンズとして使用する場合には下
記の問題点を有していた。
(1) この反射防止膜を有する眼鏡レンズを加熱して
例えばセルロースアセテート製眼鏡フレームに枠入れす
る際、反射防止膜にクラックが生じやすい。
(2) この反射防止膜を有する眼鏡レンズの視感反射
率は約1.5%であり、ゴースト現象は完全には解消され
ているとは言えず、ファッション面で好ましくない。
従って本発明の目的は、耐擦傷性、密着性等の基本的性
質を満足するだけでなく、基板を透明合成樹脂としたと
きに、従来の反射防止膜よりも耐熱性に優れ、加熱時に
クラックが生じることがなく、しかも反射防止効果に優
れ、ゴースト現象が起りにくい、反射防止膜を有する光
学部品を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明は上述した目的を達成するためになされたもので
あり、本発明の反射防止膜を有する光学部品は、透明合
成樹脂基材の上に、基材側から順に、二酸化ケイ素から
なる第1層;二酸化ジルコニウム又は二酸化チタン層
と、二酸化ケイ素層と、二酸化ジルコニウム又は二酸化
チタン層とによって構成される3層等価膜からなる第2
層;二酸化チタンと、五酸化タンタル、二酸化ジルコニ
ウム、三酸化イットリウムから選ばれる1種以上の金属
酸化物との混合物からなる第3層;及び二酸化ケイ素か
らなる第4層を積層してなることを特徴とするものであ
る。この本発明の光学部品を以下、本発明の光学部品
(A)という。
また本発明の反射防止膜を有する光学部品は、透明合成
樹脂基材の上に、基材側から順に、二酸化ケイ素からな
る第1層;二酸化ケイ素層と、二酸化ジルコニウム又は
二酸化チタン層と、二酸化ケイ素層とによって構成され
る3層等価膜からなる第2層;二酸化チタンと、五酸化
タンタル、二酸化ジルコニウム、三酸化イットリウムか
ら選ばれる1種以上の金属酸化物との混合物からなる第
3層;及び二酸化ケイ素からなる第4層を積層してなる
ことを特徴とするものである。この本発明の光学部品を
以下、本発明の光学部品(B)という。
また本発明の反射防止膜を有する光学部品は、透明合成
樹脂基材の上に、基材側から順に、二酸化ケイ素からな
る第1層;二酸化チタン、二酸化ジルコニウム、三酸化
イットリウム、五酸化タンタルから選ばれる金属酸化物
の2種以上からなる層と、二酸化ケイ素層と、二酸化チ
タン、二酸化ジルコニウム、三酸化イットリウム、五酸
化タンタルから選ばれる1種以上の金属酸化物からなる
層とによって構成される3層等価膜からなる第2層;二
酸化チタンと、五酸化タンタル、二酸化ジルコニウム、
三酸化イットリウムから選ばれる1種以上の金属酸化物
との混合物からなる第3層;及び二酸化ケイ素からなる
第4層を積層してなることを特徴とするものでもある。
この本発明の光学部品を以下、本発明の光学部品(C)
という。
また本発明の反射防止膜を有する光学部品は、透明合成
樹脂基材の上に、基材側から順に、二酸化ケイ素からな
る第1層;二酸化ケイ素層と、二酸化チタン、二酸化ジ
ルコニウム、三酸化イットリウム、五酸化タンタルから
選ばれる2種以上の金属酸化物からなる層と、二酸化ケ
イ素層によって構成される3層等価膜からなる第2層;
二酸化チタンと、五酸化タンタル、二酸化ジルコニウ
ム、三酸化イットリウムから選ばれる1種以上の金属酸
化物との混合物からなる第3層;及び二酸化ケイ素から
なる第4層を積層してなることを特徴とするものでもあ
る。この本発明の光学部品を以下、本発明の光学部品
(D)という。
先ず、本発明の光学部品(A)について説明する。
本発明の光学部品(A)は、透明合成樹脂基材上に、反
射防止効果を担う第1層、第2層、第3層及び第4層を
順次設けてなるものである。反射防止膜は実質的にλ/4
膜−λ/4膜−λ/2膜−λ/4膜を基本膜設計とするのが好
ましい。
先ず第1層は、二酸化ケイ素からなり、前述のλ/4膜−
λ/4膜−λ/2膜−λ/4膜からなる基本膜設計において、
最初のλ/4膜に相当し、その膜厚は実用上0.24λ〜0.26
λの範囲が好ましい。
第1層を構成する物質として二酸化ケイ素を選択した理
由は、プラスチックは一般的に膨脹係数が大きく、石英
と比較すると、約2桁異なるが、二酸化ケイ素の蒸着膜
は比較的にポーラスな膜であり、他の蒸着膜に比べプラ
スチックとの付着力が強く、また硬度が高いので優れて
耐磨耗性が得られ、しかも膨脹係数が大きいプラスチッ
クにも良く耐え、クラックが入りにくいからである。ま
たその膜厚の実用上好ましい範囲を0.24λ〜0.26λとし
た理由は、基材と反射防止膜との密着性と、反射防止膜
の硬度を高め、反射防止膜の耐磨耗性が向上するだけで
なく、後記の第2層、第3層及び第4層の組み合わせか
らなる反射防止膜の反射防止効果を最大限に発揮するこ
とができるからである。
なお、実質的な第1層の屈折率は1.43〜1.47である。
次に、前記の第1層の上に形成される第2層は、二酸化
ジルコニウム又は二酸化チタン層と、二酸化ケイ素層
と、二酸化ジルコニウム又は二酸化チタン層とによって
構成される3層等価膜である。この3層等価膜は前述の
λ/4膜−λ/4膜−λ/2膜−λ/4膜からなる基本膜設計に
おいて、第2番目のλ/4膜に相当する。その膜厚は実用
的には0.22λ〜0.28λの範囲が好ましい。第2層を構成
する物質として二酸化ジルコニウム又は二酸化チタン層
と二酸化ケイ素とを選択し、第1層から数えて二酸化ジ
ルコニウム又は二酸化チタン層、二酸化ケイ素層、二酸
化ジルコニウム又は二酸化チタン層の順で成膜された3
層等価膜とした理由は、以下に述べる通りである。
(イ) これらの物質からなる3層等価膜にすることよ
り、第2層の屈折率を例えば1.65〜1.75に、そして膜厚
を例えば0.22λ〜0.28λとそれぞれ所望の値に調整で
き、この第2層と、第1層および第3層、第4層との組
み合わせによって優れた反射防止効果が得られる。
(ロ) 2つの二酸化ジルコニウム又は二酸化チタン層
とその間に存在する二酸化ケイ素層とによって形成され
る3層等価膜は耐擦傷性が高く、かつ前記第1層の二酸
化ケイ素に対しても、後記第3層の二酸化チタンと、五
酸化タンタル、二酸化ジルコニウムおよび三酸化イット
リウムから選ばれる1種以上の金属酸化物との混合物に
対しても付着力がある。
なお、上記3層等価膜において、二酸化チタン層を採用
すると、二酸化ジルコニウム層よりも耐熱性が向上す
る。
次に前記の第2層の上に形成される第3層は、二酸化チ
タンと、五酸化タンタル、二酸化ジルコニウムおよび三
酸化イットリウムから選ばれる1種以上の金属酸化物と
の混合物からなり、前述のλ/4膜−λ/4膜−λ/2膜−λ
/4膜からなる基本膜設計において、λ/2膜に相当し、そ
の膜厚は実用的には0.45λ〜0.55λの範囲である。第3
層を構成する物質として、二酸化チタンに五酸化タンタ
ル等の金属酸化物を加えてなる混合物を選択した理由
は、以下に述べる通りである。
(a) 二酸化チタンに五酸化タンタル等の金属酸化物
を加えてなる混合物によって形成される層は耐熱性が高
く、かつ前述第2層の3層等価膜に対しても後記第4層
の二酸化ケイ素に対しても付着力がある(第2層が耐熱
性が弱い場合でも第3層によって、第2層の耐熱性をカ
バーすることができる)。
(b) 五酸化タンタル、二酸化ジルコニウム、三酸化
イットリウムは白色の蒸着物質であり蒸着しても着色し
ない。
(c) 二酸化チタンを単独で蒸着する場合に比べ、二
酸化チタンに五酸化タンタル、二酸化ジルコニウム、三
酸化イットリウムの金属酸化物を混合した場合、蒸着の
際、電子ビームを当てたときに蒸着試料の破裂によるル
ツボからの飛び出し(スプラッシング)を防止すること
ができる。
(d) 二酸化チタンの屈折率は2.35〜2.45と高い屈折
率を有する。よって多層反射防止膜において高屈折率膜
として用いた場合優れた反射防止効果が得られる。
二酸化チタンと、五酸化タンタル、二酸化ジルコニウム
および三酸化イットリウムから選ばれる1種以上の金属
酸化物との混合モル比は1モル:0.05〜0.1モルが特に好
ましい。その理由は、この範囲内であれば五酸化タンタ
ル等の金属酸化物を混合しても二酸化チタンのもつ2.35
〜2.45の屈折率を失わないからである。
なお、実用的には第3層の屈折率は2.35〜2.45の範囲
で、膜厚の範囲は0.45λ〜0.55λの範囲である。
次に前記の第3層の上に形成される第4層は、二酸化ケ
イ素からなり、前述のλ/4膜−λ/4膜−λ/2膜−λ/4膜
からなる基本膜設計において、最後のλ/4膜に相当し、
その膜厚は実用的には0.22λ〜0.28λの範囲である。第
4層を構成する物質として、二酸化ケイ素を選択した理
由は、以下に述べる通りである。
二酸化ケイ素は屈折率約1.46の低屈折率物質であ
り、この屈折率の二酸化ケイ素からなる第4層を、中屈
折率の第2層上に設けられた高屈折率の第3層の上に設
けることにより、所望の反射防止効果が得られる。
二酸化ケイ素膜は膜強度が強く、かつ二酸化チタン
と五酸化タンタル等の金属酸化物との混合物からなる第
3層に対する付着力が強い。
なお、実用的には第4層の屈折率は1.43〜1.47の範囲で
ある。
上述の如く本発明の光学部品(A)において反射防止効
果を担う層が4層からなるが、4層に限定した理由は以
下の通りである。
(i) 反射防止膜の層数を増していくと、一般に反射
防止域は広くなるが、層数が多い程、製品毎の反射防止
膜の膜厚の再現性が低下し、干渉色の再現性も悪化す
る。例えば眼鏡レンズの場合、一対で使用するため左右
のレンズの膜厚の誤差が大きくて、干渉色の再現性も悪
化すると、商品価値が低下してしまう。
(ii) 反射防止膜を構成する層の数を増していくと、
一般に反射防止膜にクラックが発生しやすくなるが、4
層からなる本発明の反射防止膜においてはクラックが発
生しにくい。
(iii) 物質および膜厚を上述の如く設定すれば、4
層でも充分な耐擦傷性を有した反射防止効果が得られ
る。
なお、本発明の光学部品(A)において、二酸化チタン
と、五酸化タンタル等の金属酸化物との混合物を用いる
第3層の成膜方法は、酸素イオンビームを照射しながら
成膜する方法が特に好ましい。その理由は、この方法に
よって、耐熱性、硬度が十分な二酸化チタンと五酸化タ
ンタル等の金属酸化物との混合物からなる第3層を形成
することができ、また二酸化チタン屈折率が2.40以上に
なるからである。この方法における条件(例えば酸素イ
オンビーム照射方法、原料の蒸発方法など)は通常採用
されている条件の中から適宜選択される。
また3層等価膜からなる第2層を構成する二酸化チタン
層も酸素イオンビーム照射下の蒸着法により成膜するの
が好ましい。
本発明の光学部品(A)において反射防止膜が形成され
る透明合成樹脂基材としては、プラスチックレンズを用
いるのが好ましく、その例としてセルロース系プラスチ
ックレンズ、ジエチレングリコールビスアリルカーボネ
ート単独重合体又はジエチレングリコールビスアリルカ
ーボネートと1種以上の他のモノマーとの共重合体から
なるプラスチックレンズ、ポリカーボネート系プラスチ
ックレンズ、ポリスチレン系プラスチックレンズ、ポリ
ウレタン系プラスチックレンズ、ポリ塩化ビニル系プラ
スチックレンズ等が挙げられる。
これらの透明合成樹脂基材は表面処理を施したものでも
良く、表面処理の具体例としてはプラスチックレンズ基
材上に有機物(例えば有機物ケイ素化合物)、無機物
(例えばコロイダルシリカ)またはこれらの混合物から
なるハードコート膜などの表面処理膜を形成することが
挙げられる。
次に本発明の光学部品(B)について説明する。
本発明の光学部品(B)は、第2層の膜構成が相違する
点でのみ前述の本発明の光学部品(A)と異なる。すな
わち、本発明の光学部品(A)の第2層が二酸化ジルコ
ニウム又は二酸化チタン層と、二酸化ケイ素層と、二酸
化ジルコニウム又は二酸化チタン層とによって構成され
る3層等価膜からなるのに対して、本発明の光学部品
(B)の第2層は、二酸化ケイ素層と、二酸化ジルコニ
ウム又は二酸化チタン層と、二酸化ケイ素層によって構
成される3層等価膜からなる。
この3層等価膜はのλ/4膜−λ/4膜−λ/2膜−λ/4膜か
らなる基本膜設計において、第2番目のλ/4膜に相当す
る。その膜厚は実用的には0.22λ〜0.28λの範囲が好ま
しい。第2層を構成する物質として二酸化ジルコニウム
又は二酸化チタンと二酸化ケイ素とを選択し、第1層か
ら数えて二酸化ケイ素層、二酸化ジルコニウム又は二酸
化チタン層、二酸化ケイ素層の順で成膜された3層等価
膜とした理由は、以下に述べる通りである。
(イ)これらの物質からなる3層等価膜にすることよ
り、第2層の屈折率を例えば1.65〜1.75に、そして膜厚
を例えば0.22λ〜0.28λとそれぞれ所望の値に調整で
き、この第2層と、第1層および第3層、第4層との組
み合わせによって優れた反射防止効果が得られる。
(ロ) 2つの二酸化ケイ素層とその間に存在する二酸
化ジルコニウム又は二酸化チタン層とによって形成され
る3層等価膜は耐擦傷性が高く、かつ前記第1層の二酸
化ケイ素に対しても、後記第3層の二酸化チタンと、五
酸化タンタル、二酸化ジルコニウムおよび三酸化イット
リウムから選ばれる1種以上の金属酸化物との混合物に
対しても付着力がある。
なお、上記3層等価膜において、二酸化チタン層を採用
すると、二酸化ジルコニウム層よりも耐熱性が向上す
る。
次に本発明の光学部品(C)について説明する。
本発明の光学部品(C)は、第2層の膜構成が相違する
点でのみ前述の本発明の光学部品(A)と異なる。すな
わち、本発明の光学部品(A)の第2層が二酸化ジルコ
ニウム又は二酸化チタン層と、二酸化ケイ素層と、二酸
化ジルコニウム又は二酸化チタン層とによって構成され
る3層等価膜からなるのに対して、本発明の光学部品
(C)の第2層は、二酸化チタン、二酸化ジルコニウ
ム、三酸化イットリウム、五酸化タンタルから選ばれる
金属酸化物の2種以上からなる層と、二酸化ケイ素層
と、二酸化チタン、二酸化ジルコニウム、三酸化イット
リウム、五酸化タンタルから選ばれる金属酸化物の2種
以上からなる層とによって構成される3層等価膜からな
る。
そこで本発明の光学部品(C)における第2層について
詳細に説明する。
本発明の光学部品(C)における第2層の好ましい具体
例を述べると、以下の通りである。
(イ) 第1層の上に、第1層側から順次、 TiO2と、ZrO2、Ta2O5、Y2O3のうちの1種以上との混合
物からなる層と、 SiO2層と、 TiO2と、ZrO2、Ta2O5、Y2O3のうちの1種以上との混合
物からなる層と を設けた3層等価膜、 (ロ) 第1層の上に、第1層側から順次、 ZrO2とTa2O5との混合物からなる層と、 SiO2層と、 ZrO2とTa2O5との混合物からなる層と を設けた3層等価膜、 (ハ) 第1層の上に、第1層側から順次、 ZrO2とTa2O5とY2O3との混合物からなる層と、 SiO2層と、 ZrO2とTa2O5とY2O3との混合物からなる層と を設けた3層等価膜、 (ニ) 第1層の上に、第1層側から順次、 ZrO2とY2O3との混合物からなる層と、 SiO2層と、 ZrO2とY2O3との混合物からなる層と を設けた3層等価膜、 (ホ) 第1層の上に、第1層側から順次、 Ta2O5とY2O3との混合物からなる層と、 SiO2層と、 Ta2O5とY2O3との混合物からなる層と を設けた3層等価膜 本発明の光学部品(C)における好ましい第2層(イ)
〜(ホ)について更に説明する。
先ず第2層(イ)は、TiO2と、ZrO2、Ta2O5、Y2O3のう
ちの1種以上との混合物からなる、2つの層の間にSiO2
層を介在させたものであり、前記TiO2と他の金属酸化物
との混合物からなる、2つの層は、酸素イオンビームを
照射下の蒸着法によって成膜したものが好ましい。この
2つの層の成膜において、TiO2にZrO2、Ta2O5、Y2O3
加えた混合物を用いたのは、TiO2のみであると蒸着の
際、イオンビームを当てたときに蒸着試料の破裂が起り
やすいのに対し、ZrO2、Ta2O5、Y2O3を混合させると、
このような問題が防止されるからである。TiO2とZrO2
Ta2O5、Y2O3のうち1種以上とのモル比は、前者1モル
に対して後者を0.05モル〜0.2モルとするのが好まし
い。第2層(イ)を構成する3層のそれぞれは、全体と
しての屈折率が1.65〜1.75、膜厚がλ/4、実用的には0.
22λ〜0.28λとなるように、その組成、膜厚等が調整さ
れる。この第2層(イ)は耐熱性に優れている。
次に第2層(ロ)は、ZrO2とTa2O5との混合物からな
る、2つの層の間にSiO2層を介在させたものであり、Zr
O2とTa2O5との混合物からなる層において、Ta2O5が存在
することにより、第2層の耐熱性が向上する。ZrO2とTa
2O5とのモル比は、前者1モルに対して後者が0.7〜1.5
モルである。Ta2O5が0.7〜1.5モルの範囲外であると膜
に吸収を生じ好ましくない。第2層(ロ)を構成する3
層のそれぞれは、全体としての屈折率が1.65〜1.75、膜
厚がλ/4、実用的には0.22λ〜0.28λとなるように、そ
の組成、膜厚等が調整される。
次に第2層(ハ)は、ZrO2とTa2O5とY2O3との混合物か
らなる、2つの層の間にSiO2層を介在させたものであ
り、前記の第2層(ロ)における、ZrO2とTa2O5との混
合物からなる層では、膜吸収が生じやすいので、これを
防止するために、ZrO2とTa2O5にY2O3を加えて層を形成
したものである。このZrO2とTa2O5とY2O3との混合物か
らなる層において、各金属酸化物のモル比は、ZrO21モ
ルに対してTa2O50.8〜1.8モル、Y2O30.05〜0.3モルとす
るのが好ましい。第2層(ハ)を構成する3層のそれぞ
れは、全体としての屈折率が1.65〜1.75、膜厚がλ/4、
実用的には0.22λ〜0.28λとなるように、その組成、膜
厚等が調整される。
次に第2層(ニ)は、ZrO2とY2O3との混合物からなる、
2つの層の間にSiO2層を介在させたものである。前記の
2つの層を構成するZrO2とY2O3とのモル比は、前者1モ
ルに対して後者を0.05〜1.5モルとするのが好ましい。
第2層(ニ)を構成する3層のそれぞれは、全体として
の屈折率が1.65〜1.75、膜厚がλ/4、実用的には0.22λ
〜0.28λとなるように、その組成、膜厚等が調整され
る。
次に第2層(ホ)は、Ta2O5とY2O3との混合物からな
る、2つの層の間にSiO2層を介在させたものである。前
記の2つの層を構成するTa2O5とY2O3とのモル比は、前
者1モルに対して後者を0.1〜1.5モルとするのが好まし
い。第2層(ホ)を構成する3層のそれぞれは、全体と
しての屈折率が1.65〜1.75、膜厚がλ/4、実用的には0.
22λ〜0.28λとなるように、その組成、膜厚等が調整さ
れる。
次に本発明の光学部品(D)について説明する。
本発明の光学部品(D)は、第2層の膜構成が相違する
点でのみ前述の本発明の光学部品(A)と異なる。すな
わち、本発明の光学部品(A)の第2層が二酸化ジルコ
ニウム又は二酸化チタン層と、二酸化ケイ素層と、二酸
化ジルコニウム又は二酸化チタン層とによって構成され
る3層等価膜からなるのに対して、本発明の光学部品
(D)の第2層は、二酸化ケイ素層と、二酸化チタン、
五酸化タンタル、二酸化ジルコニウム、三酸化イットリ
ウムから選ばれる2種以上の金属酸化物からなる層と、
二酸化ケイ素層からなる層とによって構成される3層等
価膜からなる。
そこで本発明の光学部品(D)における第2層について
詳細に説明する。
本発明の光学部品(D)における第2層の好ましい具体
例を述べると、以下の通りである。
(イ) 第1層の上に、第1層側から順次、 SiO2層と、 TiO2と、ZrO2、Ta2O5、Y2O3のうちの1種以上との混合
物からなる層と、 SiO2層と を設けた3層等価膜、 (ロ) 第1層の上に、第1層側から順次、 SiO2層と、 ZrO2とTa2O5との混合物からなる層と、 SiO2層と を設けた3層等価膜、 (ハ) 第1層の上に、第1層側から順次、 SiO2層と、 ZrO2とTa2O5とY2O3との混合物からなる層と、 SiO2層と を設けた3層等価膜、 (ニ) 第1層の上に、第1層側から順次、 SiO2層と、 ZrO2とY2O3との混合物からなる層と、 SiO2層と を設けた3層等価膜、 (ホ) 第1層の上に、第1層側から順次、 SiO2層と、 Ta2O5とY2O3との混合物からなる層と、 SiO2層と を設けた3層等価膜、 本発明の光学部品(D)における好ましい第2層(イ)
〜(ホ)について更に説明する。
先ず第2層(イ)は、2つのSiO2層の間に前記TiO2と他
の金属酸化物との混合物からなる層を介在させたもので
ある。前記TiO2と他の金属酸化物との混合物からなる層
は、酸素イオンビームを照射下の蒸着法によって成膜し
たものが好ましい。この層の成膜において、TiO2にZr
O2、Ta2O5、Y2O3を加えた混合物を用いたのは、TiO2
みであると蒸着の際、イオンビームを当てたときに蒸着
試料の破裂が起りやすいのに対し、ZrO2、Ta2O5、Y2O3
を混合させると、このような問題が防止されるからであ
る。TiO2と、ZrO2、Ta2O5、Y2O3のうちの1種以上との
モル比は、前者1モルに対して後者を0.05モル〜0.2モ
ルとするのが好ましい。第2層(イ)を構成する3層の
それぞれは、全体としての屈折率が1.65〜1.75、膜厚が
λ/4、実用的には0.22λ〜0.28λとなるように、その組
成、膜厚等が調整される。この第2層(イ)は耐熱性に
優れている。
次に第2層(ロ)は、2つのSiO2層にZrO2とTa2O5の混
合物からなる層を介在させたものである。ZrO2とTa2O5
との混合物からなる層において、Ta2O5が存在すること
により、第2層の耐熱性が向上する。ZrO2とTa2O5との
モル比は、前者1モルに対して後者が0.7〜1.5モルであ
る。Ta2O5が0.7〜1.5モルの範囲外であると膜に吸収を
生じ好ましくない。第2層(ロ)を構成する3層のそれ
ぞれは、全体としての屈折率が1.65〜1.75、膜厚がλ/
4、実用的には0.22λ〜0.28λとなるように、その組
成、膜厚等が調整される。
次に第2層(ハ)は、2つのSiO2層の間に、ZrO2とTa2O
5とY2O3との混合物からなる層を介在させたものであ
る。前記の第2層(ロ)における、ZrO2とTa2O5との混
合物からなる層では、膜吸収が生じやすいので、これを
防止するために、ZrO2とTa2O5にY2O3加えて層を形成し
たものである。このZrO2とTa2O5とY2O3との混合物から
なる層において、各金属酸化物のモル比は、ZrO21モル
に対してTa2O50.8〜1.8モル、Y2O30.05〜0.3モルとする
のが好ましい。第2層(ハ)を構成する3層のそれぞれ
は、全体としての屈折率が1.65〜1.75、膜厚がλ/4、実
用的には0.22λ〜0.28λとなるように、その組成、膜厚
等が調整される。
次に第2層(ニ)は、2つのSiO2層の間に、ZrO2とY2O3
との混合物からなる層を介在させたものである。前記の
層を構成するZrO2とY2O3とのモル比は、前者1モルに対
して後者を0.05〜1.5モルとするのが好ましい。第2層
(ニ)を構成する3層のそれぞれは、全体としての屈折
率が1.65〜1.75、膜厚がλ/4、実用的には0.22λ〜0.28
λとなるように、その組成、膜厚等が調整される。
次に第2層(ホ)は、2つのSiO2層の間に、Ta2O5とY2O
3との混合物からなる層を介在させたものである。前記
の層を構成するTa2O5とY2O3とのモル比は、前者1モル
に対して後者を0.1〜1.5モルとするのが好ましい。第2
層(ホ)を構成する3層のそれぞれは、全体としての屈
折率が1.65〜1.75、膜厚がλ/4、実用的には0.22λ〜0.
28λとなるように、その組成、膜厚等が調整される。
なお、本発明の光学部品(B)、(C)、(D)の第2
層以外の構成は、前述のように本発明の光学部品(A)
と同一であるので、その説明は省略する。
本発明の反射防止膜を有する光学部品(A)、(B)、
(C)および(D)は、眼鏡レンズほか、カメラ用レン
ズ、ワードプロセッサーのディスプレイに付設する光学
フィルター、自動車の窓ガラスなどに使用することが可
能である。
[実施例] 以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお実施例および比較例で得られた反射防止膜付き光学
部品は、以下に示す試験方法により、諸物性を測定し
た。
(a) 耐擦傷性 #0000のスチールウールにより表面を往復回数で10回こ
すって耐擦傷性を次のように判定した。
A:わずかに傷がつく B:多く傷がつく C:膜のはがれが生じる (b) 密着性 JIS−Z−1522に従いゴバン目を10×10個作りセロファ
ン粘着テープにより剥離試験を3回行ない、残ったゴバ
ン目の数を数えた。
(c) 視感透過率、視感反射率 日立製作所製U3410型自記分光光度計を用い、視感透過
率、視感反射率を測定した。
(d) 耐熱性 電気炉内にて90℃で20分間加熱しクラックの発生を調
べ、次のように判定した。
○:クラック発生せず ×:クラック発生 実施例1(光学部品(A)の実施例) 透明合成樹脂基材として、ジエチレングリコールビスア
リルカーボネート重合体系プラスチックレンズ(HOYA
(株)製Hi-LuxII、屈折率1.546)を用いた。
(i) ハードコート液の調製およびハードコート膜
(nd1.50)の形成 マグネチックスターラーを備えたガラス製の容器にγ−
グリシドキシプロピルトリメトキシシラン30重量部を加
え、撹拌しながら0.01規定塩酸14重量部を滴下した。滴
下終了後、24時間撹拌を行ない加水分解物を得た。つい
で、メタノールコロイダルシリカ(固形分30%、平均粒
子径15ミリミクロン)200重量部、溶媒としてイソプロ
ピルアルコール50重量部、メチルセロソルブ50重量部、
さらに滑剤としてシリコーン系界面活性剤0.1重量部、
硬化剤としてアルミニウムアセチルアセトネート3重量
部を加え、充分に撹拌した後、濾過を行ないコーティン
グ液とした。
前記プラスチックレンズを45℃の5%NaOH水溶液に3分
間浸漬しても充分に洗浄を行なった後、上記の方法で調
製されたコーティング液を用いてディップ法(引き上げ
速度14cm/分)でコーティングを行ない、120℃で3時間
加熱しハードコート膜を形成した。
(反射防止膜の形成) 前記ハードコート膜の上に真空蒸着法(真空度2×10-5
Torr)により二酸化ケイ素からなる第1層[屈折率1.4
6、膜厚0.25λ(λは550nmである)]を形成した。
次に第1層の上に二酸化ジルコニウムからなる層(膜厚
0.086λ)、二酸化ケイ素からなる層(膜厚0.076λ)、
二酸化ジルコニウムからなる層(膜厚0.086λ)よりな
る3層等価膜である第2層[屈折率1.70、膜厚0.25λ]
を形成した。
次にこの第2層の上に、プラスチックレンズを加熱した
状態でプラスチックレンズに酸素イオンビームを照射す
るイオンビームアシスト法により二酸化チタンと五酸化
タンタルとの混合物(混合モル比、二酸化チタン:五酸
化タンタル=1:0.05)からなる第3層(屈折率2.43、膜
厚0.50λ)を形成した。
次にこの第3層の上に、真空蒸着法(真空度2×10-5To
rr)により二酸化ケイ素からなる第4層(屈折率1.46、
膜厚0.25λ)を形成して、反射防止膜付きプラスチック
レンズを得た。
得られた反射防止膜付きプラスチックレンズの試験結果
を表−1に示す。同表に示すように、実施例1で得られ
た反射防止膜付きプラスチックレンズは、耐擦傷性、密
着性が良好であるだけでなく、耐熱性に優れ、視感反射
率が0.2%と反射防止効果に優れたものであった。な
お、実施例1で得られた反射防止膜付きプラスチックレ
ンズの反射率曲線を第1図に示す。
実施例2(光学部品(A)の実施例) 透明合成樹脂基材として、ポリウレタン系プラスチック
レンズ(HOYA(株)製Hi-LUXEXC、屈折率1.592)を用い
た。
(i) ハードコート液の調製およびハードコート膜
(nd1.56)の形成 マグネチックスターラーを備えたガラス製の容器にγ−
グリシドキシプロピルトリメトキシシラン60重量部を加
え、撹拌しながら0.01規定塩酸14重量部を滴下した。滴
下終了後、24時間撹拌を行ない加水分解物を得た。つい
で、メタノール分散酸化アンチモン微粒子(固形分30
%、平均粒子径15ミリミクロン)200重量部、溶媒とし
てイソプロピルアルコール20重量部、エチルセロソルブ
80重量部、さらに滑剤としてシリコーン系界面活性剤0.
1重量部、硬化剤としてアルミニウムアセチルアセトネ
ート3重量部を加え、充分に攪拌した後、濾過を行ない
コーティング液とした。
前記プラスチックレンズを45℃の5%NaOH水溶液に3分
間浸漬して充分に洗浄を行なった後、上記の方法で調製
されたコーティング液を用いてディップ法(引き上げ速
度14cm/分)でコーティングを行ない、120℃で3時間加
熱しハードコート膜を形成した。
さらに実施例1と同様な方法で、表−1に示す膜構成を
有する反射防止膜付きプラスチックレンズを得た。実施
例2で得られた反射防止膜付きプラスチックレンズも表
−1に示すように耐熱性に優れ、視感反射率が0.3%と
反射防止効果に優れたものであった。なお実施例2で得
られた反射防止膜付きプラスチックレンズの反射率曲線
を第2図に示す。
実施例3〜20 表−1示したような基板を用い、第1、2、3、4層を
表−1に示したような膜構成にした以外は実施例1、2
と同様にして反射防止膜付きプラスチックレンズを得
た。
得られた実施例3〜20の反射防止膜付きプラスチックレ
ンズは、耐擦傷性、密着性、耐熱性において実施例1、
2のものと同様に優れた結果が得られた。また実施例
3、5、7、9、11、13、15、17、19の反射防止膜付き
プラスチックレンズは、視感反射率0.2%で、実施例1
の反射防止膜付きプラスチックレンズの視感反射率と同
一であり、反射率曲線図も実施例1の反射防止膜付きプ
ラスチックレンズの反射率曲線図と同様であった。一方
実施例4、6、8、10、12、14、16、18、20の反射防止
膜付きプラスチックレンズは、視感反射率0.3%で実施
例2の反射防止膜付きプラスチックレンズの視感反射率
と同一であり、反射率曲線図も実施例2の反射防止膜付
きプラスチックレンズの反射率曲線図と同様であった。
比較例1 透明合成樹脂基材として、ジエチレングリコールビスア
リルカーボネート重合体系プラスチックレンズ(HOYA
(株)製Hi-LuxII)を用いた。このプラスチックレンズ
に、実施例1と同様のハードコート膜を形成し、さらに
特開昭56-116003号公報に記載の反射防止膜と同様に、
二酸化ケイ素からなる第1層(膜厚1.5λ)を設けた
後、二酸化ジルコニウム層(膜厚0.06λ)と二酸化ケイ
素層(膜厚0.08λ)との2層等価膜からなる第2層(合
計膜厚0.14λ)、二酸化ジルコニウムからなる第3層
(膜厚0.5λ)および二酸化ケイ素からなる第4層(膜
厚0.25λ)を順次設けて、本比較例に反射防止膜付きプ
ラスチックレンズを得た。
本比較例で得られた反射防止膜付きプラスチックレンズ
は、耐擦傷性、密着性は良好であったが、耐熱性が不充
分で、しかも視感反射率が1.5%と実施例1の反射防止
膜付きプラスチックレンズと比べ反射防止効果が劣るも
のであった。なお比較例1で得られた反射防止膜付きプ
ラスチックレンズの反射率曲線を第3図に示す。
比較例2 透明合成樹脂基材として、ポリウレタン系プラスチック
レンズ(HOYA(株)製Hi-LUXEXC)を用いた。このプラ
スチックに、実施例2と同様のハードコート膜を形成
し、さらに表−1に示す膜構成を有する反射防止膜付き
プラスチックレンズを得た。本比較例で得られた反射防
止膜付きプラスチックレンズは、耐擦傷性、密着性は良
好であったが、耐熱性が不充分で、しかも視感反射率が
1.5%と実施例3の反射防止膜付きプラスチックレンズ
と比べ反射防止効果が劣るものであった。なお比較例4
で得られた反射防止膜付きプラスチックレンズの反射率
曲線を第4図に示す。
[発明の効果] 以上詳述したように、本発明の反射防止膜を有する光学
部品は、耐擦傷性、密着性は良好であるばかりでなく、
耐熱性が良好でクラックも発生しにくく、また視感反射
率が極めて低く、優れた反射防止効果を有し、ゴースト
現象も解消されるので、反射防止能を有する眼鏡用レン
ズとして特に好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1の反射防止膜付きプラスチックレンズ
における反射率曲線図、第2図は実施例2の反射防止膜
付きプラスチックレンズにおける反射率曲線図、第3図
は比較例1の反射防止膜付きプラスチックレンズにおけ
る反射率曲線図、第4図は比較例2の反射防止膜付きプ
ラスチックレンズにおける反射率曲線図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−109301(JP,A) 特開 昭60−29701(JP,A) 特開 昭61−77001(JP,A)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明合成樹脂基材の上に、基材側から順
    に、二酸化ケイ素からなる第1層;二酸化ジルコニウム
    又は二酸化チタン層と、二酸化ケイ素層と、二酸化ジル
    コニウム又は二酸化チタン層とによって構成される3層
    等価膜からなる第2層;二酸化チタンと、五酸化タンタ
    ル、二酸化ジルコニウム、三酸化イットリウムから選ば
    れる1種以上の金属酸化物との混合物からなる第3層;
    及び二酸化ケイ素からなる第4層を積層してなることを
    特徴とする反射防止膜を有する光学部品。
  2. 【請求項2】透明合成樹脂基材の上に、基材側から順
    に、二酸化ケイ素からなる第1層;二酸化ケイ素層と、
    二酸化ジルコニウム又は二酸化チタン層と、二酸化ケイ
    素層とによって構成される3層等価膜からなる第2層;
    二酸化チタンと、五酸化タンタル、二酸化ジルコニウ
    ム、三酸化イットリウムから選ばれる1種以上の金属酸
    化物との混合物からなる第3層;及び二酸化ケイ素から
    なる第4層を積層してなることを特徴とする反射防止膜
    を有する光学部品。
  3. 【請求項3】透明合成樹脂基材の上に、基材側から順
    に、二酸化ケイ素からなる第1層;二酸化チタン、二酸
    化ジルコニウム、三酸化イットリウム、五酸化タンタル
    から選ばれる金属酸化物の2種以上からなる層と、二酸
    化ケイ素層と、二酸化チタン、二酸化ジルコニウム、三
    酸化イットリウム、五酸化タンタルから選ばれる1種以
    上の金属酸化物からなる層とによって構成される3層等
    価膜からなる第2層;二酸化チタンと、五酸化タンタ
    ル、二酸化ジルコニウム、三酸化イットリウムから選ば
    れる1種以上の金属酸化物との混合物からなる第3層;
    及び二酸化ケイ素からなる第4層を積層してなることを
    特徴とする反射防止膜を有する光学部品。
  4. 【請求項4】透明合成樹脂基材の上に、基材側から順
    に、二酸化ケイ素からなる第1層;二酸化ケイ素層と、
    二酸化チタン、五酸化タンタル、二酸化ジルコニウム、
    三酸化イットリウムから選ばれる2種以上の金属酸化物
    からなる層と、二酸化ケイ素層とによって構成される3
    層等価膜からなる第2層;二酸化チタンと、五酸化タン
    タル、二酸化ジルコニウム、三酸化イットリウムから選
    ばれる1種以上の金属酸化物との混合物からなる第3
    層;及び二酸化ケイ素からなる第4層を積層してなるこ
    とを特徴とする反射防止膜を有する光学部品。
  5. 【請求項5】第1層〜第4層の光学的膜厚が、設計波長
    をλとしたとき、500〜600nmにおいて、 第1層 0.24λ〜0.26λ 第2層 0.22λ〜0.28λ 第3層 0.45λ〜0.55λ 第4層 0.22λ〜0.28λであり、 屈折率が、 第1層 1.43〜1.47 第2層 1.65〜1.75 第3層 2.35〜2.45 第4層 1.43〜1.47 であることを特徴とする請求項(1)〜(4)のいずれ
    か一項に記載の反射防止膜を有する光学部品。
  6. 【請求項6】二酸化チタンと、五酸化タンタル、二酸化
    ジルコニウム、三酸化イットリウムから選ばれる1種以
    上の金属酸化物との混合物からなる第3層が、酸素イオ
    ンビームを照射下の蒸着法により成膜されたものであ
    る、請求項(1)〜(4)のいずれか一項に記載の反射
    防止膜を有する光学部品。
  7. 【請求項7】3層等価膜からなる第2層を構成する二酸
    化チタン層が、酸素イオンビームを照射下の蒸着法によ
    り成膜されたものである、請求項(1)または(2)に
    記載の反射防止膜を有する光学部品。
  8. 【請求項8】3層等価膜からなる第2層を構成する二酸
    化チタン含有混合物層が、酸素イオンビームを照射下の
    蒸着法により成膜されたものである、請求項(3)また
    は(4)に記載の反射防止膜を有する光学部品。
  9. 【請求項9】透明合成樹脂基材と第1層の間に有機ケイ
    素化合物を含むハードコート膜を設けたことを特徴とす
    る請求項(1)〜(8)のいずれか一項に記載の反射防
    止膜を有する光学部品。
JP2294873A 1990-10-31 1990-10-31 反射防止膜を有する光学部品 Expired - Lifetime JPH07119844B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2294873A JPH07119844B2 (ja) 1990-10-31 1990-10-31 反射防止膜を有する光学部品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2294873A JPH07119844B2 (ja) 1990-10-31 1990-10-31 反射防止膜を有する光学部品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04166901A JPH04166901A (ja) 1992-06-12
JPH07119844B2 true JPH07119844B2 (ja) 1995-12-20

Family

ID=17813356

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2294873A Expired - Lifetime JPH07119844B2 (ja) 1990-10-31 1990-10-31 反射防止膜を有する光学部品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07119844B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2894530B2 (ja) * 1992-08-28 1999-05-24 ホーヤ株式会社 反射防止膜を有する光学部材
KR100282528B1 (ko) * 1993-05-19 2001-02-15 이중구 다층 코팅막을 갖는 렌즈 및 이의 제조방법
US6004850A (en) 1998-02-23 1999-12-21 Motorola Inc. Tantalum oxide anti-reflective coating (ARC) integrated with a metallic transistor gate electrode and method of formation
JP2012032690A (ja) 2010-08-02 2012-02-16 Seiko Epson Corp 光学物品およびその製造方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56109301A (en) * 1980-02-04 1981-08-29 Tokyo Optical Co Ltd Multilayer reflection-preventive film
JPS6029701A (ja) * 1983-07-26 1985-02-15 Asahi Glass Co Ltd 5層反射防止膜
JPS6177001A (ja) * 1984-09-25 1986-04-19 Canon Inc 光反射防止膜

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04166901A (ja) 1992-06-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100496557B1 (ko) 증착 조성물의 제조방법, 증착 조성물 및 반사방지막을갖는 광학부품의 제조방법
EP1041123B1 (en) Coating fluid for forming hard coating and substrates covered with hard coating
JP3779174B2 (ja) 蒸着組成物、それを利用した反射防止膜の形成方法及び光学部材
JPH07119845B2 (ja) 光学部品
JPH07119844B2 (ja) 反射防止膜を有する光学部品
JP2594042B2 (ja) 反射防止膜
JP3068252B2 (ja) 反射防止膜を有する光学部材
JP2776553B2 (ja) 反射防止膜
JP3012712B2 (ja) 反射防止膜を有する光学部材
JP2537773B2 (ja) プラスチツク製ミラ−コ−トレンズ
JPS60130704A (ja) 合成樹脂基板の反射防止膜
JP3068243B2 (ja) 反射防止膜を有する光学部材
JPH081482B2 (ja) プラスチツク製ミラ−コ−トレンズ
JP2002328201A (ja) 反射防止膜を有する光学部材
JP2001141905A (ja) プラスチックレンズの製造方法及びプラスチックレンズ
JP2983329B2 (ja) 反射防止膜を有する光学部材
JPH081481B2 (ja) プラスチツク製ミラ−コ−トレンズ
JP3167033B2 (ja) 反射防止膜を有する光学部材
JP2004300580A (ja) 蒸着組成物の製造方法、蒸着組成物及び反射防止膜を有する光学部品の製造方法
JPS6053938A (ja) 合成樹脂製フオトクロミツクレンズ
JPS6296901A (ja) 合成樹脂製レンズ
JPH10311902A (ja) 防曇反射防止光学物品及び光学機器
JP2862597B2 (ja) プラスチックレンズ用反射防止膜
JPH03229202A (ja) プラスチックレンズ用反射防止膜
JPH05330849A (ja) 反射防止膜を有する光学部材、蒸着膜の形成方法及び蒸着組成物

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081220

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081220

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091220

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101220

Year of fee payment: 15

EXPY Cancellation because of completion of term