JPH07119080A - 防湿、易離解性コート剤 - Google Patents

防湿、易離解性コート剤

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JPH07119080A
JPH07119080A JP5258108A JP25810893A JPH07119080A JP H07119080 A JPH07119080 A JP H07119080A JP 5258108 A JP5258108 A JP 5258108A JP 25810893 A JP25810893 A JP 25810893A JP H07119080 A JPH07119080 A JP H07119080A
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秀一郎 篠原
Yuji Gama
祐二 蒲
Ichiro Tanii
一郎 谷井
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 防湿、防水性に優れ、故紙回収時にはたやす
く離解し、使用時の折り曲げ白化や滑りやブロッキング
といったトラブルの発生が防止され、ヒートシール性も
兼ね備えた被覆を付与することのできる紙用のコート剤
を提供する。 【構成】 (イ)スチレン及びその他の25℃での対水
溶解度が1g/水100g未満である疎水性単量体を主
成分単量体組成として共重合して得られたスチレン含有
エマルジョン、(ロ)(メタ)アクリル酸エステル及び
その他の25℃での対水溶解度が1g/水100g以上
である単量体ならびにα,βエチレン性不飽和カルボン
酸を共重合して得られた(メタ)アクリル酸エステル系
エマルジョン、(ハ)融点40〜100℃の石油ワック
スのエマルジョン、(ニ)カルボキシル基を有し酸価3
0〜200のポリエチレン系ワックスのエマルジョン、
が配合された水性エマルジョンからなる紙の防湿、易離
解性コート剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は紙の防湿、易離解性コー
ト剤に関し、詳しくは故紙としての回収が容易な防湿、
防水性紙の製造に有用とされるコート剤に関するもので
あり、特に新聞原紙やコピー用紙などの包装紙の製造に
好適なものである。
【0002】
【従来の技術】従来、包装用紙としてはワックス、汎用
の樹脂エマルジョンあるいは塩化ビニリデン樹脂を塗布
した塗工紙とか、ポリエチレン等の熱可塑性フィルムを
貼合わせたラミネート紙などがある。近年、パルプ原料
の不足から大量の故紙が回収され再生されているが、し
かし上記のような樹脂を用いた加工紙が増えてきてお
り、これを故紙回収処理しても樹脂成分を充分に離解す
ることができず、回収紙料中に未離解繊維及び樹脂片が
混入して、紙の地合悪化、ピッチトラブル等の原因とな
っている。
【0003】ワックスを用いて紙に防湿性を付与する場
合には、ある程度以上の塗布量が必要であるばかりでな
く、折り曲げ時に皮膜が白化したり、表面のすべりがひ
どくて巻き取った後運搬中に紙管がずれたりするので防
滑剤の塗布を余儀なくされるなどの問題がある。また、
汎用の樹脂エマルジョンでは防湿性能の点で問題があ
り、塩化ビニリデンを塗布した紙も優れた防湿性能を示
すが、故紙の再生時に離解が困難であることが多い。最
近、ワックスエマルジョンと各種エマルジョンを組み合
わせたコート剤が開発されているが、必要な防湿、防水
性、故紙回収のための易離解性、折り曲げ白化防止性、
滑り防止性、耐ブロッキング性、ヒートシール性をすべ
て具備しているものはまだ無く、この開発が望まれてい
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記のような状況か
ら、本発明は、防湿、防水性に優れ、故紙回収時にはた
やすく離解し、使用時の折り曲げ白化や滑りやブロッキ
ングといったトラブルの発生が防止され、ヒートシール
性も兼ね備えた被覆を付与することのできるコート剤を
提供しようとしてなされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記の課題
を解決するため鋭意検討の結果、特定範囲の疎水性単量
体を主成分としてなるスチレン含有エマルジョンと特定
範囲の親水性単量体組成からなる(メタ)アクリル酸エ
ステル系エマルジョンと石油ワックスエマルジョンさら
にカルボキシル基含有ポリエチレン系ワックスエマルジ
ョンを配合したコート剤により課題解決の可能性がある
ことを見出し、さらに単量体の種類、量、ワックスエマ
ルジョンの種類、量について試験を行い本発明に至っ
た。
【0006】すなわち本発明は、合計固形分100重量
部中、(イ)スチレン及びその他の25℃での対水溶解
度が1g/水100g未満である疎水性単量体を合せた
もの80〜97重量%を主成分単量体組成として共重合
して得られたスチレン含有エマルジョンがその固形分換
算40〜90重量部、(ロ)(メタ)アクリル酸エステ
ル及びその他の25℃での対水溶解度が1g/水100
g以上である単量体を合せたもの90〜97重量%なら
びにα,βエチレン性不飽和カルボン酸3〜10重量%
を共重合して得られた(メタ)アクリル酸エステル系エ
マルジョンがその固形分換算5〜50重量部、(ハ)融
点40〜100℃の石油ワックスのエマルジョンがその
固形分換算2〜15重量部及び(ニ)カルボキシル基を
有し酸価30〜200のポリエチレン系ワックスのエマ
ルジョンがその固形分換算0〜15重量部、それぞれ配
合された水性エマルジョンからなる紙の防湿、易離解性
コート剤、を要旨とするものである。
【0007】以下に本発明について詳しく説明する。本
発明のコート剤の(イ)成分であるスチレン含有エマル
ジョンからの乾燥皮膜は緻密でピンホール、亀裂のない
ことはもちろんであるが、この皮膜の透湿度が小さいこ
とが必須条件である。そのためにはエマルジョンを製造
するための単量体としてスチレンのほか25℃での対水
溶解度が1g/水100g未満である疎水性単量体を主
成分として使用する。
【0008】このようなスチレン以外の疎水性単量体と
しては、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロル
スチレン、クロルメチルスチレン、ブタジエン、イソプ
レン、炭素数3〜18のアルキル基を有するアルコール
とのアクリル酸エステル、炭素数2〜18のアルキル基
を有するアルコールとのメタクリル酸エステル、塩化ビ
ニル、塩化ビニリデン等が例示される。防湿性の優れた
スチレンは必須成分であるが、単量体全量のうち65重
量%を超えて使用すると塗膜が硬くなり風合いが損なわ
れたり折り曲げ白化が生じるようになるので、スチレン
以外の疎水性単量体の中から1種のみまたは2種以上を
組み合わせて用いるとよい。本発明の目的を達成するた
めにスチレンとその他の疎水性単量体の合計量は単量体
全量のうちの80〜97重量%とするが、好ましくは9
0〜97重量%である。
【0009】また、このエマルジョン中のスチレン含有
共重合体には、(メタ)アクリル酸、マレイン酸等のカ
ルボキシル基含有単量体、(メタ)アクリル酸−2-ヒド
ロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2-ヒドロキシプロ
ピル等のヒドロキシル基含有単量体、(メタ)アクリル
酸アミド、(メタ)アクリル酸−N-メチロールアミド等
のアミド基含有単量体、(メタ)アクリル酸ジメチルア
ミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル
等のアミノ基含有単量体、アクリロニトリル、酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、(メタ)アクリル酸メチル、
アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸メトキシエチ
ル、(メタ)アクリル酸ブトキシエチル等の25℃での
対水溶解度が1g/水100gを超える単量体をエマル
ジョンの機械的安定性、塗工性等を改善するため単量体
全量のうち3〜20重量%の量で共重合するとよい。こ
れらの単量体は少なすぎると機械的安定性、塗工性が不
良になりやすく、逆に多すぎると乾燥皮膜の透湿度が高
くなりやすい。さらに好ましくは3〜10重量%共重合
される。
【0010】(イ)成分のスチレン含有エマルジョン
は、上記した各単量体を用いて公知の乳化重合法により
製造することができる。すなわち、用いる単量体を混合
し、これに乳化剤、重合開始剤等を加えて水系で乳化重
合を行えばよく、一括して仕込み重合する方法、各成分
を連続供給しながら重合する方法などの各種の方法を適
用できる。
【0011】乳化重合用の乳化剤としてはアルキルまた
はアルキルアリル硫酸塩、アルキルまたはアルキルアリ
ルスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩等のアニ
オン性乳化剤、アルキルトリメチルアンモニウムクロラ
イド、アルキルベンジルアンモニウムクロライド等のカ
チオン性乳化剤、ポリオキシエチレンアルキルフェニル
エーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリ
オキシエチレンカルボン酸エステル等のノニオン性乳化
剤、及び重合性乳化剤などが例示される。乳化剤の使用
量はエマルジョンに対して要求される性質に応じて変わ
りうるが、一般に重合安定性を向上させる目的やエマル
ジョンの機械的、化学的安定性を良好にする目的には乳
化剤の使用量が多いことが望ましく、乾燥皮膜の耐水性
を向上させるためには逆に使用量が少ない方が望まし
く、通常は単量体の合計量100重量部に対して1〜1
0重量部程度の範囲内から目的に応じ使用量が決められ
る。
【0012】重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過
硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、過酸化水素、t-ブチル
ハイドロパーオキサイド、アゾビスアミジノプロパン塩
酸塩等の水溶性タイプ、ベンゾイルパーオキサイド、キ
ュメンハイドロパーオキサイド、ジブチルパーオキサイ
ド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、クミルパ
ーオキシネオデカノエート、クミルパーオキシオクトエ
ート、アゾビスイソブチロニトリル等の油溶性タイプな
どが例示される。さらに必要に応じ、酸性亜硫酸ナトリ
ウム、ロンガリット、L-アスコルビン酸、糖類、アミン
類などの還元剤を併用したレドックス系も使用すること
ができる。その使用量は単量体の合計量100重量部に
対して0.01〜3重量部程度とすればよい。重合反応
は通常35〜90℃程度で行えばよく、反応時間は通常
3〜10時間程度とすればよい。
【0013】なお、乳化重合の開始時あるいは終了後に
塩基性物質を加えてpHを調整することにより、エマル
ジョンの重合安定性、凍結安定性、機械的安定性、化学
的安定性等を向上させることができる。この場合、得ら
れるエマルジョンのpHが5以上となるように調整する
ことが好ましく、塩基性物質としては、アンモニア、エ
チルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エタ
ノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチルエタノ
ールアミン、苛性ソーダ、苛性カリ等を使用することが
できる。
【0014】(ロ)成分である(メタ)アクリル酸エス
テル系エマルジョンからの乾燥皮膜は、水、アルカリ離
解性の良いことが必要であり、そのためには、エマルジ
ョンを製造するための単量体として25℃での対水溶解
度が1g/水100g以上である親水性単量体とα,β
エチレン性不飽和カルボン酸を使用する。このような親
水性単量体としては、例えば(メタ)アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチルのほか、(メタ)アクリル酸−2-
ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2-ヒドロキシ
プロピル等のヒドロキシル基含有単量体、(メタ)アク
リル酸アミド、(メタ)アクリル酸−N-メチロールアミ
ド等のアミド基含有単量体、(メタ)アクリル酸ジメチ
ルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエ
チル等のアミノ基含有単量体、アクリロニトリル、酢酸
ビニル、プロピオン酸ビニル、(メタ)アクリル酸メト
キシエチル、(メタ)アクリル酸ブトキシエチルなどを
挙げることができ、これらの中から1種のみまたは2種
以上を組み合わせて用いる。本発明の目的を達成するた
めに、上記単量体の合計量は単量体全量のうちの90〜
97重量%とするが、好ましくは93〜96重量%であ
る。
【0015】もうひとつの必須の単量体成分であるα,
βエチレン性不飽和カルボン酸は皮膜に水、アルカリ離
解性を付与するために必要であり、例えばアクリル酸、
メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、
フマル酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエ
ステル等を挙げることができ、これらのうちの1種のみ
用いてもよく、2種以上を同時に用いることもできる。
α,βエチレン性不飽和カルボン酸は使用量が少なくな
ると水、アルカリ離解性が低下し、逆に多くなると透湿
度や耐水性が劣るようになるので、単量体全量のうち3
〜10重量%とするが、好ましくは4〜7重量%であ
る。
【0016】(ロ)成分の(メタ)アクリル酸エステル
系エマルジョンを得るには、(イ)成分のスチレン含有
エマルジョンの乳化重合法と同様の種類、量から選ばれ
た乳化剤、重合開始剤を加えて乳化重合を行えばよく、
重合の開始時あるいは終了後に塩基性物質を加えてpH
を調整することも同じである。
【0017】本発明のコート剤の主要成分である(イ)
成分と(ロ)成分は、それぞれ単量体組成と機能が大き
く異なっており、両者を併用することにより防湿、防水
性と離解性との背反的性能を兼備できる。そのために
は、コート剤の合計固形分100重量部中の(イ)成分
に由来する固形分を40〜90重量部、(ロ)成分に由
来する固形分を5〜50重量部とする。しかし、
(イ)、(ロ)成分の加重平均組成比の1種類の共重合
体だけでは防湿、防水性と離解性を同時に高度に満足さ
せることはできない。その理由は不明であるが、
(イ)、(ロ)成分の併用により生成した皮膜は微視的
には不均一であり、離解工程の水、アルカリ存在下の剪
断力で容易に離解されるのではないかと想像される。
【0018】(ハ)成分の石油ワックスのエマルジョン
は皮膜に防湿性及び防水性を付与するために配合される
もので、融点が40〜100℃の範囲にある石油ワック
スを例えばアニオン系乳化剤により水中に分散した水系
分散体である。石油ワックスの融点が100℃より高い
場合は、紙表面に塗工した加工用組成物を乾燥する一般
的条件が130℃×数10秒であるため、石油ワックス
が充分に溶融しないので均一な塗膜が得られず透湿度に
悪影響を及ぼし、40℃よりも低いと、上記乾燥条件下
では石油ワックスが紙の繊維中に浸透してしまうので充
分な防湿性が得られなくなる。従って40〜100℃の
融点範囲の石油ワックスのエマルジョンを使用するが、
好ましい融点範囲は40〜65℃である。
【0019】石油ワックスとしてはパラフィンワック
ス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム、パ
ラフィンワックスにジルコニウム化合物を加えたもの等
が例示されるが、パラフィンワックスが好ましいもので
ある。(ハ)成分の配合量が少なすぎると充分な防湿性
及び防水性を得ることができないし、多すぎると折り曲
げ時に極度の白化現象が現れたり離解性が著しく損われ
るので、コート剤の合計固形分100重量部中の石油ワ
ックスエマルジョンからの固形分を2〜15重量部とす
るが、好ましくは2〜10重量部である。
【0020】(ニ)成分のポリエチレン系ワックスのエ
マルジョンは皮膜の防湿性及び防水性付与に加え、離解
性、耐スリップ性の改善のために配合されるもので、こ
れらの特性を付与するため、このポリエチレン系ワック
スはカルボキシル基を有し酸価30〜200のものとす
るが、分子量についても2,000〜20,000の範
囲にあることが好ましい。(ニ)成分は(イ)、
(ロ)、(ハ)成分の配合だけでは塗膜の防湿性を保ち
ながら充分な離解性が得られない場合に添加されるもの
で、多すぎると充分な防湿性や耐スリップ性が得られな
くなるので、コート剤の合計固形分100重量部中のポ
リエチレン系ワックスのエマルジョンからの固形分は1
5重量部以下、好ましくは10重量部以下とされる。
【0021】本発明の防湿、易離解性コート剤は、上記
必須成分のほか、通常用いられる顔料、可塑剤、皮膜形
成助剤、消泡剤、粘度調節剤等も本発明の効果を損なわ
ない範囲で任意に配合可能である。
【0022】
【実施例】つぎに、スチレン含有エマルジョンの合成例
及び(メタ)アクリル酸エステル系エマルジョンの合成
例ならびにこれらのエマルジョンを用いた具体的実施例
及び比較例を挙げる。しかし本発明はこの実施例に限定
されるものではない。なお、例中の部及び%はそれぞれ
重量部と重量%を示す。
【0023】合成例1(エマルジョンA−1の合成) 攪拌機、コンデンサー、温度計及び窒素ガス導入口を備
えた重合容器に、脱イオン水275部を仕込み窒素置換
した後、内温を82℃に昇温した。一方、あらかじめ脱
イオン水138部、スチレン330部、アクリル酸-2−
エチルヘキシル176部、メタクリル酸ヒドロキシエチ
ル11部、メタクリル酸16.5部、アクリル酸16.
5部、ラウリル硫酸ナトリウム3.8部、ポリオキシエ
チレンノニルフェニルエーテル12.3部をホモジナイ
ザーで混合乳化した液と、3.8%過硫酸アンモニウム
水溶液42部とを、別々に上記重合容器中へ3時間を要
して均一に滴下させ、さらに82℃で2.5時間反応さ
せ重合を完結させた。得られた共重合エマルジョン(以
下これをA−1と略記)は固形分濃度55%であった。
単量体組成(%)を表1に示す。
【0024】合成例2〜5(エマルジョンA−2〜A−
5の合成) 合成例1と同様にして、表1に示される単量体の種類及
び組成%に基づく量で共重合して固形分濃度54〜55
%の共重合エマルジョン(A−2〜A−5)を得た。
【0025】
【表1】
【0026】合成例6(エマルジョンB−1の合成) 攪拌機、コンデンサー、温度計及び窒素ガス導入口を備
えた重合容器に、脱イオン水275部を仕込み窒素置換
した後、内温を82℃に昇温した。一方、あらかじめ脱
イオン水138部、メタクリル酸メチル308部、アク
リル酸エチル198部、メタクリル酸ヒドロキシエチル
11部、メタクリル酸22部、アクリル酸11部、ラウ
リル硫酸ナトリウム3.8部、ポリオキシエチレンノニ
ルフェニルエーテル12.3部をホモジナイザーで混合
乳化した液と、3.8%過硫酸アンモニウム水溶液42
部とを、別々に上記重合容器中へ3時間を要して均一に
滴下させ、さらに82℃で2.5時間反応させ重合を完
結させた。得られた共重合エマルジョン(以下これをB
−1と略記)は固形分濃度55%であった。単量体組成
(%)を表2に示す。
【0027】合成例7〜9(エマルジョンB−2〜B−
4の合成) 合成例6と同様にして、表2に示される単量体の種類及
び組成%に基づく量で共重合して固形分濃度54〜55
%の共重合エマルジョン(B−2〜B−4)を得た。
【0028】
【表2】
【0029】実施例1 合成例1で得たエマルジョンA−1の110部(固形分
換算60部)とエマルジョンB−1の55部(固形分換
算30部)と石油ワックスエマルジョン(パラフィンワ
ックス、固形分濃度45%、融点57℃)の11部(固
形分換算5部)とポリエチレンワックスエマルジョンE
−1(固形分濃度25%、分子量15,000、酸価1
50)の20部(固形分換算5部)とを容器に入れ、室
温で30分間攪拌し混合させた。固形分換算配合部数を
表3に再記する。
【0030】この混合物を無処理のクラフト紙表面にバ
ーコーターで乾燥皮膜の厚みが10g/m2 になるよう
に塗布した後、130℃で30秒乾燥して試験片とし
た。得られた試験片について透湿度、防水性、離解性、
折り曲げ白化性、耐スリップ性、耐ブロッキング性、ヒ
ートシール性を測定した。結果は表4に示すとおりであ
った。
【0031】なお、各特性の測定は下記のようにして行
った。 a.透湿度 恒温恒湿条件下(40℃,90%RH)におけるカップ
法による水蒸気透過度試験法(JIS Z0208)に
より透湿度を測定した。 b.防水性 試験片を用いて縦5cm×横5cm×高さ2.5cmの
箱を作り、その中へ脱イオン水40mlを入れ24時間
放置した後の水のしみ出し状況を調べ4段階評価した。 ◎:しみ出ない、○:ほとんどしみ出ない、△:一部し
み出る、×:しみ出る
【0032】c.水離解性 パルプ濃度が3%になるように常温の水道水に約2.5
cm角の試験片を入れ、これをパルプ試験用手すき紙調
整方法(JIS P8209)に示されている標準離解
機(回転数3000rpm)で15分間攪拌した後の離
解状態を目視により4段階評価した。 ◎:完全に離解、○:ほとんど離解、△:一部離解せ
ず、×:離解せず d.アルカリ離解性 パルプ濃度が0.5%になるように45℃の1%苛性ソ
ーダ水溶液に試験片を入れ、これをスターラー(回転数
200rpm)で45分間攪拌した後の離解状態を目視
及び顕微鏡観察により4段階評価した。 ◎:完全に離解、○:ほとんど離解、△:一部離解せ
ず、×:離解せず
【0033】e.折り曲げ白化性 試験片を折り曲げた時の折り目部分の塗膜の白化状態を
目視により3段階評価した。 ◎:白化せず、〇:一部白化、△:白化する f.耐スリップ性 摩擦係数試験法(JIS P8147)の傾斜法によ
り、静摩擦係数を測定した。塗布紙の種類にもよるが、
通常、静摩擦係数0.6〜1.2の範囲のものが好まし
い。
【0034】g.耐ブロッキング性 5cm角に裁断した試験片を塗布面同士あるいは塗布面
と非塗布面を重ね合わせ、その上に荷重10kgをのせ
た状態で40℃、湿度90%RHの雰囲気下で24時間
放置した。その後室温で放冷し、ゆっくりと試験片をは
がした時の紙の表面状態を目視により4段階評価した。 ◎:ブロッキングなし、○:少し音はするがブロッキン
グなし、△:一部ブロッキング、×:全面ブロッキング h.ヒートシール性 試験片の塗布面と塗布面を重ね合わせ、熱傾斜試験機を
用いて160〜180℃×4kg/cm2 ×10sec
の条件で熱圧着した後、塗膜のヒートシール性の有無を
目視により3段階評価した。 ◎:ヒートシール性あり、○:ヒートシール性あるが強
度弱い、×:ヒートシール性なし
【0035】実施例2〜7、比較例1〜5 表3に示す配合(固形分換算配合部数)で実施例1と同
様にして各成分を攪拌、混合し、同様にして試験片を作
った。得られた試験片についても実施例1と同様にして
特性を測定し、結果を表4に示した。なお、ポリエチレ
ンワックスエマルジョンE−2は固形分濃度30%、分
子量5,000、酸価60である。
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】
【0038】
【発明の効果】本発明の新規な防湿、易離解性コート剤
は、これから形成される塗膜が紙に優れた防湿、防水性
を付与し、折り曲げ白化やすべりといった欠点もなく、
良好な耐ブロッキング性とヒートシール性を有し、故紙
回収時にはたやすく離解するので、このような特性を兼
備している点から紙加工用として極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09K 3/18 101 D21H 19/18 // B01J 13/00 A

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合計固形分100重量部中、(イ)スチ
    レン及びその他の25℃での対水溶解度が1g/水10
    0g未満である疎水性単量体を合せたもの80〜97重
    量%を主成分単量体組成として共重合して得られたスチ
    レン含有エマルジョンがその固形分換算40〜90重量
    部、(ロ)(メタ)アクリル酸エステル及びその他の2
    5℃での対水溶解度が1g/水100g以上である単量
    体を合せたもの90〜97重量%ならびにα,βエチレ
    ン性不飽和カルボン酸3〜10重量%を共重合して得ら
    れた(メタ)アクリル酸エステル系エマルジョンがその
    固形分換算5〜50重量部、(ハ)融点40〜100℃
    の石油ワックスのエマルジョンがその固形分換算2〜1
    5重量部及び(ニ)カルボキシル基を有し酸価30〜2
    00のポリエチレン系ワックスのエマルジョンがその固
    形分換算0〜15重量部、それぞれ配合された水性エマ
    ルジョンからなる紙の防湿、易離解性コート剤。
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