JPH04318090A - 再剥離型感圧接着剤水性組成物 - Google Patents

再剥離型感圧接着剤水性組成物

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JPH04318090A
JPH04318090A JP11076091A JP11076091A JPH04318090A JP H04318090 A JPH04318090 A JP H04318090A JP 11076091 A JP11076091 A JP 11076091A JP 11076091 A JP11076091 A JP 11076091A JP H04318090 A JPH04318090 A JP H04318090A
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Kazuhiro Yamazaki
一浩 山崎
Toshiyuki Kakizawa
柿沢 敏幸
Masaru Ishihara
勝 石原
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プライスラベル;宅配
便などの梱包物用の宛先ラベル;等の感圧接着シート類
に好適に使用することができる再剥離型感圧接着剤水性
組成物に関し、特に、段ボール箱など紙製の成形品に対
して適度の接着力と再剥離性とを兼備する感圧接着シー
ト類用の再剥離型感圧接着剤水性組成物に関する。
【0002】詳しくは、特定のアクリル系共重合体、特
定の正リン酸エステルおよび水性エポキシ化合物をそれ
ぞれ特定量含有してなる再剥離型感圧接着剤水性組成物
に関する。
【0003】
【従来の技術】前記したような用途に用いられる感圧接
着シート類は、一般に被着体に貼着したのち一定時間経
過後被着体から剥離することが多いが、このとき感圧接
着剤の一部が被着体に残留するいわゆる所謂“のり残り
”を起こすことがしばしばであり、特に被着体が段ボー
ル箱など紙製の成形品である場合には、紙の表面強度の
弱さなどに起因して被着体表面が“紙むけ”などを起こ
し易く、また、紙を基材とするの感圧接着シート類の場
合には、紙の層間強度が弱いため層間剥離等により切断
して、被着体に紙と感圧接着剤とが残留する“紙破れ”
を生ずることが多い。
【0004】このような、再剥離性を要する感圧接着シ
ート類用の水性感圧接着剤組成物として、従来、いくつ
かの提案が知られており、例えば、特開平1−2344
85号公報には、
【0005】「(1)  アルキル基の炭素数が4〜1
2のアクリル酸アルキルエステルおよび/またはメタク
リル酸アルキルエステル70〜99.9重量%、α、β
−不飽和カルボン酸0.1〜10重量%およびこれらと
共重合可能な単量体 0〜29.9重量%からなる単量
体混合物を乳化重合して得られる水系共重合体エマルジ
ョン100重量部(固形分基準)に燐酸エステル化合物
0.1〜10重量部及びポリグリシジル化合物を、この
ポリグリシジル化合物中のエポキシ基が上記水系共重合
体中のカルボキシル基1当量当たり0.3〜3当量とな
る割合で配合したことを特徴とする水系感圧接着剤。」
に関して開示されている。
【0006】しかしながら、上記第1の提案において具
体的に開示される燐酸エステルは、本発明における正リ
ン酸エステルとは異なり、乳化剤や帯電防止剤などに用
いられる界面活性剤系の親水性燐酸エステルであり、ま
た該提案には、本発明における必須要件であるアクリル
系共重合体のゲル含量についてなど何等の記載も示唆も
存在しない。
【0007】そしてこの第1の提案の水系感圧接着剤を
用いた感圧接着シート類では、被着体が段ボール箱など
の紙製の成形品であるとき、該シート類の剥離時に被着
体表面が“紙むけ”などを起こすことがあり、また、紙
を基材とするの感圧接着シート類の場合、特に夏場など
高温高湿の条件下に置かれた該シート類の貼着物では、
“紙破れ”を生じ易いなどの問題点が存在することが判
明した。
【0008】また、特開昭57−87481号公報には
、「1.  アルキル基の炭素数が4以上のアクリル酸
アルキルエステルを主成分とする共重合体エマルジョン
であって、両性界面活性剤および可塑剤を含有してなる
再剥離型粘着剤組成物。」に関して開示されている。
【0009】しかしながら上記第2の提案が具体的に開
示する可塑剤は、フタル酸ジオクチル等のフタル酸エス
テル類などであって、リン酸エステル系可塑剤について
は全く開示されておらず、アクリル系共重合体のゲル含
量についても何等の記載も示唆もない。
【0010】そしてこのような第2の提案の「再剥離型
粘着剤組成物」を用いても、紙を基材とするの感圧接着
シート類の場合、前記第1の提案と同様、高温高湿条件
下では“紙破れ”を生じ易いなどの問題点が存在するこ
とが判明した。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、再剥離
型感圧接着剤、特に段ボール箱などの紙製の成形品を被
着体とする再剥離型感圧接着剤としての優れた諸性質、
すなわち、優れたタック、適度な接着力と再剥離性との
バランスおよび十分な凝集力を兼備し、剥離時には“の
り残り”、“紙むけ”、“紙破れ”等の不都合を生ずる
ことなくきれいに剥離できること、および、得られる感
圧接着シート類を紙管等に巻いたり、切断して積み重ね
たりして貯蔵するとき接着剤のはみ出しを生ずることの
ない、卓越した再剥離型感接着剤水性組成物を得るべく
研究を行った。
【0012】その結果、特定のガラス転移点およびゲル
含量を有するアクリル系共重合体の水性エマルジョンに
、特定の正リン酸エステル、及び、水溶性エポキシ化合
物をそれぞれ特定量配合した感圧接着剤組成物は、特に
段ボール箱などの紙製の成形品を被着体とする場合にも
、上記の好ましい性質をことごとく兼備したものとなる
ことを見出だし、さらに研究を進めて、本発明を完成し
た。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記(A)、
(B)及び(C)、
【0014】(A)    アクリル系共重合体であっ
て、そのガラス転移点が−50℃以下であり、且つ、そ
のゲル含量が80重量%以上であるアクリル系共重合体
 100重量部、
【0015】(B)  下記一般式(1)、
【0016
【化2】
【0017】(但し、X1,X2およびX3は、それぞ
れ独立に炭素数2〜12のアルキル基、アリール基もし
くはアラルキル基または合計炭素数が4〜12のアルコ
キシアルキレン基を示す。なお、これらの基の水素原子
の一部もしくは全部がハロゲン原子で置換されていても
よいものとする。)
【0018】で表される正リン酸エステル 1〜20重
量部、及び、
【0019】(C)  水性エポキシ化合物 0.1重
量部以上、を有効成分として含有してなることを特徴と
することを特徴とする再剥離型感圧接着剤水性組成物の
提供を目的とするものである。
【0020】以下、本発明を詳細に説明する。
【0021】本発明に用いられるアクリル系共重合のガ
ラス転移点は−50℃以下、好ましくは−60℃以下で
ある。該ガラス転移点が上記温度を超えては、得られる
感圧接着剤層のタックが不足しがちとなり好ましくない
【0022】なお、本発明において、アクリル系共重合
体のガラス転移点は下記により測定決定された値である
【0023】ガラス転移点:厚さ約0.05mmアルミ
ニウム箔製の、内径約5mm、深さ約5mmの円筒型の
セルに、アクリル系共重合体水性分散液の試料約10m
gを秤取し、100℃で2時間乾燥したものを測定試料
とする。セイコー電子工業(株)製SSC−5000型
示差走査熱量計(Differential Scan
ning Calorimeter)を用い、−150
℃から昇温速度10℃/minで測定決定する。
【0024】また、本発明において用いられるアクリル
系共重合体中のゲル含量は、80重量%以上、好ましく
は90〜99重量%である。特に紙製成形品を被着体と
する感圧接着シート類においては、このゲル含量範囲が
極めて重要であり、この範囲を逸脱すると本発明の前記
の卓越した効果は得られない。
【0025】すなわち、上記ゲル含量が上記下限値未満
では、紙製成形品の被着体に対する接着力が過大となっ
て、“紙むけ”などの不都合を引き起こすことがあるの
で好ましくない。また、ゲル含量が上記上限値以下であ
れば、得られる接着シート類の接着剤成分が基材に対し
て適度な密着性を有すると共に、その接着力も適度なも
のとなるので好ましい。
【0026】なお本発明において、アクリル系共重合体
中のゲル含量とは、該アクリル系共重合体中の酢酸エチ
ル不溶解分の含量を、以下の方法により測定決定した値
である。
【0027】ゲル含量: (イ)  試料フィルム作成 得られるアクリル系共重合体試料フィルムの厚さが約1
00μになるように、離型材上にアクリル系共重合体の
水性分散液を塗布し、室温にて約1時間乾燥後、更に1
00℃にて2分間乾燥して試料フィルムを作成する。
【0028】(ロ)  n−ヘキサン抽出上記(イ)の
試料フィルムを約5cm×約15cmに切断し、予め重
量を測定してある約1.5cmφのガラス棒に均一に巻
き付けた後、秤量して試料フィルム重量(W1)を得る
。このガラス棒に巻き付けた試料フィルムをソックスレ
ー抽出用円筒濾紙中に入れ、ソックスレー抽出器を用い
て4時間還流温度(約 100℃)でn−ヘキサン抽出
を行う。得られたn−ヘキサン抽出液を加熱乾固するこ
とによりn−ヘキサン抽出物重量(w1)を得る。
【0029】(ハ)  酢酸エチル抽出上記(ロ)と同
様に、ガラス棒に巻き付けた試料フイルム(重量W2)
を、ソックスレー抽出器を用いて4時間還流温度(約7
7℃)で酢酸エチル抽出を行う。得られた酢酸エチル抽
出液を加熱乾固することにより酢酸エチル抽出物重量(
w2)を得る。
【0030】(ニ)  ゲル含量の計算ゲル含量は、次
の式に従って計算される。
【0031】
【数1】
【0032】なお、感圧接着剤水性組成物が、後記する
ようにアクリル系共重合体及び界面活性剤のほかに、例
えば、顔料、無機充填剤等の添加物を含んでいる場合に
は、例えば、該感圧接着剤組成物を適宜イオン交換水等
で希釈して低粘度化(例えば約50cps以下)した後
、遠心分離を行なってこれら添加物を分離することによ
り、前記のガラス転移点及びゲル含量の測定に用いるア
クリル系共重合体の水性分散液を分離採取することが可
能である。このような分離が可能な理由は、本発明に用
いるアクリル系共重合体の比重が極めて1に近く、通常
感圧接着剤組成物に用いられる他の添加物に比較してか
なり軽いためである。
【0033】このような本発明に用いられるアクリル系
共重合体は、一般に下記(a)〜(d)、
【0034】
(a)   下記一般式(2)、
【0035】
【化3】
【0036】(但し、式中R1は炭素数4〜12の直鎖
もしくは分枝アルキル基を示す)で表され、その単独重
合体のガラス転移点が−30℃以下であるアクリル酸エ
ステル 49.9〜99.9重量%、
【0037】(b)   炭素数3〜5のα,β−不飽
和モノ−またはジ−カルボン酸 0.1〜3重量%、

0038】(c)  1分子中に2つ以上のラジカル重
合性不飽和基を有する単量体 0.01〜1重量%、及
び、
【0039】(d)  上記(a)〜(c)の単量
体と共重合可能で、該(a)〜(c)以外の単量体 0
〜50重量%、
【0040】からなる共重合体[但し、
(a)〜(c)の合計を100重量%とする]であるの
が好ましい。
【0041】前記単量体(a)は、下記一般式(2)、
【0042】
【化4】
【0043】で表わされるアクリル酸エステルであり、
そのR1は炭素数4〜12の直鎖もしくは分枝アルキル
基を示し、且つ、その単独重合体のガラス転移点が−3
0℃以下のものである。
【0044】そのような基R1の例としては、n−ブチ
ル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、i−オクチル
基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、i−ノニル
基、n−デシル基、n−ドデシル基などを挙げることが
できる。これらの中、n−ブチル基、n−ヘキシル基、
n−オクチル基、i−オクチル基、2−エチルヘキシル
基、n−ノニル基、i−ノニル基、n−デシル基などの
炭素数4〜10の直鎖もしくは分枝アルキル基がより好
ましく、n−ヘキシル基、n−オクチル基、i−オクチ
ル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、i−ノニ
ル基などの炭素数6〜9の直鎖もしくは分枝アルキル基
が特に好ましい。
【0045】このようなアクリル酸エステルの具体例と
しては、n−ブチルアクリレート、n−ヘキシルアクリ
レート、n−オクチルアクリレート、i−オクチルアク
リレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−ノニ
ルアクリレート、i−ノニルアクリレート等を例示する
ことができる。
【0046】前記単量体(a)であるアクリル酸エステ
ルの使用量は、単量体(a)〜(d)の合計100重量
%中、49.9〜99.9重量%であるのがよく、より
好ましくは60〜98重量%であり、特に好ましくは7
0〜98重量%である。単量体(a)の使用量が該下限
以上であれば、形成される感圧接着剤層の接着力および
タックと凝集力の優れたバランスが達成できるので好ま
しく、また、該上限量以下であれば、得られる感圧接着
剤水性組成物の機械安定性(剪断力を加えたときの分散
液の安定性)が損われることがなく、また、凝集力も十
分なものとなり好ましい。
【0047】前記単量体(b)は、炭素数3〜5のα,
β−不飽和モノ−もしくはジ−カルボン酸であり、その
具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン
酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、シトラコン酸
などを挙げることができる。これらの中では、アクリル
酸、メタクリル酸の利用がより好ましい。
【0048】前記単量体(b)の使用量は、前記単量体
(a)〜(d)の合計100重量%中、0.1〜3重量
%であるのがよく、特に好ましくは0.2〜2重量%で
ある。該単量体(b)の使用量が該上限量以下であれば
、形成される感圧接着剤層の接着力が過大となることが
なく、紙製の成形品を被着体とする場合には“のり残り
”や“紙むけ”を起こしにくいので好ましい。一方、該
使用量が0.1重量%、特には0.2重量%以上であれ
ば、得られる感圧接着剤水性組成物の機械安定性および
得られる感圧接着剤層の接着力が適度であり凝集力にも
優れているので、該使用量範囲において適当に選択利用
するのがよい。
【0049】前記単量体(c)としては、例えば、エチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、1,2−プロ
ピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−プ
ロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−
ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキ
サンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグ
リコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロ
パントリ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリ
レート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシア
ヌレート、ジアリルフタレート、ジビニルベンゼンなど
を例示することができる。
【0050】前記単量体(c)の使用量は、前記単量体
(a)〜(d)の合計100重量%中、0.01〜1重
量%、特には、0.05〜0.5重量%であるのが好ま
しい。該単量体(c)の使用量が該上限量以下であれば
、得られるアクリル系共重合体のゲル含量が高くなり過
ぎることがなく、これを用いた感圧接着シート類では、
接着剤成分の基材密着性が優れているので好ましい。一
方、該使用量が該下限値以上であれば、容易にアクリル
系共重合体のゲル含量を80重量%以上とすることがで
き、得られる感圧接着シート類を段ボールなど紙製成形
品の被着体に用いる場合にも、“紙むけ”などを起こす
ことがないので好ましい。
【0051】前記単量体(d)としては、例えば、前記
(a)以外のアクリル酸エステルを挙げることができる
。このようなアクリル酸エステルの具体例としては、メ
チルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピル
アクリレート、i−プロピルアクリレート、i−ブチル
アクリレート、t−ブチルアクリレート、ラウリルアク
リレート、トリデシルアクリレート、ステアリルアクリ
レート、オレイルアクリレートなどを例示することがで
き、メチルアクリレートの使用が好ましい。
【0052】また、共単量体(d)としては、例えば、
下記一般式(3)、
【0053】
【化5】
【0054】(但し、式中R2は炭素数1〜20の直鎖
もしくは分枝アルキル基、アルケニル基、シクロアルキ
ル基、アリール基またはアラルキル基を示す)
【005
5】で表わされるメタクリル酸エステルを例示すること
ができる。このようなメタクリル酸エステル単量体の具
体例としては、メチルメタクリレート、エチルメタクリ
レート、n−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタ
クリレート、i−ブチルメタクリレート、t−ブチルメ
タクリレート、n−オクチルメタクリレート、2−エチ
ルヘキシルメタクリレート、i−デシルメタクリレート
、ラウリルメタクリレート、トリデシルメタクリレート
、セチルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、
オレイルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレー
ト、ベンジルメタクリレートなどを例示することができ
、メチルメタクリレートの使用が好ましい。
【0056】さらに、単量体(d)として、例えば、下
記一般式(4)、
【0057】
【化6】
【0058】(但し、式中R3はHもしくは炭素数1〜
18、好ましくは炭素数1〜12の直鎖もしくは分枝ア
ルキル基を示す)
【0059】で表わされる飽和脂肪酸ビニルエステルで
あって、該基R4の例としては、水素、メチル基、エチ
ル基、t−ブチル基、t−オクチル基、t−ノニル基、
t−デシル基などである単量体を挙げることができる。 このような飽和脂肪酸ビニルエステル単量体の具体例と
しては、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル
、バーサチック酸ビニルなどを例示することができ、酢
酸ビニルの使用が好ましい。
【0060】更にまた、単量体(d)としては、例えば
、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等(
好ましくはスチレン)の芳香族ビニル単量体;及び、例
えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等(好ま
しくはアクリロニトリル)のシアン化ビニル単量体;よ
りえらばれた共単量体も同様に利用できる。
【0061】また単量体(d)としては、例えば、ジメ
チルマレート、ジ−n−ブチルマレート、ジ−2−エチ
ルヘキシルマレート、ジ−n−オクチルマレート、ジメ
チルフマレート、ジ−n−ブチルフマレート、ジ−2−
エチルヘキシルフマレート、ジ−n−オクチルフマレー
トなどのマレイン酸もしくはフマル酸エステル;
【0062】例えば、アクリルアミド、メタクリルアミ
ド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアクリ
ルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等の(メタ
)アクリル酸のアミド類またはその誘導体;例えば、グ
リシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等の
(メタ)アクリル酸とエポキシ基を有する飽和アルコー
ルとのエステル類;
【0063】例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロ
キシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメ
タクリレート等の(メタ)アクリル酸と多価飽和アルコ
ールとのエステル類;例えば、ジメチルアミノエチルメ
タクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート等
の(メタ)アクリル酸とアミノ基を有する飽和アルコー
ルとのエステル類;
【0064】その他種々の単量体を、本発明の卓越した
効果が損われない範囲において、特に制限されることな
く適宜使用することができる。
【0065】本発明に用いられるアクリル系共重合体の
好適な製造方法としては、例えば、前記(a)〜(d)
の単量体を、要すれば水溶性保護コロイドの存在下、適
当な界面活性剤を重合用乳化剤として用いて、水性媒体
中で乳化共重合する態様を挙げることができる。
【0066】本発明において、使用し得る上記の界面活
性剤としては、ノニオン系界面活性剤類として、例えば
、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエ
チレンステアリルエーテル等のポリオキシエチレンアル
キルエーテル類;
【0067】例えば、ポリオキシエチレンオクチルフェ
ノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェノール
エーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェノールエ
ーテル類;例えば、ソルビタンモノラウレート、ソルビ
タンモノステアレート、ソルビタントリオレエート等の
ソルビタン高級脂肪酸エステル類;
【0068】例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモ
ノラウレート等のポリオキシエチレンソルビタン高級脂
肪酸エステル類;例えば、ポリオキシエチレンモノラウ
レート、ポリオキシエチレンモノステアレート等のポリ
オキシエチレン高級脂肪酸エステル類;例えば、オレイ
ン酸モノグリセライド、ステアリン酸モノグリセライド
等のグリセリン高級脂肪酸エステル類;例えば、ポリオ
キシエチレン・ポリオキシプロピレン・ブロックコポリ
マー;等を例示することができる。
【0069】また、アニオン系界面活性剤類としては、
例えば、オレイン酸ナトリウム等の高級脂肪酸塩類;例
えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアル
キルアリールスルホン酸塩類;例えば、ラウリル硫酸ナ
トリウム等のアルキル硫酸エステル塩類;例えば、ポリ
エキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム等のポ
リオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類;
【0070】例えば、ポリオキシエチレンノニルフェノ
ールエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンア
ルキルアリールエーテル硫酸エステル塩類;モノオクチ
ルスルホコハク酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク
酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルスルホコハ
ク酸ナトリウム等のアルキルスルホコハク酸エステル塩
及びその誘導体類;等を例示することができる。
【0071】これらの界面活性剤を重合用乳化剤として
用いる場合には、これらを適宜組合わせて使用するのが
よく、その使用量としては一般に前記アクリル系共重合
体100重量部に対して0.2〜10重量部、好ましく
は0.5〜5重量部、特に好ましくは0.5〜4重量部
程度を例示できる。
【0072】また、これらの界面活性剤は、重合用乳化
剤として用いるほか、得られる感圧接着剤水性組成物の
機械安定性の向上や離型材(シリコーン樹脂等で離型処
理した紙またはプラスチックフイルム)への塗工性の改
良等を目的として、前記水性乳化共重合後にしばしば後
添加される。例えば、転写法(該感圧接着剤組成物を離
型材上に塗布して乾燥させ感圧接着剤層を形成させた後
、該感圧接着剤層上に該基材を重ね加圧し、該基材上に
該感圧接着剤層を転写する方法)が採用される場合には
、前記アニオン系界面活性剤中に例示したスルホコハク
酸エステル塩系アニオン系界面活性剤がしばしば用いら
れる。
【0073】本発明に好適に用いられるアクリル系共重
合体水性分散液の好適な製造方法としては、例えば前記
(a)〜(d)の単量体を、前記の如き界面活性剤を重
合用乳化剤として用いて、例えばポリビニルアルコール
などの水溶性保護コロイドの存在下に、水性媒体中で乳
化共重合するのが好ましい。
【0074】上記の水溶性保護コロイドとしては、例え
ば、部分ケン化ポリビニルアルコール、完全ケン化ポリ
ビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール等のポリ
ビニルアルコール(以下、PVAと略記することがある
)類;
【0075】例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ヒ
ドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロ
ース塩等のセルロース誘導体;及びグアガムなどの天然
多糖類;などがあげられ、これらは、単独でも複数種併
用の態様でも利用できる。これらの水溶性保護コロイド
の中、乳化共重合のしやすさ、得られる感圧接着剤層の
凝集力の優秀さなどの観点より、PVA類を用いるのが
好ましく、部分ケン化PVA及び/又は変性PVAであ
って、平均重合度が500以下のものを用いるのが特に
好ましい。
【0076】上記の水溶性保護コロイドの使用量として
は、前記アクリル系共重合体成分100重量部当り0.
1〜2重量部用いるのが好ましい。該使用量が0.1重
量部以上であれば、優れた凝集力の感圧接着剤層が得ら
れ、2重量部以下であれば、乳化共重合の過程で異常増
粘や反応系の凝固等のトラブルを引き起こすようなこと
もないので、0.1〜2重量部の範囲で用いるのがよい
【0077】更に、乳化共重合に際しては、例えば、過
硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム
などの過硫酸塩類;t−ブチルハイドロパーオキサイド
、クメンハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイド
ロパーオキサイドなどの有機過酸化物類、過酸化水素な
どの重合開始剤を使用することができる。これらも一種
もしくは複数種併用のいずれの態様でも利用できる。こ
れらの重合開始剤は、前記単量体(a)〜(d)の合計
100重量部に対して、0.1〜1重量部程度の量用い
るのが好ましい。
【0078】また、水性乳化共重合に際して、所望によ
り、還元剤を使用することができる。その例としては、
アスコルビン酸、酒石酸、クエン酸、ブドウ糖、ホルム
アルデヒドスルホキシラート金属塩等の還元性有機化合
物;チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸
ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム等の還元性無機化
合物を例示できる。これら還元剤は、前記単量体(a)
〜(d)の合計100重量部に対して、0.1〜1重量
部程度の量用いるのが好ましい。
【0079】更にまた、水性乳化共重合に際して、前記
の重量平均分子量範囲の共重合体を得るために連鎖移動
剤を使用するのが好ましく、このような連鎖移動剤とし
ては、例えば、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシ
ルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン、2−エチル
ヘキシルチオグリコレート、2−メルカプトエタノール
、トリクロロブロモメタン等を挙げることができる。こ
れら連鎖移動剤は、前記単量体(a)〜(d)の合計1
00重量部に対して、0〜1重量部程度の量用いるのが
好ましい。
【0080】本発明に用いるアクリル系共重合体の乳化
共重合において好適に採用される共重合温度は、約40
〜100℃、特には約60〜90℃である。
【0081】かくして得られたアクリル系共重合体水性
分散液中の共重合体粒子のDLS法による平均粒子径は
、一般に0.05〜3μ、好ましくは0.05〜2μで
ある。
【0082】なお、本発明でいうDLS法とは、“新実
験化学講座  基礎技術3 光(II)”,第725〜
741頁(日本化学会編)(昭和59年度版)に記載さ
れた原理によるものであり、水性分散液中のアクリル系
共重合体の平均粒子径は下記により測定決定された値で
ある。
【0083】平均粒子径:アクリル系共重合体の水性分
散液を蒸留水で5万〜15万倍に希釈し、十分に攪拌混
合した後、21mmφガラスセル中にパスツ−ルピペッ
トを用いて約10ml採取し、これを動的光散乱光度計
 DLS−700[大塚電子(株)製]の所定の位置に
セットし、以下の測定条件下で測定する。
【0084】
【表1】
【0085】上記の測定結果をコンピュータ処理して平
均粒子径を求める。
【0086】前記のようにして得ることのできるアクリ
ル系共重合体の水性分散液は、必要に応じてアンモニア
水等によってpH調節できる。このような分散液は、固
形分濃度30〜70重量%、好ましくは45〜65重量
%、粘度50〜3000cps(BH型回転粘度計、2
5℃、20rpm;粘度測定条件以下同様)、pH2〜
8程度であるのがよい。
【0087】本発明の再剥離型水性感圧接着剤組成物は
、前述したようなアクリル系共重合体(A)とともに、
下記一般式(1)、
【0088】
【化7】
【0089】(但し、X1,X2およびX3は、それぞ
れ独立に炭素数2〜12のアルキル基、アリール基もし
くはアラルキル基または合計炭素数が4〜12のアルコ
キシアルキル基を示す。なお、これらの基の水素原子の
一部もしくは全部がハロゲン原子で置換されていてもよ
いものとする。)
【0090】で表される正リン酸エステル(B)を含有
してなるものである。
【0091】このような正リン酸エステル(B)として
は、特に紙基材の感圧接着シート類としたときの高温高
湿時における“紙破れ”のなさなどの観点から、水に対
する溶解度が0.6以下の疎水性のものを用いるのが好
ましく、例えば、トリブチルホスフェート、トリオクチ
ルホスフェート、トリス(β−クロロエチル)ホスフェ
ート、トリス(β−クロロプロピル)ホスフェート、ト
リス(ジクロロプロピル)ホスフェート、トリフェニル
ホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリス(i
−プロピルフェニル)ホスフェート、クレジルジフェニ
ルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ト
リブトキシエチルホスフェート等を好適に用いることが
できる。
【0092】正リン酸エステル(B)の使用量は、該ア
クリル系共重合体(A)100重量部に対して、1〜2
0重量部、好ましくは2〜10重量部である。該使用量
が該下限値未満と少な過ぎては、特に被着体が段ボール
箱など紙製の成形品の場合、“紙むけ”をおこすことが
あり好ましくなく、一方、該上限値を超えて多すぎては
、該正リン酸エステルがにじみだして被着体にシミを作
ることがあり好ましくない。
【0093】前記正リン酸エステル(B)の添加方法と
しては、特に限定されるものではなく、例えば前記アク
リル系共重合体(A)の共重合時(好ましくは乳化共重
合時)に、単量体に混合するなどして添加する方法;共
重合終了後、好ましくは得られるアクリル系共重合体の
水性分散液中に後添加する方法;など適宜公知の方法を
採用することができる。
【0094】本発明の再剥離型水性感圧接着剤組成物は
、前記のアクリル系共重合体(A)および正リン酸エス
テル(B)と共に、水性エポキシ化合物(C)を含有し
てなるものである。
【0095】上記の水性エポキシ化合物(C)は特に限
定されるものではなく、前記アクリル系共重合体(A)
および正リン酸エステル(B)と配合して感圧接着剤水
性組成物とするに当たり、分散不良やカスの発生などの
トラブルを生じないものなら何れも使用することができ
る。
【0096】このような水性エポキシ化合物(C)とし
ては、水溶性もしくは水分散性エポキシ化合物、または
、エポキシ化合物の乳化分散液などを例示できる。これ
らのうち、水溶性もしくは水分散性エポキシ化合物の使
用が好ましい。
【0097】なお、ここでいう「水溶性もしくは水分散
性」とは、水100重量部中に5部添加し攪拌混合した
ときに、油滴となって分離したり、固形物を生じたりす
ることなく、外見上均一な水溶液または水分散液となる
場合をいう。
【0098】上記本発明に好適な水溶性もしくは水分散
性エポキシ化合物としては、例えば、エチレングリコー
ルジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリ
シジルエーテル、テトラエチレングリコールジグリシジ
ルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエー
テル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ジ
プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロ
ピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチル
グリコールジグリシジルエーテル等のモノ〜ポリアルキ
レングリコールジグリシジルエーテル類;
【0099】
例えば、グリセロールのジもしくはトリグリシジルエー
テルまたはそれらの混合物、ポリグリセロールポリグリ
シジルエーテル等のモノ〜ポリグリセロールのジ〜ポリ
グリシジルエーテル類;
【0100】例えば、トリメチロールプロパンのジもし
くはトリグリシジルエーテルまたはそれらの混合物;例
えば、ペンタエリスリトールのジ、トリもしくはテトラ
グリシジルエーテルまたはそれらの混合物;
【0101
】例えば、ソルビトールのジ、トリ、テトラ、ペンタも
しくはヘキサグリシジルエーテルまたはこれらの混合物
;例えば、アジピン酸ジグリシジルエステル;等を挙げ
ることができる。
【0102】これらの好適なエポキシ化合物(C)とし
ては、例えば、「デナコール」という商品名[ナガセ化
成工業(株)製]で市販されているものの中から適宜選
択して用いることができる。
【0103】水性エポキシ化合物(C)の使用量は、前
記アクリル系共重合体(A)100重量部に対して0.
1重量部以上であり、好ましくは0.3〜3重量部であ
る。該使用量が該下限値未満と少な過ぎると、紙基材の
感圧接着シート類では、接着剤成分と紙との密着性が不
十分となり、該シート類の剥離に際して“のり残り”や
“紙破れ”を引き起こすことがあり、好ましくない。一
方、該上限値を超えて用いても、得られる感圧接着シー
ト類の物性上の向上がほとんど見られないので、該上限
値以下の量で使用するのが好ましい。
【0104】水性エポキシ化合物の配合方法としては、
得られる接着剤組成物のポットライフの観点から、前記
アクリル系共重合体(A)および正リン酸エステル(B
)を含む水性分散物中に、該組成物の塗工作業の直前〜
8時間前に行うのが好ましい。
【0105】本発明の再剥離型感圧接着剤水性組成物を
用いて、感圧接着層を形成させる方法としては、紙また
はプラスチックフイルム等の基材の上に該感圧接着剤組
成物を直接塗布して乾燥させる直接法が採用できる。
【0106】更に転写法、すなわち、シリコーン等で離
型処理した紙またはプラスチックフィルム等の離型材上
に、該感圧接着剤組成物を塗布して乾燥させ感圧接着剤
層を形成させた後、該感圧接着剤層上に該基材を重ね加
圧し、該基材上に該感圧接着剤層を転写する方法も利用
できる。このような転写法では、離型材上への塗工時に
ハジキが生じ易いため、このハジキを防止する目的で、
例えば、前記スルホコハク酸エステル系アニオン系界面
活性剤を使用することができる。
【0107】前記の転写法では、通常、各種の増粘剤を
用いて本発明の組成物を増粘して用いる。このような増
粘剤としては、ポリアクリル酸ナトリウム、前記PVA
類、前記セルロース誘導体、アルカリ性で増粘する水性
分散型ポリ(メタ)アクリル酸系共重合体増粘剤等を例
示することができる。これらの増粘剤の使用量は、所望
の粘度に応じて適宜きめることができ、前記アクリル系
共重合体100重量部に対して固形分として 0〜10
重量部、好ましくは 0〜5重量部の範囲である。
【0108】また、本発明の感圧接着剤組成物は必要に
応じ、可塑剤、pH調整剤、湿潤剤及び防カビ剤等を添
加して使用することができる。
【0109】更に、本発明の感圧接着剤組成物は、所望
の性能を損わない限り、従来から用いられている合成ゴ
ムラテックス、天然ゴムラテックス、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体エマルジョン、エチレン−酢酸ビニル−ア
クリル共重合体エマルジョンまたはその他合成樹脂エマ
ルジョンを添加して使用することができる。
【0110】本発明の再剥離型感圧接着剤水性組成物は
、一般に、固形分濃度30〜70重量%、粘度100〜
15000cps(回転粘度計、25℃、20rpm)
、pH3〜8程度がよく、また、転写法に用いる場合に
は、固形分濃度30〜70重量%、粘度3000〜15
000cps、pH4〜8.5が好適である。
【0111】
【実施例】以下、比較例、参考例と共に実施例を挙げて
本発明について更に詳しく説明する。
【0112】なお、試験片の作成、並びに、常態接着力
(ステンレスおよび段ボール)、タック、凝集力及び再
剥離性(常態、耐熱性および耐熱湿劣性)等の諸試験は
以下の方法に従った。
【0113】(1) 試験片の作成 離型材上に、乾燥後の感圧接着剤層が20〜25g/m
2になるように感圧接着剤水性組成物のサンプルを塗布
し、100℃、90秒間熱風循環式乾燥器にて乾燥後、
81.4g/m2の上質紙に転写して感圧接着シートを
作成する。
【0114】(2) 接着力試験 JIS R−6253に規定する#280の耐水研磨紙
で磨いたSUS 304のステンレス鋼板(以下、SU
Sと略称することがある)および段ボール(Kライナー
紙使用)に前(1)項で作成した試験片をJIS Z−
0237の方法に従って圧着し、24時間後、23℃、
65%RH、剥離速度300mm/minの条件下でそ
の剥離強度(g/25mm)を測定する。
【0115】(3)  タック試験 J. Dow法に準じ、傾斜角30゜の斜面に長さ10
0mmに切断した前(1)項作成の試験片を貼りつけ、
斜面上方100mmの位置より値径x/32インチの大
きさのスチールボールをころがし、試料上で停止する最
大径のボールの大きさxで表示する。
【0116】(4) 凝集力試験 前(2)項と同様に処理したSUS板に、前(1)項作
成の試験片の貼着面積が25×25mm2になる様に貼
りつけ、2kgローラーを1往復して圧着した。これを
40℃、30%RHの雰囲気下で1kgの静荷重を試料
にかけ、荷重が落下するまでの時間を測定する。
【0117】(5) 紙基材密着力試験前(1)項で作
成した試験片の感圧接着面を、親指にて3回擦り、その
ときの状態を次の基準にしたがって評価する。 ○・・・・・・感圧接着剤剥離せず。 ×・・・・・・感圧接着剤剥離。
【0118】(6) 再剥離性試験 (6−1)常態再剥離性 前(1)項で作成した試験片を、前(2)項で用いたと
同様の段ボールに前(2)項と同様に貼り合わせてから
、23℃、65%RHの恒温恒湿室中に7日間放置した
後、手剥離によって剥離して、そのときの剥離状態を次
の基準にしたがって評価する。
【0119】
【表2】
【0120】(6−2)耐熱再剥離性 前(6−1)項と同様に貼り合わせたものを、70℃の
恒温槽中で7日間放置した後、手剥離によって剥離して
、そのときの剥離状態を前(6−1)項と同様の基準に
したがって評価する。
【0121】(6−3)耐熱湿再剥離性前(6−1)項
と同様に貼り合わせたものを、50℃、95%RHの恒
温恒湿槽中で7日間放置した後、手剥離によって剥離し
て、そのときの剥離状態を前(6−1)項と同様の基準
にしたがって評価する。
【0122】参考例1 温度計、攪拌機、窒素導入管および還流冷却器を備えた
反応器内にイオン交換水58重量部、重合開始剤として
過硫酸アンモニウム(APS)0.04重量部、還元剤
としてメタ重亜硫酸ナトリウム(SMBS)0.04重
量部を仕込み、内温を70℃に昇温させた。
【0123】一方、別の容器にイオン交換水20重量部
、乳化剤としてポリオキシエチレンアルキルフェノール
エーテル型ノニオン系界面活性剤(HLB約11)を1
.0重量部及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
塩型アニオン系界面活性剤を0.4重量部を仕込んで攪
拌して溶解し、次いでこれに2−エチルヘキシルアクリ
レート(2EHA)98重量部、アクリル酸(AA)2
重量部およびジアリルフタレート(DAP)0.1重量
部からなる単量体混合物を加えて攪拌し、単量体プレミ
ックスを得た。
【0124】反応器の内容物を窒素気流下に攪拌し、内
容物温度を70℃に保ちながら、上記単量体プレミック
ス、4重量%APS水溶液および4重量%SMBS水溶
液を逐次添加して重合を開始させ、約2時間重合反応を
行った。重合反応終了後、同温度でさらに約1時間攪拌
を継続してから冷却し、アンモニア水を用いてpH調整
して、アクリル系共重合体の水性分散液を得た。
【0125】この分散液は、固形分53.9重量%、p
H8.2、粘度32cpsであった。また、このアクリ
ル系共重合体のガラス転移点は−74℃、ゲル含量は9
6重量%であった。
【0126】参考例2〜3及び比較参考例1参考例1に
おいて、DAP0.1重量部用いる代わりに、DAPを
0.01重量部、1.0重量部用い、またはこれを用い
ない以外は参考例1と同様にしてアクリル系共重合体の
水性分散液を得た。単量体の組成並びに分散液及び共重
合体の各種物性値を第1表に示す。
【0127】参考例4〜5 参考例1において、DAP0.1重量部用いる代わりに
、アリルメタクリレート(AMA)またはトリアリルシ
アヌレート(TAC)をそれぞれ0.1重量部用いる以
外は参考例1と同様にしてアクリル系共重合体の水性分
散液を得た。単量体の組成並びに分散液及び共重合体の
各種物性値を第1表に示す。
【0128】参考例6 参考例1において、2EHAを98重量部用いる代わり
に、2EHA78重量部およびメチルメタクリレート(
MMA)20重量部用いる以外は参考例1と同様にして
アクリル系共重合体の水性分散液を得た。単量体の組成
並びに分散液及び共重合体の各種物性値を第1表に示す
【0129】比較参考例2 参考例6において、2EHA78重量部及びMMA20
重量部用いる代わりに、2EHA68重量部及びMMA
30重量部用いる以外は参考例3と同様にしてアクリル
系共重合体の水性分散液を得た。単量体の組成並びに分
散液及び共重合体の各種物性値を第1表に示す。
【0130】
【表3】
【0131】実施例1 参考例1の分散液166重量部(アクリル系共重合体約
100重量部)に、アルカリ増粘剤およびアンモニア水
を添加してpH約7、粘度約10000cpsとしてか
ら、正リン酸エステル(B)としてトリオクチルホスフ
ェート(TOP)5重量部を加え、次いで水性エポキシ
樹脂(C)としてデナコールEX−313[商品名;グ
リセロールポリグリシジルエーテル型水溶性エポキシ樹
脂;ナガセ化成工業(株)製]2重量部を添加して感圧
接着剤水性組成物を得た。
【0132】この組成物を用いて、前試験片の作成(1
)の方法に従い試験片の感圧接着シートを作成し、以下
、試験法(2)〜(6)に従って感圧接着シートの物性
測定を行なった。感圧接着剤組成物の配合組成、その物
性及び感圧接着シートの諸物性を第2表に示す。
【0133】実施例2〜4及び比較例1〜2実施例1に
おいて、TOPの使用量を変え、またはこれを使用しな
い以外は実施例1とほぼ同様にして感圧接着剤水性組成
物を作成し、以下同様にして各種試験を行なった。組成
物の配合組成、その物性及び感圧接着シ−トの諸物性を
第2表に示す。
【0134】実施例5及び比較例3 実施例1において、TOPを用いる代わりにトリクレジ
ルホスフェート(TCP)またはプライサーフA−21
5C[商品名;ポリオキシエチレンアルキルエーテルホ
スフェート型非イオン性界面活性剤;第一工業製薬(株
)製]を用いる以外は実施例1とほぼ同様にして感圧接
着剤水性組成物を作成し、以下同様にして各種試験を行
なった。組成物の配合、その物性及び感圧接着シ−トの
諸物性を第2表に示す。
【0135】実施例6及び比較例4 実施例1において、デナコールEX−313の使用量を
変える以外は実施例1とほぼ同様にして感圧接着剤組成
物を作成し、以下同様にして各種試験を行なった。組成
物の配合、その物性及び感圧接着シ−トの諸物性を第2
表に示す。
【0136】実施例7 実施例1において、デナコールEX−313を用いる代
わりにデナコールEX−810[商品名;ポリエチレン
グリコールジグリシジルエーテル型水溶性エポキシ樹脂
;ナガセ化成(株)製](EX−810)の使用量を変
える以外は実施例1とほぼ同様にして感圧接着剤水性組
成物を作成し、以下同様にして各種試験を行なった。組
成物の配合、その物性及び感圧接着シ−トの諸物性を第
2表に示す。
【0137】実施例8〜9及び比較例5実施例1におい
て、参考例1のアクリル系共重合体を用いる代わりに、
これとはゲル含量の異なる参考例2〜3または比較参考
例1のアクリル系共重合体を用いる以外は実施例1とほ
ぼ同様にして感圧接着剤水性組成物を作成し、以下同様
にして各種試験を行なった。組成物の配合、その物性及
び感圧接着シ−トの諸物性を第2表に示す。
【0138】実施例8〜9及び比較例5実施例1におい
て、参考例1のアクリル系共重合体を用いる代わりに、
これとは異なる単量体成分(c)を共重合して得られた
参考例4〜5のアクリル系共重合体を用いる以外は実施
例1とほぼ同様にして感圧接着剤水性組成物を作成し、
以下同様にして各種試験を行なった。組成物の配合、そ
の物性及び感圧接着シ−トの諸物性を第2表に示す。
【0139】実施例12及び比較例7 実施例1において、参考例1のアクリル系共重合体を用
いる代わりに、これとはTgの異なる参考例6または比
較参考例2のアクリル系共重合体を用いる以外は実施例
1とほぼ同様にして感圧接着剤水性組成物を作成し、以
下同様にして各種試験を行なった。組成物の配合、その
物性及び感圧接着シ−トの諸物性を第2表に示す。
【0140】
【表4】
【0141】
【表5】
【0142】
【発明の効果】本発明の再剥離型感圧接着剤水性組成物
は、特定のガラス転移点およびゲル含量を有するアクリ
ル系共重合体の水性エマルジョンに、特定の正リン酸エ
ステル、及び、水溶性エポキシ化合物をそれぞれ特定量
配合してなるものであり、
【0143】これを用いて作成した感圧接着シート類は
、特に段ボール箱などの紙製の成形品を被着体とする場
合にも、剥離時に段ボール表面への“のり残り”や段ボ
ール表面の“紙むけ”などの不都合を引き起こすことが
なく、また、感圧接着シート類の基材として紙を用いる
時にも、基材の“紙破れ”を起こすことがない。その上
、このような感圧接着シート類を紙管等に巻いたり、切
断して積み重ねたりして貯蔵するときにも、接着剤のは
み出しを生じない。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  下記(A)、(B)及び(C)、(A
    )  アクリル系共重合体であって、そのガラス転移点
    が−50℃以下であり、且つ、そのゲル含量が80重量
    %以上であるアクリル系共重合体 100重量部、(B
    )  下記一般式(1)、【化1】 (但し、X1,X2およびX3は、それぞれ独立に炭素
    数2〜12のアルキル基、アリール基もしくはアラルキ
    ル基または合計炭素数が4〜12のアルコキシアルキレ
    ン基を示す。なお、これらの基の水素原子の一部もしく
    は全部がハロゲン原子で置換されていてもよいものとす
    る。)で表される正リン酸エステル 1〜20重量部、
    及び、(C)水性エポキシ化合物 0.1重量部以上、
    を有効成分として含有してなることを特徴とすることを
    特徴とする再剥離型感圧接着剤水性組成物。
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