JPH07119079A - 紙含浸用組成物及び含浸紙 - Google Patents

紙含浸用組成物及び含浸紙

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JPH07119079A
JPH07119079A JP28609693A JP28609693A JPH07119079A JP H07119079 A JPH07119079 A JP H07119079A JP 28609693 A JP28609693 A JP 28609693A JP 28609693 A JP28609693 A JP 28609693A JP H07119079 A JPH07119079 A JP H07119079A
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淳 外山
Yoshihisa Suwaki
芳久 洲脇
Kuniyoshi Tashiro
邦義 田代
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 サイズ度、引張強度、伸び及び耐水性に優れ
且つそのバランスの良い含浸紙及びガムアップを発生せ
ずに前記含浸紙を得るための紙含浸用組成物を提供す
る。 【構成】 メタクリル酸及びこれと共重合可能な単量体
を、ポリオキシエチレンアルキルプロペニルエーテル硫
酸エステルアンモニウム塩を含有する水性媒体中で重合
してアルカリ可溶性重合体の中和物を得、このアルカリ
可溶性重合体の中和物の存在下に、スチレン、ブタジエ
ン及びグリシジルメタクリレートを乳化重合して得られ
る水性重合体分散液からなる紙含浸用組成物を得る。こ
の紙含浸用組成物を用いて含浸紙を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は含浸紙及び紙含浸用組成
物に関し、更に詳しくは、サイズ度、引張強度、伸び及
び耐水性に優れ且つそのバランスの良い含浸紙及びガム
アップを発生せずに前記含浸紙を得るための紙含浸用組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術】含浸紙は、紙を構成するパルプ又は繊維
の間にポリマーを介在させたものであり、テープ原紙、
研磨紙、擬革紙、ガスケット、靴中芯などとして広く利
用されている。このような含浸紙には、サイズ度、引張
強度、耐水性などの特性が要求される。また、含浸紙製
造時のガムアップを防ぐことも要求される。このような
含浸紙の製造に用いる紙含浸用組成物としては、界面活
性剤の存在下に乳化重合して得られる(メタ)アクリル
酸エステル系重合体ラテックス、スチレン−ブタジエン
系重合体ラテックス、アクリロニトリル−ブタジエン系
重合体ラテックスなどを含有する紙含浸用組成物が知ら
れている。しかし、これらの組成物では、含浸紙のサイ
ズ度が十分でない。また、サイズ度を向上させるため
に、界面活性剤としてロジン酸アルカリ金属塩、オレイ
ン酸アルカリ金属塩などを使用して乳化重合して得られ
るラテックスを含有する組成物が提案されているが、ガ
ムアップが発生し易くなるという欠点があった。また、
最近、低分子量、高酸価のカルボキシ変性スチレン−
(メタ)アクリル酸エステル系の共重合体の中和物から
なる組成物が提案されたが、引張強度、耐水性などの含
浸紙特性が不十分であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、サイ
ズ度、引張強度、伸び及び耐水性に優れ且つそのバラン
スの良い含浸紙及びガムアップを発生せずに前記含浸紙
を得るための紙含浸用組成物を提供することにある。本
発明者らは、この目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結
果、アルカリ可溶性重合体の中和物の存在下、単量体混
合物を乳化重合して得られる水性重合体分散液を用いる
ことによって、ガムアップを発生せずに、サイズ度、引
張強度、伸び及び耐水性に優れ且つそのバランスの良い
含浸紙が得られることを見出し、この知見に基づいて本
発明を完成するに至った。
【0004】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、エチレン性不飽和カルボン酸及びこれと共重合可能
なその他の単量体を重合して得られるアルカリ可溶性重
合体の中和物10〜200重量部の存在下、単量体混合
物100重量部を乳化重合して得られる水性重合体分散
液を必須成分とする紙含浸用組成物が提供される。ま
た、本発明によれば、前記紙含浸用組成物を用いて得ら
れる含浸紙が提供される。
【0005】本発明の紙含浸用組成物の必須成分である
水性重合体分散液は、アルカリ可溶性重合体の中和物1
0〜200重量部の存在下、単量体混合物100重量部
を乳化重合して得られるものである。
【0006】アルカリ可溶性重合体は、エチレン性不飽
和カルボン酸及びこれと共重合可能なその他の単量体を
重合して得られるものである。
【0007】エチレン性不飽和カルボン酸としては、ア
クリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などのエチレン性
不飽和モノカルボン酸;フマル酸、マレイン酸、イタコ
ン酸、ブテントリカルボン酸などのエチレン性不飽和多
価カルボン酸;マレイン酸モノエチル、イタコン酸モノ
メチルなどのエチレン性不飽和多価カルボン酸の部分エ
ステル化物等を挙げることができる。これらエチレン性
不飽和カルボン酸のうち(メタ)アクリル酸等のエチレ
ン性不飽和モノカルボン酸が好適である。
【0008】エチレン性不飽和カルボン酸の量は、アル
カリ可溶性重合体の酸価が、通常、50〜300、好ま
しくは80〜250の範囲になるものである。通常、ア
ルカリ可溶性重合体を得るために用いる全単量体の5〜
50重量%である。エチレン性不飽和カルボン酸の使用
量が5重量%より少ないと、アルカリ可溶性重合体の酸
価が小さくなり、このアルカリ可溶性重合体を中和して
も水に溶解しなくなるので水性重合体分散液の乳化重合
時における乳化安定性が低下するため、水性重合体分散
液を得ることができない。逆にエチレン性不飽和カルボ
ン酸の使用量が50重量%より多いと、紙含浸用組成物
を用いて得られる含浸紙の耐水性が低下する。なお、酸
価は後記の評価方法により得られた値である。
【0009】エチレン性不飽和カルボン酸と共重合可能
なその他の単量体としては、(メタ)アクリル酸メチ
ル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プ
ロピル、(メタ)アクリル酸n−アミル、(メタ)アク
リル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メ
タ)アクリル酸エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オ
クチル等のエチレン性不飽和カルボン酸アルキルエステ
ル単量体;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトル
エン、クロロスチレン等の芳香族ビニル単量体;(メ
タ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸
ヒドロキシプロピル等の水酸基含有エチレン性不飽和単
量体;(メタ)アクリル酸グリシジル、アリルグリシジ
ルエーテル等のグリシジル基含有エチレン性不飽和単量
体;(メタ)アクリロニトリル等のシアノ基含有エチレ
ン性不飽和単量体;(メタ)アクリルアミド、N−メチ
ロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル
(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有エチレン性不
飽和単量体;1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3
−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエ
ン等の共役ジエン単量体;塩化ビニル等のハロゲン化ビ
ニル;酢酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステルなどが
挙げられる。これらの単量体は単独で又は二種以上を組
み合わせて用いることができる。これらの単量体のう
ち、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エ
チルなどのエチレン性不飽和カルボン酸アルキルエステ
ル単量体が好適である。
【0010】本発明に用いるアルカリ可溶性重合体は、
その重量平均分子量が、通常、1,000〜20,00
0、好ましくは2,000〜15,000、さらに好ま
しくは5,000〜10,000である。重量平均分子
量が1,000より小さい場合、水性重合体分散液の重
合安定性が低下し、この分散液を用いて得られる含浸紙
のサイズ度が低下する。逆に20,000より大きい場
合水性重合体分散液の粘度が高くなるので、実用に適さ
なくなる。なお、重量平均分子量は後記の方法で得られ
た値である。
【0011】本発明に用いるアルカリ可溶性重合体は、
そのガラス転移温度が、通常、0〜+200℃、好まし
くは0〜+150℃である。0℃未満では含浸紙の引張
強度が低下する。逆に+200℃を超えると含浸紙の伸
びが低下して、風合いが硬くなるので、実用的でない。
【0012】アルカリ可溶性重合体は、通常、溶液重合
や乳化重合で得られるもの、好ましくは、重合性の界面
活性剤の存在下に乳化重合して得られるものである。
【0013】重合性界面活性剤は、分子中に1個以上の
重合可能な炭素−炭素不飽和結合を有する界面活性剤で
ある。その具体例としては、プロペニル−2−エチルヘ
キシルベンゼンスルホコハク酸エステルナトリウム、
(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンの硫酸エステ
ル、ポリオキシエチレンアルキルプロペニルエーテル硫
酸アンモニウム塩、(メタ)アクリル酸ポリオキシエチ
レンエステルの燐酸エステルなどのアニオン性の重合性
界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルベンゼンエー
テル(メタ)アクリル酸エステル、ポリオキシエチレン
アルキルエーテル(メタ)アクリル酸エステル等のノニ
オン性の重合性界面活性剤等が挙げられる。重合性界面
活性剤の量は、アルカリ可溶性重合体の合成に使用する
全単量体100重量部に対して、通常、0.01〜1.
0重量部、好ましくは0.05〜0.8重量部である。
0.01重量部未満では単量体の乳化が不可能となりア
ルカリ可溶性重合体の乳化重合ができなくなる。逆に
1.0重量部を超えると水性重合体分散液を用いて得ら
れる含浸紙のサイズ度及び耐水性が低下する。
【0014】アルカリ可溶性重合体の中和物は前記アル
カリ可溶性重合体を塩基性物質で中和度を70%以上に
中和して得られるものである。塩基性物質としては、ア
ンモニア;メチルアミン、エチルアミン、イソプロピル
アミン、ジメチルアミン、N,N−ジメチルエタノール
アミン、ジイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ト
リエタノールアミン等のアミン;水酸化ナトリウム等の
アルカリ金属の水酸化物;などが挙げられる。これらの
うち、アンモニアが好適である。
【0015】単量体混合物としては、通常、後記の単量
体を組み合わせたもの、好ましくは、グリシジル基、ア
ミド基又はアミノ基を含有するエチレン性不飽和単量体
と、これと共重合可能な単量体とを組み合わせたものが
挙げられる。
【0016】単量体混合物に用いるグリシジル基、アミ
ド基又はアミノ基を含有するエチレン性不飽和単量体と
しては、(メタ)アクリル酸グリシジル、アリルグリシ
ジルエーテル等のグリシジル基含有エチレン性不飽和単
量体;(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メ
タ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アク
リルアミド等のアミド基含有エチレン性不飽和単量体;
(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)ア
クリル酸ジエチルアミノエチル等のアミノ基含有エチレ
ン性不飽和単量体が挙げられる。これらの単量体の量
は、単量体混合物の、通常、0.5〜15重量%、好ま
しくは1〜10重量%である。0.5重量%未満では、
含浸紙の耐水性、引張強度などが低下する。15重量%
を超えると紙含浸用組成物の粘度が高くなるので実用に
適さない。
【0017】単量体混合物に用いるグリシジル基、アミ
ド基又はアミノ基を含有するエチレン性不飽和単量体と
共重合可能な単量体としては、(メタ)アクリロニトリ
ル、(メタ)アクリル酸β−シアノエチル等のシアノ基
含有エチレン性不飽和単量体;(メタ)アクリル酸ヒド
ロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル
等の水酸基含有エチレン性不飽和単量体;2−ビニルピ
リジン等のピリジル基含有エチレン性不飽和単量体;ス
チレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロ
スチレン等の芳香族ビニル単量体;(メタ)アクリル酸
メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル
酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−アミル、(メタ)
アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、
(メタ)アクリル酸エチルヘキシル、(メタ)アクリル
酸オクチル等のエチレン性不飽和カルボン酸アルキルエ
ステル単量体;1,3−ブタジエン、イソプレン、2,
3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジ
エン等の共役ジエン単量体;塩化ビニル等のハロゲン化
ビニル単量体;酢酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステ
ルなどが挙げられる。
【0018】また、単量体混合物は、その単量体混合物
を重合して得られる共重合体のガラス転移温度が、通
常、−80〜+200℃、好ましくは−75〜+150
℃、さらに好ましくは−40〜+80℃である。−80
℃未満では、含浸紙の引張強度が低下する。逆に+20
0℃を超えると含浸紙の伸び及び引張強度が低下す
る。、
【0019】アルカリ可溶性重合体の中和物と単量体混
合物との比率は、単量体混合物100重量部に対して、
アルカリ可溶性重合体の中和物が10〜200重量部、
好ましくは20〜150重量部である。アルカリ可溶性
重合体の中和物が10重量部より少ない場合、ガムアッ
プが発生しやすくなり、得られる含浸紙のサイズ度が低
下する。逆に該中和物が200重量部より多い場合、含
浸紙の伸び、耐水強度が低下する。
【0020】アルカリ可溶性重合体の中和物の存在下に
単量体混合物を乳化重合する方法としては、単量体混合
物を該中和物を含む水性媒体中に添加して重合するか、
該中和物と単量体混合物とを混合しエマルジョンにした
後、水性媒体中または該中和物を含有する水性媒体中に
添加して重合する。重合温度は0〜100℃、好ましく
は30〜90℃である。
【0021】アルカリ可溶性重合体の中和物の存在下に
単量体混合物を乳化重合するにあたって、重合安定性を
高めるために、単量体混合物に対して0.05重量%未
満、好ましくは0.02重量%未満の界面活性剤を使用
することができる。ただし、界面活性剤の量が0.05
重量%より多くなると含浸紙のサイズ度が低下する。
【0022】本発明の紙含浸用組成物の必須成分である
水性重合体分散液は、それを構成する共重合体のガラス
転移温度が、通常、−60〜+120℃、好ましくは−
50〜+100℃、さらに好ましくは−50〜+30℃
である。−60℃未満では、含浸紙の引張強度が低下す
る。逆に+120℃を超えると含浸紙の伸び及び引張強
度が低下する。
【0023】本発明の紙含浸用組成物には、必要に応じ
て、メタノール、イソプロパノール等の含浸促進剤;消
泡剤;耐水化剤;増粘剤などを配合することができる。
【0024】本発明の含浸紙は、前記紙含浸用組成物を
用いて得られるものである。
【0025】本発明の含浸紙に用いられる原紙として
は、通常、機械パルプ、化学パルプ、セミケミカルパル
プ、古紙パルプなどのパルプを素材とする原紙;レーヨ
ン繊維、ポリエステル繊維などの有機高分子繊維を素材
とする原紙;アスベスト繊維、セラミック繊維、ガラス
繊維、金属繊維、炭素繊維などの無機繊維を素材とする
原紙などが挙げられる。
【0026】本発明の含浸紙において、紙含浸用組成物
と原紙との比率は、原紙に対して、紙含浸用組成物が、
固形分換算で、通常、10〜50重量%である。10重
量%未満では、含浸紙の耐水性、引張強度などが低下す
る。逆に50重量%を超えても含浸紙の特性は高くなら
ない。
【0027】
【発明の効果】本発明の紙含浸用組成物を用いて含浸紙
を製造することによって、ガムアップが発生せずに、サ
イズ度、引張強度及び耐水性に優れ且つそのバランスの
良い含浸紙が得られる。
【0028】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明する。なお、実施例中の部及び%は重量基準であ
る。
【0029】〔評価方法〕実施例における各種物性の評
価方法は以下の通りである。 (ガラス転移温度)アルカリ可溶性重合体の中和物の水
溶液又は水性重合体分散液を枠付きガラス板に流延し、
20℃で48時間乾燥して、フィルムを得、このフィル
ムについて、走査示差熱量計(セイコー電子社製、モデ
ルRDC220)を用いて、初期温度−100℃、昇温
速度10℃/分の条件で測定した。
【0030】(分子量)アルカリ可溶性重合体の中和物
の水溶液を枠付きガラス板に流延し、20℃で48時間
乾燥して、フィルムを得、このフィルムをテトラヒドロ
フランに溶解し、ゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィーを用いてポリスチレン換算の重量平均分子量として
求める。
【0031】(酸価)アルカリ可溶性重合体のエマルジ
ョン1g(固形分換算)にフェノールフタレイン指示薬
を2滴添加し、0.1Nの水酸化カリウム水溶液で滴定
し、中和するまでに要した水酸化カリウムの固形分のm
g数として求める。
【0032】(機械的安定性[ガムアップ発生の代用指
標])固形分濃度40%の水性重合体分散液からなる組
成物100gをマーロン式機械的安定性試験機(熊谷理
機社製)を用いて、加重10kgで10分間攪拌した
後、80メッシュの金網で濾過し、金網に残った凝集物
の乾燥重量を測定し、水性重合体分散液中の固形分に対
する割合(%)で示した。
【0033】(ステキヒトサイズ度)含浸紙について、
JIS P 8140に準拠して測定した。すなわち、
箱船状に折り曲げた含浸紙を1%のチオシアン酸アンモ
ニウム水溶液に浮かべ、同時に、箱船状に折り曲げた含
浸紙の船底に1%塩化第二鉄水溶液を1滴滴下して、赤
茶色に変色した箇所が肉眼で3カ所発見できるまでの時
間を測定した。
【0034】(常態引張強度及び伸び)含浸紙を130
mm×15mmに切断し、これを定速緊張型引張試験機
を用いて、チャック間距離50mm、引張速度100m
m/分、25℃の条件で、破断時の引張強度及び伸びを
測定した。
【0035】(耐水引張強度及び伸び[耐水性の指
標])含浸紙を130mm×15mmに切断し、これを
25℃の水に1時間浸漬した後、上記の引張強度試験と
同様にして、破断時の引張強度及び伸びを測定した。
【0036】参考例1 アクリル酸エチル80部、メタクリル酸20部、チオグ
リコール酸オクチル5部、重合性界面活性剤(ポリオキ
シエチレンアルキルプロペニルエーテル硫酸エステルア
ンモニウム塩、アクアロンHS10、第一工業製薬社
製)0.3部及びイオン交換水50部を混合し単量体エ
マルジョンを得た。一方、撹拌機付き反応器の内部を窒
素置換した後、イオン交換水200部を仕込み80℃に
加熱し、過硫酸カリウム2部及びイオン交換水38部を
反応器に添加後、80℃に維持された反応器に前記単量
体エマルジョンを1時間かけて連続添加して反応させ
た。単量体エマルジョン添加終了後、反応を更に1時間
行ってアルカリ可溶性重合体(A)のエマルジョンを得
た。このアルカリ可溶性重合体(A)のガラス転移温
度、酸価及び重量平均分子量を表1に示した。さらにア
ルカリ可溶性重合体(A)のエマルジョンに28%のア
ンモニア水14部を添加して30分間攪拌を続けて、中
和物(A)の25%水溶液を得た。
【0037】参考例2〜3 参考例1のアルカリ可溶性重合体の合成における単量体
を表1に示す単量体に変えた他は参考例1の方法と同様
の方法で、アルカリ可溶性重合体(B)〜(D)のエマ
ルジョンを得た。これらのアルカリ可溶性重合体の重合
転化率、酸価及び重量平均分子量を表1に示した。さら
にこれらのアルカリ可溶性重合体のエマルジョンに28
%のアンモニア水14部を添加して中和物(B)〜
(D)の25%水溶液を得た。
【0038】
【表1】
【0039】実施例1 窒素置換した攪拌機付反応器にイオン交換水150部を
仕込、これにアルカリ可溶性重合体中和物(A)25
部、ジメチルアミノエタノール1部、スチレン55部、
ブタジエン40部、グリシジルメタクリレート5部、エ
チレンジアミンテトラ酢酸四ナトリウム0.05部を添
加し混合してエマルジョンを得た。これを50℃に加温
して、過硫酸カリウム0.5%水溶液10部を添加して
50℃に維持したまま10時間反応させた。反応後、未
反応の単量体を除去し、アンモニア水を添加してpH
7.5の水性重合体分散液を得た。この水性重合体分散
液の固形分濃度を40%に調整して、紙含浸用組成物を
得た。
【0040】次に、No.2濾紙(坪量120g/
2)を上記紙含浸用組成物に浸漬した後、余剰の組成
物をロールで絞り出し、130℃で5分間乾燥し、目付
量24g/m2の含浸紙を得た。この含浸紙の評価結果
を表1に示した。
【0041】実施例2〜6及び比較例1〜2 中和物(A)又は単量体混合物を表1及び表2に示す中
和物又は単量体混合物に代えた他は実施例1の方法と同
様にして水性重合体分散液及び紙含浸用組成物を得、こ
の組成物を用いて実施例1と同様にして含浸紙を得た。
これらの含浸紙の評価結果を表1及び表2に示した。
【0042】比較例3 実施例1におけるアルカリ可溶性重合体の中和物25部
に代えてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2.0
部を用いた他は実施例1と同様にして水性重合体分散液
を得、この組成物を用いて実施例1と同様にして含浸紙
を得た。この含浸紙の評価結果を表2に示した。
【0043】比較例4 実施例1における水性重合体分散液の代わりに、参考例
1で得られたアルカリ可溶性重合体の中和物を固形分濃
度20%に調整して、含浸用組成物を得、この組成物を
用いて実施例1と同様にして含浸紙を得た。この含浸紙
の評価結果を表2に示した。
【0044】
【表2】
【0045】以上より、本発明の含浸用組成物を用いる
ことによって、サイズ度、引張強度、伸び及び耐水性に
優れ且つそのバランスがよい含浸紙が得られることがわ
かる。
フロントページの続き (72)発明者 田代 邦義 神奈川県川崎市川崎区夜光1−2−1 日 本ゼオン株式会社研究開発センター内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン性不飽和カルボン酸及びこれと
    共重合可能なその他の単量体を重合して得られるアルカ
    リ可溶性重合体の中和物10〜200重量部の存在下、
    単量体混合物100重量部を乳化重合して得られる水性
    重合体分散液を必須成分とする紙含浸用組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1における単量体混合物が、グリ
    シジル基、アミノ基又はアミド基を含有するエチレン性
    不飽和単量体と、これと共重合可能な単量体とからなる
    ものであることを特徴とする請求項1記載の紙含浸用組
    成物。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の紙含浸用組成物を用いて
    得られる含浸紙。
JP28609693A 1993-10-19 1993-10-19 紙含浸用組成物及び含浸紙 Expired - Fee Related JP3277647B2 (ja)

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JPH11241293A (ja) * 1998-02-25 1999-09-07 Asahi Chem Ind Co Ltd 紙含浸用エマルション組成物
JP2002242093A (ja) * 2001-02-19 2002-08-28 Mitsubishi Paper Mills Ltd 記録用紙
JP2009523201A (ja) * 2006-01-13 2009-06-18 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア 原紙を含浸するための水性ポリマー組成物の使用
KR101026020B1 (ko) * 2007-12-03 2011-03-30 주식회사 엘지화학 비이온계 공중합성 유화제를 함유한 종이 코팅용 라텍스

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