JPH06123099A - 新聞印刷用紙用塗被組成物及び新聞印刷用紙 - Google Patents

新聞印刷用紙用塗被組成物及び新聞印刷用紙

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Publication number
JPH06123099A
JPH06123099A JP30042692A JP30042692A JPH06123099A JP H06123099 A JPH06123099 A JP H06123099A JP 30042692 A JP30042692 A JP 30042692A JP 30042692 A JP30042692 A JP 30042692A JP H06123099 A JPH06123099 A JP H06123099A
Authority
JP
Japan
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weight
alkali
polymer latex
ethylenically unsaturated
monomer
Prior art date
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Application number
JP30042692A
Other languages
English (en)
Inventor
Takahiro Shimazoe
隆弘 島添
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Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Zeon Co Ltd filed Critical Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 多色オフセット輪転印刷における、表面強
度、インク着肉性、インクセット性などの印刷適性及び
新聞印刷用紙の引張強度に優れ且つ印刷適性と引張強度
とのバランスのよい新聞印刷用紙用塗被組成物及びそれ
を塗工して得られる新聞印刷用紙を提供する。 【構成】 メタクリル酸20重量%、メタクリル酸メチ
ル60重量%、スチレン10重量%及び酢酸ビニル10
重量%からなる単量体混合物を重合して得られる吸光度
変化率21%の重合体ラテックス13重量部と、1,3
−ブタジエン40重量%、スチレン35重量%、アクリ
ロニトリル5.0重量%、メタクリル酸メチル18重量
%及びイタコン酸2.0重量%からなる単量体混合物を
重合して得られる吸光度変化率151%の重合体ラテッ
クス87重量部とを混合して得られる新聞用紙用塗被組
成物。この塗被組成物を新聞用原紙に片面当り0.7g
/m2塗工して新聞印刷用紙を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新聞印刷用紙用塗被組成
物及び新聞印刷用紙に関し、さらに詳しくはコールドセ
ット型インクによる高速多色オフセット輪転印刷におい
て表面強度、インク着肉性、インクセット性などのオフ
セット印刷適性と、引張強度(特に湿潤引張強度)に優
れ且つオフセット印刷適性と引張強度とのバランスのよ
い新聞印刷用紙用塗被組成物及び新聞印刷用紙に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近時、日刊の新聞紙、特にスポーツ紙に
おいてカラー印刷化が顕著である。新聞印刷用紙は、折
り込みちらし用紙に比べて印刷が見劣りすることから視
覚に訴える力が不足しているので、カラー印刷適性の向
上が要望されている。一方、新聞の社会的使命から短時
間に大量印刷をしなければならないため、印刷速度はま
すます高速化しているので、表面強度、インク着肉性及
びインクセット性などの印刷適性の向上が望まれてい
る。さらに環境問題の観点から古紙使用比率の増加が今
後促進される傾向にあるので、古紙を使用した新聞印刷
用紙の引張強度の向上が望まれている。
【0003】従来、印刷適性を向上させるための方策と
して、ポリアクリルアミド、デンプン、ポリビニルアル
コールなどの水溶性高分子化合物を用いて新聞印刷用紙
の表面強度を向上させる方法(いわゆるクリアコート)
が一般に知られている。しかしながら、この方法では乾
燥時の表面強度は向上するが、デンプン、ポリビニルア
ルコールなどの水溶性高分子化合物の吸水性が大きいた
めに湿潤時の表面強度はほとんど向上しない。特に多色
オフセット印刷においては大量の湿し水が用いられるた
め、新聞印刷用紙が吸水によって伸びて、寸法安定性の
低下または引張強度の低下があり問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は前記のよう
な問題のない新聞印刷用紙を得るべく鋭意研究を進めた
結果、特定の重合体ラテックスを含有する新聞印刷用紙
用塗被組成物を使用することによって、表面強度、イン
ク着肉性及びインクセット性などの印刷適性及び引張強
度に優れ且つオフセット印刷適性と引張強度とのバラン
スのよい新聞印刷用紙が得られることを見出し、この知
見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、エチレン系不飽和酸5〜30重量%、エチレン系不
飽和カルボン酸エステル40〜95重量%及びこれらと
共重合可能なその他の単量体0〜55重量%からなる単
量体混合物Aを重合してなる重合体のラテックスであっ
て、吸光度変化率が80%未満であるアルカリ可溶性重
合体ラテックスと、脂肪族共役ジエン単量体20〜50
重量%、芳香族ビニル単量体15〜65重量%、エチレ
ン系不飽和カルボン酸エステル5〜50重量%、エチレ
ン系不飽和酸単量体0.5〜5重量%及びこれらと共重
合可能なその他の単量体0〜59.5重量%からなる単
量体混合物Bを重合してなる重合体のラテックスであっ
て、吸光度変化率80%以上であるアルカリ難溶性重合
体ラテックスとを含有し、アルカリ可溶性重合体ラテッ
クス及びアルカリ難溶性重合体ラテックスの固形分重量
比率が5/95〜20/80であることを特徴とする新
聞印刷用紙用塗被組成物が提供される。更に、本発明に
よれば、上記新聞印刷用紙用塗被組成物を新聞用原紙に
塗工してなる新聞印刷用紙が提供される。
【0006】本発明の新聞印刷用紙用塗被組成物は、ア
ルカリ可溶性重合体ラテックスと、アルカリ難溶性重合
体ラテックスとを含有する。
【0007】本発明に用いるアルカリ可溶性重合体ラテ
ックスは、エチレン系不飽和酸単量体5〜30重量%、
エチレン系不飽和カルボン酸エステル40〜95重量%
及びこれらと共重合可能なその他の単量体0〜55重量
%からなる単量体混合物Aを重合してなる重合体のラテ
ックスである。好適にはエチレン系不飽和酸単量体10
〜25重量%、エチレン系不飽和カルボン酸エステル4
5〜90重量%及びこれらと共重合可能なその他の単量
体0〜45重量%からなる単量体混合物を重合してなる
重合体のラテックスである。
【0008】アルカリ可溶性重合体ラテックスを得るた
めに使用するエチレン系不飽和酸単量体は、アルカリ可
溶性を与えるものであり、その量が5重量%未満ではイ
ンクセット性が低下し、逆に30重量%を超えると湿潤
時の表面強度及び引張強度が低下する。エチレン系不飽
和酸単量体の具体例としては、アクリル酸、メタクリル
酸等のエチレン系不飽和モノカルボン酸;イタコン酸、
フマル酸、マレイン酸、ブテントリカルボン酸等のエチ
レン系不飽和ポリカルボン酸;マレイン酸モノメチル、
フマル酸モノブチル等のエチレン系不飽和ポリカルボン
酸部分エステルなどを挙げることができる。これらのエ
チレン系不飽和酸単量体は2種以上を併用してもよい。
特にアクリル酸、メタクリル酸等のエチレン系不飽和モ
ノカルボン酸が好適である。
【0009】アルカリ可溶性重合体ラテックスを得るた
めに使用するエチレン系不飽和カルボン酸エステルは、
その量が40重量%未満ではインクセット性が低くな
り、逆に95重量%を超えると耐水性が低下するので、
湿潤時の表面強度及び引張強度が低くなる。エチレン系
不飽和カルボン酸エステルの具体例としは、アクリル酸
メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタ
クリル酸エチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタ
クリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ブチル、メタ
クリル酸ブチル等のエチレン系不飽和モノカルボン酸エ
ステル;マレイン酸ジブチル、フマル酸ジエチルなどの
エチレン系不飽和ジカルボン酸ジエステルなどが挙げら
れる。これらのエチレン系不飽和カルボン酸エステルは
2種以上を併用してもよい。特にメタクリル酸メチル、
アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸2
−エチルヘキシルなどのエチレン系不飽和モノカルボン
酸エステルが好適である。
【0010】アルカリ可溶性重合体ラテックスを得るた
めに使用するその他の単量体としては、例えばアクリロ
ニトリル、メタアクリロニトリルなどのエチレン系不飽
和ニトリル単量体;アクリルアミド、メタクリルアミ
ド、N−メチロールアミド、ジアセトンアクリルアミ
ド、メチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,
N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、
N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミ
ドなどのエチレン系不飽和アミド単量体及びその誘導
体;アクリル酸β−ヒドロキシエチルなどのエチレン系
不飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステル;アク
リル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジルなどのエチ
レン系不飽和カルボン酸のグリシジルエステル;メチル
アミノ(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル
(メタ)アクリレートなどのエチレン系不飽和カルボン
酸のアミノアルキルエステル;アミノエチルビニルエー
テルなどのアミノアルキルビニルエーテル;2−ビニル
ピリジンなどのビニルピリジン類;スチレン、α−メチ
ルスチレン等の芳香族ビニル単量体;アクロレイン、塩
化ビニル、酢酸ビニル、アリルアルコール等のその他の
ビニル系単量体;1,3−ブタジエン、イソプレン等の
共役ジエン単量体;などを挙げることができる。
【0011】アルカリ可溶性重合体ラテックスは、下記
式により定義する吸光度変化率が80%未満のラテック
スである。
【0012】吸光度変化率(%)=(pH9における吸
光度)/(pH3における吸光度)×100 (なお、吸光度はラテックス固形分濃度0.03%と
し、波長500nmにおいて測定する。)
【0013】本発明に使用するアルカリ可溶性重合体ラ
テックスは、そのゲル分率が10重量%以下であるもの
が好適である。ゲル分率は、ラテックスから作成したポ
リマーフィルムをテトラヒドロフラン中に48時間浸漬
した後、不溶分を瀘紙で濾過し、その乾燥重量を求めて
ポリマーフィルムの重量に対する比率として算出したも
のである。
【0014】本発明に用いるアルカリ難溶性重合体ラテ
ックスは、脂肪族共役ジエン単量体20〜50重量%、
芳香族ビニル単量体15〜65重量%、エチレン系不飽
和カルボン酸エステル5〜50重量%、エチレン系不飽
和酸単量体0.5〜5重量%及びこれらと共重合可能な
その他の単量体0〜59.5重量%からなる単量体混合
物Bを重合してなる重合体のラテックスである。好適に
は、脂肪族共役ジエン単量体30〜45重量%、芳香族
ビニル単量体25〜45重量%、エチレン系不飽和カル
ボン酸エステル10〜45重量%、エチレン系不飽和酸
単量体1〜4重量%及びこれらと共重合可能なその他の
単量体0〜34重量%からなる単量体混合物を重合して
なる重合体のラテックスである。
【0015】脂肪族共役ジエン単量体は、重合体に可撓
性を与えるものであり、その量が20重量%未満の場合
には、重合体が硬くなるので、表面強度及び引張強度が
低くなり、逆に50重量%を超える場合には、重合体の
耐水性が低下するので、湿潤表面強度が低下し、更にイ
ンクセット性が低くなる。脂肪族共役ジエン単量体の具
体例としては、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,
3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエンなど
を示すことができるが、特に1,3−ブタジエンが好ま
しい。
【0016】芳香族ビニル単量体は、重合体に適当な硬
さと耐水性を付与するものであり、その量が15重量%
未満では重合体の耐水性が低くなるので湿潤引張強度が
低下し、65重量%を超えると接着力が低下するので表
面強度が低下する。芳香族ビニル単量体としては、スチ
レン、α−メチルスチレン、モノクロルスチレン、ビニ
ルトルエンなどを例示することができ、これらのうちス
チレンが好ましい。
【0017】エチレン系不飽和カルボン酸エステルは、
重合体に適度な硬さを与えるとともに、インク着肉性を
高めるのに有効であり、その量が5重量%未満ではイン
ク着肉性を高める効果が得られず、50重量%を超える
と湿潤時の表面強度が低下する。エチレン系不飽和カル
ボン酸エステルとしては、アルカリ可溶性重合体ラテッ
クスを得るために使用するものと同様のエチレン系不飽
和カルボン酸エステルを使用することができる。特にメ
タクリル酸メチルが好適に用いられる。
【0018】エチレン系不飽和酸単量体は、重合体の接
着力を高めるのに有効であり、その量が0.5重量%未
満では表面強度が不足し、5重量%を超えて使用すると
湿潤時の表面強度が低下する。エチレン系不飽和酸単量
体としては、アルカリ可溶性重合体ラテックスを得るた
めに使用するものと同様のエチレン系不飽和酸単量体を
使用することができる。
【0019】本発明に用いるアルカリ難溶性重合体ラテ
ックスには上記の各単量体と共重合可能なその他の単量
体を使用することができる。このような単量体の具体例
としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなど
のエチレン系不飽和ニトリル単量体;アクリルアミド、
メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジ
アセトンアクリルアミド、メチルアミノエチル(メタ)
アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メ
タ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル
(メタ)アクリルアミドなどのエチレン系不飽和カルボ
ン酸のアミド及びその誘導体;メチルアミノ(メタ)ア
クリレート、t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレ
ート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレ
ートなどのエチレン系不飽和カルボン酸のアミノアルキ
ルエステル;アクリル酸βーヒドロキシエチルなどのエ
チレン系不飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステ
ル;アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジルな
どのエチレン系不飽和カルボン酸のグリシジルエステ
ル;アミノエチルビニルエーテルなどのアミノアルキル
ビニルエーテル;2−ビニルピリジンなどのビニルピリ
ジン類;アクロレイン、アリルアルコール、塩化ビニ
ル、酢酸ビニルなどのその他のビニル単量体;などが含
まれる。
【0020】アルカリ難溶性重合体ラテックスは、前記
吸光度変化率が80%以上のラテックスである。
【0021】アルカリ難溶性重合体ラテックスは、印刷
適性と引張強度との最良のバランスを得るために、その
ゲル分率が15〜75重量%であることが好ましい。ゲ
ル分率が75重量%を超えると吸油性及びインクセット
性の低下を招き、コールドセット型インクにおける高速
オフセット輪転印刷には適さなくなる。また湿潤時の表
面強度及び引張強度などの向上効果が少ない。また15
重量%未満では、表面強度(特に乾燥時の表面強度)及
び引張強度が不十分になる。
【0022】本発明に用いるアルカリ可溶性重合体ラテ
ックス及びアルカリ難溶性重合体ラテックスは、その合
成法によって限定されないが、乳化重合法又は転相法に
よって得られる。重合においては重合温度、重合時の圧
力、単量体などの添加方法、使用する副資材(重合開始
剤、分子量調整剤、pH調製剤など)は特に限定されな
い。また、転相法における製造条件は限定されない。
【0023】重合開始剤としては、過硫酸塩、過酸化物
等の水溶性開始剤;過酸化ベンゾイル等の油溶性開始剤
等が使用できる。分子量調整剤としては、t−ドデシル
メルカプタン、n−ドデシルメルカプタンなどのメルカ
プタン類、α−メチルスチレンダイマーなどのダイマー
類、ジメチルキサントゲンジスルフィド、ジイソプロピ
ルキサントゲンジスルフィドなどのスルフィド類、2−
メチル−3−ブテンニトリル、3−ペンテンニトリルな
どのニトリル化合物などがあり、これらは単独又は二種
以上の併用で使用できる。乳化剤としては、アニオン界
面活性剤、ノニオン界面活性剤などを単独又は併用して
使用でき、その種類に限定されるものではない。
【0024】本発明の新聞印刷用紙用塗被組成物は、ア
ルカリ可溶性重合体ラテックス及びアルカリ難溶性重合
体ラテックスを固形分重量比率で5/95〜20/8
0、好ましくは10/90〜15/85の範囲で含有す
る。アルカリ可溶性重合体ラテックスの割合が5重量%
未満ではインクセット性が低く、逆に20重量%を超え
ると、湿潤時の表面強度及び引張強度が低下する。
【0025】本発明の新聞印刷用紙用塗被組成物は、そ
の調製方法によって特に限定されないが、アルカリ可溶
性重合体ラテックスのpHを4〜6に調整し、他方アル
カリ難溶性重合体ラテックスのpHを5〜8に調整した
後、アルカリ可溶性重合体ラテックスをアルカリ難溶性
重合体ラテックスに添加して攪拌することが混合安定性
を高めるので好ましい。アルカリ可溶性重合体ラテック
スとアルカリ難溶性重合体ラテックスとを混合した後
は、pHを8〜10に調整することが好ましい。これに
より印刷適性と引張強度とのバランスがよくなる。
【0026】本発明の新聞印刷用紙用塗被組成物は、そ
のゲル分率が10〜60重量%であることが好ましい。
10重量%未満では表面強度及び湿潤引張強度が低下
し、逆に60重量%超ではインクセット性が低下する。
【0027】本発明の新聞印刷用紙用塗被組成物には、
前記の重合体ラテックスの他に消泡剤、防腐剤、染料、
顔料などを必要に応じて配合することができる。
【0028】本発明の新聞印刷用紙は、前記新聞印刷用
紙用塗被組成物を新聞用原紙に塗工してなるものであ
る。印刷適性と引張強度との最良のバランスを得るため
には新聞印刷用紙用塗被組成物を新聞用原紙の片面当た
り0.2〜1.0g/m2 、好ましくは0.4〜0.8
g/m2 塗工するのが好適である。塗工量が少なくなる
に従って、インクセット性が高くなり、逆に塗工量が多
くなるに従って、引張強度が高くなる。
【0029】本発明の新聞印刷用紙用塗被組成物を新聞
用原紙へ塗工する方法は、ブレードコーター、ゲートロ
ールコーター及びエアナイフコーターなど通常の塗工方
法を適用することができ、塗工方法に限定されるもので
はない。
【0030】
【発明の効果】かくして本発明によれば、従来技術に比
較してコールドセット型インクを使用するオフセット輪
転印刷における表面強度、インク着肉性及びインクセッ
ト性などの印刷適性及び新聞印刷用紙の引張強度、特に
湿潤引張強度に優れ且つオフセット印刷適性と引張強度
とのバランスのよい新聞印刷用紙用塗被組成物を得るこ
とができる。
【0031】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。本発明は、以下に記載する実施例に限定さ
れるものでない。なお、本実施例中の部及び%は、特に
断わらないかぎり、重量基準である。また、ラテックス
の重量は、固形分換算である。
【0032】本実施例において、新聞印刷用紙用塗被組
成物及び新聞印刷用紙の各特性の評価方法は、以下の通
りである。
【0033】(白色度)ハンター白色度計(村上色彩社
製、CM−8P)を使用して、JISP8123に準じ
測定した。%で表示した数値の大きい方が白色度が優れ
ている。
【0034】(不透明度)ハンター白色度計(村上色彩
社製、CM−8P)を使用して、JISP8138に準
じ測定した。%で表示した数値の大きい方が不透明度が
優れている。
【0035】(吸水性)新聞印刷用紙表面に一定量の水
を滴下し、それが完全に吸収されるまでの時間を測定し
た。秒で表示した数値が小さい方が吸水性が大きい。
【0036】(吸油性)新聞印刷用紙表面に一定量の軽
油を滴下し、それが完全に吸収されるまでの時間を測定
した。秒で表示した数値が小さい方が吸油性が大きい。
【0037】(インク着肉性)RIテスター(明製作所
製)を使用して、金属ロールとゴムロールの間をわずか
に開けた状態で水を流した後、新聞用高速オフセット墨
インクをベタ刷りした。墨インクの着き具合を肉眼で観
察し5点法で評価した。数値が大きいほどインク着肉性
が優れている。
【0038】(インクセット性)RIテスターを使用し
て新聞用高速オフセット藍インクをベタ刷りした後、新
聞印刷用紙を重ねて圧着し、新聞印刷用紙へのインクの
移り具合を肉眼で観察し5点法で評価した。数値の大き
いほどインクセット性が優れている。
【0039】(表面強度) ドライピック:RIテスターを使用し、ピッキングテ
スト用インク(TV(タック値)16)を使用して数回
の重ね刷りをした後の紙剥けの状態を肉眼で観察し、5
点法で評価した。数値の大きい方が優れている。 ウェットピック:RIテスターを使用し、モルトンロ
ールで水を付けた後、ピッキングテスト用インク(TV
16)にてベタ刷りし、紙剥けの状態を肉眼で観察し、
5点法で評価した。数値の大きい方が優れている。
【0040】(新聞印刷用紙の引張強度) 乾燥引張強度:インストロン型万能引張試験機を使用
し、幅30mm、長さ180mmである試験片を引張速
度30mm/分で引っ張り、破断直前の引張力を測定し
た。この操作を5回行い、その測定値の平均値を求め
た。Kgfで表示した数値の大きい方が優れている。 湿潤引張強度:幅30mm、長さ180mmの試験片
を30分間、水に浸漬後、試験片を取り出しペーパータ
オルで余剰な水を拭き取った後、直ちにインストロン型
万能引張試験機を使用して、試験片を引張速度30mm
/分で引っ張り、破断直前の引張力を測定した。この操
作を5回行い、その測定値の平均値を求めた。Kgfで
表示した数値の大きい方が優れている。
【0041】参考例 (アルカリ可溶性重合体ラテックスの製造)撹拌機付き
オートクレーブに、水30部、エチレンジアミン四酢酸
四ナトリウム塩1.1部、ラウリル硫酸ナトリウム1.
1部、過硫酸カリウム0.2部を仕込んだ後、別の撹拌
機付きタンク内で表1に示す配合処方に従って調製した
単量体乳化液A1のうち10%を添加した。次いで、反
応系を80℃に加温して1時間反応させた。次に、過硫
酸カリウム0.8部を水20部とともに添加した後、上
記単量体乳化液の残り90%を4時間にわたって、連続
的にオートクレーブに送り込んだ。この間、オートクレ
ーブは80℃に保った。この後、反応系をさらに2時
間、80℃に維持した後、アルカリ可溶性重合体ラテッ
クスA1を得た。また、単量体乳化液A1に代えて単量
体乳化液A2〜A6を用いて、同様の方法で、それぞれ
アルカリ可溶性重合体ラテックスA2〜A6を得た。
【0042】(アルカリ難溶性重合体ラテックスの製
造)単量体乳化液A1に代えて単量体乳化液B1〜B4
を用いて、アルカリ可溶性重合体ラテックスの製造方法
と同様の方法で、それぞれアルカリ難溶性重合体ラテッ
クスB1〜B4を得た。
【0043】
【表1】
【0044】実施例1 表2に示す配合処方にて、アルカリ可溶性重合体ラテッ
クスをアルカリ難溶性重合体ラテックスに添加し攪拌
し、アンモニア水を添加してpHを調整して、固形分濃
度15%の新聞印刷用紙用塗被組成物ア〜サを作製し
た。また、比較のため、アルカリ難溶性重合体ラテック
スにアンモニア水を添加してpHを調整して、固形分濃
度15%の新聞印刷用紙用塗被組成物シを作製した。ま
た、デンプンを水に溶かし、濃度15%の新聞印刷用紙
用塗被組成物スを作製した。
【0045】
【表2】
【0046】新聞印刷用紙用塗被組成物ア〜スを下記の
条件で新聞用原紙の両面に塗工し、20℃、相対湿度6
5±5%の恒温恒湿室で一昼夜調湿して新聞印刷用紙を
得た。これらの新聞印刷用紙について各種特性評価試験
を行った。結果を表3に示す。 コーター :ゲートロールコーター使用 乾燥 :熱風式オーブン使用。100℃、10秒 カレンダー:スーパーカレンダー使用。35℃、50K
g/cmで1回通し 原紙 :新聞用原紙(46g/m2 ) 塗工量 :片面当り 0.7g/m2
【0047】
【表3】
【0048】表3の結果から、エチレン系不飽和酸を3
0%超使用したアルカリ可溶性重合体ラテックスを用い
た場合(実験番号8)にはウエットピック及び湿潤引張
強度が低く、又脂肪族共役ジエン単量体を50%超使用
したアルカリ難溶性重合体ラテックスを用いた場合(実
験番号9)には、インクセット性、ウエットピック及び
湿潤引張強度が低いことがわかる。アルカリ可溶性重合
体ラテックスが5%未満(実験番号12)では、インク
セット性が低く、アルカリ可溶性重合体ラテックスが2
0%超(実験番号10及び11)ではウエットピック及
び湿潤引張強度が低いことがわかる。これに対して、本
発明に従って、アルカリ可溶性重合体ラテックスを5〜
20%用いた場合には、表面強度、インク着肉性及びイ
ンクセット性などの印刷適性及び新聞印刷用紙の引張強
度、特に湿潤引張強度に優れ且つオフセット印刷適性と
引張強度とのバランスのよい新聞印刷用紙が得られるこ
とがわかる。
【0049】実施例2 表2の新聞印刷用紙用塗被組成物アを用いて、片面当り
の塗工量を変えた他は実施例1と同様にして新聞印刷用
紙を作成した。これら新聞印刷用紙について各種特性評
価試験を実施例1と同様にして行った。結果を表4に示
す。
【0050】
【表4】
【0051】表4の結果から、塗工量が少なくなるに従
って、インクセット性が高くなり、塗工量が多くなるに
従って、引張強度が高くなることがわかる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン系不飽和酸5〜30重量%、エ
    チレン系不飽和カルボン酸エステル40〜95重量%及
    びこれらと共重合可能なその他の単量体0〜55重量%
    からなる単量体混合物Aを重合してなる重合体のラテッ
    クスであって、吸光度変化率が80%未満であるアルカ
    リ可溶性重合体ラテックスと、 脂肪族共役ジエン単量体20〜50重量%、芳香族ビニ
    ル単量体15〜65重量%、エチレン系不飽和カルボン
    酸エステル5〜50重量%、エチレン系不飽和酸単量体
    0.5〜5重量%及びこれらと共重合可能なその他の単
    量体0〜59.5重量%からなる単量体混合物Bを重合
    してなる重合体のラテックスであって、吸光度変化率8
    0%以上であるアルカリ難溶性重合体ラテックスとを含
    有し、 アルカリ可溶性重合体ラテックス及びアルカリ難溶性重
    合体ラテックスの固形分重量比率が5/95〜20/8
    0であることを特徴とする新聞印刷用紙用塗被組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の新聞印刷用紙用塗被組成
    物を新聞用原紙に塗工してなることを特徴とする新聞印
    刷用紙。
JP30042692A 1992-10-13 1992-10-13 新聞印刷用紙用塗被組成物及び新聞印刷用紙 Pending JPH06123099A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100357654B1 (ko) * 1994-12-30 2003-02-05 주식회사 엘지씨아이 종이코팅용조성물
JP2007063705A (ja) * 2005-08-31 2007-03-15 Oji Paper Co Ltd コールドオフセット用新聞印刷用紙
JP2007332508A (ja) * 2006-06-16 2007-12-27 Daio Paper Corp 新聞用紙

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