JPH07118327A - α−オレフイン低重合体の製造方法 - Google Patents

α−オレフイン低重合体の製造方法

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JPH07118327A
JPH07118327A JP29005293A JP29005293A JPH07118327A JP H07118327 A JPH07118327 A JP H07118327A JP 29005293 A JP29005293 A JP 29005293A JP 29005293 A JP29005293 A JP 29005293A JP H07118327 A JPH07118327 A JP H07118327A
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JP
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olefin
chromium
polymer
compound
low
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Application number
JP29005293A
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English (en)
Inventor
Riichiro Kawashima
理一郎 川島
Hirofumi Nakamura
宏文 中村
Shinji Iwade
慎二 岩出
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】高収率かつ高選択率で1−ヘキセン等のα−オ
レフイン低重合体を製造することが出来、特に、副生ポ
リマーの分離を容易に行い得る様に改良された工業的有
利なα−オレフイン低重合体の製造方法を提供する。 【構成】クロム系触媒を使用したα−オレフイン低重合
体の製造方法において、クロム系触媒として、少なくと
も、クロム化合物とアミン又は金属アミドとアルキルア
ルミニウム化合物の組み合わせから成る触媒系を使用
し、炭素数7以下の飽和炭化水素溶媒中、70℃以下の
反応温度でα−オレフインの低重合を行い、次いで、反
応液中の副生ポリマーを溶融させることなく分離除去し
てα−オレフイン低重合体を回収する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、α−オレフイン低重合
体の製造方法に関するものであり、詳しくは、副生ポリ
マーの分離を容易に行い得る様に改良されたα−オレフ
イン低重合体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、エチレン等のα−オレフイン
の低重合方法として、特定のクロム化合物と特定の有機
アルミニウム化合物の組み合せから成るクロム系触媒を
使用する方法が知られている。例えば、特公昭43−1
8707号公報には、一般式MXn で表され、クロムを
含むVIA族の遷移金属化合物(M)とポリヒドロカル
ビルアルミニウムオキシド(X)から成る触媒系によ
り、エチレンから1−ヘキセンを得る方法が記載されて
いる。
【0003】また、特開平3−128904号公報に
は、クロム−ピロリル結合を有するクロム含有化合物と
金属アルキル又はルイス酸とを予め反応させて得られた
触媒を使用してα−オレフインを三量化する方法が記載
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特公昭
43−18707号公報に記載された方法では、1−ヘ
キセンと同時に副生するポリエチレンの量が多く、ポリ
エチレンの副生量を少なくした条件では、触媒活性が低
下するという問題がある。また、特開平3−12890
4号公報に記載された方法では、ポリエチレン等の副生
ポリマーは少ないが、触媒活性が十分でないという問題
がある。また、工業的有利な実施においては、副生ポリ
マーの分離を効率良く行うことも重要である。
【0005】本発明は、上記実情に鑑みなされたもので
あり、その目的は、高収率かつ高選択率で1−ヘキセン
等のα−オレフイン低重合体を製造することが出来、特
に、副生ポリマーの分離を容易に行い得る様に改良され
た工業的有利なα−オレフイン低重合体の製造方法を提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の目
的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、特定のクロム系
触媒と溶媒を使用し、特定の温度条件で重合を行うこと
により、上記の目的を容易に達成し得るとの知見を得
た。
【0007】本発明は、上記の知見を基に完成されたも
のであり、その要旨は、クロム系触媒を使用したα−オ
レフイン低重合体の製造方法において、クロム系触媒と
して、少なくとも、クロム化合物とアミン又は金属アミ
ドとアルキルアルミニウム化合物の組み合わせから成る
触媒系を使用し、炭素数7以下の飽和炭化水素溶媒中、
70℃以下の反応温度でα−オレフインの低重合を行
い、次いで、反応液中の副生ポリマーを溶融させること
なく分離除去してα−オレフイン低重合体を回収するこ
とを特徴とするα−オレフイン低重合体の製造方法に存
する。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おいては、高収率かつ高選択率でα−オレフイン低重合
体を製造するため、クロム系触媒として、少なくとも、
クロム化合物とアミン又は金属アミドとアルキルアルミ
ニウム化合物の組み合わせから成る触媒系を使用する。
そして、本発明の好ましい態様においては、後述の様
に、クロム化合物とアルキルアルミニウム化合物とが予
め接触しない態様でα−オレフインとクロム系触媒とを
接触させる。
【0009】本発明で使用するクロム化合物は、一般式
CrXnで表される。但し、一般式中、Xは、任意の有
機基または無機の基もしくは陰性原子、nは1〜6の整
数を表し、そして、nが2以上の場合、Xは同一または
相互に異なっていてもよい。クロムの価数は0価ないし
6価であり、上記の式中のnとしては2以上が好まし
い。
【0010】有機基としては、炭素数が通常1〜30の
各種の基が挙げられる。具体的には、炭化水素基、カル
ボニル基、アルコキシ基、カルボキシル基、β−ジケト
ナート基、β−ケトカルボキシル基、β−ケトエステル
基およびアミド基などが例示れる。炭化水素基として
は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アル
キルアリール基、アラルキル基など等が挙げられる。無
機の基としては、硝酸基、硫酸基などのクロム塩形成基
が挙げられ、陰性原子としては、酸素、ハロゲン等が挙
げられる。
【0011】好ましいクロム化合物は、クロムのアルコ
キシ塩、カルボキシル塩、β−ジケトナート塩、β−ケ
トエステルのアニオンとの塩、または、クロムハロゲン
化物であり、具体的には、クロム(IV)tert−ブトキシ
ド、クロム(III) アセチルアセトナート、クロム(III)
トリフルオロアセチルアセトナート、クロム(III) ヘキ
サフルオロアセチルアセトナート、クロム(III)(2,
2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナー
ト)、Cr(PhCOCHCOPh)3(但し、ここでP
hはフェニル基を示す。)、クロム(II)アセテート、ク
ロム(III) アセテート、クロム(III) 2−エチルヘキサ
ノエート、クロム(III) ベンゾエート、クロム(III) ナ
フテネート、Cr(CH3 COCHCOOCH3)3 、塩
化第一クロム、塩化第二クロム、臭化第一クロム、臭化
第二クロム、ヨウ化第一クロム、ヨウ化第二クロム、フ
ッ化第一クロム、フッ化第二クロム等が挙げられる。
【0012】また、上記のクロム化合物と電子供与体か
ら成る錯体も好適に使用することが出来る。電子供与体
としては、窒素、酸素、リン又は硫黄を含有する化合物
の中から選択される。
【0013】窒素含有化合物としては、ニトリル、アミ
ン、アミド等が挙げられ、具体的には、アセトニトリ
ル、ピリジン、ジメチルピリジン、ジメチルホルムアミ
ド、N−メチルホルムアミド、アニリン、ニトロベンゼ
ン、テトラメチルエチレンジアミン、ジエチルアミン、
イソプロピルアミン、ヘキサメチルジシラザン、ピロリ
ドン等が挙げられる。
【0014】酸素含有化合物としては、エステル、エー
テル、ケトン、アルコール、アルデヒド等が挙げられ、
具体的には、エチルアセテート、メチルアセテート、テ
トラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、ジ
メトキシエタン、ジグライム、トリグライム、アセト
ン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、ア
セトアルデヒド等が挙げられる。
【0015】リン含有化合物としては、ヘキサメチルフ
ォスフォルアミド、ヘキサメチルフォスフォラストリア
ミド、トリエチルフォスファイト、トリブチルフォスフ
ィンオキシド、トリエチルフォスフィン等が例示され
る。一方、硫黄含有化合物としては、二硫化炭素、ジメ
チルスルフォキシド、テトラメチレンスルフォン、チオ
フェン、ジメチルスルフィド等が例示される。
【0016】従って、クロム化合物と電子供与体から成
る錯体例としては、ハロゲン化クロムのエーテル錯体、
エステル錯体、ケトン錯体、アルデヒド錯体、アルコー
ル錯体、アミン錯体、ニトリル錯体、ホスフィン錯体、
チオエーテル錯体などが挙げられる。具体的には、Cr
Cl3 ・3THF、CrCl3 ・3dioxane、C
rCl3 ・(CH3 CO2 n−C4 9 )、CrCl3
・(CH3 CO2 25 )、CrCl3 ・3(i−C
3 7 OH)、CrCl3 ・3[CH3 (CH2 3
H(C2 5 )CH2 OH]、CrCl3 ・3pyri
dine、CrCl3 ・2(i−C3 7 NH2 )、
[CrCl3 ・3CH3 CN]・CH3 CN、CrCl
3 ・3PPh3 、CrCl2 ・2THF、CrCl2
2pyridine、CrCl2 ・2[(C2 5)2
H]、CrCl2 ・2CH3 CN、CrCl2 ・2[P
(CH3 2 Ph]等が挙げられる。
【0017】クロム化合物としては、炭化水素溶媒に可
溶な化合物が好ましく、クロムのβ−ジケトナート塩、
カルボン酸塩、β−ケトエステルのアニオンとの塩、β
−ケトカルボン酸塩、アミド錯体、カルボニル錯体、カ
ルベン錯体、各種シクロペンタジエニル錯体、アルキル
錯体、フェニル錯体などが挙げられる。クロムの各種カ
ルボニル錯体、カルベン錯体、シクロペンタジエニル錯
体、アルキル錯体、フェニル錯体としては、具体的に
は、Cr(CO)6 、(C6 6)Cr(CO)3
(CO)5 Cr(=CCH3 (OCH3 ))、(CO)
5 Cr(=CC6 5 (OCH3 ))、CpCrCl2
(ここでCpはシクロペンタジエニル基を示す。)、(
Cp* CrClCH3)2 (ここでCp* はペンタメチル
シクロペンタジエニル基を示す。)、(CH3)2 CrC
l等が例示される。
【0018】クロム化合物は、無機酸化物などの担体に
担持して使用することも出来るが、担体に担持させず
に、他の触媒成分と組み合わせて使用するのが好まし
い。すなわち、本発明の好ましい態様に従い、後述する
特定の接触態様でクロム系触媒を使用するならば、クロ
ム化合物の担体への担持を行わなくとも高い触媒活性が
得られる。そして、クロム化合物を担体に担持させずに
使用する場合は、複雑な操作を伴う担体への担持を省略
でき、しかも、担体の使用による総触媒使用量(担体と
触媒成分の合計量)の増大と言う問題をも回避すること
が出来る。
【0019】本発明で使用するアミンは、1級または2
級のアミンである。1級アミンとしては、アンモニア、
エチルアミン、イソプロピルアミン、シクロヘキシルア
ミン、ベンジルアミン、アニリン、ナフチルアミン等が
例示され、2級アミンとしては、ジエチルアミン、ジイ
ソプロピルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジベンジ
ルアミン、ビス(トリメチルシリル)アミン、モルホリ
ン、イミダゾール、インドリン、インドール、ピロー
ル、2,5−ジメチルピロール、3,4−ジメチルピロ
ール、3,4−ジクロロピロール、2,3,4,5−テ
トラクロロピロール、2−アシルピロール、ピラゾー
ル、ピロリジン等が例示される。
【0020】本発明で使用する金属アミドは、1級また
は2級のアミンから誘導される金属アミドであり、具体
的には、1級または2級のアミンとIA族、IIA族、
IIIB族およびIVB族から選択される金属との反応
により得られるアミドである。斯かる金属アミドとして
は、具体的には、リチウムアミド、ナトリウムエチルア
ミド、カルシウムジエチルアミド、リチウムジイソプロ
ピルアミド、カリウムベンジルアミド、ナトリウムビス
(トリメチルシリル)アミド、リチウムインドリド、ナ
トリウムピロライド、リチウムピロライド、カリウムピ
ロライド、カリウムピロリジド、アルミニウムジエチル
ピロライド、エチルアルミニウムジピロライド、アルミ
ニウムトリピロライド等が挙げられる。
【0021】本発明においては、2級のアミン、2級の
アミンから誘導される金属アミド又はこれらの混合物が
好適に使用される。特には、2級のアミンとしては、ピ
ロール、2,5−ジメチルピロール、3,4−ジメチル
ピロール、3,4−ジクロロピロール、2,3,4,5
−テトラクロロピロール、2−アシルピロール、2級の
アミンから誘導される金属アミドとしては、アルミニウ
ムピロライド、エチルアルミニウムジピロライド、アル
ミニウムトリピロライド、ナトリウムピロライド、リチ
ウムピロライド、カリウムピロライドが好適である。そ
して、ピロール誘導体の中、ピロール環に炭化水素基を
有する誘導体が特に好ましい。
【0022】本発明において、アルキルアルミニウム化
合物としては、下記一般式(1)で示されるアルキルア
ルミニウム化合物が好適に使用される。
【化1】 R1 m Al(OR2 n p q ・・・(1)
【0023】式中、R1 及びR2 は、炭素数が通常1〜
15、好ましくは1〜8の炭化水素基であって互いに同
一であっても異なっていてもよく、Xはハロゲン原子を
表し、mは0<m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<
3、qは0≦q<3のそれぞれの数であって、しかも、
m+n+p+q=3である数を表す。
【0024】上記のアルキルアルミニウム化合物として
は、例えば、下記一般式( 2) で示されるトリアルキル
アルミニウム化合物、一般式(3)で示されるハロゲン
化アルキルアルミニウム化合物、一般式(4)で示され
るアルコキシアルミニウム化合物、一般式(5)で水素
化アルキルアルミニウム化合物などが挙げられる。な
お、各式中のR1 、XおよびR2 の意義は前記と同じで
ある。
【0025】
【化2】 R1 3Al ・・・ (2) R1 m AlX3-m (mは1. 5≦m<3) ・・・ (3) R1 m Al(OR2 3-m (mは0<m<3、好ましくは1. 5≦m<3) ・・・(4) R1 m AlH3-m ・・・(5) (mは0<m<3、好ましくは1. 5≦m<3)
【0026】上記のアルキルアルミニウム化合物の具体
例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアル
ミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジエチルアル
ミニウムモノクロリド、ジエチルアルミニウムエトキシ
ド、ジエチルアルミニウムヒドリド等が挙げられる。こ
れらの中、ポリマーの副生が少ないと言う点でトリアル
キルアルミニウムが特に好ましい。
【0027】本発明においては、先ず、上記の各触媒成
分から成る触媒系を使用して溶媒中でα−オレフインの
低重合を行い、次いで、反応液中の副生ポリマーを溶融
させることなく分離除去してα−オレフイン低重合体を
回収する。
【0028】クロム化合物の使用量は、溶媒1リットル
当たり、通常0.1×10-3〜5g、好ましくは1.0
×10-3〜2gの範囲とされる。一方、アルキルアルミ
ニウム化合物の使用量は、クロム化合物1g当たり、通
常0.1mmol以上であるが、触媒活性および三量体
の選択率の観点から、5mmol以上とするのがよい。
そして、上限は、通常50molである。また、アミン
又は金属アミドの使用量は、クロム化合物1g当たり、
通常0.001当量以上であり、好ましくは0.005
〜1000当量、更に好ましくは0.01〜100当量
の範囲とされる。
【0029】本発明においては、クロム化合物とアルキ
ルアルミニウム化合物とが予め接触しない態様でα−オ
レフインとクロム系触媒とを接触させることが好まし
い。斯かる接触態様によれば、選択的に三量化反応を行
わせ、原料エチレンから1−ヘキセンを高収率で得るこ
とが出来る。
【0030】上記の特定の接触態様は、具体的には、
「アミン又は金属アミド」についてアミンを以て表した
場合、(1)アミン及びアルキルアルミニウム化合物を
含む溶液中にα−オレフイン及びクロム化合物を導入す
る方法、(2)クロム化合物およびアミンを含む溶液中
にα−オレフイン及びアルキルアルミニウム化合物を導
入する方法(3)クロム化合物を含む溶液中にα−オレ
フイン、アミン及びアルキルアルミニウム化合物を導入
する方法、(4)アルキルアルミニウム化合物を含む溶
液中にα−オレフイン、クロム化合物およびアミンを導
入する方法、(5)クロム化合物、アミン、アルキルア
ルミニウム化合物およびα−オレフインをそれぞれ同時
かつ独立に反応器に導入する方法などによって行うこと
が出来る。そして、上記の各溶液は、通常、反応溶媒を
使用して調製される。
【0031】なお、上記において、「クロム化合物とア
ルキルアルミニウム化合物とが予め接触しない態様」と
は、反応の開始時のみならず、その後の追加的なα−オ
レフイン及び触媒成分の反応器への供給においても斯か
る態様が維持されることを意味する。
【0032】クロム化合物とアルキルアルミニウム化合
物とが予め接触する態様でクロム系触媒を使用した場合
にα−オレフインの低重合反応の活性が低くなる理由
は、未だ詳らかではないが、次の様に推定される。
【0033】すなわち、クロム化合物とアルキルアルミ
ニウムを接触させた場合、クロム化合物に配位している
配位子とアルキルアルミニウム化合物中のアルキル基と
の間で配位子交換反応が進行すると考えられる。そし
て、斯かる反応によって生成するアルキル−クロム化合
物は、通常の方法で生成するアルキル−クロム化合物と
異なり、それ自身不安定である。そのため、アルキル−
クロム化合物の分解還元反応が優先して進行し、その結
果、α−オレフインの低重合反応に不適当な脱メタル化
が惹起され、α−オレフインの低重合反応の活性が低下
する。
【0034】本発明において、原料α−オレフインとし
ては、炭素数が2〜30の置換または非置換のα−オレ
フインが使用される。具体的には、エチレン、プロピレ
ン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、3−メ
チル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等が挙げ
られる。特に、原料α−オレフインとしてエチレンが好
適であり、エチレンからその三量体である1−ヘキセン
を高収率かつ高選択率で得ることが出来る。
【0035】本発明においては、溶媒として、炭素数7
以下の飽和炭化水素溶媒を使用し、70℃以下の反応温
度でα−オレフインの低重合を行うことが重要である。
すなわち、炭素数7以下の飽和炭化水素以外の溶媒を使
用した場合または70℃を超える反応温度で重合を行っ
た場合は、副生ポリマーがフイルム状になったり又は溶
媒中に溶解し、副生ポリマーの分離を容易に行うことが
出来ない。
【0036】炭素数7以下の飽和炭化水素としては、通
常、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン又はヘプタ
ンが使用される。これらは、分岐構造であってもよく、
また、反応圧力および温度などを勘案して適宜選択され
る。上記の各飽和炭化水素は、単独使用する他、混合溶
媒として使用することも出来る。特に好ましい溶媒は、
ヘプタンである。
【0037】反応温度としては、0〜60℃の範囲が好
ましい。一方、反応圧力は、常圧ないし250kg/c
2 の範囲から選択し得るが、通常は、100kg/c
2の圧力で十分である。そして、滞留時間は、通常1
分から20時間、好ましくは0.5〜6時間の範囲とさ
れる。また、反応形式は、回分式、半回分式または連続
式の何れであってもよく、反応時に水素を共存させるな
らば、触媒活性および三量体の選択率の向上が認められ
ので好ましい。
【0038】反応液中の副生ポリマーは、溶融させるこ
となく分離除去される。本発明において、副生ポリマー
は、顆粒状の形態を有しているため、従来のポリマー分
離に比して極めて容易に分離除去することが出来る。そ
して、副生ポリマーの分離除去に先立ち、反応液を攪拌
して副生ポリマーを分散させるならば、顆粒状の副生ポ
リマーの粒径をコントロールすることが出来る。
【0039】副生ポリマーの分離除去は、公知の固液分
離装置を適宜使用して行われるが、本発明においては、
濾過機または遠心分離機を使用するのが好ましい。本発
明によれば、斯かる簡単な固液分離装置により、副生ポ
リマーの分離除去を容易に行うことが出来る。そして、
回収されたα−オレフイン低重合体は、必要に応じて精
製される。精製には、通常、蒸留精製が採用され、目的
とする成分を高純度で回収することが出来る。本発明に
おいては、特に、エチレンから高純度の1−ヘキセンを
工業的有利に製造することが出来る。
【0040】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例により更
に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限
り以下の実施例に限定されるものではない。
【0041】実施例1 150℃の乾燥器で加熱乾燥した2.4 リットルのオート
クレーブを熱時に組み立てた後、真空窒素置換した。こ
のオートクレーブには破裂板を備えた触媒フィード管を
備えた攪拌機を取り付けておいた。n−ヘプタン( 98
0ml) 、ピロール(1.244mmol)のn−ヘプ
タン溶液、トリエチルアルミニウム(8.000mmo
l)のn−ヘプタン溶液をオートクレーブの胴側に仕込
み、一方、触媒フィード管にn−ヘプタンにて溶液化し
たクロム(III) 2−エチルヘキサノエート(200m
g、0.420mmol)を仕込んだ。n−ヘプタンの
全体量は1リットルであった。
【0042】先ず、オートクレーブを40℃に加熱し、
次いで、40℃でエチレンを触媒フィード管より導入し
た。エチレン圧により破裂板が破裂し、クロム化合物が
オートクレーブ胴側に導入されてエチレンの低重合が開
始された。全圧が35Kg/cm2 となる迄エチレンを
導入し、その後、全圧を35Kg/cm2 に、温度を4
0℃に維持した。1時間後、オートクレーブ中にエタノ
ールを圧入して反応を停止した。
【0043】オートクレーブの圧力を解除して脱ガスを
行った後、濾過機によって反応液中の副生ポリマー(主
としてポリエチレン)を分離除去してα−オレフイン低
重合体を回収した。本実施例においては、副生ポリマー
の形状は顆粒状であり、極めて良好に濾過操作を行うこ
とが出来た。ガスクロマトグラフによるα−オレフイン
低重合体の組成分析の結果などを表1に示した。
【0044】実施例2〜3及び比較例1〜4 実施例1において、反応温度および溶媒の種類を表1〜
2に示す様に変更した以外は、実施例1と同様に重合お
よび副生ポリマーの濾過操作を行った。α−オレフイン
低重合体の組成分析の結果などを副生ポリマーの形状と
共に表1〜2に示した。実施例2〜3においては、顆粒
状のポリマーが副生し、極めて良好に濾過操作を行うこ
とが出来た。一方、比較例1〜4においては、フイルム
状および紐状のポリマーが副生し、濾過抵抗が次第に大
きくなって濾過操作は容易ではなかった。
【0045】各表中、溶媒種類の「HP」はn−ヘプタ
ン、「OCT」はn−オクタン、「OCTE」は1−オ
クテンを表し、触媒効率の単位は、g−α−オレフイン
/1g−クロム化合物、触媒活性の単位は、g−α−オ
レフイン/1g−クロム・Hrである。
【0046】
【表1】 ──────────────────────────────────── 実 施 例 1 2 3 溶媒種類(量:L) HP(1) HP(1) HP(1) 反応温度(℃) 40 60 60 エチレン圧(Kg/cm2) 35 35 45反応時間(Hr) 1.0 1.0 1.0 <生成物量(g) > 88.2 102.7 123.8 <組成分布(wt%) > C4 12.2 15.3 18.0 C6 全体 74.7 74.2 71.6 C6 中の1-hexen 含量(wt%) 96.2 95.7 96.0 C8 2.1 3.1 3.2 C10-20 20.0 6.8 6.7 C22-30 0.1 0 0 Wax 0 0 0 <PE> 0.7 0.6 0.4 <PEの形状> 顆粒 顆粒 顆粒 <触媒効率> 441 513 619 <触媒活性> 4239 4936 5952 ────────────────────────────────────
【0047】
【表2】 ──────────────────────────────────── 比 較 例 1 2 3 4 溶媒種類(量:L) HP(1) HP(1) OCT(1) OCTE(1) 反応温度(℃) 80 100 60 60 エチレン圧(Kg/cm2) 35 35 35 35反応時間(Hr) 1.0 1.0 1.0 1.0 <生成物量(g) > 121.6 176.2 107.9 111.4 <組成分布(wt%) > C4 22.2 16.0 13.7 13.7 C6 全体 59.7 51.1 75.7 46.9 C6 中の1-hexen 含量(wt%) 95.5 92.7 95.9 96.8 C8 8.1 12.1 2.9 9.2 C10-20 9.7 20.4 0 29.6 C22-30 0.1 0.3 0 0 Wax 0 0 0 0 <PE> 0.2 0.1 0.4 0.6 <PEの形状> フイルム* フイルム* フイルム* フイルム* <触媒効率> 608 881 540 557 <触媒活性> 5847 8156 5189 5355 ──────────────────────────────────── (*:一部に紐状PEを含む。)
【0048】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、高収率か
つ高選択率で1−ヘキセン等のα−オレフインの低重合
物を製造することが出来、しかも、副生ポリマーの分離
を容易に行い得る様に改良された工業的有利なα−オレ
フイン低重合体の製造方法が提供される。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クロム系触媒を使用したα−オレフイン
    低重合体の製造方法において、クロム系触媒として、少
    なくとも、クロム化合物とアミン又は金属アミドとアル
    キルアルミニウム化合物の組み合わせから成る触媒系を
    使用し、炭素数7以下の飽和炭化水素溶媒中、70℃以
    下の反応温度でα−オレフインの低重合を行い、次い
    で、反応液中の副生ポリマーを溶融させることなく分離
    除去してα−オレフイン低重合体を回収することを特徴
    とするα−オレフイン低重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】 クロム化合物とアルキルアルミニウム化
    合物とが予め接触しない態様でα−オレフインとクロム
    系触媒とを接触させる請求項1に記載のα−オレフイン
    低重合体の製造方法。
  3. 【請求項3】 反応液の温度を70℃以下に保持して副
    生ポリマーの分離除去を行う請求項1又は2に記載のα
    −オレフイン低重合体の製造方法。
  4. 【請求項4】 副生ポリマーの分離除去を濾過機または
    遠心分離機を使用して行う請求項1〜3の何れかに記載
    のα−オレフイン低重合体の製造方法。
  5. 【請求項5】 α−オレフインがエチレンであり、α−
    オレフイン低重合体の主として1−ヘキセンである請求
    項1〜4の何れかに記載のα−オレフイン低重合体の製
    造方法。
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