JPH0711709A - 鋼管柱の連結方法及び建造物の構築方法 - Google Patents

鋼管柱の連結方法及び建造物の構築方法

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JPH0711709A
JPH0711709A JP5180844A JP18084493A JPH0711709A JP H0711709 A JPH0711709 A JP H0711709A JP 5180844 A JP5180844 A JP 5180844A JP 18084493 A JP18084493 A JP 18084493A JP H0711709 A JPH0711709 A JP H0711709A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 鋼管柱の連結作業の効率化及び建築コストの
削減を図ることができる鋼管柱の連結方法及び建造物の
構築方法を提供する。 【構成】 まず、図1(a)の鋼管持上げ工程によっ
て、鉄筋20が内部に仮止めされた鋼管10を床部30
から突出する主筋41の真上に持上げる。次に、図1
(b)の鉄筋連結工程によって、鉄筋20の主筋21と
床部30の主筋41とを連結する。しかる後、図1
(c)の鋼管落込み工程によって、鋼管10のみを床部
30に着地させる。最後に、図1(d)のコンクリート
打設工程によって、着地させた鋼管10内にコンクリー
ト32を打設して、鋼管柱1を形成すると共に鋼管柱1
を床部30の主筋41に連結する。特に、スペーサー2
5を鉄筋20と鋼管10との間に介設することにより、
鉄筋20を垂直に支持することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特に超高層建造物に用
いられる鋼管柱の連結方法及びこの鋼管柱を効率的に用
いた建造物の構築方法に関する。
【0002】
【従来の技術】超高層建造物の柱には、高軸力が加わ
る。したがって、この高軸力に耐え得る構造の柱が超高
層建造物には必要である。
【0003】従来、この種の柱として、図7に示すよう
な鋼管柱100が知られている。この鋼管柱100は、
鋼管101内にコンクリート102を打設した構造にな
っており、これにより、鋼管柱100に加わる軸力を鋼
管101とコンクリート102とで分配負担させて、鋼
管柱100の軸耐力を高めようとするものである。
【0004】しかし、超高層建造物においては、鋼管柱
100に相当の高軸力が加わるので、鋼管101の肉厚
を相当厚くする必要がある。このため、鋼管柱100の
コストが高くなってしまう。
【0005】そこで、鋼管柱100の鋼管101内に鉄
筋を配設して、この鉄筋と鋼管101とコンクリート1
02とで高軸力を負担する構造にすることが考えられ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た鉄筋入りの鋼管柱においては、鋼管柱の連結作業上問
題が生じる。
【0007】すなわち、この鋼管柱においては、図8に
示すように、鉄筋103の下端部を各階の床部110に
突出した主筋111に連結した状態で垂直に立て、この
状態で、鋼管101を鉄筋103に向けて落とし込み、
鋼管101内にコンクリート102を打設して、鋼管柱
を床部110の主筋111に連結する方法がとられる。
【0008】したがって、クレーン等によって、鋼管1
01を各階の高さに相当する高さの鉄筋103の真上ま
で持上げる必要がある。すなわち、鉄筋103の高さの
2倍の高所まで、鋼管101を吊り下げながら持上げる
必要があり、作業効率が悪い。しかも、作業者が、鉄筋
103に沿って組まれた足場等に昇って、不安定な姿勢
で、鋼管101下端と鉄筋103上端との位置合せ等の
作業をしなければならないので、作業安全上も問題があ
る。
【0009】なお、鉄筋入り鋼管柱を工場にてプレキャ
ストすることも考えられるが、鋼管は打設時の型枠とし
て兼用できるため、鉄筋コンクリート柱を現場打ちする
ものと比べて型枠設置の手間が省けるため、プレキャス
ト化することで運搬コストを増加させるよりも現場打ち
した方が有利である。
【0010】また、超高層建造物においては、下層階の
柱に高軸力が加わるが、上層階になるに従って柱に加わ
る軸力は小さくなる。従って、すべての階層において、
図7び図8に示すような高価な鋼管101を用いた鋼管
柱によって建造物を構築することは、建築コスト上、無
駄が生じる。
【0011】本発明は、前記従来の問題点に鑑みてなさ
れたもので、その目的は、鋼管柱の連結作業の効率化及
び建築コストの削減を図ることができる鋼管柱の連結方
法及び建造物の構築方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の鋼管柱の連結方
法は、主筋の下端部が鋼管の下端から突出するように、
前記主筋を含む鉄筋が内部に仮止めされた鋼管を、床部
から突出する主筋の真上に持上げ、この状態で、前記鋼
管側の主筋と前記床部の主筋とを連結し、しかる後、前
記鋼管のみを前記床部に着地させ、この床部に着地させ
た鋼管内にコンクリートを打設して鋼管柱を形成する、
ことを特徴とする。
【0013】ここで、前記主筋を前記鋼管内で管軸方向
と平行に支持するスペーサーを用いれば、前記鋼管内に
て前記鉄筋の仮止め時の位置出しを行うことができる。
【0014】また、本発明は、建築物の低層部について
は、鋼管と、主筋の上端部がこの鋼管上端から突出する
ように鋼管内に配置された鉄筋と、この鉄筋を埋め込む
ように鋼管内に打設されたコンクリートとで形成された
鋼管柱を各階毎に立設し、下層の鋼管柱の上端より突出
する主筋と上層の鋼管柱内の主筋の下端とを連結して、
建造物の低層部の各階を構築し、建築物の高層部につい
ては、鉄筋コンクリート柱を各階毎に立設し、下層の鉄
筋コンクリート柱の上端より突出する主筋と上層の鉄筋
コンクリート柱内の主筋の下端とを連結して、建築物の
高層部の各階を構築し、建築物の低層部及び高層部の境
界では、下層の鋼管柱の上端より突出する主筋を、上層
の鉄筋コンクリート柱の主筋の下端とを連結する、こと
を特徴としている。
【0015】
【作用】本発明においては、鉄筋が内部に仮止めされた
鋼管を、床部から突出する主筋の真上に持上げるだけで
済むので、鋼管持上げストロークがほぼ半減し、作業効
率がアップする。
【0016】しかも、作業者が、床部の上で安定した姿
勢で鋼管と床部から突出した主筋との位置合せ等を行う
ことができるので、連結作業を安全に行うことができ
る。
【0017】また、鋼管柱は鉄筋により補強されるの
で、従来と同一強度を保障しながらも鋼管の肉厚を薄く
できコストダウンを図れる。
【0018】また、鋼管と鉄筋との間にスペーサーが介
設されていると、鉄筋が鋼管内で垂直に支持されている
ので、鉄筋を床部に垂直に位置決めする作業が省かれ
る。
【0019】さらに本発明においては、低層部において
高軸耐力の鋼管柱を用い、それほど大きな軸力が加わら
ない高層部においては、鉄筋コンクリート柱を用いるこ
とができるので、建築コスト上、無駄なく建造物を構築
することができる。しかも、低層部及び高層部の境界で
は、低層部の各階に配置した鋼管柱内を貫通して連続し
て伸びる主筋の上端と、高層部の各階に配置した鉄筋コ
ンクリート柱内を連続して伸びる主筋の下端とを連結し
ているので、低層部から高層部に亘って主筋が連続し、
低層部と高層部との境界にて柱の連結強度が低下するこ
とがない。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0021】第1実施例 図1は、鋼管柱の連結方法の一実施例を示す図である。
【0022】本実施例は、図1に示すように、鋼管持上
げ工程(図1の(a))と、鉄筋連結工程(図1の
(b))と、鋼管落込み工程(図1の(c))と、コン
クリート打設工程(図1の(d))とを経て、鋼管柱1
を形成すると共に床部30から突出する階下の鋼管柱4
0(破線)の主筋41に連結する方法である。
【0023】鋼管持上げ工程は、図1の(a)に示すよ
うに、鉄筋20が内部に仮止めされた鋼管10を主筋4
1上に持上げる工程である。
【0024】鋼管10は、図2及び図3に示すように、
断面方形状の管体であり、その両側面には、梁連結用の
H鋼11が突設されている。そして、この鋼管10の内
側面12の下端部には、仮止め手段、例えば断面L字状
の一対のアングル15が取り付けられている。
【0025】一方、鉄筋20は、鋼管10に対応して方
形状に縦組みされた複数の主筋21と、この主筋21の
外側に巻き付けられ、高さ方向に所定間隔で取り付けら
れた複数の補強筋24とで構成されている。そして、主
筋21の上,下に位置する補強筋24には各々、スペー
サー25が取り付けられている。このスペーサー25
は、鉄筋20を鋼管10内で垂直に支持するためのもの
で、図4に示すように、補強筋24の4辺の外側に各々
突設されている。
【0026】このような鉄筋20は、アングル15によ
って鋼管10内に仮止めされている。
【0027】具体的には、図2に示すように、鉄筋20
が鋼管10の上開口から挿入されて、最下位の補強筋2
4−1がアングル15の上に載せられており、これによ
り、鉄筋20が、主筋21の下端部を鋼管10の下端か
ら突出させた状態で、鋼管10内に仮止めされている。
【0028】そして、鋼管10の内側では、上下のスペ
ーサー25が内側面12に当接しており、鉄筋20は、
鋼管10に対して傾くことなく、垂直に支持されてい
る。
【0029】このように鉄筋20を鋼管10に仮止して
いるので、本工程では、主筋21の下端が床部30に突
出する主筋41の上端真上に位置する高さまで、鋼管1
0をクレーン等で持上げれば良い。したがって、鋼管1
0の持上げ量が図8の場合と比べてほぼ半減し、鋼管1
0の持上げ作業の効率化と迅速化が図られる。
【0030】そして、鉄筋連結工程が行われる。本工程
では、図1の(b)に示すように、床部30から突出し
ている主筋41と鋼管10下端から突出する主筋21同
士を、例えば袋ナット31で連結する作業が行われる。
この連結作業は床部30上で行うことができるので、作
業者は安定した姿勢で安全に作業することができる。
【0031】この連結作業終了後、鋼管落込み工程が行
われる。本工程では、図1の(c)の矢印で示すよう
に、鋼管10のみが床部30上に降ろされ、着地させら
れる。
【0032】すなわち、鋼管10と鉄筋20とは、図2
に示したように、アングル15と最下位の補強筋24−
1とが単に当接した仮止め状態にあるので、クレーンを
下げることによって、鋼管10のみが下がる。この状態
で、鋼管10と階下の鋼管柱40の鋼管とが溶接等によ
って連結される。
【0033】この結果、図に示すように、鉄筋20がス
ペーサー25により鋼管10内で垂直に支持された状態
を保つので、鉄筋20を床部30に対して垂直に支持す
る作業が省かれる。また、主筋21上端部が鋼管10上
端から突出し、さらに階上の鋼管柱の連結が可能になっ
ている。
【0034】そして、最後に、コンクリート打設工程が
行われる。
【0035】本工程では、図1の(d)に示すように、
鋼管10の上開口からコンクリート32を注入する作業
が行われる。
【0036】これにより、コンクリート32が固化する
と、床部30上に鋼管柱1が立設形成されると共に階下
の破線で示す鋼管柱40に連結される。
【0037】上述したように、本実施例によれば、鋼管
10の持上げ作業の効率化と、作業の安全性と、鉄筋2
0の垂直支持作業の省力化とを図ることができる。
【0038】なお、本実施例では、鉄筋20の仮止めを
アングル15によって行ったが、これに限らず種々の方
法で鉄筋20を仮止めすることができる。
【0039】例えば、図5の(a)に示すように、鋼管
10の下端部に、複数のロッド16を架け、このロッド
16の上に鉄筋20の最下位の補強筋24−1を載せる
ようにしても良い。また、図5の(b)に示すように、
鋼管10の下端部にピン挿通孔17を穿設し、このピン
挿通孔17にかんざし状のピン18を通し、このピン1
8の上に鉄筋20の最下位の補強筋24−1を載せるよ
うにしても良い。これにより、コンクリート打設工程に
おいて、このピン挿通孔17を利用して、コンクリート
32を鋼管10の下側から注入打設することができる。
【0040】また、本実施例では、階上の鋼管柱1の鋼
管10と階下の鋼管柱40の鋼管とを溶接して連結する
鋼管柱1の連結方法について述べたが、本発明は、これ
に限らず、いわゆるアンボンディングの鋼管柱にも適用
することができることは勿論である。
【0041】第2実施例 次に、発明に係る建造物の構築方法の他の実施例につい
て説明する。
【0042】図6は、本実施例で構築された建造物を示
す断面図である。なお、上記第一の発明の実施例と同一
の部材については、同一符号を付してある。
【0043】図6において、符号Aは柱に高軸力が加わ
る低層部の階を示し、符号Bは高軸力が加わらない高層
部の階を示す。
【0044】低層部Aは、上記第一の発明の実施例に適
用した鋼管柱1を用いて構築する。
【0045】すなわち、鋼管柱1の鋼管10が、階下の
破線で示す鋼管柱40の鋼管に溶接等によって連結され
た状態で立設される。そして、鉄筋20が、鋼管10内
で垂直に支持され、かつ主筋21の下端部が袋ナット3
1を介して鋼管柱40の主筋41上端部に連結された状
態で、鋼管10内に配置される。さらに、鋼管10内に
コンクリート32が打設されて、主筋21を上方に突出
させた鉄筋20が、鋼管10内に固定される。
【0046】このようにして、複数の鋼管柱1が低層部
Aに立設された後、各鋼管柱1のH鋼11間に梁50が
架けられる。
【0047】そして、梁50上に、図示しないデッキプ
レートが敷き込まれ、デッキプレートの上からコンクリ
ートが打設されて、上層階Bの床部60が形成される。
【0048】高層部Bは、鉄筋コンクリート柱70を用
いて構築する。具体的には、鉄筋71の主筋72下端部
が、鋼管柱1の主筋11の上端部に袋ナット61を介し
て連結され、鉄筋71が床部60に対して垂直に支持さ
れる。
【0049】そして、鉄筋71にH鋼74が連結された
後、図示しない型枠で鉄筋71が囲まれ、型枠内にコン
クリート75が打設されて、鉄筋コンクリート柱70が
立設形成される。なお、鉄筋コンクリート柱70は、必
ずしも現場打ちするものに限らず、工場にて予めプレキ
ャストされたものを用いることもできる。このプレキャ
スト製鉄筋コンクリート柱を用いる場合には、床部より
突出する主筋を配置できるスリーブを、プレキャスト製
鉄筋コンクリート柱の下端部に形成しておき、主筋挿通
後にモルタルを充填して一体化することができる。ま
た、鉄筋コンクリート柱70と鉄骨梁80との連結構造
は、上記実施例のほか、他の種々の構造を採用すること
ができる。
【0050】このようにして、複数の鉄筋コンクリート
柱70が高層部Bに立設された後、各鉄筋コンクリート
柱70のH鋼74間に梁80が架けられる。
【0051】そして、梁80上に、図示しないデッキプ
レートが敷き込まれ、デッキプレートの上からコンクリ
ートが打設されて、階上の床部が形成される。
【0052】上記のごとく構築された建造物には、種々
の内部応力が加わる。
【0053】低層部Aにおいては、大きな曲げ応力や軸
応力が加わる。しかし、低層部Aの柱には鋼管柱1が用
いられているので、鋼管10が柱に加わる曲げ応力に対
する耐力を向上させ、また、柱に加わる軸応力に対して
は、鋼管10と鉄筋20とが軸応力を分担して軸耐力を
向上させる。特に、鉄筋20の補強筋24が鋼管10に
加わる応力を負担するので、鋼管10の肉厚を薄くする
ことができる。
【0054】これに対して高層部Bにおいては、大きな
曲げ応力や軸応力は加わらない。したがって、高層部B
では、鉄筋コンクリート柱70を用いても、鉄筋71の
みでこれらの応力に十分耐え得る。
【0055】このように、本実施例においては、大きな
曲げ応力や軸応力は加わる低層部Aでは、高耐力の鋼管
柱1を用いて建造物を構築し、大きな曲げ応力や軸応力
は加わらない高層部Bでは、高価な鋼管柱1を用いずに
安価な鉄筋コンクリート柱70を用いて建造物を構築す
るので、建造物の耐力を十分確保しつつ、建築コストを
大きく削減することができる。
【0056】なお、低層部を鋼管コンクリート柱構造と
し、高層部をハーフプレキャスト鉄筋コンクリート柱構
造とした高層建築物の構築方法は、特開平5−1800
3号公報に開示され公知である。しかしながら、この公
報に開示された構築方法によれば、低層部を構成する鋼
管コンクリート柱内には鉄筋が配されていない。そし
て、低層部と高層部との境界部分においては、下層の階
に配置された鋼管柱内の上端に、定着に必要な長さが鋼
管柱内に支持され、この鋼管柱の上端より突出された接
続鉄筋を、その上層の鉄筋コンクリート柱の主筋と連結
させている。
【0057】この従来技術においても、上記の実施例と
同様に、高軸耐力を要する低層部に鋼管柱を用い、大き
な曲げ応力や軸応力が加わらない高層部に鉄筋コンクリ
ート柱を用いているが、この低層部と高層部との境界部
分においては、所定長さの接続鉄筋のみによって補強さ
れているため、この境界部分の軸耐力が極端に低下する
おそれがある。そうすると、低層部および高層部の境界
部分に応力集中が生じ、建造物全体としてみればその耐
力を十分確保することができなくなる。
【0058】これに対し、上記実施例によれば、低層部
に用いられる鋼管柱と高層部に用いられる鉄筋コンクリ
ート柱とが立設される縦方向にわたって、主筋が連続し
て配筋されているため、低層部および高層部の境界部分
にて極端に軸耐力が低下することがない点で優れてい
る。さらに、上記実施例は、低層部の鋼管柱に主筋を含
む鉄筋を配筋することで、鋼管の肉厚を薄くできる点で
も優れている。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の鋼管柱の
連結方法においては、鋼管を、床部から突出する短い主
筋の真上に持上げるだけで済むので、鋼管持上げストロ
ークを従来よりほぼ半減でき、作業効率をアップするこ
とができると共に、鋼管柱の連結作業の安全性を確保す
ることができる、という効果がある。
【0060】特に、鋼管と鉄筋との間に、鉄筋を垂直に
支持するスペーサーを介設すれば、鉄筋を床部に垂直に
位置決めする作業が省かれ、作業の省力化を図ることが
できる。
【0061】また、本発明の建造物の構築方法において
は、それほど大きな軸力が加わらない高層部において、
鉄筋コンクリート柱を用いることができるので、無駄な
く建造物を構築することができ、建築コストの削減を図
ることができると共に、低層部と高層部との境界部分の
軸耐力も保障できる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る鋼管柱の連結方法を断
面で示す工程図であり、同図(a)は鋼管持上げ工程を
示し、同図(b)は鉄筋連結工程を示し、同図(c)は
鋼管落込み工程を示し、同図(d)はコンクリート打設
工程を示す。
【図2】本実施例に適用される鋼管柱を示す断面図であ
る。
【図3】鉄筋の仮止め状態を示す断面図である。
【図4】スペーサーの取付状態を示す断面図である。
【図5】仮止めの変形例を示す断面図であり、同図
(a)はロッドを用いた仮止め状態を示し、同図(b)
はピンを用いた仮止め状態を示す。
【図6】本発明の他の実施例に係る建造物の構築方法を
示す断面図である。
【図7】従来の鋼管柱を示す断面図である。
【図8】鉄筋入り鋼管柱の取付方法を示す概略図であ
る。
【符号の説明】
1,40 鋼管柱 10 鋼管 20 鉄筋 21,41 主筋 25 スペーサー 30 床部 32 コンクリート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山内 茂一 東京都中央区京橋1丁目7番1号 戸田建 設株式会社内 (72)発明者 市村 敦史 東京都中央区京橋1丁目7番1号 戸田建 設株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主筋の下端部が鋼管の下端から突出する
    ように、前記主筋を含む鉄筋が内部に仮止めされた鋼管
    を、床部から突出する主筋の真上に持上げ、 この状態で、前記鋼管側の主筋と前記床部の主筋とを連
    結し、 しかる後、前記鋼管のみを前記床部に着地させ、 この床部に着地させた鋼管内にコンクリートを打設して
    鋼管柱を形成する、 ことを特徴とする鋼管柱の連結方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記主筋を前記鋼管内で管軸方向と平行に支持するスペ
    ーサーを用いて、前記鋼管内にて前記鉄筋の仮止め時の
    位置出しを行うことを特徴とする鋼管柱の連結方法。
  3. 【請求項3】 建築物の低層部については、鋼管と、主
    筋の上端部がこの鋼管上端から突出するように鋼管内に
    配置された鉄筋と、この鉄筋を埋め込むように鋼管内に
    打設されたコンクリートとで形成された鋼管柱を各階毎
    に立設し、下層の鋼管柱の上端より突出する主筋と上層
    の鋼管柱内の主筋の下端とを連結して、建造物の低層部
    の各階を構築し、 建築物の高層部については、鉄筋コンクリート柱を各階
    毎に立設し、下層の鉄筋コンクリート柱の上端より突出
    する主筋と上層の鉄筋コンクリート柱内の主筋の下端と
    を連結して、建築物の高層部の各階を構築し、 建築物の低層部及び高層部の境界では、下層の鋼管柱の
    上端より突出する主筋を、上層の鉄筋コンクリート柱の
    主筋の下端とを連結する、 ことを特徴とする建築物の構築方法。
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JPH0518003A (ja) * 1991-07-09 1993-01-26 Ooki Kensetsu Kk 鋼管コンクリート柱とハーフプレキヤスト鉄筋コンクリート柱の接合方法。

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