JPH07116056B2 - 免疫原性複合体およびその製造法 - Google Patents

免疫原性複合体およびその製造法

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JPH07116056B2
JPH07116056B2 JP60245270A JP24527085A JPH07116056B2 JP H07116056 B2 JPH07116056 B2 JP H07116056B2 JP 60245270 A JP60245270 A JP 60245270A JP 24527085 A JP24527085 A JP 24527085A JP H07116056 B2 JPH07116056 B2 JP H07116056B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、分析、疾患の診断、生物学的標的の探索、又
はワクチン製造用の抗体産生を誘導する為に、免疫原性
を付与したり増強したりすることが望ましい1つ以上の
分子に結合した、免疫原性担体の免疫原性複合体に関す
る。
従来ワクチンは、微生物を死滅させたり弱毒化させて、
無毒化又は非病原性にした全菌体よりできていた。例え
ば異種宿主又は宿主細胞中で培養したり、他の特別な条
件下で培養したりして、ウイルスを弱毒化させてきた。
次世代のワクチンは、感染に対する防御を与える免疫能
の刺激に関与する微生物の特異的な成分にもとずいてい
る。このような成分は、疎水性領域がある場合は、物理
的に規定される多重結合型(例えば蛋白ミセル)にする
ことで免疫原性を増加させることができる(モレインら
(Morein et al)、1978年、エンベロープのある動物ウ
イルスに対する有効なサブユニツトワクチン、ネイチヤ
ー、第276巻。715:−718頁)。複合体中に疎水性蛋白又
はペプチドを導入することにより、更に良好な免疫原性
効果が得られており(ヨーロッパ特許公開第0109942号
公報)これはイスコム(iscom)という名前が与えられ
ている。
第3図および第4世代のワクチンは、組み換えDNA法又
は合成法ペプチド又は炭水化物により得られるペプチド
又は蛋白より成ると予想されている。合成法では、例え
ば随時ペプチド、蛋白又は脂質に結合した生物物質から
純粋な形で得ることができる。このような物質が既に多
く得られておりワクチンになる可能性がある。これまで
このような物質は、例えば牛血清アルブミンのような担
体構造、又はKLH(Keyhole Limpet Haemocyanine)を結
合させ、且つアジユバント(例えば油性アジユバント)
を混合しなければ、従来法では十分な免疫原性を与える
ことはできなかつた。しかしこのような物質は、特に担
体構造が許容でなかつたり副作用が強い為、ワクチンと
しては許容できなかつた。更に殆どの場合必要な抗原量
は、免疫に必要な量や微生物中に存在する量より100か
ら1000倍よりも多く、1000倍以上も必要な場合もある。
従来法で使用する場合既知のアジユバントは、許容でき
ない副作用が出るような大用量で用いる時のみ有効であ
る。これを避けるため、ムラニルジペプチド(MPD)と
いうアジユバントを抗原(ペプチド)に共有結合させる
ことにより、低濃度のMPDでアジユバント効果が得られ
た。アーノン・アール、セーラ・エム、パラント・エ
ム、ジエデイツド・エル(Arnon,R.,Sela,M.et Chedid,
L.,)1980年、プロシーデイングズ・オブ・ナシヨナル
・アカデミー・オブ・サイエンシズ(Proc.Na.Acad.S
c)、米国、第77巻、6769−6772頁。この種の複合体を
作るのは比較的困難且つ高価であり、これまで実験用に
限られてきた。
ヨーロッパ特許公開第0109942号公報によれば、蛋白お
よびペプチド(特に合成したもの)、炭水化物、糖脂質
および他の低分子(例えばビオチン)、および特に免疫
原性が充分強くないものも、免疫原性担体複合体(所謂
イスコム)に結合させることにより(所謂イスコム)、
免疫原性を付与させられることが判明した。
イスコムとはグリコシド(アジユバント)と疎水性の抗
原性蛋白又はペプチドとの複合体である。これらの蛋白
又はペプチドはワクチンの調製に使用できるようなもの
である。このアジユバント(グリコシド)はイスコム中
では、従来法で抗原と混合して用いるのに必要なアジユ
バント量よりもはるかに低い濃度で作用することができ
る。従つてアジユバントによる副作用の問題を避けるこ
とができる。
本発明では、免疫原性ペプチド又は免疫原性蛋白を含
み、従つて免疫応答(特にこれらに対する抗体産生)を
刺激させるイスコムは、前記の分子に結合させることが
できる。一次イスコムはこれらの分子の結合する担体構
造を形成する。このようにして一次イスコム中のペプチ
ドおよび結合した分子に対する抗体が得られる。
例えばワクチンとして使用する予定のペプチドを結合す
る為の一次イスコムは、それ自身ワクチンとして有用な
エンベロープ蛋白を含むことが好ましい。更に異なる微
生物の抗原決定基(エピトープ)を代表する数個のペプ
チドを、それ自身が1又は数個の微生物に対する有用な
ワクチンである一次イスコムに結合させることができ
る。こうして多価ワクチンを調製することができる。
この新しい複合体は電子顕微鏡下では、担体分子(即ち
一次イスコム)と同じ形態構造をしている。しかし大き
な分子が一次イスコムに結合する時は形態上の変化が観
察される。本発明に従い約1−10μgの量でマウスを免
疫させたが、顕著な副作用もなく抗体が産生した。投与
量は増加させたり減少させたり、また2回以上免疫する
ことが必要なこともある。
一次イスコムに結合する分子は、一次イスコム中のペプ
チド又は蛋白と同様に微生物(下記)から回収されるか
又は微生物中の抗原決定基を代表するペプチド、蛋白、
炭水化物又は他の分子である。もし大量のイスコムが使
用できる場合は、新に一次イスコムを調製するより準備
したイスコムに、その抗体が産生させるペプチド又は蛋
白を結合させることがより合理的かもしれない。
一次イスコム中のこれらの蛋白又はペプチド複合体は疎
水性でなければならなかつた(ヨーロッパ特許公開第01
09942号公報)。本発明では一次イスコムに結合するこ
れらの分子は疎水性である必要はなく、ある種の結合分
子(その例は後述する)が必要なだけである。
ワクチン用に大規模に培養することができないある種の
微生物が存在する。その1つの例はマラリアである。マ
ラリア蛋白の抗原決定基に対応するアミノ酸配列(ペプ
チド)が合成され、これは防御免疫を付与することがで
きると考えられている。しかしこれらのペプチドは免疫
原性が不充分なことがわかつた。これらのペプチドはイ
スコムの生成に必要な適切な疎水性がしばしば欠如して
いた。疎水性分子をこれらのペプチドに結合させイスコ
ムを調製することは可能であるが、既に調製してある一
次イスコムにペプチドを結合させる方が、特に技術的又
は免疫原性の面からより適切かもしれない。これは又マ
ラリア及び例えば灰白髄炎(一次イスコム中の複合体結
合ポリオペプチド)の両者に対する複合ワクチンを得る
ことを可能にする。
一次イスコムに結合するペプチドは好ましくは合成品又
は微生物から生成したものであり、しばしば分析して抗
原決定基を有することを確認する。抗原決定基エピトー
プの標準的な大きさは1−4アミノ酸である。これらの
ペプチドは40以下のアミノ酸(10−25個のアミノ酸が適
当)を有することが好ましい。25個以上のアミノ酸を有
するペプチドは合成が困難であり、折り畳まれて抗原決
定基を隠してしまいやすい。
もしペプチドが短くて約10個以下のアミノ酸しか含有し
ない場合、又はもしペプチドが折り畳まれて一次イスコ
ム中の疎水性部分内に入り込みやすい疎水性基を有する
場合は、所謂スペーサーを用いて分子を長くして一次イ
スコムの外に出すことが適当である。ここでスペーサー
とは、6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,
22,23,24,25,26個の水酸基(これが脂肪族基を親水性に
する)と、鎖の各末端に例えばNH−,COOH−,SH−又はOH
−基の結合性官能基(7頁に記載したようなもの)を有
する、2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,又は12個(好ましくは6,
7,8個)の炭素原子を有する脂肪族鎖(例えばグルコー
スアミン)か、又は1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,1
4,15,16,17,18,19,20個のアミノ酸(好ましくは例えば
グリシン又はプロリンのような親水性アミノ酸)より成
るペプチド(例えばポリグリシン又はポリプロリン)で
ある。このスペーサーは下記の結合法の1つを用いて、
末端の官能基を介してまず一次イスコムに結合させ次に
ペプチドに結合させることが好ましい。
担体分子に結合され得る分子としては、イスコムの調製
に関して以下に記載される微生物から得られる環状又は
線状蛋白およびペプチド;線状又は環状合成ペプチド、
又は例えばマラリアを代表するアミノ酸配列をもちいる
ハイブリツドDNA法により得られるペプチド、ポリオウ
イルス由来のペプチド、特にB型肝炎ウイルスより得ら
れる277−300ペプチド、特に32−74、110−156領域のペ
プチド;及び特に144−145のアミノ酸配列を有するペプ
チド;狂犬病ウイルス、特に1−50、290−320領域及び
特に100−175領域のペプチド;140−146、187−196のア
ミノ酸配列又はCys52−Cys278又は207−220領域から選
ばれるアミノ酸配列を有するインフルエンザウイルスペ
プチド;口蹄疫ウイルス、特に141−160、144−160、14
6−154、144−150、142−158の口蹄疫ウイルスペプチ
ド;T−細胞の増殖因子(インターロイキン)、好ましく
は79−92、139−153C、111−125及び18−32Cのアミノ酸
配列を有するペプチド、エプスタインバーウイルスから
得られるペプチド、特に配列A:Asp,Val,Gly,Gly,Lys,Ly
s,His,Gln,Lev,Asp,Cys,Leu,Leu;配列B:His,His,Ala,Gl
u,Asn,Gln,Asn,Pro,Cys,Leu,Leu;配列C:Ala,Trp,Pro,As
n,Asn,Thr,Glu,Thr,Asp,Phe,Lys,Cys,Leu,Leu;HTLV 1、
2又は3型ウイルスの抗原決定基;血液型物質中のペプ
チドなどがある。
本発明においては一次イスコムに、抗体を作成すること
が好ましいペプチド、ポリペプチドそして特にステロイ
ドホルモン、ペプチドホルモンおよびプロスタグランヂ
ンの群の特別なホルモンを結合させることができる。そ
のホルモンの例としては以下のようなものがある:チロ
トロピン、アデノコルチコトロピン、黄体形成ホルモ
ン、ゴナドトロピン放出ホルモン(LHRH)、卵胞刺激ホ
ルモン、プロラクチン、生長ホルモン、オキシトシン、
バソプレシン、副甲状腺ホルモン、カルシトニン、イン
スリン、グルカゴン。又本発明において結合させること
のできる酵素に対する抗体を作成することも好ましい。
その例としてはリゾチームとペルオキシダーゼがある。
これらの酵素は40個以上のアミノ酸を有している。
又イスコムに炭水化物や炭水化物含有構造、例えばリポ
多糖類、莢膜を有する微生物(例えば大腸菌、特にK−
抗原1−13、ヘモフイルスインフルエンザ、髄膜炎菌)
の多糖類、ガングリオシド(例えばGM1)およびグリオ
ーマガングリシド中の血液型物質中の糖蛋白中の少糖類
等を結合させることも可能である。血液型物質に対する
抗体が産生されれば、血液型の分析に対し実用上の利点
がある。グリオーマガングリオシドは脳腫瘍中のガング
リオシドにおきる変化により生成される。このグリオー
マガングリオシドに対する抗体を用いて脳腫瘍が診断で
きるかもしれない。
この担体に結合される物質の例としてはリポ蛋白、他の
糖蛋白およびビオチンがある。
これらの分子は、分子中に既に存在するか又は分子に結
合した結合性官能基および一次イスコム中の官能基(例
えば蛋白又はペプチド中のアミノ酸、又はグリコシド中
のHO−、CHO−又はHOOC−基)を介して一次イスコムに
結合している。この点で既知の結合反応が利用される。
この点で最も好ましい結合反応は: 幾つかの結合法がジヤーナル・オブ・イムノロジカル・
メソツズ(Journal of Immunological Methods)第59巻
(1983年)129−143頁、289−299頁;メソツズ・イン・
エンザイモロジー(Methods in Enzymoloby)第93巻、2
80−333頁;アナリテイカル・バイオケミストリー(Ana
lytical Biochemistry)第116巻、402−407頁(1981
年)に記載されており、参考の為それらもここに引用し
てある。
本発明の新規な複合体を調製するには、まず担体とイス
コムを作成し、次に免疫原性を付与するべき分子、又は
免疫原性を強めるべき分子をこれらに結合させる。
I.イスコムの調製(一次イスコム) 疎水性領域を有する抗原性蛋白又はペプチドとグリコシ
ドとの免疫原性複合体は、疎水性領域を有する蛋白又は
ペプチドを1つ以上の可溶化剤と混合して、荷電した単
量体抗原蛋白又はペプチドと可溶化剤とで複合体を作ら
せた後、ミセルを形成するのに必要な少なくとも臨界濃
度の、疎水性又は親水性領域を有する1つ以上のグリコ
シドを含有するグリコシド溶液の存在下で、荷電した単
量体抗原性蛋白又はペプチドを可溶化剤から分離する
か、又は可溶化剤から分離して直接上記のグリコシド溶
液に移して、蛋白又はペプチドとグリコシド溶液との複
合体を形成させ、この複合体を単離し精製することによ
り調製される。
グリコシドの疎水性領域に結合する疎水性領域を有する
蛋白又はペプチドは、 A)エンベロープのあるウイルス、細菌、マイコプラズ
マ、寄生体又は動物細胞由来か又はそのものである、親
水性又は疎水性基を有する両親媒性蛋白又はペプチド、
又はハイブリツドDNA法により産生される蛋白又はペプ
チド、又は合成分子、 B)疎水性基を結合させることにより両親媒性にされる
親水性蛋白又はペプチド。これらの蛋白又はペプチド
は、ウイルス、細菌、マイコプラズマ、寄生体、動物細
胞より得られるか、又は合成されるか、又はハイブリッ
ドDNA法により得られる。
C)親水性蛋白の利用できなかつた疎水性部分を化学的
方法により利用できるようにした両親媒性蛋白又はペプ
チド。これらの蛋白は上記の微生物又は細胞に由来する
か又はハイブリツドDNA法により、又は合成により得ら
れる。
a)全細胞又はウイルス由来の膜蛋白又は膜ペプチドの
調製に関して、複合体の調製は原則として以下の3段階
より成る:動物細胞又は微生物又はその断片の精製又は
単離;疎水性蛋白の可溶化と可溶化剤の除去、そして同
時に複合体中の目的に抗原をグリコシドを利用して免疫
原性のある形に移動(免疫原性複合体)。
精製と単離 エンベロープを有するウイルス、マイコプラズマ、細
菌、寄生体及び動物細胞を以下のような公知の方法(例
えば「The Tools of Biochemistry」テイー・ジー・ク
ーパー(T G Cooper)、ジヨンウイリーアンドサンズ
(John Wiley&Sons)社(1977年)ニユーヨーク、を参
照、参考の為ここに引用してある)で濃縮し精製する。
例えば遠心分離、超遠心分離、電気泳動および種々クロ
マトグラフイー法(例えばゲル濾過、疎水性相互作用、
アフイニテイークロマトグラフイー)又は糖密度勾配遠
心分離、パーコール又はホローフアイバー透析による濃
度勾配遠心分離等である。細菌については、細菌壁を例
えば超音波又はフレンチプレス法を用いてまず溶解又は
分解することが必要又は有利なことがある(例えばコタ
ロウブルズとスタイン(Cota−Robles and Stein)、CR
Cハンドブツク(CRC Handbook of Micro biology)第2
巻(1973年)、833−844頁を参照、これはここで引用さ
れている)。
可溶化 精製した動物細胞又は微生物又はその断片を次に非イオ
ン性又は両性イオン性界面活性剤(これらは過剰に使用
する)と混合する。適切な非イオン性界面活性剤の例と
しては脂肪族又はアラリルフアテイツク酸およびアルコ
ールを有するポリグリコールエステルおよびポリグリコ
ールエーテルがある。具体例としては一般式CnH2n+1(OC
H2CH2)xOH(短縮形CnEx)を有するアルキルポリオキシ
エチレンエーテル;アルキル基とポリオキシエチレン鎖
の間にフエニル環を有するアルキルフエニルポリオキシ
エチレンエーテル(短縮形CnφEx)、例えばトリトンX
−100=3級−C8φE9,6(ポリエチレンオキサイドのオ
クチルフエノールエーテル)、アシルポリオキシエチレ
ンエステル;アシルポリオキシエチレンソルビタンエス
テル(短縮形CnソルビタンEx)(例えばツイーン20、ツ
イーン80)、β−D−アルキルグリコシド(例えばβ−
D−オクチルグリコシド)がある。下記のグリコシド
(特にサポニン)も使用可能である。しかしこれらは弱
界面活性剤であり他の界面活性剤と共に使用すべきであ
る。適当なイオン性界面活性剤の典型的な例としては没
食子酸界面活性剤(例えばデスオキシコレートおよびコ
レート)がある。複合体化界面活性剤(例えばタウロデ
オキシコレートおよび、グリコデオキシコレート)も使
用可能である。使用可能性ある両性イオン性界面活性剤
としてはリソレシチンおよび合成リソリン脂質がある。
上記の界面活性剤の混合物も使用可能である。
可溶化は又アルコール、有機溶媒又は両親媒性の低分子
(例えばペプタン−1,2,3−トリオール、ヘキサン−1,
2,3−トリオール、酢酸、水溶性ペプチドおよび蛋白又
はそれら混合物、又は界面活性剤をもちいても可能であ
る。
脂質および疎水性蛋白の量に比較して界面活性剤は過剰
に使用される。細胞又は微生物および界面活性剤は1:3
から1:10の重量比で混合物することが適切である。
細胞又は微生物および可溶化剤は緩衝化した、おそらく
は生理食塩水中で混合される。生理食塩水のモル濃度は
0.02から0.5M(好ましくは0.05から0.25M)が好まし
い。界面活性剤は室温で約1時間作用するはずである。
塩としては塩化ナトリウムが好ましいが、他の塩も可能
である、特にアルカリイオン、アルカリ土類イオンおよ
びアンモニウムイオンおよび強鉱酸および有機酸(例え
ば酢酸、トリクロロ酢酸、蟻酸、および蓚酸)との塩も
可能である。緩衝液としては、pH6.5−9の緩衝液が適
切である。コール酸およびデオキシコール酸を用いると
きは、pH8−9が好ましく、非イオン性界面活性剤を用
いる時はpH7.4が好ましい。蛋白の可溶化に有機酸を用
いる時は緩衝液を省略してもよい。
免疫原性複合体の調製 細胞又は微生物を可溶化する時可溶化剤および細胞又は
微生物の断片(以下断片と呼ぶ)の混合物が形成され
る。断片の中には可溶化剤との複合体としての荷電した
疎水性領域を有する単量体抗原性蛋白がある。疎水性又
は親水性領域を有しミセルを形成するのに必要な少なく
とも臨界濃度の、1つ以上のグリコシドを含有するグリ
コシド溶液の存在下又は、グリコシド溶液に直接移すこ
とにより、可溶化剤から荷電した単量体性蛋白を分離し
て免疫原性複合体が産生される。本発明の複合体を産生
する前、している時、又はした後(好ましくはする前)
に残りの断片を除去する。
例えば透析、ゲル濾過、又はクロマトグラフイー法によ
り、可溶化剤、荷電した単量体抗原性蛋白、グリコシ
ド、およびおそらくは他の断片の混合物から、可溶化剤
を除去するか、又は例えば濃度勾配遠心分離、クロマト
グラフイー又は電気泳動により、上記混合物から荷電し
た単量体抗原性蛋白を分離することにより、担体蛋白が
産生される。基本的に重要な点は、ミセル型が存在する
グリコシドの存在している時単量体抗原性蛋白は可溶化
剤から分離され、又は分離後直接グリコシドに移動され
る。単量体抗原性蛋白は可溶化剤から分離されることに
より、グリコシドと直接接触し、本発明の特別の複合体
が生成する。このグリコシドのミセル型がこの複合体を
作る為の基本であり、複合体はグリコシドミセルの疎水
性領域と膜蛋白の疎水性領域との引力により生成するこ
とが仮定されている。複合体中のグリコシドの量は使用
するグリコシドと複合体結合膜蛋白によつて変わり、0.
5から50重量%(特に0.5から25重量%、好ましくは0.5
から15、しばしば0.5から10、および特に2から8重量
%のあいだである。しかしグリコシドの存在しない時単
量体抗原性蛋白が可溶化剤から分離される場合、ヨーロ
ツパ特許出願第81102213.6号で産生される型の蛋白ミセ
ルが生成する。
成分の沈降定数は以下の順序で減少する為、濃度勾配遠
心分離により他の成分を除くことが好ましい:細胞断
片、可溶化剤又はグリコシドとの蛋白複合体、単量体蛋
白および可溶化剤。従つてグリコシドを添加する前に他
の成分は濃度勾配遠心分離により、可溶化剤、単量体蛋
白、および他の断片から除去できる。そして可溶化剤は
例えば透析、ゲル濾過、クロマトグラフイーにより除
去、又は単量体蛋白は電気泳動、クロマトグラフイー、
濃度勾配遠心分離により、可溶化剤から分離される。濃
度勾配遠心分離においては、濃度勾配遠心分離をしてい
る時(複合体が生成している時)、他の成分を除去する
ことができる。又上記のように複合体が生成した後、例
えば遠心分離、アフイニテイクロマトグラフイー、又は
ゲル濾過により、他の成分を除去することが可能であ
る。
グリコシドは疎水性及び親水性領域を有する任意のグリ
コシドが使用できる。好ましくは、R.チエシエ又はウル
フ(R Tschesche and Wulf)の「Chemie und Biologie
der Saponine in Fortschritte der Chemie Organische
r Naturstoffe」(W.ヘルツ、H.グリーゼバツハ、G.W.
カービイ(W.Herz,H Griesebach,G W Kirby)発行)、
第30巻(1973年)に記載のサポニンであり、特に極性酸
性ビスデスモシドのような極性の強いサポニン、例えば
キラヤバルクアラロシドA(Quillajaback Araloside
A)、チトセツサポネンW(Chitosetsusaponen IV)、
カレンデユラグリコシドC(Calendula−Glycoside
C)、チクセツサポニンV(Chikusetsusaponin V)、ア
キランテス−サポニンB(Achyranthes−Saponin B)、
カレンデユラグリコシドA(Calendula−Glycoside
A)、アラロシドB(Araloside B)、アラロシドC(Ar
aloside C)、プトランジア−サポニンIII(Putranjia
−Saponin III)、ベルサマサポニジド(Bersamasaponi
side)、プトランジア−サポニンIV(Putrajia−Saponi
n IV)、トリコシドA(Trichoside A)、トリコシドB
(Trichoside B)、サポナシドA(Saponaside A)、ト
リコシドC(Trichoside C)、ギプソシド(Gypsosid
e)、ヌタノシド(Nutanoside)、ジアントシドC(Dia
nthoside C)、サポナシドD(Saponaside D)からの抽
出物、好ましくはエスキユラスヒポカスタヌム(Aescul
us hippocastanum)からのエスシン(aescine)(T.パ
ツトとW.ウインクラ(T Patt and W Winkler):Das the
rapeutisch Wirksame Prinzip der Rosskastannie(エ
スキユラスヒポカスタヌム)、アルツナイミテルフオル
シユング(Arzneimittelforschung)第10巻(第4
号)、273−275頁(1060年))、又はギプソフイラスト
ルチウム(Gypsophillastruthium)からのサポアルビン
(R.ボクテン、P.ジユース及びR.ルイセン(R Vochten,
P joos and R Ruyssen):Physico−chemical propertie
s of sapoalbin and their relation to the foam stab
ility,ジエイ.フアーム.ベルグ(J Pharm Belg)第42
巻、213−226頁(1968年))、特にキラヤサポナリアモ
リナ(Quillaja saponaria Molina)からのサポニン抽
出物、主にK.ダルスガード(K Dalsgaard):Saponin Ad
juvants,ブルオフイントエピツツ(Bull Off Int Epi
z)第77巻、第7−8号、1289−1295頁(1972年)の方
法により産生されるDQ−抽出物、及びK.ダルスガード
(K Dalsgaard):Saponin Adjuvants III、アーキフフ
イアデイーゲザムトビルスフオルシユング(Archiv f
r die Gesamte Virusforschung)第44巻、243−254頁
(1974年)の方法により産生されるキルA(Quil A)で
ある。又グリコシドの混合物も使用可能である。グリコ
シドの添加量は、ミセル形成に必要な最低濃度(CMC)
の少なくとも1−3倍、好ましくは少なくとも5倍、特
に少なくとも7−12倍でなければならない。この場合グ
リコシドは、膜蛋白の単量体型に結合、及び捕捉できる
と考えられる。好ましくは、ミセル形成に必要な最低濃
度が0.03重量%であるキルA(Quil A)を用いる。従つ
てキルAの量は少なくとも0.02重量%、特に0.05−0.5
重量%、好ましくは0.2重量%でなければならない。グ
リコシドの上記の引用例は参考のために示したものであ
る。
荷電した単量体蛋白は、遠心分離、透析、電気泳動及び
種々のクロマトグラフ法により可溶化剤から分離され
る。
遠心分離法 上記により調製した断片化した細胞又は微生物と可溶化
剤との混合物は濃度勾配遠心分離される。これは可溶化
剤を含有する糖又は塩溶液の上に重層される。この層の
下にグリコシドを含有する濃度勾配が存在する。これは
例えば糖の濃度勾配又はグリセロール、メトリズアミド
又は重い塩(例えば塩化セシウム)の濃度勾配(すなわ
ち濃度勾配用物質として作用するのに適切な密度と粘性
を有する比較的不活性な物質)である。糖の場合の例を
以下に示す。
濃度勾配素子を少なくとも100,000g(これは実際の状況
を時間と濃度勾配により変化する)で遠心分離する。糖
としては単糖類(例えばブドウ糖、乳糖、麦芽糖)、二
糖類(例えばシヨ糖)が用いられるが、三糖類、四糖類
及びグリセリンも使用可能である。好ましくはシヨ糖を
用いる。濃度勾配中の糖の出発濃度は少なくとも5、好
ましくは15−25重量%(濃度勾配層の最上層)であり、
最終濃度は少なくとも20、好ましくは45−60重量%(濃
度勾配層の最下層)が適当である。例えば上層が糖含量
として5−25重量%で、下層が糖含量として20−60重量
%の濃度勾配ができる。しかし数個の層が存在すること
も可能であり、その場合個々の層の濃度差はそれに応じ
て減少する。糖濃度度勾配はグリコシド又はグリコシド
の混合物を含む。グリコシドの量はCMCの1−3倍、特
に少なくとも5倍、好ましくは少なくとも7−12倍であ
る。キルA(Quil A)の場合は少なくとも0.02、特に少
なくとも0.05−0.5、好ましくは少なくとも0.2重量%で
ある。このグリコシド含有濃度勾配中で、可溶化剤は分
離され、可溶化剤と蛋白の複合体は蛋白−グリコシド複
合体に変換する。
糖の濃度勾配の上に、可溶化剤又は可溶化剤の混合物を
含む、糖又は重い塩溶液の層があり、脂質はこの層にと
どまる。この層の可溶化剤の濃度は、微生物又は細胞と
可溶化剤の混合物として添加した時の濃度以下又は同じ
であり、0.25−3重量%が適当であり、好ましくは0.75
−1.5重量%であり1重量%が最も好ましい。糖又は塩
の濃度は、下層にあるグリコシド含有濃度勾配の上層中
の濃度と同じか又はそれ以下であり、好ましくは糖の5
−25重量%、特に15重量%である。
少なくとも100,100gで少なくとも16時間(好ましくは20
℃で20時間)遠心分離後、蛋白画分を集め緩衝液(0.5M
−0.001M)、好ましくは0.005Mトリス−塩酸、0.01M Na
Cl、pH7.4、又は0.2M酢酸アンモニウム緩衝液、pH7.4で
透析し、T.G.クーパー(T G Cooper)の「The Tools of
Biochemistry」、ジヨンウイリーアンドサンズ(John
Wiley&Sons)(ニユーヨーク、1974年)に記載の方
法、例えば凍結乾燥、真空透析、及び限外濾過法で濃縮
し全成分を沈降させると、蛋白と可溶化剤の複合体から
可溶化剤がはずれ、単量体蛋白とグリコシドに移行し複
合体を形成する。その後透析することにより糖が除去さ
れる。
この複合体をさらに例えば濃度勾配遠心分離(例えば20
−60重量%の糖、好ましくは10−40重量%のシヨ糖を含
む糖の濃度勾配)により、遊離のグリコシドから精製す
ることも可能である。
透析法 上記の様に細胞又は微生物の精製の後、及び上記の重量
比で可溶化剤と混合した後、上記の緩衝液中の細胞と可
溶化剤の混合物を、CMCの少なくとも1−3倍、好まし
くは7−12倍(キルA(Quil A)の場合は0.05−2重量
%、好ましくは0.2重量%)と直接混合し、緩衝液(例
えば0.5−0.001M、好ましくは0.005Mトリス−塩酸、0.0
1M NaCl、pH7.4、特に0.2M酢酸アンモニウム緩衝液、PH
7.0)で透析してもよい。こうしてグリコシドの存在下
で可溶化剤が分離される。こうしてできた膜蛋白複合体
を次に、遠心分離法の第1節に記載した様に(ただしグ
リコシドは添加しないで)濃度勾配遠心分離により単離
し、他の断片や遊離のグリコシドから分離する。
緩衝液中の細胞、微生物及び可溶化剤の混合物も濃度勾
配遠心分離が可能であり、例えば上記緩衝液中の5−60
重量%の糖濃度勾配、好ましくは10−12重量%のシヨ糖
濃度勾配上に重層し、150,000gで少なくとも20分、好ま
しくは250,000gで30分遠心分離する。こうして可溶化剤
と蛋白の複合体から他の成分が分離される。
上層の蛋白液(上層と呼ぶ)を抽出し、CMCの少なくと
も1−3倍、好ましくは少なくとも7−12倍(キルA
(Quil A)の場合は0.05−0.5重量%、好ましくは0.2重
量%)添加し、緩衝液0.5−0.001M、特に0.005Mトリス
−塩酸、0.01M HCl、pH7.4、好ましくは0.2M酢酸アンモ
ニウムで透析する。グリコシドの存在下で可溶化剤が除
去される。濃度勾配遠心分離(遠心分離法、第1節参
照)によりさらに精製できる。5−60重量%の糖、好ま
しくは20−50又は10−40重量%の糖を含有する糖の濃度
勾配によりさらに精製できる。
電気泳動法 断片化した微生物又は細胞及び可溶化剤との混合物、こ
の混合物を例えば緩衝液中5−60重量%、好ましくは20
−50重量%又は10−40重量%で濃度勾配遠心分離して得
られる上層の蛋白液(他の断片と遊離の可溶化剤は除去
されている)は、電気泳動法により可溶化剤より分離す
ることもでき、CMCの少なくとも1−3倍、好ましくは
7−12倍(キルA(Quil A)の場合は0.05−0.5重量
%、好ましくは0.2重量%を含む溶液中に移される。こ
うして荷電した単量体抗原性蛋白が可溶化剤から分離さ
れる。電気泳動により分離する場合は、電気泳動を妨害
し過熱の原因となる余分の塩が添加されてない可溶化剤
−緩衝液が適切である。担体を含む又は含まないゾーン
電気泳動や、担体を含む又は含まない等速電気泳動を用
いることも可能である。ポリアクリルアミド、寒天、シ
リカゲル、澱粉、セルロース、ポリビニルクロリド、イ
オン交換体、セライトなどの普通の物質が担体として使
用できる。複合体の単離と濃縮については本明細書第36
頁に記載のように行なう。更に精製は濃度勾配−遠分離
により行なう。
出発物質中に種々の電荷又は重量を有する疎水性膜蛋白
が含まれていても、電気泳動又は遠心分離によりそれら
をお互に分離し、それらの異なる複合体を作ることがで
きる。こうして種々の膜蛋白の複合体を分離したり増や
したりすることができる。
クロマトグラフ法 細胞断片から精製後可溶化した蛋白はクロマトグラフ法
(例えばゲル濾過、疎水性クロマトグラフイー又は親和
性クロマトグラフイー(例えばイオン交換クロマトグラ
フイー))により、随時可溶化剤から分離することがで
きる。これらのクロマトグラフイーでは抗原構造は、例
えばセルロース、アガロース、デキストラン、アクリル
アミド及びガラスより成る不溶性基層(マトリツクス)
上に吸着する。このマトリツクス構造には種々のリガン
ドが結合しており、これらの特異的な性質を利用して分
離がなされる。使用する可溶化剤がマトリツクス中を吸
着されないで通過する時、ふつう抗原構造は吸着され
る。このあと脱着を行なう。脱着段階の前又はその途中
に、可溶化剤、塩及び緩衝液物質の交換があり、可溶化
剤がグリコシドに交換され、複合体が形成される。
イオン交換クロマトグラフイーでは、ジエチルアミノエ
チル(DEAE)のような荷電したリガンド分子がマトリツ
クスに結合しており、陽イオン交換剤として用いられ
る。カルボキシル基(CM)又はリン酸基(P)がマトリ
ツクスに結合している場合は陰イオン交換体として用い
られる。抗原構造と可溶化剤の電荷の差を利用してこれ
らの分子が分離される。一般的に可溶化剤は荷電してお
らず蛋白は荷電している。可溶化剤の存在下で塩の濃度
勾配(例えばK−又はNaCl−)、又は適当な緩衝液(例
えばリン酸緩衝液)によるpHの調節を利用して溶出を行
なう(濃縮については上記の可溶化を参照)。溶出中に
蛋白が精製され、可溶化剤は交換されるか、又は可溶化
剤のかわりにもしグリコシドが溶離液に加えられている
場合は複合体が形成される。続いて例えば透析又はゲル
濾過により塩を除去する。
ゲル濾過の場合は、可溶化剤の分子量が抗原構造の分子
量より小さいため後の方の画分に出てくることを利用す
る。複合体が生成すると抗原含有構造がより大きくな
り、界面活性剤含有部分よりより離れていく。
免疫親和性クロマトグラフイーでは、抗体が前記のマト
リツクスに不可逆的に結合し、その後で抗体の特異性と
親和力を用いて目的の抗原構造を精製する。可溶化剤は
抗体に対し全く親和性を有していない。穏和な変性(例
えばpHを2.5に下げる)及び可溶化剤又はグリコシドの
存在下で溶出を行なう。
レクチンクロマトグラフイーではレクチンが用いられ
る。レクチンは特異的な糖の官能基と可逆的に結合でき
る一群の蛋白であり、たとえば糖蛋白に結合することが
できる。レクチンは例えばセフアロース(フアルマシア
社、ウプサラ(Uppsala))のようにリガンドとして結
合しているか、又は適当なマトリツクスにすぐ結合でき
る形で市販されている。界面活性剤(可溶化剤)は固定
化されたレクチンに対し全く親和性を有していない。吸
着した抗原構造はふつう低分子の糖、それもレクチンに
対し親和性を有するメチル化された糖(例えばマンノー
ス、メチルマンノシド、グルコース、メチルグリコシド
及びN−アセチルグルコサミン)を、緩衝化塩溶液に溶
解させて可溶化剤又はグリコシドの存在下で脱着を行な
う。
共有結合クロマトグラフイーでは、チオール基を有する
抗原構造が共有結合でマトリツクスに結合している。抗
原中のチオール基は、適当なマトリツクスに結合した活
性化チオ基に、チオ−ジスルフイド交換により選択的に
結合する。この結合は可逆的であり、洗浄により可溶化
剤を除去した後、可溶化剤又はグリコシドの存在下でメ
ルカプトエタノール又はジチオスレイトールでジスルフ
イド結合を還元することにより、チオール含有抗原構造
が溶出できる。
疎水性クロマトグラフイー この方法では、例えばアルキル(すなわちオクチル又は
フエニル)のような脂肪族又は芳香族型の固定化した疎
水性リガントと、蛋白又は他の抗原構造の疎水性表面と
の相互作用を利用する。高いイオン強度(例えば硫酸ア
ンモニウム)で吸着し、水又はエチレングリコールなど
の低いイオン強度で溶出する。
複合体が細菌の膜蛋白を含有する場合、上記の方法で細
胞物質を処理する前にまず細胞壁を破壊することが有効
である。疎水性蛋白の得られる細菌の例としては、エシ
エリヒア(Escherichia)、スタフイロコツカス(Staph
ylococci)、ヘモフイルス(Haemophilus)(例えばH.
インフルエンザ(H.influenzae))、ボルデテラ(例え
ばB.パータシス(B.pertussis))、ビブリオ(Vibri
o)(例えばV.コレラ(V.cholerae))、サルモネラ(S
almonella)(例えばS.テイフイ(S.tiphi)、S.パラテ
イフイ(S.paratiphi))などがあり、好ましくはコリ
(Coli)の粘着因子(例えばピリK88(pili K88)、及
び例えばサルモネラ(Salmonella)のポリン(porin)
蛋白、又はB.パータシス(B.pertussis)及びナイセリ
アメニンジテイデイス(Neisseria meningtidis)の外
側の膜蛋白がある。
エンベロープを有する使用可能なウイルスの例として
は、オルソミキソウイルス(例えばインフルエンザA、
B、C型)、パラミキソウイルス(特に麻疹ウイルス、
おたふくかぜウイルス、パラインフルエンザ1、2、3
及び4型ウイルス、犬のジステンパーウイルス及び牛疫
ウイルス)、桿状ウイルス(特に狂犬病ウイルス)、レ
トロウイルス(特に猫白血病ウイルスと牛白血病ウイル
ス、ヒトT細胞リンパ親和性ウイルスHTLV1、2、及び
3)、ヘルペスウイルス(特にシユードレービーズ(Ps
eudorabies)、ヘルペスシンプレツクスI及びII、サイ
トメガロウイルス)、コロナウイルス、トガウイルス
(例えばEEE、WEE、VEE(東部、西部及びベネズエラ馬
脳炎、黄熱病ウイルス、特に牛下痢ウイルス及びヨーロ
ツパ豚熱ウイルスアレナウイルス(Arenaviridae)、ポ
ツクスウイルス、ブニアウイルス、特にハンタンウイル
ス(Huntan virus)、イリデイオウイルス、特にアフリ
カ豚熱ウイルス、及び分類されてないものとしてヒトB
型肝炎ウイルスやマルブルグ−エボラウイルス(Marbur
g−Ebola virus)などがある。
本発明に使用できる寄生体の例としては原生動物があ
り、例としてトキソプラズマ(例えばトキソプラズマゴ
ンデイ(Toxoplasma gondii))、マラリア原虫(Plasm
odium)(例えば三日熱原虫(Plasmodium vivax)、四
日熱原虫(P.malariae)、熱帯熱原虫(P.falciparu
m))、テイレリアパルバム(Teileria parvum)、オバ
ール(ovale)及びフイラロイデ(Filaroidae)、好ま
しくはパラフイラリア(Parafilaria)及びオンコセル
カ(Onchocerca)、赤痢アメーバ(Entamoeba Histolgt
ica)、種々の型のアナプラズマ(Anaplasma)、住血吸
虫(Schistosoma)(例えばシストソーマヘマトビウム
(Schistosoma haematobium)、マンソーニ(manson
i)、ジヤポニカム(japonicum))、及びトリパノソー
マ(Trypanosoma)(例えばガンビアトリパノマーマ(T
rypanosoma gawbiense)、ブルセイ(brusei)又はコン
ゴレシ(congolesi))などがある。
b)疎水性非膜蛋白又は非疎水性蛋白又はペプチドから
出発することも可能である。非疎水性蛋白又はペプチド
は、そこに疎水性基を結合させることにより疎水性にす
る。非疎水性蛋白は、エンベロープのある又はないウイ
ルス、細菌、マイコプラズマ、寄生体から得られる。非
疎水性蛋白を有するエンベロープのないウイルスの例と
してはピコルナウイルス(疎水性蛋白もを有すると考え
られる)、例えば口蹄免疫・ウイルス、ポリオウイル
ス)、アデノウイルス、パルボウイルス(例えば猫ペス
トウイルス及びブタパルボウイルス)、レオウイルス
(例えばロタウイルス)がある。マイコプラズマの例と
してはM.ニユーモニー(M.pneumoniae)、ミコイデス
(mycoides)、ボービス(bovis)、スイス(suis)、
ヒオリノス(hyorinos)、オラーレ(orale)、サリバ
リウム(salivarium)、ホミニス(hominis)及びフア
ーメンタンス(fermentans)がある。
これらの蛋白又はペプチドは、a)精製及び単離に記載
した方法で精製して得られる。
非疎水性蛋白に結合し得る疎水性基は、直鎖、分枝状、
飽和又は不飽和脂肪族鎖(好ましくは1,2,3,4,5,6,7,8,
9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,
26,27,28,29又は30個の炭素原子を有する)、又は疎水
性アミノ酸又はペプチド又は他の疎水性構造(例えばス
テロイド)がある。疎水性構造の長さは蛋白の大きさと
性質に合わせる。例としては、10−15個のアミノ酸を有
するペプチド(口蹄疫ウイルス)を、アミノ末端又はカ
ルボキシ末端の2個のチロシンで作り出す。分子量が7
0,000ダルトンの蛋白には約20個の疎水アミノ酸が必要
である。これは経験的に試験されている。従つて特に用
いられるものは1−20個のアミノ酸(好ましくは1,2,3,
4,5個のアミノ酸)(特にTrp,Ile、Phe,Pro、Tyr,Leu,V
arの中から選ばれるもの、特にTyr)を有するペプチ
ド;コレステロール誘導体(例えばコール酸、ウルソデ
オキシコール酸)である。
これらの疎水性基は、非疎水性蛋白に結合し得る官能基
に結合していなければならない。この官能基は第 頁に
記載したもの(例えばカルボキシル、アミノ、ジスルフ
イド、ヒドロキシル、スルフヒドリル及びカルボニル基
(例えばアルデヒド基))から選択できる。
疎水性構造における結合基としては、好ましくはカルボ
キシル、アルデヒド、アミノ、ヒドロキシル又はスルヒ
ドリル基;およびCys,Asp,Glu,Lysを含有するペプチド
が選ばれる。結合し得る基を有する疎水性基は、例えば
上記の可溶化剤及び界面活性剤又は塩酸、酢酸、苛性
液、アンモニア(溶解すべき物質により異なる)を用い
て、水に溶解しなければならない。物質が沈澱しない様
にpHを中性に調整する;ここでは疎水性基が結合してい
る蛋白を変性させる様なpHにならない様に注意する。
疎水性分子を非疎水性蛋白にモル比を10:1から0.1:1
(好ましくは1:1)で加える。
結合分子としてカルボキシル基を有する疎水性基は、水
溶性カルボジイミド又は混合無水物により蛋白に結合さ
せる。前者の例ではカルボジイミドを用いてカルボキシ
ル基をpH5で活性化し、リン酸含量の多いpH8の緩衝液中
で蛋白と混合する。後者の例ではジオキサン又はアセト
ニトリル中のトリエタノールアミンの存在下でカルボキ
シ化合物をイソブチルクロロフオルメートと反応させ、
得られる無水物をpH8−9で蛋白に加える。又ヒドラジ
ンを用いてカルボキシル基をヒドラジドに変え、これが
蛋白中の過ヨー素酸で酸化された糖単位中のアルデヒド
やケトンと共にヒドラゾン結合を作ることも可能であ
る。
アミノ基は亜硝酸で低温でジアゾニウム塩に変わり、こ
れがTyr、His及びLysと共にアゾ化合物を生成する。
ヒドロキシル基は無水コハク酸でヘミサクシネート誘導
体に変換され、これはカルボキシル基として結合され
る。
アルデヒド基は蛋白のアミノ基と反応してシツフ塩基と
なる。
こうして作成した疎水性を有する蛋白又はペプチドは次
に、a)で記載した様にグルコシドと複合体を形成する
が、ここでは細胞断片を除去する為の精製過程は省略で
きる。
c)疎水性基を内含する親水性蛋白から出発して、蛋白
を約2.5の低いpH.3M尿素又は70℃以上の高温で変性させ
て、その疎水性基を利用することも可能である。このよ
うな蛋白としては免疫グロブリン(IgG,IgM、IgA,IgD及
びIgE)やある種のウイルスの蛋白(たとえばポリオウ
イルスの蛋白)がある。免疫グロブリンは抗イデイオタ
イプ抗体として用いられる。この蛋白はb)に記載した
様に蛋白として精製され、次にa)に記載した様にグリ
コシドと複合体を形成し、細胞断片を除去する為の精製
過程は省略される。
b)又はc)に記載の精製又は合成蛋白又はペプチドか
ら出発する場合は、イスコムの精製中にこれらはミセル
として凝集しやすい。従つて1つ以上の脂質(特にコレ
ストロール)を加えると一次複合体が生成し易い。可溶
化剤を加える時に脂質を蛋白又はペプチドに加える。脂
質と蛋白又はペプチドのモル比は少なくとも1:1であ
る。次に上記4つの方法のうちの1つを用いる。放射性
の脂質を用いても一次免疫原性複合体には放射能は検出
されない。
親水性ペプチド/ポリペプチド、例えばコレステロー
ル、フオスフアチジルコリン及び脂肪酸が1:7:2の比率
より成るリポソーム中に取り込まれた脂肪酸に共有結合
することができる。このペプチド/ポリペプチドは界面
活性剤を用いてリポソームから抽出され、界面活性剤を
含有するシヨ糖濃度勾配(10−30%シヨ糖)遠心分離に
より過剰の脂質から分離することができる。
上記した様に好ましくは遠心分離又は透析法によりイス
コムが作られる。遠心分離法の場合は、リポソーム複合
体の可溶化にトリトンX−100が使用可能である。透析
法の場合は界面活性剤も透析により除去できなければな
らない(例オクチルグリコシド)。
この一次免疫原性複合体はヒト及び動物で特異的免疫刺
激剤として使用し得る。従つてこれらは細菌、シイル
ス、マイコプラズマそして寄生体の引き起こす病気に対
するワクチンとして、又研究用に種々の動物細胞の膜蛋
白に対する抗体の産生用に使用し得る。
又種々の疾病に対するワクチンを産生する為、種々の細
菌又はウイルスの両親媒性蛋白の混合物を加えることも
できる。これは又本発明の担体と して使用することも可能である。
II.本発明の複合体の調製 抗体を産生させる分子は、凍結乾燥した一次イスコム、
又は遠心分離、透析、電気泳動法などによりイスコムを
調製する時に得られる溶液を用いて、又は上記のクロマ
トグラフィー法、又はシヨ糖溶液遠心分離によりさらに
精製した後に残つている溶液を用いて、担体分子に結合
させる。
遠心分離法を用いて調製する場合、一次イスコムは濃度
勾配緩衝液混合液、例えば糖−緩衝液混合液中で得られ
る(遠心分離法参照)。糖は透析又はゲル濾過例えばセ
フアデツクス G50により除去する。この場合用いる緩
衝液は、免疫原性にする分子に一次イスコムを結合させ
るために後で使用する緩衝液である。
透析法の場合は上記の緩衝液で透析することができ、又
はさらに透析又はゲル濾過を行なつて緩衝液を変更す
る。
クロマトグラフ法又は電気泳動法を用いると一次イスコ
ムは緩衝液中に得られ、溶液をさらに精製する場合は随
時濃度勾配液(例えば糖−緩衝液溶液中に得られる。こ
れらの溶液は緩衝液の交換又は凍結乾燥のために、前記
の方法で処理することも可能である。一次イスコムに結
合される分子の溶解度により、結合反応の時のpH及び用
いるべき結合方法が決まる。
分子中のどの基が抗体決定に関係しているのかがわかつ
ていることがしばしばある。結合試薬はこれらの抗体決
定基と反応してはならないが、他の官能基は結合反応中
に反応するようなものを選ぶべきである。天然のペプチ
ド又は蛋白の場合はふつう末端のアミノ基又はカルボキ
シル基が使用される。合成ペプチドには例えばチロシン
基又はサクシニル基が付与され、それぞれジアゾニウム
化合物を経て、又はpHを約8に調製して一級アミノ基に
結合される。以下の結合方法が好ましい。
官能基は、マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシサク
シニミドエステルとの反応によりお互に結合したシステ
イン基、ジアゾ化によりアミノ基に結合したスルホヒド
リル基、4−ヒドロキシ−3−ニトロメチルベンズイミ
デート塩酸塩、水溶性カルボジイミド又は混合無水物に
よりアミノ基に結合したカルボキシル基、ジアゾニウム
塩に変換され、アゾ結合によりTyr、His及びLysに結合
したアミノ基、無水コハク酸によりヘミサクシネート誘
導体に変換されカルボキシル基に結合した水酸基、アミ
ノ基と反応してシツフ塩基になつたアルデヒド基、pH調
製(<5)により一級アミンに結合した合成ペプチド中
のサクシニル基、無水コハク酸と反応して、カルボキシ
ル基に結合したヘミサクシネート誘導体を形成する水酸
基、たとえば過ヨー素酸でCHO基に変換されpHを>8に
調製してアミノ基に結合したビシナルOH基、グルタール
アルデヒドでアミノ又はスルフヒドリル基に結合し、ジ
イミドエステルでアミノ基に結合しジイソシアネートで
アミノ又はヒドロキシル基に結合したアミノ基、メトキ
シジクロリドトリアジンでお互に2個と2個が結合した
アミノ、ヒドロキシル又はスルフヒドリル基、アリール
ハロゲン化物によりアミノ、ヒドロキシル又はスルフヒ
ドリル基に結合したアミノ又はヒドロキシル基、アリー
ルハロゲン化物でスルフヒドリル基又はアミノ基に結合
し、ヨード酢酸又はカルボジイミドでアミノ基に結合
し、マレイミドでスルフヒドリル基に結合したスルフヒ
ドリル基、pHを9−10に調整することによりヒドラジン
と結合して一級アミンとなるアルデヒド、カルボキシル
又はアミド基より成る。
アミノ基は下記のようなジアゾ化により別のアミノ基に
結合できる。
蛋白又はペプチドはそのまま室温で約0.1Mのホウ酸緩衝
液(pH9.0)中約20mMの4−ヒドロキシ−3−ニトロメ
チルベンズイミド塩酸塩(MHNB)と反応させる。MHNBに
よる蛋白の修飾の程度は反応時間によりコントロールで
きる。30分後反応液を0.1Mのホウ酸緩衝液(pH8.0)で
一晩透析する。その後ニトロ基を約1mg/mlのハイドロサ
ルフアイトナトリウムで室温で1−2分間還元する。反
応成分を0.1Mホウ酸緩衝液(pH8.0)を用いセフアデツ
クスG−25のカラムで除去するか、又は0.1Mホウ酸緩衝
液(pH8.0)を用い4℃で2−6時間透析し、0.1Mホウ
酸緩衝液(pH4)で4℃で一晩透析する。アミノ基は0.1
M NaNO2(pH4)を用い0℃で1分間ジアゾ化した後、pH
を急激に8.5に調整する。次に他の蛋白又はペプチド
(好ましくはイスコム)を、好ましくはpH8.5のホウ酸
緩衝液に溶解して室温で添加する。亜硝酸塩は0.1Mホウ
酸緩衝液(pH8.0)で透析して除去する。
この方法は好ましくは一次イスコムに結合すべき分子が
MHNBに結合する必要のないTyr又はHisを含有する場合に
用いる。この分子はMHNB−修飾一次イスコムに直接結合
でき、反応しない分子は全て回収できる。MHNBはジヤー
ナル・オブ・アプライド・バイオケミストリー(Journu
l of Applied Biochemistry)第1巻、301−310頁(197
9年)に記載の方法で調製できる。
合成ペプチドには合成過程で末端N−ヒドロキシサクシ
ニミドを付与し、イスコム中の一級アミノ基に結合させ
る。
サクシニル化したぺプチドを低pH(<5)(好ましくは
酢酸)で溶解する。次に好ましくはリン酸緩衝液に溶解
した一次イスコムを添加し、pHを約8.0に調整する。
ビスジアゾベンジジンを用いて一つのペプチドのチロシ
ンを別のペプチドのチロシンと結合させることができ
る。
ペプチド中のスルフヒドリル基は、マレイニミドベンゾ
イル−N−ヒドロキシサクシニミドエステルとの反応に
よりお互に結合できる。
アミノ基は低温で亜硝酸を用いてジアゾニウム塩に変
え、これはTyr、His及びLysとアゾ結合を生成する。
脂質、炭水化物、ペプチド中のカルボキシル基は水溶性
カルボジイミド又は混合無水物を介してペプチド中のア
ミノ基に結合可能である。前者の場合カルボキシル基は
pH5で、約10−15mMの強いリン酸緩衝液中のカルボジイ
ミドにより活性化され、リン酸含量の多い(0.4−0.5、
好ましくは0.2M)緩衝液(pH8.0)に溶解させた、蛋白
を含有する一次イスコムと混合される。後者の場合ジオ
キサン又はアセトニトリル中のトリエタノールアミンの
存在下で、カルボキシ化合物をイソブチルクロロフオル
メートと反応させ、得られる無水物を、pH8−9でアミ
ノ基を含有するイスコムに加える。カルボキシル基はヒ
ドラジンによりヒドラジドに変換され、これが蛋白中に
存在する過ヨー素酸に酸化された糖単位中のアルデヒド
やケトンにより、ヒドラゾン結合を生成する。
例えば炭水化物中のヒドロキシル基は無水コハク酸によ
りヘミサクシネート誘導体に変換され、これが例えばペ
プチド中のカルボキシル基に結合する。ビシナルOH基は
例えば過ヨー素酸によりCHO基に変換され、次にこのCHO
基がpHを8.0より高く調製することにより一級アミンと
反応してシツフ塩基となる。
結合すべき分子は一次イスコム中の蛋白に対し50:1から
0.1:1、好ましくは15:1から1:1のモル比で結合してい
る。イスコム中の各蛋白に結合した異なる数の分子につ
いて試験をして、各結合分子一次イスコム複合体の免疫
原性を最適化させることが適切である。これは使用する
結合方法により、結合分子の濃度、活性化剤(官能器を
活性化し変換させる)の濃度、活性期間及び結合時間を
変化させることによりコントロールできる。
実用上の理由から、一次イスコムに結合される分子はし
ばしば一次イスコム中の蛋白1mgに対し1mg、好ましくは
250−500μg結合している。一次イスコム中の蛋白の量
は例えばブラツドフオード(Bradford)法(m.M.ブラツ
ドフオード(m.M.Bradford)、アナリテイカル・バイオ
ケミストリー(Analyt Biochem)第72巻(1976年))に
より定量する。
もし結合が終了した時に電子顕微鏡により異性が分解し
てミセルになつていることが判明した場合は、これらの
ミセルは界面活性剤、例えばMEGA9と10(N−(D−グ
ルコ−2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシルヘキシル)−N
−メチル−ノナミド及び−メチルデカミド)(バイケミ
ストリー・ジヤーナル(Biochem J)(1982年)第207
巻、363−366頁に記載の方法により調製される)、又は
β−オクチルグルコシド又は例えば頁記載のような別の
界面活性剤により、例えばキルA(Quil A)のようなグ
リコシドとの混合物の形でお互に結合させ得る。次に過
剰の試薬及び界面活性剤及びグリコシドは適当な緩衝
液、例えばPBS、又は揮発性緩衝液(例えば酢酸アンモ
ニウム緩衝液)で透析、又はゲル濾過する。緩衝液は最
終生成物の凍結乾燥(これが最適のステツプである)時
に蒸発する。
この新規な抗原性複合体は凍結乾燥又は水性浮遊液の状
態で保存できる。本発明は又、随時好ましくはイスコム
の緩衝液の形(例えばTN−溶液(実施例1参照)又は生
理的塩溶液(例えば0.1M NaCl、pH7.2−7.6))で通常
の添加剤や増量剤と共に、本発明の1つ以上の複合体を
活性物質として含有するヒト及び動物用医療組成物に関
する。pHは0.05Mトリス−HClで調整できる。
ヒト及び動物の免疫に使用した複合体の量は、1個体に
つき1回又は2回(2週間の間隔をおく)で約0.1μg
−1mgに相当する。
いくつかの実施例で本発明をさらに詳しく説明する。
実施例1 ウメア(Ume)で単離したパラインフルエンザ−3−
ウイルスU23を、30重量%のシヨ糖を用い100,000gで4
℃で1時間遠心分離し精製した。下層を約10mg/mlにな
るように0.05Mトリス−HCl、pH7.4と0.1M NaCl(TN)に
溶解した。同じ緩衝液(TN)中の1−5mg/mlのPI−3−
ウイルスを、TN緩衝液中の約105カウント/分の3Hで標
識したウイルス(Aルーコーネン(A Luukkonen)、C
ギヤンべルグ(C Gamberg)、Eレンコーネン(E Renko
nen)(1979年)、ウイルス学(Virology)第76巻、55
−59頁)と共に、2重量%(最終濃度)のトリトン−X1
00で可溶化した。約200μlの試薬を、TN中の1%トリ
トンX−100を含有する15%のシヨ糖300μlと、0.2重
量%のキルA(Quil A)を含有するTN中の20−50重量%
のシヨ糖濃度勾酸12ml上に重層した。これを250,000gで
20℃で22時間遠心分離した後、下部から500μlの画分
を集めて試料(20−50μl)の放射能を測定した。放射
性蛋白画分を合わせて0.005mトリス−HCl、0.01M NaC
l、pH7.4で透析し、10mlのフラスコに入れ、エドワーズ
(Edwards)凍結乾燥機中で18時間凍結乾燥した。
この調製液の沈降係数は24Sであつた。
この複合体を10−40重量%のシヨ糖濃度勾配で遠心分離
してさらに精製した。
実施例2 ウマのインフルエンザウイルス(ソルバラ(Solvall
a)、ソルバラ(ストツクホルム)から単離した)につ
いて実施例1の方法を繰返した。グリコシドを加えない
で(すなわち原則としてヨーロツパ特許出願第81100221
3.6号明細書の方法で)実験を繰返し、こうして得られ
た蛋白ミセルとグリコシドを加えて産生した蛋白複合体
を、10−40重量%の糖濃度勾配を用いて280,000gで4℃
で4時間、沈降濃度勾配遠心分離をした。その結果を第
1図に示す。第1図には又スタンダードとしてのチログ
ロブリンの沈降係数も示す(19S、矢印の部分)。図か
ら蛋白ミセルに沈降係数が30S[●]でグリコシド蛋白
複合体の沈降係数が19S[○]であることがわかる。
(ウイルスの糖蛋白はガラクトシダーゼ−3H−ボロハイ
ドライド法で標識してある。
実施例3 パラインフルエンザ−3−ウイルスのかわりに麻疹ウイ
ルスを用いて実施例1の方法を繰返した。得られた複合
体は電子顕微鏡で観察すると第2図に示す特徴的な構造
を有していた。
実施例4 バンウエーゼルら(Van Wezel et al)の方法に従いビ
ルトーベン(Bilthoven)(オランダ)で得られた狂犬
病ウイルスを、TNで2mg/mlまで濃縮した。このウイルス
1mgを100mMのオクチル−β−D−グルコシドと共に溶解
し、20℃で45分間インキユベートした。この試料を50重
量%の糖溶液の上に重層し、250,000gで4℃で45分間遠
心分離した。上層の液を抽出しキルA(Quil A)を0.2
重量%になるように加えた。
この試料をセルロースチユーブに入れ1000mlの0.15M酢
酸アンモニウム緩衝液中で20℃で透析した。透析72時間
の間液を攪拌し続け緩衝液は3回交換した。透析終了後
の試料は狂犬病ウイルス複合体を含有している。この一
部を取り、10−40重量%の糖溶液を用い280,000gで4℃
で4時間遠心分離しさらに精製した。電子顕微鏡観察に
より第3図に示す構造が得られた。
実施例5 麻疹ウイルスを用いて実施例4の方法を繰返した。得ら
れた複合体は実施例3の方法で得られた複合体と同じ構
造を有していた。
実施例6 パラインフルエンザ−3−ウイルス(U−23)をショ糖
濃度勾配遠心により精製し、0.02Mバルビタール緩衝
液、pH8.0、0.24Mグルコール(BG)で10mg/mlの濃度に
溶解した。BG−緩衝液中の1−5mg/mlのPI−3−ウイル
スをBG−緩衝液中の約105 3H−カウント/分で標識し
たウイルス(ルーコーネン(Luukkonen et al)の方
法、1977年)と共に、2%のトリトン−X100で溶解し
た。この試料1mlを、0.02Mバルビタール緩衝液、pH8.0
と0.2重量%のキルA(Quil A)を含有する1%のアガ
ロースゲル上に重層した。このアガロースゲルを表面積
85mm2及び高さ25mmのチユーブに入れた。このチユーブ
の上部及び下部をそれぞれ電気泳動用緩衝液(0.02Mバ
ルビタール緩衝液、pH8.0)に接続した。上部の容器は
陰極に、下部の容器は陽極に接続した。5V/mで4時間電
気泳動を行なつた。試料をゲルの陽極側に集め、放射能
を測定した。この試料を0.15M酢酸アンモニウム緩衝
液、pH7.0で透析し、凍結乾燥により濃縮した。
実施例2と同じ方法で測定するとこの調製物の沈降係数
は約20Sであつた。
この複合体を10−40重量%のシヨ糖濃度勾配で遠心分離
してさらに精製した。
実施例7 トキソプラズマゴンデイ(Toxoplasma gondii)で感染
させたマウスの胃液を、10mlのシリンジ中のガーゼと綿
で濾過し、1000rpmで20分間遠心分離し、得られた細胞
ペレツトをPBSに溶かし2回洗浄した(1000rpm、20分
間)。最後のペレツト(約1−10mgの蛋白)を1mlの5
%MEGAで抽出した(1時間、3回、室温)。
この3回の液を合わせ、1000rpmで10分遠心分離し、0.1
%のキルA(Quil A)を添加した。この混合液を0.05%
の酢酸アンモニウム緩衝液で48時間透析した。
実施例8 プラスミドピリK88を有する大腸菌を機械的に攪拌し、
等電点で3回沈澱させた後、実施例1と同じ方法で処理
した。第2図及び第3図に示す特徴的な構造を有する複
合体が得られた。
実施例9 ポリン蛋白を有するサルモネラで実施例8の方法を繰返
した。第2図及び第3図に示す特徴的な構造を有する複
合体が得られた。
実施例10 ネコの白血病ウイルスで感染させたエピテル(Epitel)
腎細胞を実施例1の方法で処理した。得られた複合体は
第2図及び第3図に示す特徴的な構造を有していた。
実施例11 牛白血病ウイルスで形質転換させたエピテル(Epitel)
腎細胞を実施例1の方法で処理した。得られた複合体は
第2図及び第3図に示す特徴的な構造を有していた。
実施例12 TN中の20−50重量%のシヨ糖濃度勾配液がキルA(Quil
A)のかわりにサポニンを含有することを除いては実施
例1と同じ方法で、パラインフルエンザ−3−ウイルス
U−23を精製し蛋白複合体を得た。市販の二種類のサポ
ニンを試験した:メルク社(Merck)の“Weiss"、レイ
ン(rein)51400023、及びSc.リツクハルト“S"シユハ
ルト(ミユンヘン)。(サポニンは純粋であつた。業者
はサポニンの型を明らかにするのをいやがつた。薄層ク
ロマトグラフイーではこれらはキルA(Quil A)とは異
なる。)得られた複合体の沈降係数は24Sであり、実施
例3の複合体と同じ構造を有していた。
実施例13 実施例3の方法により5mgの麻疹ウイルスを可溶化し、D
EAEセルロース型の陰イオン交換体に添加した。この陰
イオン交換体を20mlのカラムに入れ、0.01Mリン酸緩衝
液、pH7.2、0.5重量%のオクチル−β−D−グルコシド
で平衡化させた。この試料を陰イオン交換体に添加し、
吸着しなかつた物質をカラムの5倍量の0.01Mリン酸緩
衝液、pH7.2、0.5重量%のオクチル−β−D−グルコシ
ドで洗い流した。次に吸着した物質を、0.01Mリン酸、p
H7.2、0.5重量%のオクチル−β−D−グルコシドに溶
かした0−0.5M NaClの塩濃度勾配をカラムに添加して
溶出させた。麻疹膜蛋白が同定された画分を合わせ、キ
ルA(Quil A)を0.1重量%になるように加え、.0.05M
酢酸アンモニウム、pH7.0で透析した。第2図及び第3
図に示す特徴的な構造を有する複合体が得られた。
実施例13a 麻疹ウイルス(RIV−ビルト−ベン(Bilthoven))を実
施例3の方法で可溶化させた。ウイルス−界面活性剤を
100,000×gで2時間遠心分離した。得られた上層を塩
含量の少ない(10mMリン酸−50mM NaCl−pH7.2)リン酸
緩衝液で透析し、DEAE−セフアロース陰イオン交換体
(10mMリン酸−pH7.2−50mM NaCl−0.05%トリトン−X
で平衡化してある)に添加した。同じ緩衝液で吸着しな
かつた物質を洗い流した。次に10mMリン酸−50mM NaCl
−0.1%キルA(Quil A)を含有する緩衝液で平衡化さ
せた。吸着した物質は、3000mM NaClを含有する同じ緩
衝液で溶出させた。溶出した物質は、第2図に示す特徴
的な構造を有する複合体を含有していた。
実施例14 ロンドン熱帯医学衛生研究所(London School of Tropi
cal Medicine and Hygiene)(イギリス)より入手した
B型肝炎ウイルスの22nm粒子を、TN中1mg/mlの濃度にな
るように再浮遊させた。22nm粒子の蛋白0.3mgを2重量
%のトリトン−X100、0.5M NaClで可溶化し、37℃で16
時間インキユーベートした。次に実施例1の方法を繰返
し得られた複合体の沈降係数は20Sであつた。電子顕微
鏡により、第4図に示す構造を有する複合体が観察され
た。この構造は第2図の構造とは、これがこの構造の部
分より成る点で異なる。
実施例15 TNに溶かした3mgの牛下痢ウイルス(BVD)を、トリトン
X−100を1容量%になるように加えて可溶化した。こ
の混合液を室温で2時間攪拌した。この可溶化したウイ
ルスをレクチンのカラム(レクチンレンテイル(Lenti
l)をセフアロース4B(フアルマシア社、ウプサラ)に
固定化してある)に添加した。このカラムはTNで平衡化
してあり、ウイルス物質を添加後5倍量のTN(0.1容量
%のトリトンX−100を含有)で洗い、次に10倍量のTN
で洗つた。緩衝液(TN中、0.2Mメチル−α−D−マンノ
シド、0.5重量%のオクチル−β−D−グルコシドが溶
解している)をカラムに添加して、ウイルスのエンベロ
ープ蛋白を溶出させた。ウイルスのエンベロープ蛋白を
含む画分を集め、キルA(Quil A)を0.1重量%になる
ように加えた。この混合液を0.05M酢酸アンモニウム、p
H7.0を用い4℃で3日透析した(緩衝液1を3回交換
した)。
最終生成物を凍結乾燥し、電子顕微鏡で見ると第4図に
示す複合体の部分である(複合体)構造が観察された。
この調製物の沈降係数は20Sであつた。
実施例16 バンウエーゼルら(Van Wezel et al)の方法(デベロ
ツプビオルスタンダード(Develop Biol Standard)(1
978年)、第41巻、159−168頁)に従いRIVービルト−ベ
ン(Bilthoven)で調製した、精製した死んだポリオウ
イルスを、可溶化剤(例えば2%のドデシル硫酸ナトリ
ウム)を含有するTNのような緩衝液中で、37℃で2時間
可溶化した。ウイルスのカプシツド蛋白を、0.1%ドデ
シル硫酸ナトリウムを含有する10%ポリアクリルアミド
ゲル中で電気泳動して分離した。ゲル中の蛋白の位置を
同定後、適当なストリツプを切り取り、電気泳動で蛋白
を溶出させた。VP−3(分子量約26Kダルトン)はカプ
シツド蛋白の1つであつた。VP−3含有溶液にトリトン
X−100を最終濃度2%になるように加えた。次にこの
混合液を実施例1の方法に従い、蛋白複合体(イスコ
ム)の調製に使用した。
電子顕微鏡により第3図の特徴的な構造が観察された。
実施例17 ホルマリンで死滅させた精製ポリオウイルス(RIVビル
トーベン(Bilthoven)で調製)を67容量%の酢酸(0.1
M MgCl2含有)に溶解させた。次にウイルス物質を100,0
00gで1時間超遠心分離し、ウイルス蛋白のみを含有す
る上澄液を取り、0.1重量%のキルA(Quil A)の存在
下で0.01Mトリス、0.14M NaCl、pH7.4で透析した。得ら
れた複合体の構造は、実施例3の複合体と同じであつ
た。
実施例18 国立衛生試験所(National Institute of Health)(オ
ランダ)より凍結乾燥状態で入手した髄膜炎菌(Neisse
ria meningitidis)の外膜蛋白を、2重量%のオクチル
−β−D−グルコシド含有TNに溶解した。ここに0.1重
量%のキルA(Quil A)を加え実施例4の方法で処理し
た。実施例2の方法で測定すると、得られた複合体の沈
降係数は20Sであつた。
実施例19 疎水性アミノ酸を含有するペプチド。口蹄疫ウイルス14
4−149、オーカウフベーレン(O Kaufbehren)。0,1,2,
3及び4個のチロシンを1端に結合させ合成したVP1を用
いた(市販)。このペプチドを極めて少量の67重量%の
酢酸に溶解し、25%アンモニアで中和し、蒸留水で0.5M
酢酸アンモニウムに希釈した(界面活性剤の最終濃度は
2%)。0.1%のグリコシドを加え、混合液を0.05Mの酢
酸アンモニウム、pH7で透析した(透析チユーブ、Spect
ra Por 6 MWCO 1,000)。
生成した複合体の電子顕微鏡像を第5図に示す。図から
長さ20−40nm及び幅10nmの電子密度の濃い球形の粒子が
あるのがわかる。又その他の大きさの粒子も見られる。
第5a図は3個のチロシンが結合したペプチドの電顕像で
あり、第5b図は4個のチロシンが結合したペプチドの電
顕像である。
実施例20 公知の方法(M.バンデンブランデン、J.L.デコーエン、
L.カナレツク及びロイシヤールト(M Van den Branden,
J L de Coen,L Kanarek and Roy schaert)(1981
年)、及びモレキユラー・イムノロジイ(Molecular Im
munology)第18巻、621−631頁、1981年)に従い精製、
又は硫安沈澱(J.E.コンラデイー、M.ゴベンダー、L.ビ
ザー(J E Conradie,M Govender,L Visser)、ジヤーナ
ル・オブ・イムノロジカル・メソツズ(Journal of Imm
unolongical Methods)第59巻、289−299頁、1983年)
により増やしたマウスのIgGを、1の0.15Mリン酸(P
C)緩衝液、pH2.5で冷蔵庫で一晩透析した後、2%の界
面活性剤(例えばオクチル−β−D−グルコシド)を加
えた。界面活性剤の濃度がミセルを形成させるのに必要
な最低の濃度(MCM)より低い場合は、透析する前に界
面活性剤を交換しなければならない。この混合液をPCpH
7で透析した。一時後キルA(Quil A)を最終濃度が0.0
5%になるように加え、冷蔵室中で24時間PCpH7で透析を
続けた。
5−30%シヨ糖濃度勾配を用い40,000rpm(ベツクマンS
W−60ローター)で3.3時間遠心分離することにより複合
体が生成した。濃度勾配中の複合体をELISA法で検出し
た。
実施例21: 鳥の気管支炎ウイルス(Avian Bronchitis Virus(コロ
ナウイルス科))からのイスコムの調製。0.5mlのTN−
緩衝液(0.05Mトリスと0.1M NaCl)中の、シヨ糖濃度勾
配遠心で精製した5mgの鳥気管支炎ウイルスに、界面活
性剤(オクチルグルコシド)を2%になるように添加
し、37℃で1時間、室温で2時間インキユベートし可溶
化させた。この混合液をシヨ糖濃度勾配(底の部分にTN
中30%のシヨ糖3mlとその上のTN中10%のシヨ糖(1%
のオクチルグルコシドと0.1%のキルA(Quil A)を含
む)より成る)上に重層した。TST54 Contronローター
を用い20℃で50,000rpmで2時間遠心分離した。
濃度勾配液上層の2mlを集め、1の0.05M酢酸アンモニ
ウムを用い6℃で透析した(3日間の透析中緩衝液を3
回交換した)。透析後調製液を、TST41Contronローター
を用いTN中10%シヨ糖10mlで、20℃において40,000rpm
で6時間遠心分離した。ペレツトを1mlのTN緩衝液に溶
解させた。
電子顕微鏡によりイスコムの典型的な形が観察された
(第2図参照)。
実施例22 ネコの白血病ウイルス(レトロウイルス科)からのイス
コムの調製。ネコ白血病ウイルス(FeLV)生成の為に、
FL74又はF422リンパ芽球細胞株をウルフら(Wolff et a
l)の方法により浮遊液で培養した。毎日培地を採取し
細胞破片を低速度の遠心分離により除去した。ミリポア
フイルター(分画分子量100,000)を用いて限外濾過
により濃縮した後、30%(W/W)シヨ糖層で2回超遠心
分離をしてさらに精製した。得られたペレツトを、2%
トリトンX−100と0.02%ジチオビス−n−ニトロピリ
ジンを含有するTN緩衝液(0.05Mトリス及び0.1M NaCl、
pH7.4)で可溶化させた。前記した遠心分離法によりイ
スコムを調製した。可溶化ウイルス200μlを、1%ト
リトンX−100を含有するTN中8%のシヨ糖200μlの層
(これは0.2%キルA(Quil A)を含有する10−40%の
シヨ糖の直線状濃度勾配5ml上に重層してある)の上に
添加した。SW50ローターを用いて150,000gで20℃で4時
間遠心分離をした。濃度勾配液を500μl画分ずつ集
め、10%SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PA
GE)によりgp70/85含有画分を確認した。gp70/85の存在
をドツトブロツト法でさらに確認した。これらの画分か
ら5μlの試料を取りニトロセルロースフイル−に添加
し、5%アルブミン含有TN緩衝液に30分間浸し、TN緩衝
液で洗つた。次に西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)
で標識した抗gp70/85抗体を添加し、TN緩衝液で洗浄し
て結合を証明した。イスコムの存在は陰性位相差電子顕
微鏡により確認した。ローリー(Lowry)の方法により
蛋白含量を測定した。ポリアクリルアミドゲルを走査し
てgp75/85の量を測定した。調製物を凍結乾燥して保存
した。
ネコの免疫実験においてイスコムは中和抗体を誘導し、
抗原投与実験の感染に対する防御能を誘導した。
実施例23 熱帯熱原虫(Plasmodium falciparum)(原生動物)か
らのイスコムの調製。1mgの熱帯熱原虫(トロフオゾイ
ト、シゾント及びメロゾイト)を500μlのTN緩衝液
(1%MEGA含有)に浮遊させた。低速度(3,000rpm)で
30分遠心(室温)して細胞及び細胞残渣を分離沈澱し
た。浮遊液を30℃で1時間、室温で2時間インキユベー
トした。次にTN緩衝液中30%のシヨ糖3mlの不連続な濃
度勾配(チユーブの最下層)上に、この浮遊液を重層さ
せた。その上に1.5mlの10%のシヨ糖、1%MEGA(TN緩
衝液中)そして0.1%キルA(Quil A)を重層した。TST
55 Contronローター中で濃度勾配液を50,000rpmで3時
間(20℃)遠心分離した。濃度勾配上層の3mlを取り、
1の0.1M酢酸アンモニウムで透析した(3日間の透析
中液を3回交換した)。次に調製液を集め、13mlの遠沈
管中の10%シヨ糖の上に重層し、TST 41 Contronロータ
ーを用い40,000rpmで6時間(20℃)遠心分離した。得
られたペレツトを500μlのTN緩衝液中に溶解した。電
子顕微鏡により、イスコムの典型的な形を有する粒子が
確認された。
実施例24 百日ぜき菌(Bordetella Pertussis)の外膜蛋白からの
イスコムの調製。凍結乾燥した百日ぜき菌を340mlの蒸
留水に浮遊させ、フレンチプレスで破砕した。次に浮遊
液を66℃に加熱し、等量のフエノール水溶液(90%フエ
ノールと10%蒸留水)(66℃)を添加した。この混合液
をシエーカーで20分間攪拌した後5℃に冷却し、3000rp
mで20分遠心分離した。水層を採取しMEGAを2%になる
ように、そしてSDSを0.1%になるように添加した後、調
製液を3000rpmで20分遠心分離し上澄液を採取した。こ
の混合液をミリポア フイルター(排除分子量100,00
0)を用いて限外濾過し、ローリー(Lowry)(1)の方
法により蛋白濃度を測定し、20mg蛋白/mlに調整した。
次に0.2%になるようにキルA(Quil A)を加え、1
の0.15M酢酸アンモニウムで透析(6℃)した。3日間
の透析中液を3回交換した。電子顕微鏡によりイスコム
の典型的な形態を有する粒子が観察された。
実施例25 10mlのHINI−PR8ウイルスを100μlの20%N−デカニル
−N−メチル−グルカミンで可溶化し室温で1時間イン
キユベートした。20%のシヨ等(ミセル形成に最低必要
な濃度以上の界面活性剤を含有)を用いる遠心分離によ
り、核構造から可溶化膜蛋白を分離した。膜蛋白を採取
し、キルA(Quil A)を最終濃度0.1%になるように添
加した。この液を最初の4−6時間は室温で、次に4℃
で0.9%NaClで透析した。
実施例26 200μlのPBS中の300μgのgp 340(エプスタインバー
ウイルス(ヘルペスウイルスの1種)のエンベロープ蛋
白)をチユーブ(壁に70μgのコレステロールが乾燥付
着している)に加える。トリトンX−100を加えて室温
で2時間放置する。300μlの混合液をシヨ糖濃度勾配
(上から下までは1%TX−100を含有する200μlの15%
シヨ糖及び0.1%のOAを含有するPBS中20%のシヨ糖より
成る)に重層する。ベツクマンSW40ローター中で40,000
rpmで16時間(20℃)遠心分離した。下層の濃度勾配液
を500μlずつ採取した。界面活性剤及びコレステロー
ルと混合したgp340は透析法によりイスコム中へ復元で
きる。この場合透析する前にキルA(Quil A)を最終濃
度が0.1%になるように添加した。次に容易に透析可能
な界面活性剤(例えばここで使用したようなオクチルグ
リコシド)を有することが好ましい。
次に混合液をPBS(TN緩衝液も使用した)で4−6℃で4
8時間透析した。電子顕微鏡でイスコムの形成を確認し
た。異なる方法により精製した異なるウイルスのエンベ
ロープ蛋白のようなものを使用する利点は明らかであ
る。
実施例27 疎水性ペプチドから得られるイスコム。疎水性末端を有
するペプチドからのイスコム、 例えば Tyr3−FMD Tyr4−FMD パルミチン酸−FMD ミリスチン酸−FMD 100μlの20%オクチルグルコシド、N−デカニル−N
−メチルグルカミン又は任意の透析可能な界面活性剤
に、1mgのペプチドを溶解し、 50μlの界面活性剤−緩衝液溶液中の等モル(±20%)
のコレステロールを加え、 緩衝液とキルA(Quil A)を添加して最終濃度を1mg/ml
ペプチド及び0.1%キルA(Quil A)とし、 PBS又は他の適当な緩衝液で最初の24時間は室温で透析
する(透析バツグのMW1000)。
実施例28 T細胞の増殖因子インターロイキンIIの一部のアミノ酸
配列139−153をアミノ末端に2個のチロシンをつけて合
成した。
このペプチドをジアゾ化によりイスコム中のグリコール
蛋白に結合させた。
このイスコムはインフルエンザウイルスH2N2/PR−8株
から得られた糖蛋白より成つており、実施例1及び2の
方法に従い遠心分離法により調製した。
1mgのイスコム調製物(イスコム中の蛋白量として計
算)を0.1Mのホウ酸緩衝液、pH9.5に溶解した(1mg/m
l)。固体のMHNB(メチル−4−ヒドロキシ−3−ニト
ロベンゾ−イミド)5mgを添加して活性化した。MHNBが
完全に溶解するまでこの混合液を攪拌した後、室温で2
時間インキユベートした(レフミラー、プレイデラー、
ホツペセイサー(Ref Mller,Pleiderer,Hoppe・Seyle
r)のZフイジオルケム(Z Physiol Chem)第359巻、40
7−411頁(1978年)、ミラー、プレイデラー(Muller,P
leiderer)、ジヤーナル・オブ・アプライド・バイオケ
ミストリー(Journal of Applied Biochem)第1巻、30
1−310頁(1979年))。次にこの混合液を0.1Mホウ酸、
pH8.0で透析し(4℃)、ジチオナイト(1mg/ml)で還
元し(室温で1−2分間)、0.1Mホウ酸、pH8.0で4℃
で2−6時間、そして0.1Mホウ酸、pH4.0で4℃で一晩
透析した。
この混合液にNaNO2(6.9mg/ml)を加えて苛酷な溶液(1
00mg/ml蒸留水)からジアゾ化し、氷水浴上で1時間イ
ンキユベートした後pHを急速に8.5に調整した(ホウ砂
及びNaOH)。1mgのペプチドを50−100μlの0.1Mホウ
酸、pH8.5に溶解し、次に溶液に添加して完全に混合し
た後、温度を室温まで上げ、溶液を2時間インキユベー
トした。
この混合液を次に0.1Mホウ酸、pH8で4℃で一晩透析し
た。透析チユーブのカツトオフ値は1000である。次に1
%MEGA(又は2%β−オクチルグルコシド)+0.1%キ
ルA(Quil A)を添加した後、室温で30分間インキユベ
ートした。次にこの混合液をPBSに対して室温で2−4
時間、次に4℃で一晩透析した(通常の透析チユー
ブ)。電子顕微鏡によりイスコム複合体の存在を確認し
た。
ミラーとプフレイデラー(Mller J,Pfleiderer、G
A)、(1979年)、ジヤーナル・オブ・アプライド・バ
イオケミストリー(Journal of Applied Biochem)第1
巻、301−310頁記載の方法により調製したイスコム複合
体の形で約10μgのペプチドを用い5匹のマウスをそれ
ぞれ免疫した。免疫後の血清中の抗体の応答はELISA法
で測定した(酵素はアルカリ性ホスフアターゼを使用し
た)。免疫していないマウスの血清試料による405nmに
おける吸光度(バツクグラウンド)は0.01%以下であつ
た。免疫したマウスの血清は、1:100又はそれ以上で証
明される抗体を含有しており、読み値はバツクグラウン
ドより10倍又はそれ以上高かつた。ペプチドのみで免疫
した時は抗体応答は全くみられなかつた。
実施例29 VIP FMDウイルス(口蹄疫)の20個のアミノ酸より成る
配列(141−160)を3種類合成した: 1.付加物のない15個のアミノ酸; 2.15個のアミノ酸+アミノ末端の2個の追加のアミノ
酸; 3.15個のアミノ酸+1個のN−ヒドロキシサクシニミド
エステル。
これらのペプチドを3つの結合法でイスコム(実施例1
の方法に従いインフルエンザウイルスH2N2/PR−8株の
糖蛋白より調製)に結合させた。
第1のペプチドはカルボジイミド法(カルボジイミドカ
ツプリングを参照)によりCOOH末端を介してイスコムに
結合させた。
250μgのペプチドを250μlの25mMリン酸緩衝液、pH5
に溶解し、 2.5mgのEDC(1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプ
ロピル)−カルボジイミド、シグマ)を250μlの蒸留
水に溶解し、ペプチドと混合した。次にこのペプチドを
室温で2分インキユベートした。
次にこの混液に、500μlの0.4Mリン酸緩衝液、pH8に溶
解した1mgのイスコム(蛋白量として計算)を加え、室
温で一晩反応させた。次にこの混合液を4℃でPBSで一
晩透析した。
結合収率は27%であり、これは一次イスコム中の蛋白1
分子につき約5個のFMDV−ペプチドに相当する。
第2のペプチドはチロシンを介してジアゾ化によりイス
コムに結合させた(実施例28を参照)。ペプチドの55%
が一次イスコムに結合し、これは一次イスコム中の蛋白
1分子当たり約13個のペプチドに相当する。
第3のペプチド。N−ヒドロキシサクシニミドペプチド
のイスコムへの結合。遠心分離法により産生したインフ
ルエンザウイルスの1mgのイスコム調製物(H2N2/Pr−
8)(ジアゾカツプリング参照)を0.05Mリン酸緩衝
液、pH5で透析した。
1mgのサクシニルペプチドを25μlの濃酢酸に溶解した
後、このペプチド+イスコム調製物を混合し、少量の0.
2M Na2HPO4 2−3分間pH8にした。この混合液を室温で
4時間インキユベートした。
次に1%MEGA10(又は2%β−オクチルグルコシド)と
0.1%のキルA(Quil A)を添加した後、この混合液を
室温で30−60分インキユベートした。次にこの混合液を
PBSに対し室温で2−4時間そして4℃で一晩透析し
た。
実施例30 ビオチン−イスコム複合体。インフルエンザウイルス
(血清型A、サブタイプAEq2BEq2、ソルバラ(Solvall
a)/79株)の糖蛋白よりイスコムを得た(実施例1及び
2の方法による)。
ソルバラ(Solvalla)イスコム1mg(蛋白として計算)
を1mlの0.1M NaHCO3、pH8に溶解し、100μl(DMSO中の
苛酷な溶液2mg/mlからの0.2mg)のN−ヒドロキシサク
シニイミドビオチン(シグマ社)を加えた後、得られた
溶液を室温で4時間インキユベートし、PBSに対し4℃
で一晩透析した。電子顕微鏡によりイスコム複合体の存
在を確認した。
3匹のマウス(Balb/c)をそれぞれ50μlの結合体(結
合体の総重量として計算)で2回(14日間間隔)免疫し
た。第1回目の免疫後全てのマウスの抗体価は1/100,00
0以上であつた(ELISA法で測定)。ELISAプレートのウ
エル(穴)をビオチン化BSA(牛血清アルブミン)で被
覆した。分析中ビオチンを露出させる為にBSAを用い
た。免疫したマウスより得た抗体はどれも、BSAのみを
被覆したプレートと反応しなかつた。マウスに副作用は
全く認められなかつた。
実施例31 ナカネカワイ(Nakane Kawai)(1974年)のベルオキシ
ダーゼ標識抗体によるPR8−一次イスコムへのペルオキ
シダーゼの結合。新しい結合法、I.ヒストケム・サイト
ケム(Histochem Cytochem)第22巻、1084頁。
1mgのHRP(ペルオキシダーゼ)を200μlの0.3M NaHC
O3、pH8.1に溶解し、20μlの1%FDNB(フルオロジニ
トロベンゼン)を添加し、室温で1時間インキユベート
し一級アミノ基をブロツクした。次に200μlの0.08M N
aIO4を加え室温で30分インキユベートしてビシナルOH基
をCHO基に変換した。200μlの0.18Mエチレングリコー
ルを加え、室温で1時間インキユベートして反応しなか
つたNaIO4を除去した。
活性化ペルオキシダーゼと1mg(蛋白として計算)のイ
ンフルエンザウイルスH2N2株PR−8イスコム(実施例1
の方法で調製)を0.01M NaHCO3、pH9.5で一晩透析し
た。
PR−8+HRP溶液を混合し室温で少なくとも4時間イン
キユベートした。シヨ糖10−40%の濃度勾配遠心分離に
より、結合体を非結合のHRPから分離した(イスコムの
あとにHRP活性が出た)。電子顕微鏡によりイスコム複
合体の存在を確認した。
前記の実施例の分子の結合を濃度勾配遠心分離によりコ
ントロールした。イスコム複合体と共に、イスコムに結
合した放射能標識ペプチドが現われ、S値が約19Sのと
ころ(すなわちイスコム自身と同じ)に出現した。
実施例32 マラリアペプチド、オクタペプチド(Glu−Glu−Asu−V
al−Glu−His−Asp−Ala)とのイスコムの調製。インフ
ルエンザウイルスPB8株のエンベロープ蛋白を用いる透
析法(実施例25に記載)により一次イスコムを調製し
た。
PBS中の1mlのPR8イスコム(0.98mg/ml)を1.56mgマラリ
ア/ペプチドと混合した; 10μlの25%グルタールアルデヒドを最終濃度0.25%に
なるように加えた; ゆつくり攪拌しながら室温で24時間インキユベートし
た; 調製物をPBSに対し4℃で24時間透析した。
ブラツドフオード(Bradford)の方法(アナリテイカル
・バイオケミストリー(Analyt Biochem)1976年、248
−254頁)により総蛋白含量は1.02mg/mlであつた。
計算により約25%のペプチドがPR8イスコムに結合して
いた。電子顕微鏡により典型的なイスコムが観察され
た。
50μgの結合体を5匹のマウスの皮下に投与した。2週
間血液を採取し血清を調製した。同時に第2回目の50μ
gの結合体を投与した。再び2週間後にマウスの血液か
ら血清を調製した。
マウスのプール血清を用いてELISA法により、血清の抗
体応答を試験した。
ELISA法はプラスチツクトレイ(Nunc96F2−69620PS S
H)中で行なつた。
牛血清アルブミン(BSA)に結合したペプチドで被覆し
た(前記したようにBSA1mgとペプチド1mgをグルタール
アルデヒドで結合し最終濃度を0.25%とした)。この混
合液を上記のように透析した。被覆緩衝液(0.05M炭酸
緩衝液、pH9.6)中1μg/mlの結合体(BSA−ペプチド)
を使用し、トレイ中各ウエルに100μlずつ添加した。
4℃で一晩インキユベートした。
リン酸緩衝液(0.05%のツイーン80含有)で2回洗浄し
た後、異なる希釈率の血清を添加した。室温で1時間イ
ンキユベートし、上記のように洗浄した後、西洋ワサビ
標識ウサギ抗マウス血清(ダコパツツ(Dakopatts)、
コペンハーゲン)を加えた。次に室温で1時間インキユ
ベートした後基質(トリメチルベンジジン)を添加し
た。10分後反応を停止させ、405nmで吸光度を読みとつ
た。
結果:第1回目のワクチン投与後2週間目にプール血清
の抗体価は1:300を示した。第2回目のワクチン投与後
抗体価は1:700に上昇した。
どのマウスにも免疫に帰因する副作用はみられなかつ
た。ペプチドを用いる従来の免疫法では、ペプチトを蛋
白(例えばBSA又はKLH)に結合させ、次にこの結合体を
油性アジユバント(例えばフロイント不完全又は完全ア
ジユバント)と混合し乳化させる。これは局所的又は全
身的反応という形の重大な副作用を引きおこす。このタ
イプのアジユバントはヒトのみならず動物のワクチンに
も不適である。
実施例33 デカペプチド(Glu−His−Trp−Spr−Tyr−Gly−Leu−A
rg−Pro−Gly)である黄体化ホルモン放出ホルモン(LH
RH)の調製。インフルエンザウイルスPR8株のエンベロ
ープ蛋白を用い、実施例25に記載の透析法により一次イ
スコムを調製した。
A群(第1表を参照)では、実施例32記載の一段階法に
よりPBS中1mlのPR8イスコム(1mg/ml)と1mgのぺプチド
を用いて結合させた。
B、C、D及びE群(第1表を参照)では2段階法で結
合させた。1mlのPBS中1mgのPR8イスコムに、1.25%のグ
ルタールアルデヒド水溶液を最終濃度が0.25%になるよ
うに加え、この混合液を0.9%NaClに対し室温で一晩透
析した。100μlの0.9%NaCl中1mgのペプチドを添加し
混合後、50μlの1M炭酸緩衝液、pH9.5を添加し、4℃
で24時間インキユベートした。次にこの混合液をPBSで2
4時間透析した。
ブラツドフオード(Bradford)の方法で蛋白含量を測定
し1mg/mlに希釈した。
計算により約25%のペプチドがPR8イスコムに結合して
いた。電子顕微鏡により典型的なイスコム構造が観察さ
れた。
第1表に示すように1回当たり0.1μgから3μgの量
で4週間の間隔を置いて2回マウスの皮下に注射して免
疫させた。免疫時に血液を採取し、第2回の免疫後4週
間後にも血液を採取した。
試験抗原としてBSAに結合したペプチドを用いて実施例3
2に記載の方法により、ELISAで免疫応答を測定した。
405nmにおいて陽性の読み値を与えるマウスの血清の希
釈倍数により抗体値を表わした。
結果を第1表に示す。全てのマウスに血清の抗体価に応
じて応答した。免疫後1μg以上のペプチドで免疫した
5匹のうち3匹のマウスはLHRHに対する抗体を有してい
た。
2回の免疫後全てのマウスは抗体価の上昇に応じて応答
した。0.1μgで免疫したマウスも良好な抗体応答を示
した。
1回又は2回の免疫後も副作用(例えば局所又は全身反
応)は認められなかつた。
実施例34 口蹄疫(FMD)ペプチド(16個のアミノ酸(Leu−Arg−G
ly−Asp−Leu−Gly−Val−Leu−Ala−Glu−Lys−Val−A
la−Arg−Tyr−Leu)によるイスコムの調製。実施例25
に記載のようにインフルエンザウイルスPR8株のエンベ
ロープ蛋白を用いて一次イスコムを調製した。
実施例33に記載のように1mgのPR8イスコムと1mgのペプ
チドを用いてグルタールアルデヒドによる2段階法で結
合を行なつた。
ブラツドフオード(Bradford)の方法により結合後の蛋
白含量を測定し1mg/mlに希釈した。
計算により約25%のペプチドがPR8一次イスコムに結合
していた。
電子顕微鏡によりイスコムの典型的な形態が観察され
た。
第2表に示したようにPR8イスコムに結合した1μg又
は2μgのペプチドを4週間の間隔で2回マウスの皮下
に免疫した。
BSAに結合したFMDペプチドを試験抗原として使用し実施
例32及び32に記載のELISAでマウスの血清につき、マウ
スの抗体応答を測定した。抗体価は、405nmにおいて陽
性の読み値を示すマウスの血清の希釈率で表わした。
その結果を第2表に示す。免疫後2週及び4週後に血清
の抗体応答を測定しても、1回の免疫では、マウスの血
清の抗体は認められなかつた。第2回目の免疫後4週間
後に免疫したマウスの血清を試験すると、全てのマウス
でペプチドに対する血清抗体が認められた。
免疫に帰因する副作用(局所又は全身反応)はどのマウ
スにも認められなかつた。
実施例35 gp120で増やしたHTLV−IIIイスコムの調製。レトロウイ
ルス化のウイルスは精製するとふつうエンベロープ蛋白
の外側がはなれる。この外側の部分は防御免疫の誘導に
必須である。この外側の部分はウイルスの培養液より得
られた組織培養液、又はウイルスの精製中に得られる液
(例えばウイルスの超遠心分離後の上澄液)から回収で
きる。
1mlのPBS中の10mgのHTLV−IIIウイルスを1%N−デカ
ニル−N−メチルグルカミンで可溶化する。この混合液
を室温で1時間インキユベートする。
シヨ糖(例えば20%)(PBS中同じ界面活性剤(例えば
0.5%と0.1%キルA(Quil A)を含有)による遠心分離
によつて、可溶化した膜蛋白を核酸や付着した蛋白から
分離する。
シヨ糖、界面活性剤及びキルA(Quil A)の画分(膜蛋
白を含有)を0.05Mの酢酸アンモニウム(緩衝液は決定
的に重要ではない)で、最初の6時間は室温で以後は4
℃で透析する。
レンズレクチン(lens lectin)を用いるアフイニテイ
クロマトグラフイー又はセフアロースに結合した抗gp−
120により組織培養液より増やした1ml中の0.3mlのgp120
を、最終濃度0.25%のグルタールアルデヒドを用い室温
で一晩インキユベートする。次にこれを0.9%のNaClで
透析する。
上記のように調製したHTLV−IIIのイスコム2mlに150μ
lの1M炭酸緩衝液、pH9.5を加えた。調製液を4℃で24
時間インキユベートした後、PBSに対して4℃で24時間
透析した。
電子顕微鏡でイスコムの典型的な形が観察された。
実施例36 FeLV gp70からの3種の配列のハイブリツドDNA生成物
を、グルタールアルデヒド2段階法(実施例33参照)で
リポソーム中のステアリルアミンに結合させた。PBS、p
H7中の10mg(10mg/ml)のリポソームを、最終濃度1.25
%グルタールアルデヒドで室温で一晩活性化した。過剰
のグルタールアルデヒドは透析又はゲル濾過により除去
した。
3mgの活性化したリポソームを1mgの各FeLV gp70ポリペ
プチドと混合し溶液の量は1mlに調製し、100μlの1M N
aCO3、pH9.6を加えてpHを上げた。この混合液を一晩イ
ンキユベートし、ゲル濾過(例えばS−300)により精
製したポリペプチドを非結合のものから分離した。
このポリペプチド−脂肪酸を2%のN−デカノイル−N
−メチルグルカミン(MEGA−10)で抽出し、シヨ糖濃度
勾配(5−30%のシヨ糖)(0.3%MEGA−10を含有)に
より過剰の脂質から分離した。
このポリペプチドを採取し、キルA(Quil A)を最終濃
度0.1%になるように加え、混合液をPBSに対して最初の
4−6時間は室温で、以後は4℃で透析した。
【図面の簡単な説明】 第1図はチログログリンの沈降係数を示す。 第2図は麻疹ウイルス複合体の粒子構造の電子顕微鏡写
真である。 第3図は狂犬病ウイルス複合体粒子構造の電子顕微鏡写
真である。 第4図はB型肝炎ウイルス複合体粒子構造の電子顕微鏡
写真である。 第5A図は3つのチロシンに結合したペプチド粒子構造の
電子顕微鏡写真である。 第5B図は4つのチロシソル結合したペプチド粒子構造の
電子顕微鏡写真である。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】疎水性領域を有する第1の抗原性蛋白又は
    ペプチド、及び少なくとも1つのグリコシドを含む担体
    分子からなる多価免疫原性複合体であって、該担体分子
    に、ペプチド、蛋白、炭水化物、リポ蛋白、糖脂質及び
    低分子物質から選ばれる第2の抗原性分子が、該担体分
    子中の官能基と該第2の抗原性分子中の官能性結合基と
    の間で結合することによって結合している多価免疫原性
    複合体。
  2. 【請求項2】第1の抗原性蛋白又はペプチドとして、ウ
    イルス、マイコプラズマ、細菌、寄生体又は動物細胞を
    用いる、特許請求の範囲第1項記載の多価免疫原性複合
    体。
  3. 【請求項3】第2の抗原性分子として用いる低分子物質
    がビオチンである特許請求の範囲第1項又は第2項記載
    の多価免疫原性複合体。
  4. 【請求項4】担体分子に結合する第2抗原性分子が、 1〜40個のアミノ酸を有するペプチド;マラリア又はポ
    リオを示すアミノ酸配列を有するペプチド;B型肝炎ウイ
    ルス、狂犬病ウイルス、インフルエンザウイルス、口蹄
    疫ウイルス、エプスタイン−バールウイルス、あるいは
    HTLV 1,2もしくは3型ウイルスから得られるペプチド;T
    −細胞の増殖因子から得られるペプチド;ステロイドホ
    ルモン、ペプチドホルモン又はプロスタグランジンホル
    モン;酵素;リポ多糖類;莢膜を有する微生物の多糖
    類;およびガングリオシド及びグリオーマガングリオシ
    ド中の血液型物質中の糖蛋白中の少糖類 からなる群より選ばれる特許請求の範囲第1項から第3
    項のいずれか1項に記載の多価免疫原性複合体。
  5. 【請求項5】担体分子に結合する第2の抗原性分子が、 10−25個のアミノ酸を有するペプチド;277−300領域の
    ポリオペプチド;32−74,110−156,又は144−145領域の
    B型肝炎ウイルスペプチド;1−50,290−320,又は100−1
    75領域の狂犬病ウイルスペプチド;140−146,187−196領
    域のアミノ酸配列又はCys52−Cys278又は207−220領域
    から選ばれるアミノ酸配列を有するインフルエンザウイ
    ルスペプチド;141−160,144−160,146−154,144−150,
    又は142−158領域の口蹄疫ウイルスペプチド;79−92,13
    9−153C,111−125又は18−32Cのアミノ酸配列を有する
    T−細胞の増殖因子;配列A:Asp,Val,Gly,Gly,Lys,Lys,
    His,Gln,Lev,Asp,Cys,Leu Leu;配列B:His,His,Ala,Glu,
    Asp,Gln,Asn,Pro,Cys,Leu,Leu;配列C:Ala,Trp,Pro,Asn,
    Asn,Thr,Glv,Thr,Asp,Phe,Lys,Cys,Leu,Levを有するエ
    プスタイン−バールウイルスから得られるペプチド;チ
    ロトロピン、アデノコルチコトロピン、黄体形成ホルモ
    ン、ゴナドトロピン放出ホルモン、卵胞刺激ホルモン、
    プロラクチン、生長ホルモン、オキシトシン、バソプレ
    シン、副甲状腺ホルモン、カルシトニン、インスリン、
    又はグリカゴン;リゾチーム又はペルオキシダーゼ;K−
    抗原1−13、ヘモフィルスインフルエンザ又は髄膜炎菌
    の多糖類; からなる群より選ばれる特許請求の範囲第4記載の多価
    免疫原性複合体。
  6. 【請求項6】担体分子は、オルソミキソウイルス、パラ
    ミキソウイルス、レトロウイルス、ラブドウイルス、ト
    ガウイルス、ヘルペスウイルス及びB型肝炎ウイルスの
    膜蛋白、トキソプラズマ、エンベロープのないピコルナ
    ウイルス、パルボウイルス、レオウイルスの膜蛋白を選
    ぶことにより得られ、グリコシドはキラヤサプナリアモ
    リナ(Quillaja sapnaria molina)、アエスキユラスヒ
    ポカスタヌム(Aesculus hippocastanum)、又はギポフ
    イラスツルチム(Gypophilla struthim)から得られる
    サポニンから選ばれる特許請求の範囲第1項から第5項
    のいずれか1項記載の多価免疫原性複合体。
  7. 【請求項7】グリコシドがDQ,QvilA,アエスシン(aesci
    n)又はサポアルビン(sapoalbin)から得られるサポニ
    ンである特許請求の範囲第6項記載の多価免疫原性複合
    体。
  8. 【請求項8】第1の抗原性蛋白又はペプチドは、ウイル
    ス、マイコプラズマ、細菌、寄生体又は動物細胞から得
    られる、疎水性膜蛋白もしくは非膜蛋白、あるいは非疎
    水性蛋白であって疎水性基を結合させることによって疎
    水性にされた蛋白;又はハイブリッドDNA法により得ら
    れる合成蛋白又はペプチドから選択される特許請求の範
    囲第1項から第7項のいずれか1項記載の多価免疫原性
    複合体。
  9. 【請求項9】担体分子は、 ウイルス、マイコプラズマ、細菌、寄生体、動物細胞又
    は疎水性ペプチドもしくは蛋白を、緩衝化した生理食塩
    水中で、イオン性、非イオン性、両性イオン性もしくは
    没食子酸界面活性剤、アルコール、両親媒性低分子、水
    溶性ペプチドもしくは蛋白、又はそれらの混合液から選
    ばれる可溶化剤と混合し、この混合液をグリコシドを含
    有する濃度勾配のあるグリコシド上にある可溶化剤を含
    有する溶液上に重層し、少なくとも100,000gで遠心分離
    し、蛋白画分を単離し、緩衝液で透析するか、又は微生
    物、細胞、蛋白又はペプチドを、緩衝化生理食塩水で可
    溶化剤と混合した後、グリコシドと反応させ緩衝液で透
    析し、直接濃度勾配上に重層し少なくとも100,000gで遠
    心分離した後、蛋白を含有する上層画分を集め、グリコ
    シドと反応させ緩衝液で透析するか、又は微生物、動物
    細胞、蛋白又はペプチドと可溶化剤との緩衝液中の混合
    液、又は微生物、細胞、蛋白又はペプチドと可溶化剤と
    の緩衝化生理食塩水中の混合液を濃度勾配により遠心分
    離して得られる上層の蛋白画分を、電気泳動又はクロマ
    トグラフィー法により可溶化剤から分離し、グリコシド
    を含む溶液中に集め、得られる蛋白複合体を濃縮、又は
    濃度勾配遠心分離法によりさらに精製することにより得
    る、特許請求の範囲第1項から第8項までのいずれか1
    項に記載の免疫原性複合体。
  10. 【請求項10】疎水性領域を有する第1の抗原性蛋白又
    はペプチド、及び少なくとも1つのグリコシドを含む担
    体分子からなる多価免疫原性複合体であって、該担体分
    子に、ペプチド、蛋白、炭水化物、リポ蛋白、糖脂質及
    び低分子物質から選ばれる第2の抗原性分子が、該担体
    分子中の官能基と該第2の抗原性分子中の官能性結合基
    との間で結合することによって結合している多価免疫原
    性複合体の調製法であって、 疎水性領域を有する蛋白又はペプチドを、1つ以上の可
    溶化剤と混合し、可溶化剤との間で複合体を形成させ; ミセルを形成させるのに必要な少なくとも臨界濃度の疎
    水性又は親水性領域を有する1つ以上のグリコシドを含
    有するグリコシド溶液の存在下で、該蛋白又はペプチド
    を可溶化剤から分離するか、あるいは該蛋白又はペプチ
    ドを可溶化剤から分離し直接グリコシド溶液に移し、グ
    リコシドとの蛋白複合体を形成した後、該複合体を単離
    精製して担体分子を調製し; この担体分子を、ペプチド、蛋白、炭水化物、リポ蛋
    白、糖脂質又は低分子物質に、これらの分子中の官能性
    結合基と担体分子中の官能基との間で結合させることに
    よって結合させる; ことを特徴とする上記多価免疫原性複合体の調製法。
  11. 【請求項11】官能性結合基と官能基とを結合させる時
    に、ペプチド、蛋白、炭水化物、リポ蛋白、糖脂質又は
    低分子物質の1mgを、蛋白含量として1mgの担体分子と反
    応させる特許請求の範囲第10項記載の調製法。
  12. 【請求項12】ペプチド、蛋白、炭水化物、リポ蛋白、
    糖脂質又は低分子物質の250−500μgを用いる特許請求
    の範囲第11項記載の調製法。
  13. 【請求項13】疎水性領域を有する第1の抗原性蛋白又
    はペプチド、及び少なくとも1つのグリコシドを含む担
    体分子からなる多価免疫原性複合体であって、該担体分
    子に、ペプチド、蛋白、炭水化物、リポ蛋白、糖脂質及
    び低分子物質から選ばれる第2の抗原性分子が、該担体
    分子中の官能基と該第2の抗原性分子中の官能性結合基
    との間で結合することによって結合している多価免疫原
    性複合体の少なくとも1つを活性物質として含有する免
    疫刺激性組成物。
  14. 【請求項14】ワクチンとして使用するための特許請求
    の範囲第13項記載の免疫刺激性組成物。
  15. 【請求項15】抗体を産生させるための試薬として使用
    するための特許請求の範囲第1項記載の免疫刺激性組成
    物。
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