JPH07114719B2 - 細菌検出のためのオリゴヌクレオチドおよびそれを用いた検出法 - Google Patents

細菌検出のためのオリゴヌクレオチドおよびそれを用いた検出法

Info

Publication number
JPH07114719B2
JPH07114719B2 JP3059820A JP5982091A JPH07114719B2 JP H07114719 B2 JPH07114719 B2 JP H07114719B2 JP 3059820 A JP3059820 A JP 3059820A JP 5982091 A JP5982091 A JP 5982091A JP H07114719 B2 JPH07114719 B2 JP H07114719B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sequence
nucleotide sequence
gene
trh
vibrio parahaemolyticus
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP3059820A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04293486A (ja
Inventor
鉄雄 大橋
繁 福島
直行 西村
浩一 山形
淳 多田
良成 白崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shimadzu Corp
Original Assignee
Shimadzu Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shimadzu Corp filed Critical Shimadzu Corp
Priority to JP3059820A priority Critical patent/JPH07114719B2/ja
Publication of JPH04293486A publication Critical patent/JPH04293486A/ja
Publication of JPH07114719B2 publication Critical patent/JPH07114719B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、臨床検査、とりわけ食
中毒にかかる検査、あるいは食品検査での腸炎ビブリオ
菌(Vibrio parahaemolyticus )の検出に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】検査材料が患者の嘔吐物、糞便、食品ま
たは拭き取り材料の場合、腸炎ビブリオ菌と同定するま
でには、増菌培養、分離培養を経て鑑別培養に至る操作
を行わなければならない。各培養段階に要する時間は、
増菌培養で10〜16時間、分離培養で18〜24時
間、鑑別培養で18〜24時間かかり、総所要時間にす
ると2〜4日間となり、長時間を要する。鑑別培養にお
ける試験では、NaCl加寒天培地での発育試験、グラ
ム染色、オキシダーゼ試験等を行う必要があり、操作的
にも煩雑で、時間や費用もかかる。
【0003】また、腸炎ビブリオ菌の病原因子の検出法
としては、腸炎ビブリオ菌が産生する耐熱性溶血毒(th
ermostable direct haemolysin; TDH )に対する抗血清
より得た特異免疫グロブリンを用いた逆受身赤血球凝集
反応があるが、結果を得るまでに20〜24時間を要す
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、従来
の方法はいずれも、腸炎ビブリオ菌と同定するまでには
非常に複雑な操作と長時間を要し、迅速性を要求される
臨床検査等に向かなかった。
【0005】一方、最近では、オリゴヌクレオチドを用
いたDNAプローブ法あるいはハイブリダイゼーション
法が試みられるようになってきた。しかし、オリゴヌク
レオチドを標識修飾したプローブにより膜上、あるいは
他の支持体上でハイブリダイゼーションを行い、これを
検出する場合、細菌検査において十分な検出感度と選択
性を得るのが難しい。
【0006】しかも最近では、今までに報告されている
ものとは別の、新たな病原因子、耐熱性溶血毒類似毒
(TDH-related haemolysin; TRH )をもつ腸炎ビブリオ
菌が発見されてきており、さらにTRHをコードする遺
伝子が塩基配列の違いにより、trh 1 およびtrh 2 遺伝
子の2型に分けられることが明らかになった。しかし、
これらの新たな病原因子を有する腸炎ビブリオ菌を直接
に検査する方法は確立されていなかった。
【0007】本発明は、オリゴヌクレオチドを核酸合成
反応のプライマーとして機能させた遺伝子増幅技術によ
り腸炎ビブリオ菌由来の特定遺伝子を検出するもので、
簡便、迅速かつ高感度な検出法を食中毒菌検査において
提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、腸炎ビブリオ
菌の特定遺伝子と選択的にハイブリダイズするオリゴヌ
クレオチドを作製し、このオリゴヌクレオチドをプライ
マーとして遺伝子増幅に用い、食中毒症状を起こす腸炎
ビブリオ菌のみを選択的に検出することを特徴としてい
る。
【0009】プライマ−として用いるオリゴヌクレオチ
ドは、腸炎ビブリオ菌の耐熱性溶血毒類似溶血毒遺伝子
1型および2型(trh 1 およびtrh 2 遺伝子)を検出対
象とするときは、以下の配列群となるように化学合成さ
れたオリゴヌクレオチド (5’) d−GGCTCAAAATGGTTAAGC
G(3’)・・・(a) (5’) d−CATTTCCGCTCTCATATG
C(3’)・・・(b) または対応する相補的配列からなることを特徴とする。
【0010】また、腸炎ビブリオ菌の耐熱性溶血毒素遺
伝子(tdh 遺伝子)を検出対象とするときは、以下の配
列群となるように化学合成されたオリゴヌクレオチド (5’) d−CCATCTGTCCCTTTTCCT
GC(3’)・・(c) (5’) d- CCAAATACATTTTACTTG
G(3’)・・・(d) (5’) d−GGTACTAAATGGCTGACA
TC(3’)・・(e) (5’) d−CCACTACCACTCTCATAT
GC(3’)・・(f) または対応する相補的配列からなることを特徴とする。
【0011】さらに、腸炎ビブリオ菌の耐熱性溶血毒類
似溶血毒遺伝子1型(trh 1 遺伝子)を検出対象とする
ときは、以下の配列群となるように化学合成されたオリ
ゴヌクレオチド (5’) d−GGCTCAAAATGGTTAAGC
GC(3’)・・(g) (5’) d−TGGCGTTTCATCCAAATA
CG(3’)・・(h) または対応する相補的配列からなることを特徴とする。
【0012】ここで、遺伝子増幅は、Saiki らが開発し
たPolymerase Chain Reaction 法(以下、略してPCR
法;Science 230,1350(1985))をもとに行っている。こ
の方法は、ある特定のヌクレオチド配列領域(本発明の
場合は腸炎ビブリオ菌のtrh 遺伝子又はtdh 遺伝子、tr
h 1 遺伝子)を検出する場合、その領域の両端の一方は
+鎖を、他方は−鎖をそれぞれ認識してハイブリダイゼ
ーションするようなオリゴヌクレオチドを用意し、それ
を熱変性により1本鎖状態にした試料核酸に対し鋳型依
存性ヌクレオチド重合反応のプライマーとして機能さ
せ、生成した2本鎖核酸を再び1本鎖に分離し、再び、
同様な反応を起こさせる。この一連の操作を繰り返すこ
とで2つのプライマーに挟まれた領域は検出できるまで
にコピー数が増大してくる。
【0013】検体としては、臨床検査材料、例えば、糞
便、尿、血液、組織ホモジェネートなど、また、食品材
料でもよい。
【0014】これら材料をPCRの試料として用いるに
は、材料中に存在する菌体から核酸成分を遊離させる操
作が前処理として必要となる。しかし、プライマーがハ
イブリダイズできる核酸が数分子から数十分子以上存在
すればPCRは進むので、検査材料を溶菌酵素、界面活
性剤、アルカリ等で短時間処理するだけでPCRを進行
させるに十分な核酸量を持った試料液が調製できる。
【0015】本発明でプライマーとして用いられるオリ
ゴヌクレオチドは、選択性や検出感度および再現性から
考えて、10塩基以上、望ましくは15塩基以上の長さ
を持ったヌクレオチド断片で、化学合成あるいは天然の
どちらでもよい。また、プライマーは、特に検出用とし
て標識されていなくてもよい。
【0016】プライマーが規定している腸炎ビブリオ菌
の特定遺伝子のヌクレオチド配列における増幅領域は、
50塩基から2,000塩基、望ましくは、100塩基
から1,000塩基となればよい。
【0017】鋳型依存性ヌクレオチド重合反応には、耐
熱性DNAポリメラーゼを用いているが、この酵素の起
源については90〜95℃、プライマーをハイブリダイ
ズさせるアニーリング操作の温度は37〜65℃、重合
反応は50〜75℃で、これを1サイクルとしたPCR
を20から42サイクル行って増幅させる。
【0018】検出はPCRを終えた反応液をそのままア
ガロースゲル電気泳動にかけることで、増幅されたヌク
レオチド断片の存在、およびその長さが確認できる。そ
の結果から、検体中にプライマーが認識すべき配列を持
ったヌクレオチドが存在しているかどうか判定すること
ができる。この判定は、そのままtrh 遺伝子等をもつ腸
炎ビブリオ菌の有無を判定するものとなる。増幅された
ヌクレオチド断片の検出には、その他の電気泳動やクロ
マトグラフィーも有効である。
【0019】
【作用】本発明は、オリゴヌクレオチドを核酸合成反応
のプライマーとして機能させた遺伝子増幅技術により腸
炎ビブリオ菌由来の特定遺伝子を検出するもので、簡
便、迅速かつ高感度な検出ができる。
【0020】
【実施例】[実施例1:腸炎ビブリオ菌のtrh 遺伝子の
検出] (実験例1)検体の調製 腸炎ビブリオ菌ならびにビブリオ属菌は表1〜15の縦
の見出しに示した総計362株を用いて、それぞれを適
当な増菌培地に接種し、37℃、好気的条件下で終夜培
養を行い、その培地、1. 5mlから遠心操作により菌
体を回収した。10mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.
5)で1回洗浄後、同緩衝液にリゾチームを1mg/m
lとなるように溶かした液0. 5mlで懸濁させ、37
℃、10分で溶菌させた。前記緩衝液で飽和させたフェ
ノールおよびクロロフォルムからなる混合液(混合比
1:1)を溶菌液に加え、よく撹はんした。遠心後、上
層液を回収しエタノール処理を行って、核酸成分を沈澱
させた。その沈澱物を前記緩衝液、1mlに溶かして、
これを検体とした。
【0021】プライマーの合成 腸炎ビブリオ菌のtrh 遺伝子の塩基配列(Nishibuchi,
M.etal.,;Infect.Immun.57,2691-2697(1989),および岸
下ら, 日本細菌学会雑誌,45,340(1990) )から請求項第
1項に示した配列を選び、それと同じ配列を持つオリゴ
ヌクレオチドを化学合成した。化学合成はサイクロンプ
ラスDNA合成装置(ミリジェン/ バイオリサーチ社
製)を用い、β−シアノエチルフォスホアミダイト法に
より行った。合成したオリゴヌクレオチドの精製はC18
逆相カラムを用いた高速液体クロマトグラフィーで行っ
た。
【0022】PCR 前記検体液3μlを用い、それに滅菌蒸留水17.55
μl、10x反応用緩衝液3μl、dNTP溶液4. 8
μl、プライマー(a) 0.75μl、プライマー(b)
0.75μl、および耐熱性DNAポリメラーゼ0. 1
5μlを加えて30μlの反応液を調製した。この反応
液の入った容器にミネラルオイル(SIGMA 社製)を50
μl加え反応液上に重層した。各添加された液の内容を
下記に示す。
【0023】10x反応緩衝液:500mM KCl, 100mM Tri
s-HCl(pH8.3), 15 mM MgCl2 ,0.1%(W/V)ゼラチン dNTP溶液:dATP, dCTP, dGTP, dTTPを混合させたも
ので各終濃度が1.25mM プライマー(a) および(b) :前述した化学合成精製品の
各水溶液(濃度5 ODU/ml) 耐熱性DNAポリメラーゼ:Taq DNAポリメラー
ゼ(5 unit/ml; Perkin Elmer Cetus 社製) 反応条件は、次のとおりである。
【0024】熱変性:94℃、1分 アニーリング:55℃、1分 重合反応:72℃、1分 熱変性からアニーリングを経て重合反応に至る過程を1
サイクル(所要時間5.7 分)とし、これを35サイクル
(総所要時間約3時間)行った。これらの操作は、DN
Aサーマルサイクラー(Perkin Elmer Cetus社製)に上
記反応条件をプログラムすることにより行った。
【0025】検出 反応液から、増幅されたヌクレオチド断片を検出するた
め、アガロースゲル電気泳動を以下のように行った。
【0026】アガロースゲルはゲル濃度2%(W/V )と
し、臭化エチジウム(0.5 μl/ml)を含むものを用い
た。泳動の電気的条件は、定電圧100V、30分で行
った。操作方法ならびに他の条件は、Maniatis等著Mole
cular Cloning(1982) に記載されている技法で行った。
反応液の他に分子量マーカーの泳動も同時に行い、相対
移動度の比較により、ヌクレオチド断片の長さを算出し
た。
【0027】結果 前述したように、腸炎ビブリオ菌のtrh 遺伝子は、すで
に塩基配列が決定されており、塩基配列の違いにより、
trh 1 およびtrh 2 の2型が報告されている。したがっ
て、本発明のオリゴヌクレオチド、すなわちプライマー
がPCRにより増幅させてくるヌクレオチドの大きさは
推定できる。それによると、プライマー(a) と(b) で
は、251塩基の長さのヌクレオチドが増幅されてくる
はずである。これらの推定値と増幅されたヌクレオチド
の長さが一致した場合、各プライマーはtrh遺伝子の標
的としている領域を正しく増幅していると判断した。表
1に腸炎ビブリオ菌264株およびその他のビブリオ属
細菌98株で検討した結果を示す。表1からわかるよう
に、プライマーは腸炎ビブリオ菌のtrh 1 またはtrh2
遺伝子の両方を正しく検出していることを示している。
【0028】(実験例2)実験例1で得られた結果が、
trh 1 またはtrh 2 遺伝子をもつ腸炎ビブリオ菌に対
し、選択的なものかどうか確かめるため、臨床検査にお
いて腸炎ビブリオ菌以外で検査対象となる下痢症菌等に
ついて比較検討した。
【0029】方法は実験例1に示したものと同じである
が、表16、17中、12、13、19、および20の
菌株については嫌気的条件下、37℃で一晩培養を行
い、PCR法に適用しうる試料を調製した。検体の調製
において培養した菌は、表16、17の縦の見出しに示
した39菌株である。また、ヒト胎盤由来DNAは1μ
g/mlの濃度のものを調製し、これも同様にPCRを
行わせた。結果を表16、17に示す。一部の菌種にお
いてPCRの副次的産物とみられる、増幅されたヌクレ
オチド断片が検出された。しかし、どれもtrh 1 および
trh 2 遺伝子の配列から推定されるヌクレオチド断片の
長さとは異なっていた。腸炎ビブリオ菌と同じtrh 遺伝
子をこれらの下痢症菌がもっていれば実験例1の結果と
同じ251塩基の長さのヌクレオチド断片が検出される
はずである。したがって、一部の下痢症菌でみられた増
幅ヌクレオチドは腸炎ビブリオ菌のtrh 遺伝子を認識し
て生成されたものではないことが明らかであり、trh
伝子を有する腸炎ビブリオ菌およびビブリオ属細菌を他
の下痢症菌から容易に区別し、検出できることがわか
る。なお、本発明の実験例の用いているアガロースゲル
電気泳動を前述の泳動条件で行えば、100塩基対以下
の範囲であれば5から10塩基対、100から500塩
基対の範囲であれば10から20塩基対のヌクレオチド
の長さの違いを区別することが可能である。また、アク
リルアミドなどをゲルに用いることでヌクレオチドの長
さの測定の精度を向上させれば、選択的検出における信
頼度はさらに高まるものと考えられる。
【0030】[実施例2:腸炎ビブリオ菌のtdh 遺伝子
の検出] (実験例1)検体の調整 実施例1と同様の手法で検体を調整した。
【0031】プライマーの合成 腸炎ビブリオ菌のtdh 遺伝子の塩基配列(Nishibuchi,
M. and Kaper,J.B.;MolMicrobiol.4,87-99(1990) )か
ら、請求項第2項に示した配列を選び、それと同じ配列
を持つオリゴヌクレオチドを化学合成した。化学合成お
よび合成したオリゴヌクレオチドの精製は、実施例1と
同様に行った。
【0032】PCR プライマ−として下記の組合せのものを使用した以外
は、実施例1と同様の手法で行った。
【0033】 プライマー(1) プライマー(2) (c) (d) (e) (d) (e) (f) 検出 実施例1と同様の手法により行った。
【0034】結果 前述したように、腸炎ビブリオ菌のtdh 遺伝子は、すで
に塩基配列が決定されており、本発明のオリゴヌクレオ
チド、すなわちプライマーがPCRにより増幅させてく
るヌクレオチドの大きさは推定できる。それによると、
プライマー(c)と(d) 、(e) と(d) 、および(e) と(f)
を用いた場合には、それぞれ373、199、および2
51塩基の長さのヌクレオチドが増幅されてくるはずで
ある。これらの推定値と増幅されたヌクレオチドの長さ
が一致した場合、各プライマーはtdh 遺伝子の標的とし
ている領域を正しく増幅していると判断した。表1〜表
15に腸炎ビブリオ菌264株およびその他のビブリオ
属細菌98株で検討した結果を示す。表1〜表15から
わかるように、各3組のプライマーは腸炎ビブリオ菌お
よびビブリオ属細菌のうち、tdh 遺伝子をもつ菌のみを
正しく検出していることを示している。
【0035】(実験例2)実験例1で得られた結果が、
tdh 遺伝子をもつ腸炎ビブリオおよびビブリオ属細菌に
対し、選択的なものかどうか確かめるため、臨床検査に
おいて腸炎ビブリオ菌以外で検査対象となる下痢症菌等
について実施例1と同様な手法で比較検討した。
【0036】結果を表16、17に示す。一部の菌種に
おいてPCRの副次的産物とみられる、増幅されたヌク
レオチド断片が検出された。
【0037】しかし、どれもtdh 遺伝子の配列から推定
されるヌクレオチド断片の長さとは異なっている。腸炎
ビブリオ菌と同じtdh 遺伝子をこれらの下痢症菌がもっ
ていれば実験例1の結果と同じ373、199、もしく
は251塩基の長さのヌクレオチド断片が検出されるは
ずである。したがって、一部の下痢症菌でみられた増幅
ヌクレオチドは腸炎ビブリオ菌のtdh 遺伝子を認識して
生成されたものではないことが明らかであり、tdh 遺伝
子を有する腸炎ビブリオ菌およびビブリオ属細菌を他の
下痢症菌から容易に区別し、検出できることがわかる。
【0038】[実施例3:腸炎ビブリオ菌のtrh 1 遺伝
子の検出] (実験例1)プライマ−として請求項第3項に記載した
(g) および(h) を使用した以外は、実施例1と同様の手
法で、検体の調整、プライマ−の合成、PCR、検出を
行った。
【0039】本発明のプライマー(g) と(h) を用いた場
合には、211塩基の長さのヌクレオチドが増幅されて
くるはずである。これらの推定値と増幅されたヌクレオ
チドの長さが一致した場合、各プライマーはtrh 1 遺伝
子の標的としている領域を正しく増幅していると判断し
た。表1〜表15に腸炎ビブリオ菌264株およびその
他のビブリオ属細菌98株で検討した結果を示す。表1
〜表15からわかるように、各3組のプライマーは腸炎
ビブリオ菌およびビブリオ属細菌のうちtrh 1遺伝子を
もつ菌のみを正しく検出していることを示している。
【0040】(実験例2)実験例1で得られた結果が、
trh 1 遺伝子をもつ腸炎ビブリオおよびビブリオ属細菌
に対し、選択的なものかどうか確かめるため、臨床検査
において腸炎ビブリオ菌以外で検査対象となる下痢症菌
等について実施例1と同様な手法で比較検討した。
【0041】結果を表16、17に示す。一部の菌種に
おいてPCRの副次的産物とみられる、増幅されたヌク
レオチド断片が検出された。
【0042】しかし、どれもtrh 1 遺伝子の配列から推
定されるヌクレオチド断片の長さとは異なっている。腸
炎ビブリオ菌と同じtrh 1 遺伝子をこれらの下痢症菌が
もっていれば実験例1の結果と同じ211塩基の長さの
ヌクレオチド断片が検出されるはずである。したがっ
て、一部の下痢症菌でみられた増幅ヌクレオチドは腸炎
ビブリオ菌のtrh 1 遺伝子を認識して生成されたもので
はないことが明らかであり、 trh 1遺伝子を有する腸炎
ビブリオ菌およびビブリオ属細菌を他の下痢症菌から容
易に区別し、検出できることがわかる。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】
【表4】
【0047】
【表5】
【0048】
【表6】
【0049】
【表7】
【0050】
【表8】
【0051】
【表9】
【0052】
【表10】
【0053】
【表11】
【0054】
【表12】
【0055】
【表13】
【0056】
【表14】
【0057】
【表15】
【0058】
【表16】
【0059】
【表17】
【0060】なお、表中 trh の欄 (1): trh 遺伝子1型を有する菌 同 (2): 同 2型を有する菌 同 (-): trh 遺伝子を有しない菌 tdh の欄 (+): tdh 遺伝子を有する菌 同 (-) 同 を有しない菌 プライマ−の組合せ欄(○):増幅されたヌクレオチド
の長さが推定値と一致したもの 同 (●):増幅ヌクレオチドは認められた
が、その長さが推定値と異なったもの 同 (−):増幅ヌクレオチドが全くみとめら
れなかったもの 表1〜15における各菌株の入手先:京都大学医学部微
生物学教室 表16、17における各菌株の入手先:ATCC(American
Type CultureCollection) JCM(理化学研究所微生物系統保存施設) IFO(発酵研究所)
【0061】
【効果】本発明では、PCR法を用いたこと、および病
原性と最も関連の深い遺伝子を標的とするプライマーを
用いたことで、該遺伝子を有する腸炎ビブリオ菌および
ビブリオ属細菌の検出において、遺伝子増幅作用による
高い検出感度と、2つあるいは、それ以上のプライマー
で反応が規定されることによる高い選択性を得ることが
できる。
【0062】また、検出感度が高いので、多量の検体を
必要とせず、検体の前処理が簡便で済む。本発明におけ
る実施例では、反応時間3時間、検出にかかる操作が3
0分であった。そのうえ、検出にアガロースゲル電気泳
動と臭化エチジウムによる核酸染色法を用いることで、
プライマー等を標識せずに検出が行え、しかも核酸の長
さが確認できるので結果の信頼性が高いものとなる。
【0063】腸炎ビブリオ菌は、わが国における細菌性
食中毒原因菌の第1位を占める病原菌である。この菌に
よる健康障害のほとんどは、下痢、腹痛等を主徴とする
胃腸炎である。この胃腸炎の病原因子として最も注目さ
れているのは、耐熱性溶血毒(thermostable direct ha
emolysin; TDH )である。したがって、耐熱性溶血毒を
コードするtdh遺伝子をプライマーの標的ヌクレオチド
とすることで食中毒原因菌としてのtdh 遺伝子保有の腸
炎ビブリオ菌を選択的に検出することができる。
【0064】さらに、近年TDHと類似しているが全く
異なる病原因子、耐熱性溶血毒類似毒(TRH)が発見
され、食中毒事例におけるTRH産生性の腸炎ビブリオ
菌の病原性が重要視され始めている。そこで、TRHを
コードするtrh 遺伝子をプライマーの標的ヌクレオチド
とすることで食中毒原因菌としてのtrh 遺伝子保有の腸
炎ビブリオ菌を選択的に検出することができる。
【0065】
【配列表】配列番号(SEQ ID NO);1 配列の長さ 19塩基 配列の型 核酸 鎖の数 一本鎖 トポロジー 直鎖状 配列の種類 Genomic DNA ハイポセティカル配列 NO アンチセンス NO 起源 Vibrio parahaemolyticus 配列の特徴 特徴を決定した方法 S 配列 GGCTCAAAATGGTTAAGCG 配列番号(SEQ ID NO);2 配列の長さ 19塩基 配列の型 核酸 鎖の数 一本鎖 トポロジー 直鎖状 配列の種類 Genomic DNA ハイポセティカル配列 NO アンチセンス NO 起源 Vibrio parahaemolyticus 配列の特徴 特徴を決定した方法 S 配列 CATTTCCGCTCTCATATGC 配列番号(SEQ ID NO);3 配列の長さ 20塩基 配列の型 核酸 鎖の数 一本鎖 トポロジー 直鎖状 配列の種類 Genomic DNA ハイポセティカル配列 NO アンチセンス NO 起源 Vibrio parahaemolyticus 配列の特徴 特徴を決定した方法 S 配列 CCATCTGTCCCTTTTCCTGC 配列番号(SEQ ID NO);4 配列の長さ 19塩基 配列の型 核酸 鎖の数 一本鎖 トポロジー 直鎖状 配列の種類 Genomic DNA ハイポセティカル配列 NO アンチセンス NO 起源 Vibrio parahaemolyticus 配列の特徴 特徴を決定した方法 S 配列 CCAAATACATTTTACTTGG 配列番号(SEQ ID NO);5 配列の長さ 20塩基 配列の型 核酸 鎖の数 一本鎖 トポロジー 直鎖状 配列の種類 Genomic DNA ハイポセティカル配列 NO アンチセンス NO 起源 Vibrio parahaemolyticus 配列の特徴 特徴を決定した方法 S 配列 GGTACTAAATGGCTGACATC 配列番号(SEQ ID NO);6 配列の長さ 20塩基 配列の型 核酸 鎖の数 一本鎖 トポロジー 直鎖状 配列の種類 Genomic DNA ハイポセティカル配列 NO アンチセンス NO 起源 Vibrio parahaemolyticus 配列の特徴 特徴を決定した方法 S 配列 CCACTACCACTCTCATATGC 配列番号(SEQ ID NO);7 配列の長さ 20塩基 配列の型 核酸 鎖の数 一本鎖 トポロジー 直鎖状 配列の種類 Genomic DNA ハイポセティカル配列 NO アンチセンス NO 起源 Vibrio parahaemolyticus 配列の特徴 特徴を決定した方法 S 配列 GGCTCAAAATGGTTAAGCGC 配列番号(SEQ ID NO);8 配列の長さ 20塩基 配列の型 核酸 鎖の数 一本鎖 トポロジー 直鎖状 配列の種類 Genomic DNA ハイポセティカル配列 NO アンチセンス NO 起源 Vibrio parahaemolyticus 配列の特徴 特徴を決定した方法 S 配列 TGGCGTTTCATCCAAATACG
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C12N 15/09 C12R 1:63) (C12Q 1/04 C12R 1:63) (C12Q 1/68 A C12R 1:63) C12R 1:63) (72)発明者 山形 浩一 京都府京都市中京区西ノ京桑原町1番地 株式会社 島津製作所 三条工場内 (72)発明者 多田 淳 京都府京都市中京区西ノ京桑原町1番地 株式会社 島津製作所 三条工場内 (72)発明者 白崎 良成 京都府京都市中京区西ノ京桑原町1番地 株式会社 島津製作所 三条工場内 (56)参考文献 特開 平2−249499(JP,A)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検体中に存在する腸炎ビブリオ菌(Vibr
    io parahaemolyticus )の耐熱性溶血毒類似溶血毒遺伝
    子1型および2型(trh 1 およびtrh 2 遺伝子)をコー
    ドするヌクレオチド配列を標的とし、そのヌクレオチド
    配列と相補的となるように化学結合されたオリゴヌクレ
    オチドであって、合成ヌクレオチドが以下の配列群、 (5´)d−GGCTCAAAATGGTTAAGCG(3´)・・・(a) (5´)d−CATTTCCGCTCTCATATGC(3´)・・・(b) または対応する相補的配列からなることを特徴とするオ
    リゴヌクレオチド。
  2. 【請求項2】 検体中に存在する腸炎ビブリオ菌(Vibr
    io parahaemolyticus )の耐熱性溶血毒素遺伝子(tdh
    遺伝子)をコードするヌクレオチド配列を標的とし、そ
    のヌクレオチド配列と相補的となるように化学結合され
    たオリゴヌクレオチドであって、合成ヌクレオチドが以
    下の配列群、 (5´)d−CCATCTGTCCCTTTTCCTGC(3´)・・(c) (5´)d−CCAAATACATTTTACTTGG(3´)・・・(d) (5´)d−GGTACTAAATGGCTGACATC(3´)・・(e) (5´)d−CCACTACCACTCTCATATGC(3´)・・(f) または対応する相補的配列からなることを特徴とするオ
    リゴヌクレオチド。
  3. 【請求項3】 検体中に存在する腸炎ビブリオ菌(Vibr
    io parahaemolyticus )の耐熱性溶血毒類似溶血毒遺伝
    子1型(trh 1 遺伝子)をコードするヌクレオチド配列
    を標的とし、そのヌクレオチド配列と相補的となるよう
    に化学結合されたオリゴヌクレオチドであって、合成ヌ
    クレオチドが以下の配列群、 (5´)d−GGCTCAAAATGGTTAAGCGC(3´)・・(g) (5´)d−TGGCGTTTCATCCAAATACG(3´)・・(h) または対応する相補的配列からなることを特徴とするオ
    リゴヌクレオチド。
  4. 【請求項4】 請求項第1項から第3項に記載された配
    列のうち、増幅されるべきヌクレオチド配列の両端を規
    定する2つのオリゴヌクレオチドを鎖長反応のプライマ
    ーとして機能させ、標的ヌクレオチド配列を選択的に増
    幅させることを特徴とする方法であって、 検体中の1本鎖状態の標的ヌクレオチド配列に前記プ
    ライマーをハイブリダイズさせ、4種のヌクレオチドの
    重合反応により鎖長反応を行わせ、 得られた2本鎖ヌクレオチド配列を1本鎖に分離した
    場合、その相補鎖は更なる鎖長反応の鋳型として機能
    し、 前記プライマーによる同時の鎖長反応、プライマー鎖
    長生成物の鋳型からの分離、そして更なるプライマーに
    よるハイブリダイゼーションを繰り返すことにより特定
    のヌクレオチド配列を増幅させ、 前記検体中に認識されるべきヌクレオチド配列が存在
    しているか否かを判定することでの腸炎ビブリオ菌の検
    出を行う方法。
JP3059820A 1991-03-25 1991-03-25 細菌検出のためのオリゴヌクレオチドおよびそれを用いた検出法 Expired - Lifetime JPH07114719B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3059820A JPH07114719B2 (ja) 1991-03-25 1991-03-25 細菌検出のためのオリゴヌクレオチドおよびそれを用いた検出法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3059820A JPH07114719B2 (ja) 1991-03-25 1991-03-25 細菌検出のためのオリゴヌクレオチドおよびそれを用いた検出法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04293486A JPH04293486A (ja) 1992-10-19
JPH07114719B2 true JPH07114719B2 (ja) 1995-12-13

Family

ID=13124246

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3059820A Expired - Lifetime JPH07114719B2 (ja) 1991-03-25 1991-03-25 細菌検出のためのオリゴヌクレオチドおよびそれを用いた検出法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07114719B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5468852A (en) * 1992-02-18 1995-11-21 Shimadzu Corporation Oligonucleotides for detecting bacteria
JP4226234B2 (ja) * 2001-08-03 2009-02-18 株式会社ニチレイフーズ RNAポリメレースσ70因子をコードする遺伝子(rpoD)配列を用いた腸炎ビブリオ検出、同定、計数方法
JP2003116579A (ja) * 2001-10-18 2003-04-22 Nichirei Corp 食中毒細菌の有する耐熱性溶血毒素関連遺伝子(tdh関連毒素遺伝子)を網羅的に検出・定量することによる溶血毒素産生細菌の検出・定量方法

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2653164B2 (ja) * 1989-03-24 1997-09-10 藤沢薬品工業株式会社 ビブリオ・アンギュラルムの種決定オリゴヌクレオチドおよびその用途

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04293486A (ja) 1992-10-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0556504B1 (en) Oligonucleotides for detecting Vibrio parahaemolyticus
JP2792462B2 (ja) サルモネラ属菌検出のためのオリゴヌクレオチドおよびそれを用いた検出法
JP2775663B2 (ja) 細菌検出のためのオリゴヌクレオチドおよびそれを用いた検出法
US6165724A (en) Oligonucleotides for detecting enteric hemorrhagic E.coli and detection method using the same
US6632642B1 (en) Genes for detecting bacteria and detection method by using the same
JPH07114719B2 (ja) 細菌検出のためのオリゴヌクレオチドおよびそれを用いた検出法
JP3134907B2 (ja) コレラ菌検出用オリゴヌクレオチドおよびそれを用いた検出法
JP3414261B2 (ja) 病原性大腸菌o157検出のためのオリゴヌクレオチドおよびそれを用いた検出法
JPH03112498A (ja) カンピロバクター検出のためのオリゴヌクレオチドおよびそれを用いた検出方法
JP3141976B2 (ja) 赤痢菌検出のためのオリゴヌクレオチドおよびそれを用いた検出法
JPH07114720B2 (ja) 毒素原性大腸菌検出のためのオリゴヌクレオチドおよびそれを用いた検出法
JP3331977B2 (ja) 赤痢菌検出のためのオリゴヌクレオチドおよびそれを用いた検出法
JP2993314B2 (ja) 黄色ブドウ球菌検出のためのオリゴヌクレオチドおよびそれを用いた検出法
JP2885081B2 (ja) エンテロトキシン産生性のウェルシュ菌を検出するためのオリゴヌクレオチドおよびそれを用いた検出法
JPH0789958B2 (ja) サルモネラ菌検出のためのオリゴヌクレオチドおよびそれを用いた検出法
JPH0789959B2 (ja) ウェルシュ菌検出のためのオリゴヌクレオチドおよびそれを用いた検出法
JPH0789957B2 (ja) 腸炎ビブリオ菌検出のためのオリゴヌクレオチドおよびそれを用いた検出法
JP3419299B2 (ja) ウエルシュ菌検出用オリゴヌクレオチドおよびそれを用いた検出法
JPH07102158B2 (ja) 毒素原性大腸菌検出のためのオリゴヌクレオチドおよびそれを用いた検出法
JPH07236500A (ja) サルモネラ属菌検出のためのオリゴヌクレオチドおよびそれを用いた検出法
JPH119281A (ja) 細菌検出のためのオリゴヌクレオチドおよびそれを用いた検出法
JPH07102159B2 (ja) 黄色ブドウ球菌検出のためのオリゴヌクレオチドおよびそれを用いた検出法
JPH0789960B2 (ja) 黄色ブドウ球菌検出のためのオリゴヌクレオチドおよびそれを用いた検出法
JPH0789956B2 (ja) セレウス菌検出のためのオリゴヌクレオチドおよびそれを用いた検出法
JPH11332598A (ja) ベロ毒素産生性大腸菌検出のためのオリゴヌクレオチドおよびそれを用いた検出法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071213

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081213

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091213

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091213

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101213

Year of fee payment: 15

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111213

Year of fee payment: 16

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111213

Year of fee payment: 16