JP2993314B2 - 黄色ブドウ球菌検出のためのオリゴヌクレオチドおよびそれを用いた検出法 - Google Patents

黄色ブドウ球菌検出のためのオリゴヌクレオチドおよびそれを用いた検出法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、臨床検査、とりわけ食
中毒にかかる検査、あるいは、環境検査、食品検査での
毒素性ショック症候群毒素遺伝子(以下TSST-1遺伝子と
いう)を有する黄色ブドウ球菌の検出に関するものであ
る。
【0002】
【従来技術】食中毒にかかる検査では、検査材料は患者
の嘔吐物、糞便、患者が食した食品または患者の周辺環
境からの拭き取り材料の場合である。これらの材料から
黄色ブドウ球菌が検出・同定されるまでには、まず、増
菌培養、分離培養を経て純培養、および確認培養を行う
必要がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、各培養
段階で要する時間は、18〜24時間であり、その後の
検査のかかる時間を合計すると約4日間となり、非常に
長時間である。確認培養における生化学試験では、好気
的発育性、VP反応性、硝酸塩の還元性、Tween8
0の水解性、ヒアルロニダーゼ活性、糖分解性等の諸性
状を調べる必要があり、操作的にも煩雑で時間や費用も
かかる。
【0004】また、黄色ブドウ球菌の場合、分離菌株の
外毒素(Toxic Shock Syndrome Toxin-1)産生性を試験
することが食中毒、および下痢症の最も確実な起病菌決
定法であると見なされているが、市販の簡便試薬キット
を使用しても、結果を得るまでに18〜20時間を要
し、迅速性に欠ける。
【0005】一方、最近では、オリゴヌクレオチドを用
いたDNAプローブ法、あるいはハイブリダイゼーショ
ン法が試みられるようになってきた。しかし、オリゴヌ
クレオチドを標識修飾したプローブにより、膜上、ある
いは他の支持体上でハイブリダイゼーションを行い、こ
れを検出する場合、細菌検査において十分な検出感度と
選択性を得るのが難しい。
【0006】そこで、本発明は、オリゴヌクレオチドを
核酸合成反応のプライマーとして機能させた遺伝子増幅
技術により、黄色ブドウ球菌由来のTSST-1遺伝子を検出
するもので、簡便、迅速、かつ高感度な検査法を食中毒
検査、または下痢症検査に提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、黄色ブドウ球
菌のTSST-1遺伝子と選択的にハイブリダイズするオリゴ
ヌクレオチドを作製し、このオリゴヌクレオチドをプラ
イマーとして遺伝子増幅に用い、食中毒症状を起こす黄
色ブドウ球菌のうちTSST-1遺伝子を有する黄色ブドウ球
菌のみを選択的に検出することを特徴としている。
【0008】プライマーとして用いるオリゴヌクレオチ
ドは、TSST-1遺伝子をコードするヌクレオチド配列と相
補的となるように化学合成されたオリゴヌクレオチドで
あって、合成ヌクレオチドが以下の配列群、 (5’)d−CCTTTAAAAGTTAAGGTTC
ATG−(3’)・・・・(a;配列番号1) (5’)d−GGCCAAAGTTCGATAAAAA
AC−(3’)・・・・(b;配列番号2) (5’)d−ATTTATAGGTGGTTTTTCA
GTAT−(3’)・・・・(c;配列番号3) (5’)d−CTGCTTCTATAGTTTTTAT
TTCA−(3’)・・・・(d;配列番号4) または対応する相補的配列からなることを特徴とする。
【0009】また、上記オリゴヌクレオチドはTの代わ
りにU(ウリジン)を用いても同様な効果が得られる。
【0010】ここで、遺伝子増幅は、Saiki らが開発し
たPolymerase Chain Reaction 法(以下、略してPCR
法; Science 230 1350(1985))をもとに行っている。こ
の方法は、ある特定のヌクレオチド配列領域(本発明の
場合は黄色ブドウ球菌のTSST-1遺伝子)を検出する場
合、その領域の両端の一方は+鎖を、他方は−鎖をそれ
ぞれ認識してハイブリダイゼーションするようなオリゴ
ヌクレオチドを用意する。それを熱変性により1本鎖状
態にした試料核酸に対し、鋳型依存性ヌクレオチド重合
反応のプライマーとして機能させ、生成した2本鎖核酸
を再び1本鎖に分離し、再び同様な反応を起こさせる。
この一連の操作を繰り返すことで2つのプライマーに挟
まれた領域は検出できるまでにコピー数が増大してく
る。
【0011】検体としては、臨床検査材料、例えば、糞
便、尿、血液、組織ホモジェネートなど、また、食品材
料でもよい。これら材料をPCRの試料として用いるに
は、材料中に存在する菌体から核酸成分を遊離させる操
作が前処理として必要となる。 しかし、プライマーが
ハイブリダイズできる核酸が数分子から数十分子以上存
在すれば,PCRは進むので、検査材料を溶菌酵素、界
面活性剤、アルカリ等で短時間処理するだけでPCRを
進行させるに十分な核酸量を含む試料液が調製できる。
【0012】本発明でプライマーとして用いられる上記
オリゴヌクレオチドは選択性や検出感度、および再現性
から考えて、少なくとも10塩基以上の長さを持ったヌ
クレオチド断片で、化学合成あるいは天然のどちらでも
よい。また、プライマーは、特に検出用として標識され
ていなくてもよい。プライマーが規定している黄色ブド
ウ球菌のTSST-1遺伝子のヌクレオチド配列における増幅
領域は、50塩基から2, 000塩基、望ましくは10
0塩基から 1, 000塩基となればよい。
【0013】鋳型依存性ヌクレオチド重合反応には、耐
熱性DNAポリメラーゼを用いているが、この酵素の起
源については90〜95℃の温度で活性を保持していれ
ば、どの生物種由来でもよい。熱変性温度は90〜95
℃、プライマーをハイブリダイズさせるアニーリング操
作の温度は37〜65℃、重合反応は50〜75℃で、
この熱変性から重合反応までの操作を1サイクルとした
PCRを20から42サイクル行って、検体中に含まれ
る黄色ブドウ球菌のTSST-1遺伝子を増幅させる。 検出
はPCRを終えた反応液をそのままアガロースゲル電気
泳動にかけることで、増幅されたヌクレオチド断片の存
在、およびその長さが確認できる。
【0014】その結果から、検体中にプライマーが認識
すべき配列を持ったヌクレオチドが存在しているかどう
かを判定できる。この判定は、そのままTSST-1遺伝子を
もつ黄色ブドウ球菌の有無を判定するものとなる。増幅
されたヌクレオチド断片の検出には、その他の電気泳動
やクロマトグラフィーも有効である。
【0015】また、上記の(a)〜(d)の配列の1つ
を有するオリゴヌクレオチドをプローブとして機能さ
せ、膜上あるいはその他支持体上の標的ヌクレオチド配
列を選択的に検出してもよい。この場合、オリゴヌクレ
オチドは標識物で修飾するのが好ましい。
【0016】
【作用】本発明は、オリゴヌクレオチドを核酸合成反応
のプライマーとして機能させた遺伝子増幅技術により黄
色ブドウ球菌の特定遺伝子を検出するもので、簡便、迅
速かつ高感度な検出ができる。
【0017】
【実施例】
(実験例1)検体の調製 黄色ブドウ球菌は343株を用いた。これらの菌株は、
食中毒事例株あるいは環境分離株で、食中毒患者の下痢
便、嘔吐物、原因食品等から分離されたものである。各
菌株をブレインハートインフュージョン培地(BBL社
製)に接種し、37℃の好気的条件下で終夜振とう培養
を行った。各菌株培養液を10mMトリスー塩酸緩衝液
pH7.5(以下TE緩衝液)で10倍希釈し、95℃
で5分間の加熱処理を行った後、これらを5000rpm
で1分遠心し、その上清を検体とした。
【0018】プライマーの合成 黄色ブドウ球菌のTSST-1遺伝子の塩基配列(Blomster-H
autamaa et.al J.Biol.chem.26,15783-6(1986))から、
請求項第1項に示した配列あるいはその相補鎖から (a)
から(d) を選び、それと同じ配列を持つオリゴヌクレオ
チドを化学合成した。化学合成はサイクロンプラスDN
A合成装置(ミリジェン/バイオリサーチ社製)を用
い、βーシアノエチルフォスホアミダイト法により行っ
た。合成したオリゴヌクレオチドの精製はC18逆相カラ
ムを用いた高速液体クロマトグラフィーで行った。
【0019】PCR 前記検体液3μl を用い、それに滅菌蒸留水16.05
μl 、10x反応用緩衝液3μl、dNTP溶液4.8
μl、プライマー(1) 1.5μl、プライマー(2) 1.
5μl、および耐熱性DNAポリメラーゼ0.15μl
を加えて、全量30μlの反応液を調製した。この反応
液の入った容器にミネラルオイル(SIGMA 社製)を50
μl加え、反応液上に重層した。
【0020】各使用した溶液の内容、およびプライマー
(1) と(2) の組合せは次のとおりである。 10x反応用緩衝液: 500mM KCl, 100mM Tris-HCl pH8.3, 15mM MgCl2 0.1%(W/V) ゼラチン dNTP溶液: dATP, dCTP, dGTP, dTTPを混合させたもので各終濃度が1.25mM プライマー(1) および(2): 前述した化学合成精製品の各水溶液 (濃度5 OD/ml ) プライマーの組合せ: 前述の化学合成精製品を下表に
示した組合せで使用した。下表中、(a)〜(d)は請
求項1に記載した合成ヌクレオチドに対応し、(a)は
配列番号1、(b)は配列番号2、(c)は配列番号
3、(d)は配列番号4である。
【0021】 プライマー(1) プライマー(2) (b) (c) (a) (d) (b) (d) 耐熱性DNAポリメラーゼ: Taq DNAポリメラー
ゼ(5 unit/ml; Perkin Elmer Cetus社製)。
【0022】反応条件は、次のとおりである。 熱変性: 94℃、1分 アニーリング: 55℃、1分 重合反応: 72℃、1分 熱変性からアニーリングを経て重合反応に至る過程を1
サイクル(所要時間5.7 分)とし、これを35サイクル
(総所要時間約3時間)行った。これらの操作は、DN
Aサーマルサイクラー(Perkin Elmer Cetus社製)に上
記反応条件をプログラムして行った。
【0023】検出 反応液から増幅されたヌクレオチド断片を検出するた
め、アガロースゲル電気泳動を以下のように行った。
【0024】アガロースゲルはゲル濃度3%(W/V )と
し、臭化エチジウム(0.5 μg/ml)を含むものを用い
た。泳動の条件は定電圧100V、30分で行った。操
作方法ならびに他の条件は、Maniatis 等著 Molecular
Cloning 第2版(1989)に記載されている技法で行っ
た。反応液の他に分子量マーカーの泳動も同時に行い、
相対移動度の比較によりヌクレオチド断片の長さを算出
した。
【0025】逆受身ラテックス凝集反応(Reversed Pas
sive Latex Agglutination;RPLA 試験) 市販の黄色ブドウ球菌TSST−1検出用RPLAキッ
ト(TST−RPLA「生研」デンカ生研株式会社製)
を購入し、付属の使用説明書に従い検体を調製して、試
験を行った。
【0026】ただし、試験に供する検体については、エ
ンテロトキシンの産生を十分に行わせるために、一部条
件を変更して調製した。すなわち、使用説明書中では
『ブレインハートインフュージョン培地等で、37℃、
18〜20時間振とう培養』のところを、本実施例で
は、BBL社製のブレインハートインフュージョン培地
を使用し48時間培養後、5000rpm、1分遠心し
た後の上清をRPLA試験に供した。
【0027】結果 表1に本発明によるPCR法と従来のTST−RPLA
との比較を示す。これによれば、本発明によれば、従来
法と同等またはそれ以上の感度で黄色ブドウ球菌のTSST
-1遺伝子が検出できることがわかる。なお、この表1中
の数字は、PCR陽性が18株でうち17株がRPLA
法でも陽性であり、325株がPRでもRPLAでも
陰性であったことを示す。すなわち、1株(PCR陽
性、RPLA陰性)を除いてはPCRとRPLAが一致
したことを示している。
【0028】なお、一致しない1株をサザンハイブリダ
イゼーション法でTSST−1遺伝子の有無を調べたと
ころ遺伝子の存在が確認された。
【0029】
【表1】 また、図1に本発明のPCRプライマーがどの位の感度
を有するかをテストした結果(電気泳動図)を示す。図
中1、2・・9はPCR反応に用いたDNAのコピー数
を示しており、1は107 コピー、2は106 コピー、
3は105 コピー、4は104 コピー、5は103 コピ
ー、6は102 コピー、7は10コピー、8は1コピ
ー、9は0コピーを示す。この図より、本発明によれば
DNAのコピー数が10のときでも検出できることがわ
かる。
【0030】(実験例2)実験例1で得られた結果がTS
ST-1遺伝子をもつ黄色ブドウ球菌に対して、選択的なも
のかどうかを確かめるため、臨床検査において検査対象
となる黄色ブドウ球菌以外の食中毒菌または下痢症菌等
の遺伝子について本発明のプライマーが反応するかどう
か調べた。方法は検体の調製法を除いて、実験例1で示
したものと同じである。
【0031】検体の調製 表2中の各菌株をそれぞれ適当な増菌培地に接種し、3
7℃、好気的、または嫌気的条件下で終夜培養を行った
(このうち嫌気的条件下で培養した菌株は、表中のClos
tridium perfringens Campylobacter jejuniBacter
oides flagilisBacteroides vulgatus、およびLactob
acillus acidophilus である)。
【0032】各菌株培養液0. 5mlから遠心操作によ
り、菌体を回収し、TE緩衝液で菌体を1回洗浄した。
この菌体に50mMリン酸緩衝液pH7. 5に溶解した
N−アセチルムラミダーゼ溶液、およびアクロモペプチ
ダーゼ溶液を各終濃度が50μg/ml、および1mg
/mlとなるように加え、37℃で10分間処理し、溶
菌した。TE緩衝液で飽和させたフェノールおよびクロ
ロフォルムからなる混合液(混合比1:1)を溶菌液に
加えて、よく撹拌した。
【0033】遠心後、上層液を回収し、エタノール処理
を行って、核酸成分を沈澱させた。この沈澱物を1ml
のTE緩衝液に溶かして検体とした。
【0034】結果 表2に示すように、使用したプライマーは食中毒菌DN
Aをはじめとする種々のDNAの全てについて、それら
のDNAを増幅することはなかった。したがって、本発
明のオリゴヌクレオチド、すなわちプライマーはTSST-1
遺伝子をもつ黄色ブドウ球菌にのみ、選択的に反応する
ものと断言できる。また、表1に掲載されなかった残り
の各組合せについても同様な試験結果が得られた。
【0035】
【表2】
【0036】
【効果】本発明ではPCR法を用いたことで、黄色ブド
ウ球菌の検出において、遺伝子増幅作用による高い検出
感度と、2つあるいは、それ以上のプライマーで反応が
規定されることによる高い選択性を得ることができる。
【0037】また、高い検出感度のため多量の検体を必
要とせず、検体の前処理が簡便で済む。しかも、反応時
間が短く、検出も簡単な機材で済み、操作も容易なため
同定までの時間を大幅に短縮できる。例えば、実施例で
は、反応時間が約3時間、検出にかかる操作が30分で
ある。
【0038】また、検出にアガロースゲル電気泳動と臭
化エチジウムによる核酸染色法を用いることで、プライ
マー等を標識せずに検出が行え、しかも、核酸の長さが
確認できるので、結果の信頼性が高いものとなる。
【0039】
【配列表】
配列番号(SEQ ID NO);1 配列の長さ 22塩基 配列の型 核酸 鎖の数 一本鎖 トポロジー 直鎖状 配列の種類 Genomic DNA ハイポセティカル配列 NO アンチセンス NO 起源 Staphylococcus aureus 配列の特徴 特徴を決定した方法 S 配列 CCTTTAAAAGTTAAGGTT
CATG
【0040】配列番号(SEQ ID NO);2 配列の長さ 21塩基 配列の型 核酸 鎖の数 一本鎖 トポロジー 直鎖状 配列の種類 Genomic DNA ハイポセティカル配列 NO アンチセンス NO 起源 Staphylococcus aureus 配列の特徴 特徴を決定した方法 S 配列 GGCCAAAGTTCGATAAAA
AAC
【0041】配列番号(SEQ ID NO);3 配列の長さ 23塩基 配列の型 核酸 鎖の数 一本鎖 トポロジー 直鎖状 配列の種類 Genomic DNA ハイポセティカル配列 NO アンチセンス NO 起源 Staphylococcus aureus 配列の特徴 特徴を決定した方法 S 配列 ATTTATAGGTGGTTTTTC
AGTAT
【0042】配列番号(SEQ ID NO);4 配列の長さ 23塩基 配列の型 核酸 鎖の数 一本鎖 トポロジー 直鎖状 配列の種類 Genomic DNA ハイポセティカル配列 NO アンチセンス NO 起源 Staphylococcus aureus 配列の特徴 特徴を決定した方法 S 配列 CTGCTTCTATAGTTTTTA
TTTCA
【図面の簡単な説明】
【図1】アガロース電気泳動図を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 The Journal of Bi ological Chemistr y,261(33)(1986)p.15783− 15786

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】検体中に存在する黄色ブドウ球菌( Staph
    ylococcus aureus)の有する毒素性ショック症候群毒素
    遺伝子(TSST-1遺伝子)をコードするヌクレオチド配列
    を標的とし、そのヌクレオチド配列と相補的となるよう
    に化学合成されたオリゴヌクレオチドであって、合成ヌ
    クレオチドが以下の配列群、 (5')d−CCTTTAAAAGTTAAGGTTCATG−(3') ・・・・(a;配列番号1) (5')d−GGCCAAAGTTCGATAAAAAAC−(3') ・・・・(b;配列番号2) (5')d−ATTTATAGGTGGTTTTTCAGTAT−(3') ・・・・(b;配列番号3) (5')d−CTGCTTCTATAGTTTTTATTTCA−(3') ・・・・(b;配列番号4) または対応する相補的配列からなることを特徴とするオ
    リゴヌクレオチド。
  2. 【請求項2】請求項1項に記載された各オリゴヌクレオ
    チドの配列のうち、増幅されるべきヌクレオチド配列の
    両端を規定する2種のオリゴヌクレオチドを鎖長反応の
    プライマーとして機能させ、標的ヌクレオチド配列を選
    択的に増幅させることを特徴とする方法であって、 (a)検体中の1本鎖状態の標的ヌクレオチド配列にプ
    ライマーをハイブリダイズさせ、4種のヌクレオチドの
    重合反応により鎖長反応を行わせ、 (b)得られた2本鎖標的ヌクレオチド配列を1本鎖に
    分離した場合、その相補鎖は他方のプライマーによる同
    時の鎖長反応の鋳型として機能し、 (c)これら2種のプライマーによる同時の鎖長反応、
    プライマー鎖長生成物の鋳型からの分離、そして新たな
    プライマーによるハイブリダイゼーションを繰り返すこ
    とにより、特定のヌクレオチド配列が増幅され、増幅さ
    れたヌクレオチド断片を検出し、 (d)その結果、前記検体中に認識されるべき配列が存
    在しているか否かを判定することで毒素性ショック症候
    群毒素遺伝子(TSST-1遺伝子)を有する黄色ブドウ球菌
    の検出を行うことを特徴とする黄色ブドウ球菌の検出方
    法。
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