JPH0711332U - 化粧板 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 安価であるとともに品質が向上し、かつ美観
に優れた化粧板を提供することを目的としている。 【構成】 基盤層と、基盤層の上面に積層されるシート
層と、シート層の上面に形成される塗膜層とを有し、塗
膜層に表面加工を施すことにより形成される化粧板であ
って、基盤層がＭＤＦ材で構成されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、例えば、住宅やオフィスなどの建物の内装材として使用される、床 板、壁板や収納棚などの室内造作材や、家具などの外装材として用いられる化粧 板に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来の化粧板は、基盤層である合板の上面に、模様を施した紙シートを貼った ものや、この紙シートの上面にさらにエンボス加工を行ったもの、あるいは、基 盤層の合板の上面に塩ビシートを貼ったものや、合板の上面に模様を施したシー トを貼り、その上面にポリエステル樹脂を塗布してポリエステル樹脂層を形成し 、さらに、その上面にエンボス加工を行った後、最後に着色塗料をワイピングし て構成されているものなどがある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来の化粧板によれば、基盤層として合板を使用しているため、その表面の凹 凸が大きいので、シートを貼っても、シートの表面に凹凸が出てしまい、その後 のエンボス加工による模様付けが制約されてしまうという問題がある。また、合 板は比較的高価であるため、化粧板の製造原価が上がってしまうという問題があ る。

【０００４】 さらに、塗膜材としてポリエステル樹脂を用いる化粧板では、コーティングさ れているポリエステル樹脂が反応系であるので、塗膜層が厚くなってしまうため 、塗膜層の薄化による低廉化が図れない。また、この塗膜層が所定の厚さより厚 くなると、化粧板の表面の塗膜層の応力が大きくなり、化粧板にそりが発生しや すくなる。さらに、ポリエステル樹脂は伸展性が低いために、塗膜層に割れが生 じやすく、すなわち、耐衝撃性がよくないという欠点がある。そのうえ、ポリエ ステル樹脂は硬いため、塗膜層にエンボス加工がしにくく、エンボス加工用ロー ラの寿命を短くするという問題や、加工を施してもエンボスの凹部が深くなる傾 向があるため、この凹部に埃が入った場合は、埃が取れにくく目立つという問題 がある。

【０００５】 本考案は、このような問題点を解決するためになされたものであり、安価であ るとともに品質が向上し、かつ美観に優れた化粧板を提供することを目的として いる。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記目的を達成するために、基盤層と、基盤層の上面に積層される シート層と、シート層の上面に形成される塗膜層とを有し、塗膜層に表面加工を 施すことにより形成される化粧板であって、基盤層がＭＤＦ材で構成されている ことを特徴としている。

【０００７】 この場合、塗膜層がウレタン樹脂で構成されていることが好ましい。

【０００８】

【作用】

この化粧板によれば、化粧板は、基盤層がＭＤＦ材（ミディアム・デンシティ ・ファイバーボード）で構成されているので、安価なものとなり、また、基盤層 の表面が滑らかなので、模様付けなどの表面加工を施し易いために、その美観が 向上する。

【０００９】 請求項２に記載の化粧板によれば、化粧板は、ＭＤＦ材を基盤層として、その 上層に塗布される塗膜層がウレタン樹脂で構成されているので、塗膜層の薄膜化 が可能であり、また、ウレタン樹脂が軟らかくかつ伸展性に優れているため、加 工性および耐衝撃性などの品質が向上する。

【００１０】

【実施例】

以下、本考案の好ましい実施例を、図面を参照して詳細に説明する。なお、図 面では各工程が分かりやすいように、各層の厚さを同一にして作図してある。

【００１１】 本考案の化粧板Ｋは、図１に示すように、ＭＤＦ材で構成された基盤層１の上 面に、模様が印刷されたシート（シート層）２を貼り、その上面にウレタン樹脂 を塗布して塗膜層３を形成し、次に、エンボス４の加工（表面加工）をして、加 工面に顔料５をワイピングして着色し、最後に艶消し塗料６を吹き付けて構成さ れている。しかし、この最後の艶消し塗料６の吹き付けを省いてもよい。

【００１２】 ここで、各工程順に説明すると、基盤層１は、３ｍｍ程度の厚さに木の繊維を 固めたＭＤＦ材で構成され、表面に凹凸がなく、板状に形成されている。シート ２は、材質が紙やビニールなどで非常に薄く構成され、表面に木目調などの模様 が印刷されている。そして、このシート２は基盤層１の上面に接着される。この とき、基盤層１の上面が滑らかなために、表面を均す加工をせずにシート２を接 着することができるとともに、接着後のシート２の表面も、凹凸がなく、滑らか になる。

【００１３】 次に、塗膜層３は、ウレタン樹脂で構成されており、いわゆるフローコーティ ングの塗布方法を用いて形成されている。すなわち、基盤層１にシート２を接着 した板の上面に、ウレタン樹脂塗料をカーテン状に落下させて均一の厚さに塗布 し、ウレタン樹脂の塗膜層３が形成される。

【００１４】 エンボス４の加工は、ウレタン樹脂の塗膜層３の上面を一度サンドペーパーな どで均した後に、エンボス４の加工用ローラで表面にキズを付けるようにして行 われる。このとき、基盤層１の表面に凹凸がないために、塗膜層３も滑らかに形 成されるので、エンボス４の加工が均一かつ容易に行われ、その仕上がりは綺麗 になる。

【００１５】 顔料５のワイピングは、エンボス４の加工が施されたエンボス４面に、ローラ で直接、顔料５を塗り付けて着色する方法で、この着色後に、仕上げとして艶消 し塗料６を吹き付け塗装することにより、化粧板Ｋが完成される。

【００１６】 このようにして完成された化粧板Ｋは、以下のような優れた特徴を有している 。まず、ＭＤＦ材自体が安価であるため、これを基盤層１として用いることによ り、化粧板Ｋの製造原価の低減を図ることができる。次に、ウレタン樹脂は溶解 タイプであり、揮発によって塗膜層が形成され、薄塗りが可能である。したがっ て、塗膜層の応力が小さく、化粧板Ｋはそりが生じにくく、品質が向上するとと もに、薄い分だけ塗料費が低減できる。さらに、ウレタン樹脂は伸展性が優れて いるために、化粧板Ｋは、塗膜層に割れが生じにくく、すなわち、耐衝撃性が向 上するという利点がある。そのうえ、ウレタン樹脂の塗膜層は軟らかいために、 エンボス加工がしやすく、加工後のエンボスの深さも深くならないので、埃が入 りにくいばかりでなく、ひいては、エンボス加工用ローラの寿命も延長すること ができる。さらに、この軟らかさおよび滑らかさが、最終的に化粧板Ｋの外観に 現れて、ひいては、模様のリアルさもともなって、化粧板Ｋの品質を高める結果 となる。

【００１７】 なお、本考案の表面加工による模様付けは、実施例では、エンボス加工である が、例えば、これをヘアライン加工やその他の表面加工によって行ってもよい。 その他、本考案の趣旨を逸脱しない範囲で、細部の構成を適宜変更することは可 能である。

【００１８】

【考案の効果】

以上詳述したように、本考案の化粧板は、安価で、耐衝撃性が向上しかつ美観 に優れるなど、品質に優れているという効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案を適用した化粧板の斜視図である。

【符号の説明】

１ 基盤層 ２ シート ３ 塗膜層（ウレタン樹脂） ４ エンボス Ｋ 化粧板

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 基盤層と、当該基盤層の上面に積層され
   るシート層と、当該シート層の上面に形成される塗膜層
   とを有し、当該塗膜層に表面加工を施すことにより形成
   される化粧板であって、前記基盤層がＭＤＦ材で構成さ
   れていることを特徴とする化粧板。
2. 【請求項２】 前記塗膜層がウレタン樹脂で構成されて
   いることを特徴とする請求項１に記載の化粧板。